JPH1164314A - クロマトグラフィーカラム - Google Patents

クロマトグラフィーカラム

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JPH1164314A
JPH1164314A JP9244865A JP24486597A JPH1164314A JP H1164314 A JPH1164314 A JP H1164314A JP 9244865 A JP9244865 A JP 9244865A JP 24486597 A JP24486597 A JP 24486597A JP H1164314 A JPH1164314 A JP H1164314A
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JP
Japan
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column
resin
coating layer
porous
chromatography column
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JP9244865A
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Itaru Yazawa
到 矢澤
Kenji Noriuchi
健司 則内
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KYOTO JUSHI SEIKO KK
Original Assignee
KYOTO JUSHI SEIKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラム側面からの移動相の漏出を防止し、カラ
ム自体に必要な強度を付与するとともに、必要に応じて
カラム外周に設けられる補強支持体との密着性が改善さ
れ、しかも再現性の良い多孔質柱状体からなるクロマト
グラフィーカラムを提供する。 【解決手段】多孔質柱状体からなるカラム本体の外周面
に樹脂被覆層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質柱状体から
なるカラム本体の外周面に樹脂被覆層を設けた、移動相
を側面から漏出させないクロマトグラフィーカラムに関
する。
【0002】
【従来の技術】クロマトグラフィーは、固定相を通して
移動相を移動させることにより固定相への分別的捕集と
脱離を連続的に繰り返して試料を分離する操作である。
従来このクロマトグラフィーカラムとしては、ステンレ
スやガラス、プラスチック等からなるクロマト管に、シ
リカゲル等の充填剤粒子を充填した充填カラムが使用さ
れていた。しかしながら、充填カラムでは充填剤粒子の
性状や充填条件等によって得られるカラムの特性が変化
し、同じ充填剤粒子を使用したカラムでも再現性が保証
されないという欠点があった。
【0003】また、充填構造によらず、細孔を有する多
孔質柱状体によりクロマトグラフィーカラムを構成する
ことも提案されているが(例えば、特開平7−1204
50号公報)、このようなカラムでは試料及び溶媒を含
む移動相が多孔質柱状体の側面から漏出するという問題
があった。また、柱状体自体の強度が劣るために柱状体
をガラス、プラスチック、ステンレス等の管状体で補強
支持する必要があるが、柱状体とこれらの補強支持体を
密着させることが困難であり、実用に耐える多孔質柱状
体クロマトグラフィーカラムは実現していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、カラム側面からの移動相の漏出を防止し、カラ
ム自体に必要な強度を付与するとともに、必要に応じて
カラム外周に設けられる補強支持体との密着性が改善さ
れ、しかも再現性の良い多孔質柱状体からなるクロマト
グラフィーカラムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、多孔質柱状
体からなるカラム本体の外周面に樹脂被覆層を設けるこ
とによって上記課題を解決し、カラム側面からの移動相
の漏出がなく、必要な強度を有し、しかも再現性の良い
クロマトグラフィーカラムを実現したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のカラム本体を構成する多
孔質柱状体としては特に制限はなく、クロマトグラフィ
ーカラムとして公知のものはいずれも使用することがで
きるが、通常はガラス又はガラスセラミックスよりなる
無機系多孔質柱状体が使用される。このような無機系多
孔質柱状体は、例えば有機高分子の酸性溶液において珪
素アルコキシドを加水分解、重合して反応溶液のゲル化
を行った後、生成した多孔質ゲル中の有機高分子を除去
し、その後焼成する等公知の方法によって製造すること
ができる。得られた無機系多孔質柱状体は、そのままで
又は適宜機械加工を施すことによって本発明のカラム本
体として使用される。
【0007】本発明でこの多孔質柱状体の外周面に樹脂
被覆層を形成する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、エラストマー、ポリマーアロイ等種々の材料を
使用することができる。好ましい樹脂としては、例えば
フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリアミド樹
脂、シアノアクリレート樹脂、セルロース樹脂等が挙げ
られ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用
することができる。
【0008】特に好ましい樹脂としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合
体、ポリビニルデンフルオライド、ポリビニルフルオラ
イド等のフッ素樹脂が挙げられる。なかでも、融点15
0〜350℃、比重1.60〜2.50、引張強度10
0〜500kgf/cm2 、熱伝導率2.0〜7.0、
体積抵抗率10-19 〜10-10 のフッ素樹脂を使用した
場合には、移動相のカラム側面からの漏出防止性、強度
等の特に優れたクロマトグラフィーカラムを得ることが
できる。樹脂被覆層の層構成は単層としても、また2層
以上の多層構造としてもよい。多層構造とする場合に
は、各層を同一の樹脂で構成することができ、また、異
なる樹脂を使用して構成してもよい。
【0009】カラム本体の外周面に樹脂被覆層を形成す
る方法としては特に制限はなく、例えば溶液又は分散液
としてカラム表面に塗布又は浸せきする方法や、あらか
じめ形成した熱収縮性チューブやホットメルト性チュー
ブを加熱することによりカラム本体に密着させる方法等
を使用することができる。塗布又は浸せきにより樹脂被
覆層を形成する場合には、使用する被覆液が多孔質カラ
ム本体の細孔を通過しないように、樹脂の種類や被覆液
の組成、塗布条件等を選択することが必要である。
【0010】使用する樹脂被覆液が多孔質カラム本体の
細孔を通過するか否かを判定する目安としては、次のよ
うな濾紙による試験法がある。アドバンテック社製濾紙
No.5Cを2枚重ね、1枚目に樹脂被覆液を数滴滴下
し、室温で30分間保持した後に2枚目の濾紙に樹脂が
浸潤しているかどうかを判定する。2枚目の濾紙を浸潤
しない樹脂液は、本発明の樹脂被覆層を形成するのに適
するものである。
【0011】カラム本体の外周面に設ける樹脂被覆層の
層厚は0.01〜100mmの範囲からカラムの目的、
性状等に合わせて、例えば強度を大きくするには層厚を
厚くする等適宜選択することができるが、通常は0.1
〜20mmとすることが好ましい。本発明のカラムは、
多孔質柱状体からなるカラム本体の外周面に樹脂被覆層
を形成した状態でクロマトグラフィーカラムとして使用
することができるが、大きな強度を必要とする場合に
は、樹脂被覆層の外周にさらにガラス、プラスチック、
ステンレス等の管状体等からなる支持体層を設けること
ができる。このような支持体層を設ける場合には、樹脂
被覆層と支持体層間の隙間を適宜シーリング剤により充
填することが好ましい。シーリング剤としては、樹脂被
覆層を形成するのに使用する樹脂を使用することが好ま
しい。また、多孔質柱状体カラム本体を支持体内に配置
し、その隙間に樹脂被覆液を充填することによって樹脂
被覆層を構成するようにしてもよい。
【0012】
【実施例】つぎに、実施例により本発明を説明するが、
これらの実施例は本発明を限定するものではない。以下
の実施例では、次の方法により得た多孔質シリカゲル柱
状体をカラム本体として使用した。 (シリカゲル柱状体の製造)次の反応成分を次のモル比
で容積4mlの試験管内で混合し、40℃で24時間静
置することによりゲル化した。得られたゲルを試験管か
ら取り出し、恒温室内にて40℃で2日間送風乾燥し、
シリカゲル柱状体を得た。 (反応成分) (モル比) テトラメトキシシラン 1 mol メタノール 8.75 mol 蒸留水 4 mol アンモニア 58 mmol
【0013】(実施例1)直径4mm、長さ15mmの
多孔質柱状シリカゲルを、外径8mm、内径5mm、長
さ13.5mmのPEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)管に挿入し、そのPEEK管と多孔質柱状シリカゲ
ルの空隙に、ゼッフルGK−510(フッ素樹脂:ダイ
キン工業株式会社製)を充填し、40℃で20時間乾燥
硬化させた。その後、PEEK管の両端を切断してクロ
マトグラフィーカラムを形成した。これをクロマトグラ
フィー用ガードカラムホルダ(島津社製)に装着し、蒸
留水を移動相として液体クロマトグラフィーに供した。
カラム出口から移動相が排出され、かつ30MPaカラ
ムホルダからの液漏れは認められず、クロマトグラフィ
ーカラムとして良好であることがわかった。
【0014】(実施例2)直径4mm、長さ15mmの
多孔質柱状シリカゲルを、外径8mm、内径5mm、長
さ13.5mmのPEEK管に挿入し、そのPEEK管
と多孔質柱状シリカゲルの空隙に、アラルダイト(エポ
キシ樹脂:昭和高分子社製)を充填し、40℃で20時
間乾燥硬化させた。その後、PEEK管の両端を切断し
てクロマトグラフィーカラムを形成した。これをクロマ
トグラフィー用ガードカラムホルダ(島津社製)に装着
し、蒸留水を移動相として液体クロマトグラフィーに供
した。カラム出口から移動相が排出され、かつ30MP
aカラムホルダからの液漏れは認められず、クロマトグ
ラフィーカラムとして良好であることがわかった。
【0015】(実施例3)直径4mm、長さ15mmの
多孔質柱状シリカゲルに、熱収縮テフロンチューブ(ポ
リテトラフルオロエチレン樹脂:相互理化学硝子社製N
o.040)を長さ20mmに切断して被覆し、150
℃で30分間加熱して被覆した。これを外径8mm、内
径5mm、長さ13.5mmのPEEK管に挿入し、そ
のPEEK管とテフロン被覆した多孔質柱状シリカゲル
の空隙に、アラルダイト(エポキシ樹脂:昭和高分子社
製)を充填し、40℃で20時間乾燥硬化させた。その
後、PEEK管の両端を切断してクロマトグラフィーカ
ラムを形成した。これをクロマトグラフィー用ガードカ
ラムホルダ(島津社製)に装着し、蒸留水を移動相とし
て液体クロマトグラフィーに供した。カラム出口から移
動相が排出され、かつ30MPaカラムホルダからの液
漏れは認められず、クロマトグラフィーカラムとして良
好であることがわかった。
【0016】(実施例4)直径4mm、長さ15mmの
多孔質柱状シリカゲルをゼッフルGK−510(フッ素
樹脂:ダイキン工業株式会社製)に浸せきし、5秒後に
引き上げ、40℃で20時間乾燥した。このものを厚さ
0.5mm、外径8mm、内径5mm、長さ13.5m
mのPEEK管に挿入し、そのPEEK管と多孔質柱状
シリカゲルの空隙に、アラルダイト(エポキシ樹脂:昭
和高分子社製)を充填し、40℃で20時間乾燥硬化さ
せた。その後、PEEK管の両端を切断してクロマトグ
ラフィーカラムを形成した。これをクロマトグラフィー
用ガードカラムホルダ(島津社製)に装着し、蒸留水を
移動相として液体クロマトグラフィーに供した。カラム
出口から移動相が排出され、かつ30MPaカラムホル
ダからの液漏れは認められず、クロマトグラフィーカラ
ムとして良好であることがわかった。
【0017】
【発明の効果】本発明では、多孔質柱状体からなるカラ
ム本体の外周面に樹脂被覆層を設けることによって、カ
ラム側面からの移動相の漏出を防止し、カラム自体に必
要な強度を付与するとともに、必要に応じてカラム外周
に設けられる補強支持体との密着性が改善され、しかも
再現性の良い多孔質柱状体からなるクロマトグラフィー
カラムを提供するものであり、きわめて実用的価値が高
い。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質柱状体からなるカラム本体の外周
    面に樹脂被覆層を設けたことを特徴とするクロマトグラ
    フィーカラム。
  2. 【請求項2】 樹脂被覆層の層厚が0.01〜100m
    m、好ましくは0.1〜20mmであることを特徴とす
    る請求項1に記載のクロマトグラフィーカラム。
  3. 【請求項3】 樹脂被覆層形成時に多孔質柱状体内部に
    浸潤しない樹脂により樹脂被覆層を形成したことを特徴
    とする請求項1又は2に記載のクロマトグラフィーカラ
    ム。
  4. 【請求項4】 樹脂被覆層がフッ素樹脂、エポキシ樹
    脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹
    脂、フラン樹脂、ポリアミド樹脂、シアノアクリレート
    樹脂、セルロース樹脂から選択された1種又は2種以上
    の樹脂により、単層又は多層構造層として構成されたも
    のであることを特徴とする請求項3に記載のクロマトグ
    ラフィーカラム。
  5. 【請求項5】 樹脂被覆層が融点150〜350℃、比
    重1.60〜2.50、引張強度100〜500kgf
    /cm2 、熱伝導率2.0〜7.0、体積抵抗率10
    -19 〜10-10 のフッ素樹脂を含むことを特徴とする請
    求項4に記載のクロマトグラフィーカラム。
  6. 【請求項6】 樹脂被覆層の外側にさらに支持体層を設
    けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載のクロマトグラフィーカラム。
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