JP4644115B2 - カラムおよびカートリッジカラム - Google Patents

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Description

本発明は、クロマトグラフィーに用いられるカラム、およびそれを用いたカートリッジカラムに関する。
近年、クロマトグラフィー用のカラムにおいて、粉末状の分離材の代わりに多孔質シリカなどからなる一体型の多孔体を用いたカラムが提案されている。そのようなカラムの1つとして、ゾル−ゲル法によって形成される無機多孔体(分離材)を用いたカラムが提案されている(たとえば特許文献1および2参照)。一体型の無機多孔体を用いたカラムは、分離性能が高い、分離特性のばらつきが小さい、安定性に優れるといった特長を有する。このような多孔体は、高精度の分析やDNAの高速分離に用いることが可能である。
一体型の多孔体を用いたカラムの1つとして、熱収縮チューブと熱可塑性樹脂層とを含む円筒によって多孔体の外周面を保護したカラムが提案されている(特許文献3参照)。
特開平6−265534号公報 特開平7−41374号公報 特開平10−197508号公報
しかし、硬い樹脂のみによって外周面が保護されたカラムの場合、測定装置またはハウジングにカラムをセットした場合に、カラムの端部で分離対象物がリークする場合があった。分離対象物がリークすると、分離の再現性や精度が低下してしまう。
このような状況において、本発明は、分離材としてガラス質多孔体を用いた信頼性が高いカラム、およびそれを用いたカートリッジカラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のカラムは、クロマトグラフィーに用いられるカラムであって、柱状の分離材と、前記分離材の外周面を覆う被覆部材とを含み、前記分離材がガラス質多孔体であり、前記被覆部材は、前記分離材の2つの端部近傍の外周面を覆う2つの円筒状のエラストマーと、前記分離材の中央部の外周面を覆うゴム状弾性を有さない円筒状部材とを含む。
本発明のカートリッジカラムは、クロマトグラフィーに用いられるカラムと前記カラムを保持するためのハウジングとを含むカートリッジカラムであって、前記カラムが本発明のカラムである。
本発明のカラムでは、分離材の端部近傍の外周面が円筒状のエラストマーのチューブで覆われている。そのため、分離材の端部において分離対象物がリークすることを抑制できる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、具体例を挙げて本発明を説明する場合があるが、本発明は以下で説明する具体例に限定されない。
[カラム]
本発明のカラムは、クロマトグラフィーに用いられるカラムである。このカラムは、柱状の分離材(分離用担体)と、その分離材の外周面を覆う被覆部材とを含む。分離材はガラス質多孔体である。被覆部材は、分離材の2つの端部近傍の外周面を覆う2つの円筒状のエラストマーと、分離材の中央部の外周面を覆うゴム状弾性を有さない円筒状部材とを含む。以下、円筒状のエラストマーを「エラストマーチューブ」という場合がある。
エラストマーチューブとゴム状弾性を有さない円筒状部材とは、一体となっていてもよいし、一体となっていなくてもよい。一体となっていない場合、エラストマーチューブのみを交換することが容易である。一体となっている場合、円筒状部材とエラストマーチューブとの境界で分離対象物がリークすることを防止できる。エラストマーチューブの外径とゴム状弾性を有さない円筒状部材の外径とは、通常、同じである。両者の外径を同じとすることによって、カラムを保持しやすくなる。ただし、本発明の効果が得られる限り、両者の外径は異なってもよい。
被覆部材は、通常、分離材の外周面の全体を覆う。ただし、本発明の効果が得られる限り、被覆部材は、分離材の外周面の実質的に全体を覆えばよい。たとえば、本発明の効果が得られる限り、分離材の最端部まで被覆部材によって被覆されていてもよいし、分離材の最端部のわずかな領域が被覆されていなくてもよい。
この明細書において、分離材の「端部近傍」とは、端面から10mm(たとえば2mm)の範囲の一部の領域または全部の領域を含む。通常、1つの「端部近傍」の長さ(中心軸方向の長さ)は、分離材全体の長さの25%以下(たとえば6%以下)である。2つの「端部近傍」の領域に挟まれた領域が「中央部」の領域である。すなわち、分離材の外周面のうち、2つのエラストマーチューブの間に挟まれた領域が、ゴム状弾性を有さない円筒状部材で被覆される。
被覆部材は、通常、分離材の外周面と密着していることが好ましい。ただし、本発明の効果が得られる限り、被覆部材が分離材の外周面に密着していなくてもよい。
エラストマーは、ゴム状弾性を有する高分子物質であり、典型的な一例はゴムである。本発明のカラムのエラストマーチューブはゴムチューブであってもよい。以下の説明において、エラストマーをゴムと読みかえることが可能である。
エラストマーチューブは、たとえば、フッ素ゴムからなるものであってもよいし、シリコーンゴムや石油合成ゴムからなるものであってもよい。石油合成ゴムとしては、たとえば、ニトリルゴム(NBR)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレンゴム(EP)、イソブチレン・イソプレン共重合ゴム(IIR)が挙げられる。フッ素系エラストマー(たとえばフッ素ゴム)は、耐薬品性や耐熱性が高い点で好ましい。フッ素ゴムとしては、たとえば、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、四フッ化エチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム(FFKM)などが挙げられる。また、他のフッ素系エラストマーとしては、たとえば、パーフロロエラストマーが挙げられる。これらの中でも、パーフロロエラストマーおよびFFKMは、耐薬品性および耐熱性が高いため好ましい。
エラストマーチューブの厚さが薄すぎると、エラストマーの特性が充分に発揮されない。そのため、分離材が収納される部分のエラストマーチューブの厚さtは一定以上の厚さであることが好ましい。一例では、エラストマーチューブの通常時(外力が加えられていない状態)の厚さtは、0.1mm以上(たとえば0.5mm以上で一例では2.5mm以上)であってもよい。厚さtの上限について、特に限定はなく、たとえば20mm以下としてもよい。
エラストマーチューブの好ましい硬度は、エラストマーチューブの厚さtによっても異なるが、たとえば、デュロメータタイプの硬度計に従って測定された硬度(JIS−K−6253)が、A/20〜A/100の範囲(たとえばA/40〜A/90の範囲)、またはD/60以下の範囲であってもよい。
一例のエラストマーチューブでは、エラストマーチューブの厚さtが2mm〜4mmの範囲であり、硬度(JIS−K−6253)が、A/50〜A/80の範囲である。
エラストマーチューブは高い弾性を有することが必要である。そのため、テフロン(登録商標)や、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)といった、ゴム状弾性を有さない樹脂で形成されたチューブを用いることはできない。
本発明のカラムでは、上記のゴム状弾性を有さない円筒状部材がプラストマーのチューブであってもよい。以下、円筒状のプラストマーを「プラストマーチューブ」という場合がある。
プラストマーは、ゴム状弾性を有さない高分子物質である。プラストマーチューブは、ロックウェル硬度(ASTMD785)、Rスケールで15以上の材料、またはゴム硬度(JIS−K−6253)がD/70以上の材料で形成してもよい。プラストマーチューブの材料としては、たとえば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマ(LCP)、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリウレタン、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、様々な充填剤を配合した樹脂が挙げられる。プラストマーチューブは1種類の材料で形成されてもよいし、複数種の材料で形成されてもよい。なお、ゴム状弾性を有さない円筒状部材の一部または全部は金属であってもよい。
分離対象物によっては、エラストマーチューブおよびプラストマーチューブは耐薬品性が高い材料で形成されることが好ましい。
本発明のカラムでは、分離材とプラストマーチューブとが固定されている。エラストマーチューブと分離材とは、固定されていてもよいし、着脱可能であってもよい。
1つのエラストマーチューブの長さ(チューブの中心軸方向の長さ)は、0.2mm以上であり、好ましくは1mm以上(たとえば2mm以上)である。
本発明のカラムでは、複数個の分離材が被覆部材の中に配置されていてもよい。
本発明のカラムの分離材は、粉末状の分離材とは異なり、柱状の一体型(モノリス型)の分離材である。分離材の形状は、たとえば、円柱状(円盤状を含む)であり、典型的な形状は、断面形状が真円である円柱である。ただし、分離材は、断面形状が真円でなくともよく、また、端面が平面でなくてもよい。たとえば、端面が曲面であってもよい。また、本発明の分離材の断面形状は、四角形の角を丸めることによって得られる円状の形状であってもよい。
分離材は、ガラス質多孔体(実質的に無機多孔体であり、ガラスおよびガラスセラミクスなどを含む)であり、ゾル−ゲル法を用いて形成されたガラス質多孔体、具体的には、ゾル−ゲル法を用いて得られる多孔性ゲルや、そのゲルを熱処理して得られる多孔体を用いることができる。たとえば、金属アルコキシド(たとえばアルコキシシラン)やハロゲン化金属を出発材料として公知のゾル−ゲル法によって形成されるガラス質多孔体を用いることができる。なお、分離材は、有機基が結合した金属アルコキシドやハロゲン化金属を出発材料の1つとして形成される、有機成分を含むガラス質多孔体であってもよい。
このガラス質多孔体は、分離能を高めるために、表面が修飾されていてもよい。たとえば、ガラス質多孔体の表面に、官能基または有機分子が結合していてもよい(官能基を備える有機分子が結合する場合を含む)。ガラス質多孔体の表面を修飾する官能基または有機分子は、求められる分離能に応じて選択される。それらには、分離材で用いられる公知のものを適用でき、たとえば、ヘキシル基やオクチル基やその他のアルキル基、オクタデシルシラン、オクタデシル基、フェニル基、トリメチルシリル基、シアノ基、アミノ基を適用できる。
ガラス質多孔体の典型的な一例は、酸化ケイ素を主成分(50質量%以上)とする多孔体であり、たとえば多孔質シリカガラスである。ただし、酸化ケイ素以外の酸化物を含むガラス質多孔体(無機多孔体)や、酸化ケイ素以外の酸化物を主成分とするガラス質多孔体(無機多孔体)を用いてもよい。ゾル−ゲル法で形成されるモノリス型のゲル(ガラス質多孔体)は、多孔度や孔径の制御が比較的容易であり、分離能のばらつきが小さいという点で好ましい。
分離材には、市販されているガラス質多孔体を用いてもよい。また、分離材は、公知のゾル−ゲル法を用いて形成してもよい。たとえば、特開平6−265534号公報や特開平7−41374号公報に記載されている方法で形成してもよい。これらの方法によれば、円柱状の多孔質シリカガラス(多孔質シリカゲル)を形成することが可能である。
分離材には、孔径が比較的大きい貫通孔と、孔径が小さい細孔とが混在する分離材を用いてもよい。たとえば、特開平6−265534号公報に記載の製造方法で製造されるガラス質多孔体、具体的には、孔径が500nm〜数十μm(たとえば30μm)の多数の貫通孔と、孔径が5nm〜100nmの多数の細孔とが形成されたガラス質多孔体を用いてもよい。このガラス質多孔体の細孔の全容積は、たとえば0.001m3/kg〜0.01m3/kg(1m3/t〜10m3/t)の範囲である。
ガラス質多孔体(分離材)の分離能は、多孔体の孔の径や、多孔度、比表面積などによって変化する。そのため、求められる分離能に応じて、それらの値が制御される。それらの値は、多孔体の製造条件、特に、ゾル−ゲル法の条件を変更することによって制御できる。
[カラムの例]
以下、本発明のカラムの一例について説明する。本発明のカラムの一例の断面図を図1(a)に示す。図1(a)のカラム10は、円柱状の分離材11と、分離材11の外周面11pの全体を覆う被覆部材20とを含む。
被覆部材20は、分離材11の中央部に配置されるプラストマーチューブ21と、分離材11の2つの端部にそれぞれ配置される2つのエラストマーチューブ22とを含む。
プラストマーチューブ21は、たとえば熱収縮チューブである。熱収縮チューブとしては、たとえば、ペンニットー株式会社製のペンチューブ(商品名)、住友電工ファインポリマー社製のスミチューブ(商品名)、レイケム社製のサーモフィット(商品名)が挙げられる。プラストマーチューブ21が熱収縮チューブである場合、分離材11の中央部に熱収縮チューブを配置して加熱することによって、熱収縮チューブを分離材11の外周面に簡単に固定できる。
プラストマーチューブ21と分離材11との間の隙間は0.2mm以下であることが好ましい。この隙間が大きいと、この隙間を分離対象物が通過するため、分離の再現性および精度が低下する。
エラストマーチューブ22は、分離材11の端面11eから0mm〜5mm程度突出していてもよい。平坦な押圧面でエラストマーチューブ22の端面22eを押圧してカラム10を固定する場合でも、突出している長さだけエラストマーチューブ22を圧縮することが可能である。
なお、エラストマーチューブ22が分離材11の端面11eから突出していない場合でも、O−リングや円環状の押圧面によってエラストマーチューブ22の端面22eを押圧してカラム10を固定することが可能である。この場合には、エラストマーチューブ22が分離材11の最端部の外周部を覆っていなくてもよい。
エラストマーチューブ22の断面図を図2(a)に示し、分離材11の断面図を図2(b)に示す。エラストマーチューブ22の通常時(外力が加わっていない状態)の内径d1(mm)は、分離材11の径D2(mm)とほぼ同じである(図2参照)。通常、(d1−1.0)≦D2≦(d1+1.0)であり、たとえば(d1−0.3)≦D2≦(d1+0.3)であり、たとえば(d1−0.1)≦D2<d1である。
D2>d1である場合には、エラストマーチューブ22の内径が広げられて分離材11が配置される。一方、通常時においてD2<d1であっても、エラストマーチューブ22を押圧して圧縮することによって、チューブの厚さtを大きくするとともに、エラストマーチューブ22の内径d1を小さくできる。そのため、通常時においてD2<d1であっても、使用時において、分離材11の外周面とエラストマーチューブ22の内周面とを密着させることが可能である。
以下に、分離材11の周囲に被覆部材20を配置する方法の一例について説明する。まず、分離材11の中央部に熱収縮チューブ(プラストマーチューブ21)を配置し、これを加熱収縮させて固定する。次に、分離材11の両端にエラストマーチューブ22を1つずつ配置する。このようにして、被覆部材20を配置できる。
被覆部材20を配置する方法の他の一例について以下に説明する。まず、分離材11の径にあわせた貫通孔を形成したフッ素樹脂部材を用意する。このフッ素樹脂部材の貫通孔に、分離材11を通し、フッ素樹脂部材を分離材11の中央に配置する。次に、分離材11の両端にエラストマーチューブ22を1つずつ配置する。このようにして、被覆部材20を配置できる。
被覆部材20を配置する方法の他の一例について以下に説明する。まず、分離材11の両端に、エラストマーチューブ22を1つずつ配置する。次に、分離材11の中央部の外周面に紫外線硬化性樹脂を塗布する。次に、紫外線を照射して樹脂を硬化させ、プラストマーチューブ21を形成する。このようにして被覆部材20を配置できる。
[カートリッジカラム]
以下、本発明のカートリッジカラムについて説明する。本発明のカートリッジカラムは、クロマトグラフィーに用いられるカラムとそのカラムを保持するためのハウジングとを含む。カラムは、この明細書で述べる本発明のカラムである。
本発明のカートリッジカラムでは、分離材の端部にゴム状弾性を有するチューブが配置されるため、分離対象物が分離材の端部でリークすることを抑制できる。
ハウジングの材質に特に限定はなく、適度な強度を有する材料で形成できる。ハウジングは、たとえば、ロックウェル硬度(ASTMD785)、Rスケールで15以上の材料で形成してもよい。ハウジングの材料としては、たとえば、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマ(LCP)、ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、アクリル、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂、シリコーン樹脂や、様々な充填剤を配合した樹脂が挙げられる。また、ハウジングの一部または全部は金属で形成されてもよい。
本発明のカートリッジカラムにおいて、ハウジングは、エラストマーチューブの2つの端面を押圧しながらカラムを保持してもよい。これによって、エラストマーチューブと分離材との間に空隙ができることを抑制できる。また、ハウジングは、エラストマーチューブの2つの端面と外周面とを押圧しながら前記カラムを保持してもよい。
本発明のカートリッジカラムでは、ハウジング内において、エラストマーチューブがその中心軸の方向に圧縮されてもよい。中心軸の方向に圧縮されたエラストマーチューブは、その内径が通常時よりも小さくなる。その結果、チューブと分離材との密着性が高まる。ハウジング内においてエラストマーチューブの圧縮可能な長さは、通常時のエラストマーチューブの長さの0.1%〜50%(たとえば1.5%〜25%)であってもよい。
本発明のカートリッジカラムにおいては、ハウジング内に、複数のカラムが配置されてもよい。
本発明のカートリッジカラムにおいて、ハウジングは、カラムが内部に配置される円筒状のホルダを含み、ホルダが分割可能であってもよい。長手方向に分割可能なホルダを用いることによって、カラムが長い場合でも、ホルダ内にカラムを容易に配置できる。
[カートリッジカラムの一例]
本発明のカートリッジカラムの一例の断面図を図3に示す。図3のカートリッジカラム30は、カラム10と、カラム10を保持するハウジングとを含む。ハウジングは、円筒状のホルダ31と、ホルダ31の両端に締め込まれる2つのキャップ32と、2つのO−リング33とを備える。ホルダ31およびキャップ32の斜視図を図4に示す。
ホルダ31の内部には、1つ以上のカラム10が配置される。ホルダ31の内部には、1つ以上のカラム10と、1つ以上のスペーサとが配置されてもよい。カラム10と直列にスペーサが配置される場合、スペーサの外径は、カラム10の外径とほぼ同じであり、スペーサの中央部には貫通孔が形成されている。また、カラム10の外周面にスペーサが配置される場合、スペーサの形状は、カラム10の外径とほぼ同じ内径を有する円筒状である。
ホルダ31の内周面には、ネジ溝が形成されている。ホルダ31の内径は、カラム10の外径と同程度かやや大きい。
キャップ32には、分離対象物が通過する貫通孔32hが形成されている。貫通孔32hは、分離対象物の導入口32eにつながっている。導入口32eには、ネジ溝が形成されている。分離材11の全体に分離対象物が浸透するように、分離材11に面する貫通孔32hの終端が、図3に示すようにラッパ状に広がっていることが好ましい。
キャップ32は、ホルダ31のネジ溝に嵌合するネジ山が形成された円柱部32aを備える。円柱部32aの端面には、O−リング33が配置される環状の溝が形成されている。O−リング33とエラストマーチューブ22の端面22eとは、エラストマーチューブ22の内径d1以上で外径D1以下である径を有する円環状の部分で接触する。このため、キャップ32を締め込んでO−リング33でエラストマーチューブ22の2つの端面22eを押圧することによって、エラストマーチューブ22の端面22eの部分において分離対象物がリークすることを防止できる。
[カートリッジカラムのその他の例]
以下、本発明のカートリッジカラムとして、分離可能なホルダによってカラム10の外周面が保持されるカートリッジカラムの一例を説明する。このカートリッジカラム50のホルダの分解斜視図を図5(a)に示す。また、ホルダの他の例の分解斜視図を図5(b)に示し、図5(b)のホルダを組み立てたときの斜視図を図5(c)に示す。
図5(a)のホルダ51および図5(b)のホルダ55は、円筒状のホルダの中心軸に沿った断面でホルダが分割されるようになっており、また、分割される2つのホルダは、固定手段によって互いに固定されるようになっている。
図5(a)のホルダ51は、ホルダ52とホルダ53とからなる。ホルダ52は、鉤状の部分を備える突起52aを固定手段として含む。ホルダ53には、固定手段として孔53aが形成されており、孔53aは突起52aを係止する。突起52aが孔53aによって係止されることによって、ホルダ52とホルダ53とが互いに固定され、円筒状のホルダ51となる。ホルダ51の外周面には、ネジ山が形成されている。
図5(b)のホルダ55は、ホルダ56とホルダ57とからなる。ホルダ56は突起56aを固定手段として含む。ホルダ57には、固定手段として、突起56aに対応する孔57aが形成されている。突起56aが孔57aに挿入されてホルダ56とホルダ57とが固定される。図5(b)のホルダ56では、複数の突起56aが、中心軸に対して非対称に形成されている。このような構成によれば、誤った方向に組み立てることを防止できる。図5(c)に示されるように、ホルダ57の一部には、平坦な切り欠き部57bが形成されている。図示はされていないが、ホルダ56にも、同様の切り欠き部が形成されている。キャップを締めたり緩めたりする際に、この切り欠き部をスパナで保持することによってホルダを固定できる。
ホルダ51を用いたカートリッジカラム50の分解断面図を図6に示す。カートリッジカラム50は、ホルダ51(ホルダ52および53)と、ホルダ51内に配置されるカラム10と、2つのキャップ54とを含む。カラムは、上述した本発明のカラムであり、エラストマーチューブ22および分離材11を含む。ホルダ51の内径は、カラム10の外径とほぼ同じであり、好ましくは、ホルダ51の内周面とカラム10の外周面とが密着する。
キャップ54には、円筒状の凹部54hが形成されており、その凹部54hの内周面には、ホルダ51のネジ山と嵌合するネジ溝が形成されている。ホルダ51の内部にカラム10を配置し、ホルダ51の両端をキャップ54で締めると、凹部54hの底面54bによってエラストマーチューブ22の端面が押圧され、エラストマーチューブ22と底面54bとが密着する。このようにして、カートリッジカラム30と同様に、分離対象物がリークすることを抑制できる。
カートリッジカラム50では、ホルダ51が分離可能であるため、カラム10が長い場合や複数のカラム10を用いる場合でも、エラストマーチューブ22をホルダ51内にセットすることが容易である。このカートリッジカラムは、ホルダ内に配置されるカラムの長さ(複数のカラムが配置される場合にはそれらの合計の長さ)が50mm以上(たとえば90mm以上)である場合に、特に有効である。
なお、上記のカラムの例において、エラストマーチューブ22と分離材11とは着脱できないように一体となっていてもよい。このようなカラムは、分離材11の外周面に液状のエラストマーを塗布して乾燥(必要な場合にはさらに硬化)させることによって形成できる。分離材11に塗布されたエラストマーが、エラストマーチューブとなる。同様に、分離材11の中央部の外周面に樹脂を塗布して硬化させることによって、プラストマーチューブを形成してもよい。
また、上記の例においてはハウジングの外形が円柱状である場合を示したが、ハウジングの外形は他の形状、たとえば角柱状などであってもよい。
以上、本発明の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づいて他の実施形態に適用できる。
別の観点では、本発明は、ガラス質多孔体以外の円柱状の分離材を用いたカラムにも適用可能である。
本発明は、クロマトグラフィーに適用できる。本発明のカラムおよびカートリッジカラムは、たとえば、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーおよび分離分析、ならびにそれらの装置に用いることができる。本発明のカラムおよびカートリッジカラムによれば、様々な物質、たとえばタンパク質やペプチドといった有機化合物を分離することが可能である。
本発明のカラムの一例を示す断面図である。 (a)エラストマーチューブの一例および(b)分離材の一例を示す断面図である。 本発明のカートリッジカラムの一例を示す断面図である。 図3に示したカートリッジカラムの一部を示す分解斜視図である。 本発明のカートリッジカラムに用いられるホルダの例を示す分解斜視図および斜視図である。 本発明のカートリッジカラムのその他の例を示す断面図である。ロマトグラムである。
符号の説明
10 カラム
11 分離材
11e 端面
11p 外周面
20 被覆部材
21 プラストマーチューブ
22 エラストマーチューブ
22e 端面
30 カートリッジカラム
31 ホルダ
32 キャップ
33 O−リング
51、52、53、55、56、57 ホルダ

Claims (5)

  1. クロマトグラフィーに用いられるカラムであって、
    柱状の分離材と、前記分離材の外周面を覆う被覆部材とを含み、
    前記分離材がガラス質多孔体であり、
    前記被覆部材は、前記分離材の2つの端部近傍の外周面を覆う2つの円筒状のエラストマーと、前記分離材の中央部の外周面を覆うゴム状弾性を有さない円筒状部材とを含むカラム。
  2. 前記エラストマーがゴムである請求項1に記載のカラム。
  3. 前記円筒状部材がプラストマーのチューブである請求項1または2に記載のカラム。
  4. 前記ガラス質多孔体の表面が修飾されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラム。
  5. クロマトグラフィーに用いられるカラムと前記カラムを保持するためのハウジングとを含むカートリッジカラムであって、
    前記カラムが請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラムであるカートリッジカラム。
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