JPH1164264A - ガス濃度検出装置及びその方法 - Google Patents
ガス濃度検出装置及びその方法Info
- Publication number
- JPH1164264A JPH1164264A JP22960997A JP22960997A JPH1164264A JP H1164264 A JPH1164264 A JP H1164264A JP 22960997 A JP22960997 A JP 22960997A JP 22960997 A JP22960997 A JP 22960997A JP H1164264 A JPH1164264 A JP H1164264A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- detected
- sensor
- concentration
- semiconductor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
Abstract
0ppm以下という低濃度域に於けるガスを定量的且つ
再現性良く、検出することができるガス濃度検出方法を
得る。 【解決手段】 濃度検出対象のメタンが含有される被検
出ガスが導入されるセンサ室2内に、メタンとの接触に
より電気抵抗が変化する酸化スズ半導体を有する半導体
型ガスセンサ6を備え、センサの電気抵抗の変化を検出
して、可燃性ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置1
を構成するに、被検出ガスをセンサ室2に導く導入路4
に、被検出ガス内の水蒸気分を導入路外へ奪うととも
に、センサ室2への可燃性ガスの移流を許容して、露点
0℃以下に除湿する除湿装置20を備える。
Description
まれる可燃性ガスの濃度を検出するガス濃度検出技術に
関するものであり、例えば数ppmオーダーの低濃度域
のガス濃度を、好適に検出するガス濃度検出技術に関す
る。
スの代表例であるメタンを例に採って、以下、説明す
る。メタンのガス濃度検出にあっては、所謂、酸化物半
導体である酸化スズをガス検知部に備え、メタンガスの
ガス検知部への接触による抵抗変化を検出して、濃度を
検出する。ここで、従来、検出対象とされていたガス濃
度は、数10ppmから%オーダーの濃度域である。
ープは、一般環境中のメタン濃度を検出して環境保護に
役立てようとするプロジェクトに参画する機会があっ
た。このプロジェクトは、湿原地帯から大気中に発生す
るメタンの濃度を個別に検出しようとするものであり、
検出対象となるメタン濃度領域は、数ppm域から20
ppm域程度である。しかしながら、従来、このような
低濃度域のメタンガスを信頼性の高い状態で定量性良く
検出することは、積極的に考えておらず、技術的に解決
すべき問題を含有するものであった。即ち、このような
濃度域においては、センサ感度が小さいために、メタン
に対する感度域が、機器のノイズレベルとなってしま
い、ガスを識別検知できなかった。このような状況を図
5、6に基づいて説明する。図5、図6は、共に、本願
が対象とするメタンガスのガス濃度域に於ける感度(空
気中に於けるセンサの抵抗値R0と、メタンガスがpp
mオーダで含まれているセンサの抵抗値Rの比である抵
抗変化率R/R0)を示したものであり、図5が、所
謂、基板上に薄膜型のガス検知部を備えた薄膜タイプ
(このセンサの代表例は、特公平6−43978があ
る)の結果を、図6が、所謂、焼結体球型のガス検知部
を備えた焼結タイプ(このセンサの代表例はフィガロ技
研社製TGS842がある)の結果を示したものであ
る。これらの図において、黒三角印が従来型の除湿装置
なしの結果を示しており、●印が本願の構成に従った場
合(除湿装置あり)の結果を示している。さらに、これ
らの図面において、太線で示されているのが、検出に於
けるノイズレベルである。これらの図面を参照すること
により、従来型の構成にあっては、メタンに対する感度
がノイズレベル内もしくはその近傍にあり、十分な識別
検知ができなかったことが判る。そこで本発明の目的
は、例えばメタンの場合には、数ppm程度から20p
pm以下という低濃度域に於けるガスを定量的且つ再現
性良く、検出することができるガス濃度検出方法を得る
とともに、このような方法を使用するガス濃度検出装置
を得ることにある。
の本発明による濃度検出対象の可燃性ガスが含有される
被検出ガスが導入されるセンサ室内に、前記可燃性ガス
との接触により電気抵抗が変化する半導体型ガスセンサ
を備え、前記半導体型ガスセンサの電気抵抗の変化を検
出して、前記被検出ガスに含有される可燃性ガスの濃度
を検出するガス濃度検出装置の特徴構成は、被検出ガス
をセンサ室に導く導入路に、被検出ガス内の水蒸気を導
入路外へ奪うとともに、センサ室への可燃性ガスの移流
を許容して除湿する除湿装置を備えることにある。発明
者らは、低濃度域に於ける可燃性ガスのガス感度を上昇
させることに関して、鋭意、研究を行った結果、所謂、
半導体をガス検知部に備えたガスセンサにあっては、湿
度が低い程、ガス感度が向上することを見出して、本願
を完成した。また、この効果は、低濃度の検知対象ガス
程顕著となる。したがって、ガス濃度検出装置として
は、ガスセンサが配設されるセンサ室に、被検出ガスを
導く導入路に除湿装置を備えることで、低濃度域に於け
るガスセンサの感度を上げることができ、低濃度域を検
出対象としても、ガス濃度を定量性よく検出できるよう
になった。
た半導体型ガスセンサをセンサ室内に備えたものを使用
して、数ppnから20ppm以下のメタン濃度を、検
出対象とする場合に、除湿装置が、センサ室へ導入され
る被検出ガスの露点を0℃以下にするものであることが
好ましい。センサ室に導入される被検出ガスの露点を0
℃以下とすることで、従来のノイズレベルに対して可燃
性ガスに対するセンサ感度が高い状態で、検出を行える
ためである。この構成にあっては、従来、検出対象外と
されていた、ppmオーダーから20ppm程度までの
メタンガス濃度を、定量的且つ再現性良く、検出でき
る。因みに、湿原地帯に於ける地上のメタン濃度は、4
ppmといった値であり、この濃度域を検出できること
が、非常に有用である。
上に20μm以下の薄膜状に形成された半導体からなる
ガス検知部を備えて構成される薄膜型のセンサを使用す
ることが好ましい。半導体型ガスセンサは、高湿度雰囲
気下より低湿度雰囲気下の方が湿度変化に影響されやす
い特徴を持っている。このため半導体型ガスセンサと除
湿装置とを組み合わせた場合には、可燃性ガスとセンサ
の化学反応によって発生する水分の影響を受けやすくな
り、これがガス検出時の電気抵抗変化の収束性を悪化さ
せる原因になる。しかしながら、所謂薄膜タイプで、そ
の膜厚が20μm以下のものにあっては、この収束性の
悪化の程度がかなり抑えられる。従って、除湿をおこな
う場合にあっては、所定膜厚以下の膜状のガス検知部を
有する薄膜タイプのセンサを使用することが好ましい。
り電気抵抗が変化する半導体型ガスセンサを使用して、
被検出ガスに含有される前記可燃性ガスの濃度を検出す
るガス検出方法として、可燃性ガス濃度が20ppm以
下の低濃度域検出を対象とする場合に、被検出ガスから
水蒸気分を除去する除湿操作を行った後、除湿済の前記
被検出ガスを前記半導体型ガスセンサと接触させて可燃
性ガス濃度の検出をおこなうガス濃度検出方法を提案す
るものである。この方法を採用することにより、数pp
mオーダから20ppm程度までの低下濃度域の濃度検
出を、定量性よく、再現性よくおこなうことができる。
た半導体型ガスセンサを使用して、前記可燃性ガスとし
てのメタンの濃度を検出する場合に、除湿操作にあっ
て、被検出ガスの露点を0℃以下にして、ガス濃度検出
をおこなうことが好ましい。この構成を採用することに
より、これまで検出が不可能と考えられている数ppm
オーダのメタンガス濃度を検出可能となるためである。
基板上に膜厚20μm以下の薄膜状に形成された半導体
からなるガス検知部を備えた薄膜型センサを使用するこ
とが好ましい。本願のように低濃度域の検出を行いたい
場合、除湿操作が必要となるが、この操作を行うと、焼
結タイプ、薄膜タイプともに、除湿操作を伴わない場合
と比較して、その応答速度に鈍化が見られる。しかしな
がら、このような鈍化は、焼結タイプにもので著しく、
薄膜タイプのものにあっては、従来型の除湿を行わない
ものに相当する状態を、膜厚を所定値以下とすることに
より確保できる。即ち20μm以下とするのである。こ
のようにすることにより、除湿操作により発生し易い応
答性能の鈍化の問題を薄膜タイプのものを採用すること
により、解決できる。
半導体型ガスセンサが配設されるセンサ室内への被検出
ガスの導入路に、被検出ガス内の水蒸気を導入路外へ奪
うとともに、センサ室への前記可燃性ガスの移流を許容
して除湿する除湿装置を備え、水蒸気を導入路外へ導出
して、除湿をおこなうことが好ましい。このようにして
おくと、実質上、水分を検出系外へ導くこととなり、結
果的にセンサ近傍の湿度状態を、長期に渡って、安定的
に低い湿度状態に維持することができる。
濃度検出方法に関して、以下、図面を参照しながら説明
する。図1は、本願のガス濃度検出装置1の概略基本構
成を示している。装置1は、濃度検出対象の可燃性ガス
が含有される被検出ガスが導入されるセンサ室2と、こ
のセンサ室2に被検出ガスを導入するための吸引ポンプ
3を備えた導入路4とを備えて構成されている。前記セ
ンサ室2内には、可燃性ガスとの接触により電気抵抗が
変化する半導体型ガスセンサ5が備えられており、セン
サ室2内に導入された可燃性ガスがガスセンサのガス検
知部6に接触することにより、この部位6の電気抵抗が
変わることとなる。この半導体型ガスセンサの検出端7
は、このセンサの電気抵抗を計測するための検知回路の
所定部位8に接続されており、この検知回路8に備えら
れる出力端9からの出力を計測することで、センサの抵
抗値を得ることができる。
て使用する、薄膜タイプのセンサ基本構成を説明的に記
載するとともに、検知回路8の要部基本構成を示した。
同図に示すように、このタイプのセンサは、所謂、酸化
物半導体(具体的には、メタンを濃度検出対象とする場
合は酸化スズ)の薄膜からなるガス検知部6を加熱可能
なシリコンウエハー基板10上に備えて構成されてお
り、薄膜6上に一対の白金櫛形薄膜電極11を備えると
ともに、基板10の裏面側に加熱用の薄膜ヒータ12を
備える構成とされている。ここで、この薄膜の膜厚は、
20μm以下、好適には10μm以下程度である。この
薄膜形成にあたっては、例えば、基板を酸素及び水蒸気
を含む雰囲気中で1000℃で2時間加熱して表面にS
iO 2絶縁層を形成させた後、平行平板型高周波マグネ
トロンスパッタリング装置を使用し、SnO2焼結体を
ターゲット材として蒸着操作をおこなって得ることがで
きる(蒸着条件等に関しては、特公平6−43974に
詳しいため省略する)。薄膜ヒータ12の端子は、加熱
用電源13に接続されることで、センサを350℃〜4
50℃程度のガス検知温度に維持するように構成されて
いる。一方、前記一対の白金櫛形薄膜電極11は、抵抗
検出用の回路に接続されており、この回路に備えられる
負荷抵抗14間の出力を検出することで、ガス検知部6
の抵抗値を得ることができる。勿論、図示するこの構造
は、最も、基本的な構成であり、一対の検出端を所謂ホ
ーイストンブリッジの一部に組み込み、センサの抵抗値
を得ることもできる。このようにして得られた抵抗値出
力Rは、空気中に於ける同一構成の半導体型ガスセンサ
(図外)の抵抗値出力R0との関係において処理され、
先に説明した感度(抵抗変化率R/R0)として、出力
できるように構成されている。
体型ガスセンサ5について説明したが、所謂、焼結タイ
プのものも、本願にあっては使用できる。即ち、図4に
示すように、コイル状のヒータ15を内部に備えたアル
ミナチューブ16外表面に、一対のリード線17付の金
電極18を備え、その表面に酸化物半導体(先の例にな
らう場合は酸化スズ)の塊状(具体的には円筒状)の焼
結体部19(この部位が所謂ガス検知部6となる)を備
えた構成のものにあっても、リード線17の両端からの
出力により、電気抵抗の変化を検出することができる。
さらに、焼結タイプのものにあっては、図示は省略する
が、所謂、バルク状(薄板直方体状)のガス検知部を備
えて、これを構成することもできる。但し、いずれの構
成の場合にあっても、濃度検出対象の可燃性ガスが、ガ
ス検知部に接触することにより、センサの電気抵抗が変
化し、この抵抗変化を検出することとなり、予め得られ
ている図5、図6に対応するような、ガス濃度と感度
(R/R0)との関係指標(ルックアップテイブル等)
に基づいて、ガス濃度の導出をおこなうことができる。
さて、以上が、半導体型ガスセンサ5を使用したセンサ
室2内にある可燃性ガスの濃度検出の原理であるが、本
願の検出装置1は、比較的低濃度域に於けるガス濃度を
定量性、再現性よく検出しようとする。従って、この目
的から、本願の検出装置1には、被検出ガスをセンサ室
2に導く導入路4に、この被検出ガス内の水蒸気を導入
路4から導入路外へ奪うとともに、センサ室2への可燃
性ガスの移流を許容して除湿する除湿装置20が備えら
れている。除湿装置20の詳細構成を図2に示した。こ
の除湿装置20の具体的構造は、装置内に複数の中空糸
21を備えたものであり、被検出ガス入口22から複数
の中空糸内部に導入された被検出ガスが、装置被検出ガ
ス出口23に導かれるように構成されている。一方、こ
の中空糸21の外空間24には、除湿済の被検出ガスが
パージガス供給路25を介して圧力調整を伴って導入さ
れる構成とされるとともに、空間内のガスがパージガス
排気路26から排気される構成とされている。ここで、
この中空糸21は水蒸気選択透過機能を有するフッ素樹
脂から構成されており、水蒸気の透過を糸内外間で許容
するとともに、酸素、窒素、本願の場合はメタンの透過
を抑制するものである。従って、被検出ガス中の水蒸気
はパージガス側へ移流され、被検出ガスの除湿をおこな
うことができる。ここで、本願の場合は、パージガスの
圧力調整によって、センサ室側へ送られる被検出ガスの
露点を少なくとも0℃以下に調整する。センサ室2にお
いては、被検出ガスの露点が0℃以下とされるため、後
にも図5の●線に基づいて説明するように、数ppmか
ら20ppm程度までの低能域を、ノイズレベルを問題
とすることなく検出することができる。さらに、この例
のように、図1、図3に示すように薄膜タイプのセンサ
を使用する場合は、メタンガス濃度に対する感度の線形
性が良好に保たれるため、濃度検知を定量性良く、おこ
なうことができる。感度の再現性も良好であった。
を検証するために、発明者らが行った実験例について説
明する。実験項目を先ず箇条書きする。 1 除湿装置を使用する場合と使用しない場合との低濃
度域に於けるセンサ感度 イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの 2 被検出ガスの露点とセンサ感度の関係 3 除湿装置を備える場合に於ける応答性 イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの 4 薄膜タイプの半導体型ガスセンサの膜厚と収束時間
の関係
に基づいて説明する。 1 除湿装置を使用する場合と使用しない場合との低濃
度域に於けるセンサ感度 この検討結果を先に説明したように、図5、図6に示し
た。これらの図面において、縦軸は、センサの感度(空
気中に於けるセンサの抵抗値R0と、メタンガスがpp
mオーダで含まれているセンサの抵抗値Rの比である抵
抗変化率R/R0)を示し、横軸は、メタンガス濃度
(ppm)を示している。●印が除湿装置を働かせて被
検出ガスの露点が−20℃に低下させられているものに
対応しており、黒三角印が除湿装置を働かせない、従来
構造の場合に対応している。この場合、被検出ガスの露
点は13℃程度となっている。 イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの このタイプのセンサの結果が、図5に示されている。除
湿をおこなわないものと比較して、除湿をおこなうもの
は大きく感度が変化(絶対値は小さくなる)しており、
少なくとも 数ppmから20ppm程度まで定量性よ
く検出できることが判る。また、この例にあっては、濃
度変化に対する感度変化の線形性が十分に確保されるた
め、抵抗値検出後の情報処理系は簡便な構成ですみ、信
頼性の高いデータが得られるものとなっている。 ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの このタイプのセンサの結果が、図6に示されている。除
湿をおこなわないものと比較して、除湿をおこなうもの
は大きく感度が変化しており、少なくとも 数ppmか
ら20ppm程度まで定量性よく検出できることが判
る。
に関して、被検出ガスの露点と、感度との関係を図7に
示した。メタンガスの濃度は、本願が対象とする低濃度
域でほぼ中心的な濃度である10ppmとした。結果、
被検出ガスの露点が低下するに従って、同濃度のガスに
関する感度の変化大きく、露点を0℃以下にすること
で、この程度の濃度のメタンガスをノイズから分離して
検出可能となることが判る。この露点に関しては、これ
が、−10℃以下とされると、さらに好ましいく、この
露点の下限に関しては、低ければ低い方が好ましいが、
実質上、除湿装置で除去可能な湿度がその限界となる。
装置を作動させて、被検出ガスの除湿を、ほぼ、露点が
−20℃程度となるまでおこなった場合のセンサ出力の
応答状況を示した。これらの図面において、横軸は時間
であり、縦軸は応答率(100%応答に対する出力の割
合)を示している。また、一点鎖線が除湿を行った場合
(露点−20℃)の、実線が除湿を行わない場合(露点
13℃)の結果に対応するものである。これら図面を参
照すると、除湿をおこなう場合と行わない場合とで、応
答性能に関しては、除湿をおこなう場合の方が応答が若
干、遅れることがあることが判る。 イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの 図8に先に説明した薄膜タイプの結果を示した。除湿を
行わない場合と比較して、若干の遅れを認めることがで
きるが、ほぼ、遜色無い程度であり、実用的でる。 ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの 図9に先に説明した焼結タイプの結果を示した。除湿を
行わない場合と比較して、かなりの遅れを認めることが
できる。この点に関しては、焼結タイプは不利である。
以下の表1に、10ppmのメタンガス導入10分後の
抵抗変化を、100%として抵抗変化がそれぞれ60
%、90%、95%になる時間の比較結果を示した。
が判る。
厚と収束時間の関係 以上の応答性の結果から、薄膜タイプのセンサにおい
て、応答の収束時間の変化状況を、薄膜の膜厚との関係
から検討した。一般に薄膜タイプにあっては、応答時間
は、膜厚に依存するものとなるため、このような検討を
行ったものである。結果の整理にあたっては、図9の縦
軸に示すように、95%応答時間と90%応答時間との
差を取ることにより、その収束時間の長・短を調べるも
のとした。同図において、横軸はμm単位の膜厚(ガス
検知部の膜厚)である。結果、収束時間は膜厚の減少と
ともに減少して、膜厚20μm以下程度で、下限値に収
束する傾向を示す。従って、薄膜タイプを使用する場合
は、膜厚20μm以下のものを使用することが実用的か
つ収束時間の短いものを得ることができることが判る。
膜厚としては、10μm以下程度が最適である。膜厚の
下限は抵抗値を検出可能な限界の膜厚といえる。
に関して以下説明する。 1 本願が適応できる半導体型ガスセンサの例 上記の実施形態にあっては、ガス検知部の構成材料とし
て、これが酸化スズからなるものである例について説明
したが、このような構成材料としては、酸化亜鉛、酸化
タングステン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウ
ム、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化
バナジウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム等の所謂金
属酸化物を使用したものを使用しても、各金属酸化物に
対応する可燃性ガスの濃度検出にあって、低濃度域で、
有効に働くことができる。従って、上記のメタンの他、
エタン、プロパン、ブタン等の炭化水素類、水素等を含
む所謂、可燃性ガスに対して本願の技術思想は有効に適
応できる。 2 上記の実施の形態にあっては、水蒸気を選択的に透
過する中空糸を内部に備えた除湿装置を使用して、濃度
測定時に、常時、導入路外へ水蒸気を奪って、除湿をす
る構成とすることにより、センサ室内の湿度を、好適に
低湿度のものとした。しかしながら、感度の増加を図り
たい場合、このような好適な構造をとることなく、例え
ば水分の吸脱着を繰り返しながら、半導体型センサの近
傍から湿度を奪う構成を採用していおけば、本願が目的
とする低濃度域での可燃性ガス濃度の検出をおこなうこ
とが可能となる。 3 上記の実施の形態例にあっては、導入路4から除湿
装置20に除湿済の被検出ガスを送るのにパージガス供
給路25を介してガスを送る構成としたが、センサ室2
からの排気を、パージ用に除湿装置20のパージガス入
口に導き、パージガス供給路25を省略することとして
もよい。この場合は、パージガス供給路25が省略でき
るため、装置全体をコンパクトにすることができる。 4 上記の実施の形態例にあっては、被検出ガスが、常
時、除湿装置20を通過する構成としたが、吸引ポンプ
3からセンサ室2への導入経路の構築にあたって、除湿
装置20を通る経路と、これをバイパスする経路とを設
けておき、従来通りの比較的濃度の高い状態の検出をお
こなう場合にあっては、バイパス路を介して被検出ガス
をセンサ室へ、所定濃度以下と成った場合に、上記のよ
うに除湿装置20を介する経路を通過する経路を経るよ
うに切り換え自在に構成しておいてもよい。この場合
は、高濃度域にあっては、除湿装置20による圧損が問
題となることがないため、広い濃度範囲を検出対象とし
ながら、その装置負荷を低減した状態で装置の運転をお
こなうことができる。
説明図
於けるセンサ感度を示す図
於けるセンサ感度を示す図
(湿度)と感度の関係を示す図
示す図
示す図
束時間の関係を示す図
Claims (7)
- 【請求項1】 濃度検出対象の可燃性ガスが含有される
被検出ガスが導入されるセンサ室内に、前記可燃性ガス
との接触により電気抵抗が変化する半導体型ガスセンサ
を備え、前記半導体型ガスセンサの電気抵抗の変化を検
出して、前記被検出ガスに含有される可燃性ガスの濃度
を検出するガス濃度検出装置であって、 前記被検出ガスを前記センサ室に導く導入路に、前記被
検出ガス内の水蒸気を導入路外へ奪うとともに、前記セ
ンサ室への前記可燃性ガスの移流を許容して除湿する除
湿装置を備えたガス濃度検出装置。 - 【請求項2】 酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半
導体型ガスセンサを備え、20ppm以下の前記可燃性
ガスとしてのメタンガスの濃度を検出対象とし、前記除
湿装置が、前記センサ室へ導入される被検出ガスの露点
を0℃以下にする請求項1記載のガス濃度検出装置。 - 【請求項3】 前記半導体型ガスセンサが、膜厚が20
μm以下で、基板上に薄膜成形されたガス検知部を備え
た薄膜タイプのものである請求項1または2記載のガス
濃度検出装置。 - 【請求項4】 可燃性ガスとの接触により電気抵抗が変
化する半導体型ガスセンサを使用して、被検出ガスに含
有される前記可燃性ガスの濃度を検出するガス検出方法
であって、 可燃性ガス濃度が20ppm以下の低濃度域検出を対象
とする場合に、 前記被検出ガスから水蒸気を除去する除湿操作を行った
後、除湿済の前記被検出ガスを前記半導体型ガスセンサ
と接触させて可燃性ガス濃度の検出をおこなうガス濃度
検出方法。 - 【請求項5】 酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半
導体型ガスセンサを使用して、前記可燃性ガスとしての
メタンの濃度を検出する場合に、前記除湿操作にあっ
て、前記被検出ガスの露点を0℃以下にする請求項4記
載のガス濃度検出方法。 - 【請求項6】 前記半導体型ガスセンサとして、基板上
に膜厚が20μm以下に形成された薄膜状の半導体から
なるガス検知部を備えた薄膜タイプのセンサを使用する
請求項4、5のいずれか1項記載のガス濃度検出方法。 - 【請求項7】 前記除湿操作をおこなうに、前記半導体
型ガスセンサが配設されるセンサ室内への前記被検出ガ
スの導入路に、前記被検出ガス内の水蒸気を導入路外へ
奪うとともに、前記センサ室への前記可燃性ガスの移流
を許容して除湿する除湿装置を備え、水蒸気を導入路外
へ導出して、除湿をおこなう請求項4、5、6のいずれ
か1項記載のガス濃度検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22960997A JP3751129B2 (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | ガス濃度検出装置及びその方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22960997A JP3751129B2 (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | ガス濃度検出装置及びその方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1164264A true JPH1164264A (ja) | 1999-03-05 |
JP3751129B2 JP3751129B2 (ja) | 2006-03-01 |
Family
ID=16894865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22960997A Expired - Lifetime JP3751129B2 (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | ガス濃度検出装置及びその方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3751129B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006284498A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Honda Motor Co Ltd | ガスセンサ |
US8043567B2 (en) | 2005-04-04 | 2011-10-25 | Honda Motor Co., Ltd. | Gas sensor |
CN108287185A (zh) * | 2018-01-09 | 2018-07-17 | 南京信息工程大学 | 一种探空湿度传感器、制备方法、探空湿度测量系统及测量方法 |
CN113793818A (zh) * | 2021-09-13 | 2021-12-14 | 长鑫存储技术有限公司 | 一种半导体设备及吹扫方法 |
-
1997
- 1997-08-26 JP JP22960997A patent/JP3751129B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006284498A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Honda Motor Co Ltd | ガスセンサ |
JP4571002B2 (ja) * | 2005-04-04 | 2010-10-27 | 本田技研工業株式会社 | ガスセンサ |
US8043567B2 (en) | 2005-04-04 | 2011-10-25 | Honda Motor Co., Ltd. | Gas sensor |
CN108287185A (zh) * | 2018-01-09 | 2018-07-17 | 南京信息工程大学 | 一种探空湿度传感器、制备方法、探空湿度测量系统及测量方法 |
CN108287185B (zh) * | 2018-01-09 | 2024-01-12 | 南京信息工程大学 | 一种探空湿度传感器、制备方法、探空湿度测量系统及测量方法 |
CN113793818A (zh) * | 2021-09-13 | 2021-12-14 | 长鑫存储技术有限公司 | 一种半导体设备及吹扫方法 |
CN113793818B (zh) * | 2021-09-13 | 2023-09-29 | 长鑫存储技术有限公司 | 一种半导体设备及吹扫方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3751129B2 (ja) | 2006-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7442555B2 (en) | Ammonia gas sensor method and device | |
JPH08313470A (ja) | ガス混合物中のメタンの検出法 | |
RU2143679C1 (ru) | Способ измерения концентрации газа в газовой смеси, а также электрохимический чувствительный элемент для определения концентрации газа | |
US6691554B2 (en) | Nanocrystalline films for gas-reactive applications | |
Qu et al. | Highly sensitive and selective toluene sensor based on Ce-doped coral-like SnO2 | |
Winter et al. | Temporally resolved thermal desorption of volatile organics from nanoporous silica preconcentrator | |
JPS60228949A (ja) | 被検混合ガス中の還元ガスを検知する方法及びそのための装置 | |
JP5085993B2 (ja) | ガス混合物中の種々のガスを検出するための混成電位型センサおよび該センサによりガス混合物中の種々のガスを検出する方法 | |
JPH1164264A (ja) | ガス濃度検出装置及びその方法 | |
Xu et al. | Novel carbon dioxide microsensor based on tin oxide nanomaterial doped with copper oxide | |
RU2132551C1 (ru) | Способ эксплуатации газового датчика | |
JP2004520600A (ja) | イオン移動度分光測定法によって酸素中の一酸化炭素及び炭化水素の合計濃度を測定する方法 | |
Kim et al. | Ultra-thin filmed SnO 2 gas sensor with a low-power micromachined hotplate for selective dual gas detection of carbon monoxide and methane | |
KR101133820B1 (ko) | 전기화학적 센서 | |
US20110210013A1 (en) | Selective gas sensor device and associated method | |
US20060254908A1 (en) | Electrochemical solid electrolyte sensor for the detection of oxygen, hydrocarbons and moisture in vacuum environments | |
KR101924462B1 (ko) | 빠른 응답속도의 이온화 방식 가스 센서 및 가스 센싱방법 | |
Hagen et al. | Potentiometric CO2 Gas Sensor Based on Zeolites | |
JP2000338081A (ja) | ガスセンサ | |
KR20060131804A (ko) | 전기화학적 센서 | |
JP3929199B2 (ja) | 水素ガス検知素子及びその製造方法 | |
JP2003344342A (ja) | 半導体式水素ガス検知素子 | |
KR101960193B1 (ko) | 소다라임 유리를 이용한 가스 센서 | |
JP2018017539A5 (ja) | ||
JP2007519900A6 (ja) | 電気化学センサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040420 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050825 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051024 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051206 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081216 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |