JP3751129B2 - ガス濃度検出装置及びその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検出ガス中に含まれる可燃性ガスの濃度を検出するガス濃度検出技術に関するものであり、例えば数ppmオーダーの低濃度域のガス濃度を、好適に検出するガス濃度検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス濃度の検出技術に関して、可燃性ガスの代表例であるメタンを例に採って、以下、説明する。
メタンのガス濃度検出にあっては、所謂、酸化物半導体である酸化スズをガス検知部に備え、メタンガスのガス検知部への接触による抵抗変化を検出して、濃度を検出する。ここで、従来、検出対象とされていたガス濃度は、数10ppmから%オーダーの濃度域である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
さて、発明者らのグループは、一般環境中のメタン濃度を検出して環境保護に役立てようとするプロジェクトに参画する機会があった。このプロジェクトは、湿原地帯から大気中に発生するメタンの濃度を個別に検出しようとするものであり、検出対象となるメタン濃度領域は、数ppm域から20ppm域程度である。
しかしながら、従来、このような低濃度域のメタンガスを信頼性の高い状態で定量性良く検出することは、積極的に考えておらず、技術的に解決すべき問題を含有するものであった。
即ち、このような濃度域においては、センサ感度が小さいために、メタンに対する感度域が、機器のノイズレベルとなってしまい、ガスを識別検知できなかった。
このような状況を図5、6に基づいて説明する。図5、図6は、共に、本願が対象とするメタンガスのガス濃度域に於ける感度(空気中に於けるセンサの抵抗値R0と、メタンガスがppmオーダで含まれているセンサの抵抗値Rの比である抵抗変化率R/R0)を示したものであり、図5が、所謂、基板上に薄膜型のガス検知部を備えた薄膜タイプ(このセンサの代表例は、特公平6−43978がある)の結果を、図6が、所謂、焼結体球型のガス検知部を備えた焼結タイプ(このセンサの代表例はフィガロ技研社製TGS842がある)の結果を示したものである。これらの図において、黒三角印が従来型の除湿装置なしの結果を示しており、●印が本願の構成に従った場合(除湿装置あり)の結果を示している。さらに、これらの図面において、太線で示されているのが、検出に於けるノイズレベルである。
これらの図面を参照することにより、従来型の構成にあっては、メタンに対する感度がノイズレベル内もしくはその近傍にあり、十分な識別検知ができなかったことが判る。
そこで本発明の目的は、例えばメタンの場合には、数ppm程度から20ppm以下という低濃度域に於けるガスを定量的且つ再現性良く、検出することができるガス濃度検出方法を得るとともに、このような方法を使用するガス濃度検出装置を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明による濃度検出対象の可燃性ガスが含有される被検出ガスが導入されるセンサ室内に、前記可燃性ガスとの接触により電気抵抗が変化する酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半導体型ガスセンサを備え、前記半導体型ガスセンサの電気抵抗の変化を検出して、前記被検出ガスに含有される可燃性ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置の特徴構成は、前記ガス濃度検出装置は、20ppm以下の前記可燃性ガスとしてのメタンガスの濃度を検出対象とし、被検出ガスをセンサ室に導く導入路に、被検出ガス内の水蒸気を導入路外へ奪うとともに、センサ室への可燃性ガスの移流を許容して除湿する除湿装置を備え、前記除湿装置が、前記センサ室へ導入される被検出ガスの露点を0℃以下にすることにある。
発明者らは、低濃度域に於ける可燃性ガスのガス感度を上昇させることに関して、鋭意、研究を行った結果、所謂、半導体をガス検知部に備えたガスセンサにあっては、湿度が低い程、ガス感度が向上することを見出して、本願を完成した。また、この効果は、低濃度の検知対象ガス程顕著となる。
したがって、ガス濃度検出装置としては、ガスセンサが配設されるセンサ室に、被検出ガスを導く導入路に除湿装置を備えることで、低濃度域に於けるガスセンサの感度を上げることができ、低濃度域を検出対象としても、ガス濃度を定量性よく検出できるようになった。
【0005】
さて、酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半導体型ガスセンサをセンサ室内に備えたものを使用して、数ppnから20ppm以下のメタン濃度を、検出対象とする場合に、除湿装置が、センサ室へ導入される被検出ガスの露点を0℃以下にするものであることが好ましい。
センサ室に導入される被検出ガスの露点を0℃以下とすることで、従来のノイズレベルに対して可燃性ガスに対するセンサ感度が高い状態で、検出を行えるためである。この構成にあっては、従来、検出対象外とされていた、ppmオーダーから20ppm程度までのメタンガス濃度を、定量的且つ再現性良く、検出できる。因みに、湿原地帯に於ける地上のメタン濃度は、4ppmといった値であり、この濃度域を検出できることが、非常に有用である。
【0006】
さて、半導体型ガスセンサとしては、基板上に20μm以下の薄膜状に形成された半導体からなるガス検知部を備えて構成される薄膜型のセンサを使用することが好ましい。
半導体型ガスセンサは、高湿度雰囲気下より低湿度雰囲気下の方が湿度変化に影響されやすい特徴を持っている。このため半導体型ガスセンサと除湿装置とを組み合わせた場合には、可燃性ガスとセンサの化学反応によって発生する水分の影響を受けやすくなり、これがガス検出時の電気抵抗変化の収束性を悪化させる原因になる。しかしながら、所謂薄膜タイプで、その膜厚が20μm以下のものにあっては、この収束性の悪化の程度がかなり抑えられる。従って、除湿をおこなう場合にあっては、所定膜厚以下の膜状のガス検知部を有する薄膜タイプのセンサを使用することが好ましい。
【0007】
本願にあっては、可燃性ガスとの接触により電気抵抗が変化する酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半導体型ガスセンサを使用して、被検出ガスに含有される前記可燃性ガスの濃度を検出するガス検出方法として、可燃性ガスとしてのメタンの濃度が20ppm以下の低濃度域検出を対象とする場合に、被検出ガスから水蒸気分を除去する除湿操作を行った後、除湿済の前記被検出ガスを前記半導体型ガスセンサと接触させて可燃性ガス濃度の検出をおこない、前記除湿操作にあって、前記被検出ガスの露点を0℃以下にするガス濃度検出方法を提案するものである。
この方法を採用することにより、数ppmオーダから20ppm程度までの低下濃度域の濃度検出を、定量性よく、再現性よくおこなうことができる。
【0008】
また、酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半導体型ガスセンサを使用して、前記可燃性ガスとしてのメタンの濃度を検出する場合に、除湿操作にあって、被検出ガスの露点を0℃以下にして、ガス濃度検出をおこなうことが好ましい。
この構成を採用することにより、これまで検出が不可能と考えられている数ppmオーダのメタンガス濃度を検出可能となるためである。
【0009】
さらに、前記半導体型ガスセンサとして、基板上に膜厚20μm以下の薄膜状に形成された半導体からなるガス検知部を備えた薄膜型センサを使用することが好ましい。
本願のように低濃度域の検出を行いたい場合、除湿操作が必要となるが、この操作を行うと、焼結タイプ、薄膜タイプともに、除湿操作を伴わない場合と比較して、その応答速度に鈍化が見られる。しかしながら、このような鈍化は、焼結タイプにもので著しく、薄膜タイプのものにあっては、従来型の除湿を行わないものに相当する状態を、膜厚を所定値以下とすることにより確保できる。即ち20μm以下とするのである。このようにすることにより、除湿操作により発生し易い応答性能の鈍化の問題を薄膜タイプのものを採用することにより、解決できる。
【0010】
このように除湿をおこなう場合にあって、半導体型ガスセンサが配設されるセンサ室内への被検出ガスの導入路に、被検出ガス内の水蒸気を導入路外へ奪うとともに、センサ室への前記可燃性ガスの移流を許容して除湿する除湿装置を備え、水蒸気を導入路外へ導出して、除湿をおこなうことが好ましい。
このようにしておくと、実質上、水分を検出系外へ導くこととなり、結果的にセンサ近傍の湿度状態を、長期に渡って、安定的に低い湿度状態に維持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本願のガス濃度検出装置及びガス濃度検出方法に関して、以下、図面を参照しながら説明する。
図1は、本願のガス濃度検出装置1の概略基本構成を示している。
装置1は、濃度検出対象の可燃性ガスが含有される被検出ガスが導入されるセンサ室2と、このセンサ室2に被検出ガスを導入するための吸引ポンプ3を備えた導入路4とを備えて構成されている。
前記センサ室2内には、可燃性ガスとの接触により電気抵抗が変化する半導体型ガスセンサ5が備えられており、センサ室2内に導入された可燃性ガスがガスセンサのガス検知部6に接触することにより、この部位6の電気抵抗が変わることとなる。この半導体型ガスセンサの検出端7は、このセンサの電気抵抗を計測するための検知回路の所定部位8に接続されており、この検知回路8に備えられる出力端9からの出力を計測することで、センサの抵抗値を得ることができる。
【0012】
図3に、半導体型ガスセンサ5の一例として使用する、薄膜タイプのセンサ基本構成を説明的に記載するとともに、検知回路8の要部基本構成を示した。
同図に示すように、このタイプのセンサは、所謂、酸化物半導体(具体的には、メタンを濃度検出対象とする場合は酸化スズ)の薄膜からなるガス検知部6を加熱可能なシリコンウエハー基板10上に備えて構成されており、薄膜6上に一対の白金櫛形薄膜電極11を備えるとともに、基板10の裏面側に加熱用の薄膜ヒータ12を備える構成とされている。ここで、この薄膜の膜厚は、20μm以下、好適には10μm以下程度である。この薄膜形成にあたっては、例えば、基板を酸素及び水蒸気を含む雰囲気中で1000℃で2時間加熱して表面にSiO2絶縁層を形成させた後、平行平板型高周波マグネトロンスパッタリング装置を使用し、SnO2焼結体をターゲット材として蒸着操作をおこなって得ることができる(蒸着条件等に関しては、特公平6−43974に詳しいため省略する)。
薄膜ヒータ12の端子は、加熱用電源13に接続されることで、センサを350℃〜450℃程度のガス検知温度に維持するように構成されている。一方、前記一対の白金櫛形薄膜電極11は、抵抗検出用の回路に接続されており、この回路に備えられる負荷抵抗14間の出力を検出することで、ガス検知部6の抵抗値を得ることができる。勿論、図示するこの構造は、最も、基本的な構成であり、一対の検出端を所謂ホーイストンブリッジの一部に組み込み、センサの抵抗値を得ることもできる。
このようにして得られた抵抗値出力Rは、空気中に於ける同一構成の半導体型ガスセンサ(図外)の抵抗値出力R0との関係において処理され、先に説明した感度(抵抗変化率R/R0)として、出力できるように構成されている。
【0013】
以上の説明にあっては、薄膜タイプの半導体型ガスセンサ5について説明したが、所謂、焼結タイプのものも、本願にあっては使用できる。即ち、図4に示すように、コイル状のヒータ15を内部に備えたアルミナチューブ16外表面に、一対のリード線17付の金電極18を備え、その表面に酸化物半導体(先の例にならう場合は酸化スズ)の塊状(具体的には円筒状)の焼結体部19(この部位が所謂ガス検知部6となる)を備えた構成のものにあっても、リード線17の両端からの出力により、電気抵抗の変化を検出することができる。さらに、焼結タイプのものにあっては、図示は省略するが、所謂、バルク状(薄板直方体状)のガス検知部を備えて、これを構成することもできる。
但し、いずれの構成の場合にあっても、濃度検出対象の可燃性ガスが、ガス検知部に接触することにより、センサの電気抵抗が変化し、この抵抗変化を検出することとなり、予め得られている図5、図6に対応するような、ガス濃度と感度(R/R0)との関係指標(ルックアップテイブル等)に基づいて、ガス濃度の導出をおこなうことができる。
さて、以上が、半導体型ガスセンサ5を使用したセンサ室2内にある可燃性ガスの濃度検出の原理であるが、本願の検出装置1は、比較的低濃度域に於けるガス濃度を定量性、再現性よく検出しようとする。
従って、この目的から、本願の検出装置1には、被検出ガスをセンサ室2に導く導入路4に、この被検出ガス内の水蒸気を導入路4から導入路外へ奪うとともに、センサ室2への可燃性ガスの移流を許容して除湿する除湿装置20が備えられている。除湿装置20の詳細構成を図2に示した。
この除湿装置20の具体的構造は、装置内に複数の中空糸21を備えたものであり、被検出ガス入口22から複数の中空糸内部に導入された被検出ガスが、装置被検出ガス出口23に導かれるように構成されている。一方、この中空糸21の外空間24には、除湿済の被検出ガスがパージガス供給路25を介して圧力調整を伴って導入される構成とされるとともに、空間内のガスがパージガス排気路26から排気される構成とされている。ここで、この中空糸21は水蒸気選択透過機能を有するフッ素樹脂から構成されており、水蒸気の透過を糸内外間で許容するとともに、酸素、窒素、本願の場合はメタンの透過を抑制するものである。
従って、被検出ガス中の水蒸気はパージガス側へ移流され、被検出ガスの除湿をおこなうことができる。ここで、本願の場合は、パージガスの圧力調整によって、センサ室側へ送られる被検出ガスの露点を少なくとも0℃以下に調整する。
センサ室2においては、被検出ガスの露点が0℃以下とされるため、後にも図5の●線に基づいて説明するように、数ppmから20ppm程度までの低能域を、ノイズレベルを問題とすることなく検出することができる。さらに、この例のように、図1、図3に示すように薄膜タイプのセンサを使用する場合は、メタンガス濃度に対する感度の線形性が良好に保たれるため、濃度検知を定量性良く、おこなうことができる。感度の再現性も良好であった。
【0014】
以下に、本願のガス濃度検出方法の有用性を検証するために、発明者らが行った実験例について説明する。
実験項目を先ず箇条書きする。
1 除湿装置を使用する場合と使用しない場合との低濃度域に於けるセンサ感度
イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
2 被検出ガスの露点とセンサ感度の関係
3 除湿装置を備える場合に於ける応答性
イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
4 薄膜タイプの半導体型ガスセンサの膜厚と収束時間の関係
【0015】
以下、それぞれの検討結果について、図面に基づいて説明する。
1 除湿装置を使用する場合と使用しない場合との低濃度域に於けるセンサ感度この検討結果を先に説明したように、図5、図6に示した。
これらの図面において、縦軸は、センサの感度(空気中に於けるセンサの抵抗値R0と、メタンガスがppmオーダで含まれているセンサの抵抗値Rの比である抵抗変化率R/R0)を示し、横軸は、メタンガス濃度(ppm)を示している。●印が除湿装置を働かせて被検出ガスの露点が−20℃に低下させられているものに対応しており、黒三角印が除湿装置を働かせない、従来構造の場合に対応している。この場合、被検出ガスの露点は13℃程度となっている。
イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
このタイプのセンサの結果が、図5に示されている。除湿をおこなわないものと比較して、除湿をおこなうものは大きく感度が変化(絶対値は小さくなる)しており、少なくとも 数ppmから20ppm程度まで定量性よく検出できることが判る。また、この例にあっては、濃度変化に対する感度変化の線形性が十分に確保されるため、抵抗値検出後の情報処理系は簡便な構成ですみ、信頼性の高いデータが得られるものとなっている。
ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
このタイプのセンサの結果が、図6に示されている。除湿をおこなわないものと比較して、除湿をおこなうものは大きく感度が変化しており、少なくとも 数ppmから20ppm程度まで定量性よく検出できることが判る。
【0016】
2 被検出ガスの露点とセンサ感度の関係
上記の薄膜タイプの半導体型ガスセンサを使用する場合に関して、被検出ガスの露点と、感度との関係を図7に示した。メタンガスの濃度は、本願が対象とする低濃度域でほぼ中心的な濃度である10ppmとした。
結果、被検出ガスの露点が低下するに従って、同濃度のガスに関する感度の変化大きく、露点を0℃以下にすることで、この程度の濃度のメタンガスをノイズから分離して検出可能となることが判る。この露点に関しては、これが、−10℃以下とされると、さらに好ましいく、この露点の下限に関しては、低ければ低い方が好ましいが、実質上、除湿装置で除去可能な湿度がその限界となる。
【0017】
3 除湿装置を備える場合に於ける応答性
図8、図9に、10ppmのメタンガスに対して、除湿装置を作動させて、被検出ガスの除湿を、ほぼ、露点が−20℃程度となるまでおこなった場合のセンサ出力の応答状況を示した。これらの図面において、横軸は時間であり、縦軸は応答率(100%応答に対する出力の割合)を示している。また、一点鎖線が除湿を行った場合(露点−20℃)の、実線が除湿を行わない場合(露点13℃)の結果に対応するものである。
これら図面を参照すると、除湿をおこなう場合と行わない場合とで、応答性能に関しては、除湿をおこなう場合の方が応答が若干、遅れることがあることが判る。
イ 薄膜タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
図8に先に説明した薄膜タイプの結果を示した。除湿を行わない場合と比較して、若干の遅れを認めることができるが、ほぼ、遜色無い程度であり、実用的でる。
ロ 焼結タイプの半導体型ガスセンサに関するもの
図9に先に説明した焼結タイプの結果を示した。除湿を行わない場合と比較して、かなりの遅れを認めることができる。この点に関しては、焼結タイプは不利である。
以下の表1に、10ppmのメタンガス導入10分後の抵抗変化を、100%として抵抗変化がそれぞれ60%、90%、95%になる時間の比較結果を示した。
【0018】
【表1】
Figure 0003751129
この例にあっても、先に述べた状態が起こっていることが判る。
【0019】
4 薄膜タイプの半導体型ガスセンサの膜厚と収束時間の関係
以上の応答性の結果から、薄膜タイプのセンサにおいて、応答の収束時間の変化状況を、薄膜の膜厚との関係から検討した。一般に薄膜タイプにあっては、応答時間は、膜厚に依存するものとなるため、このような検討を行ったものである。
結果の整理にあたっては、図9の縦軸に示すように、95%応答時間と90%応答時間との差を取ることにより、その収束時間の長・短を調べるものとした。同図において、横軸はμm単位の膜厚(ガス検知部の膜厚)である。
結果、収束時間は膜厚の減少とともに減少して、膜厚20μm以下程度で、下限値に収束する傾向を示す。従って、薄膜タイプを使用する場合は、膜厚20μm以下のものを使用することが実用的かつ収束時間の短いものを得ることができることが判る。膜厚としては、10μm以下程度が最適である。膜厚の下限は抵抗値を検出可能な限界の膜厚といえる。
【0020】
〔別実施の形態例〕
本願の別実施の形態例に関して以下説明する。
1 本願が適応できる半導体型ガスセンサの例
上記の実施形態にあっては、ガス検知部の構成材料として、これが酸化スズからなるものである例について説明したが、このような構成材料としては、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム等の所謂金属酸化物を使用したものを使用しても、各金属酸化物に対応する可燃性ガスの濃度検出にあって、低濃度域で、有効に働くことができる。
従って、上記のメタンの他、エタン、プロパン、ブタン等の炭化水素類、水素等を含む所謂、可燃性ガスに対して本願の技術思想は有効に適応できる。
2 上記の実施の形態にあっては、水蒸気を選択的に透過する中空糸を内部に備えた除湿装置を使用して、濃度測定時に、常時、導入路外へ水蒸気を奪って、除湿をする構成とすることにより、センサ室内の湿度を、好適に低湿度のものとした。
しかしながら、感度の増加を図りたい場合、このような好適な構造をとることなく、例えば水分の吸脱着を繰り返しながら、半導体型センサの近傍から湿度を奪う構成を採用していおけば、本願が目的とする低濃度域での可燃性ガス濃度の検出をおこなうことが可能となる。
3 上記の実施の形態例にあっては、導入路4から除湿装置20に除湿済の被検出ガスを送るのにパージガス供給路25を介してガスを送る構成としたが、センサ室2からの排気を、パージ用に除湿装置20のパージガス入口に導き、パージガス供給路25を省略することとしてもよい。この場合は、パージガス供給路25が省略できるため、装置全体をコンパクトにすることができる。
4 上記の実施の形態例にあっては、被検出ガスが、常時、除湿装置20を通過する構成としたが、吸引ポンプ3からセンサ室2への導入経路の構築にあたって、除湿装置20を通る経路と、これをバイパスする経路とを設けておき、従来通りの比較的濃度の高い状態の検出をおこなう場合にあっては、バイパス路を介して被検出ガスをセンサ室へ、所定濃度以下と成った場合に、上記のように除湿装置20を介する経路を通過する経路を経るように切り換え自在に構成しておいてもよい。この場合は、高濃度域にあっては、除湿装置20による圧損が問題となることがないため、広い濃度範囲を検出対象としながら、その装置負荷を低減した状態で装置の運転をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のガス濃度検出装置の概略構成を示す図
【図2】除湿装置の詳細断面図
【図3】薄膜タイプの半導体型ガスセンサの基本構成の説明図
【図4】焼結タイプの半導体型ガスセンサの例示構成図
【図5】薄膜タイプの半導体型ガスセンサの低濃度域に於けるセンサ感度を示す図
【図6】焼結タイプの半導体型ガスセンサの低濃度域に於けるセンサ感度を示す図
【図7】薄膜タイプの半導体型ガスセンサに於ける露点(湿度)と感度の関係を示す図
【図8】薄膜タイプの半導体型ガスセンサの応答性能を示す図
【図9】焼結タイプの半導体型ガスセンサの応答性能を示す図
【図10】薄膜タイプの半導体型ガスセンサの膜厚と収束時間の関係を示す図
【符号の説明】
1 ガス濃度検出装置
2 センサ室
4 導入路
5 半導体型ガスセンサ
6 ガス検知部
20 除湿装置

Claims (5)

  1. 濃度検出対象の可燃性ガスが含有される被検出ガスが導入されるセンサ室内に、前記可燃性ガスとの接触により電気抵抗が変化する酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半導体型ガスセンサを備え、前記半導体型ガスセンサの電気抵抗の変化を検出して、前記被検出ガスに含有される可燃性ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置であって、
    前記ガス濃度検出装置は、20ppm以下の前記可燃性ガスとしてのメタンガスの濃度を検出対象とし、
    前記被検出ガスを前記センサ室に導く導入路に、前記被検出ガス内の水蒸気を導入路外へ奪うとともに、前記センサ室への前記可燃性ガスの移流を許容して除湿する除湿装置を備え、前記除湿装置が、前記センサ室へ導入される被検出ガスの露点を0℃以下にするガス濃度検出装置。
  2. 前記半導体型ガスセンサが、膜厚が20μm以下で、基板上に薄膜成形されたガス検知部を備えた薄膜タイプのものである請求項1記載のガス濃度検出装置。
  3. 可燃性ガスとの接触により電気抵抗が変化する酸化スズ半導体をガス検知部に備えた半導体型ガスセンサを使用して、被検出ガスに含有される前記可燃性ガスの濃度を検出するガス検出方法であって、
    可燃性ガスとしてのメタンの濃度が20ppm以下の低濃度域検出を対象とする場合に、
    前記被検出ガスから水蒸気を除去する除湿操作を行った後、除湿済の前記被検出ガスを前記半導体型ガスセンサと接触させて可燃性ガス濃度の検出をおこない、前記除湿操作にあって、前記被検出ガスの露点を0℃以下にするガス濃度検出方法。
  4. 前記半導体型ガスセンサとして、基板上に膜厚が20μm以下に形成された薄膜状の半導体からなるガス検知部を備えた薄膜タイプのセンサを使用する請求項3記載のガス濃度検出方法。
  5. 前記除湿操作をおこなうに、前記半導体型ガスセンサが配設されるセンサ室内への前記被検出ガスの導入路に、前記被検出ガス内の水蒸気を導入路外へ奪うとともに、前記センサ室への前記可燃性ガスの移流を許容して除湿する除湿装置を備え、水蒸気を導入路外へ導出して、除湿をおこなう請求項3または4記載のガス濃度検出方法。
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