JPH1164013A - 移動体用通信装置及びその方法 - Google Patents

移動体用通信装置及びその方法

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JPH1164013A
JPH1164013A JP21660297A JP21660297A JPH1164013A JP H1164013 A JPH1164013 A JP H1164013A JP 21660297 A JP21660297 A JP 21660297A JP 21660297 A JP21660297 A JP 21660297A JP H1164013 A JPH1164013 A JP H1164013A
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JP
Japan
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mobile
information signal
vehicle
signal
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Application number
JP21660297A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Omura
博志 大村
Koji Hosoda
浩司 細田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠距離にある移動体相互間における情報通信
を確実に行う。 【解決手段】 他移動体からの情報信号を受信する受信
手段と、上記情報信号を他移動体に送信する送信手段と
を備えた移動体用通信装置において、上記情報信号を記
憶する記憶手段と、上記受信手段に自移動体とは進行方
向が逆向きの第1の他移動体からの情報信号を受信させ
るとともに、上記送信手段に上記第1の他移動体に後続
するとともに自移動体とは進行方向が逆向きの第2の他
移動体に上記記憶手段に記憶した情報信号を送信する制
御手段とを備える。かかる構成とすることで、自移動体
は、これとは進行方向が逆方向の第1の他移動体からの
情報信号を受けてこれを記憶手段に記憶し、さらにこの
記憶した情報信号を上記第1の他移動体に後続する第2
の他移動体に送信することで、例え上記第1の他移動体
と第2の他移動体とが大きな距離をもって離れているよ
うな場合であっても、上記第2の他移動体は上記第1の
他移動体からの情報信号を、上記自移動体を中継して確
実に入手することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、移動体間におい
て道路の渋滞情報等の相互通信を行う移動体用通信装置
及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車々間通信を行う移動体用通信装置の一
つとして、例えば特開平7−44800号公報には、同
一進行方向に複数の車両が連続している場合において、
進行方向前方側の車両の挙動情報を後続車両に順次伝達
することで、後続車両が走行方向前方側の道路状況等を
予め知って必要な対応をとることができるようにしたも
のが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる従来
の移動体用通信装置は、前方側車両から送信される情報
信号を、これに後続する後続車を介して順次後方側へ伝
達するようにしたものであるため、例えば同一進行方向
へ進行する車両が存在しない場合とか、同一進行方向へ
進行する車両の数が少なくこれら相互が大きな距離をも
って隔たっているような場合には、情報通信が困難とな
り、前方側車両のもつ挙動情報等の有用な情報を後続車
両において十分に活用できないという問題があった。
【0004】そこで本願発明では、遠距離にある移動体
相互間における情報通信を確実に行い得るようにした移
動体用通信装置及びその方法を提供せんとしてなされた
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0006】本願の第1の発明では、他移動体からの情
報信号を受信する受信手段と、上記情報信号を他移動体
に送信する送信手段とを備えた移動体用通信装置におい
て、上記情報信号を記憶する記憶手段と、上記受信手段
に自移動体とは進行方向が逆向きの第1の他移動体から
の情報信号を受信させるとともに、上記送信手段に上記
第1の他移動体に後続するとともに自移動体とは進行方
向が逆向きの第2の他移動体に上記記憶手段に記憶した
情報信号を送信する制御手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0007】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる移動体用通信装置において、上記制御手段が、上
記第2の他移動体からのリクエスト信号の受信に応じて
該第2の他移動体に上記記憶手段に記憶した情報信号を
送信することを特徴としている。
【0008】本願の第3の発明では、上記第1の発明に
かかる移動体用通信装置において、上記制御手段が、上
記第1の他移動体にリクエスト信号を送信することを特
徴としている。
【0009】本願の第4の発明では、上記第3の発明に
かかる移動体用通信装置において、上記制御手段が、マ
ニュアル操作で上記リクエスト信号を送信することを特
徴としている。
【0010】本願の第5の発明では、上記第1の発明に
かかる移動体用通信装置において、上記制御手段が、上
記第1の他移動体からの情報信号の受信あるいは該情報
信号の上記記憶手段への記憶時からの経過時間を検出す
ると共に、上記経過時間が所定時間に達した時には、そ
れ以降における上記情報信号の上記第2の他移動体への
送信を禁止することを特徴としている。
【0011】本願の第6の発明では、上記第5の発明に
かかる移動体用通信装置において、上記制御手段が、上
記経過時間が所定時間に達した時には、上記記憶手段か
ら上記情報信号の内容を消去することを特徴としてい
る。
【0012】本願の第7の発明では、上記第1の発明に
かかる移動体用通信装置において、上記情報信号の内容
が渋滞情報であることを特徴としている。
【0013】本願の第8の発明では、上記第1の発明に
かかる移動体用通信装置において、上記情報信号の内容
が事故情報であることを特徴としている。
【0014】本願の第9の発明では、上記第7又は第8
の発明にかかる移動体用通信装置において、上記情報信
号の内容に時刻情報が含まれていることを特徴としてい
る。
【0015】本願の第10の発明では、上記第7又は第
8の発明にかかる移動体用通信装置において、上記情報
信号の内容に位置情報が含まれていることを特徴として
いる。 本願の第11の発明にかかる移動体用通信方法
では、自移動体とは進行方向が逆向きの第1の他移動体
から情報信号を受信し且つこれを記憶手段に記憶した
後、上記第1の他移動体に後続すると共に自移動体とは
進行方向が逆向きの第2の他移動体に上記記憶手段に記
憶した情報信号を送信することを特徴としている。
【0016】本願の第12の発明では、上記第11の発
明にかかる移動体用通信方法において、上記第2の他移
動体からのリクエスト信号を受信した後、該第2の他移
動体に上記記憶手段に記憶した情報信号を送信すること
を特徴としている。
【0017】本願の第13の発明では、上記第11の発
明にかかる移動体用通信方法において、上記自移動体が
上記第1の他移動体に対して情報信号の送信を要請する
リクエスト信号を送信することを特徴としている。
【0018】本願の第14の発明では、上記第13の発
明にかかる移動体用通信方法において、上記自移動体が
マニュアル操作で上記リクエスト信号を送信することを
特徴としている。
【0019】本願の第15の発明では、上記第11の発
明にかかる移動体用通信方法において、上記第1の他移
動体からの情報信号の受信あるいは該情報信号の上記記
憶手段への記憶時からの経過時間が所定時間に達した以
降においては、上記情報信号の上記第2の他移動体への
送信が禁止されることを特徴としている。
【0020】本願の第16の発明では、上記第15の発
明にかかる移動体用通信方法において、上記経過時間が
所定時間に達した時に、上記記憶手段から上記情報信号
の内容が消去されることを特徴としている。
【0021】本願の第17の発明では、上記第11の発
明にかかる移動体用通信方法において、渋滞情報が上記
情報信号として送信されることを特徴としている。
【0022】本願の第18の発明では、上記第11の発
明にかかる移動体用通信方法において、事故情報が上記
情報信号として送信されることを特徴としている。
【0023】本願の第19の発明では、上記第17又は
第18の発明にかかる移動体用通信方法において、上記
情報信号の内容に時刻情報が含まれていることを特徴と
している。
【0024】本願の第20の発明では、上記第17又は
第18の発明にかかる移動体用通信方法において、上記
情報信号の内容に位置情報が含まれていることを特徴と
している。
【0025】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0026】(1) 本願の第1の発明にかかる移動体
用通信装置では、他移動体からの情報信号を受信する受
信手段と、上記情報信号を他移動体に送信する送信手段
とを備えた移動体用通信装置において、上記情報信号を
記憶する記憶手段と、上記受信手段に自移動体とは進行
方向が逆向きの第1の他移動体からの情報信号を受信さ
せるとともに、上記送信手段に上記第1の他移動体に後
続するとともに自移動体とは進行方向が逆向きの第2の
他移動体に上記記憶手段に記憶した情報信号を送信する
制御手段とを備えている。
【0027】従って、この発明の移動体用通信装置によ
れば、例えば自移動体が道路上をある方向に向かって進
行している場合において、該自移動体とは進行方向が逆
方向の道路上に複数の移動体が前後して走行し、あるい
は渋滞しており且つその車列の先頭側に第1の他移動体
が、後方側に第2の他移動体がそれぞれ位置している場
合、該自移動体は、上記第1の他移動体から該第1の他
移動体が得ることのできる車列先頭側の道路情報(例え
ば渋滞情報)を情報信号として受信手段により受けてこ
れを記憶手段に記憶し、さらに走行後、上記第2の他移
動体に近づいた時点で、上記記憶手段に記憶した情報信
号を該第2の他移動体に送信することで、例え上記第1
の他移動体と第2の他移動体とが大きな距離をもって離
れているような場合であっても、上記第2の他移動体は
上記第1の他移動体から送信される情報信号を、上記自
移動体を中継して確実に受信しこれを自己の移動に関す
る情報として活用することができ、例えば従来のように
同一車列の先頭側に位置する移動体から後続の移動体へ
順次情報伝達する構成のもののように車間距離の過大に
より情報伝達が阻害されることがなく、遠距離にある移
動体相互間における情報通信の確実性が向上するもので
ある。
【0028】(2) 本願の第2の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(1)に記載の効果に加えて
次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記第1の発明にかかる移動体用通信装置におい
て、上記制御手段は、上記第2の他移動体からのリクエ
スト信号の受信に応じて該第2の他移動体に上記記憶手
段に記憶した情報信号を送信するので、上記自移動体は
自己がもっている情報信号の入手を希望している移動体
のみに送信すれば良く、例えば上記第1の他移動体から
受信した情報信号を、その入手の希望の有無に拘わらず
送信する場合に比して、上記制御手段における情報処理
制御が容易となり、それだけ移動体用通信装置の利用上
における利便性が向上することになる。
【0029】(3) 本願の第3の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(1)に記載の効果に加えて
次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記第1の発明にかかる移動体用通信装置におい
て、上記制御手段は、上記第1の他移動体にリクエスト
信号を送信するので、自移動体が情報信号の中継の意思
表示をした場合であって、且つこの自移動体からのリク
エスト信号を受けた他移動体のうち、自己がもつ情報を
後続の移動体(即ち、第2の他移動体)に伝達すること
を希望する他移動体(即ち、第1の他移動体)が存在し
た場合においてのみ、該第1の他移動体からの情報信号
が上記自移動体が中継して上記第2の他移動体に送信さ
れる。従って、自移動体と第1の他移動体及び第2の他
移動体との三者間における情報信号の送受信が必要最小
限の範囲内で行われることとなり、例えば自移動体から
のリクエスト信号の送信によらず無秩序に情報信号の送
受信が行われる場合の如く情報信号の交錯による通信不
良等のトラブルの発生がなく、情報通信の確実性が向上
することになる。
【0030】(4) 本願の第4の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(3)に記載の効果に加えて
次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記第3の発明にかかる移動体用通信装置におい
て、上記制御手段が、マニュアル操作で上記リクエスト
信号を送信するようにしているので、自移動体による情
報信号の中継が該自移動体の乗員の意思に基づいて行わ
れ、例えば乗員の意思によらずに情報信号の中継が実行
される場合の如き煩雑さが回避され、移動体用通信装置
の操作性という点において有益である。
【0031】(5) 本願の第5の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(1)に記載の効果に加えて
次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記第1の発明にかかる移動体用通信装置におい
て、上記制御手段は、上記第1の他移動体からの情報信
号の受信あるいは該情報信号の上記記憶手段への記憶時
からの経過時間を検出すると共に、上記経過時間が所定
時間に達した時には、それ以降における上記情報信号の
上記第2の他移動体への送信を禁止するようにしている
ので、上記所定時間の経過によって記憶している情報信
号の内容が既に現在の情報とは掛け離れ、これをそのま
ま送信したのでは誤情報を送信するおそれがある時に
は、これ以降における情報信号の送信が禁止される。従
って、誤情報の送信が未然に回避されることで、上記自
移動体から送信される情報信号の信頼性が向上すること
になる。
【0032】(6) 本願の第6の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(5)に記載の効果に加えて
次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記第5の発明にかかる移動体用通信装置におい
て、上記制御手段が、上記経過時間が所定時間に達した
時には、上記記憶手段から上記情報信号の内容を消去す
るようにしているので、時間の経過によって既に誤情報
となっているおそれの強い情報信号を消去することで、
誤情報の送信防止がさらに確実となるものである。
【0033】(7) 本願の第7の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(1)に記載の効果に加えて
次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記第1の発明にかかる移動体用通信装置におい
て、上記情報信号の内容が渋滞情報であるので、車列の
後方側に位置する第2の他移動体は、車列の後方側にい
ながらにして車列の先頭側に位置する第1の他移動体か
ら該先頭側における渋滞情報を前以て且つ確実に入手す
ることができる。
【0034】(8) 本願の第8の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(1)に記載の効果に加えて
次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記第1の発明にかかる移動体用通信装置におい
て、上記情報信号の内容が事故情報とされているので、
車列の後方側に位置する第2の他移動体は、車列の後方
側にいながらにして車列の先頭側に位置する第1の他移
動体から該先頭側における事故情報、延いてはこの事故
に基づいて引き起こされるであろう渋滞の発生を前以て
予測することができ、それだけ渋滞に対してより的確な
対応を採ることが可能となるものである。
【0035】(9) 本願の第9の発明にかかる移動体
用通信装置によれば、上記(7)又は(8)に記載の効
果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、
この発明では、上記第7又は第8の発明にかかる移動体
用通信装置において、上記情報信号の内容に時刻情報を
含ませているので、上記自移動体を介して上記第1の他
移動体からの情報信号を受ける上記第2の他移動体は、
その入手した情報が現時点からどのくらい前の情報であ
るのか、例えばその情報信号が事故情報である場合には
この事故によって後どのくらいの時間で渋滞が発生する
のかを予測することができることになる。
【0036】(10) 本願の第10の発明にかかる移
動体用通信装置によれば、上記(7)又は(8)に記載
の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即
ち、この発明では、上記第7又は第8の発明にかかる移
動体用通信装置において、上記情報信号の内容に位置情
報を含ませているので、上記自移動体を介して上記第1
の他移動体からの情報信号を受ける上記第2の他移動体
は、その入手した情報が現在位置からどのくらい前方位
置での情報であるのか、例えばその情報信号が渋滞情報
である場合には現在位置からどのくらいの距離走行する
と渋滞に巻き込まれるのかを予測することができること
になる。
【0037】(11) 本願の第11の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、自移動体とは進行方向が逆向
きの第1の他移動体から情報信号を受信し且つこれを記
憶手段に記憶した後、上記第1の他移動体に後続すると
共に自移動体とは進行方向が逆向きの第2の他移動体に
上記記憶手段に記憶した情報信号を送信するようにして
いるので、例え上記第1の他移動体と第2の他移動体と
が大きな距離をもって離れているような場合であって
も、上記第2の他移動体は、上記第1の他移動体から送
信される情報信号を、上記自移動体を中継して確実に受
信しこれを自己の移動に関する情報として活用すること
ができ、遠距離にある移動体相互間における情報通信が
高い確実性をもって実現されることになる。
【0038】(12) 本願の第12の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(11)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明では、上記第11の発明にかかる移動体用通信方法
において、上記第2の他移動体からのリクエスト信号を
受信した後、該第2の他移動体に上記記憶手段に記憶し
た情報信号が送信されるので、上記自移動体からの情報
信号の送信は該情報信号の入手を希望している移動体の
みに対して的確に行われることになり、それだけ情報通
信の確実性が向上する。
【0039】(13) 本願の第13の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(11)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明では、上記第11の発明にかかる移動体用通信方法
において、上記自移動体から上記第1の他移動体に対し
て情報信号の送信を要請するリクエスト信号を送信する
ようにしているので、自移動体と第1の他移動体及び第
2の他移動体との間の情報通信が、上記自移動体からの
リクエスト信号に基づいて必要最小限の範囲内で行わ
れ、例えば自移動体からのリクエスト信号の送信によら
ず無秩序に情報信号の送受信が行われる場合の如く情報
信号の交錯による通信不良等のトラブルの発生がなく、
情報通信の確実性が向上する。
【0040】(14) 本願の第14の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(13)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明では、上記第13の発明にかかる移動体用通信方法
において、上記自移動体がマニュアル操作で上記リクエ
スト信号を送信するので、自移動体による情報信号の中
継が該自移動体の乗員の意思に基づいて行われることに
なる。
【0041】(15) 本願の第15の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(11)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明では、上記第11の発明にかかる移動体用通信方法
において、上記第1の他移動体からの情報信号の受信あ
るいは該情報信号の上記記憶手段への記憶時からの経過
時間が所定時間に達した以降、即ち、記憶している情報
信号の内容が既に現在の情報とは掛け離れ、これをその
まま送信したのでは誤情報を送信するおそれがある時に
は、これ以降における情報信号の送信が禁止されるの
で、上記自移動体から送信される情報信号の信頼性が向
上することになる。
【0042】(16) 本願の第16の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(15)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明では、上記第15の発明にかかる移動体用通信方法
において、上記経過時間が所定時間に達した時に、上記
記憶手段から上記情報信号の内容が消去されるので、時
間の経過によって既に誤情報となっているおそれの情報
信号の送信防止がさらに確実となる。
【0043】(17) 本願の第17の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(11)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明では、上記第11の発明にかかる移動体用通信方法
において、渋滞情報が上記情報信号として送信されるの
で、車列の後方側に位置する第2の他移動体は、車列の
後方側にいながらにして車列の先頭側に位置する第1の
他移動体から該先頭側における渋滞情報を前以て且つ確
実に入手できることになる。
【0044】(18) 本願の第18の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(11)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明では、上記第11の発明にかかる移動体用通信方法
において、事故情報が上記情報信号として送信されるの
で、車列の後方側に位置する第2の他移動体は、車列の
後方側にいながらにして車列の先頭側に位置する第1の
他移動体から該先頭側における事故情報、延いてはこの
事故に基づいて引き起こされるであろう渋滞の発生を前
以て予測し、的確な対応をとることが可能となる。
【0045】(19) 本願の第19の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(17)又は(18)に
記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられ
る。即ち、この発明では、上記第17又は第18の発明
にかかる移動体用通信方法において、上記情報信号の内
容に時刻情報を含ませているので、上記自移動体を介し
て上記第1の他移動体からの情報信号を受ける上記第2
の他移動体は、その入手した情報が現時点からどのくら
い前の情報であるのか、例えばその情報信号が事故情報
である場合にはこの事故によって後どのくらいの時間で
渋滞が発生するのかを予測することができることにな
る。
【0046】(20) 本願の第20の発明にかかる移
動体用通信方法によれば、上記(17)又は(18)に
記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられ
る。即ち、この発明では、上記第17又は第18の発明
にかかる移動体用通信方法において、上記情報信号の内
容に位置情報を含ませているので、上記情報信号の内容
に位置情報を含ませているので、上記自移動体を介して
上記第1の他移動体からの情報信号を受ける上記第2の
他移動体は、その入手した情報が現在位置からどのくら
い前方位置での情報であるのか、例えばその情報信号が
渋滞情報である場合には現在位置からどのくらいの距離
走行すると渋滞に巻き込まれるのかを予測することがで
きることになる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる移動体用
通信装置及びその方法を好適な実施形態に基づいて具体
的に説明する。
【0048】移動体用通信装置の使用態様 この実施形態にかかる移動体用通信装置の使用態様につ
いて説明する。この移動体用通信装置は、車両(特許請
求の範囲中の「移動体」に該当する)に搭載されて地図
メモリに記憶された道路情報をディスプレイに表示して
該車両の経路誘導等を行うと共に、本願発明がその対象
とする車々間通信、即ち、自車両と他車両との間におい
て道路情報等の種々の情報通信を行うものである。
【0049】そして、特に後者の車々間通信における使
用態様としては、例えば図1に示すように同一進行方向
に走行している自車両1と他車両2との間での情報信号
の送受信を行う使用態様と、図2に示すように相互に逆
方向に走行している自車両1と他車両2との間での情報
信号の送受信を行う使用態様の外、各車両1,2の走行
方向に拘わらず、例えば自車両1から離間した所定のエ
リア内に存在する他車両2との間において情報信号の送
受信を行う使用態様等、種々の態様がある。また、図2
に示す如き逆方向に走行する自車両1と他車両2との間
における使用態様の中には、例えば図3に示すように、
自車両1がこれとは進行方向が逆の第1の他車両51か
ら該第1の他車両51の状態に関する情報(例えば、該
第1の他車両51における渋滞情報)を受信してこれを
記憶し、該自車両1が鎖線図示(符号1′)する位置ま
で走行した時点で、上記第1の他車両51よりも後方側
に大きく離れて走行していた後続の第2の他車両52と
鎖線図示(符号52′)する位置において遭遇し、自車
両1が記憶している情報を上記第2の他車両52に送信
する使用態様もある。
【0050】以下の実施形態の説明においては、上記各
使用態様を全て含めたあらゆる態様を想定してその構成
及びその通信方法(即ち、制御方法)を説明する。
【0051】移動体用通信装置の構成 以下の実施形態において使用される上記移動体用通信装
置のハード構成を、図4及び図5を参照して説明する。
【0052】図4には、移動体用通信装置の全体構成を
ブロック図にて示しており、同図において符号3は移動
体用通信装置の構成要素の中心をなす制御手段である。
この制御手段3には、自車両の位置と進行方向及びその
走行速度をそれぞれ求める自車位置・進行方向・速度演
算部31と、情報信号の送受信を禁止する送受信禁止処
理部33を含む送受信信号処理部32と、無線信号の周
波数をランダムに設定するための乱数発生部34と、記
憶手段としてのRAM35とRAM35、及び計時用の
タイマ37を備えている。
【0053】そして、上記制御手段3には、以下の如き
各種の情報が入力される。即ち、GPS受信装置とジャ
イロ及び車速センサ等からの検出情報9と、経路誘導入
力手段7からの経路誘導のための情報信号と、地図メモ
リ8からの道路情報と、サイドブレーキスイッチとハザ
ードスイッチとターンシグナルスイッチ等からのスイッ
チ情報10と、例えば交通事故等のアクシデントの発生
を報知するためのアクシデントスイッチあるいは情報信
号の送受信をキャンセルするためのキャンセルスイッチ
等の乗員によりマニュアル操作されるマニュアルスイッ
チ11からの信号等が上記制御手段3に入力される。こ
れら各信号は全て自車両の情報として入力されるもので
あるが、これ以外に他車両から送信される情報情報信号
がアンテナ6を介して受信手段4により受信され且つ上
記制御手段3に取り込まれる。
【0054】上記制御手段3においては、これら各入力
信号を受けてこれを適宜処理し、車載のディスプレイ1
2に情報の表示を行うとともに、場合によってはブザー
13により所定の警報を発する。また、他車両に情報信
号として送信する必要のある情報は、送信手段5により
アンテナ6を介して無線信号として送信される。
【0055】尚、上記アンテナ6としては、例えば図6
に示すように車両47に延出設置された無指向性のアン
テナ48とか、図7に示すように車両47の前部と後部
にそれぞれ設置され該車両47の前方及び後方への指向
性をもったレーザーレーダ49A,49B等が好適であ
る。
【0056】一方、図5には、上記ディスプレイ12の
具体的構成を示している。このディスプレイ12は、例
えばペンタッチ入力が可能な表示部としてのタッチパネ
ル15を備えている。また、この外に、操作部として、
エリアの範囲指定を行うための範囲指定スイッチ16
と、所要の交差点の指定を行うための交差点指定スイッ
チ17と、指定誘導路における渋滞状態を検出するため
の渋滞検出スイッチAと、指定エリア全体の渋滞状態を
検出するための渋滞検出スイッチBと、表示位置の変更
設定等を行うためのジョイスティック20と、上記アク
シデントスイッチ21と、例えばこれから向かおうとし
ている地点が渋滞している場合にこれを報知するための
渋滞警報部22、及び上記キャンセルスイッチ23が備
えられている。
【0057】移動体用通信装置における制御方法 次に、上記移動体用通信装置により車々間通信を行う場
合における制御方法を具体的に説明する。
【0058】先ず最初に、情報信号の送受信についての
基本思想を説明する。 (イ)この実施形態の移動体用通信装置においては、車
両間において情報信号の送受信を行う場合に、送受信の
秩序を確立する観点から、原則として、情報信号を受け
ることを欲する側の車両(例えば、自車両)からリクエ
スト信号を送信し、このリクエスト信号を受信した情報
提供側の車両(例えば、他車両)からの情報信号の送信
を待ち、自車両においては他車両から情報信号が送信さ
れた場合にこれを受信してこれを自己の経路誘導等にお
ける情報として利用することができるような制御方法を
採用している。
【0059】そして、かかる制御方法において、上記リ
クエスト信号には、他車両から送信される情報信号の周
波数を指定し、指定周波数の信号を受信することで情報
の確実な入手を確保するようにしている。
【0060】また、例えリクエスト信号にて送信周波数
を指定したとしても、その指定周波数が、他の車々間通
信において指定された周波数と同じ又はこれに近い周波
数であると情報信号同士がバッティングして所望の情報
信号を入手できないということも想定されるので、かか
る場合には上記指定周波数を変更設定する等の種々の対
応をとるようにしている。
【0061】さらに、他車両からの情報信号の入手を欲
してリクエスト信号を送信するとしても、このリクエス
ト信号を受信した車両が、自己が所望している地点から
離れた位置にいる車両である場合には、例えこの他車両
から情報信号を受信してもその情報は自己が所望した地
点の情報ではなく何の役にも立たないことになるので、
かかる不都合を回避すべく、情報の入手を欲する所定の
エリア、あるいは所定の地点(例えば、交差点)を指定
し、そのエリア内にいる他車両、あるいはその地点の近
辺にいる他車両にリクエスト信号を送信することで所望
の情報信号が確実に入手できるようにしている。
【0062】(ロ) 一方、リクエスト信号を受けて情
報信号を送信する側の車両においては、他車両の状態に
対応して求められる該他車両側の情報、例えば渋滞情報
が、実際の渋滞に基づく自車両の停車状態等に基づくも
のでなく、渋滞に関係しない交通事故等のアクシデント
の発生に基づく停車状態に基づいて得られたものである
場合には、これをそのまま送信すると、この情報信号を
受けた車両は誤情報を受けることになるので、かかる事
態の発生を未然に防止すべく、所定の場合には例えリク
エスト信号を受信しても情報信号の送信を禁止し、ある
いは結果的に渋滞に結び付くであろうアクシデントの発
生についてはこれを報知することで渋滞の発生を予測さ
せ得るような制御方法を採用している。
【0063】(ハ) さらに、他車両から受信した情報
信号に基づいて得られる自車両の誘導経路及びその周辺
の道路の渋滞状態等をディスプレイの道路地図上に表示
する場合、道路の表示を、渋滞している道路と渋滞して
いない道路、及び情報信号が受信されないこと等によっ
て渋滞の有無が明らかでない道路等に区別して表示し、
乗員が容易に識別できるようにすることが好ましく、か
かる観点から各道路の表示を情報信号に基づいて識別可
能に表示するような制御方法を採用している。
【0064】(ニ) また、例えば相互に情報信号の送
受信を行おうとする両車両が同一進行方向において遠距
離にある場合にはこれらの間の送受信が困難となり、所
望の情報が得られないことも起こり得ることから、かか
る場合にはこれら両車両とは進行方向が逆であってその
進行に伴って該両車両に対してそれぞれある時間差をも
って遭遇する対向車両を中継して上記両車両のうちの進
行方向前方側の車両からの情報信号を後方側の車両に受
け渡すようにすることで、遠距離間の確実な車々間通信
が実現できるような制御方法を採用している。
【0065】以上に述べた制御の基本思想を踏まえて、
実際の車々間通信における制御方法をフローチャートに
基づいて説明する。リクエスト信号の送信制御 先ず、図8に示すフローチャートに基づいて、リクエス
ト信号の送信制御について説明する。
【0066】制御開始後、ステップS1において、所定
時間「T1」の経過の判定を行う。このステップS1で
の判定は、所定時間「T1」(例えば30分)毎に対象
エリア全体の情報を更新するようにしていることに関連
して、表示更新のタイミングをみるためのものである。
【0067】従って、ステップS1において所定時間
「T1」が経過したと判定された場合には、ステップS
18において対象エリアを現在の表示画面全体とし(図
21及び図22を参照)、ステップS19においては現
在の車速、現在地からの距離に応じて複数の分割エリア
を、現在地から近いエリアから遠いエリアにかけて順次
設定する。
【0068】具体的には、図21及び図22にそれぞれ
示す表示画面において、複数の縦エリアライン25,2
5,・・と複数の横エリアライン26,26,・・とに
より区画される複数のエリアの設定面積を、自車両1か
らの距離と自車両1の現在の車速とに応じて設定するも
のであって、図21と図22との間においては、図21
は車速が小さいときの設定で、図22は車速が大きいと
きの設定であり、車速が小さいほどエリアの設定面積が
小さくなっている。また、図21及び図22共に、自車
両1から各エリアまでの距離に基づく設定がなされてお
り、自車両1からの距離が大きくなるほどエリアの設定
面積が大きくなっている。
【0069】図8のフローチャートに戻って、上記ステ
ップS1において所定時間「T1」が経過していないと
判定された場合には、次にステップS2において上記範
囲指定スイッチ16,交差点指定スイッチ17等のマニ
ュアルスイッチが操作されたか否かを判定する。ここ
で、マニュアルスイッチが操作されていないと判定され
た場合(即ち、現在の設定エリアを変更する要求がない
場合)には、そのままステップS12に移行するが、マ
ニュアルスイッチが操作されたと判定された場合(即
ち、現在の設定エリアの変更要求が出された場合)に
は、ステップS3のエリア設定ルーチンを実行し、情報
受信を所望する単一のエリアを設定する。
【0070】ここで、図9のフローチャートを参照して
エリア設定ルーチンにおける単一エリアの設定制御を説
明する。先ず、図9のステップS1において、自車両1
の誘導経路における渋滞状態を検出する上記渋滞状態検
出スイッチA(図5参照)が操作されたかどうかを判定
し、ここで操作されていないと判定された場合にはさら
にステップS4において指定エリア内全体の渋滞状態を
検出する上記渋滞状態検出スイッチBが操作されたかど
うかを判定する。
【0071】先ず、ステップS1において、渋滞状態検
出スイッチAが操作されたと判定された場合には、さら
にステップS2において上記範囲指定スイッチ16が操
作されたかどうかを判定し、ここで操作されたと判定さ
れた場合には、乗員の操作(例えば、上記タッチパネル
15へのタッチ操作とか上記ジョイスティック20の操
作)によりマトリクス上の特定範囲内を設定し(ステッ
プS10)、さらにステップS11においてはこの設定
された特定範囲内における経路誘導路の付近にエリアを
設定し、ルーチンを終了する。
【0072】また、ステップS2において、範囲指定無
しと判定された場合には、さらにステップS3におい
て、上記交差点指定スイッチ17が操作されたかどうか
が判定される。ここで、交差点指定スイッチ17が操作
されたと判定された場合には、その操作に基づいて特定
の交差点を設定し(ステップS8)、さらにステップS
9においてはこの特定の交差点から1キロ以内の経路誘
導路付近にエリアを設定し、ルーチンを終了する。さら
に、ステップS3において、上記交差点指定スイッチ1
7が操作されなかったと判定され場合には、現在の表示
画面上の経路誘導路付近にエリアを設定してルーチンを
終了する(ステップS7)。
【0073】尚、上記ステップS9及びステップS11
におけるエリア設定に際しては、データとして道路(単
位)IDが利用される。
【0074】一方、ステップS4において、渋滞状態検
出スイッチBが操作されなかったと判定された場合に
は、何等の処理をすることなくそのままルーチンを終了
するが、渋滞状態検出スイッチBが操作されたと判定さ
れた場合には、次にステップS5において、上記範囲指
定スイッチ16が操作されたかどうかを判定し、ここで
操作されたと判定された場合には、乗員の操作によりマ
トリクス上の特定範囲内を設定し(ステップS16)、
さらにステップS17においてはこの設定された特定範
囲内にエリアを設定し、ルーチンを終了する。
【0075】また、ステップS5において、範囲指定無
しと判定された場合には、さらにステップS6において
上記交差点指定スイッチ17が操作されたかどうかが判
定される。ここで、交差点指定スイッチ17が操作され
たと判定された場合には、その操作に基づいて特定の交
差点を設定し(ステップS14)、さらにステップS1
5においてはこの特定の交差点から1キロ以内にエリア
を設定し、ルーチンを終了する。さらに、ステップS6
において、上記交差点指定スイッチ17が操作されなか
ったと判定され場合には、現在の表示画面上の全ての領
域にエリアを設定し、30分毎のルーチン(上記図8の
フローチャートにおけるステップS18)に移行する。
【0076】以上がエリア設定ルーチンにおける制御で
ある。このように、自車両の乗員の意思に基づいてエリ
ア設定を行うことで、該乗員は自分が最も所望している
地点の情報をより確実に入手することができるものであ
る。
【0077】再び、図8のフローチャートに戻って、ス
テップS3でのエリア設定ルーチンの実行後、あるいは
ステップS18及びステップS19での30分毎のルー
チンの実行後、ステップS4に移行し、周波数設定ルー
チンを実行する。
【0078】ここで、この周波数設定ルーチンにおける
制御を、図10〜図13のフローチャートに基づいて説
明する。
【0079】この周波数設定ルーチンは、自車両からの
リクエスト信号を受信した他車両から送信される情報信
号の指定周波数を設定するルーチンであって、ここでは
周波数の設定の仕方がそれぞれ異なる以下の三つのルー
チンのそれぞれについて周波数設定制御を具体的に説明
する。
【0080】先ず、図10に示す周波数設定ルーチン
(A)では、上記ROM36(図4参照)に記憶されて
いる当該車両に搭載された移動体用通信装置に固有の周
波数「f2」を読み出す(ステップS1)とともに、過
去、5秒以内にこの周波数「f2」に近い周波数にて情
報信号を送信することを要請する返答指令をもつ他車両
からのリクエスト信号を受信したかどうかを判定する
(ステップS2)。ここで、かかるリクエスト信号を受
信していない場合には情報信号同士のバッティングの可
能性が無いので、この固有の周波数「f2」を返信周波
数として採用し、ルーチンを終了する。
【0081】これに対して、ステップS2においてリク
エスト信号を受信したと判定された場合には、情報信号
同士のバッティングの可能性があるため、ステップS3
において10秒を経過するまで待機し、10秒経過後に
ステップS2にリターンし、再度リクエスト信号の受信
の有無を判定する。そして、過去5秒以内に上記リクエ
スト信号を受信していないと判定されるまでこの制御を
繰り返し、受信していないと判定された時点で上記周波
数「f2」を送信周波数として設定する。
【0082】図11に示す周波数設定ルーチン(B)で
は、先ず、ステップS1において、所定の範囲内で乱数
により返信周波数「f2」を決定する。しかる後、ステ
ップS2においては、過去、5秒以内にこの周波数「f
2」に近い周波数にて情報信号を送信することを要請す
る返答指令をもつ他車両からのリクエスト信号を受信し
たかどうかを判定する。ここで、かかるリクエスト信号
を受信していない場合には情報信号同士のバッティング
の可能性が無いので、この固有の周波数「f2」を返信
周波数として採用し、ルーチンを終了する。
【0083】これに対して、ステップS2においてリク
エスト信号を受信したと判定された場合には、情報信号
同士のバッティングの可能性があるため、ステップS3
において、所定の範囲内で乱数により返信周波数「f
2」を再度決定した後、ステップS2に移行し、再度決
定された上記周波数「f2」に近い周波数にて返答指令
を出したリクエスト信号を過去5秒以内に受信したかど
うかを判定し、受信していなければその周波数「f2」
を返信周波数として決定してルーチンを終了する。一
方、受信していると判定された場合には、再々度、ステ
ップS3において所定範囲内で乱数により新たな返信周
波数「f2」を決定し、ステップS2にリターンして制
御を繰り返す。そして、過去5秒以内に当該周波数「f
2」で返答指令を出したリクエスト信号を受信していな
いと判定された時点で、その時の周波数「f2」を返信
周波数として決定し、ルーチンを終了する。
【0084】図12に示す周波数設定ルーチン(C)で
は、先ず、ステップS1において、ROM36に予め記
憶されている複数の固有周波数「f2a」,「f2
b」,「f2c」を読み出す。次に、ステップS2にお
いては、上記各周波数「f2a」〜「f2c」をそれぞ
れ送信周波数の第1〜第3の候補と位置付け、先ず、過
去、5秒以内に第1候補の周波数「f2a」に近い周波
数にて情報信号を送信することを要請する返答指令をも
つ他車両からのリクエスト信号を受信したかどうかを判
定する。ここで、かかるリクエスト信号を受信していな
い場合には情報信号同士のバッティングの可能性が無い
ので、この固有の周波数「f2a」を返信周波数として
採用し、ルーチンを終了する。
【0085】これに対して、ステップS2においてリク
エスト信号を受信したと判定された場合には、情報信号
同士のバッティングの可能性があるため、先ずステップ
S3において上記各周波数「f2a」〜「f2c」の全
てを読み出したかどうかを判定する。ここで、最初は第
1候補の周波数「f2a」のみが読み出され、第2及び
第3候補の周波数「f2b」,「f2c」は読み出され
ていないので、ステップS4において第2候補の周波数
「f2b」を読み出してステップS2にリターンする。
そして、該ステップS2において、この第2候補の周波
数「f2b」での返答指令を出したリクエスト信号の受
信の有無を判定し、受信していないと判定された場合に
はその周波数「f2b」を返信周波数として設定しルー
チンを終了する。
【0086】これに対して、この第2候補の周波数「f
2b」をもつリクエスト信号を受信したと判定された場
合には、再度ステップS3に移行し、さらにステップS
4において第3候補の周波数「f2c」を読み出し、再
度ステップS2での判定を行う。ここで、この第3候補
の周波数「f2c」でのリクエスト信号は受信しないと
判定された場合には、この周波数「f2c」を返信周波
数として設定しルーチンを終了する。
【0087】一方、ステップS3において、上記各周波
数「f2a」〜「f2c」の全てを読み出したが、これ
らいずれも送信周波数として採用できなかったと判定さ
れた場合には、ステップS5に移行し、10秒経過する
まで待機し、10秒経過後に再度、第1候補の周波数
「f2a」から第3候補の周波数「f2」の順に返信周
波数としての採用の可否を判定するものである。
【0088】以上が周波数設定ルーチンの説明である。
このように、返信周波数「f2」を指定して情報の提供
を求めることで、該情報の入手を望む者は、例え多数の
情報信号が飛び交う環境下であっても、自分が最も所望
する情報を確実に入手することができることになる。
【0089】再び、図8のフローチャートに戻って、ス
テップS4での周波数設定が終了すると、次にステップ
S5において、自車両から他車両に向けて、情報信号の
送信を要請すべくリクエスト信号を送信するとともに、
このリクエスト信号の送信後、所定時間「T2」(例え
ば、5秒)だけ待機する(ステップS6)。尚、このリ
クエスト信号には、図17に示すように、自車両のI
D、エリア情報、返信周波数「f2」、自車両の位置情
報と進行方向情報等が含まれる。
【0090】上記所定時間「T2」の経過後、ステップ
S7において、上記リクエスト信号において指定した送
信周波数「f2」にて他の車両IDをもった返信信号が
あったかどうかを判定する。ここで、返信信号があった
と判定された場合には、この返信信号は自車両が本来要
求した情報信号ではなく、この返信信号と自己の要求に
応じて送信される情報信号とのバッティングの可能性が
あるので、この場合にはステップS5にリターンし、再
度リクエスト信号の送信を行い(ステップS5、ステッ
プS6及びステップS7)、上記送信周波数「f2」に
て他の車両IDをもった返信信号が無いと判定されるま
で、上記制御を繰り返し、該判定がされた時点でステッ
プS8に移行し、返信信号の受信を行う。
【0091】即ち、ステップS8においては、自車両の
IDをもつ返信周波数「f2」での返信信号(情報信
号)が受信されたかどうかを判定する。ここで、返信信
号を受信した場合には、ステップS9において、その返
信信号から上記単一エリアにおける交通状況を演算す
る。しかる後、ステップS10に移行し、ここでは上記
の交通状況の演算が行われたエリア以外に情報信号の入
手を希望する次のエリアがあるかどうかを判定する。そ
して、次のエリアが無い場合にそのままステップS11
に移行するが、次のエリアがある場合には、ステップS
5へリターンし、この次のエリアにおける返信信号の受
信及び該返信信号に基づく交通状況の演算を行う(ステ
ップS5〜ステップS9)。次のエリアが存在する限
り、上記制御を順次繰り返して全てのエリアについての
交通状況を演算した後、ステップS11に移行する。
【0092】尚、上記ステップS8において返信信号を
受信していないと判定された場合(即ち、今、対象とし
ているエリアからは返信信号が受信されなかった場合)
には、ステップS10からステップS5に移行し、上記
と同様の制御を繰り返し(ステップS5〜ステップS
9)、情報信号の入手を所望する全てのエリアのうち返
信信号が受信されたエリアのそれぞれについてその交通
状況を演算し、ステップS11に移行する。以上のステ
ップS5〜ステップS10の実行によって全エリアの交
通状況の演算が終了する。
【0093】次に、ステップS11においては、ディス
プレイに上記の演算内容に応じた交通状況の表示あるい
は報知を行うとともに、他車両からの返信信号が無かっ
た場合にはその旨の表示あるいは報知を行う。
【0094】ここで、交通状況の表示の仕方を、図13
に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0095】先ず、ディスプレイへの表示画面は1分毎
に更新するものとし(ステップS1)、その表示更新時
間以内においては、先ずステップS2においてRAM3
5(図4参照)から読み出された現在地データと設定さ
れた縮尺とから、ディスプレイに表示される道路を演算
する。
【0096】次に、ステップS3においては、各々の道
路(単位)に関して、その道路上に対応する位置座標も
つ車両(即ち、その道路上を走行中の車両)、あるいは
その位置座標に関するデータをもった車両(即ち、例え
ば、現在より30分以内前にその道路を走行した車両)
から得られる車両の車速、進行方向、位置座標、渋滞履
歴等の情報をRAM35から読み出す(図18の返信信
号データを参照)。
【0097】次に、ステップS4においては、表示すべ
きデータがあるかどうかを判定し、データ数が1以上あ
る場合には、ステップS5においてその道路が渋滞して
いるかどうかを判定する。尚、この渋滞判定に際して
は、例えば複数のデータに基づく単純な多数決による渋
滞判定とか、各データ数の信頼性を加味した渋滞判定等
の判定手法がとられる。
【0098】上記ステップS5での判定の結果、渋滞し
ていると判定された場合には、その道路を注意色である
赤色(あるいは強調色)で表示させる(ステップS
7)。また、渋滞していないと判定された場合には、そ
の道路を安全色である青色(あるいは通常色)で表示さ
せる(ステップS6)。一方、ステップS4において、
表示すべきデータが無いと判定された場合には、渋滞情
報が加味されていない表示としてその道路を白色(ある
いは、通常色から若干暗くした色)で表示させるか、あ
るいは次述の「推定処理」の推定結果に基づいて表示す
る(ステップS8)。
【0099】次に、ステップS9において、上記の道路
(単位)以外に表示すべき他の道路(単位)があるかど
うかを判定し、有れば上記ステップS3〜ステップS8
の制御を繰り返してその道路の表示を行い、全ての道路
(単位)の表示が完了した時点でリターンする。
【0100】このように、道路の表示色を渋滞の有無等
によって変化させることで、表示された道路における渋
滞の有無を乗員が容易に識別することができる。尚、か
かる道路表示の例を図23に示している。この図23に
おいて、符号C1で示す無斜線の道路表示部分は、渋滞
の無い道路部分であって、上記の制御例では青色で表示
される部分である。また、符号C2で示す右上がり斜線
の道路表示部分は、渋滞している道路部分であって、上
記の制御例では赤色で表示される部分である。さらに、
符号C3で示す左上がり斜線の道路表示部分は、データ
の無い道路部分であって、上記の制御例では白色で表示
される部分である。
【0101】ここで、図14に示すフローチャートに基
づいて、上記「推定処理」について説明する。この「推
定処理」は、例えば情報信号の受信不能等の理由によっ
て表示すべき道路(単位)についてのデータが無い場合
における制御であって、かかる道路については過去のデ
ータに基づいて現在の交通状況を推定し、その推定結果
に基づいて識別可能に表示を行うものである。
【0102】即ち、先ず、図14のステップS1におい
て、現時点から40分以内前の時間範囲内において道路
の渋滞を示すデータが存在したか否かを判定する。ここ
で、渋滞データが存在したと判定された場合には、その
道路(単位)は現在も渋滞していないであろうと推定し
てこれを青色(あるいは通常色)で表示させる(ステッ
プS4)。
【0103】一方、ステップS1において、40分以内
前の渋滞データが存在しないと判定された場合には、さ
らにステップS2において、現時点から50分以内前の
時間範囲内において道路の渋滞を示すデータが存在した
か否かを判定する。ここで、渋滞データが存在したと判
定された場合には、その道路(単位)は現在も渋滞状態
にあるであろうと推定しこれを赤色(あるいは強調色)
で表示させる一方(ステップS5)、渋滞データが存在
しないと判定された場合にはその道路(単位)を白色
(あるいは通常色から若干暗くした色)で表示させるも
のである(ステップS3)。
【0104】このように、現時点のデータが無い場合
に、道路の表示を全て渋滞情報が加味されていない道路
として表示させるのではなく、過去の渋滞情報に基づく
推定により表示させるようにすることで、全く渋滞情報
が加味されていない道路の範囲が少なくなり、それだけ
情報の信頼性が高まることになる。
【0105】図8のフローチャートに戻って、上記ステ
ップS1からステップS11までの制御が自車両からリ
クエスト信号を送信し、これを受けた他車両からの情報
信号を受信してこれをディスプレイ上に表示し、該自車
両の乗員がその表示情報を利用して自車の経路誘導等を
行うことができるまでの制御である。
【0106】そして、次述するステップS12〜ステッ
プS17までの制御は、自車両が渋滞の中にいる場合に
おいて、その渋滞情報を他車両からのリクエスト信号の
有無にかかわらず送信する場合(例えば、自車両が渋滞
していることを自発的に他車両に知らしめる場合)の送
信制御である。即ち、ステップS12においては、現在
渋滞中か否かを判定し、渋滞中であればステップS15
において所定時間「T3」(例えば、10分)が経過し
たかどうか判定し、経過していれば送信周波数「f3」
にて渋滞に関する送信信号を送信する(ステップS1
6)。即ち、所定時間「T3」毎に送信を繰り返すもの
である。
【0107】一方、所定時間「T3」が経過していない
場合には、次にステップS13において渋滞報知スイッ
チが操作されたか否かを判定し、該スイッチが操作され
た場合には上記と同様に、送信周波数「f3」にて渋滞
に関する送信信号を送信する(ステップS16)。
【0108】また、この送信周波数「f3」での渋滞に
関する送信信号の送信後、又は上記渋滞報知スイッチが
操作されていない場合には、ステップS14において交
通事故等のアクシデントの発生を報知するアクシデント
スイッチが2回操作されたか否かを判定する。ここで、
2回の操作を条件としたのは、この「2回の操作」に
「渋滞報知を早くしたい」という意思表示の意味をもた
せるためであり、該アクシデントスイッチが2回操作さ
れた場合には送信周波数「f3」での渋滞に関する送信
信号を送信する(ステップS117)。
【0109】尚、このステップS12〜ステップS17
の制御は、例えば渋滞の先頭側にいる車両が、これより
も後方側においてこれに後続している他の車両に対し
て、現在の渋滞情報を、対向車を中継して伝達したいと
欲する場合(図3を参照)に好適な制御である。また、
この送信周波数「f3」で送信される送信信号データと
しては、例えば図19及び図20に示す如きものが考え
られる。
【0110】以上が、リクエスト信号を送信して他車両
から渋滞情報等の情報信号の入手を希望する車両側にお
ける制御である。
【0111】渋滞情報等の収集制御 次に、他車両からのリクエスト信号を受けて該他車両に
自己が保有する渋滞状況等の情報を送信する車両側にお
ける渋滞情報等の収集制御を、図15に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。
【0112】制御開始後、先ずステップS1〜ステップ
S3において、5秒毎にGPS信号に基づき現在位置を
演算し、且つその演算された現在位置をRAMに記憶す
る。
【0113】次に、ステップS4〜ステップS7におい
ては、3秒毎に、車速センサの出力値から車速を演算す
るとともに、ジャイロの出力値から進行方向を演算し、
この車速と進行方向とを共にRAMに記憶する。
【0114】さらにステップS8においては、所定時間
「1分」毎に渋滞判定を行うものとし、該所定時間経過
前の場合、該所定時間経過後で且つ車速が15キロ以下
の場合、及び車速が15キロ以上の判定が所定回数「5
回」以上連続しない場合には、共に「非渋滞」と判定す
る(ステップS9〜ステップS10及びステップS1
7)。
【0115】次に、ステップS11においては、車速1
5キロ以下の判定が5回以上連続してなされた否か(即
ち、車速15キロ以下の状態が5分以上継続したか否
か)を判定する。そして、上記所定回数が5回である場
合には、ステップS12において、車速が15キロ以下
となった地点、及びその進行方向と時刻を演算し、これ
をRAMに記憶するとともに、「渋滞」と判定しこの渋
滞情報も併せて記憶する。これに対して、所定回数が5
回以上である場合には、ステップS18において、渋滞
の連続経過時間と現在地と現在の車速と進行方向及び現
在時刻をそれぞれ演算し、且つこれらをそれぞれ記憶す
る。
【0116】次に、リクエスト信号に呼応した周波数
「f2」での他車両からのデータを受信した場合、及び
リクエスト信号に呼応しない対向車からの自発的な周波
数「f3」によるデータを他車両から受信した場合に
は、それぞれその受信データをRAMに記憶する(ステ
ップS13〜ステップS19)。以上で、自車両におい
て受信される全データの記憶が完了する。
【0117】そして、データの記憶が完了した場合に
は、ステップS15において、RAMに30分以上前の
データが有るか否かを判定する。ここで、30分以上前
のデータが存在する場合には、かかるデータは時々刻々
と変化する交通状況から考えて既に信頼性が低くなって
いるため、現在継続中に関するデータを除き、これをク
リアし、しかる後、リターンする(ステップS16)。
【0118】以上が渋滞情報等の収集制御である。
【0119】リクエスト信号に呼応する情報返信の制御 最後に、リクエスト信号に呼応して、該リクエスト信号
を送信した車両に対して自己が保有する情報を返信信号
として送信する側の車両における返信制御を、図16に
示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0120】制御開始後、先ず、信号送信の前提条件の
判定を行う。即ち、制御手段がビジー中である場合(ス
テップS1)、キャンセルスイッチがON操作されてい
る場合(ステップS2)、及びリクエスト信号「f1」
を受信していない場合(ステップS3)には、共に信号
送信を行わないものとし、そのままリターンする。
【0121】これに対して、上記各条件が共に成立しな
い場合、即ち、制御手段が非ビジー中で、且つキャンセ
ルスイッチが操作されておらず、しかもリクエスト信号
が受信されている場合には、ステップS4以下の返信信
号の送信制御に移行する。
【0122】即ち、先ずステップS4において、他車両
からのリクエスト信号により指定されたエリア内に自車
両が現在存在しているか否かを判定する。ここで、指定
エリア内に自車両が存在していないと判定された場合
(指定エリア外にいる場合)には、ステップS5におい
て、該指定エリア内のデータを保有しているか否か(即
ち、過去に当該エリア内において求めたデータがあるか
どうか)を判定し、該データを保有している場合には、
記憶しているデータの中で対象となるデータを読み出
し、これに基づいて返信信号を作成し(ステップS
6)、返信信号の作成が完了した時点でこの返信信号を
リクエスト信号にて指定された返信周波数「f2」にて
他車両に向けて送信する(ステップS7及びステップS
8)。
【0123】一方、ステップS4において、現在自車両
が指定エリア内に存在していると判定された場合には、
現在の自車両の状態に関する返信信号の送信の可否を判
断し、現時点における情報信号と記憶しているデータに
基づく情報信号とを選択して送信する。
【0124】即ち、パーキングブレーキが作動している
場合(ステップS9)、ハザードスイッチが操作されて
いる場合(ステップS10)、ターンシグナルスイッチ
が操作されている場合(ステップS11)、及びGDO
Pにより演算された自車両の位置情報が不正確である場
合(ステップS12)には、共にこれらいずれの場合に
おいても本来の渋滞による停車とそれ以外の停車(例え
ば駐車中の停車)との判別ができず、誤情報を送信する
おそれがあるので、かかる場合には、先ずステップS1
8においてアクシデントスイッチの操作の有無を判定す
る。そして、アクシデントスイッチが操作されていない
場合には、現時点での情報信号は送信せず、記憶したデ
ータに基づく情報信号を送信するものとし、先ず、ステ
ップS5においては指定エリア内のデータを保有してい
るか否かを判定し、該データを保有している場合には、
記憶しているデータの中で対象となるデータを読み出
し、これに基づいて返信信号を作成し(ステップS
6)、返信信号の作成が完了した時点でこの返信信号を
リクエスト信号にて指定された返信周波数「f2」にて
送信する(ステップS7及びステップS8)。
【0125】これに対して、ステップS18において、
上記アクシデントスイッチが操作されていると判定され
た場合には、ステップS14において自車両がリクエス
ト信号を送信してきた他車両と同一進行方向にあるのか
どうかを判定し、進行方向が同一である時には自車両の
情報が上記他車両において有効に利用できるので、この
場合には現在の自車両の状態に関する返信信号を作成し
(ステップS15)、これを周波数「f2」にて送信す
る(ステップS5→ステップS7→ステップS8)。ま
た、ステップS14での判定の結果、自車両と他車両と
の進行方向が逆である場合には、記憶しているデータの
中から対象となるデータ(即ち、進行方向が逆方向であ
る場合のデータ)を読み出して返信信号を作成し、これ
を返信信号として送信する(ステップS5→ステップS
6→ステップS7→ステップS8)。
【0126】一方、パーキングブレーキが非作動(ステ
ップS9)で、ハザードスイッチが非操作(ステップS
10)で、ターンシグナルスイッチが非操作(ステップ
S11)で、しかも自車両の位置情報が正確(ステップ
S12)であるという全ての条件が成立した場合には、
ステップS13に移行する。そして、このステップS1
3においては、自車両が停止中が否かを判定し、停止中
でない場合には、さらにステップS14において自車両
がリクエスト信号を送信してきた他車両と同一進行方向
にあるのかどうかを判定し、進行方向が同一である時に
は自車両の情報が上記他車両において有効に利用できる
ので、この場合には現在の自車両の状態に関する返信信
号を作成し(ステップS15)、これを周波数「f2」
にて送信する(ステップS5→ステップS7→ステップ
S8)。
【0127】これに対して、ステップS14での判定の
結果、自車両と他車両との進行方向が逆である場合に
は、記憶しているデータの中から対象となるデータ(即
ち、進行方向が逆方向である場合のデータ)を読み出し
て返信信号を作成し、これを返信信号として送信する
(ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステッ
プS8)。
【0128】一方、ステップS13での判定において、
現在自車両が停止中であると判定された場合には、ステ
ップS16において現在位置が交差点から1キロ未満の
地点であるのかどうか(即ち、渋滞による停車の可能性
が高い地点にいるのかどうか)を判定するとともに、1
キロ未満の地点であると判定された場合にはさらにステ
ップS17において現在自車両が渋滞内にいるのか否か
をそれぞれ判定する。そして、現在位置が交差点から1
キロ以上離れた地点である場合、及び現在位置が交差点
から1キロ未満の地点であっても渋滞内ではないと判定
された場合には、共にステップS14に移行し、自車両
と他車両との進行方向を判定し、進行方向が同一である
場合には、現在の自車両の状態に関する返信信号を作成
し(ステップS15)、これを周波数「f2」にて送信
する(ステップS5→ステップS7→ステップS8)。
また、進行方向が逆方向である場合には、記憶している
データの中から対象となるデータ(即ち、進行方向が逆
方向である場合のデータ)を読み出して返信信号を作成
し、これを返信信号として送信する(ステップS5→ス
テップS6→ステップS7→ステップS8)。
【0129】これに対して、ステップS17において、
現在自車両が渋滞内にいると判定された場合には、ステ
ップS18においてアクシデントスイッチの操作の有無
を判定し、アクシデントスイッチが操作されていない場
合には、ステップS5においては指定エリア内のデータ
を保有しているか否かを判定し、該データを保有してい
る場合には、記憶しているデータの中で対象となるデー
タを読み出し、これに基づいて返信信号を作成し(ステ
ップS6)、返信信号の作成が完了した時点でこの返信
信号をリクエスト信号にて指定された返信周波数「f
2」にて送信する(ステップS7及びステップS8)。
【0130】また、上記アクシデントスイッチが操作さ
れている場合には、ステップS14において自車両がリ
クエスト信号を送信してきた他車両と同一進行方向にあ
るのかどうかを判定し、進行方向が同一である時には自
車両の情報が上記他車両において有効に利用できるの
で、この場合には現在の自車両の状態に関する返信信号
を作成し(ステップS15)、これを周波数「f2」に
て送信する(ステップS5→ステップS7→ステップS
8)。一方、ステップS14での判定の結果、自車両と
他車両との進行方向が逆である場合には、記憶している
データの中から対象となるデータ(即ち、進行方向が逆
方向である場合のデータ)を読み出して返信信号を作成
し、これを返信信号として送信する(ステップS5→ス
テップS6→ステップS7→ステップS8)。
【0131】以上がリクエスト信号に呼応する情報返信
の制御である。このように、返信信号を自車両の現在の
状態に応じて選択してこれを他車両に送信するようにす
ることで、該返信信号を受けた上記他車両においては、
より信頼性の高い情報を入手することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる移動体用通信装置を使用した
通信状態を示す概念図である。
【図2】本願発明にかかる移動体用通信装置を使用した
通信状態を示す概念図である。
【図3】本願発明にかかる移動体用通信装置における通
信形態の説明図である。
【図4】本願発明にかかる移動体用通信装置の機能ブロ
ック図である。
【図5】本願発明にかかる移動体用通信装置におけるデ
ィスプレイの構成説明図である。
【図6】本願発明にかかる移動体用通信装置に適用され
るアンテナの説明図である。
【図7】本願発明にかかる移動体用通信装置に適用され
るアンテナの説明図である。
【図8】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フロ
ーチャートである。
【図9】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フロ
ーチャートである。
【図10】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フ
ローチャートである。
【図11】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フ
ローチャートである。
【図12】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フ
ローチャートである。
【図13】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フ
ローチャートである。
【図14】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フ
ローチャートである。
【図15】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フ
ローチャートである。
【図16】本願発明にかかる移動体用通信装置の制御フ
ローチャートである。
【図17】本願発明にかかる移動体用通信装置における
リクエスト信号データである。
【図18】本願発明にかかる移動体用通信装置における
返答信号データである。
【図19】本願発明にかかる移動体用通信装置における
送信信号データである。
【図20】本願発明にかかる移動体用通信装置における
送信信号データである。
【図21】本願発明にかかる移動体用通信装置における
道路表示の説明図である。
【図22】本願発明にかかる移動体用通信装置における
道路表示の説明図である。
【図23】本願発明にかかる移動体用通信装置における
道路表示の説明図である。
【符号の説明】
1は自車両(自移動体)、2は他車両(他移動体)、3
は制御手段、4は受信手段、5は送信手段、6はアンテ
ナ、7は経路誘導入力手段、8は地図メモリ、9は検出
情報、10はスイッチ情報、11はマニュアルスイッ
チ、12はディスプレイ、13はブザー、15はタッチ
パネル、16は範囲指定SW、17は交差点SW、20
はジョイスティック、21はアクシデントSW、23は
キャンセルSW、31は自車位置・進行方向・速度演算
部、32は送受信信号処理部、33は送受信禁止処理
部、34は乱数発生部、35はRAM、36はROM、
37はタイマーである。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 他移動体からの情報信号を受信する受
    信手段と、上記情報信号を他移動体に送信する送信手段
    とを備えた移動体用通信装置であって、 上記情報信号を記憶する記憶手段と、 上記受信手段に自移動体とは進行方向が逆向きの第1の
    他移動体からの情報信号を受信させるとともに、上記送
    信手段に上記第1の他移動体に後続するとともに自移動
    体とは進行方向が逆向きの第2の他移動体に上記記憶手
    段に記憶した情報信号を送信する制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする移動体用通信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記制御手段は、上記第2の他移動体からのリクエスト
    信号の受信に応じて該第2の他移動体に上記記憶手段に
    記憶した情報信号を送信することを特徴とする移動体用
    通信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記制御手段は、上記第1の他移動体にリクエスト信号
    を送信することを特徴とする移動体用通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記制御手段は、マニュアル操作で上記リクエスト信号
    を送信することを特徴とする移動体用通信装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記制御手段は、上記第1の他移動体からの情報信号の
    受信あるいは該情報信号の上記記憶手段への記憶時から
    の経過時間を検出すると共に、上記経過時間が所定時間
    に達した時には、それ以降における上記情報信号の上記
    第2の他移動体への送信を禁止することを特徴とする移
    動体用通信装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 上記制御手段は、上記経過時間が所定時間に達した時に
    は、上記記憶手段から上記情報信号の内容を消去するこ
    とを特徴とする移動体用通信装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 上記情報信号の内容が渋滞情報であることを特徴とする
    移動体用通信装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 上記情報信号の内容が事故情報であることを特徴とする
    移動体用通信装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、 上記情報信号の内容に時刻情報が含まれていることを特
    徴とする移動体用通信装置。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8において、 上記情報信号の内容に位置情報が含まれていることを特
    徴とする移動体用通信装置。
  11. 【請求項11】 自移動体とは進行方向が逆向きの第1
    の他移動体から情報信号を受信し且つこれを記憶手段に
    記憶した後、上記第1の他移動体に後続すると共に自移
    動体とは進行方向が逆向きの第2の他移動体に上記記憶
    手段に記憶した情報信号を送信することを特徴とする移
    動体用通信方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 上記第2の他移動体からのリクエスト信号を受信した
    後、該第2の他移動体に上記記憶手段に記憶した情報信
    号を送信することを特徴とする移動体用通信方法。
  13. 【請求項13】 請求項11において、 上記自移動体は、上記第1の他移動体に対して情報信号
    の送信を要請するリクエスト信号を送信することを特徴
    とする移動体用通信方法。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 上記自移動体は、マニュアル操作で上記リクエスト信号
    を送信することを特徴とする移動体用通信方法。
  15. 【請求項15】 請求項11において、 上記第1の他移動体からの情報信号の受信あるいは該情
    報信号の上記記憶手段への記憶時からの経過時間が所定
    時間に達した以降においては、上記情報信号の上記第2
    の他移動体への送信が禁止されることを特徴とする移動
    体用通信方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 上記経過時間が所定時間に達した時に、上記記憶手段か
    ら上記情報信号の内容が消去されることを特徴とする移
    動体用通信方法。
  17. 【請求項17】 請求項11において、 渋滞情報が上記情報信号として送信されることを特徴と
    する移動体用通信方法。
  18. 【請求項18】 請求項11において、 事故情報が上記情報信号として送信されることを特徴と
    する移動体用通信方法。
  19. 【請求項19】 請求項17又は18において、 上記情報信号の内容に時刻情報が含まれていることを特
    徴とする移動体用通信方法。
  20. 【請求項20】 請求項17又は18において、 上記情報信号の内容に位置情報が含まれていることを特
    徴とする移動体用通信方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003283419A (ja) * 2002-03-26 2003-10-03 Nri & Ncc Co Ltd データ交換移動体、データ収集交換方法およびコンピュータプログラム
JP2006318087A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Toyota Motor Corp 無線通信装置および無線通信システム
WO2007046339A1 (ja) * 2005-10-21 2007-04-26 Pioneer Corporation 通信端末、通信サーバ、データ送信方法、データ受信方法、データ送信プログラム、データ受信プログラム、および記録媒体
CN114287138A (zh) * 2019-09-06 2022-04-05 索尼集团公司 用于无线通信的电子设备和方法、计算机可读存储介质

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