JPH1163728A - 冷却用ヒートポンプ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、冷却用ヒートポンプ構造に関す
る。 【解決手段】 この発明は、ヒートポンプにおいて、蒸
発器中を配管した冷媒パイプを二重管に構成し、外側の
管内に、熱媒用流体を封入したことを特徴とする冷却用
ヒートポンプ構造を提供せんとするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、冷却用ヒートポ
ンプ構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、冷蔵庫や冷凍室やエアコン等で用
いられているヒートポンプは、蒸発器と圧縮機と凝縮機
と膨張弁とより構成されており、蒸発器においては、冷
媒液の蒸発による潜熱で冷却、冷凍し、圧縮機において
は、蒸発した冷媒ガスを圧縮し、ガスの高圧・高温化を
促し、凝縮機においては、冷媒ガスを冷却して液化し、
膨張弁においては、液化した高圧冷媒液の圧力を低下し
て蒸発器へ戻す。

【０００３】かかる圧縮冷却サイクルにより冷却・冷凍
作用が行われるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、蒸発器で
は、冷媒液の流通するパイプの表面に霜が付着して冷却
効果を減殺するおそれがあり、また凝縮機においては、
通常、ファンによる冷却により冷媒ガスを液化するもの
であるため冷却効率が良好でない等の欠点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、ヒートポン
プにおいて、蒸発器中を配管した冷媒パイプを二重管に
構成し、外側の管内に、熱媒用流体を封入したことを特
徴とする冷却用ヒートポンプ構造を提供せんとするもの
である。

【０００６】また、凝縮機中を配管した冷媒パイプをジ
グザグ状の二重管に構成し、外側の真空管内に熱媒用流
体を封入したことにも特徴を有する。

【０００７】

【発明の実施の形態】この発明では、蒸発器中を配管し
た冷媒パイプが二重管になっており、外側の管内に熱媒
用流体を封入しているので、冷媒液が内側の管内で蒸発
してガス化する時の潜熱で冷却作用が行われるが、外側
の管内の熱媒用流体の介在により外側の管の外表面に霜
が付着せず、冷却効率の低下を防止できる。

【０００８】更には、凝縮機中を配管した冷凍パイプが
ジグザグ状の二重管になっており、外側の真空管内に熱
媒用流体を封入しているので、冷媒ガスが内側の管内を
流通する際に、二重管部分がヒートパイプの機能を果す
ことになり、外側の真空管内の熱媒用流体と、内側の管
内を流通する冷媒ガスとの熱交換がなされて冷媒ガスは
冷却されて液化することになり、特別の動力を要しない
効率的な冷却液化作用を果すことができると共に、真空
管内の熱媒用流体の蓄熱を有効に利用して暖房機能も果
すことができる。

【０００９】

【実施例】この発明の実施例を図面に基づき詳説すれ
ば、図１に示すのは、冷却用ヒートポンプの全体図であ
り、ａは蒸発器、ｂは圧縮機、ｃは凝縮機、ｄは膨張弁
を示す。

【００１０】蒸発器ａの中を配管した冷媒パイプ１は図
２、図３に示すように、二重管に構成されており、内側
の管２内には冷媒液Ｌが流通し、外側の管３は内側の管
２の外周を囲繞して両端開口部を密封し、その内部に熱
媒用流体Ｌを封入している。

【００１１】熱媒用流体Ｌは、熱伝導率の良好な水、
油、流動パラフィン、エタノール、メタノール等が使用
される。

【００１２】このように二重管にして熱媒用流体Ｌを外
側の管３内に封入したので、外側の管３の外周面に霜が
付着しにくく、冷却効率の低下を防止できる。

【００１３】また、凝縮機ｃは図４に示すように、冷媒
パイプ１をジグザグ状或はコイル状に配管し、しかも二
重管に構成し、内側の管５内には圧縮機ｂからの冷媒ガ
スが流通するようにし、外側の管は真空管６とし、内側
の管５の外周を囲繞し、その両端口部を密封し、その内
部に熱媒用流体Ｌ′を封入している。

【００１４】かかる二重管の部分は、ヒートパイプ構造
に構成されており、真空管６やその内側の管５は、熱伝
導立の高い素材、例えば同パイプを用い、真空管６中に
封入した熱媒用流体Ｌ′は、アルコール系のもの、例え
ばエタノール、メタノール等、或はこれらにシリカゲル
を混入したものを用いる。真空管６の外周壁に形成した
液注入口は、液注入後に封止する。

【００１５】また、必要に応じて真空管６の外周面には
放熱用フィン８を連設し、放熱効率を向上することもで
きる。更には、この真空管６からの放熱を暖房に用いる
こともできる。

【００１６】図４において、10は、冷媒パイプ１を収納
した凝縮タンクであり、凝縮タンク10中には冷媒パイプ
１と熱交換される熱媒液11を流通させておき、取出して
暖房用に使用できる。

【００１７】この発明は、以上のように構成されてお
り、冷媒液は蒸発器ａにて蒸発してガス化する時に潜熱
により冷却作用を行う。

【００１８】この際、冷媒液が流通する管が二重管に構
成されているので、直接に冷媒液が外側の管３に接触し
ないため外側の管の外周面に霜が付着するのを防止する
ことができる。

【００１９】このようにして、冷媒ガスは圧縮機ｂに送
られ、ここで圧縮されて高圧、高温とした冷媒ガスは凝
縮機ｃへ送られる。

【００２０】凝縮機ｃでは、二重管の部分でヒートパイ
プの機能により冷却されて冷媒ガスは液化する。

【００２１】すなわち、高温の冷媒ガスは内側の管５中
を流通すると、真空管６中に封入された熱媒用流体Ｌ′
は加熱されて蒸気化し、発生した蒸気は、真空管６内の
蒸気滞留空間を上昇して真空管６の管壁に接触して冷却
され液化してまた下方へ還流するというサイクルを繰返
しながら高温の冷媒ガスを冷却し液化するものである。
放熱用フィン８を真空管６に突設することにより、更に
真空管６の冷却効率を向上できる。

【００２２】液化された冷媒ガスは膨張弁ｄにおいて低
圧化され、蒸発器ａに戻される。

【００２３】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、蒸発器中の冷
媒パイプを二重管に構成したので、冷媒液のガス化にと
もなう霜の付着を防止することができる効果がある。

【００２４】請求項２の発明によれば、凝縮機の冷媒ガ
スをヒートパイプにより冷却して液化するものであるた
め、冷却効率を向上でき、動力を要することなく冷却作
用が行える効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明構造を用いるヒートポンプの模式図。

【図２】蒸発器中の冷媒パイプの外観図。

【図３】同断面図。

【図４】凝縮機中の冷媒パイプの断面図。

【符号の説明】

ａ 蒸発器 ｂ 圧縮機 ｃ 凝縮機 ｄ 膨張弁 Ｌ 熱媒用流体 Ｌ′ 熱媒用流体 １ 冷媒パイプ ２ 内側の管 ３ 外側の管 ４ 内側の管 ５ 真空管 ６ 放熱用フィン ７ 液注入口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒートポンプにおいて、蒸発器中を配管
   した冷媒パイプを二重管に構成し、外側の管内に、熱媒
   用流体を封入したことを特徴とする冷却用ヒートポンプ
   構造。
2. 【請求項２】 凝縮機中を配管した冷媒パイプをジグザ
   グ状の二重管に構成し、外側の真空管内に熱媒用流体を
   封入したことを特徴とする冷却用ヒートポンプ構造。