JPH1162945A - 鋳造コンロッドおよびロッド部並びにキャップ部 - Google Patents
鋳造コンロッドおよびロッド部並びにキャップ部Info
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- JPH1162945A JPH1162945A JP10050394A JP5039498A JPH1162945A JP H1162945 A JPH1162945 A JP H1162945A JP 10050394 A JP10050394 A JP 10050394A JP 5039498 A JP5039498 A JP 5039498A JP H1162945 A JPH1162945 A JP H1162945A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C9/00—Bearings for crankshafts or connecting-rods; Attachment of connecting-rods
- F16C9/04—Connecting-rod bearings; Attachments thereof
- F16C9/045—Connecting-rod bearings; Attachments thereof the bearing cap of the connecting rod being split by fracturing
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C7/00—Connecting-rods or like links pivoted at both ends; Construction of connecting-rod heads
- F16C7/02—Constructions of connecting-rods with constant length
- F16C7/023—Constructions of connecting-rods with constant length for piston engines, pumps or the like
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 鍛造品並みの疲労強度を有する球状黒鉛鋳鉄
鋳造品よりなるエンジン用破断分割型コンロッドを提供
すること。 【解決手段】 基地組織をパーライト相主体とした球状
黒鉛鋳鉄鋳造品よりなるコンロッドであって、該コンロ
ッドの大端部を破断分割し、再組付けを行う破断分割型
コンロッドである。該球状黒鉛鋳鉄鋳造品の組成は、重
量比率で、C3.0〜4.0%、Si2.0〜2.8
%、Mn0.2〜0.6%、P0.03%以下、S0.
02%以下、Cu0.4〜1.3%、残部実質的にFe
および不可避的不純物であり、830〜870°Cに
0.5〜1時間保持均熱後、放冷または強制空冷する。
鋳造品よりなるエンジン用破断分割型コンロッドを提供
すること。 【解決手段】 基地組織をパーライト相主体とした球状
黒鉛鋳鉄鋳造品よりなるコンロッドであって、該コンロ
ッドの大端部を破断分割し、再組付けを行う破断分割型
コンロッドである。該球状黒鉛鋳鉄鋳造品の組成は、重
量比率で、C3.0〜4.0%、Si2.0〜2.8
%、Mn0.2〜0.6%、P0.03%以下、S0.
02%以下、Cu0.4〜1.3%、残部実質的にFe
および不可避的不純物であり、830〜870°Cに
0.5〜1時間保持均熱後、放冷または強制空冷する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造コンロッドに
関し、より詳しくは、重量精度が良く、かつ大端部およ
びキャップ部を一体に鋳造した後に破断分割できて、鍛
鋼品に匹敵する疲労強度を有し、形状の自由度が高い鋳
造コンロッドに関する。
関し、より詳しくは、重量精度が良く、かつ大端部およ
びキャップ部を一体に鋳造した後に破断分割できて、鍛
鋼品に匹敵する疲労強度を有し、形状の自由度が高い鋳
造コンロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】図10にエンジンの主要構成部品である
コンロッドの組立状態の斜視図を示す。図10で、コン
ロッド51は、ピストン61の往復運動をクランクシャ
フト63の回転運動にする連接部材である。そのロッド
部51aは、ピストンピン62に接続される小端部5
2、クランクシャフト63への嵌合部を持つ大端部54
および連桿部53からなる。コンロッド51のクランク
シャフト63への組み付けは、大端部54とキャップ部
55の内径にホワイトメタル製のベアリング65を介装
し、ボルト59およびナット60で締結することで行
う。そして一般には、小端部52、連桿部53および大
端部54が一つとなったロッド部51a、とキャップ部
55を別体で製作している。
コンロッドの組立状態の斜視図を示す。図10で、コン
ロッド51は、ピストン61の往復運動をクランクシャ
フト63の回転運動にする連接部材である。そのロッド
部51aは、ピストンピン62に接続される小端部5
2、クランクシャフト63への嵌合部を持つ大端部54
および連桿部53からなる。コンロッド51のクランク
シャフト63への組み付けは、大端部54とキャップ部
55の内径にホワイトメタル製のベアリング65を介装
し、ボルト59およびナット60で締結することで行
う。そして一般には、小端部52、連桿部53および大
端部54が一つとなったロッド部51a、とキャップ部
55を別体で製作している。
【0003】コンロッド51は、単に往復運動をするわ
けではなく、往復運動しながらピストンピン62に接続
される小端部52を中心にして首振り運動をする。こう
した複雑な運動をするうえに、混合気の燃焼により強い
爆発力を受けるため、高い強度、特に圧縮・引張の繰り
返し応力に対する高い疲労強度が要求される。
けではなく、往復運動しながらピストンピン62に接続
される小端部52を中心にして首振り運動をする。こう
した複雑な運動をするうえに、混合気の燃焼により強い
爆発力を受けるため、高い強度、特に圧縮・引張の繰り
返し応力に対する高い疲労強度が要求される。
【0004】従来、コンロッド51としてのロッド部5
1aおよびキャップ部55は、機械構造用炭素鋼のうち
のS50C、S55Cなどを用い、熱間鍛造により所定
の形状に成形し、その後、強度を得るために焼入れ焼戻
しなどの熱処理(調質ともいう)が施されていた。しか
し、熱間鍛造後の調質処理は多くのエネルギーを必要と
することから、調質処理を廃止して省エネルギーを図る
べく、C0.2〜0.5%程度含有する中炭素鋼にV
0.03〜0.20%添加した非調質鋼が提案され、こ
の非調質鋼を熱間鍛造した後に自然空冷することで必要
な性能を持つ鍛造コンロッドが現在まで使用されてきて
いる。
1aおよびキャップ部55は、機械構造用炭素鋼のうち
のS50C、S55Cなどを用い、熱間鍛造により所定
の形状に成形し、その後、強度を得るために焼入れ焼戻
しなどの熱処理(調質ともいう)が施されていた。しか
し、熱間鍛造後の調質処理は多くのエネルギーを必要と
することから、調質処理を廃止して省エネルギーを図る
べく、C0.2〜0.5%程度含有する中炭素鋼にV
0.03〜0.20%添加した非調質鋼が提案され、こ
の非調質鋼を熱間鍛造した後に自然空冷することで必要
な性能を持つ鍛造コンロッドが現在まで使用されてきて
いる。
【0005】そして、特開平8−284945号公報に
は、鍛造工程において、ロッド部の大端部、およびキャ
ップ部の内周面に、それらの接合面の形成予想にわたり
軸方向溝を形成し、接合面が大端部およびキャップ部の
内周面の直径線からずれてもそれらの内端縁を軸方向溝
内に留め、クランクシャフトへの装着性に支障がないよ
うにする開示がある。
は、鍛造工程において、ロッド部の大端部、およびキャ
ップ部の内周面に、それらの接合面の形成予想にわたり
軸方向溝を形成し、接合面が大端部およびキャップ部の
内周面の直径線からずれてもそれらの内端縁を軸方向溝
内に留め、クランクシャフトへの装着性に支障がないよ
うにする開示がある。
【0006】またコンロッドを粉末冶金法で製造するこ
とも行われてきている。この粉末冶金法によるコンロッ
ドは、原料粉末を潤滑剤とともに混合した後、キャップ
を含めて一体に圧粉体を成形し、不活性雰囲気内で焼結
し、さらに強度を確保するために鍛造を施すことが行わ
れる。得られたコンロッド形状の焼結体は、大端部とキ
ャップ部に連通する締結ボルト孔をあけ、次いでコンロ
ッド焼結体に付けた切り欠き溝を境にして機械的に破断
することで、大端部とキャップ部に破断面を有する焼結
コンロッドとしている。
とも行われてきている。この粉末冶金法によるコンロッ
ドは、原料粉末を潤滑剤とともに混合した後、キャップ
を含めて一体に圧粉体を成形し、不活性雰囲気内で焼結
し、さらに強度を確保するために鍛造を施すことが行わ
れる。得られたコンロッド形状の焼結体は、大端部とキ
ャップ部に連通する締結ボルト孔をあけ、次いでコンロ
ッド焼結体に付けた切り欠き溝を境にして機械的に破断
することで、大端部とキャップ部に破断面を有する焼結
コンロッドとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
鍛造コンロッドは、まだまだ材料費が高く、成形するの
に鍛造用金型に抜け勾配を付けて行うが、一度でコンロ
ッドの最終形状にすることはできず数回に分けて鍛造し
なければならない。また、コンロッドをエンジンに組み
付ける際には、回転バランスを考慮して、コンロッド一
個一個の重量を測定して選択組み合わせしているが、コ
ンロッド一個一個の重量のバラツキはより少ない方が管
理が容易となる。上記の鍛造法では、摩耗などから鍛造
金型の形状が長期にわたって保持できず、コンロッド一
個一個の重量のバラツキが発生しやすい。
鍛造コンロッドは、まだまだ材料費が高く、成形するの
に鍛造用金型に抜け勾配を付けて行うが、一度でコンロ
ッドの最終形状にすることはできず数回に分けて鍛造し
なければならない。また、コンロッドをエンジンに組み
付ける際には、回転バランスを考慮して、コンロッド一
個一個の重量を測定して選択組み合わせしているが、コ
ンロッド一個一個の重量のバラツキはより少ない方が管
理が容易となる。上記の鍛造法では、摩耗などから鍛造
金型の形状が長期にわたって保持できず、コンロッド一
個一個の重量のバラツキが発生しやすい。
【0008】一方、焼結コンロッドは、金型に粉末を充
填して成形するので、コンロッド一個一個の重量のバラ
ツキが少ない。しかし、原料粉末の価格が高く、また原
料粉末、成形、雰囲気内焼結、鍛造など多くの工程を必
要として製造期間がかかり、さらに、焼結、鍛造工程
は、熱エネルギーを多く必要とする。そのため、焼結コ
ンロッドは一部の高級な車種にしか適用することができ
ない。
填して成形するので、コンロッド一個一個の重量のバラ
ツキが少ない。しかし、原料粉末の価格が高く、また原
料粉末、成形、雰囲気内焼結、鍛造など多くの工程を必
要として製造期間がかかり、さらに、焼結、鍛造工程
は、熱エネルギーを多く必要とする。そのため、焼結コ
ンロッドは一部の高級な車種にしか適用することができ
ない。
【0009】ところで、図11に示すような鋳造コンロ
ッドも見られる。この鋳造コンロッド11には、小端部
52側に堰11と、キャップ部55側の堰55bとから
溶湯を注入して鋳造している。このように多数の堰1
1、55bを有する鋳造コンロッドは、重量にバラツキ
が発生するおそれがあり、また、堰55bなどを除去す
るのに多くの工数を必要とする。
ッドも見られる。この鋳造コンロッド11には、小端部
52側に堰11と、キャップ部55側の堰55bとから
溶湯を注入して鋳造している。このように多数の堰1
1、55bを有する鋳造コンロッドは、重量にバラツキ
が発生するおそれがあり、また、堰55bなどを除去す
るのに多くの工数を必要とする。
【0010】本発明の課題は、重量精度が良く、かつ大
端部およびキャップ部を一体に鋳造した後に破断分割で
きて、鍛鋼品に匹敵する疲労強度を有し、経済的に製造
できる鋳造コンロッドを提供することにある。
端部およびキャップ部を一体に鋳造した後に破断分割で
きて、鍛鋼品に匹敵する疲労強度を有し、経済的に製造
できる鋳造コンロッドを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本出願人は先に特開平9
−87795号公報として、減圧吸引鋳造法を適用し
て、球状黒鉛鋳鉄鋳造品の表面近傍および/または内部
に鋳造欠陥がないかまたは疲労強度に対する感受性がに
ぶい鋳造欠陥として、鍛造品なみの球状黒鉛鋳鉄鋳造品
とし、これを繰り返し応力を受ける部品、たとえばコン
ロッドに適用することを提案している。すなわち、吸引
鋳造装置の減圧容器内にキャビティを形成した鋳型を配
設し、溶湯導入部を保持炉の溶湯に浸漬して吸引注湯す
ることにより、たとえ酸化物等の介在物を溶湯に多く含
んだ球状黒鉛鋳鉄であっても、疲労強度が鍛造なみまた
はそれ以上とするものである。そして、この特開平9−
87795号公報の技術のコンロッドへの適用をさらに
発展させ、重量精度を向上して、しかも大端部とキャッ
プ部を一体で鋳造後、破断分割できる鋳造コンロッドの
開発が望まれていた。
−87795号公報として、減圧吸引鋳造法を適用し
て、球状黒鉛鋳鉄鋳造品の表面近傍および/または内部
に鋳造欠陥がないかまたは疲労強度に対する感受性がに
ぶい鋳造欠陥として、鍛造品なみの球状黒鉛鋳鉄鋳造品
とし、これを繰り返し応力を受ける部品、たとえばコン
ロッドに適用することを提案している。すなわち、吸引
鋳造装置の減圧容器内にキャビティを形成した鋳型を配
設し、溶湯導入部を保持炉の溶湯に浸漬して吸引注湯す
ることにより、たとえ酸化物等の介在物を溶湯に多く含
んだ球状黒鉛鋳鉄であっても、疲労強度が鍛造なみまた
はそれ以上とするものである。そして、この特開平9−
87795号公報の技術のコンロッドへの適用をさらに
発展させ、重量精度を向上して、しかも大端部とキャッ
プ部を一体で鋳造後、破断分割できる鋳造コンロッドの
開発が望まれていた。
【0012】本発明者らは、重量精度が向上できて、し
かもロッド部とキャップ部を一体で鋳造後、破断分割で
きる鋳造コンロッドについて鋭意研究してきた。その結
果、減圧吸引鋳造での減圧容器内に収納する鋳型につい
て、コンロッドを形成するキャビティの小端部側からの
み溶湯を注入させ、さらに個々のキャビティにかかる減
圧度が均一となるような積層鋳型として鋳造すること、
そして鋳造後に空圧で瞬間的に衝撃力を発生させる破断
装置によって、大端部とキャップ部を正確に破断するこ
と、などにより上記課題が解決でき、しかも注入歩留が
よく、さらに、鋳型を積層すれば、1回の鋳造でコンロ
ッドが100〜200個得られて、きわめて生産性が向
上することを見出し、本発明に想到した。
かもロッド部とキャップ部を一体で鋳造後、破断分割で
きる鋳造コンロッドについて鋭意研究してきた。その結
果、減圧吸引鋳造での減圧容器内に収納する鋳型につい
て、コンロッドを形成するキャビティの小端部側からの
み溶湯を注入させ、さらに個々のキャビティにかかる減
圧度が均一となるような積層鋳型として鋳造すること、
そして鋳造後に空圧で瞬間的に衝撃力を発生させる破断
装置によって、大端部とキャップ部を正確に破断するこ
と、などにより上記課題が解決でき、しかも注入歩留が
よく、さらに、鋳型を積層すれば、1回の鋳造でコンロ
ッドが100〜200個得られて、きわめて生産性が向
上することを見出し、本発明に想到した。
【0013】すなわち、本発明の鋳造コンロッドは、基
地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品か
らなる鋳造コンロッドであって、前記鋳造コンロッドの
小端部、連桿部、大端部およびキャップ部を前記小端部
周囲のみに堰を設け一体に鋳造した後に、前記大端部と
キャップ部を破断分割していることを特徴とする。さら
に本発明の鋳造コンロッドは、基地組織がパーライト相
主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品からなり小端部、連桿
部、大端部およびキャップ部からなるコンロッドの大端
部とキャップ部と間が鋳肌面以外からなることを特徴と
する。
地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品か
らなる鋳造コンロッドであって、前記鋳造コンロッドの
小端部、連桿部、大端部およびキャップ部を前記小端部
周囲のみに堰を設け一体に鋳造した後に、前記大端部と
キャップ部を破断分割していることを特徴とする。さら
に本発明の鋳造コンロッドは、基地組織がパーライト相
主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品からなり小端部、連桿
部、大端部およびキャップ部からなるコンロッドの大端
部とキャップ部と間が鋳肌面以外からなることを特徴と
する。
【0014】また、本発明の鋳造コンロッドは、質量比
率で、C:3.0〜4.0%、Si:2.0〜2.8
%、Mn:0.2〜0.6%、P:0.03%以下、
S:0.02%以下、Cu:0.4〜1.3%、Mg:
0.01〜0.08%以下、残部実質的にFeおよび不
可避的不純物の組成で、黒鉛を除くパーライトの面積率
が90%以上の球状黒鉛鋳鉄鋳造品からなり、小端部、
連桿部、大端部およびキャップ部を前記小端部周囲のみ
に堰を設け一体に鋳造した後に、前記大端部とキャップ
部が破断分割していることを特徴とする。そして、前記
組成が、好ましくは質量比率で、C:3.7〜3.8
%、Si:2.4〜2.6%、Mn:0.4〜0.45
%、P:0.03%以下、S:0.012%以下、C
u:0.70〜0.75%、Mg:0.033〜0.0
39%、残部実質的にFeおよび不可避的不純物の組成
からなることを特徴とする。
率で、C:3.0〜4.0%、Si:2.0〜2.8
%、Mn:0.2〜0.6%、P:0.03%以下、
S:0.02%以下、Cu:0.4〜1.3%、Mg:
0.01〜0.08%以下、残部実質的にFeおよび不
可避的不純物の組成で、黒鉛を除くパーライトの面積率
が90%以上の球状黒鉛鋳鉄鋳造品からなり、小端部、
連桿部、大端部およびキャップ部を前記小端部周囲のみ
に堰を設け一体に鋳造した後に、前記大端部とキャップ
部が破断分割していることを特徴とする。そして、前記
組成が、好ましくは質量比率で、C:3.7〜3.8
%、Si:2.4〜2.6%、Mn:0.4〜0.45
%、P:0.03%以下、S:0.012%以下、C
u:0.70〜0.75%、Mg:0.033〜0.0
39%、残部実質的にFeおよび不可避的不純物の組成
からなることを特徴とする。
【0015】また、前記小端部の堰が鋳造コンロッドの
軸中心に配置されていることを特徴とする。
軸中心に配置されていることを特徴とする。
【0016】また、鋳造コンロッドが、前記大端部とキ
ャップ部を破断分割後、分割面については機械加工をし
ないか、または前記大端部とキャップ部を破断分割後、
分割面を機械加工することを特徴とする。
ャップ部を破断分割後、分割面については機械加工をし
ないか、または前記大端部とキャップ部を破断分割後、
分割面を機械加工することを特徴とする。
【0017】また、鋳造コンロッドが、減圧吸引鋳造に
より得られることを特徴とする。
より得られることを特徴とする。
【0018】そして好ましくは、鋳造コンロッドが、鋳
造後830〜870℃の温度に0.5〜1時間にわたっ
て保持均熱した後、大気中放冷または強制空冷する熱処
理を施し、またはさらにショットピーニングを施して得
られることを特徴とする。
造後830〜870℃の温度に0.5〜1時間にわたっ
て保持均熱した後、大気中放冷または強制空冷する熱処
理を施し、またはさらにショットピーニングを施して得
られることを特徴とする。
【0019】本発明の鋳造コンロッドは、連桿部の鋳肌
面から0.1〜0.5mm深さの部位で、圧縮残留応力
のピーク値が少なくとも−200N/mm2以上付与さ
れ、連桿部の破断までの繰り返し回数107回における
公称応力振幅が180N/mm2以上有することを特徴
とする。
面から0.1〜0.5mm深さの部位で、圧縮残留応力
のピーク値が少なくとも−200N/mm2以上付与さ
れ、連桿部の破断までの繰り返し回数107回における
公称応力振幅が180N/mm2以上有することを特徴
とする。
【0020】また、本発明の鋳造コンロッドのロッド部
は、基地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳
造品からなるコンロッドの小端部、連桿部および大端部
からなるロッド部を、キャップ部と一体に鋳造した後
に、前記大端部とキャップ部を破断分割したことを特徴
とする。また、本発明の鋳造コンロッドのキャップ部
は、基基地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄
鋳造品からなるコンロッドのキャップ部を、小端部、連
桿部および大端部からなるロッド部と一体に鋳造した後
に、前記キャップ部と大端部を破断分割したことを特徴
とする。
は、基地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳
造品からなるコンロッドの小端部、連桿部および大端部
からなるロッド部を、キャップ部と一体に鋳造した後
に、前記大端部とキャップ部を破断分割したことを特徴
とする。また、本発明の鋳造コンロッドのキャップ部
は、基基地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄
鋳造品からなるコンロッドのキャップ部を、小端部、連
桿部および大端部からなるロッド部と一体に鋳造した後
に、前記キャップ部と大端部を破断分割したことを特徴
とする。
【0021】以下、本発明の鋳造コンロッドの組成、組
織、機械的性質の数値限定の理由を説明する。 (1)パーライト相主体の球状黒鉛鋳鉄鋳造品 パーライト相主体、特にパーライトの面積率が90%以
上の球状黒鉛鋳鉄鋳造品とすることにより強度を確保
し、鍛鋼品に比して形状の自由度が増し、焼結鍛造品に
比して工程数が少なく、低コストで製造できるコンロッ
ドとなる。
織、機械的性質の数値限定の理由を説明する。 (1)パーライト相主体の球状黒鉛鋳鉄鋳造品 パーライト相主体、特にパーライトの面積率が90%以
上の球状黒鉛鋳鉄鋳造品とすることにより強度を確保
し、鍛鋼品に比して形状の自由度が増し、焼結鍛造品に
比して工程数が少なく、低コストで製造できるコンロッ
ドとなる。
【0022】(2)ロッド部とキャップ部を一体鋳造 ロッド部とキャップ部を一体で鋳造すると、同じ個数同
時に鋳造でき、かつ別体での鋳造に比べて鋳造歩留を向
上して、生産管理、品質管理が容易となる。
時に鋳造でき、かつ別体での鋳造に比べて鋳造歩留を向
上して、生産管理、品質管理が容易となる。
【0023】(3)小端部周囲のみに堰 小端部の周囲のみに堰を有する鋳型により鋳造し、その
後、堰を除去した鋳造コンロッドは、鋳造方案部が少な
いので、形状精度を出しやすく、鋳仕上げ工数が低減で
きる。さらに、重量バラツキが減少することにより、高
速回転に対応できる。
後、堰を除去した鋳造コンロッドは、鋳造方案部が少な
いので、形状精度を出しやすく、鋳仕上げ工数が低減で
きる。さらに、重量バラツキが減少することにより、高
速回転に対応できる。
【0024】(4)大端部とキャップ部を破断分割 破断分割したときに分割面の金属の塑性変形を極力防止
して、組付けしたときに良好な締結を確保するため、空
圧破断装置を用いて瞬間的に破断分割を行う。
して、組付けしたときに良好な締結を確保するため、空
圧破断装置を用いて瞬間的に破断分割を行う。
【0025】(5)C:3.0〜4.0%、好ましく
は、C:3.7〜3.8% Cは、Siの量にも関係するが、C:3.0%未満では
チルが発生しやすくなるとともに鋳造性が悪くなる。一
方、C:4.0%を超えると強度が低下する。従って、
C:3.0〜4.0%、好ましくは、C:3.7〜3.
8%とする。
は、C:3.7〜3.8% Cは、Siの量にも関係するが、C:3.0%未満では
チルが発生しやすくなるとともに鋳造性が悪くなる。一
方、C:4.0%を超えると強度が低下する。従って、
C:3.0〜4.0%、好ましくは、C:3.7〜3.
8%とする。
【0026】(6)Si:2.0〜2.8%、好ましく
は、Si:2.4〜2.6% Siは、Cとともに鋳鉄において重要な成分であり、S
i:2.0%未満では注湯時の溶湯の流動性が悪くな
り、また炭化物生成傾向が増大する。一方、Si:2.
8%を超えるとパーライト量の制御が困難で、均一なパ
ーライト組織を得ることが難しく、また靱性の低下を招
く。従って、Si:2.0〜2.8%、好ましくは、S
i:Si:2.4〜2.6%とする。
は、Si:2.4〜2.6% Siは、Cとともに鋳鉄において重要な成分であり、S
i:2.0%未満では注湯時の溶湯の流動性が悪くな
り、また炭化物生成傾向が増大する。一方、Si:2.
8%を超えるとパーライト量の制御が困難で、均一なパ
ーライト組織を得ることが難しく、また靱性の低下を招
く。従って、Si:2.0〜2.8%、好ましくは、S
i:Si:2.4〜2.6%とする。
【0027】(7)Mn:0.2〜0.6%、好ましく
は、Mn:0.4〜0.45% Mnは、焼入性を増し、強度の上昇に有効なパーライト
形成元素である。Mn:0.2%未満では熱処理効果が
期待できず、一方、Mn:0.6%を越えると靱性の低
下を招く。従って、Mn:0.2〜0.6%とする。好
ましくは、Mn:0.4〜0.45%である。
は、Mn:0.4〜0.45% Mnは、焼入性を増し、強度の上昇に有効なパーライト
形成元素である。Mn:0.2%未満では熱処理効果が
期待できず、一方、Mn:0.6%を越えると靱性の低
下を招く。従って、Mn:0.2〜0.6%とする。好
ましくは、Mn:0.4〜0.45%である。
【0028】(8)P:0.03%以下 Pは、球状化阻害元素であり、Pが過多になるとFeと
Pの化合物が析出して機械的性質を低下させる。このた
め、P:0.03%以下とする。
Pの化合物が析出して機械的性質を低下させる。このた
め、P:0.03%以下とする。
【0029】(9)S:0.02%以下、好ましくは、
S:0.012%以下 Sは、球状化阻害元素であり、S:0.02%以下、好
ましくは、S:0.012%以下とする。
S:0.012%以下 Sは、球状化阻害元素であり、S:0.02%以下、好
ましくは、S:0.012%以下とする。
【0030】(10)Cu:0.4〜1.3%、好まし
くは、Cu:0.70〜0.75% Cuは、炭化物生成傾向を持たないパーライト安定化元
素で、基地強化促進効果のために必要である。Cu:
0.4%未満では効果が少ない。一方、Cu:1.3%
を越えると靱性の低下を招く。従って、Cu:0.4〜
1.3%、好ましくは、Cu:0.70〜0.75%と
する。
くは、Cu:0.70〜0.75% Cuは、炭化物生成傾向を持たないパーライト安定化元
素で、基地強化促進効果のために必要である。Cu:
0.4%未満では効果が少ない。一方、Cu:1.3%
を越えると靱性の低下を招く。従って、Cu:0.4〜
1.3%、好ましくは、Cu:0.70〜0.75%と
する。
【0031】(11)Mg:0.01〜0.08%、好
ましくは、Mg:0.033〜0.039% Mg:0.01%未満では黒鉛を球状化する効果が少な
い。一方、Mg:0.08%を超えてもその効果が少な
く、チル発生の要因となる。従って、Mg:0.01〜
0.08%、好ましくは、Mg:0.033〜0.03
9%とする。
ましくは、Mg:0.033〜0.039% Mg:0.01%未満では黒鉛を球状化する効果が少な
い。一方、Mg:0.08%を超えてもその効果が少な
く、チル発生の要因となる。従って、Mg:0.01〜
0.08%、好ましくは、Mg:0.033〜0.03
9%とする。
【0032】(12)鋳造後、830〜870℃の温度
に0.5〜1時間にわたって保持均熱した後、大気中放
冷または強制空冷 上記組成からなる鋳造コンロッドを、熱処理炉中で83
0〜870℃の温度に0.5〜1時間にわたって保持均
熱してオーステナイト化した後、大気中放冷または強制
空冷を行う。860℃の温度に50分間保持均熱した
後、熱処理炉から取り出して大気中放冷した一実施例で
見てみると、小物の場合には部分的なチルが発生する傾
向にあるが、鋳放しでたとえ部分的なチルが存在してい
たとしても、この熱処理を施すことにより、チルが解消
され、均一で微細なパーライト基地の組織が得られ、安
定した強さが得られる。
に0.5〜1時間にわたって保持均熱した後、大気中放
冷または強制空冷 上記組成からなる鋳造コンロッドを、熱処理炉中で83
0〜870℃の温度に0.5〜1時間にわたって保持均
熱してオーステナイト化した後、大気中放冷または強制
空冷を行う。860℃の温度に50分間保持均熱した
後、熱処理炉から取り出して大気中放冷した一実施例で
見てみると、小物の場合には部分的なチルが発生する傾
向にあるが、鋳放しでたとえ部分的なチルが存在してい
たとしても、この熱処理を施すことにより、チルが解消
され、均一で微細なパーライト基地の組織が得られ、安
定した強さが得られる。
【0033】(13)ショットピーニング ショットピーニングを施すことにより、鋳造コンロッド
表面に残留圧縮応力を付与して疲労強度を向上する。
表面に残留圧縮応力を付与して疲労強度を向上する。
【0034】(14)ロッド部とキャップ部を破断分割
後、分割部については機械加工しない ロッド部とキャップ部を破断分割した後、破断面を接合
し、ロッド部とキャップ部を締め付けると、破断面の凹
凸が噛み合い、破断面がわからないほどきれいに接合で
きる。そして、大端部とキャップ部で形成される内径の
位置ずれがなくなる。
後、分割部については機械加工しない ロッド部とキャップ部を破断分割した後、破断面を接合
し、ロッド部とキャップ部を締め付けると、破断面の凹
凸が噛み合い、破断面がわからないほどきれいに接合で
きる。そして、大端部とキャップ部で形成される内径の
位置ずれがなくなる。
【0035】(15)ロッド部とキャップ部を破断分割
後、分割部を機械加工 分割部での大端部およびキャップ部ともに機械加工代を
それぞれ設け、ロッド部とキャップ部を一体に鋳造した
後に分割部で破断分割すると、ロッド部とキャップ部が
一体で同じ個数同時に鋳造できる。また、別体での鋳造
に比べて鋳造歩留を向上して、生産管理、品質管理が容
易となる。
後、分割部を機械加工 分割部での大端部およびキャップ部ともに機械加工代を
それぞれ設け、ロッド部とキャップ部を一体に鋳造した
後に分割部で破断分割すると、ロッド部とキャップ部が
一体で同じ個数同時に鋳造できる。また、別体での鋳造
に比べて鋳造歩留を向上して、生産管理、品質管理が容
易となる。
【0036】(16)連桿部の鋳肌面から0.1〜0.
5mm深さの部位で、圧縮残留応力のピーク値が少なく
とも−200N/mm2以上付与 鍛造法によるコンロッドと同等かまたはそれ以上の強度
が付与できる。
5mm深さの部位で、圧縮残留応力のピーク値が少なく
とも−200N/mm2以上付与 鍛造法によるコンロッドと同等かまたはそれ以上の強度
が付与できる。
【0037】(17)連桿部の破断までの繰り返し回数
107回における公称応力振幅が180N/mm2以上 鍛造法によるコンロッドと同等かまたはそれ以上の強度
が付与できる。
107回における公称応力振幅が180N/mm2以上 鍛造法によるコンロッドと同等かまたはそれ以上の強度
が付与できる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を詳細に
説明する。 (実施の形態1)図1は、実施の形態1の鋳造コンロッ
ドを組み立てた正面図である。図2は、実施の形態1の
鋳造コンロッドの素材の正面図である。図2で、鋳造コ
ンロッド1は、基地組織がパーライト相主体とした球状
黒鉛鋳鉄鋳造品からなる鋳造コンロッド1であって、外
径25mmの小端部2、幅17mmの連桿部3、および
内径35mmを有し、幅67mm×厚さ24mmの大端
部4からなるロッド部1aと、内径35mmを有し、幅
67mm×厚さ24mmのキャップ部5からなる。そし
て、小端部2a周囲のみに堰11を設け、ロッド部1a
とキャップ部5を一体に鋳造した後に、分割面8で破断
分割している。また、分割を容易にするために、分割部
18にR0.8mmの軸方向溝8a、8bを形成してい
る。
説明する。 (実施の形態1)図1は、実施の形態1の鋳造コンロッ
ドを組み立てた正面図である。図2は、実施の形態1の
鋳造コンロッドの素材の正面図である。図2で、鋳造コ
ンロッド1は、基地組織がパーライト相主体とした球状
黒鉛鋳鉄鋳造品からなる鋳造コンロッド1であって、外
径25mmの小端部2、幅17mmの連桿部3、および
内径35mmを有し、幅67mm×厚さ24mmの大端
部4からなるロッド部1aと、内径35mmを有し、幅
67mm×厚さ24mmのキャップ部5からなる。そし
て、小端部2a周囲のみに堰11を設け、ロッド部1a
とキャップ部5を一体に鋳造した後に、分割面8で破断
分割している。また、分割を容易にするために、分割部
18にR0.8mmの軸方向溝8a、8bを形成してい
る。
【0039】実施の形態1の鋳造コンロッド1は、以下
の工程で製造することができる。 (1)球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を溶製 質量比率で、C:3.0〜4.0%、Si:2.0〜
2.8%、Mn:0.2〜0.6%、P:0.03%以
下、S:0.02%以下、Cu:0.4〜1.3%、M
g:0.01〜0.08%、好ましくは質量比率で、
C:3.7〜3.8%、Si:2.4〜2.6%、M
n:0.4〜0.45%、P:0.03%以下、S:
0.012%以下、Cu:0.70〜0.75%、M
g:0.033〜0.039%、残部実質的にFeおよ
び不可避的不純物の組成の溶湯を高周波溶解炉で溶解す
る。
の工程で製造することができる。 (1)球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を溶製 質量比率で、C:3.0〜4.0%、Si:2.0〜
2.8%、Mn:0.2〜0.6%、P:0.03%以
下、S:0.02%以下、Cu:0.4〜1.3%、M
g:0.01〜0.08%、好ましくは質量比率で、
C:3.7〜3.8%、Si:2.4〜2.6%、M
n:0.4〜0.45%、P:0.03%以下、S:
0.012%以下、Cu:0.70〜0.75%、M
g:0.033〜0.039%、残部実質的にFeおよ
び不可避的不純物の組成の溶湯を高周波溶解炉で溶解す
る。
【0040】(2)鋳型の準備 コンロッドを鋳造する鋳型を準備する。図4は、実施の
形態1に用いる鋳型の平面図と、鋳型の2層分を矢視
(A―A)と矢視(B−B)を合成した断面図である。
形態1に用いる鋳型の平面図と、鋳型の2層分を矢視
(A―A)と矢視(B−B)を合成した断面図である。
【0041】鋳型20は、直径520mm×厚さ30m
mの円盤状からなり、円盤状の鋳型20を重ねたとき
に、上下に分割して形成されたものが、小端部キャビテ
ィ22、連桿部キャビティ23、大端部キャビティ2
4、およびキャップ部キャビティ25となるキャビティ
20aが形成される。キャビティ20aは、放射状に1
2個形成し、中心の直径100mmの湯道28から小端
部キャビティ22に向けて堰21を接続している。小端
部キャビティ22を湯道28側にするのは、鋳型20に
多数配置できるからである。また鋳型20には、上面に
ダボ26、下面にダボ穴28を3等配し、鋳型20を積
層したときにダボ20とダボ穴28で位置決めしてい
る。なお、鋳型20は、熱硬化性樹脂により珪砂を結合
するシェル砂で造型している。鋳型の材料は、造型性お
よび通気性の点から、例えばけい砂7号を材料とした砂
鋳型4が好適である。
mの円盤状からなり、円盤状の鋳型20を重ねたとき
に、上下に分割して形成されたものが、小端部キャビテ
ィ22、連桿部キャビティ23、大端部キャビティ2
4、およびキャップ部キャビティ25となるキャビティ
20aが形成される。キャビティ20aは、放射状に1
2個形成し、中心の直径100mmの湯道28から小端
部キャビティ22に向けて堰21を接続している。小端
部キャビティ22を湯道28側にするのは、鋳型20に
多数配置できるからである。また鋳型20には、上面に
ダボ26、下面にダボ穴28を3等配し、鋳型20を積
層したときにダボ20とダボ穴28で位置決めしてい
る。なお、鋳型20は、熱硬化性樹脂により珪砂を結合
するシェル砂で造型している。鋳型の材料は、造型性お
よび通気性の点から、例えばけい砂7号を材料とした砂
鋳型4が好適である。
【0042】図5は、減圧吸引鋳造装置の要部断面図で
ある。図5には、減圧容器31内に鋳型20を積層して
配設した状態を示している。図5に示すとおり、最下段
の鋳型20には突出して吸引口38と、この吸引口38
の周囲に保護枠20eを設け、フィルター20dを内設
している。一方、最上段の鋳型20の湯道28、その上
半分を封鎖している。鋳型20の外周近くには、上に凸
部、下に凹部を形成して型合わせ時に嵌合させ、通常、
減圧吸引したとき溶湯46は鋳型20外での減圧容器3
1内に流出しないが、万が一に備えて溶湯46が鋳型2
0外に流出しないようにしている。
ある。図5には、減圧容器31内に鋳型20を積層して
配設した状態を示している。図5に示すとおり、最下段
の鋳型20には突出して吸引口38と、この吸引口38
の周囲に保護枠20eを設け、フィルター20dを内設
している。一方、最上段の鋳型20の湯道28、その上
半分を封鎖している。鋳型20の外周近くには、上に凸
部、下に凹部を形成して型合わせ時に嵌合させ、通常、
減圧吸引したとき溶湯46は鋳型20外での減圧容器3
1内に流出しないが、万が一に備えて溶湯46が鋳型2
0外に流出しないようにしている。
【0043】次に、鋳型20を8段に積層する。なお、
最下段の鋳型下にはナット付きの敷板37aを、最上段
の鋳型上には孔付きの押え板37cを配置し、3本のボ
ルト37dで締め付けて、鋳型を組立てる。
最下段の鋳型下にはナット付きの敷板37aを、最上段
の鋳型上には孔付きの押え板37cを配置し、3本のボ
ルト37dで締め付けて、鋳型を組立てる。
【0044】(3)減圧吸引鋳造 図5に示す減圧吸引鋳造装置30は、積層した鋳型20
を収納し底部に開口部35aを有する内径600mm、
高さ800mmの鉄製減圧容器31、減圧容器31内を
減圧する真空ポンプ35とその時間経過ごとの減圧度を
制御する減圧制御装置36、減圧容器31内に配設する
積層した鋳型20などからなる。鋳型の湯道8の下端は
減圧容器31の開口部31aから突出させている。
を収納し底部に開口部35aを有する内径600mm、
高さ800mmの鉄製減圧容器31、減圧容器31内を
減圧する真空ポンプ35とその時間経過ごとの減圧度を
制御する減圧制御装置36、減圧容器31内に配設する
積層した鋳型20などからなる。鋳型の湯道8の下端は
減圧容器31の開口部31aから突出させている。
【0045】積層した鋳型20を減圧容器31内に収納
した後、減圧容器31と蓋33をシリンダー33bで駆
動されるクランプ33cで密着する。なお31d、33
dはシールである。
した後、減圧容器31と蓋33をシリンダー33bで駆
動されるクランプ33cで密着する。なお31d、33
dはシールである。
【0046】減圧吸引鋳造は次のとおり行う。吸引ヘッ
ド34を、駆動手段(図示せず)で下降させて押え板3
7cに密着する。続いて、真空ポンプ35を作動させて
減圧力を白矢印方向に作用させるとともに減圧容器31
を下降させる。そして、前記の組成に溶製した1340
〜1410℃の溶湯46に鋳型20の吸引口38を浸漬
する。浸漬すると減圧度が僅かに変化する。これを、吸
引口38が溶湯に浸漬したことの検知手段として、減圧
制御手段36により時間−減圧度の制御を開始する。
ド34を、駆動手段(図示せず)で下降させて押え板3
7cに密着する。続いて、真空ポンプ35を作動させて
減圧力を白矢印方向に作用させるとともに減圧容器31
を下降させる。そして、前記の組成に溶製した1340
〜1410℃の溶湯46に鋳型20の吸引口38を浸漬
する。浸漬すると減圧度が僅かに変化する。これを、吸
引口38が溶湯に浸漬したことの検知手段として、減圧
制御手段36により時間−減圧度の制御を開始する。
【0047】減圧容器31内が、10〜20s(秒)間
に−350〜−470mmHgに減圧されると、鋳型2
0の周囲からすべてのキャビティ20aに吸引力が作用
し、溶湯46は、フィルター20dでろ過され、湯道2
8、堰21を経てキャビティ20aに、静かに、急速に
充填される。また減圧容器31内で発生したガスは吸引
排出され、鋳造コンロッドへの空気の巻き込みがなくな
る。
に−350〜−470mmHgに減圧されると、鋳型2
0の周囲からすべてのキャビティ20aに吸引力が作用
し、溶湯46は、フィルター20dでろ過され、湯道2
8、堰21を経てキャビティ20aに、静かに、急速に
充填される。また減圧容器31内で発生したガスは吸引
排出され、鋳造コンロッドへの空気の巻き込みがなくな
る。
【0048】充填された溶湯46は、吸引力によりキャ
ビティ20a内に停留するが、時間の経過とともに順次
凝固が進行する。ある一定の凝固率すなわち固相率に達
した部分は、吸引力を解除しても流動しないためキャビ
ティ20a外に流出しない。そして、吸引開始からある
所定時間後に吸引力を解除することで、未凝固の湯道2
8を重力で、溶湯46を溶湯保持炉45に戻す。
ビティ20a内に停留するが、時間の経過とともに順次
凝固が進行する。ある一定の凝固率すなわち固相率に達
した部分は、吸引力を解除しても流動しないためキャビ
ティ20a外に流出しない。そして、吸引開始からある
所定時間後に吸引力を解除することで、未凝固の湯道2
8を重力で、溶湯46を溶湯保持炉45に戻す。
【0049】(4)型ばらし 鋳造後、積層した鋳型20を減圧容器31から取り出し
て冷却し、その後型ばらしを行なう。同時に90個鋳造
された鋳造コンロッド1は、湯道28と繋がらずバラバ
ラになっているので、通常の重力鋳造での後処理工程で
行われる湯口折りや湯道折りが不要となる。また、湯道
28が溶湯保持炉45に戻るので、注入重量に対する鋳
造品重量すなわち注入歩留が大幅に向上する。
て冷却し、その後型ばらしを行なう。同時に90個鋳造
された鋳造コンロッド1は、湯道28と繋がらずバラバ
ラになっているので、通常の重力鋳造での後処理工程で
行われる湯口折りや湯道折りが不要となる。また、湯道
28が溶湯保持炉45に戻るので、注入重量に対する鋳
造品重量すなわち注入歩留が大幅に向上する。
【0050】このあと、鋳造コンロッド1の表面に付着
した鋳物砂やスケールを、ショットブラストで除去す
る。
した鋳物砂やスケールを、ショットブラストで除去す
る。
【0051】(5)熱処理 鋳造コンロッド1を黒鉛を除くパーライトの面積率が9
0%以上で、均一なパーライト組織にするため、必要に
応じて熱処理を施す。実施の形態1では、連続熱処理炉
を用い、860℃の温度に0.25〜1.5時間にわた
って保持均熱した後、強制空冷する。得られた組織は黒
鉛を除いたパーライトの面積率が95%以上の微細パー
ライトで、硬度は小端部表面でHB(ブルネル)270
〜290と均一となっている。
0%以上で、均一なパーライト組織にするため、必要に
応じて熱処理を施す。実施の形態1では、連続熱処理炉
を用い、860℃の温度に0.25〜1.5時間にわた
って保持均熱した後、強制空冷する。得られた組織は黒
鉛を除いたパーライトの面積率が95%以上の微細パー
ライトで、硬度は小端部表面でHB(ブルネル)270
〜290と均一となっている。
【0052】(6)ショットピーニング 続いて、前記熱処理を施した鋳鉄コンロッド1の表面
に、アークハイト0.5〜1.0mmでショットピーニ
ングを施す。アークハイト0.7mmでショットピーニ
ングを施した場合、連桿部3の鋳肌面から0.1〜0.
5mm深さの部位は、圧縮残留応力(0.1mm単位で
5点測定)が平均値−208N/mm2以上となる。ま
た疲労強度は、破断までの繰り返し数107回における
公称応力振幅が185N/mm2以上となる。また、鋳
造コンロッド1は、鋳造品の表面部近傍および/または
内部の鋳造欠陥がないか、または目標の疲労強度を確保
できる鋳造欠陥にすることができる。このため鍛造品と
同等あるいはそれ以上の疲労強度を有する素材となる。
上記のとおり、ショットピーニングを施せば、あるレベ
ルの鋳造欠陥を排除でき、破断までの繰り返し数107
回における公称応力振幅が185N/mm2以上が可能
となる。
に、アークハイト0.5〜1.0mmでショットピーニ
ングを施す。アークハイト0.7mmでショットピーニ
ングを施した場合、連桿部3の鋳肌面から0.1〜0.
5mm深さの部位は、圧縮残留応力(0.1mm単位で
5点測定)が平均値−208N/mm2以上となる。ま
た疲労強度は、破断までの繰り返し数107回における
公称応力振幅が185N/mm2以上となる。また、鋳
造コンロッド1は、鋳造品の表面部近傍および/または
内部の鋳造欠陥がないか、または目標の疲労強度を確保
できる鋳造欠陥にすることができる。このため鍛造品と
同等あるいはそれ以上の疲労強度を有する素材となる。
上記のとおり、ショットピーニングを施せば、あるレベ
ルの鋳造欠陥を排除でき、破断までの繰り返し数107
回における公称応力振幅が185N/mm2以上が可能
となる。
【0053】(7)破断分割 図7は、空圧破断装置の要部断面図である。空圧破断装
置70は、畜圧室71に開口部73を介して連通する案
内筒72、一端が畜圧室71に連設したシリンダ71a
にピストン75で嵌合するとともに他端が開口部73を
静止時に封止でき始動時に開放できるバルブ74を形成
した中空桿76、中空桿76にハンマー引込シリンダ7
6aを形成しこのハンマー引込シリンダ76aにピスト
ン77bで嵌合するとともに他端をハンマー79に連結
する連結桿77などからなる。そして、静止時には開口
部73をハンマー79が上昇して封止している。中空桿
76と一体となったバルブ74が開口部73を開放する
ことで、畜圧室71内の圧縮空気によりハンマー79が
白矢印方向に瞬間的に駆動される。また、取付具81
は、鋳造コンロッド1の大端部4とキャップ部5の内径
9に嵌合して、分割部8を拡開できる拡開手段82、8
3を有し、ハンマー79に与えた衝撃力により拡開手段
82、83が瞬時に拡開し、大端部4とキャップ部5を
2分割にする。なお、この空圧駆動装置70は畜圧室7
1と案内筒73の中間で架台(図示せず)で強固に保持
している。
置70は、畜圧室71に開口部73を介して連通する案
内筒72、一端が畜圧室71に連設したシリンダ71a
にピストン75で嵌合するとともに他端が開口部73を
静止時に封止でき始動時に開放できるバルブ74を形成
した中空桿76、中空桿76にハンマー引込シリンダ7
6aを形成しこのハンマー引込シリンダ76aにピスト
ン77bで嵌合するとともに他端をハンマー79に連結
する連結桿77などからなる。そして、静止時には開口
部73をハンマー79が上昇して封止している。中空桿
76と一体となったバルブ74が開口部73を開放する
ことで、畜圧室71内の圧縮空気によりハンマー79が
白矢印方向に瞬間的に駆動される。また、取付具81
は、鋳造コンロッド1の大端部4とキャップ部5の内径
9に嵌合して、分割部8を拡開できる拡開手段82、8
3を有し、ハンマー79に与えた衝撃力により拡開手段
82、83が瞬時に拡開し、大端部4とキャップ部5を
2分割にする。なお、この空圧駆動装置70は畜圧室7
1と案内筒73の中間で架台(図示せず)で強固に保持
している。
【0054】詳細に空圧駆動破断装置70の動作を説明
する。先ず、押釦87を押していない状態で、点線で示
す空圧回路から畜圧室71内に圧縮空気が供給され、ま
たシリンダ71aとピストン75との間に介装したばね
86によってピストン75は下降している。そして、ピ
ストン75と連結する中空桿76の一端のバルブ74は
開口部73を封止している。また、中空桿76の給気口
76bを経て供給された圧縮空気により、ピストン77
bを押し上げ、このピストン77bと一体となった連結
桿77およびハンマー79は案内筒72内で上昇待機し
ている。
する。先ず、押釦87を押していない状態で、点線で示
す空圧回路から畜圧室71内に圧縮空気が供給され、ま
たシリンダ71aとピストン75との間に介装したばね
86によってピストン75は下降している。そして、ピ
ストン75と連結する中空桿76の一端のバルブ74は
開口部73を封止している。また、中空桿76の給気口
76bを経て供給された圧縮空気により、ピストン77
bを押し上げ、このピストン77bと一体となった連結
桿77およびハンマー79は案内筒72内で上昇待機し
ている。
【0055】次に、押釦87を押すと、実線で示す空圧
回路よりシリンダ71a内に圧縮空気が供給されてピス
トン75を押し上げる。このピストン75に中空桿76
で連結しているバルブ74が上昇して開口部73を開放
する。バルブ74には開口部73との嵌合部に切り欠き
を形成しているので、畜圧室71内に畜えられらた圧縮
空気が一気に開口部73から吹き出す。そして、ハンマ
ー79が瞬間的に下方に突出してピン94の頂部94a
を叩く。楔ピン94が拡開手段82、83を矢印方向に
力を伝達することにより、鋳造コンロッド1は瞬間にし
かも正確に、分割部8で破断する。空圧駆動による瞬時
の破断分割のため、破断面には塑性変形による細長い針
状金属突起の発生は見られず、破断分割面を機械加工し
ないままでの組付けでは、分割部8を分割前の原形に復
元する良好な締結を行うことができる。分割部とする起
点位置に予め軸方向溝8a、8bを設けておくことは、
破断位置を定めるうえで好ましい。
回路よりシリンダ71a内に圧縮空気が供給されてピス
トン75を押し上げる。このピストン75に中空桿76
で連結しているバルブ74が上昇して開口部73を開放
する。バルブ74には開口部73との嵌合部に切り欠き
を形成しているので、畜圧室71内に畜えられらた圧縮
空気が一気に開口部73から吹き出す。そして、ハンマ
ー79が瞬間的に下方に突出してピン94の頂部94a
を叩く。楔ピン94が拡開手段82、83を矢印方向に
力を伝達することにより、鋳造コンロッド1は瞬間にし
かも正確に、分割部8で破断する。空圧駆動による瞬時
の破断分割のため、破断面には塑性変形による細長い針
状金属突起の発生は見られず、破断分割面を機械加工し
ないままでの組付けでは、分割部8を分割前の原形に復
元する良好な締結を行うことができる。分割部とする起
点位置に予め軸方向溝8a、8bを設けておくことは、
破断位置を定めるうえで好ましい。
【0056】破断後は、押釦87を放せば、ピストン7
5を押し上げていた圧縮空気が排気され、ばね86によ
りバルブ74が開口部73を封止し、ピストン77bが
給気口76bからの圧縮空気で上昇し、初めの状態に復
帰する。
5を押し上げていた圧縮空気が排気され、ばね86によ
りバルブ74が開口部73を封止し、ピストン77bが
給気口76bからの圧縮空気で上昇し、初めの状態に復
帰する。
【0057】空圧破断装置70には、さらに連結桿77
とハンマー79の間に介装した鼓状の緩衝体77aを設
けているので、破断時の衝撃を緩和して連結桿77の破
損を防止する。さらに、ハンマー79上部が案内筒72
の緩衝体73aにまず当接して衝撃を緩和し、また、テ
ーパ部79aが相手のテーパ部と当接するようにしてい
るので、空圧破断装置71のテスト時または空打ち時の
損傷を防止する。
とハンマー79の間に介装した鼓状の緩衝体77aを設
けているので、破断時の衝撃を緩和して連結桿77の破
損を防止する。さらに、ハンマー79上部が案内筒72
の緩衝体73aにまず当接して衝撃を緩和し、また、テ
ーパ部79aが相手のテーパ部と当接するようにしてい
るので、空圧破断装置71のテスト時または空打ち時の
損傷を防止する。
【0058】従来のコンロッドの分割法では、油圧によ
り分割部内径を拡開して2分割にするが、分割が直線状
にならない、変形するなどの精度不具合となるものがあ
る。完成した鋳造コンロッド1は、接合部8を接合し、
コンロッドボルトを規定トルクで締め付けると、破断面
がわからないほどきれいで、破断面の凹凸を噛み合わせ
て接合できる。そして、大端部4とキャップ6は使用中
位置ずれがななく、締結するボルト穴ピッチは±0.0
2〜0.03mmときわめて高精度に組立できる。さら
に、重量のバラツキが6g以内となり、これは鍛造法に
よるコンロッドの1/2以下のバラツキである。回転バ
ランスを考慮して、コンロッド一個一個の重量を測定し
て選択組み合わせしているが、鋳造コンロッド一個一個
の重量のバラツキが少ないので管理が容易となる。
り分割部内径を拡開して2分割にするが、分割が直線状
にならない、変形するなどの精度不具合となるものがあ
る。完成した鋳造コンロッド1は、接合部8を接合し、
コンロッドボルトを規定トルクで締め付けると、破断面
がわからないほどきれいで、破断面の凹凸を噛み合わせ
て接合できる。そして、大端部4とキャップ6は使用中
位置ずれがななく、締結するボルト穴ピッチは±0.0
2〜0.03mmときわめて高精度に組立できる。さら
に、重量のバラツキが6g以内となり、これは鍛造法に
よるコンロッドの1/2以下のバラツキである。回転バ
ランスを考慮して、コンロッド一個一個の重量を測定し
て選択組み合わせしているが、鋳造コンロッド一個一個
の重量のバラツキが少ないので管理が容易となる。
【0059】(実施の形態2)図3は、実施の形態2の
鋳造コンロッドの正面図を示し、分割部で破断分割後、
分割面を機械加工するものである。なお、図3の鋳造コ
ンロッド10において、実施の形態1と同一部分は同じ
符号で示す。実施の形態2の鋳造コンロッド10は、基
地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品か
らなる鋳造コンロッドであって、小端部2、連桿部3お
よび大端部4からなるロッド部1aと、キャップ部5か
らなる。そして、小端部2a周囲のみに堰11を設け、
ロッド部1aとキャップ部5一体に鋳造した後に、分割
面8で破断分割している。鋳造コンロッド10の分割部
18には、大端部4およびキャップ部5ともに機械加工
代4a、4bをそれぞれ設け、長内径としている。
鋳造コンロッドの正面図を示し、分割部で破断分割後、
分割面を機械加工するものである。なお、図3の鋳造コ
ンロッド10において、実施の形態1と同一部分は同じ
符号で示す。実施の形態2の鋳造コンロッド10は、基
地組織がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品か
らなる鋳造コンロッドであって、小端部2、連桿部3お
よび大端部4からなるロッド部1aと、キャップ部5か
らなる。そして、小端部2a周囲のみに堰11を設け、
ロッド部1aとキャップ部5一体に鋳造した後に、分割
面8で破断分割している。鋳造コンロッド10の分割部
18には、大端部4およびキャップ部5ともに機械加工
代4a、4bをそれぞれ設け、長内径としている。
【0060】この鋳造コンロッド10によれば、ロッド
部1aとキャップ部5を一体で同じ個数同時に鋳造でき
る。また、鋳造コンロッド10によれば、別体での鋳造
に比べて鋳造歩留を向上して鋳造でき、生産管理、品質
管理が容易となる。そして、鋳造コンロッド10では、
従来の鍛造法によるコンロッドの加工ラインをそのまま
利用できて、新規に設ける必要がない。
部1aとキャップ部5を一体で同じ個数同時に鋳造でき
る。また、鋳造コンロッド10によれば、別体での鋳造
に比べて鋳造歩留を向上して鋳造でき、生産管理、品質
管理が容易となる。そして、鋳造コンロッド10では、
従来の鍛造法によるコンロッドの加工ラインをそのまま
利用できて、新規に設ける必要がない。
【0061】鋳造コンロッド10の製造方法は、主に鋳
型や減圧吸引鋳造装置の構成が多少異なる以外、実施の
形態1と略同じである。実施の形態1の鋳造コンロッド
1の製造方法との相違点を中心に説明する。
型や減圧吸引鋳造装置の構成が多少異なる以外、実施の
形態1と略同じである。実施の形態1の鋳造コンロッド
1の製造方法との相違点を中心に説明する。
【0062】図6は、実施の形態2で用いる減圧吸引鋳
造装置の要部断面図である。減圧吸引鋳造装置30a
は、底部に開口部35aを有する内径600mm、高さ
800mmを有する鉄製の減圧容器31、減圧容器31
内を減圧する真空ポンプ35とその時間経過ごとの減圧
度を制御する減圧制御装置36、減圧容器31内に配設
する積層した鋳型20などからなる。また、減圧容器3
1の開口部35aから鋳型20の湯道28の下端の吸引
口38を突出させ、溶湯保持炉45内の溶湯46を減圧
吸引鋳造できるようにしている。
造装置の要部断面図である。減圧吸引鋳造装置30a
は、底部に開口部35aを有する内径600mm、高さ
800mmを有する鉄製の減圧容器31、減圧容器31
内を減圧する真空ポンプ35とその時間経過ごとの減圧
度を制御する減圧制御装置36、減圧容器31内に配設
する積層した鋳型20などからなる。また、減圧容器3
1の開口部35aから鋳型20の湯道28の下端の吸引
口38を突出させ、溶湯保持炉45内の溶湯46を減圧
吸引鋳造できるようにしている。
【0063】鋳型20は、各々の鋳型20のキャップ部
25外側に吸引口20bを形成し、鋳型20を積層した
とき、吸引口20bが最下の鋳型の中間から最上の鋳型
まで貫通している。吸引口20bは、鋳砂が鋳造時の機
械的、熱的衝撃によって破砕しない程度に、キャップ部
の側面に近接しているのが好ましい。なお、鋳型20の
コンロッドとなるキャビティの配置は実施の形態1と同
じである。
25外側に吸引口20bを形成し、鋳型20を積層した
とき、吸引口20bが最下の鋳型の中間から最上の鋳型
まで貫通している。吸引口20bは、鋳砂が鋳造時の機
械的、熱的衝撃によって破砕しない程度に、キャップ部
の側面に近接しているのが好ましい。なお、鋳型20の
コンロッドとなるキャビティの配置は実施の形態1と同
じである。
【0064】また、鋳型20の外周、底部および上部に
は塗型40を施し、吸引ヘッド34aを鋳型の最上部に
密着させて減圧したとき、減圧吸引力が鋳型の内部で作
用するようにしている。
は塗型40を施し、吸引ヘッド34aを鋳型の最上部に
密着させて減圧したとき、減圧吸引力が鋳型の内部で作
用するようにしている。
【0065】減圧吸引鋳造は以下のとおり行う。真空ポ
ンプ35を作動させるとともに減圧容器31を下降さ
せ、C:3.7〜3.8%、Si:2.4〜2.6%、
Mn:0.4〜0.45%、P:0.03%以下、S:
0.012%以下、Cu:0.70〜0.75%、M
g:0.033〜0.039%、残部実質的にFeおよ
び不可避的不純物の組成に溶製した溶湯保持炉45内の
溶湯46に、鋳型20の溶湯導入口38を浸漬する。湯
面検知センサー31bで湯面を検知して、減圧容器31
内の時間−減圧度の制御を開始する。吸引ヘッド34a
から白矢印方向に減圧され、積層した鋳型を貫通した吸
引口20bからキャップ部5を含めキャビティ20aに
吸引力が作用する。そして、溶湯46は、フィルター2
0dでろ過され、湯道28、堰21を経てキャビティに
静かに、急速に充填される。また減圧容器31内で発生
したガスは吸引排出され、鋳造コンロッド10への空気
の巻き込みがなくなる。
ンプ35を作動させるとともに減圧容器31を下降さ
せ、C:3.7〜3.8%、Si:2.4〜2.6%、
Mn:0.4〜0.45%、P:0.03%以下、S:
0.012%以下、Cu:0.70〜0.75%、M
g:0.033〜0.039%、残部実質的にFeおよ
び不可避的不純物の組成に溶製した溶湯保持炉45内の
溶湯46に、鋳型20の溶湯導入口38を浸漬する。湯
面検知センサー31bで湯面を検知して、減圧容器31
内の時間−減圧度の制御を開始する。吸引ヘッド34a
から白矢印方向に減圧され、積層した鋳型を貫通した吸
引口20bからキャップ部5を含めキャビティ20aに
吸引力が作用する。そして、溶湯46は、フィルター2
0dでろ過され、湯道28、堰21を経てキャビティに
静かに、急速に充填される。また減圧容器31内で発生
したガスは吸引排出され、鋳造コンロッド10への空気
の巻き込みがなくなる。
【0066】完成した鋳造コンロッド10は、基地組織
がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品であっ
て、重量のバラツキが6g以内となり、これは鍛造法に
よるコンロッドの1/2以下のバラツキである。回転バ
ランスを考慮して、コンロッド一個一個の重量を測定し
て選択組み合わせしているが、鋳造コンロッド一個一個
の重量のバラツキが少ないので管理が容易となる。
がパーライト相主体とした球状黒鉛鋳鉄鋳造品であっ
て、重量のバラツキが6g以内となり、これは鍛造法に
よるコンロッドの1/2以下のバラツキである。回転バ
ランスを考慮して、コンロッド一個一個の重量を測定し
て選択組み合わせしているが、鋳造コンロッド一個一個
の重量のバラツキが少ないので管理が容易となる。
【0067】
【発明の効果】以上、詳細に説明のとおり、本発明の鋳
造コンロッドは、基地組織がパーライト相主体とした球
状黒鉛鋳鉄鋳造品からなる鋳造コンロッドであって、前
記鋳造コンロッドの小端部、連桿部、大端部およびキャ
ップ部を前記小端部周囲のみに堰を設け一体に鋳造した
後に、前記大端部とキャップ部を破断分割しているの
で、以下の優れた効果を奏する。 (1)ロッド部とキャップ部を一体で同じ個数同時に鋳
造するので、別体での鋳造に比べて鋳造歩留が向上し、
かつ生産管理、品質管理が容易となる。 (2)鍛鋼品に匹敵する疲労強度を有する。 (3)重量精度が良い。 (4)形状の自由度が高い。 (5)破断後、破断面の凹凸を噛み合わせて接合する鋳
造コンロッドは、ロッド部とキャップ部を締め付ける
と、破断面の凹凸が噛み合い、破断面がわからないほど
きれいに接合できる。そして、大端部とキャップ部で形
成される内径の位置ずれがなくなる。 (6)破断後、分割部を機械加工する鋳造コンロッド
は、従来の鍛造法によるコンロッドの加工ラインをその
まま利用できて、新規に設ける必要がない。
造コンロッドは、基地組織がパーライト相主体とした球
状黒鉛鋳鉄鋳造品からなる鋳造コンロッドであって、前
記鋳造コンロッドの小端部、連桿部、大端部およびキャ
ップ部を前記小端部周囲のみに堰を設け一体に鋳造した
後に、前記大端部とキャップ部を破断分割しているの
で、以下の優れた効果を奏する。 (1)ロッド部とキャップ部を一体で同じ個数同時に鋳
造するので、別体での鋳造に比べて鋳造歩留が向上し、
かつ生産管理、品質管理が容易となる。 (2)鍛鋼品に匹敵する疲労強度を有する。 (3)重量精度が良い。 (4)形状の自由度が高い。 (5)破断後、破断面の凹凸を噛み合わせて接合する鋳
造コンロッドは、ロッド部とキャップ部を締め付ける
と、破断面の凹凸が噛み合い、破断面がわからないほど
きれいに接合できる。そして、大端部とキャップ部で形
成される内径の位置ずれがなくなる。 (6)破断後、分割部を機械加工する鋳造コンロッド
は、従来の鍛造法によるコンロッドの加工ラインをその
まま利用できて、新規に設ける必要がない。
【図1】実施の形態1の鋳造コンロッドを組立てた状態
の正面図である。
の正面図である。
【図2】実施の形態1の鋳造コンロッドの素材の正面図
である。
である。
【図3】実施の形態2の鋳造コンロッドの素材の正面図
である。
である。
【図4】実施の形態1の鋳造コンロッドの素材を鋳造す
る鋳型の平面図および断面図である。
る鋳型の平面図および断面図である。
【図5】実施の形態1の鋳造コンロッドを鋳造する減圧
吸引鋳造装置の要部断面図である。
吸引鋳造装置の要部断面図である。
【図6】実施の形態2の鋳造コンロッドを鋳造する減圧
吸引鋳造装置の要部断面図である。
吸引鋳造装置の要部断面図である。
【図7】空圧破断装置の要部断面図である。
【図8】鋳造コンロッドの熱処理前の金属顕微鏡組織写
真(×400)である。
真(×400)である。
【図9】鋳造コンロッドの熱処理後の金属顕微鏡組織写
真(×400)である。
真(×400)である。
【図10】コンロッドをピストンやクランクシャフトに
組付けようとしている状態を示す斜視図である。
組付けようとしている状態を示す斜視図である。
【図11】従来の鋳造コンロッドを組立てた状態の平面
図である。
図である。
1、10:鋳造コンロッド、1a:ロッド部、2:小端
部、3:連桿部、4:大端部、4a、5a:機械加工
代、5:キャップ部、6、7:破断接合面、8:分割
部、8a、8b:軸方向溝、9:内径、9b:長内径、
20:鋳型、20a:キャビティ、20b:吸引口、2
0d:フィルター、20e:湯口保護枠、21:堰、2
2:小端部キャビティ、23:連桿部キャビティ、2
4:大端部キャビティ、25:キャップ部キャビティ、
26:ダボ、27:ダボ穴、28:湯道、29a:凸
部、29b:凹部、30、30a:減圧吸引鋳造装置、
31:減圧容器、31b:湯面検知センサ、31d:シ
ール、33:蓋、33b:シリンダ、33c:クラン
プ、33d:シール、34、34a:吸引ヘッド、34
d:開口部、35:真空ポンプ、35a:開口部、3
6:減圧制御手段、37a:敷板、37c:押え板、3
7d:ボルト、38:吸引口、40:塗型、41:塗
型、45:溶湯保持炉、46:溶湯、51:鋳造コンロ
ッド、51a:ロッド部、52:小端部、53:連桿
部、54:大端部、55:キャップ部、55a:内径、
55b:堰、56、57:接合面、58:分割部、5
9:ボルト、60:ナット、61:ピストン、62:ピ
ストンピン、63:クランクシャフト、64:ジャーナ
ル、65:ベアリング、70:空圧破断装置、71:畜
圧室、71a:シリンダ、72:案内筒、73:開口
部、73a:緩衝体、74:バルブ、75:ピストン、
76:中空桿、76a:ハンマー引込シリンダ、76
b:給気口、77:連結桿、77b:ピストン、79:
ハンマー、79a:テーパ部、81:取付治具、82、
83:拡開手段、84:バルブ、86:ばね、87:押
釦、94:楔ピン、94a:頂部。
部、3:連桿部、4:大端部、4a、5a:機械加工
代、5:キャップ部、6、7:破断接合面、8:分割
部、8a、8b:軸方向溝、9:内径、9b:長内径、
20:鋳型、20a:キャビティ、20b:吸引口、2
0d:フィルター、20e:湯口保護枠、21:堰、2
2:小端部キャビティ、23:連桿部キャビティ、2
4:大端部キャビティ、25:キャップ部キャビティ、
26:ダボ、27:ダボ穴、28:湯道、29a:凸
部、29b:凹部、30、30a:減圧吸引鋳造装置、
31:減圧容器、31b:湯面検知センサ、31d:シ
ール、33:蓋、33b:シリンダ、33c:クラン
プ、33d:シール、34、34a:吸引ヘッド、34
d:開口部、35:真空ポンプ、35a:開口部、3
6:減圧制御手段、37a:敷板、37c:押え板、3
7d:ボルト、38:吸引口、40:塗型、41:塗
型、45:溶湯保持炉、46:溶湯、51:鋳造コンロ
ッド、51a:ロッド部、52:小端部、53:連桿
部、54:大端部、55:キャップ部、55a:内径、
55b:堰、56、57:接合面、58:分割部、5
9:ボルト、60:ナット、61:ピストン、62:ピ
ストンピン、63:クランクシャフト、64:ジャーナ
ル、65:ベアリング、70:空圧破断装置、71:畜
圧室、71a:シリンダ、72:案内筒、73:開口
部、73a:緩衝体、74:バルブ、75:ピストン、
76:中空桿、76a:ハンマー引込シリンダ、76
b:給気口、77:連結桿、77b:ピストン、79:
ハンマー、79a:テーパ部、81:取付治具、82、
83:拡開手段、84:バルブ、86:ばね、87:押
釦、94:楔ピン、94a:頂部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小峰 信夫 栃木県真岡市鬼怒ケ丘11番地 日立金属株 式会社素材研究所内
Claims (14)
- 【請求項1】 基地組織がパーライト相主体とした球状
黒鉛鋳鉄鋳造品からなる鋳造コンロッドであって、前記
鋳造コンロッドの小端部、連桿部および大端部からなる
ロッド部と、キャップ部を前記小端部周囲のみに堰を設
け一体に鋳造した後に、前記大端部とキャップ部を破断
分割していることを特徴とする鋳造コンロッド。 - 【請求項2】 基地組織がパーライト相主体とした球状
黒鉛鋳鉄鋳造品からなり小端部、連桿部、大端部および
キャップ部からなるコンロッドの大端部とキャップ部と
間が鋳肌面以外からなることを特徴とする鋳造コンロッ
ド。 - 【請求項3】 質量比率で、C:3.0〜4.0%、S
i:2.0〜2.8%、Mn:0.2〜0.6%、P:
0.03%以下、S:0.02%以下、Cu:0.4〜
1.3%、Mg:0.01〜0.08%、残部実質的に
Feおよび不可避的不純物の組成で、黒鉛を除くパーラ
イトの面積率が90%以上の球状黒鉛鋳鉄鋳造品からな
り、小端部、連桿部、大端部およびキャップ部を前記小
端部周囲のみに堰を設け一体に鋳造した後に、前記大端
部とキャップ部が破断分割していることを特徴とする鋳
造コンロッド。 - 【請求項4】 前記組成が、好ましくは質量比率で、
C:3.7〜3.8%、Si:2.4〜2.6%、M
n:0.4〜0.45%、P:0.03%以下、S:
0.012%以下、Cu:0.70〜0.75%、M
g:0.033〜0.039%、残部実質的にFeおよ
び不可避的不純物の組成からなることを特徴とする請求
項3に記載の鋳造コンロッド。 - 【請求項5】 前記小端部の堰が、鋳造コンロッドの軸
中心に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請
求項4何れか1項に記載の鋳造コンロッド。 - 【請求項6】 鋳造コンロッドが、前記大端部とキャッ
プ部を破断分割後、分割面については機械加工をしない
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5何れか1項に記
載の鋳造コンロッド。 - 【請求項7】 鋳造コンロッドが、前記大端部とキャッ
プ部を破断分割後、分割面を機械加工することを特徴と
する請求項1乃至請求項5何れか1項に記載の鋳造コン
ロッド。 - 【請求項8】 鋳造コンロッドが、減圧吸引鋳造により
得られることを特徴とする請求項1乃至請求項7何れか
1項に記載の鋳造コンロッド。 - 【請求項9】 前記鋳造コンロッドが、鋳造後、830
〜870℃の温度に0.5〜1時間にわたって保持均熱
した後、大気中放冷または強制空冷する熱処理を施して
得られることを特徴とする請求項1乃至請求項8何れか
1項に記載の鋳造コンロッド。 - 【請求項10】 前記鋳造コンロッドが、前記ショット
ピーニングを施して得られることを特徴とする請求項1
乃至請求項9何れか1項に記載の鋳造コンロッド。 - 【請求項11】 前記鋳造コンロッドが、前記連桿部の
鋳肌面から0.1〜0.5mm深さの部位で、圧縮残留
応力のピーク値が少なくとも−200N/mm2以上付
与されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10
何れか1項に記載の鋳造コンロッド。 - 【請求項12】 鋳造コンロッドが、前記連桿部の破断
までの繰り返し回数107回における公称応力振幅が1
80N/mm2以上有することを特徴とする請求項1乃
至請求項11何れか1項に記載の鋳造コンロッド。 - 【請求項13】 基地組織がパーライト相主体とした球
状黒鉛鋳鉄鋳造品からなるコンロッドの小端部、連桿部
および大端部からなるロッド部を、キャップ部と一体に
鋳造した後に、前記大端部とキャップ部を破断分割した
ことを特徴とする鋳造コンロッドのロッド部。 - 【請求項14】 基地組織がパーライト相主体とした球
状黒鉛鋳鉄鋳造品からなるコンロッドのキャップ部を、
小端部、連桿部および大端部からなるロッド部と一体に
鋳造した後に、前記キャップ部と大端部を破断分割した
ことを特徴とする鋳造コンロッドのキャップ部。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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