JPH1161422A - 薄膜作成方法及び薄膜作成装置 - Google Patents
薄膜作成方法及び薄膜作成装置Info
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- JPH1161422A JPH1161422A JP9246198A JP24619897A JPH1161422A JP H1161422 A JPH1161422 A JP H1161422A JP 9246198 A JP9246198 A JP 9246198A JP 24619897 A JP24619897 A JP 24619897A JP H1161422 A JPH1161422 A JP H1161422A
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Abstract
た熱CVD法による窒化チタン薄膜の作成技術の課題を
解決して、高アスペクト比のホール内に充分なボトムカ
バレッジ率で化学的に安定な高品質の窒化チタン薄膜を
作成する。 【解決手段】 反応容器1内でテトラキスジアルキルア
ミノチタンを使用して熱CVD法により基体1の表面に
窒化チタン薄膜の作成した後、基体1を処理容器3に搬
送する。処理容器3では、後処理用ガスとして窒素/水
素/アルゴンの混合ガスを使用して高周波誘導結合によ
り10Pa以下の圧力で電子密度1010個/cm3 以上
の低圧力高密度プラズマPを形成し、プラズマPと基体
1との間に設定した電界によりプラズマPからイオンを
引き出して基体1に入射させる。イオンは、薄膜中に存
在する炭素を除去したり薄膜中に存在する未結合の反応
基又は活性種と反応して安定な化学種を生成して、比抵
抗を下げたり特性を安定化させたりする改質が行われ
る。
Description
ス、超伝導デバイス、各種電子部品、各種センサー等を
構成する拡散防止膜、密着層膜又は反射防止膜等として
使用する窒化チタンを主成分とする薄膜の作成方法及び
装置に関するものである。
電子部品、各種センサー等を構成する拡散防止膜、密着
層膜又は反射防止膜等の薄膜の作成には、真空蒸着(物
理蒸着)法、スパッタリング法、化学蒸着(CVD)
法、プラズマアシストCVD法等の種々の方法が試みら
れている。このような薄膜作成プロセスでは、薄膜を作
成する対象物(本明細書では基体と称す)の表面が平坦
である場合も多いが、表面に形成された微細な穴や溝
(以下、ホールと総称する)の内部に薄膜を作成するこ
とも多くなってきている。
クト部の構造としてコンタクトホール内にタングステン
等の配線材料を埋め込んだ構造が採用される。この場
合、このコンタクト配線と下地半導体層との相互拡散を
防止するため、両者の界面に拡散防止膜を薄く介在させ
ることが行われる。つまり、コンタクトホールの内面に
拡散防止膜を薄く作成することが必要になっている。ま
た、ロジック系集積回路ではより高速の動作を可能にす
るため銅が配線材料として用いられることが多いが、こ
の銅もシリコン中や酸化シリコン絶縁層中へ拡散し易い
ため、拡散防止膜を介在させて拡散を防止することが必
要になっている。
く用いられる層間スルーホール内への埋め込み配線技術
についても、ホールの内面への薄膜の作成が必要になっ
ている。例えば、層間スルーホール内にアルミニウムを
埋め込んで層間配線を形成する場合、当該埋め込み用の
アルミニウムと、層間スルーホールの底面に露出した第
一層のアルミニウムとの密着性を向上させるため、両者
の界面に密着層膜を形成することが行われる。即ち、層
間スルーホールの内面特に底面に密着層膜を作成するこ
とが必要になっている。
においては、ボトムカバレッジ率が成膜特性の極めて重
要な指標の一つになっている。図11はボトムカバレッ
ジ率の説明図である。ボトムカバレッジ率は、微細な穴
や溝(以下、ホールと総称する)への成膜特性であり、
具体的にはホール10の周囲の面11への薄膜100の
堆積量に対するホール10の底面12への薄膜100の
堆積量の比((b/a)×100(%))である。尚、
堆積量の比は、実際には単位時間当たりの堆積量(成膜
速度)の比である。
ール内への拡散防止膜や密着層膜等の作成では、必要な
拡散防止効果や密着効果を得るためには、上記ボトムカ
バレッジ率を充分高くする必要がある。というのは、薄
膜9の素となる材料(以下、前駆体)は、ホール10の
内面12よりもホール10の周囲の面12に付着し易
く、ボトムカバレッジ率を高くすることは容易ではない
からである。特に、年々集積度が高まる半導体デバイス
の構造では、上記のようなホールはそのアスペクト比が
どんどん高くなってきている。アスペクト比は、アスペ
クト比は、図11に示すホール10の開口の大きさ(直
径又は幅)wに対するホール11の深さdの比(d/
w)である。
開口の大きさwに比べてホール10の深さ3が相対的に
深くなるので、ホール10の底面12まで前駆体を到達
させることが困難となる。従って、一般的には、アスペ
クト比が高くなるにつれてボトムカバレッジ率は低下す
る傾向にある。言い換えると、より集積度の高い半導体
デバイスの製作には、ホール内成膜におけるボトムカバ
レッジ率の低下というボトルネックが存在し、これを乗
り越えることが重要な技術課題となっている。
チタンを主成分とする薄膜が使用されることが多い。
尚、窒化チタンを主成分とする薄膜(以下、窒化チタン
薄膜)とは、薄膜中の窒化チタンの含有量が50%以上
であるという意味である。この窒化チタン薄膜を比較的
良好なボトムカバレッジ率で作製する方法として注目さ
れている技術の一つに、有機金属化合物や有機金属錯体
を原料として用いたMOCVD(Metal−0rag
nic Chemical VaporDiposit
ion)技術がある。MOCVD技術は、有機金属化合
物や有機金属錯体を反応容器内に導入し、所定温度に加
熱された基体の表面に接触させて熱分解を含む気相反応
を生じさせ、当該基体の表面に窒化チタン薄膜を堆積す
る技術である。
t.65(19),7 November 1994,P2416-2418の中にその方法
に関する記事がある。M.Eizenberg らはテトラキスジメ
チルアミノチタン(TDMAT)のみを原料として窒化
チタン薄膜を成膜圧力0.45Torr(60Pa)、
基体温度380〜470℃で作成している。彼らが作成
した窒化チタン薄膜は、ラザフォード後方散乱法による
分析では、約23%の酸素を含有している。また、オー
ジェ電子分光法においては、約24%の酸素の含有が報
告されている。
タン薄膜が大気中で徐々に酸化されてしまうことによっ
て生じる。一般にテトラキスジアルキルアミノチタン
(TDAAT)を原料ガスとして用いて熱CVD法によ
り作成した窒化チタン薄膜は、大気によって酸化されて
しまい、このような高い濃度の酸素混入が生じてしま
う。電気的特性の観点では、この酸素混入に伴い薄膜の
抵抗が増大してしまう。このことは、信頼性の高い各種
電子デバイスの製作に使用する際、重大な欠点を伴って
いることになる。また、窒化チタン薄膜が酸化されて抵
抗率が上昇するため、低抵抗の薄膜として使用すること
が不可能となってしまう。
ン薄膜を大気に晒すことなくその窒化チタン薄膜の上に
タングステン薄膜を連続して堆積させている。タングス
テン薄膜によって窒化チタン薄膜は大気との接触が遮断
されるため、窒化チタン薄膜の酸化が防止される。この
工程を行うことによって、彼らは酸素含有量を1%に抑
えることが可能としている。
て熱CVD法により作成された窒化チタン薄膜は、真空
蒸着等の物理的方法により作成された膜に比べ、化学的
に不安定な膜である。そのような不安定な膜の上に他の
膜を堆積することによって大気を遮断して酸化を防止す
る方法では、化学的に不安定であるという窒化チタン薄
膜の特性を根本的に解消することはできず、経時的な化
学構造の変化等の長期的な経時変化により生ずる特性劣
化は避けられない。
D法による窒化チタンを主成分とした薄膜の作成は、ボ
トムカバレッジ率等の点で優れているとの評価を受けつ
つも、作成される膜の電気特性の点で電子デバイスの信
頼性を低下させる問題が生じてきている。
ceedings ULSI MRS 1994,P.223-237によると、R. L. Ja
cksonらはテトラキスジエチルアミノチタン(TDEA
T)とアンモニアとを原料として窒化チタン薄膜を成膜
圧力10Torr(1333Pa)、基体温度350℃
で作成している。彼らが作成した窒化チタン薄膜は、成
膜後1日以上大気中に放置した場合でも抵抗値は1%程
度に抑えることが可能とされている。
スペクト比3.4のコンタクトホールに対し、10%未
満のボトムカバレッジ率しか得られていない。この原因
の一つは、成膜圧力が10Torrと高いためであると
考えられる。成膜圧力が高くなると、基体の表面に垂直
に飛行する前駆体が他の前駆体やガス分子に衝突して散
乱される可能性が高くなる。このため、基体の表面に形
成されたホールの底部まで前駆体が飛行する可能性が低
くなり、ボトムカバレッジ率が低下してしまうと考えら
れる。また、成膜圧力が高いと、作成される薄膜の品質
にも影響を与える。即ち、成膜圧力が高いと、反応容器
に浮遊するパーティクル等の異物が薄膜中に混入し易
く、製品欠陥の原因となり易い。
ようなTDAATを使用した熱CVD法による窒化チタ
ン薄膜の作成技術が抱える課題を解決するためになされ
たものであり、高アスペクト比のホール内に充分なボト
ムカバレッジ率で化学的に安定な高品質の窒化チタン薄
膜を作成することができる方法とそのための装置を提供
することを目的とする。
め、本願の請求項1記載の発明は、気化したテトラキス
ジアルキルアミノチタンからなる原料ガスを用いて化学
蒸着法により所定の基体の表面に窒化チタンを主成分と
する薄膜を作成する第一の工程と、作成された薄膜をプ
ラズマの作用を利用して所定の特性に改質する後処理を
行う第二の工程とを含む薄膜作成方法であって、前記第
二の工程では、所定の後処理用ガスを使用して10Pa
以下の圧力で電子密度1010個/cm3 以上の低圧力高
密度プラズマを形成するとともに、当該低圧高密度プラ
ズマと基体との間に電界を設定し、この電界によって当
該低圧高密度プラズマからイオンを引き出して基体に入
射させて前記改質を行うという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、上記請
求項1の構成において、前記後処理用ガスは、前記第一
の工程で作成された薄膜中に存在する炭素を除去する
か、もしくは、当該薄膜中に存在する未結合の反応基又
は活性種と反応して安定な化学種を生成するイオンを前
記低圧高密度プラズマ中で生成するものであるという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項3
記載の発明は、上記請求項2の構成において、前記後処
理用ガスは、窒素又は窒素と水素とを含むという構成を
有する。また、上記課題を解決するため、請求項4記載
の発明は、上記請求項1、2又は3の構成において、前
記低圧高密度プラズマは、気体放電によって形成される
ものであり、前記後処理用ガスには、当該気体放電の放
電開始電圧を下げる補助ガスが混合されているという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項5
記載の発明は、上記請求項4の構成において、前記補助
ガスは、アルゴンであるという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、上記請
求項1、2、3、4又は5の構成において、前記低圧高
密度プラズマは、前記後処理用ガスに対して高周波エネ
ルギーを与えて形成され、当該高周波エネルギーは、誘
導結合方式によって後処理用ガスに与えられるという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項7
記載の発明は、上記請求項6の構成において、前記高周
波エネルギーは、一端がプラズマ用高周波電源に接続さ
れ他端が所定のキャパシタンスを介して接地されている
とともに前記処理容器内に配置されている高周波アンテ
ナを介して前記後処理用ガスに与えられるという構成を
有する。また、上記課題を解決するため、請求項8記載
の発明は、上記請求項1から7のいずれかの構成におい
て、前記基体の表面には微細なホールが形成されている
とともに前記窒化チタンを主成分とする薄膜は第一の工
程においてこのホールの内面を被覆するように作成さ
れ、前記電界は、このホールの深さ方向に沿った向きに
設定されているという構成を有する。また、上記課題を
解決するため、請求項9記載の発明は、上記請求項8の
構成において、前記基体の表面に形成されたホールはア
スペクト比5.5以上の微細なホールであり、前記第一
の工程では、成膜時の圧力を10Pa以下にして成膜を
行うという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項10記載の発明は、上記請求項1から9のい
ずれかの構成において、前記電界は、−5V〜−100
Vの範囲内の負の直流電圧を基体に与えることにより設
定されるという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項11記載の発明は、上記請求項1から9
のいずれかの構成において、前記電界は、基体に高周波
電力を印加することで高周波とプラズマとの相互作用に
より生じる負の自己バイアス電圧によって設定されると
いう構成を有する。また、上記課題を解決するため、請
求項12記載の発明は、上記請求項11の構成におい
て、前記高周波電力の周波数は、100kHz〜150
0MHzの範囲内であるという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項13記載の発明は、上記
請求項11又は12の構成において、前記高周波電力の
周波数は、前記低圧高密度プラズマのイオン振動数より
も高い周波数とするという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項14記載の発明は、上記請求
項11、12又は13の構成において、前記高周波電力
の電力を、50W〜1000Wとするという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項15記載の
発明は、上記請求項11、12、13又は14の構成に
おいて、前記低圧高密度プラズマは、前記後処理用ガス
に対して高周波エネルギーを与えて形成されるものであ
り、この高周波エネルギーの大きさと前記高周波電力の
大きさとは、前記自己バイアス電圧が−100V以下と
なるように選定されるという構成を有する。また、上記
課題を解決するため、請求項16記載の発明は、上記請
求項1から15のいずれかの構成において、基体を大気
に晒すことなく真空雰囲気に配置しながら前記第一の工
程と前記第二の工程を行うという構成を有する。また、
上記課題を解決するため、請求項17記載の発明は、前
記テトラキスジアルキルアミノチタンは、テトラキスジ
エチルアミノチタン又はテトラキスジメチルルアミノチ
タンであるという構成を有する。また、上記課題を解決
するため、請求項18記載の発明は、気化したテトラキ
スジアルキルアミノチタンからなる原料ガスを用いて化
学蒸着法により所定の基体の表面に窒化チタンを主成分
とする薄膜を作成する反応容器と、作成された薄膜を所
定の特性に改質する後処理を行う処理容器とを備えた薄
膜作成装置であって、処理容器は、内部に後処理用ガス
を導入する後処理用ガス導入手段と、導入された後処理
用ガスにエネルギーを与えて10Pa以下の圧力で電子
密度が1010個/cm3 以上の低圧高密度プラズマを形
成して当該高密度プラズマ中のイオンの作用によって前
記後処理を行うプラズマ形成手段と、形成した低圧高密
度プラズマと基体との間に電界を設定して前記高密度プ
ラズマ中のイオンを基板に入射させる電界設定手段とを
有するという構成である。また、上記課題を解決するた
め、請求項19記載の発明は、上記請求項18の構成に
おいて、前記後処理用ガス導入手段は、前記第一の工程
で作成された薄膜中に存在する炭素を除去するか、もし
くは、当該薄膜中に存在する未結合の反応基又は活性種
と反応して安定な化学種を生成するイオンを前記低圧高
密度プラズマ中で生成する後処理用ガスを導入するもの
であるという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項20記載の発明は、上記請求項19の構成
において、前記後処理用ガスは、窒素又は窒素と水素と
を含むという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項21記載の発明は、上記請求項18、19
又は20の構成において、前記プラズマ形成手段は、気
体放電によって前記低圧高密度プラズマを形成するもの
であり、前記後処理用ガス導入手段は、当該気体放電の
放電開始電圧を下げる補助ガスを後処理用ガスに混合し
て導入するものであるという構成を有する。また、上記
課題を解決するため、請求項22記載の発明は、上記請
求項21の構成において、前記補助ガスは、アルゴンで
あるという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項23記載の発明は、上記請求項18から22
のいずれかの構成において、前記プラズマ形成手段は、
前記後処理用ガスに対して誘導結合方式によって高周波
エネルギーを与えてプラズマを形成するものであるとい
う構成を有する。また、上記課題を解決するため、請求
項24記載の発明は、上記請求項23の構成において、
前記プラズマ形成手段は、一端がプラズマ用高周波電源
に接続され他端が所定のキャパシタンスを介して接地さ
れているとともに前記処理容器内に配置されている高周
波アンテナを介して前記後処理用ガスに高周波エネルギ
ーを与えるものであるという構成を有する。また、上記
課題を解決するため、請求項25記載の発明は、上記請
求項18から24のいずれかの構成において、前記反応
容器は、基体の表面に形成された微細なホールの内面を
被覆するよう前記窒化チタンを主成分とする薄膜を作成
するものであり、前記電界設定手段は、当該薄膜で被覆
された微細なホールの深さ方向に沿った方向に前記電界
を設定するものであるという構成を有する。また、上記
課題を解決するため、請求項26記載の発明は、上記請
求項18から25のいずれかの構成において、前記電界
設定手段は、基体を保持する基体ホルダーに負の直流電
圧を印加する負の直流電源によって構成されている。ま
た、上記課題を解決するため、請求項27記載の発明
は、上記請求項26の構成において、前記負の直流電源
は、基体を保持する基体ホルダーに−5Vから−100
Vの電圧を印加するものであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項28記載の発明
は、上記請求項18から25のいずれかの構成におい
て、前記電界設定手段は、基体に高周波電圧を印加し高
周波と前記低圧高密度プラズマとの相互作用により基体
に負の自己バイアス電圧を生じさせる基体用高周波電源
からなるという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項29記載の発明は、上記請求項28の構
成において、前記基体用高周波電源は、基体を保持する
基体ホルダーに、100kHz〜1500MHzの周波
数の高周波電圧を印加するものであるという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項30記載の
発明は、上記請求項29の構成において、前記基体用高
周波電源は、基体を保持する基体ホルダーに、前記低圧
高密度プラズマのイオン振動数よりも高い周波数の高周
波電圧を印加するものであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項31記載の発明
は、上記請求項28、29又は30の構成において、前
記基体用高周波電源は、基体を保持する基体ホルダー
に、50〜1000Wの高周波電力を供給するものであ
るという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項32記載の発明は、上記請求項28、29、
30又は31の構成において、前記プラズマ形成手段
は、前記後処理用ガスに対して高周波エネルギーを与え
てプラズマを形成するものであり、この高周波エネルギ
ーの大きさと前記高周波電力の大きさとは、前記自己バ
イアス電圧が−100V以下となるように選定されてい
るという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項33記載の発明は、上記請求項18から32
のいずれかの構成において、前記反応容器と前記処理容
器とは気密に連通して接続されており、前記基体を大気
に晒すことなく前記反応容器から前記処理容器に搬送す
る搬送機構を備えているという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項34記載の発明は、上記
請求項18から33のいずれかの構成において、前記テ
トラキスジアルキルアミノチタンは、テトラキスジエチ
ルアミノチタン又はテトラキスジメチルアミノチタンで
あるという構成を有する。
いて説明する。まず、薄膜作成装置の発明の実施形態に
ついて説明する。図1は、第一の実施形態の薄膜作成装
置の概略構成を示した正面図である。図1に示す薄膜作
成装置は、TDAATからなる原料ガスの気相反応を利
用して基体1の表面に窒化チタン薄膜を作成する反応容
器2と、作成された薄膜を所定の特性に改質する後処理
を行う処理容器3とを備えている。
る。反応容器2は、反応容器2内を排気する第一の排気
系21と、反応容器2内に所定の原料ガスを導入する原
料ガス導入手段22と、反応容器2内の所定の位置に基
体1を保持する第一の基体ホルダー23とを備えてい
る。
造を有する容器であり、基体1の出し入れのためのゲー
トバルブ24を備えている。第一の排気系21は、ター
ボ分子ポンプやクライオポンプ等のドライポンプからな
る多段の真空ポンプ群211と、この真空ポンプ群21
1と反応容器2とを繋ぐ排気管212に設けられた主排
気バルブ213及び排気速度を調節するバリアブルオリ
フィス214等とから主に構成されている。
AATを溜めた原料容器221と、原料容器221から
送られた液体状態のTDAATを気化させる気化器22
2と、TDAATを原料容器221から気化器222に
送るための送液用ガス導入系223と、原料容器221
から気化器222への送液用配管224に設けられた液
体流量調整器225と、気化器222内にキャリアガス
を供給するキャリアガス供給系226とから主に構成さ
れている。
れ、内壁は電界研磨処理が施されている。原料容器22
1内に溜められたTDAATは、常温常圧で液体の原料
例えばTDEATである。送液用ガス導入系223は、
原料容器221内を加圧してTDAATを気化器222
に送るためのものである。送液用ガスには、ヘリウム等
の化学的に安定なガスが使用され、原料容器221内を
例えば0.5〜1kgf/cm2 程度に加圧するよう構
成される。
熱して気化させるものである。具体的には、TDAAT
としてTDEATを使用する場合、気化器222内は1
00℃程度に加熱されるようになっている。また、キャ
リアガス導入系226は、気化器222内にキャリアガ
スを導入して気化器222内の圧力を高め、TDAAT
の気化を助けるようにしている。尚、このキャリアガス
には、本実施形態では窒素が使用されている。
する配管上には、温度調整器227が設けられている。
温度調整器227は、キャリアガスの温度を所定の温度
に維持し、気化器222内の温度条件を乱さないように
するためのものである。具体的には、窒素よりなるキャ
リアガスは例えば110℃程度の一定の温度に加熱され
て供給されるようになっている。
供給されるTDAATの量を制御し、気化器222での
気化動作を安定化させるものである。気化器222に供
給されるTDAATの量が変化してしまうと、気化器2
22で発生するTDAATガスの量が変化してしまい、
反応容器2へのTDAATガスの供給量も変化してしま
うからである。具体的には、液体流量制御器225は、
0.1g/分程度の流量で液体TDAATを気化器22
2に供給するよう流量制御する。
キャリアガスとともに原料ガス供給管228を経由して
反応容器2内に導入されるようになっている。そして、
この原料ガス供給管228には、不図示の供給管ヒータ
が付設されている。供給管ヒータは、原料ガス供給管2
28内を所定の温度まで加熱して維持し、送られるTD
AATガスの液化を防止するようになっている。
器壁ヒータ25が設けられており、TDAATが器壁で
液化しないよう器壁を所定温度まで加熱するよう構成さ
れている。反応容器の器壁には、容器用熱電対28が設
けられている。容器用熱電対28の測定結果は、不図示
の器壁温度コントローラに送られる。器壁温度コントロ
ーラは、器壁ヒータ25を制御し、器壁の温度を所定温
度に維持する。
バルブ229が設けられており、反応容器2への原料ガ
スの導入動作を制御している。また、原料ガス供給管2
28上に気体流量調整器を設け、TDAATガス及びキ
ャリアガスの混合ガスの流量を所定の流量に制御する場
合もある。
入系26を有している。例えば、TDAATを使用した
窒化チタン薄膜の作成においては、アンモニアガスを添
加して成膜を行うと、成膜圧力を高くすることなく比抵
抗の小さい窒化チタン薄膜が得られる。成膜圧力を高く
すると、反応容器内を浮遊する塵埃等の基体に付着して
薄膜を汚損する問題があるため、アンモニアを添加して
より低圧での成膜を行うことは、実用上有益である。こ
のため、原料ガス導入手段22は、アンモニアを添加ガ
スとして反応容器2内に導入するよう構成されている。
アンモニアは所定の流量の窒素ガスに混合されて希釈化
されて導入される。
とともに基体1の温度調節の機能も兼ねている。即ち、
第一の基体ホルダー23は、基体1の温度を所定の温度
に調節する温度調節機構を有している。温度調節機構
は、第一の基体ホルダー23内に設けられた成膜用ヒー
タ231と、基体1の温度を直接又は間接的に検出する
成膜用熱電対232と、成膜用熱電対232が検出した
温度に従って成膜用ヒータ231を制御する成膜用ヒー
タコントローラ233とから主に構成されている。尚、
第一の基体ホルダー23に対する基体1の接触性を向上
させて温度調節の精度を向上させるため、基体1を第一
の基体ホルダー23に静電吸着させる機構や機械的に基
体1を第一の基体ホルダー23に密着させる機構等が必
要に応じて採用される。成膜中の基体1の温度(成膜温
度)は、使用する原料ガスの種類によって若干異なる。
例えばTDEATを使用する場合、成膜温度は300〜
350℃程度とされる。
力を測定する真空計として、電離真空計26と、ダイヤ
フラム真空計27が設けられている。電離真空計26
は、原料ガスの導入前に反応容器2内を高真空排気した
際の到達圧力を測定するために主に使用されるものであ
り、測定範囲は10-2〜10-6Pa程度である。この電
離真空計26としては、例えばアネルバ社製BAゲージ
UGD−1S等が使用できる。一方、ダイヤフラム真空
計27は、原料ガスを導入した成膜中の反応容器2内の
圧力を測定するために主にしようされるものであり、測
定範囲は0.1〜133Pa程度である。ダイヤフラム
真空計27の測定結果は、成膜中の圧力制御に使用され
るため、測定誤差0.3%以内の高精度ダイヤフラム真
空計を使用することが好ましい。例えば、MKS社製バ
ラトロンTYPE128A等が使用できる。
ロックチャンバーが気密に接続されている。ロードロッ
クチャンバーは専用の排気系を有し、ゲートバルブ24
を通して基体1の出し入れを行う際に所定の圧力まで排
気される。
る。処理容器3は、反応容器2と同様にステンレス製の
気密な容器である。この処理容器3は、内部を排気する
第二の排気系31と、内部に後処理用ガスを導入する後
処理用ガス導入手段32と、後処理用ガスにエネルギー
を与えて処理容器3内に10Pa以下で1010個/cm
3 以上の低圧高密度プラズマを形成するプラズマ形成手
段33と、形成された低圧高密度プラズマによって処理
される位置に基体1を保持する第二の基体ホルダー34
と、低圧高密度プラズマと基体1との間に電界を設定し
てプラズマ中のイオンを基体1に入射させる電界設定手
段35とを備えている。
ほぼ同様の構成であり、ターボ分子ポンプやクライオポ
ンプ等よりなる多段の真空ポンプ群311と、排気管3
12に設けられた主排気バルブ313及びバリアブルオ
リフィス314とから主に構成されている。このような
第二の排気系31により、処理容器3内は、10-4Pa
程度の到達圧力まで排気可能となっている。
スとして、窒素と水素とアルゴンの混合ガスを処理容器
3内に導入するよう構成されている。即ち、後処理用ガ
ス導入手段32は、窒素ガス導入系321と、水素ガス
導入系322と、アルゴンガス導入系323とから主に
構成されている。窒素と水素は窒化チタン薄膜の改質作
用のあるイオンを生成するするために主に導入される。
また、アルゴンは、プラズマ形成のための気体放電の開
始を容易にするのが主な目的である。各々のガス導入系
321,322,323は、各々のガスを溜めた不図示
のガスボンベと、流量制御器324と、バルブ325等
とから構成されている。そして、これらのガス導入系3
21,322,323が接続された主配管326には、
主バルブ327が設けられ、混合ガスの導入を制御する
ようになっている。
方式によって1010個/cm3 以上の高密度プラズマを
形成するよう構成されている。具体的には、プラズマ形
成手段33は、処理容器3内に設けられた高周波アンテ
ナ331と、整合回路332を介して高周波アンテナ3
31に所定の高周波電力を供給するプラズマ用高周波電
源333とから主に構成されている。
シングルループアンテナが使用されている。具体的に
は、高周波アンテナ331は、金属製のパイプを円周状
に丸めて、両端に電極端子334,335を設けた形状
である。尚、高周波アンテナ331の内部に水などの冷
媒を流して冷却すると、高周波アンテナ331の異常加
熱が防止されるので好適である。また、高周波アンテナ
331がプラズマPによってスパッタされるのが問題に
なるときは、高周波アンテナ331をチタン等の基板を
汚損しない材料で形成したり、アルマイト処理等の耐プ
ラズマ化する表面処理を施したりすることが有効であ
る。
密に填め込まれており、電極端子334,335はこの
絶縁体336を気密に貫通して上部に延びている。そし
て、プラズマ用高周波電源333から延びる高周波線路
が一方の電極端子334に接続されている。他方の電極
端子335は、プラズマ制御用コンデンサ337を介し
て接地されている。
態では、13.56MHzの高周波を発生させるものが
使用されている。出力は1〜3kWの範囲で調整できる
ようになっている。但し、プラズマ用高周波電源333
の周波数は、kHzの帯域や60MHz、100MHz
等でもよい。さらに、正弦波のみならず所定の波形に変
化させた高周波を発生させるものをプラズマ用高周波電
源333として用いても良い。尚、整合回路332に
は、本実施形態ではπ型回路が用いられているが、L型
回路等でもよい。
高周波電力は、整合回路332を通して高周波アンテナ
331に送られる。これによって、高周波アンテナ33
1に高周波電流が流れるとともに、高周波アンテナ33
1電源から高周波電界が放射され、処理容器3内の空間
に高周波電界が設定される。後処理用ガス導入手段32
によって導入された後処理用ガスは、この高周波電界か
らエネルギーを受けてプラズマ化し、プラズマPが形成
されるようになっている。この際、高周波アンテナ33
1として、シングルループアンテナが使用されて大きな
高周波電流が流れるので、プラズマPと高周波アンテナ
331とは誘導性結合する。即ち、プラズマP中には、
高周波アンテナ331中を流れる高周波電流による電磁
誘導により誘導電流が流れ、プラズマPと高周波アンテ
ナ331とはインダクタンスを介して高周波結合する。
プラズマP中に流れる高周波電流は、後処理用ガスの電
離効率を上昇させるので、比較的低い圧力でも1010個
/cm3 以上の高密度プラズマを形成することが可能と
なる。尚、プラズマ密度の単位である「個/cm3 」
は、単位体積あたりの電子密度を表している。
は、上記誘導結合方式の他、容量結合方式がある。容量
結合方式は、プラズマ形成空間を挟んで対向させた一対
の平行平板電極に高周波電力を供給する例が典型的であ
る。本願発明において、このような構造を採用すること
も可能であるが、このような構造では10Pa以下で1
010個/cm3 以上の高密度プラズマを形成することは
一般的に難しい。低圧高密度プラズマを形成するには、
プラズマ中に大きな誘導電流が流れる誘導結合方式が有
利であり、エネルギー印加の構成も比較的容易になる。
アンテナ331の他の電極端子335と接地部との間に
設けられたプラズマ制御用コンデンサ337は、プラズ
マPの空間電位(プラズマ電位)を調整して高周波アン
テナ331と第二の基体ホルダー34との間に高密度の
プラズマを形成するのに貢献している。即ち、プラズマ
制御用コンデンサ337を使用せずに他の電極端子33
5を接地部に短絡すると、プラズマPは処理容器3の内
部に広く拡散し、プラズマ密度が低下する傾向がある。
しかし、プラズマ制御用コンデンサ337を介在させる
と、プラズマは高周波アンテナ331と基体1ホルダー
の間に閉じこめられたように形成され、プラズマ密度が
より高くなる。
かについては、完全に明確になった訳ではないが、以下
のように考えられる。例えば、本実施形態の処理容器3
内で圧力0.8Paのアルゴンガスのプラズマを生じさ
せ、プラズマの空間電位を測定すると、プラズマ制御用
コンデンサ337を使用しない場合のプラズマ電位は1
00V以上であるのに対し、プラズマ制御用コンデンサ
337を使用した場合の空間電位は20V程度である。
つまり、プラズマ制御用コンデンサ337を使用する
と、プラズマ電位が1/5以下の低下する。
は、次のように考えられる。プラズマ用高周波電源33
3から高周波アンテナ331を通って接地部に至る高周
波回路において、プラズマ制御用コンデンサ337を介
在させると、高周波とプラズマPとの相互作用によって
高周波アンテナ331に負の自己バイアス電圧が生じ
る。
ンデンサ337を通して高周波を流しながら、高周波ア
ンテナ331から放射される高周波電界によってプラズ
マを形成した場合、高周波の正の半周期においてプラズ
マ中から電子が高周波アンテナ331に入射し、負の半
周期において正イオンが入射する。この際、電子は正イ
オンに比べて移動度が高いので、高周波アンテナ331
に入射する荷電粒子は負電荷(電子)の方が多くなる。
この結果、高周波アンテナ331は、正弦波の上に負の
直流電圧が重畳されたような電位変化となり、負の自己
バイアス電圧が生ずる。言い換えると、高周波アンテナ
331はプラズマ制御用コンデンサ337と整合回路3
32中のコンデンサにより接地電位からフローティング
されているために自由な直流電圧が取れ、高周波アンテ
ナ331に入射する負電荷(電子)と正電荷(正イオ
ン)の量がバランスするように、負の自己バイアス電圧
が生ずる。
使用せずに他の電極端子を接地部に短絡すると、上述の
ような負の自己バイアス電圧は生じない。というのは、
例えば正の半周期において高周波アンテナ331に入射
した電子はそのまま接地部に向かって流れてしまうの
で、高周波アンテナ331には電荷が蓄積されることは
なく、高周波アンテナ331の電位を下げるような効果
は生じ得ない。従って、この場合、高周波アンテナ33
1は接地電位を中心として正負に振れる電位変化のまま
である。
高周波アンテナ331に入射し接地部に流れる荷電粒子
は、移動度の高い電子が多くなる。しかし、電子のみが
多く高周波アンテナ331に入射するとプラズマPの電
気的中性のバランスが崩れ、正電荷の空間電荷密度が負
電荷の空間電荷密度より大きくなり、プラズマPの空間
電位が上がる。しかし、プラズマPの空間電位は上がり
続けるのではなく、プラズマPの空間電位がある程度大
きくなると、高周波アンテナ331に入射する電子の量
は少なくなり、高周波アンテナ331に入射する電子と
正イオンの量が等しくなったところで、プラズマPの空
間電位の上昇が止まる。このようなことにより、プラズ
マ制御用コンデンサ337が無い場合、プラズマPの空
間電位はプラズマ制御用コンデンサ337が有る場合に
比べて、正の方向へシフトするものと考えられる。
使用すると、高周波アンテナ331に上記負の自己バイ
アス電圧が与えられるため、高周波アンテナ331への
電子の流入が抑制される。このため、上記のようなプラ
ズマ電位のシフトが無く、プラズマ電位は低いままであ
る。プラズマ制御用コンデンサ337を使用した場合の
プラズマ密度の向上は、プラズマ電位が低く維持される
結果、プラズマPの拡散が抑えられるためであると考え
られる。この点の詳細な原因は明確ではないが、以下の
ように推測される。
Pはプラズマ電位を接地電位に近づけようと自ら調整す
る作用があるものと考えられる。プラズマ電位を下げる
には、プラズマPと接地電位である処理容器3の器壁の
間で形成されるコンデンサの容量を大きくすればよい。
コンデンサの容量を大きくするには、コンデンサが形成
されている領域を大きくする、つまり、プラズマPが形
成されている領域を大きくすればよい。このため、プラ
ズマPが拡散していくものと推測される。
くなると、プラズマPと処理容器3の器壁との間の電位
差が大きくなるので、プラズマP中から正イオンが加速
されて器壁に衝突し易くなる。正イオンが衝突すると、
器壁から二次電子が放出され、この結果、持続放電が生
じる。この持続放電によって空間のインピーダンスが小
さくなり、その空間にプラズマPが拡散していくものと
推測される。
サ337を使用すると、プラズマPの空間電位のシフト
が無くなり、空間電位は低く抑えられるため、プラズマ
Pの拡散が抑制されて高周波アンテナ331と第二の基
体ホルダー34との間に高密度のプラズマPが形成され
るものと考えられる。
テナ331の電位を調整するアンテナ電位調整用磁石3
38が設けられている。アンテナ電位調整用磁石338
は、一対の電極端子334,335を貫通させた絶縁体
332の周囲を取り囲む円環状の電磁石であり、処理容
器3の上部器壁の上に配設されている。アンテナ電位調
整用磁石338は、高周波アンテナ331と同軸状であ
る。
周波アンテナ331の図1に示すようなシングルループ
アンテナよりなる高周波アンテナ331の中央を通る磁
力線339を設定する。この磁力線339は、プラズマ
P中を通るものであり、プラズマP中の電子を捉えて電
子が高周波アンテナ331に到達するのを抑制するよう
構成されている。尚、アンテナ電位調整用磁石338の
コイルには直流電流が流される。従って、磁場は一方向
性である。
37を使用した本実施形態では、高周波電極331に負
の自己バイアス電圧が生じ、この自己バイアス電圧の作
用によりプラズマ電位の上昇が抑えられ、プラズマPの
拡散が抑制される。しかしながら、この負の自己バイア
ス電圧は、プラズマP中から正イオンを引き出し、高周
波アンテナ331に入射させる作用も有している。正イ
オンが入射すると、高周波アンテナ331の表面がスパ
ッタされる。そして、スパッタされた高周波アンテナ3
31の材料が、後処理している基体1の表面に付着する
と、窒化チタン薄膜を汚損する問題が生ずる。
整用磁石338を配設し、磁力線339によって電子を
捉えて高周波アンテナ331に到達しないようにしてい
る。このため、高周波アンテナ331への電子の入射が
抑制され、負の自己バイアス電圧が低くなる。尚、この
場合、高周波アンテナ331への電子の入射自体が抑制
されているから、全電荷のバランスを取ろうとしてプラ
ズマ電位が正方向にシフトすることはなく、前述したプ
ラズマPの拡散はない。言い換えると、アンテナ電位調
整用磁石338は、プラズマPの拡散を生じることなく
高周波アンテナ331の自己バイアス電圧を低くして高
周波アンテナ331のスパッタを抑制するものである。
について、図2を使用して説明する。図2は、アンテナ
電位調整用磁石338の効果について説明した図であ
り、アンテナ電位調整用磁石338のコイルに流れる電
流と高周波アンテナ331に生じた自己バイアス電圧と
の関係を調べた実験の結果を示した図である。尚、この
図2に示す実験では、高周波アンテナ331に13.5
6MHz2500Wの高周波電力を供給しながらアルゴ
ンガスのプラズマを形成し、アンテナ電位調整用磁石3
38のコイルの流す電流を変化させて高周波アンテナ3
31に生ずる負の自己バイアス電圧の大きさを測定し
た。尚、処理容器内の圧力は0.16Pa,0.8P
a,2.7Paと変化させた。
を大きくするに従って負の自己バイアス電圧は小さくな
る。これは、磁場強度が高くなるに従ってプラズマ中の
電子捕捉作用が高くなり、高周波アンテナ331に入射
する電子の量がより少なくなることによるものと考えら
れる。
場の強さについて説明すると、高周波アンテナ331の
中心付近で5〜100ガウス程度の磁束密度の磁場を生
じるようコイルに直流電流を流す。磁束密度が5ガウス
を下回ると、上記のような自己バイアス電圧低下の効果
が充分得られない。また、磁束密度が100ガウスを越
えるような強い磁場になると、処理に影響を与える。
39は、図1に示すように第二の基体ホルダー34に向
けてラッパ状に広がる分布となる。ここで、プラズマP
中のイオンは、後述するイオン引き出し用電界で引き出
される際、この磁力線339に巻き付きてサイクロトロ
ン運動しながら飛行して基体1に入射する。この場合、
磁力線339が基体1に垂直に入射する基体1の中央部
分では問題はないが、磁力線339が斜めに入射する基
体1の周辺部分では、イオンが基体1に垂直に入射する
ことが難しくなる。このため、基体1の周辺部分ではホ
ールの底部での改質が不充分となる恐れがある。従っ
て、磁場強度をあまり高くすることは適当ではなく、1
00ガウス以下の磁束密度とすることが好ましい。
きく問題となる場合は、高周波アンテナ331を処理容
器3の外に配置するようにしてもよい。この場合は、処
理容器3の器壁に誘電体窓を気密に填め込み、誘電体窓
を通して処理容器3内に高周波電力を導入するようにす
る。誘電体窓の部分での損失があるので高周波の供給効
率は多少低下するが、高周波アンテナ331のスパッタ
の問題は回避される。また、高周波アンテナ331のス
パッタによって生ずる問題を回避するには、スパッタさ
れても問題とならない材料で高周波アンテナ331を構
成することも効果的である。即ち、例えば高周波アンテ
ナ331をチタンで形成すれば、高周波アンテナ331
がスパッタされても、放出されるのはチタンであるか
ら、基板に付着しても窒化チタン薄膜を汚染する問題は
生じない。
周波アンテナ331の下方の所定位置に基体1を保持す
るよう構成されている。第二の基体ホルダー34も、第
一の基体ホルダー23と同様、基体1の温度を所定の温
度に調節する温度調節機構を有している。温度調節機構
は、第二の基体ホルダー34内に設けられた処理用ヒー
タ341と、基体1の温度を直接又は間接的に検出する
処理用熱電対342と、熱電対342が検出した温度に
従って処理用ヒータ341を制御する処理用ヒータコン
トローラ343とから主に構成されている。基体1ホル
ダーに対する基体1の接触性を向上させるための機構が
同様に必要に応じて設けられる。
プラズマPの回り込みを防止するシールド344が設け
られている。シールド344は、接地された処理容器3
に短絡されており、従って接地電位である。シールド3
44と第二の基体ホルダー34との間には、絶縁材34
5が設けられている。シールド344がないと、第二の
基体ホルダー34の側面や下面と処理容器3の器壁との
間でも放電が生じてプラズマPが基体1と高周波アンテ
ナ331との間の空間から基体ホルダー34の側方に回
り込むようにして形成されることがあるが、シールド3
44を設けることによりこの放電は発生せず、プラズマ
Pの回り込みは防止される。
る電界設定手段35は、本実施形態では、基体1に負の
直流電圧を印加する負の直流電源351と、負の直流電
源351を高周波から保護する保護用リアクタンス35
2から構成されている。負の直流電源351は、第二の
基体ホルダー34に対して負の直流電圧を印加するよう
構成されている。基体1は第二の基体ホルダー34に電
気的接触良好に保持されており、第二の基体ホルダー3
4を介して負の直流電圧が印加されるようになってい
る。負の直流電源351は、具体的には、基体ホルダー
34に−5Vから−100V程度の電圧を印加するもの
である。
本質的に導体と考えてよく、巨視的には内部に電界は存
在しない。また、プラズマの空間電位は、10〜数10
V程度の正電位である。従って、負の直流電源351に
よって基体1に負の直流電圧が印加されると、プラズマ
Pと基体1との間に電界が設定される。この電界は、プ
ラズマPから基体1に向かって電位が下がる電界であ
り、また、後処理する基体1の表面に垂直な電界であ
る。このため、プラズマP中の正イオンがこの電界によ
って引き出されて(以下、この電界をイオン引き出し用
電界と呼ぶ)、基体1に垂直に多く入射するようになっ
ている。
不図示の永久磁石が複数設けられている。各永久磁石
は、角棒状の磁石であり、上下方向に延びるように等間
隔で処理容器3の周囲に配置されている。隣り合う永久
磁石の内側面(処理容器3の中心側の面)は互いに異な
る磁極になっており、これらの永久磁石によってライン
カプス磁場が周状に形成されるようになっている。この
カプス磁場は、処理容器3への器壁へのプラズマPの拡
散を抑制し、プラズマ密度をより高く保つ効果がある。
空計36とダイヤフラム真空計37と有している。ま
た、処理容器3内への基体1の出し入れの際に開閉され
るゲートバルブ38が同様に設けられている。さらに、
ゲートバルブ38を介して不図示のロードロックチャン
バーが気密に接続されている。尚、反応容器2から処理
容器3への基体1の搬送を行う不図示の搬送系が設けら
れている。不図示の搬送系は、基体1が半導体ウェーハ
である場合、カセット内に所定数の基体1を収容して複
数の基体1を一括して搬送する機構や基体1を一枚ずつ
搬送する機構等が採用できる。
の説明も兼ね、上記構成に係る本実施形態の薄膜作成装
置の動作について説明する。まず、不図示のロードロッ
クチャンバー内に基体1を配置してロードロックチャン
バー及び反応容器2内を10-5Pa程度の圧力まで排気
する。この圧力は電離真空計26で測定され、この圧力
になったのを確認したら、ゲートバルブ24を開けて基
体1を反応容器2内に搬入し、第一の基体ホルダー23
上に配置して保持させる。第一の基体ホルダー23は予
め所定温度まで加熱維持されており、第一の基体ホルダ
ー23に保持された基体1は、当該温度付近まで急速に
加熱される。
導入系26を動作させ、反応容器2内に気化させたTD
AATと添加ガスとを所定の流量で導入する。反応容器
3内に導入されたTDAATガス及び添加ガスは、所定
温度に加熱された基体1に接触して気相反応が生じ、窒
化チタン薄膜を表面に堆積させる。成膜中の反応容器2
内の圧力はダイヤフラム真空計27によって測定され、
バリアブルオリフィス214が制御されて反応容器2内
は所定の圧力に維持される。
値に達する程度の時間が経過したら、原料ガス導入手段
22及び添加ガス導入系26の動作を止め、反応容器2
内を再度高真空排気する。そして、ゲートバルブ24を
開けて基体1を取り出し、不図示のロードロックチャン
バー内に配置する。
送し、処理容器3に隣接した不図示のロードロックチャ
ンバー内に配置する。そして、ロードロックチャンバー
と処理容器3とを10-5Pa程度の圧力まで排気する。
電離真空計36によって圧力を確認した後、ゲートバル
ブ38を開けて基体1を処理容器3内に搬入し、第二の
基体ホルダー34上に配置して保持させる。第二の基体
ホルダー34も予め所定温度まで加熱維持されており、
第二の基体ホルダー34に保持された基体1は、当該温
度付近まで急速に加熱される。
せ、所定の後処理用ガスを所定の流量で導入する。この
際、処理容器3内の圧力はダイヤフラム真空計37によ
って測定され、バリアブルオリフィス314が制御され
て反応容器2内は所定の圧力に維持される。並行して、
電界設定手段35を動作させ、第二の基体ホルダー34
を介して基体1に所定の負の直流電圧を印加する。この
状態でプラズマ形成手段33を動作させ、導入された後
処理用ガスにエネルギーを与えて1010個/cm3 以上
の高密度プラズマを形成する。高密度プラズマ中の正イ
オンは、電界設定手段35が設定したイオン引き出し用
電界によってプラズマから引き出され、基体1の表面に
垂直に多く入射する。この入射正イオンの作用によって
窒化チタン薄膜が後処理され、低抵抗化等の特性改善が
行われる。
ラズマ形成手段33、後処理用ガス導入手段32及び電
界設定手段35の動作を止めた後、処理容器3内を再度
高真空排気する。そして、ゲートバルブ38を開けて不
図示のロードロックチャンバーに基体1を搬出し、ロー
ドロックチャンバーを介して基体1を大気側に取り出
す。
の反応容器2内の圧力は、10Pa以下の低圧力に維持
されることが好ましい。圧力が10Paを越えると、ア
スペクト比5.5以上のホールに対するボトムカバレッ
ジ率は40%以下になり、このようなアスペクト比のホ
ールを有するデバイスの製作に不適なものとなる。
設定した電界によって入射させるイオンは薄膜の特性改
善に大きく貢献する。この特性改善が生じる理由は、以
下の通りである。まず、TDAATの熱CVDによる成
膜では、蒸着やスパッタリング等のような物理的手法に
より作製された薄膜と比較して、化学的に不安定であ
り、未結合の反応基やラジカル等を多く含んでいる。こ
のような膜中に存在する反応基やラジカル等は、大気中
の酸素を取り込んで酸化し、前述のように膜の比抵抗を
増大させる原因となる。また、窒化チタンを主成分とす
る素薄膜の上に異種の薄膜が堆積された場合、反応基や
ラジカル等はその異種の薄膜の材料を取り込んで反応し
て何らかの化合物を生じ、この結果、膜質が変化して電
気特性を劣化させる原因になる。
膜中に不純物として存在する炭素と反応して揮発物を生
成することで当該炭素を薄膜中から除去する。例えば、
水素ガスが後処理用ガスとして使用されている場合、薄
膜中に入射した水素イオンは、炭素と反応してCH4 等
の揮発物を形成して薄膜中から炭素を除去する。また、
薄膜中に入射したイオンは、未結合の反応基や活性種と
反応して安定な化学種を生成する。この結果、大気中の
酸素を取り込んで酸化したり、上層の材料を取り込んで
酸化したり、上層の材料を取り込んで膜質を劣化させた
りするようなことが抑えられる。前者の作用の例として
は水素イオンが挙げられるし、後者の作用の例としては
窒素イオンが挙げられる。
定手段35によってプラズマから正イオンを垂直に引き
出して基体1に入射させているので、微細なホールの底
部まで正イオンを効率良く到達させることができる。こ
のため、アスペクト比の高いホールの底部まで効率よく
後処理することができる。尚、プラズマP中で負イオン
が生成される場合、電界設定手段35が設定するイオン
引き出し用電界の向きを逆にすることでプラズマP中か
ら負イオンを引き出して後処理に利用することができ
る。
性改善の作用としては、プラズマ中で生成された中性活
性種の作用もある。即ち、水素等の中性活性種が炭素と
反応して揮発物を生成して炭素を除去したり、窒素等の
中性活性種が薄膜中の未結合の反応基や活性種と反応し
て安定な化学種を生成したりすることで、薄膜の特性を
改善する効果もある。この場合も、本実施形態の装置で
は、10Paの低圧力で後処理が行われるため、上記活
性種は他のガス分子に散乱されることなく微細なホール
の底部まで効率良く到達することが可能である。従っ
て、この活性種による改質作用も、アスペクト比の高い
ホール内に作成された窒化チタン薄膜の特性改善に大き
く貢献している。
施形態について説明する。図3は、第二の実施形態の薄
膜作成装置の概略構成を示した正面図である。図3に示
す薄膜作成装置は、図1に示す装置と同様、TDAAT
からなる原料ガスの気相反応を利用して基体1の表面に
窒化チタン薄膜を作成する反応容器2と、作成された薄
膜を所定の特性に改質する後処理を行う処理容器3とを
備えている。
態の装置と大きく異なる第一の点は、反応容器2と処理
容器3との間に搬送チャンバー4が設けられており、反
応容器2と処理容器3とは搬送チャンバー4を介して気
密に連通して接続されている点である。そして、反応容
器2と搬送チャンバー4の間及び搬送チャンバー4と処
理容器3との間には、ゲートバルブ24,38が設けら
れている。尚、搬送チャンバー4には第三の排気系41
が設けられ、10-5Pa程度の圧力まで排気可能に構成
される。
1を大気に晒すことなく反応容器2から処理容器3に搬
送する搬送機構42が設けられている。搬送機構42
は、反応容器2内の第一の基体ホルダー23から基体1
を取り上げ、搬送チャンバー4を経由して処理容器3内
の第二の基体ホルダー34に搬送するよう構成されてい
る。搬送機構42は、具体的には多関節ロボットであ
り、アームの先端に基体1を支持する支持プレートを備
えている。支持プレートの基板支持面には、基体1を静
電吸着する機構又は基体1の落下を防止する滑り止めが
必要に応じて設けられる。尚、搬送機構42は、搬送チ
ャンバー4を雰囲気を汚損しない工夫が成されているこ
とが好ましい。このような搬送機構42としては、例え
ば(株)メックス製のUTV−2500W等が使用でき
る。
て第一の実施形態の場合と同様に成膜を行った後、搬送
機構42が基体1を処理容器3に搬送し、第二の基体ホ
ルダー34に配置して保持させる。その後、第一の実施
形態の場合と同様に、処理容器3内で後処理が行われ
る。この第二の実施形態では、成膜後の基体1が大気に
晒されることなく反応容器2から処理容器3に搬送され
るので、大気中の塵埃が基体1に付着して汚損が生じた
り、大気中の酸素等を薄膜が取り込んでしまうことがな
い。このため、薄膜の品質が高く維持される。
実施形態の装置と大きく異なる第二の点は、電界設定手
段35が基体用高周波電源353によって構成されてい
る点である。基体用高周波電源353は、基体1に高周
波電圧を印加し高周波と前記高密度プラズマとの相互作
用により基体1に負の自己バイアス電圧を生じさせるよ
う構成されている。例えば、基体1が液晶ディスプレイ
用のガラス基板のように誘電体製である場合や、作成さ
れた窒化チタン薄膜と基体1との電気的接触が充分でな
い場合は、基体1に高周波電圧を印加する構成が有効で
ある。
4を介して高周波電力を第二の基体ホルダー34に供給
することで、基体1に高周波電圧を印加するようになっ
ている。尚、基体1及び基体ホルダー34がいずれも導
体である場合、高周波の伝送経路に所定のコンデンサが
設けられ、コンデンサを介して基体1に高周波電圧を印
加するよう構成される。コンデンサ等のキャパシタンス
を介して基体1に高周波電圧を印加すると、前述した高
周波アンテナ331の場合と同じように、キャパシタン
スの充放電にプラズマ中の電子と正イオンが作用し、電
子と正イオンの移動度の違いによって基体1に負の自己
バイアス電圧が生じる。
ある。図4において、V1 はキャパシタンスの高周波電
源側の電圧、V2 はキャパシタンスのプラズマ側の電圧
(基体1の表面の電圧)を示している。図4に示すよう
に、基体用高周波電源353によってキャパシタンスを
介して高周波電圧を基体1に印加すると、キャパシタン
スのプラズマ側では、高周波とプラズマとの相互作用に
より、高周波電圧V1に負の直流電圧(自己バイアス電
圧Vb )を重畳したような波形の高周波電圧V2 が与え
られる。この負の自己バイアス電圧Vb も、前記負の直
流電源351によって基体1に負の直流電圧を与える場
合と同様、プラズマPと基体1との間に基体1に垂直な
イオン引き出し用電界を設定し、プラズマP中から正イ
オンを引き出して基体1に垂直に入射させるよう作用す
る。このため、微細なホールの底面まで効率よく正イオ
ンが到達して後処理の効果が高く得られる。
周波数13.56MHzで出力300W程度のものが使
用できる。この際、−30V程度の自己バイアス電圧V
b が基体1に与えられる。尚、基体用高周波電源353
の周波数は、13.56MHzには特に限定されず、1
00kHzから1500MHzの範囲で適宜選定され
る。100kHzを下回る周波数であると、整合回路3
54の設計が難しくなり、実用上の問題が生ずる。ま
た、周波数が1500MHzを越えると、表皮効果が高
くなるため、図1に示すような基板ホルダー34を介し
ての基体1への高周波印加は大変難しくなる。
ーの分布は、基体用高周波電源353が与える高周波の
周波数により異なってくる。一般に、プラズマPのイオ
ン振動数よりも基体1に印加する高周波の周波数が低い
場合、基体1に印加される高周波電界の変化にイオンは
追従して運動することができる。このため、イオンのエ
ネルギーは高周波電界の波高値の大きさにより決まる。
このことから、イオンのエネルギー分布は高エネルギー
成分から低エネルギー成分まで広いエネルギー分布を持
つ。
体1に印加する高周波の周波数が大きい場合、基体1に
印加される高周波電界の変化にイオンは追従して運動す
ることができない。このため、イオンのエネルギーは高
周波電界の波高値の大きさによって決まらず、基体1に
誘起される自己バイアス電圧とプラズマPの空間電位と
の差によって決まる。このことから、イオンのエネルギ
ー分布は狭く、基体1へのイオン入射を高い制御性をも
って制御することができる。このため、後処理の効果を
高く得ることができる。
実施形態と同様である。この第二の実施形態において
も、TDAATを使用した熱CVDによってボトムカバ
レッジ率良く窒化チタン薄膜を作成しておき、その窒化
チタン薄膜に対してホールの底面まで効率よく短時間に
後処理が行える。このため、高アスペクト比のホール内
に良質な拡散防止膜や密着層膜を形成するのに最適な方
法及び装置となる。
成装置について説明する。図5は、第三の実施形態の薄
膜作成装置の概略構成を示した正面図である。この第三
の実施形態は、プラズマ形成手段として、ヘリコン波プ
ラズマを形成するヘリコン波プラズマ形成手段38が使
用されている点が、前述した各実施形態と異なってい
る。即ち、ヘリコン波プラズマ形成手段38は、処理容
器3に気密に接続された誘電体容器381と、誘電体容
器381の周囲に配設されたヘリコン波アンテナ382
と、ヘリコン波アンテナ382に所定の高周波電力を供
給するヘリコン波高周波電源383と、ヘリコン波アン
テナ382の周囲に設けられた電磁石384とから主に
構成されている。
半球状に形成された円筒状の形状であり、石英ガラス等
で形成される。半球状の誘電体容器381が使用される
場合もある。ヘリコン波アンテナ382は、リング状の
アンテナ素子を上下に所定間隔で配置して中継ロッドで
繋いだ形状である。各アンテナ素子には互いに逆向きの
周方向の高周波電流が流れる。ヘリコン波アンテナ38
2によって誘電体容器381内に誘起される高周波はホ
イスラー波と同じ右回りの円偏波(ヘリコン波)であ
る。電磁石384は、誘電体容器381の軸方向に沿っ
て磁場を設定するためのものである。磁束密度は、誘電
体容器381の中心軸付近で100ガウス程度である。
を処理容器3内に導入すると、後処理用ガスは誘電体容
器381内に拡散する。この状態でヘリコン波高周波電
源383が動作して、整合回路385を介して所定の高
周波電力がヘリコン波アンテナ382に供給されると、
ヘリコン波アンテナ382によって誘起された高周波電
界から後処理用ガスがエネルギーを与えられ、ヘリコン
波プラズマが形成される。
ラズマを形成できる技術として最近注目されているもの
であるが、そのエネルギー伝達メカニズムは完全に明ら
かではない。一般的には、ランダウ減衰と呼ばれる現象
により高周波から電子にエネルギーが与えられるものと
考えられている。即ち、磁場により回転しながら移動す
る電子の移動速度がヘリコン波の位相速度に等しいと
き、電子から見てヘリコン波は止まっているのと同様な
ので、電子はヘリコン波から連続的に加速されてエネル
ギーを吸収し、これによって高密度プラズマが形成され
るのである。例えば、ヘリコン波高周波電源383から
周波数13.56MHz出3000Wの高周波電力を供
給すると、1Pa程度の圧力で1012個/cm3 程度の
高密度プラズマが形成できる。
実施形態と同様である。この実施形態においても、TD
AATを使用した熱CVDによってボトムカバレッジ率
良く窒化チタン薄膜を作成しておき、その窒化チタン薄
膜に対してホールの底面まで効率よく短時間に後処理が
行える。このため、高アスペクト比のホール内に良質な
拡散防止膜や密着層膜を形成するのに最適な方法及び装
置となる。
して、以下のような条件で窒化チタン薄膜を作成するこ
とができる。まず、反応容器2における窒化チタン薄膜
の作成条件としては、以下の条件が採用できる。 原料ガスの種類:TDEAT 原料ガスの流量:0.05g/分 キャリアガスの種類:窒素 キャリアガスの流量:300cc/分 添加ガス:アンモニア 成膜圧力:4Pa 基体:直径6又は8インチのシリコン半導体ウェーハ 成膜温度:300℃ 上記条件により、実際に成膜を行ったところ、50オン
グストローム/分程度の成膜速度で窒化チタン薄膜を作
成することができた。また、開口の直径が0.25μm
でアスペクト比5.5のホールに対するボトムカバレッ
ジ率は90%という高い値であった。尚、作成した直後
の窒化チタン薄膜の比抵抗は、約7000μΩcmであ
った。
して、以下の条件が採用できる。 後処理用ガス:N2 、H2 及びArの混合ガス 後処理用ガスの流量比:N2 :H2 :Ar=3:5:1 後処理用ガスの全流量:80cc/分 後処理時の圧力:0.27Pa プラズマ用高周波電源:周波数13.56MHz出力3
kW 電界設定手段:第二の基体ホルダーへの−30Vの電圧
印加 後処理中の基体の温度:150℃ この条件により前記窒化チタン薄膜を後処理すると、5
0〜60オングストロームの深さにわたって比抵抗は約
300μΩcmまで低下した。この際に要した時間は、
3分程度であった。
実施例について説明すると、成膜条件は上記第一の実施
例と同様で良い。また、後処理の条件としては、上記第
一の実施例において、電界設定手段35として周波数1
3.56MHz出力300Wの基体用高周波電源353
を採用し、−30V程度の自己バイアス電圧を基体1に
印加するする例が挙げられる。この第二の実施例による
と、アスペクト比4のホールに対して80%のボトムカ
バレッジ率で比抵抗80μΩcm以下に改質された窒化
チタン薄膜が作成できた。
引き出し用電界の強度が後処理に与える影響について説
明する。図6は、電界設定手段35が設定するイオン引
き出し用電界の強度が後処理に与える影響について説明
した図であり、第一の実施例において第一の基体ホルダ
ー23に印加する負の直流電圧と後処理後の窒化チタン
薄膜の比抵抗との関係を示した図である。この図6に
は、上記第一の実施例の条件において、第二の基体ホル
ダー34に印加する負の直流電圧を値を変化させながら
後処理を行った実験の結果が示されている。図6から分
かる通り、基体ホルダー34に印加する負の直流電圧
(の絶対値)を大きくしていくと、後処理後の窒化チタ
ン薄膜の比抵抗は指数関数的に減少していく。これは、
負の直流電圧が大きくなると、プラズマPと基体1との
間のイオン引き出し用電界の強度(電位傾度)が大きく
なり、プラズマP中のイオンがより多く薄膜に入射した
結果によるものと判断される。
設定する電界の強度が後処理に与える影響について説明
した図であり、上記第一の実施例において第二の基体ホ
ルダー34に印加する負の直流電圧と後処理時にスパッ
タエッチングされる窒化チタン薄膜の量(単位時間当た
りの膜厚減少量)との関係を示した図である。図7にお
いて、「ソース電力」とは、プラズマ用高周波電源33
1が高周波アンテナ333に供給する電力のことであ
る。
めにはイオン引き出し用電界の強度を高くすることが有
効であるが、あまり電界強度を高くすると、イオンによ
って薄膜がスパッタされて膜厚が減少する問題が顕在化
する。図7は、この問題を調査した実験の結果を示した
ものであり、第二の基体ホルダー34に印加する負の直
流電圧を大きさを変化させながら、膜厚がどの程度減少
するかを測定した結果を示している。
4に印加する負の直流電圧が0〜−25V程度までの条
件では膜厚は殆ど減少しないが、−25Vを越えると、
膜厚の減少が顕在化してくる。図6からは明らかではな
いが、実用上考えられる最も小さな1000Wのソース
電力の条件において、基体ホルダー34に印加する負の
直流電圧が−100Vを越えると、膜厚の減少は2.5
nm/分を越え、実用上問題が生じる。従って、基体ホ
ルダー34に印加する負の直流電圧は−100V以下で
あることが好ましい。また、基体ホルダー34に印加す
る負の直流電圧が−5V以下になると、比抵抗を改善す
る効果は、電圧を印加しない場合と殆ど変わらない。従
って、基体ホルダー34に印加する負の直流電圧は−5
V以上とすることが好ましい。
るイオン引き出し用電界の強度が後処理に与える影響に
ついて説明した図であり、第二の実施例において第二の
基体ホルダー34に供給する高周波電力の大きさとと後
処理後の窒化チタン薄膜の比抵抗との関係を示した図で
ある。この図8には、上記第二の実施例の条件におい
て、第二の基体ホルダー34に供給する高周波電力の値
を変化させながら後処理を行った実験の結果が示されて
いる。図8から分かる通り、基体ホルダー34に供給す
る高周波電力を大きくしていくと、後処理後の窒化チタ
ン薄膜の比抵抗は減少していく。これは、高周波電力が
大きくなると、基体1に与えられる負の自己バイアス電
圧(の絶対値)が大きくなり、プラズマPと基体1との
間のイオン引き出し用電界の強度(電位傾度)が大きく
なってプラズマP中のイオンがより多く薄膜に入射した
結果によるものと推定される。
の関係について調べた結果の図であり、高周波電力を変
えながら、基体1に与えられる負の自己バイアス電圧
(図4のVb の大きさ)を測定した結果が示されてい
る。図9に示す通り、第二の基体ホルダー34に供給す
る高周波電力を大きくしていくと、基体1に与えられる
負の自己バイアス電圧は大きくなることが分かり、上記
推定の正しいことが確認される。また、図9から分かる
通り、ソース電力が大きくなると、自己バイアス電圧は
逆に小さくなる。これは、次のような理由である。一般
に、ソース電力が高くなるとプラズマ密度が高くなる。
プラズマ密度が高くなると、プラズマ中に流れる電流が
大きくなるので、基体バイアス用電力(基体用高周波電
源353が第二の基体ホルダー34に供給する高周波電
力)を一定に維持した場合、自己バイアス電圧は小さく
なる。つまり、一定の基体バイアス用電力下では、ソー
ス電力が大きくなるにつれ、自己バイアス電圧は小さく
なるのである。
多く使用される2〜3kWのソース電力の条件では、基
板用高周波電源の出力を1kW以上にすると、自己バイ
アス電圧は−100V以上になり、前述の通り窒化チタ
ン薄膜をスパッタエッチングしてしまう問題が顕在化す
る。従って、基体用高周波電源353の出力は1kW以
下にすることが好ましい。また、基体用高周波電源35
3の出力が50Wを下回ると、いずれのソース電力の条
件においても自己バイアス電圧は−10Vを下回るよう
になる。従って、自己バイアス電圧がこの程度まで小さ
くなると、イオン引き出し用電界の強度が小さくなるの
で、効率的なイオンの引き出しができなくなり、窒化チ
タンの後処理の処理速度が低下する問題がある。このた
め、基体用高周波電源353の出力は50W以上である
ことが好ましい。
に誘起される自己バイアス電圧の大きさは、基体バイア
ス用電力の大きさとソース電力の大きさとの組み合わせ
によっても決まる。この点を以下に説明する。図10
は、自己バイアス電圧の制御について説明図であり、自
己バイアス電圧を−100V以下に抑える条件の一例に
ついて説明した図である。上述した通り、一定のソース
電力下で基体バイアス用電力を大きくすると自己バイア
ス電圧は大きくなり、一定基体バイアス用電力下でソー
ス電力を大きくすると自己バイアス電圧は小さくなる。
従って、自己バイアス電圧をある限度以下に保つには、
ソース電力を大きくした場合には基体バイアス用電力を
小さくし、基体バイアス用電力を大きくした場合にはソ
ース電力を小さくする。図10は、この関係について、
水素、窒素及びアルゴンの混合ガスのプラズマ(圧力
0.3Pa)を例にとって示したものである。図10
中、斜線で示す領域の条件において自己バイアス電圧は
−100V以下になる。従って、領域内でソース電力と
基体バイアス用電力とを選定することが好ましい。
又は各実施例の構成によれば、高アスペクト比のホール
内に充分なボトムカバレッジ率で化学的に安定な高品質
の窒化チタン薄膜を作成することが可能となる。このた
め、益々集積度が高まる次世代のデバイスの製造に非常
に有効である。具体的には、例えば、256メガビット
DRAMの拡散防止膜として要求されている開口直径
0.25μmアスペクト比5.5のコンタクトホール
に、90%以上のボトムカバレッジ率で、且つ、産業上
有用である5nm/分程度の成膜速度で窒化チタン薄膜
が作成できる上、その比抵抗を200μΩcm程度まで
小さくする改質が当該コンタクトホールの底部まで確実
に行える。
用ガスとして窒素と水素とアルゴンの混合ガスが使用さ
れたが、窒素とアルゴンの混合ガスでもよい。また、ア
ンモニア等のガスを用いても、窒化チタン薄膜の後処理
ができる可能性がある。また、前述した通り、アルゴン
は気体放電の放電開始電圧を低くするために導入されて
いる。即ち、アルゴンのようなイオン化エネルギーの小
さいガスを混合すると、比較的低い電圧でも放電を開始
できるようになる。従って、後処理の効果をもたらすガ
スに比べてイオン化エネルギーが低く、他のガス分子と
の反応等により窒化チタン薄膜を汚損する恐れのないガ
スであれば、アルゴン以外の他のガスを用いてもよい。
m3 以上の低圧高密度プラズマを形成するプラズマ形成
手段の構成としては、前述したシングルループタイプの
高周波アンテナを使用した第一第二の実施形態の構成の
他、ダブルループタイプやコイル状の高周波アンテナ、
さらに渦巻き状の高周波アンテナ等を使用することがで
きる。また、ヘリコン波プラズマを形成する第三の実施
形態の他、電子サイクロトロン共鳴(ECR)方式のプ
ラズマ形成手段によっても、10Pa以下の圧力で10
10個/cm3 以上の高密度プラズマを形成することがで
きる。
ATの他、テトラキスジアルキルメチルチタン(TDM
AT)等の他のTDAATを使用することができる。但
し、TDEATやTDMATは、他のTDAATに比べ
て蒸気圧が高く、原料供給の際に扱い易いというメリッ
トがある。
器2と処理容器3とを一つにする構成も可能である。即
ち、例えば、第一の実施形態において、処理容器3に備
えられた後処理用ガス導入手段32及びプラズマ形成手
段33と同様のものを反応容器2に備えるようにすれ
ば、反応容器2内で窒化チタン薄膜の作成と後処理とを
連続してできるようになる。このような構成は、生産性
の点では劣るが、真空容器が一つで足りるので装置コス
トの点で有利であり、また占有スペースも小さくできる
メリットがある。
基体1には、前述した半導体ウェーハや液晶基板の他、
情報記録ディスク用の基板や各種センサーヘッド等が該
当する。
17記載の薄膜作成方法又は請求項18から34記載の
薄膜作成装置によれば、高アスペクト比のホール内に充
分なボトムカバレッジ率で化学的に安定な高品質の窒化
チタン薄膜を作成することが可能となる。このため、益
々集積度が高まる次世代のデバイスの製造に非常に有効
である。また、請求項4もしくは5の薄膜作成方法又は
請求項21もしくは22の薄膜作成装置によれば、上記
効果に加え、プラズマを形成する気体放電を容易に始動
させることができるので、プラズマ形成手段の構成が簡
略化できるというメリットがある。また、請求項6の薄
膜作成方法又は請求項23の薄膜作成装置によれば、上
記効果に加え、高周波誘導結合方式によってエネルギー
がプラズマに与えられるので、10Pa以下で1010個
/cm3 以上の低圧高密度プラズマを容易に得ることが
できる。また、請求項7の薄膜作成方法又は請求項24
の薄膜作成装置によれば、上記効果に加え、プラズマの
拡散が防止されるので、よりプラズマ密度が高くなる。
このため、後処理をより効率的に行うことでき、処理時
間を短くできる等のメリットがある。また、請求項8の
薄膜作成方法又は請求項25の薄膜作成装置によれば、
上記効果に加え、ホールの深さ方向に沿った電界によっ
てイオンが加速されるので、よりアスペクト比の高いホ
ールの底面に対してもより効率的に後処理をすることが
可能になる。このため、よりアスペクト比の高いホール
内に良質な窒化チタン薄膜を作成するのに適したものと
なる。また、請求項9の薄膜作成方法によれば、上記効
果に加え、アスペクト比5.5以上のホールに対して9
0%以上で窒化チタン薄膜を作成することができ、この
ようなホールを有するデバイスの製作に極めて有効とな
る。また、請求項10の薄膜作成方法又は請求項27の
薄膜作成装置によれば、上記効果に加え、スパッタエッ
チングによる膜厚減少を抑制しながら効果的に改質がで
きるので、実用上より好ましい結果が得られる。また、
請求項12の薄膜作成方法又は請求項29の薄膜作成装
置によれば、上記効果に加え、イオン引き出し用電界を
設定するための負の自己バイアス電圧を基体に充分与え
ることが可能なより実用的な構成になる。また、請求項
13の薄膜作成方法又は請求項30の薄膜作成装置によ
れば、上記効果に加え、負の自己バイアス電圧を与える
高周波の周波数がプラズマのイオン振動数より高いの
で、イオンのエネルギー分布が広くなって高エネルギー
成分をイオンが基体に入射する問題が回避される。この
ため、過剰なスパッタエッチングによる窒化チタン薄膜
の損傷が防止され、この点で好適な構成となる。また、
請求項14の薄膜作成方法又は請求項31の薄膜作成装
置によれば、上記効果に加え、充分な強度のイオン引き
出し用電界によって効率よく後処理が行えるとともに過
剰なスパッタエッチングによる窒化チタン薄膜の損傷が
防止され、この点で好適な構成となる。また、請求項1
5の薄膜作成方法又は請求項32の薄膜作成装置によれ
ば、自己バイアス電圧が−100V以下に抑えられるよ
うソース電力と基体バイアス用電力とが選定されるの
で、この点からも、過剰なスパッタエッチングによる窒
化チタン薄膜の損傷が防止されるという効果が得られ
る。また、請求項16の薄膜作成方法又は請求項33の
薄膜作成装置によれば、上記効果に加え、窒化チタン薄
膜の作成と後処理とが真空中で連続して行われるので、
窒化チタン薄膜が大気に晒されることによる酸素の取り
込みや塵埃の付着等の問題が回避される。この点でさら
に良質な窒化チタン薄膜の作成が可能となる。また、請
求項17の薄膜作成方法又は請求項34の薄膜作成装置
によれば、上記効果に加え、原料の蒸気圧が高いので、
原料供給の祭に原料を取扱い易く、原料ガスを供給する
手段の構成が容易となるという効果が得られる。
した正面図である。
石338の効果について説明した図であり、アンテナ電
位調整用磁石338のコイルに流れる電流と高周波アン
テナ331に生じた自己バイアス電圧との関係を調べた
実験の結果を示した図である。
した正面図である。
成を示した正面図である。
電界の強度が後処理に与える影響について説明した図で
あり、第一の実施例において基体ホルダー34に印加す
る負の直流電圧と後処理後の窒化チタン薄膜の比抵抗と
の関係を示した図である。
電界電界の強度が後処理に与える影響について説明した
図であり、第一の実施例において基体ホルダー34に印
加する負の直流電圧と後処理時にスパッタされる窒化チ
タン薄膜の量(単位時間当たりの膜厚減少量)との関係
を示した図である。
電界の強度が後処理に与える影響について説明した図で
あり、第二の実施例において基体ホルダー34に供給す
る高周波電力の大きさとと後処理後の窒化チタン薄膜の
比抵抗との関係を示した図である。
て調べた結果の図である。
り、自己バイアス電圧を−100V以下に抑える条件の
一例について説明した図である。
め、本願の請求項1記載の発明は、気化したテトラキス
ジアルキルアミノチタンからなる原料ガスを用いて化学
蒸着法により所定の基体表面に窒化チタンを主成分とす
る薄膜を作成する第一の工程と、作成された薄膜をプラ
ズマの作用を利用して改質する後処理を行う第二の工程
とを含む薄膜作成方法であって、前記第二の工程では、
所定の後処理用ガスを使用して10Pa以下の圧力で電
子密度1010個/cm3以上の低圧力高密度プラズマ
を形成するとともに、当該低圧高密度プラズマと基体と
の間に電界を設定し、この電界によって当該低圧高密度
プラズマからイオンを引き出して基体に入射させて前記
改質を行うという構成を有する。また、上記課題を解決
するため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成
において、前記後処理用ガスは、前記第一の工程で作成
された薄膜中に存在する炭素を除去するか、もしくは、
当該薄膜中に存在する未結合の反応基又は活性種と反応
して安定な化学種を生成するイオンを前記低圧高密度プ
ラズマ中で生成するものであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、
上記請求項2の構成において、前記後処理用ガスは、窒
素又は窒素と水素とを含むという構成を有する。また、
上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、上記
請求項1、2又は3の構成において、前記低圧高密度プ
ラズマは、気体放電によって形成されるものであり、前
記後処理用ガスには、当該気体放電の放電開始電圧を下
げる補助ガスが混合されているという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、
上記請求項4の構成において、前記補助ガスは、アルゴ
ンであるという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項6記載の発明は、上記請求項1、2、
3、4又は5の構成において、前記低圧高密度プラズマ
は、前記後処理用ガスに対して高周波エネルギーを与え
て形成され、当該高周波エネルギーは、誘導結合方式に
よって後処理用ガスに与えられるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明
は、上記請求項6の構成において、前記高周波エネルギ
ーは、一端がプラズマ用高周波電源に接続され他端が所
定のキャパシタンスを介して接地されているとともに前
記処理容器内に配置されている高周波アンテナを介して
前記後処理用ガスに与えられるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、
上記請求項1から7のいずれかの構成において、前記基
体の表面には微細なホールが形成されているとともに前
記窒化チタンを主成分とする薄膜は第一の工程において
このホールの内面を被覆するように作成され、前記電界
は、このホールの深さ方向に沿った向きに設定されてい
るという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項9記載の発明は、上記請求項8の構成におい
て、前記基体の表面に形成されたホールはアスペクト比
5.5以上の微細なホールであり、前記第一の工程で
は、成膜時の圧力を10Pa以下にして成膜を行うとい
う構成を有する。また、上記課題を解決するため、請求
項10記載の発明は、上記請求項1から9のいずれかの
構成において、前記電界は、−5V〜−100Vの範囲
内の負の直流電圧を基体に与えることにより設定される
という構成を有する。また、上記課題を解決するため、
請求項11記載の発明は、上記請求項1から9のいずれ
かの構成において、前記電界は、基体に高周波電力を印
加することで高周波とプラズマとの相互作用により生じ
る負の自己バイアス電圧によって設定されるという構成
を有する。また、上記課題を解決するため、請求項12
記載の発明は、上記請求項11の構成において、前記高
周波電力の周波数は、100kHz〜1500MHzの
範囲内であるという構成を有する。また、上記課題を解
決するため、請求項13記載の発明は、上記請求項11
又は12の構成において、前記高周波電力の周波数は、
前記低圧高密度プラズマのイオン振動数よりも高い周波
数とするという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項14記載の発明は、上記請求項11、1
2又は13の構成において、前記高周波電力の電力を、
50W〜1000Wとするという構成を有する。また、
上記課題を解決するため、請求項15記載の発明は、上
記請求項11、12、13又は14の構成において、前
記低圧高密度プラズマは、前記後処理用ガスに対して高
周波エネルギーを与えて形成されるものであり、この高
周波エネルギーの大きさと前記高周波電力の大きさと
は、前記自己バイアス電圧が−100V以下となるよう
に選定されるという構成を有する。また、上記課題を解
決するため、請求項16記載の発明は、上記請求項1か
ら15のいずれかの構成において、基体を大気に晒すこ
となく真空雰囲気に配置しながら前記第一の工程と前記
第二の工程を行うという構成を有する。また、上記課題
を解決するため、請求項17記載の発明は、前記テトラ
キスジアルキルアミノチタンはテトラキスジエテルアミ
ノチタン又はテトラキスジメチルルアミノチタンである
という構成を有する。また、上記課題を解決するため、
請求項18記載の発明は、テトラキスジアルキルアミノ
チタンからなる原料ガスの気相反応を利用して基体の表
面に窒化チタンを主成分とする薄膜を作成する反応容器
と、作成された薄膜を所定の特性に改質する後処理を行
う処理容器とを備えた薄膜作成装置であって、処理容器
は、内部に後処理用ガスを導入する後処理用ガス導入手
段と、導入された後処理用ガスにエネルギーを与えて1
0Pa以下の圧力で電子密度が1010個/cm3以上
の低圧高密度プラズマを形成して当該高密度プラズマ中
のイオンの作用によって前記後処理を行うプラズマ形成
手段と、形成した低圧高密度プラズマと基体との間に電
界を設定して前記高密度プラズマ中のイオンを基板に入
射させる電界設定手段とを有するという構成である。ま
た、上記課題を解決するため、請求項19記載の発明
は、上記請求項18の構成において、前記後処理用ガス
導入手段は、前記第一の工程で作成された薄膜中に存在
する炭素を除去するか、もしくは、当該薄膜中に存在す
る未結合の反応基又は活性種と反応して安定な化学種を
生成するイオンを前記低圧高密度プラズマ中で生成する
後処理用ガスを導入するものであるという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項20記載の
発明は、上記請求項19の構成において、前記後処理用
ガスは、窒素又は窒素と水素とを含むという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項21記載の
発明は、上記請求項18、19又は20の構成におい
て、前記プラズマ形成手段は、気体放電によって前記低
圧高密度プラズマを形成するものであり、前記後処理用
ガス導入手段は、当該気体放電の放電開始電圧を下げる
補助ガスを後処理用ガスに混合して導入するものである
という構成を有する。また、上記課題を解決するため、
請求項22記載の発明は、上記請求項21の構成におい
て、前記補助ガスは、アルゴンであるという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項23記載の
発明は、上記請求項18から22のいずれかの構成にお
いて、前記プラズマ形成手段は、前記後処理用ガスに対
して誘導結合方式によって高周波エネルギーを与えてプ
ラズマを形成するものであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項24記載の発明
は、上記請求項23の構成において、前記プラズマ形成
手段は、一端がプラズマ用高周波電源に接続され他端が
所定のキャパシタンスを介して接地されているとともに
前記処理容器内に配置されている高周波アンテナを介し
て前記後処理用ガスに高周波エネルギーを与えるもので
あるという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項25記載の発明は、上記請求項18から24
のいずれかの構成において、前記反応容器は、基体の表
面に形成された微細なホールの内面を被覆するよう前記
窒化チタンを主成分とする薄膜を作成するものであり、
前記電界設定手段は、当該薄膜で被覆された微細なホー
ルの深さ方向に沿った方向に前記電界を設定するもので
あるという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項26記載の発明は、上記請求項18から25
のいずれかの構成において、前記電界設定手段は、基体
を保持する基体ホルダーに負の直流電圧を印加する負の
直流電源によって構成されている。また、上記課題を解
決するため、請求項27記載の発明は、上記請求項26
の構成において、前記負の直流電源は、基体を保持する
基体ホルダーに−5Vから−100Vの電圧を印加する
ものであるという構成を有する。また、上記課題を解決
するため、請求項28記載の発明は、上記請求項18か
ら25のいずれかの構成において、前記電界設定手段
は、基体に高周波電圧を印加し高周波と前記低圧高密度
プラズマとの相互作用により基体に負の自己バイアス電
圧を生じさせる基体用高周波電源からなるという構成を
有する。また、上記課題を解決するため、請求項29記
載の発明は、上記請求項28の構成において、前記基体
用高周波電源は、基体を保持する基体ホルダーに、10
0kHz〜1500MHzの周波数の高周波電圧を印加
するものであるという構成を有する。また、上記課題を
解決するため、請求項30記載の発明は、上記請求項2
8の構成において、前記基体用高周波電源は、基体を保
持する基体ホルダーに、前記低圧高密度プラズマのイオ
ン振動数よりも高い周波数の高周波電圧を印加するもの
であるという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項31記載の発明は、上記請求項28、29
又は30の構成において、前記基体用高周波電源は、基
体を保持する基体ホルダーに、50〜1000Wの高周
波電力を供給するものであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項32記載の発明
は、上記請求項28、29、30又は31の構成におい
て、前記プラズマ形成手段は、前記後処理用ガスに対し
て高周波エネルギーを与えてプラズマを形成するもので
あり、この高周波エネルギーの大きさと前記高周波電力
の大きさとは、前記自己バイアス電圧が−100V以下
となるように選定されているという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項32記載の発明
は、上記請求項18から32のいずれかの構成におい
て、前記反応容器と前記処理容器とは気密に連通して接
続されており、前記基体を大気に晒すことなく前記反応
容器から前記処理容器に搬送する搬送機構を備えている
という構成を有する。また、上記課題を解決するため、
請求項33記載の発明は、上記請求項18から33のい
ずれかの構成において、前記テトラキスジアルキルアミ
ノチタンはテトラキスジエテルアミノチタン又はテトラ
キスジメチルアミノチタンであるという構成を有する。
Claims (34)
- 【請求項1】 気化したテトラキスジアルキルアミノチ
タンからなる原料ガスを用いて化学蒸着法により所定の
基体の表面に窒化チタンを主成分とする薄膜を作成する
第一の工程と、作成された薄膜をプラズマの作用を利用
して所定の特性に改質する後処理を行う第二の工程とを
含む薄膜作成方法であって、前記第二の工程では、所定
の後処理用ガスを使用して10Pa以下の圧力で電子密
度1010個/cm3 以上の低圧力高密度プラズマを形成
するとともに、当該低圧高密度プラズマと基体との間に
電界を設定し、この電界によって当該低圧高密度プラズ
マからイオンを引き出して基体に入射させて前記改質を
行うことを特徴とする薄膜作成方法。 - 【請求項2】 前記後処理用ガスは、前記第一の工程で
作成された薄膜中に存在する炭素を除去するか、もしく
は、当該薄膜中に存在する未結合の反応基又は活性種と
反応して安定な化学種を生成するイオンを前記低圧高密
度プラズマ中で生成するものであることを特徴とする請
求項1記載の薄膜作成方法。 - 【請求項3】 前記後処理用ガスは、窒素又は窒素と水
素とを含むことを特徴する請求項2記載の作成方法。 - 【請求項4】 前記低圧高密度プラズマは、気体放電に
よって形成されるものであり、前記後処理用ガスには、
当該気体放電の放電開始電圧を下げる補助ガスが混合さ
れていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の薄
膜作成方法。 - 【請求項5】 前記補助ガスは、アルゴンであることを
特徴とする請求項4記載の薄膜作成方法。 - 【請求項6】 前記低圧高密度プラズマは、前記後処理
用ガスに対して高周波エネルギーを与えて形成され、当
該高周波エネルギーは、誘導結合方式によって後処理用
ガスに与えられることを特徴とする請求項1、2、3、
4又は5記載の薄膜作成方法。 - 【請求項7】 前記高周波エネルギーは、一端がプラズ
マ用高周波電源に接続され他端が所定のキャパシタンス
を介して接地されているとともに前記処理容器内に配置
されている高周波アンテナを介して前記後処理用ガスに
与えられることを特徴とする請求項6記載の薄膜作成方
法。 - 【請求項8】 前記基体の表面には微細なホールが形成
されているとともに前記窒化チタンを主成分とする薄膜
は第一の工程においてこのホールの内面を被覆するよう
に作成され、前記電界は、このホールの深さ方向に沿っ
た向きに設定されていることを特徴とする請求項1から
7のいずれかに記載の薄膜作成方法。 - 【請求項9】 前記基体の表面に形成されたホールはア
スペクト比5.5以上の微細なホールであり、前記第一
の工程では、成膜時の圧力を10Pa以下にして成膜を
行うことを特徴する請求項8記載の薄膜作成方法。 - 【請求項10】 前記電界は、−5V〜−100Vの範
囲内の負の直流電圧を基体に与えることにより設定され
ることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の
薄膜作成方法。 - 【請求項11】 前記電界は、基体に高周波電力を印加
することで高周波とプラズマとの相互作用により生じる
負の自己バイアス電圧によって設定されることを特徴と
する請求項1から10のいずれかに記載の薄膜作成方
法。 - 【請求項12】 前記高周波電力の周波数は、100k
Hz〜1500MHzの範囲内であることを特徴とする
請求項11記載の薄膜作成方法。 - 【請求項13】 前記高周波電力の周波数は、前記低圧
高密度プラズマのイオン振動数よりも高い周波数とする
ことを特徴とする請求項12記載の薄膜作成方法。 - 【請求項14】 前記高周波電力を、50W〜1000
Wとすることを特徴とした請求項11、12又は13記
載の薄膜作成方法。 - 【請求項15】 前記低圧高密度プラズマは、前記後処
理用ガスに対して高周波エネルギーを与えて形成される
ものであり、この高周波エネルギーの大きさと前記高周
波電力の大きさとは、前記自己バイアス電圧が−100
V以下となるように選定されることを特徴とする請求項
11、12、13又は14記載の薄膜作成方法。 - 【請求項16】 基体を大気に晒すさせることなく真空
雰囲気に配置しながら前記第一の工程と前記第二の工程
を行うことを特徴とする請求項1から15のいずれかに
記載の薄膜作成方法。 - 【請求項17】 前記テトラキスジアルキルアミノチタ
ンは、テトラキスジエチルアミノチタン又はテトラキス
ジメチルアミノチタンであることを特徴とする請求項1
から16のいずれかに記載の薄膜作成方法。 - 【請求項18】 気化したテトラキスジアルキルアミノ
チタンからなる原料ガスを用いて化学蒸着法により所定
の基体の表面に窒化チタンを主成分とする薄膜を作成す
る反応容器と、作成された薄膜を所定の特性に改質する
後処理を行う処理容器とを備えた薄膜作成装置であっ
て、 処理容器は、内部に後処理用ガスを導入する後処理用ガ
ス導入手段と、導入された後処理用ガスにエネルギーを
与えて10Pa以下の圧力で電子密度が1010個/cm
3 以上の低圧高密度プラズマを形成して当該低圧高密度
プラズマ中のイオンの作用によって前記後処理を行うプ
ラズマ形成手段と、形成した低圧高密度プラズマと基体
との間に電界を設定して前記高密度プラズマ中のイオン
を基体に入射させる電界設定手段とを有する薄膜作成装
置。 - 【請求項19】 前記後処理用ガス導入手段は、前記第
一の工程で作成された薄膜中に存在する炭素を除去する
か、もしくは、当該薄膜中に存在する未結合の反応基又
は活性種と反応して安定な化学種を生成するイオンを前
記低圧高密度プラズマ中で生成する後処理用ガスを導入
するものであることを特徴とする請求項18記載の薄膜
作成装置。 - 【請求項20】 前記後処理用ガスは、窒素又は窒素と
水素とを含むことを特徴する請求項19記載の薄膜作成
装置。 - 【請求項21】 前記プラズマ形成手段は、気体放電に
よって前記低圧高密度プラズマを形成するものであり、
前記後処理用ガス導入手段は、当該気体放電の放電開始
電圧を下げる補助ガスを後処理用ガスに混合して導入す
るものであることを特徴とする請求項18、19又は2
0記載の薄膜作成装置。 - 【請求項22】 前記補助ガスは、アルゴンであること
を特徴とする請求項21記載の薄膜作成装置。 - 【請求項23】 前記プラズマ形成手段は、前記後処理
用ガスに対して誘導結合方式によって高周波エネルギー
を与えてプラズマを形成するものであることを特徴とす
る請求項18から22のいずれかに記載の記載の薄膜作
成装置。 - 【請求項24】 前記プラズマ形成手段は、一端がプラ
ズマ用高周波電源に接続され他端が所定のキャパシタン
スを介して接地されているとともに前記処理容器内に配
置されている高周波アンテナを介して前記後処理用ガス
に高周波エネルギーを与えるものであることを特徴とす
る請求項23に記載の薄膜作成装置。 - 【請求項25】 前記反応容器は、基体の表面に形成さ
れた微細なホールの内面を被覆するよう前記窒化チタン
を主成分とする薄膜を作成するものであり、前記電界設
定手段は、当該薄膜で被覆された微細なホールの深さ方
向に沿った方向に前記電界を設定するものであることを
特徴とする請求項18から24のいずれかに記載の薄膜
作成装置。 - 【請求項26】 前記電界設定手段は、基体を保持する
基体ホルダーに負の直流電圧を印加する負の直流電源に
よって構成されていることを特徴とする請求項18から
25のいずれかに記載の薄膜作成装置。 - 【請求項27】 前記負の直流電源は、基体を保持する
基体ホルダーに−5Vから−100Vの電圧を印加する
ものであることを特徴とする請求項第26に記載の薄膜
作成装置。 - 【請求項28】 前記電界設定手段は、基体に高周波電
圧を印加し高周波と前記低圧高密度プラズマとの相互作
用により基体に負の自己バイアス電圧を生じさせる基体
用高周波電源からなることを特徴とする請求項18から
25のいずれかに記載の薄膜作成装置。 - 【請求項29】 前記基体用高周波電源は、基体を保持
する基体ホルダーに、100kHz〜1500MHzの
周波数の高周波電圧を印加するものであることを特徴と
する請求項第28記載の薄膜作成装置。 - 【請求項30】 前記基体用高周波電源は、基体を保持
する基体ホルダーに、前記低圧高密度プラズマのイオン
振動数よりも高い周波数の高周波電圧を印加するもので
あることを特徴とする請求項29記載の薄膜作成装置。 - 【請求項31】 前記基体用高周波電源は、基体を保持
する基体ホルダーに、50W〜1000Wの高周波電力
を供給するものであることを特徴とする請求項28、2
9又30記載の薄膜作成装置。 - 【請求項32】 前記プラズマ形成手段は、前記後処理
用ガスに対して高周波エネルギーを与えてプラズマを形
成するものであり、この高周波エネルギーの大きさと前
記高周波電力の大きさとは、前記自己バイアス電圧が−
100V以下となるように選定されている請求項28、
29、30又は31記載の薄膜作成装置。 - 【請求項33】 前記反応容器と前記処理容器とは気密
に連通して接続されており、前記基体を大気に晒すこと
なく前記反応容器から前記処理容器に搬送する搬送機構
を備えていることを特徴とする請求項18から32のい
ずれかに記載の薄膜処理装置。 - 【請求項34】前記テトラキスジアルキルアミノチタン
は、テトラキスジエチルアミノチタン又はテトラキスジ
メチルアミノチタンであることを特徴とする請求項18
から33のいずれかに記載の薄膜作成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002134436A (ja) * | 2000-10-16 | 2002-05-10 | Applied Materials Inc | プラズマ処理装置及び方法並びに基板生産物 |
KR100792152B1 (ko) | 2006-07-11 | 2008-01-04 | 한국원자력연구원 | 플라즈마 방전을 이용한 전극촉매용 백금계 금속 박막 제조장치 및 이를 이용한 전극촉매용 백금계 금속 박막의 제조방법 |
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