JPH1161140A - 廃棄物炭化処理方法 - Google Patents

廃棄物炭化処理方法

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JPH1161140A
JPH1161140A JP9222587A JP22258797A JPH1161140A JP H1161140 A JPH1161140 A JP H1161140A JP 9222587 A JP9222587 A JP 9222587A JP 22258797 A JP22258797 A JP 22258797A JP H1161140 A JPH1161140 A JP H1161140A
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JP
Japan
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heating
carbonization
waste
time
temperature
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Application number
JP9222587A
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English (en)
Inventor
Akio Kase
昭雄 加瀬
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物を、バースト現象が発生しないよう
な理想的な熱分解ガス発生曲線に沿って炭化処理し、燃
焼性能及び触媒性能が十分に発揮される炭化処理方法を
提供する。 【解決手段】 各種の廃棄物について、加熱温度及び処
理量に応じた処理時間を、加熱により廃棄物から発生す
る熱分解ガスの加熱温度に依存する発生量が、燃焼室の
燃焼性能及び触媒性能を超越しないように予め設定して
記憶させておき、炭化処理を行う時は、当該被処理物の
種類及び処理量を指定して、指定された種類の廃棄物の
設定データを読出し、炭化室に設けた温度センサからの
測定データ及び計時手段からの測定データと前記設定デ
ータとに基づいて、処理時間の経過とともに加熱手段を
制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機質廃棄物等の
可燃物を炭化処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機質廃棄物である可燃物の処理
方法として、焼却炉を用いて焼却処理するのではなく、
炭化炉を用いて炭化処理する方法が、例えば、特開平7
−280236号公報により知られている。
【0003】炭化炉は、廃棄物投入口を有する炭化室
と、その炭化室の外周を囲み、加熱手段を有する加熱室
と、炭化室から発生する排ガス及び加熱室から発生する
熱分解ガスを受け入れて、これを燃焼させる燃焼手段を
有する燃焼室とからなっている。燃焼室のガス排出口に
は脱臭用触媒が備えられ、また、炭化室の底部には炭出
し口が設けられている。
【0004】そして、炭化炉を運転するに際しては、加
熱温度設定手段及び処理時間設定手段を処理対象廃棄物
の種類及び処理量に対応して操作して加熱温度及び処理
時間の設定を行い、廃棄物(以下、被処理物という場合
がある)を炭化室に投入した後、炭化処理(加熱手段及
び燃焼手段を駆動して、被処理物を脱水、加熱・乾燥、
炭化させるとともに、被処理物から発生する熱分解ガス
を燃焼させる処理)を行い、炭化室の冷却を待って、最
後に、炭化室に生成された炭を排出する。
【0005】従来の炭化処理方法においては、図9にす
ように、被処理物の水分蒸発温度である100℃よりも
高い加熱温度(To)を設定するとともに、加熱開始時
点(t1 )から所定量の被処理物の炭化が終了するまで
要する時間(H)を処理時間(加熱手段を制御する時
間)として設定し、加熱手段による加熱の開始後、炭化
室内温度を検出するために設けられた温度センサが設定
温度(To)と等しい温度を検出するまで加熱を続行さ
せ、設定温度(To)と等しい温度を検出した時点(t
2 )に加熱を停止し、設定時間(H)が経過するまでは
温度センサの検出温度が設定温度よりも低くなる度に設
定温度になるまで加熱と加熱停止の制御を行い、設定時
間(H)が経過した時点(t3 )に炭化工程が終了した
ものとして、加熱手段に対する制御を終了していた。
【0006】
【解決しようとする技術課題】ところで、上記加熱温度
の設定は、被処理物の種類、投入量、及び設定される処
理時間などの温度設定要因を考慮して行われるが、設定
された温度と温度設定要因の組合わせによって、とくに
設定温度と設定時間との組合わせによって、被処理物か
らの熱分解ガスの発生量と時間との相関関係(熱分解ガ
ス発生曲線)が大幅に異なり、ある種類の被処理物(例
えば、麦茶殻、ジャガイモの皮、ギョウザの皮、麺類な
どの澱粉質成分の多い物)の場合は、ある加熱温度と処
理時間の組合わせによっては、燃焼室での完全燃焼条件
を崩壊させる、すなわち、燃焼室の燃焼性能及び触媒性
能を超越する、急激に大量の熱分解ガスが発生する現象
(以下、便宜的にバースト現象という)が生じる場合が
ある。
【0007】図9は、上記従来の炭化処理方法により炭
化処理を行う場合の設定温度と、処理時間と、被処理物
からの熱分解ガスの発生量との関係を示すグラフであ
る。曲線C3は、被処理物の種類が澱粉成分の多い麦
茶、処理量が350Kgである場合、炭化処理時間を短
縮するため、設定温度Toを130℃と高く設定し、処
理時間Hを4時間と設定して処理した時の炭化室温度の
変化曲線であり、曲線C4は、この時の熱分解ガス発生
曲線である。加熱手段に着火した時点t1 から一定の時
間の乾燥工程においては、設定温度が130℃でも、被
処理物に水分が含まれているために、炭化室内温度はほ
ぼ100℃で推移するが、水分が無くなり初めると上昇
し、炭化工程が始まって、設定温度130℃が検知され
た時点t2 で加熱手段の動作を停止しても、加熱室の残
留熱エルネギーにより、炭化室内温度は設定温度よりも
に遥かに上昇する。このため、被処理物からの熱分解ガ
ス発生量が急激に増え、安全ゾーンから危険ゾーンに突
入する。図9は、斜線で示された部分Bの積で表される
ガス発生量がバースト現象を発生した例を示している。
【0008】別の種類の被処理物の場合も、その処理量
に対応する設定温度が高すぎる場合は、発生時間とガス
発生量は異なるものの、同様のバースト現象が起こる。
【0009】バースト現象が発生した時は、燃焼室の燃
焼性能及び触媒性能が不全になるため、燃焼室のガス排
出口又は煙突から黒煙、炎、臭などが発生して大気を汚
染したり、火災や火傷を発生したりする危険があり、炭
化処理装置としては致命的な問題である。
【0010】本発明は、被処理物の種類に応じて、バー
スト現象が発生しないような、理想的な熱分解ガス発生
曲線に沿った処理が行われ、燃焼性能及び触媒性能が十
分に発揮される炭化処理方法を提供することを課題とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】単位時間当りの熱分解ガ
ス発生量は、被処理物の乾燥後に印加される熱量に依存
する。検出温度が設定温度に到達して加熱が停止された
後の、加熱室及び炭化室の残留エネルギーが過大な場合
は、乾燥した被処理物が炭化直前の短時間の内に一斉に
熱分解を行うため、急激大量のガスが発生してバースト
現象が発生するのである。
【0012】本願発明者らは、上記の点に着眼し、図1
に示すように、被処理物の種類に応じて、適切な加熱温
度(Tn)を設定し、加熱開始時点(t1)から炭化室温
度が設定温度(Tn)に等しくなった時点(t2 )に加
熱を停止した時の加熱室及び炭化室の残留熱エネルギー
が、炭化直前の被処理物を一斉急激に熱分解させないよ
うな、すなわち、熱分解ガス発生曲線C2 が分岐点を越
えないようなものとなるように、上記加熱温度(Tn)
を設定すれば良いことを想起した。被処理物の熱分解
が、行われる温度帯及び最も活発に行われる温度は、被
処理物の種類により異なる。従って、設定温度(Tn)
は、同一種類の被処理物に対しては、処理量の多寡に関
わり無く、同一であって良い。しかし、被処理物の加熱
開始後又は乾燥開始後、炭化終了までの時間(H又はH
´)は、処理量により異なる。従って、処理時間(H又
はH´)は、被処理物の処理量に応じて、最小の時間
で、しかも、被処理物が完全に炭化されるように設定す
る必要がある。こうして、同一の種類の被処理物につい
ては、乾燥工程において同一の設定温度に到達した時点
(t2 )に加熱を中止し、処理量に応じて設定された適
切な処理時間(H又はH´)の経過を待てば、バースト
現象を発生することなく、確実安全に炭化処理を行うこ
とができる。
【0013】本発明方法は、被処理物の種類及び処理量
の指定をすれば、その種類に対応する加熱温度と、処理
量に対応する処理時間とが、それぞれ自動的に設定され
て、加熱手段の制御が行われるようにしたものである。
そして、設定温度は、温度センサにより検出される炭化
室温度が設定温度になったことに基づき加熱が停止され
た場合に、バースト現象が発生しない理想的な熱分解ガ
ス発生曲線に沿った熱分解ガス発生曲線が得られるよう
に決定される。
【0014】処理量に対応する処理時間の設定は、複数
の代表的処理量の被処理物が加熱手段の着火時点から炭
化を終了するまでに要する時間(H)又は炭化室温度が
水分蒸発温度に達してから炭化を終了するまでに要する
時間(H´)の実測値に基づいて、一定の処理量に対応
する処理時間を設定し、その設定データを記憶させてお
き、入力された処理量に対応する設定データを読出すこ
とにより実現することができる。
【0015】また、処理量に対応する処理時間の設定
は、標準的処理量の被処理物の場合の、加熱手段の着火
時点から炭化を終了するまでに要する時間(H)又は炭
化室温度が水分蒸発温度に達してから炭化を終了するま
でに要する時間(H´)の実測値に基づいて、実際の処
理量に比例する所定比例定数を含む比例式に基づいて演
算して、処理量が入力される度に、当該処理量の場合の
処理時間を求めることにより、実現することができる。
【0016】すなわち、本発明による炭化処理方法は、
上記課題を解決するため、被処理物の種類及び処理量に
応じて、バースト現象発生条件が満たされない範囲で設
定された加熱温度及び処理時間の設定データを記憶して
おき、炭化処理を行う時は、当該被処理物の種類及び処
理量を指定することにより、その指定に係る被処理物の
加熱温度及び処理時間の設定データを読出し、炭化室に
設けた温度センサからの測定データ及び計時手段からの
測定データと前記設定データとに基づいて、処理時間の
経過とともに加熱手段の制御を行うようにしたことを特
徴としている。上記構成より、炭化処理を行う場合は、
まず、処理予定の被処理物の種類及び処理量を指定す
る。これにより、当該被処理物について設定温度及び処
理時間の設定データが記憶部から読み出され、制御部に
与えられる。炭化室に所定の処理量の被処理物を投入
し、加熱手段を起動させると、制御部は設定データと温
度センサからの測定データ及び計時手段からの測定デー
タとに基づいて、加熱手段の運転・停止を制御する。す
なわち、理想的な熱分解ガス発生曲線に沿った炭化処理
が実行される。従って、バースト現象の発生が防止さ
れ、安全かつ確実に被処理物が処理される。
【0017】上記処理方法は、廃棄物の種類の標準的処
理量Vsの場合の加熱温度Ts及び処理時間Hsを、加
熱により廃棄物から発生する熱分解ガスの加熱温度に依
存する発生量が、燃焼室の燃焼性能及び触媒性能を超越
しないように予め設定し、処理予定の廃棄物の処理量V
xに対する処理時間Hxを、比例式 Hx=Hs×C(Vx/Vs) ただし、Cは比例定数 により求めて、設定データを得ることにより実現するこ
ともできる。上記比例式を用いる場合は、処理予定の被
処理物の処理量を入力するだけで、適切な処理時間Hx
が設定され、これに基づいて加熱手段が制御される。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の炭化処理方法につ
いて説明する前に、本発明方法が使用される炭化処理装
置の一例について、図2以下の図面に基づいて説明す
る。図2は炭化処理装置の縦断面図、図3は制御装置を
説明するためのブロック構成図、図4は記憶部に記憶さ
れる設定データの一例を示す説明図、図5は制御装置の
要部を説明する概念図、図6は炭化処理装置の作用を説
明するフローチャート、図7は図6の炭化処理の詳細を
説明するフローチャート、図8は炭化処理装置の稼動時
の各工程における加熱温度と時間の長さを表すタイムチ
ャートである。
【0019】図2において、Aは可燃性廃棄物(被処理
物)を収容堆積するホッパであり、上面は雨除け1によ
り覆われ、上部側面に開口2には、廃棄物運搬車から廃
棄物を図示されていないベルトコンベアを介して投入す
ることができる。ホッパAの底部にモータ3aにより回
転されるスクリュー3b等の供給手段3が備えられてい
る。供給手段3は制御部Dにより回転量を制御されて、
ホッパAから被処理物を、炭化炉Bの廃棄物投入口8に
定量供給するものである。ホッパAの底部近傍に、1回
の炭化処理に要する被処理物の有無を検知できる廃棄物
センサS1が設けてある。未処理の廃棄物が所定量以上
ある場合の廃棄物センサS1の検知出力が制御部Dに与
えられて、次回の炭化処理の開始条件の一つとされる。
【0020】炭化炉Bは、有底円筒体で形成された炭化
室4と、その炭化室の外周を囲むように配置された、上
部と底部が閉じられた有底円筒体で形成された加熱室5
と、好ましくは、炭化室4に投入された被処理物及び後
述されるように炭化室に生じる炭、あるいは、少なくと
も炭化室に生じる炭を撹拌するための撹拌機6と、加熱
室5の上方に設けられた燃焼室7とを有している。炭化
室4及び加熱室5は、それぞれ円筒体の軸線を合致さ
せ、かつ、30度ないし70度の範囲の適当な角度に傾
斜させて設置されている。傾斜角度は、被処理物から生
成する炭が炭化室内壁面の底辺に沿って滑落できる角度
であり、生成炭の粘性を考慮して決定される。炭化室4
の底部は加熱室の底部に接近されているが、炭化室の上
部は加熱室の上部から離間されており、その間を加熱室
に発生する排ガスが上方に流通し易くされている。ま
た、撹拌機6は、その回転軸線を前記両室4,5の中心
線上に合致させた状態で、取付けられている。
【0021】炭化室4の上部には、廃棄物投入口8が形
成され、加熱室4の上部を貫通して、供給手段3の下方
においてホッパAに連通されている。廃棄物投入口8
は、炭化処理中は、加熱室5内に発生する排ガス及び熱
の漏出防止のため、蓋9で密閉されるようになってい
る。蓋9の内面には、耐火断熱材af1が設けられてい
る。 蓋9は、一例として、モータ10aの回転軸上に
固着したピニオン10bを蓋9に設けたラックに噛合わ
せた動力式の投入口開閉手段10により開閉されるよう
になっている。
【0022】加熱室5には、炭化室をその外周から加熱
するための加熱手段11が設けられている。加熱手段1
1は、既知のバーナからなっている。加熱室5の内面に
は、耐火断熱材af2が設けられている。炭化室4の底
部には、蒸焼きにより生成する炭を外部に排出するた
め、炭出口12が形成されている。この炭出口12に
は、炭化処理の間は密閉するための開閉可能な蓋13が
備えられている。蓋13の内面にも耐火断熱材が備えら
れ、また、蓋13にも、廃棄物投入口8の蓋9の場合と
同様に、モータとクランク又はリンク機構、あるいはモ
ータ14aとピニオン・ラック等14bを用いる動力式
の炭出口開閉手段14が設けられている。
【0023】炭出口12の下方には、排出炭処理機構E
を設けることが好ましい。この処理機構Eは、内部に中
心軸に沿って延長するスクリューコンベア15を備え、
外周に冷却水を供給される冷却筒16を備えた斜めの導
出管17の入口18を前記蒸焼き室の炭出口12に連結
するとともに、スクリューコンベア15を回転させるモ
ータ19を備えてなっている。このような排出炭処理機
構により、導出管17の出口20の下方に収納筒21を
備えれば、炭化処理の終了により蒸焼き室から撹拌機を
介して排出される高温の炭は、導出管16の入口18に
落下され、コンベア15により搬送される間に冷却筒1
6により迅速に冷却された後に、出口20から収納筒2
1内の袋22内に安全に落下収容して、取扱の容易なパ
ッケージとすることができる。
【0024】撹拌機6は、炭化室内に設けられた撹拌部
材6aと、加熱室の底部外側に設けられ、撹拌部材に回
転力を与えるモータ等の動力源6bとを有している。撹
拌部材6aは、少なくとも、炭化室内で蒸焼きにより生
じる炭を撹拌して、塊状炭を破砕し、かつ、ガス発生を
促進するものであり、好ましくは、炭の撹拌に限らず、
炭化室内に投入された被処理物を加熱及び乾燥工程にお
いても炭化室4の内壁面に沿って移動させて、被処理物
の加熱・乾燥及び蒸焼きを促進して、炭化に要する時間
の短縮を図るものである。撹拌部材6aは、図示の例の
ように、既知の中空スパイラルスクリューやパドル等、
又は丸櫛歯状のものでも良い。スパイラルスクリューを
用いる図示の例の場合は、上端部の安定性を高めるた
め、スパイラルスクリューの上端部に接続された−字
形、Y又は+字形のアーム6cの端部を連結するリング
6dを、炭化室の上部に設けたガイド6eにより回転自
在に支持している。撹拌部材6aの底部には、炭化室4
の底部上面から円錐台形に突出する山部6fを設けてあ
り、乾燥・炭化の過程で破砕、分解又は炭化された被処
理物を炭出口12方向に滑落する傾向を与えることがで
きる。この滑落傾向は、炭化処理終了後の迅速な炭出し
に寄与する。
【0025】撹拌部材6aの底部中心に設けられた回転
軸6gは、炭化室4及び加熱室5の底部を回転自在に貫
通され、スラストベアリング等の軸受6hにより支持さ
れ、回転軸6gの下端部とモータ6bの回転軸とがスプ
ロケット・チェーン又は歯車・歯付きベルト等6iによ
り動力的に結合されている。
【0026】炭化室4には、被処理物の加熱温度(炭化
室内温度)を測定するための温度センサS2(図3及び
図5)が設けられている。温度センサの測定値は、加熱
手段11による加熱温度及び加熱時間を制御するための
制御部Dに取込まれるようになっている。
【0027】加熱室5の上端部には排ガス上昇管23が
設けられ、その排ガス上昇管23の上端部に燃焼室7が
接続されている。また、排ガス上昇管23の内側に、排
ガス上昇管23から離間して、炭化室の上端部に接続さ
れたガス上昇管24が設けられ、そのガス上昇管の上端
部は、燃焼室内まで延長されている。排ガス上昇管23
及びガス上昇管24は煙突としての役目を有する。排ガ
ス上昇管23の内面及び燃焼室7の内面にも、耐火断熱
材af3 ,af4 が設けられている。
【0028】燃焼室7には、バーナ(アフターバーナ)
25a及びブロワ25bからなる燃焼手段25が備えら
れ、ブロワ25bから発生される燃焼空気は、迂回路2
5cを介して排ガス上昇管23の上部においてガス上昇
管24の中、又は排ガス上昇管23と燃焼室との接続部
位の直上方において燃焼室内に向けて吐出されるように
してある。また、燃焼室7の内部には、燃焼効率を向上
させるための図示されていない既知の助燃構造、例え
ば、邪魔板、エアシャワーノズル等が備えられている。
さらに、燃焼室7のガス排出口26には、脱臭などのた
めの触媒が収納されている。
【0029】次に、上記廃棄物処理装置を本発明方法に
基づいて制御する制御装置について、図3〜図5を用い
て説明する。図3の制御部Dは、CPU27、ROM2
8、RAM29及び入出力インタフェース30を有す
る。CPU27には入出力インタフェース30を介し
て、廃棄物センサS1、温度センサS2、供給手段3、
投入口開閉手段10、灰出口開閉手段14、加熱手段1
1、撹拌機6、及び燃焼手段25が電気的に接続されて
おり、また、選択手段31aと起動スイッチ31bとか
らなる操作部31及び表示部32が接続されている。R
AM29にはワーキングデータが格納される。
【0030】ROM28にはシステムプログラムが格納
されているほか、本発明方法を実施するため、図4に概
念的に示すように、加熱手段及び燃焼手段を制御するた
めの設定データを記憶したテーブルが備えてある。
【0031】同一種類の被処理物について、同一の設定
温度において、処理量を種々変えて被処理物が完全に炭
化するに要する時間を追及した結果、処理量と処理時間
の間に比例関係が存在することが認められた。本発明
は、これに基づき、各種の被処理物について、好ましい
炭化室内温度を設定するとともに、各種処理量における
処理時間を設定し、これを、ROM28その他の記憶部
に格納するようにした。処理時間の設定の方法には、
供給手段3により供給される処理量が増加するに連れ
て、一定の比例に基づいて時間を設定する方法、被処
理物を炭化室に投入するためのペール1杯分の所要時間
に投入数を乗じて時間を設定する方法、標準処理量の
場合の標準処理時間に当該被処理物の種類の比例定数と
処理量を乗じて設定時間を得る方法等のいずれかを採用
することができる。
【0032】図4(a)は、上記の方法を実施する場
合のROMの設定データの構成例を示す。この設定デー
タは、廃棄物の種類Ka,Kb,Kc,…と、設定温度
Ta,Tb,Tc…と、所定範囲ごとの処理量Va1 ,
Va2 ,VA3 …;Vb1 ,V2,Vb3 …;Vc1 ,
Vc2 ,Vc3 …、と、各処理量に対応する設定時間H
a1 ,Ha2 ,Ha3 ,…;Hb1 ,Hb2 ,Hb3 ,
…;Hc1 ,Hc2 ,Hc3 ,…とで構成してある。
【0033】一つの具体例を挙げれば、廃棄物の種類K
aが例えば麦茶を煎じた後の殻である場合は、設定温度
Taは例えば105℃、各処理量Va1 ,Va2 ,VA
3 …は、例えば50Kg、100Kg,150Kg〜3
50Kg…ように設定され、処理時間Ha1 ,Ha2 ,
Ha3 …はそれぞれ2.0時間、2.5時間、3.0時
間〜4.0時間…のように設定されている。
【0034】設定される加熱温度T及び処理時間Hは、
通常の混合生ごみ、麦茶殻、卵殻、コーヒー豆殻又はコ
ーヒー挽き豆殻等、被処理物の種類により、いずれの設
定データも、当該被処理物の炭化処理所要時間が最少に
なり、しかも、バースト現象が発生しない熱分解ガス発
生曲線に沿って、設定される。とくに、麦茶、ジャガイ
モの皮、ギョーザの皮、麺類などのように、澱粉成分の
多いものは、温度設定及び時間設定が適切でないと、バ
ースト現象を起し易いので、これらについては、本願発
明者らは、種類ごとに加熱温度及び処理量に応じて、乾
燥工程及び炭化工程のそれぞれに対応する熱分解ガス発
生量を計測し、経験的に各処理量に対応する理想的な熱
分解ガス発生曲線を得た。
【0035】図1は、処理量350Kgの麦茶を炭化処
理する場合、理想的な熱分解ガス発生曲線に沿って加熱
温度を設定した場合の炭化室温度とガス発生量の関係を
示すグラフである。曲線C1 は、設定温度Tnを105
℃、設定時間Hを4時間に設定して処理したときの炭化
室温度の変化曲線であり、C2 はそのときの熱分解ガス
発生曲線である。乾燥工程においては、従来と同様に、
設定温度Tnに係わりなく、被処理物に水分が含まれて
いるために、炭化室内温度はほぼ100℃を保ち、水分
が無くなり初めると上昇し、炭化工程が始まって、設定
温度105℃が検知された時点(t2 )で加熱手段によ
る加熱を停止すると、この場合は、加熱室の残留エネル
ギー量が少ないため、加熱停止後の炭化室温度の上昇率
が小さい。そのため、被処理物の熱分解が急激一斉に行
われず、ガス発生量が急激に安全ゾーンから危険ゾーン
に入り込むことがない。
【0036】操作部31には、被処理物の種類を選択す
るための選択手段31aと、処理量を選択又は入力有す
るための処理量入力手段31bと、起動スイッチ31が
設けられている。炭化処理装置は、通常、製品納入先に
より被処理物の種類が特定されることが多い。実際の処
理対象物と異なる種類を誤選択して使用する場合は、バ
ースト現象を発生させる恐れがあるので、これを予防す
るため、製品納入前に、係員操作により、納入先で処理
される被処理物の種類を選択したならば、選択手段を遮
閉部材で遮閉してこれを鎖錠し、又は制御部Dのソフト
ウェアによるメモリロックにより、ユーザが他の種類を
選択することができないようにし、種類の変更を行う場
合は、メンテナンス係員が所定の鍵を用いて遮閉部材の
錠又はメモリロックを解除できるようにすることが望ま
しい。
【0037】処理量入力手段31bは、上記処理時間設
定方法の場合は、処理量(供給量)を記載した複数個
のボタンの中から、希望処理量に対応するボタンの押下
により処理量を入力するものを使用することができる。
また、上記処理時間設定方法の場合は、ペール数を入
力するための置数キー等を使用することができる。
【0038】被処理物の種類の選択後に、起動スイッチ
31cが操作されると、制御部Dは、図5に示すよう
に、起動信号stsを加熱制御手段27f、読出し制御
手段27a及び計時手段27dに与える。これにより、
加熱制御手段27fが加熱手段11に加熱作用(バーナ
の燃焼)をさせる信号fsを与えると同時に、読出し制
御手段27aがRAM29から設定温度Tを読出してこ
れを温度比較手段27bに与え、また、設定時間Hを読
出してこれを時間比較手段27dに与えるようになって
いる。また、計時手段27dは時間計測を開始する。
【0039】図5に示す例では、計時手段27dは、温
度比較手段27fが、温度センサS2からの測定データ
が100℃になったとき、始動信号c1 を計時手段27
dに与えるように構成してある。また、温度比較手段2
7fは、設定データよりも小さい場合は、アンドゲート
27cに信号c2 を与えるようになっている。時間比較
手段27eは、計時手段からの計測データが設定時間H
になるまで、アンドゲート27cに信号c3 を与えるよ
うになっている。こうして、アンドゲート27cは、信
号c2 とc3 により論理積条件を充足されている間、加
熱制御手段27fに信号c4 を出力するため、加熱制御
手段27fは加熱手段11に加熱作用を継続させる。こ
れに対して、温度センサC2の測定データTmが設定デ
ータTと一致すると、すなわち、炭化室温度が設定温度
に達したときは、温度比較手段27bが信号c2 を出力
しなくなるので、アンドゲート27cの信号c4 の出力
も停止されるので、加熱制御手段27fは加熱手段11
に加熱指令信号fsを与えなくなるので、加熱が停止さ
れる。計時手段27dの計測データが設定データHと一
致する前に、温度センサS2からの測定データTmが設
定データTよりも小さくなったときは、信号c2 が再び
出力されるので、加熱手段が再び加熱作用を開始し、炭
化室内温度が上昇される。しかし、計測データHmが設
定時間Hと等しくなった後は、つまり、設定時間Hが経
過した後は、起動スイッチ31cが再度操作されるまで
は、温度センサS2の測定データが設定データよりも小
さくなっても、加熱手段が加熱作用をすることはない。
【0040】こうして、炭化処理開始後、設定時間Hが
経過すると、次の起動スイッチ31cの押下に基づき、
読出し制御手段27aがRAM29に格納されている設
定データを読出して、これを温度比較手段27b及び時
間比較手段27e与えるようになっている。こうして、
炭化処理プロセスは、記憶部から読み出された設定デー
タに基づいて加熱温度と処理時間が制御されるようにな
っている。
【0041】上記の例では、処理量の指定をするため、
所定範囲ごとの処理量に対して備えられた選択キーの
内、そのときの実際処理量が含まれるものを選択して押
下したが、これに代えて、実際の処理量を置数キーの操
作により入力するようにしてもよい。すなわち、上述し
たように、処理量と適切な処理時間は比例関係にあるの
で、所定の数式に基づいて演算して、入力した処理量デ
ータから自動的に処理時間を得るようにしてもよい。上
記方法は、廃棄物の種類の標準的処理量Vsの場合の加
熱温度Ts及び処理時間Hsを、加熱により廃棄物から
発生する熱分解ガスの加熱温度に依存する発生量が、燃
焼室の燃焼性能及び触媒性能を超越しないように予め設
定し、処理予定の廃棄物の処理量Vxに対する処理時間
Hxを、 比例式 Hx=Hs×C(Vx/Vs) ただし、C
は比例定数 により求めて、設定データを得ることにより実現するこ
とができる。図4(b)は、同図(a)に記載された種
類の被処理物の場合に、入力された処理量から処理時間
を算出する比例式を概念的に示すものである。
【0042】上記構成による廃棄物処理装置の作用を、
図6及び図7を参照しながら説明する。まず、選択手段
31aにより被処理物の種類が予め選択されている場合
(s1でY)は、操作部31の処理量入力手段31bに
より、今回処理しようとする被処理物の処理量Vを入力
し(s2)、起動スイッチ31cを押下する(s2)
と、ROM28のテーブルから当該被処理物の種類の入
力された処理量Vに対応して設定されている設定温度デ
ータT及び設定時間データHが読み出されてRAM29
に格納される(s4)。次に、廃棄物センサS1がON
の場合(s5でY)は、廃棄物投入口8の蓋9が投入口
開閉手段10により開放される(s6)とともに、ホッ
パAの供給手段3が所定時間駆動されて、入力された所
定量の被処理物がホッパAから炭化室4に投入される
(s7)。所定量の被処理物の投入が終了すると、投入
口の蓋が密閉される(s8)(図8の工程)。また、
起動スイッチ31cの押下に基づき、加熱手段11及び
燃焼手段25が駆動されるとともに、上述したように、
設定温度データ及び温度センサの測定データと、設定時
間データ及び計時手段からの計時データとに基づいて、
加熱手段11の制御(s9の炭化処理)が行われる(図
8の工程)。
【0043】炭化処理ステップ(s9)においては、図
7に示すように、加熱が開始される(s91)。計時手段
27dが加熱手段11の着火時点から時間計測を開始す
る場合は、この時点に時間計測が開始される。そして、
時間の経過とともに、炭化室4内の温度が上昇するに連
れて、被処理物が脱水、加熱・乾燥される。加熱手段1
1の起動とともに撹拌機6が駆動される場合は、加熱さ
れる被処理物が撹拌されるので、熱伝導が早期に満遍な
く行われ、加熱開始時点t1 から乾燥が終了するまでの
時間が短縮される。計時手段27dが炭化室温度が10
0℃になったときに時間計測を開始するように構成した
場合は、乾燥工程中に、被処理物の水分が少なくなり、
温度センサS2の計測データが100℃になった時点t
´に温度比較手段27Bが信号c1を出力して、計時手
段27dを始動させる。そして、計測温度が設定温度T
(105℃)に到達する前(s92でN)は、温度比較手
段27dが信号c2 の出力を、時間比較手段27eが信
号c3 の出力を継続するので、加熱制御手段27fが加
熱手段11による加熱を続行させる(s93)。加熱開始
から(計時手段27dが起動スイッチONに基づく起動
信号STSにより始動する場合)、又は炭化室温度が1
00℃になってから(計時手段が温度比較手段からの信
号c1 により始動する場合)、設定時間が経過していな
い場合(s94でN)は、設定温度に達するまで加熱が続
行され、設定温度に達すると(s92でY)、加熱が停止
される(s95)。その時点で、未だ、設定時間が経過し
ていない場合(s96でN)は、ステップs92,s93,s
94又はs92,s95,s96が実行される。
【0044】従って、設定時間経過前に設定温度になる
と加熱が停止され、設定温度よりも下がらずに設定時間
になったときは、炭化処理が終了して、また、加熱停止
後に設定温度よりも下がったときは、設定時間になるま
で、かつ、設定温度になるまで加熱と停止が反復され
て、設定時間になったときは、炭化処理を終了して、次
のステップS10に移行する。これにより、炭化室内温
度が当該被処理物のバースト現象の発生条件の一つであ
る温度に達する前に上昇が止まる。従って、バースト現
象の発生が防止される。しかし、その間に、被処理物の
乾燥が終了し、炭化が進行する。
【0045】そして、加熱手段11の駆動中に加熱室5
内に発生する排ガスGaは、加熱室5の上部から排ガス
上昇管23を上昇して燃焼室7内に進入する。加熱室内
温度の上昇とともに、蒸焼き状態が進行すると、被処理
物の熱分解により可燃性の未燃ガスGbが発生し、炭化
室4の上端部からガス上昇管24を排ガス上昇管23を
上昇する排ガスにより加熱されながら上昇し、排ガス上
昇管23の上端部から上昇する排ガスGaに同伴し、又
は誘導されて、燃焼室7に進入する。
【0046】燃焼室7に備えられたブロワ25bから送
られる燃焼空気は、燃焼室の周囲に設けられた迂回路2
5cを通され、その間に加熱されて、排ガス上昇管23
の上端部又は、燃焼室の排ガス上昇管23との接続部位
において、バーナ25aから放出される炎に向けて燃焼
室内側に吐出される。これにより、燃焼室7に上昇した
排ガス及び未燃ガスの混合ガスは、燃焼手段25及び助
燃構造により完全燃焼されて、その混合ガスに含まれる
煙、ばいじんが除去され、また、炭化室4の被処理物か
ら発生する臭いがガス排出口18に設けてある触媒によ
り除去されて、清浄な空気が大気に排出される。
【0047】被処理物の炭化が終了した時、すなわち、
設定時間Hが経過した時は、加熱手段11及び燃焼手段
25、少なくとも加熱手段が停止され、炭化室4の冷却
を待たずに、炭出口12の蓋13が開放され、撹拌機6
が駆動される。あるいは、撹拌機6が駆動されたまま、
蓋13が開放される。これにより、炭化室4内に生成し
た炭が、撹拌部材6aにより開放された炭出口12から
下方の排出炭処理機構の入口18に落下収容され、モー
タ19により回転されているスクリユーコンベア15に
より搬送されながら、冷却筒16により冷却された後、
出口20から収容筒21に収容される。
【0048】炭化室4に生じた炭は、撹拌機6の駆動に
より炭出口12から排出され、しかも、撹拌機の底部6
fが円錐状に形成されているので、短時間の内に確実に
炭が排出される。従って、排出直後に炭出口の蓋13を
密閉すれば、炭化室4及び加熱室5の温度低下を最少限
に止めることができ、高温、一例として80〜100℃
程度を維持する。炭出し後の温度がこの程度に高温で
も、撹拌機6を利用して炭出しを行うので、従来と異な
り、作業者が炭出し作業をする際に、火傷等をする恐れ
がない。
【0049】蓋13の開放状態が一定時間経過した後、
炭出し口開閉機構14が再び炭出し口の蓋13を密閉す
る。起動スイッチ23bの押下時から、炭出口の再密閉
時までが、炭化処理の1サイクルである。そして、炭出
し工程の終了後は、直ちに、起動スイッチ31cを押せ
ば、廃棄物センサS1がONしていれば(s5でY)、
次回の炭化処理のための被処理物の投入を開始すること
ができる。従って、加熱室及び炭化室の残留熱エネルギ
ーを次の炭化処理に利用することができる。そのため、
2回目以後の炭化処理においては、図8の右側に表され
ているように、加熱手段の再着火後の被処理物の加熱・
乾燥を経て、蒸焼きが始まる設定温度に達するまでの時
間が短縮される。こうして、被処理物の炭化処理サイク
ルが短くなるので、従来の炭化炉では1日に1回程度し
かできなかったのに対して、本発明によれば、1日に数
回の炭化処理を行うことができる。2回目以降の炭化処
理時において、前回の炭出しを終了した(s10)後
に、廃棄物センサS1がOFFになっている場合(s5
でN)は、処理が終了される。制御部Dは、表示部24
に、このときの処理終了の理由である廃棄物なしを表示
させる(s12)。
【0050】上記炭化処理装置においては、起動スイッ
チ31cの押下後は、炭化処理が終了するまで、すなわ
ち、炭出し工程の終了まで、作業者の手作業の介在なし
に、自動的に行われる。従って、作業者が長時間、炭化
炉の至近距離に拘束されることがなくなった。そして、
炭化工程の終了と同時に炭出しが行われるので、従来の
ように冷却を待って炭出しを行う場合に比し、廃棄物処
理に要する時間が格段に短縮される。また、ホッパAの
底部に、廃棄物センサS1を設け、廃棄物無し検知をす
るまで自動的にサイクルが反復されるようにした場合
は、廃棄物のバッチ処理を自動的に連続的に行うことが
できるので、とくに、同種の廃棄物が大量に発生する工
場等向けに好適であり、熱エネルギーの効率的な利用が
可能であり、廃棄物処理コストの大幅な削減が可能であ
る。
【0051】図8の最初の処理サイクルと2回目の処理
サイクルとを比較して明らかなように、2回目の処理時
は、前回の処理の際に加熱室及び炭化室に蓄積された熱
エネルギーを利用することができるため、処理サイクル
が格段に短縮される。従って、このように余熱を利用し
て連続的に炭化処理を行う廃棄物処理装置においては、
処理時間の設定値と比較される実測値を提供する計時手
段27dの始動は、温度センサS1の計測値が、廃棄物
の水分蒸発開始温度である100℃になった時点とする
方法を採用すれば、初回から同一の設定時間を使用して
も、炭化不足となることを防止することができる。
【0052】しかし、本発明方法を使用する炭化処理装
置は、投入口開閉手段10及び炭出口開閉手段がマニュ
アル式であってもよい。すなわち、蓋9の開閉には、図
示されていないが、蓋を一端部の軸回りに回転自在に取
付け、その蓋に手作業によりロック及びロック解除でき
る既知の手動蓋開閉機構を用いても良いし、蓋を摺動自
在に設けるとともに、その蓋にラックを設け、加熱室5
の外側面に備えた回転ハンドルの回転軸上にピニオンを
設け、そのピニオンを前記ラックに噛み合わせて、ハン
ドルの操作により蓋を開閉する手動蓋開閉機構を用いて
もよい。また、蓋13を手作業によりロック及びロック
解除できる既知の手動式蓋開閉機構を用いることができ
る。
【0053】上記のように、炭化処理を行う時は、被処
理物の種類を指定して、加熱により廃棄物から発生する
熱分解ガスの加熱温度に依存する発生量が、燃焼室の燃
焼性能及び触媒性能を超越しないように、処理量に応じ
て予め設定された加熱温度及び処理時間の設定データを
読出し、炭化室の温度センサからの測定データ及び計時
手段からの測定データと前記設定データとに基づいて加
熱手段の制御を行うので、当該被処理物の熱分解ガス発
生曲線は、一例として図1の曲線C1 で表されるような
ものとなり、ガス発生量は、最大でも、安全ゾーンと危
険ゾーンの分岐点を越えないので、燃焼性能及び触媒性
能が十分に発揮される。
【0054】
【発明の効果】上述のように、本発明方法によれば、各
種の被処理物に対して、バースト現象を発生させること
なく、安全確実に炭化処理を行うことができる。
【0055】各種類の被処理物について、標準的処理量
の場合の適切な処理時間に基づき、適当な比例定数を用
いる比例式により、処理予定の処理量の場合の処理時間
を求めるようにした場合は、単に処理量を入力するだけ
で、当該処理量に対して、安全確実に炭化処理を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法による処理の場合の炭化室温度と熱
分解ガス発生量との関係を示すグラフである。
【図2】本発明方法を使用する炭化処理装置の一例を示
す縦断面図である。
【図3】同装置の制御系統を説明するブロック図であ
る。
【図4】設定データの構成例を示す概念図である。
【図5】本発明方法を実行するための主要機能を説明す
るブロック図である。
【図6】炭化処理装置の作用を説明するフローチャート
である。
【図7】図6の炭化処理の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図8】本発明方法を用いる場合の、同装置の各工程と
炭化室内温度との関係を示すタイムチャートである。
【図9】従来技術による処理の場合の炭化室温度と熱分
解ガス発生量との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を炭化室に収容し、その炭化室の
    外周を囲む加熱室に設けた加熱手段により前記炭化室を
    加熱して前記廃棄物を炭化させ、前記加熱室及び炭化室
    に発生するガスを燃焼室で完全燃焼させるとともに、触
    媒により脱臭して、前記炭化室に生成した炭を排出する
    廃棄物炭化処理方法において、 各種の廃棄物について、加熱温度及び処理量に対応する
    処理時間を、加熱により廃棄物から発生する熱分解ガス
    の加熱温度に依存する発生量が、前記燃焼室の燃焼性能
    及び触媒性能を超越しないように予め設定して、その設
    定データを記憶させておき、炭化処理を行う時は、当該
    廃棄物の種類及び処理量を指定することにより、その指
    定に係る廃棄物の前記設定データを読出し、前記炭化室
    に設けた温度センサからの測定データ及び計時手段から
    の測定データと前記設定データとに基づいて処理時間の
    経過とともに前記加熱手段の制御を行うことを特徴とす
    る廃棄物炭化処理方法。
  2. 【請求項2】廃棄物の種類の代表的処理量Vsの場合の
    加熱温度T及び処理時間Hsを、加熱により廃棄物から
    発生する熱分解ガスの加熱温度に依存する発生量が、燃
    焼室の燃焼性能及び触媒性能を超越しないように予め設
    定し、処理予定の廃棄物の処理量Vxに対する処理時間
    Hxを、 比例式、Hx=Hs×C(Vx/Vs) ただし、Cは比例定数 により求めて、設定データを得ることを特徴とする請求
    項1に記載された廃棄物炭化処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006117855A1 (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Kinsei Sangyo Co., Ltd. 焼却処理装置の遠隔操作システム
CN112222152A (zh) * 2020-09-23 2021-01-15 井冈山大学 一种有机废物自动烘干炭化和破碎装置及其使用方法
CN113356969A (zh) * 2021-06-19 2021-09-07 浙江银轮智能装备有限公司 一种颗粒过滤器自动清洗设备

Cited By (4)

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