JPH1161137A - コークス炉の操業方法 - Google Patents

コークス炉の操業方法

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JPH1161137A
JPH1161137A JP23543297A JP23543297A JPH1161137A JP H1161137 A JPH1161137 A JP H1161137A JP 23543297 A JP23543297 A JP 23543297A JP 23543297 A JP23543297 A JP 23543297A JP H1161137 A JPH1161137 A JP H1161137A
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extrusion
coke
ram
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resistance
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JP23543297A
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Kazuya Uebou
和弥 上坊
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボン付着あるいは炉壁面の損傷の度合い
を早期に確認して適切な処置を講じられるコークス炉の
操業方法を提供する。 【解決手段】 押出抵抗のピーク値における押出ラム位
置と押出抵抗のピーク値とに基づき、押出抵抗の上昇が
カーボン付着あるいは炉壁損傷に基づくものか、装入炭
の性状あるいは乾留状況に起因するものであるかを決定
し、炉壁補修の要否を判定すること、および押出抵抗の
ピーク値における押出ラム位置が予め定めたしきい値と
なるよう装入炭の性状あるいは乾留状況を調整すること
によって、炭化室の状況、すなわち、カーボン付着ある
いは炉壁損傷の度合いを早期に認識することができ、適
切な処置を講じることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室炉式コークス炉
の炭化室の炉壁面の状況、すなわち、カーボン付着ある
いは炉壁損傷度合いを早期に確認し、適切な処置が講じ
られるコークス炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】室炉式コークス炉によるコークスの製造
は、装炭車から炭化室に装入された装入炭を、両側の燃
焼室から間接加熱してコークス化したのち、生成したコ
ークスケーキを押出機によりコークガイド車を介してバ
ケットカーあるいは消火車に押出し、乾式消火あるいは
湿式消火して製造される。
【0003】室炉式コークス炉では、このように装入炭
の装入、コークス化、コークスの押出しの各作業が繰り
返されるが、乾留に伴って生成するカーボンの炭化室炉
壁への付着、あるいは炉壁面に何らかの原因で発生する
損傷あるいは肌荒れ、さらにはコークスケーキそのもの
が原因で、押出抵抗が大きくなってコークスケーキの押
出し作業に問題の生じる場合がある。著しい場合には、
押出しの途中で止まったり、詰まって押出すことができ
なくなる、いわゆる押止まりや押詰まりが発生する。
【0004】押止まりや押詰まりの発生は、コークス炉
の炭化室炉壁煉瓦に多大の負荷を加えることとなるた
め、炉体の損傷の進行、炉壁倒壊等の問題から、コーク
ス炉寿命の低下を招くと共に、窯出し作業を中断し、炭
化室内の詰まったコークスを押出し可能となるまで人力
により掻き出す必要があるため、窯出しスケジュールの
変更を余儀なくされ、炉団としてのコークス生産性が低
下するばかりでなく、押出し可能となるまでの置時間延
長によって、消費熱量も増大し、コークス製造コストの
増加につながる。したがって、このような押止まりや押
詰まりの発生は、未然に防止することが必要である。
【0005】従来、押止まりや押詰まりの防止対策とし
ては、押出抵抗を検知して監視管理することによって、
未然に防止する方法、例えば、押出抵抗が増加する傾向
にある場合は、置時間を延長して十分に乾留したり、押
出抵抗の大きな炭化室については、炉壁付着カーボンの
除去や、炉壁、炉底の補修を行う等により対応してい
た。なお、押出し負荷の管理方法としては、押出ラム駆
動用モータの電流値あるいはモータトルク値の波形によ
り判断する方法(特開平8−53676号公報)、押出
ラム駆動用モータの電力消費量の過去の平均値との差異
によって判断する方法(特開平8−134458号公
報)が提案されている。
【0006】さらに、炭化室炉壁面へのカーボン付着状
態の把握方法としては、コークス押出機の押出電流を検
出し、その押出電流のピーク値以降の異常電流ピーク値
からカーボン付着状況を検知する方法(特公昭55−5
558号公報)、各窯毎のコークス押出機にかかる押出
負荷を、電力の時間積算値または電流の時間積算値に変
換して検出し、予め各窯の履歴に基づいて各窯毎に設定
した基準値と対比し、カーボン付着を検知する方法(特
公昭60−4238号公報)、コークス押出機が受ける
荷重の経時変化を測定し、測定した荷重のピーク値の窯
出し開始からの経過時間までにコークス押出機が移動し
た距離を求め、この距離に基づいて炭化室炉壁面に付着
したカーボン位置を検出する方法(特開昭62−349
82号公報)が提案されている。
【0007】さらにまた、コークス炉炭化室の異常状況
判定方法としては、押出機の押出ラム位置あるいは押出
し開始よりの時間を検出すると共に、押出ラムを移動さ
せる誘導電動機の回転数およびコークス押出し時におけ
る二次電流を測定し、これらの値を演算装置に入力して
押出トルクを求め、その中のトルクのピーク値およびそ
れと関連する押出機の位置から炭化室における異常状態
を判定するか、または測定した二次電流および/または
算出したトルクの波形解析により、前記二次電流および
/または算出したトルクの脈動の周期を抽出し、該周期
によって炭化室内のラム移動の各位置での炭化室異常を
検知する方法(特開平8−225787号公報)が提案
されている。
【0008】一方、押出時の押出抵抗は、炭化室への装
入炭の性状や炉の乾留状態によっても左右される。した
がって、カーボン付着や炉壁の損傷は、炭化室からコー
クスケーキを押出時の押出抵抗のみによって精度良く判
定することはできない。さらに、装入炭は、十から二十
銘柄程度を配合したもので、装入炭性状は、配合銘柄毎
に測定された性状値を配合率に応じて荷重平均して推算
しており、装入炭毎に測定していないため、実際に装入
炭の性状が推算した性状値と異なるため、装入炭性状に
よる影響値には誤差が生じてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平8−536
76号公報に開示の方法は、1炉団に数十ないし百余の
炭化室を有するコークス炉で、毎日全ての窯の電流記録
計のチャート紙の波形をチェックするのに多大の労力を
必要とする。さらに、特開平8−134458号公報に
開示の方法は、押出電力消費量の上昇が炉壁面へのカー
ボン付着や炉壁面の肌荒れや欠損等の損傷に起因するも
のであるか、装入炭の性状や炉の乾留状態に起因するも
のであるか判断できず、炉壁面の目視観察による判断を
必要とする。
【0010】また、上記特公昭55−5558号公報に
開示の押出電流のピーク値以降の異常電流ピーク値から
カーボン付着状況を判断する方法は、1炉団に数十ない
し百余の炭化室を有するコークス炉で、毎日全ての窯の
電流記録計のチャート紙の波形をチェックするのに多大
の労力を必要とし、かつ、炭化室炉壁カーボン付着によ
る異常電流ピーク値は必ずしも出現するものではない。
また、特公昭60−4238号公報に開示の電力の時間
積算値または電流の時間積算値を予め各窯の履歴に基づ
いて各窯毎に設定した基準値と対比し、カーボン付着を
検知する方法は、押出負荷の上昇が炉壁面へのカーボン
付着、炉壁面の肌荒れや欠損等の損傷に起因するもので
あるか、装入炭の性状や炉の乾留状態に起因するもので
あるか判断できず、炉壁面を目視観察により判断してそ
の後の対応を決定しており、迅速な対応ができなかっ
た。さらに、特開昭62−34982号公報に開示の測
定した荷重のピーク値の窯出し開始からの経過時間まで
にコークス押出機が移動した距離からカーボン位置を検
出する方法は、押出負荷の上昇が炉壁面へのカーボン付
着、炉壁面の肌荒れや欠損等の損傷に起因するものであ
るか、装入炭の性状や炉の乾留状態に起因するものであ
るか判断できず、炉壁面を目視観察により判断してその
後の対応を決定しており、迅速な対応ができなかった。
【0011】さらに、特開平8−225787号公報に
開示の方法は、押出トルクのピーク値およびそれと相関
する押出機の位置から炭化室における異常状態を判定す
るとなっているが、押出負荷の上昇が炉壁面へのカーボ
ン付着、炉壁面の肌荒れや欠損等の損傷に起因するもの
であるか、装入炭の性状や乾留状態に起因するものであ
るか判断できず、炉壁面を目視観察により判断してその
後の対応を決定する必要が有り、迅速な対応ができな
い。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、コークス炉炭化室の状況、すなわち、カーボン付
着あるいは炉壁面の損傷の度合いを早期に確認して適切
な処置を講じられるコークス炉の操業方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のコー
クス炉の操業方法は、コークス炉炭化室からコークスケ
ーキを押出すに際し、押出機の押出ラムに負荷される押
出抵抗と同時に押出ラムの位置を検出し、検出した押出
抵抗のピーク値における押出ラム位置(以下押出ピーク
位置という)と押出抵抗のピーク値とに基づいて、押出
抵抗の上昇がカーボン付着あるいは炉壁損傷に基づくも
のか、装入炭の性状あるいは乾留状況に起因するもので
あるかを決定し、炉壁補修の要否を判定することとして
いる。
【0014】このように、押出機の押出ラムに負荷され
る押出抵抗と同時に押出ラムの位置を検出し、検出した
押出ピーク位置と押出抵抗のピーク値とに基づいて、押
出抵抗の上昇がカーボン付着あるいは炉壁損傷に基づく
ものか、装入炭の性状あるいは乾留状況に起因するもの
であるかを決定し、炉壁補修の要否を判定することによ
って、炭化室の状況、すなわち、カーボン付着あるいは
炉壁損傷の度合いを早期に認識することができ、適切な
処置を早期に講じることができ、炉寿命の延長を図るこ
とができる。
【0015】また、本発明の請求項2のコークス炉の操
業方法は、コークス炉炭化室からコークスケーキを押出
すに際し、押出機の押出ラムに負荷される押出抵抗と同
時に押出ラムの位置を検出し、検出した押出ピーク位置
が予め定めたしきい値となるよう装入炭の性状あるいは
乾留状況を調整することとしている。このように、押出
機の押出ラムに負荷される押出抵抗と同時に押出ラムの
位置を検出し、検出した押出ピーク位置が予め定めたし
きい値となるよう装入炭の性状あるいは乾留状況を調整
することによって、コークスケーキに起因する押出抵抗
の上昇を早期に解消でき、押止まり、押詰まりを防止す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】炭化室内の装入炭は、炉壁を介し
て燃焼室から間接加熱され、100℃までは水分蒸発と
同時にCH4とその同族体や吸蔵COを放出し、100
℃から300℃にかけては、鉱物室中に含まれる結晶水
や石炭に吸蔵されている少量のCOとCH4を放出する
ほかは殆ど変化がない。300℃を過ぎると石炭本質の
熱分解が始まって、ガスや化合水やタールが急激に発生
すると共に、軟化溶融して膨張現象を示す。500℃〜
600℃になると殆どが固化し、多孔質塊状の半成コー
クスとなる。分解ガスは、その後の昇温によっても発生
し、700℃付近では、収縮しながらH2を主体としC
4、COを少量含むガスが発生する。この収縮の際に
内部歪が発生し、脆弱な部分から亀裂が発生し、900
℃を超えるとガス発生は殆ど終了し、高温乾留コークス
が得られる。
【0017】炭化室内からコークスケーキを押出せるの
は、コークスが収縮してからであるが、収縮が大きけれ
ば押出し易く、収縮が小さければ押出し難く、押止ま
り、押詰まり等の押出しトラブルを惹起し易くなる。前
記コークスの収縮は、炉幅方向、炉長方向、炉高方向共
に起こるが、炉高方向は全体に縮むが、炉幅方向、炉長
方向は、コークスに亀裂が発生し、収縮の進行に伴って
亀裂が増えるか、収縮によってできた空間が増えるので
ある。
【0018】通常、炭化室からコークスケーキを押出す
際には、炉壁面の摩擦抵抗に逆らってコークスを押出す
ので、コークスの移動開始まではコークス自体が押出し
方向に押詰められて圧縮され、押出し方向と直交する方
向に膨らみ、炉壁面と接触して拘束された状態となる。
この炉壁面と接触して拘束された状態が押出機側からコ
ークガイド車側まで達すると、コークス全体が移動を開
始して押出されるのである。
【0019】このため、押出ラムの押出抵抗は、コーク
スケーキと炉底面ならびに炉壁面との摩擦によって生じ
るため、図5に示すとおり、コークスの圧縮現象がコー
クガイド車側に達するまで急激な上昇を続け、コークガ
イド車側端部に到達すると全体が動きだそうとして作用
する静止摩擦によってピーク値となり、その静止摩擦が
コークス全体が動き始めると動摩擦へと変化するため、
その後下降し、押出し終了までなだらかに下降ないし若
干変動するに止まる。
【0020】したがって、押出ラムの押出抵抗がピーク
値となる押出ピーク位置を求めれば、コークスケーキの
圧縮量をほぼつかめることとなる。この場合のコークス
ケーキの圧縮量は、コークスの圧縮現象がコークガイド
車側に到達し、コークス全体が動き始める直前のコーク
スケーキにも塊コークス間に隙間があるため、正味の圧
縮量ではないが、正味の圧縮量に対応した計測上の圧縮
量が得られる。
【0021】押出ピーク位置は、正常操業ではほぼ一定
値である。それは、一定操業条件でコークスケーキ押出
し時の圧縮量はほぼ一定で、この一定圧縮量のもとで押
出力を高めても、圧縮量の変化は少なく、押出力が上が
るだけである。
【0022】一方、コークスケーキ押出し時の圧縮量
は、装入炭の性状や乾留条件によって変動するが、装入
炭の性状や乾留条件が押出抵抗に影響するのは、コーク
スケーキの圧縮量を介してであり、さらにこれらが炭化
室炉壁のカーボン付着を介して影響する。例えば、炉温
が高ければ、炉壁面にカーボンが付着し易く、装入炭の
揮発分が多くなると同様に炉壁面にカーボンが付着し易
くなる。しかし、これら炉壁面のカーボン付着を通して
の押出抵抗への影響は、炭化室炉壁の状況として知りた
い情報となる。したがって、装入炭性状や乾留条件は、
押出抵抗への影響として取り扱うよりも、押出ピーク位
置による影響として取り扱うほうが、炉壁の状況を正確
に把握することができる。
【0023】本発明においては、押出ピーク位置を検出
することによって、押出抵抗が増加した場合、その原因
がコークス炉壁の問題なのか、コークスケーキの問題な
のかが判断できるため、対策が取り易くなる。すなわ
ち、押出ピーク位置に変化がないのに押出抵抗が増加し
た場合は、炉壁状況に問題が生じてきたことを示し、カ
ーボン除去や炉壁面の補修等の対策を要すると判定す
る。押出抵抗が増加し、同時に押出ピーク位置が押出機
側に近くなった(コークスケーキの圧縮量減少)場合
は、コークスケーキに問題があると判定するのである。
【0024】本発明において押出機の押出ラムに負荷さ
れる押出抵抗の検出は、押出ラムを移動させる誘導電動
機の回転数およびコークスケーキ押出し時における二次
電流を測定し、これらの値を演算装置に入力して押出ト
ルクを押出ラム位置との関係により求める。押出抵抗の
ピーク値は、押出し開始から押出し完了までの間の押出
トルク最大値ではなく、トルク変動推移の中での極大値
をピーク値とする。
【0025】本発明において押出機の押出ラム位置の検
出は、レーザ距離計やラムビームの移動距離の計測等に
より直接測定する方法も可能であり、ロータリーエンコ
ーダ等の接触回転式位置検出法、あるいは電動機軸の回
転数を計測してラムの移動距離を計算するような間接的
に算出する方法も可能である。また、時間、すなわち、
押出ラムによる押出し開始からの経過時間によっておよ
そのラムの炭化室内位置が判断できる。押出し開始から
の経過時間の検出は、時間を直接測定する方法も可能で
あるが、電流記録計または回転記録計等のチャートから
読取ることもできる。
【0026】
【実施例】
実施例1 以下に本発明のコークス炉の操業方法の詳細を図1に示
すブロック図に基づき説明する。押出機に備えられた押
出ラム1の上縁には、往復摺動用ラック2が設けられ、
これに駆動用ピニオン3が噛み合っている。駆動用ピニ
オン3は、誘導電動機4により駆動されるようになって
いる。また、駆動用ピニオン3には、誘導電動機4の回
転数を検出するための回転数検出器5が接続されてい
る。さらに、誘導電動機4には、電動機電源側配線6、
電動機二次側配線7を介して押出誘導電動機制御盤8が
接続されている。押出誘導電動機制御盤8は、電動機二
次電流検出器9を介して演算装置10に接続されてい
る。この演算装置10には、上記回転数検出器5および
押出ラム位置検出器(例えば、レーザ距離計)11が接
続されており、押出ラム1の位置における誘導電動機4
の出力軸でのトルク(押出トルクの絶対値)が演算装置
10により計測できるように構成されている。
【0027】上記押出ラム位置検出器11は、タイマー
に置き換えてもよく、押出し開始からの時間経過を測定
することによって、炭化室内の押出ラム位置を計測する
ことができる。電動機二次電流検出器9は、回転子に流
れる電流値が測定できる部位であればよく、押出誘導電
動機制御盤8前後のいずれに設置してもよく、電流検出
器を配線内に組み込むこともできるし、回転子と繋がっ
ている二次回路の配線を外部から挟んで電流値を測定で
きるクランプ式計器でもよい。
【0028】なお、12はホストコンピュータシステム
であって、演算装置10における測定結果およびコーク
ス炉の設備や装入炭性状、操業条件のデータが記憶さ
れ、測定された演算結果に対し、比較データを供給でき
るようになっている。13は演算装置10により得られ
た結果を出力表示するためのデータ採取用記録計であ
る。
【0029】また、現在および過去の演算装置10にお
ける演算結果のデータは、接続しているホストコンピュ
ータシステム12に保持する。さらに、演算装置10
は、保存データの連続表示および印字を出力する機能、
ならびにホストコンピュータシステム12とのデータ伝
送機能を有する。ホストコンピュータシステム12に
は、演算装置10とのデータ伝送機能や演算結果のうち
のデータ保存機能、計測時に予め炭化室の窯番等の操業
上必要なデータを演算装置10に伝送する機能を有す
る。
【0030】上記のとおり構成したことによって、演算
装置10は、押出ラム1による押出しが開始されると、
回転数検出器5、電動機二次電流検出器9から入力され
る誘導電動機4の二次電流と回転数、二次回路の抵抗値
に基づいて、下記の式(1)により押出ラム1の押出ト
ルクTを求める。 T={(0.95×m)/Ns}×{(I2 2×R2)/S}……(1) ただし、Ns:電動機の同期回転数、N:電動機の運転
回転数、S:電動機の回転すべり[(電動機の同期回転
数Ns−電動機の運転回転数N)/電動機の同期回転数
Ns}、I2:二次電流、R2:二次回路の電気抵抗、
m:電動機の相数上記式(1)により押出ラム1の押出
トルクTを電気的に連続的に測定することができる。
【0031】なお、誘導電動機4の二次電流より求める
負荷トルクTには、加速時の加速トルク、減速時のブレ
ーキトルクと正味の押出トルクの和となって表れるた
め、正味の押出トルクを求めるには加速トルクとブレー
キトルクを減じる必要がある。このため、誘導電動機4
の回転数を取込み、速度の微分演算を求め、加速トルク
とブレーキトルクを求めている。さらに、演算上のトル
クより加速トルクとブレーキトルクを減じて正味の押出
トルクを演算装置10の中で演算し、データ採取用記録
計13に出力する。
【0032】また、演算装置10は、押出ラム位置検出
器11から入力される押出ラム1の位置と、前記演算し
た正味の押出トルクのピーク値とに基づき、押出ピーク
位置を演算し、押出トルクのピーク値と押出ピーク位置
とに基づいて、当該炭化室の押出抵抗の上昇がカーボン
付着あるいは炉壁損傷に基づくものか、装入炭の性状あ
るいは乾留状況に起因するものであるかを決定し、炉壁
補修の要否を判定し、データ採取用記録計13に出力す
る。
【0033】また、演算装置10は、押出トルクのピー
ク値における押出ピーク位置が予め定めたしきい値を外
れた場合は、予め定めたしきい値となるよう装入炭の性
状あるいは乾留状況を調整するようデータ採取用記録計
13に出力する。
【0034】したがって、本発明の操業方法において
は、押出トルクのピーク値と押出ピーク位置とに基づい
て、当該炭化室の押出抵抗の上昇がカーボン付着あるい
は炉壁損傷に基づくものか、装入炭の性状あるいは乾留
状況に起因するものであるかを決定し、炉壁補修の要否
を判定するから、炭化室の状況を的確に判断することが
でき、的確なカーボン除去あるいは炉壁補修等の処置を
実施できる。さらに、押出トルクのピーク値における押
出ピーク位置が予め定めたしきい値を外れた場合は、予
め定めたしきい値となるよう装入炭の性状あるいは乾留
状況を調整することによって、押詰まり、押止まりの押
出しトラブルを回避することができる。
【0035】実施例2 炉高6000mm、炉幅450mm、炉長15560m
m、有効容積37.9m3の窯数106門からなるコー
クス炉において、押出ラムに負荷される押出抵抗と同時
に押出ラム位置を検出し、押出抵抗のピーク値と押出ピ
ーク位置を求めた。押出抵抗としては、押出ラムの誘導
電動機の押出トルクを測定した。押出トルクは、誘導電
動機の回転数と二次電流を検出し、押出ラムの加速トル
クやブレーキトルク等の押出し負荷以外を除去し、正味
のコークスケーキの押出トルクに換算した。
【0036】図2は同一窯における押出トルクのピーク
値と押出ピーク位置の押出し毎の推移データを示す。図
2に示すとおり、日数の経過と共に押出トルクのピーク
値は上昇しているが、押出ピーク位置は殆ど変化してい
ない推移データが得られた。この炭化室の状況を目視確
認したところ、炉壁面にカーボン付着が見られ、カーボ
ン除去処置を行った。すなわち、押出ピーク位置に変化
がなく、押出トルクのピーク値のみ上昇した図2の例で
は、コークス炉壁に問題ありと判定された。
【0037】また、図3は他の同一窯における押出トル
クのピーク値と押出ピーク位置の押出し毎の推移データ
を示す。図3に示すとおり、日数の経過と共に押出トル
クのピーク値が急激に上昇したが、押出ピーク位置は殆
ど変化していない推移データが得られた。この炭化室の
状況を目視確認したところ、コークガイド車側の窯口煉
瓦のせり出しが観察され、補修を行った。すなわち、押
出ピーク位置に変化がなく、押出トルクのピーク値のみ
急激に上昇した図3の例では、コークス炉壁に問題あり
と判定された。
【0038】さらに、図4は他の同一窯における押出ト
ルクのピーク値と押出ピーク位置の押出し毎の推移デー
タを示す。図4に示すとおり、日数の経過と共に押出ト
ルクのピーク値が急激に上昇し、かつ、押出ピーク位置
の変化も見られた。この炭化室の状況を目視確認したと
ころ、コークス炉壁に何ら問題がなく、コークスケーキ
の圧縮量が小さいためであると判断されたので、それ以
降の乾留時間を延長し、押出抵抗を小さくする操業を行
い、押出しトラブルを回避することができた。すなわ
ち、押出抵抗の急激な上昇は、コークスケーキの圧縮量
が小さいことに起因するもので、コークス炉壁に問題な
しと判定された。
【0039】また、これら炭化室の状況を判定すること
の他に、押出ピーク位置のデータと装入炭性状、乾留条
件の関係を調査することによって、予め装入炭性状、乾
留条件をコークスケーキが十分圧縮できるように調整す
ることが可能となり、押止まり、押詰まりのトラブルな
く操業を長期に亘って継続できた。
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1のコークス炉の操業方
法は、押出機の押出しラムに負荷される押出抵抗と同時
に押出ラムの位置を検出し、検出した押出ピーク位置と
押出抵抗のピーク値とに基づいて、押出抵抗の上昇がカ
ーボン付着あるいは炉壁損傷に基づくものか、装入炭の
性状あるいは乾留状況に起因するものであるかを決定
し、炉壁補修の要否を判定することによって、炭化室の
状況、すなわち、カーボン付着あるいは炉壁損傷の度合
いを早期に認識することができ、適切な処置を講じるこ
とができる。
【0041】また、本発明の請求項2のコークス炉の操
業方法は、押出機の押出ラムに負荷される押出抵抗と同
時に押出ラムの位置を検出し、検出した押出ピーク位置
が予め定めたしきい値となるよう装入炭の性状あるいは
乾留状況を調整することによって、コークスケーキに起
因する押出抵抗の上昇を早期に解消でき、押止まり、押
詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコークス炉の操業方法のブロック図で
ある。
【図2】経過日数と押出ピーク位置と押出抵抗(トル
ク)との関係の一例を示すグラフである。
【図3】経過日数と押出ピーク位置と押出抵抗(トル
ク)との関係の他の一例を示すグラフである。
【図4】経過日数と押出ピーク位置と押出抵抗(トル
ク)との関係の他の一例を示すグラフである。
【図5】押出ラック位置と押出抵抗(トルク)との関係
の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 押出ラム 2 往復摺動用ラック 3 駆動用ピニオン 4 誘導電動機 5 回転数検出器 6 電動機電源側配線 7 電動機二次側配線 8 押出誘導電動機制御盤 9 電動機二次電流検出器 10 演算装置 11 押出ラム位置検出器 12 ホストコンピュータシステム 13 データ採取用記録計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉炭化室からコークスケーキを
    押出すに際し、押出機の押出ラムに負荷される押出抵抗
    と同時に押出ラムの位置を連続検出し、検出した押出抵
    抗のピーク値における押出ラム位置と押出抵抗のピーク
    値とに基づいて、押出抵抗の上昇がカーボン付着あるい
    は炉壁損傷に基づくものか、装入炭の性状あるいは乾留
    状況に起因するものであるかを決定し、炉壁補修の要否
    を判定することを特徴とするコークス炉の操業方法。
  2. 【請求項2】 コークス炉炭化室からコークスケーキを
    押出すに際し、押出機の押出ラムに負荷される押出抵抗
    と同時に押出ラムの位置を検出し、検出した押出抵抗の
    ピーク値における押出ラム位置が予め定めたしきい値と
    なるよう装入炭の性状あるいは乾留状況を調整すること
    を特徴とするコークス炉の操業方法。
JP23543297A 1997-08-14 1997-08-14 コークス炉の操業方法 Pending JPH1161137A (ja)

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