JP3604748B2 - コークス炉炭化室壁面の異常判定方法 - Google Patents

コークス炉炭化室壁面の異常判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、所要の銘柄別配合による原料炭を炭化室内で乾留処理してコークスを製造するコークス炉において、該炭化室の壁面異常を判定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のコークス炉、つまり、原料炭を乾留処理するための多数の炭化室(窯)を炉長方向に並設させて耐火構築するコークス炉の操業については、従来からよく知られているように、先ず、装入車を用い、炭化室内に対して所要配合による原料炭を装入すると共に、該原料炭の乾留処理を所期通りに実行し、次いで、前記乾留処理の終了後、押出し機の押出しラムを駆動して炭化室内の乾留処理された原料炭、いわゆるコークスケーキを一方の窯端側から他方の窯端側へ向けて次第に押出すことで、ガイド車を介して該コークスケーキを消火車上に移載させ、その後、前記消火車上に移載されたコークスケーキを消火処理して目的とするコークスを得ており、コークス炉を構成する各炭化室においては、以上の装入車による原料炭の装入、該原料炭の乾留処理、押出し機による乾留処理されたコークスケーキの押出しの各操作が、所定の乾留サイクル毎に夫々繰り返して行なわれる。
【0003】
而して、前記炭化室にあっては、所定の乾留サイクル毎の多数回に亘って繰り返される原料炭の乾留処理に伴ない、該炭化室を構築している耐火壁面に損耗等に基づいた壁面荒れ、いわゆる肌荒れを生じたり、あるいは、該壁面にカーボンが付着したりすることによって、炭化室自体の乾留機能が低下することから、これらの肌荒れ、カーボン付着等の状態を常に監視する必要がある。
【0004】
そこで、従来の場合、前者の耐火壁面に肌荒れを生じたときには、該耐火壁面の該当部分を補修するようにし、また、後者の耐火壁面にカーボン付着を生じたときには、該付着カーボンをあらためて焼却する等の処置を講じており、一方、前記炭化室におけるこれらの壁面の肌荒れ、カーボン付着等の機能低下の検出については、通常、前記押出し機の押出しラムによるコークスケーキの押出しに際して、該押出しラムにかけられる押出し負荷の変動を監視すること、つまり、ここでは、押出しラムの駆動源であるラム駆動用モーターの電力消費量の推移を観察、且つ監視することによって、該炭化室の状態を全体的に把握するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の炭化室壁面における肌荒れ、カーボン付着等の乾留機能低下の検出手法では、該炭化室の全体的な機能低下をこそ検出することができても、具体的な肌荒れ、カーボン付着等を確認することができず、このために適切な処置を講ずること自体が比較的困難であって、従来においては、前記ラム駆動用モーターの電力消費量の推移から、作業員が該乾留機能低下を経験的に判断して、夫々の対応処置を講じているのが現況である。
【0006】
また、前記従来の検出手法によって得るラム駆動用モーターの電力消費量は、単に、押出し機におけるコークスケーキの押出し開始から終了までの押出し経過時間中の動力の推移にのみ対応されるものにしか過ぎず、該押出しラムの駆動に必要な動力は、耐火壁面の肌荒れ、カーボン付着等に影響されるだけではないことから、該電力消費量の推移を考察するのみでは、必ずしも的確な判断をなし得ないという問題点があった。
【0007】
本発明は、従来のこのような実情に鑑み、これらの問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、コークス炉の炭化室における耐火壁面の肌荒れ、カーボン付着等の異常発生を早期に確認して適切な処置を講じ得るようにし、これによって該炭化室の乾留機能を常に良好な状態に維持可能にした、この種のコークス炉炭化室壁面の異常判定方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係るコークス炉炭化室壁面の異常判定方法は、コークス炉の炭化室(窯)内に所要の銘柄別配合による原料炭を装入し、且つ該装入原料炭を乾留処理してコークスケーキを得た後に、該コークスケーキを押出し(窯出し)するため、前記炭化室の一方の窯端側から他方の窯端側までの間、押出し機の押出しラムを作動させる際に、前記押出しラムに負荷される窯出し抵抗の変動を解析して、該炭化室壁面の異常、並びに異常発生位置を判定する方法であって、予め、前記炭化室の炉長方向壁面位置と押出しラムの窯出し作動位置との関係を壁面位置対作動位置の位置データとして設定しておき、前記炭化室における原料炭の各乾留処理サイクル毎に、前記位置データに合わせて、前記押出しラムによるコークスケーキの窯出し開始から窯出し終了に至る全窯出し経過時間に亘り、前記窯出し抵抗の変動をラム駆動用モーターの電力消費量の推移として検出且つ収集する変動検出データ収集過程と、前記変動検出データ収集過程で収集された各乾留処理サイクル毎の位置データと窯出し経過時間とを含む電力消費量の変動検出データに対して、該対応する各乾留処理サイクル毎に、その電力消費量の変動に関係する原料炭の性状、グロスコーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の乾留条件の変化を加えて補正した上で、これを夫々の前記位置データ、及び窯出し経過時間と一緒に記憶装置へ順次に蓄積させ、該位置データ、及び窯出し経過時間を含む電力消費量の変動検出データによって乾留実績データベースを作成する乾留実績データベース作成過程と、前記乾留実績データベース作成過程で得た少なくとも複数回の乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した既往平均電力消費量の推移、並びに最新乾留処理サイクルの最新電力消費量の推移、または最新直前の数回に亘る乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した最新平均電力消費量の推移の夫々を、該当位置データと共々に電力波形、またはグラフ化された電力波形として表示装置の画面上に表示させる乾留実績データ表示過程とを含み、前記表示装置の画面上に電力波形、またはグラフ化された電力波形として表示される既往平均電力消費量の推移と、最新電力消費量の推移、または最新平均電力消費量の推移との両者を夫々の位置データに合わせて比較解析し、これらの両電力消費量の差によって炭化室壁面の異常を判定すると共に、前記位置データから該異常発生位置を確定し得るようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
従って、本発明方法では、コークス炉の各炭化室(窯)内で繰り返し実行される装入原料炭の乾留処理に伴って、夫々の各乾留実績の管理がなされると共に、各乾留処理サイクル毎の押出し機の押出しラムによる位置データと窯出し経過時間とを含む電力消費量の変動に対して、該変動に関係する原料炭の性状、グロスコーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の乾留条件の変化を加えて補正した変動データが検出され、該検出された変動データを基準にして作成される各乾留実績データの内、少なくとも複数回の乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した既往平均電力消費量の推移と、最新乾留処理サイクルの最新電力消費量の推移、または最新直前の数回に亘る乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した最新平均電力消費量の推移との夫々を、該当位置データと共々に電力波形、またはグラフ化された電力波形として表示装置の画面上で比較解析することによって、炭化室の壁面異常が判定されると共に、該異常発生位置が確認される。
【0010】
【実施例】
以下、本発明に係るコークス炉炭化室壁面の異常判定方法の実施例につき、図1ないし図6を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施例を適用するコークス炉施設の概要を側方から見て模式的に示した断面構成図であり、また、図2は、本発明の一実施例を適用したコークス炉炭化室壁面の異常判定方法の概要を全体的に示すブロック図、図3は、同コークス炉炭化室壁面の異常判定方法の各乾留実績データの収集から解析までの流れを示すブロック図である。
【0012】
先ず、図1に示すコークス炉施設において、コークス炉10は、本実施例方法の判定対象となる多数の炭化室(窯)11を炉長方向へ並設状態に耐火構築することで構成されており、該夫々の各炭化室11に対しては、その並設方向に直交して敷設される夫々の各軌条(図示省略)上を制御走行可能にした各付帯施設、つまり、この場合は、装入車12と、本実施例方法適用の中核となる押出し機13と、ガイド車14、及び消火車15との夫々が配置される。
【0013】
ここで、前記装入車12は、前記コークス炉を構成する各炭化室11の上方側を一連に結んで制御走行し得るように配置されており、該夫々の各炭化室11内に対しては、公知の如く所要配合による原料炭を装入し、該各炭化室11では、内部に装入された原料炭を所期通りに乾留処理する。
【0014】
また、前記押出し機13は、前記各炭化室11の一方の窯端11a側を一連に結んで制御走行し得るように配置されると共に、ラム駆動用モーター13aにより駆動制御される押出しラム13bを有して構成され、該押出しラム13bの押出し作動によって、前記各炭化室11内で乾留処理されたコークスケーキを一方の窯端11a側から他方の窯端11b側へ向けて押出す。
【0015】
更に、前記ガイド車14と消火車15とは、前記各炭化室11の他方の窯端11b側を一連に結んで夫々に制御走行し得るように順次に配置されており、前記押出し機13の押出しラム13bによって押出されるコークスケーキを、ガイド車14によりガイドして消火車15上に移載させ、その後、該消火車15上に移載されたコークスケーキが、公知の如くに消火処理されて目的とするコークスを製造するのである。
【0016】
本実施例方法は、先にも縷々述べたように、上記構成によるコークス炉施設に適用されて、各炭化室11の耐火壁面の異常を検出するために、該炭化室11の一方の窯端11a側から他方の窯端11b側までの間、押出し機13の押出しラム13bを作動させる際に、前記押出しラム13bに負荷される窯出し抵抗の変動につき、これをラム駆動用モーター13aの電力消費量(以下、単に窯出し電力とも云う)の変動によってデータ検出し、該検出された変動データから解析して判定するのである。
【0017】
続いて、前記ラム駆動用モーター13aにおける電力消費量の変動データの検出、及び該変動データの解析による炭化室11の耐火壁面異常の判定手段の一例について詳細に述べる。
【0018】
図2、ないし図4を参照して、本例では、次のように窯出し消費電力のデータ収集、解析、及び集積の各システムを構成し、且つ稼働させる。
【0019】
先ず最初に、図2に示されているように、各乾留処理サイクル毎に、前記コークス(コークスケーキ)の押出しラム13bによる窯出し抵抗の変動をラム駆動用モーター13aの窯出し開始から終了に至るまでの電力消費量データによって測定し且つ収集する。即ち、ここでは、コークス窯出しの際のラム消費電力測定21であり、また、その際の消費電力収集22である。
【0020】
そして、前記消費電力収集22は、前記押出し機13に搭載された第1のパソコン(パーソナルコンピュータ)23を収集モードに設定して実行し、所期のデータ収集システムAを発動させる。
【0021】
この場合、前記のようにして得られる窯出し電力消費量、換言すると、データ収集開始から終了までの電力波形全体の電力積算平均値(総面積データ)の一例は、図4(a)に示す通りであり、その電力波形aによって窯出し作動全体の抵抗を確認できる。
【0022】
従って、ここでは、窯出し作動に際して、前記押出しラム13bの押出し負荷の値が、ラム駆動用モーター13aにかかる押出し負荷量につき、これがコークスケーキの押出し開始時点から押出し終了時点までに消費される窯出し消費電力量として収集され、該窯出し作動の全経過時間に亘る電力消費量データは、前記第1のパソコン23に入力されて記憶装置のHD(ハードディスク)上、必要に応じては、FD(フロッピィディスク)上に蓄積記憶する。
【0023】
ここで、前記電力消費量データの収集については、この場合、例えば、前記各炭化室11毎に60回の各乾留処理サイクル分相当のもの、換言すると、既往の最新60回相当分のデータを収納且つ蓄積するものとし、且つ該60回の乾留処理サイクルを越える電力消費量データは、最新情報を残して逐次に更新するものとする。
【0024】
また、前記押出しラム13bによってコークスケーキを押出す際には、前記図4(a)の電力波形a、ひいては図4(b)に示されているように、通常の場合、その押出し初期でのコークスケーキの圧縮開始時点から、該コークスケーキの移動開始時点を中心にした特定範囲(一般に圧縮開始から5sec程度後から15sec程度までの範囲)b内の作動時間が、押出し抵抗を最も顕著に凝縮して表わしており、該特定範囲bにおける抵抗値の大きさの如何が、炭化室の壁面異常の存在を如実に表わすことになるために、このときの消費電力の積算平均値、つまり、該特定作動時間内の平均消費電力積算値を演算して収集する。
【0025】
更に、図4(c)に示されているように、前記特定範囲bを経てから押出し終了までの範囲cにおける消費電力の積算平均値については、炭化室壁面の肌荒れ等による押出し抵抗の推移を表わすことになる。
【0026】
従って、前記のようにして得られる各平均消費電力積算値に対して、後述するように原料炭性状、GCT(グロスコーキングタイム)、焼成温度、窯出し消費電力値等の変化による影響度を考察した基準値を用いて補正し、該補正された平均消費電力積算値の推移と、予め各炭化室11毎に定めた基準平均消費電力積算値の推移とを比較演算することで、炭化室11の耐火壁面とコークスケーキとの摩擦抵抗の推移を各乾留処理サイクル毎に知ることができる。
【0027】
一方、予め前記炭化室11の炉長方向位置と押出しラム13bの作動位置との関係を位置データとして予め把握し得るように考慮しておけば、該炭化室壁面での異常発生位置についても確認が可能であり、これを炭化室壁面における補修の指針、並びに的確な補修位置の探索に容易に展開でき、更には、前記した最新60回の各乾留処理サイクルの収集データを用い、これを任意に重ね書き表示処理可能にすれば、補修前後の電力波形を重ね書きすることにより、補修終了後の補修効果を明確且つ容易に確認し得るのである。
【0028】
従って、このことから、各炭化室11毎の炭化室壁面における劣化の進行状況とか、カーボンの付着状況を把握できることになり、この結果、タイムリーな炭化室11の壁面補修の時期、及び付着カーボン焼却の時期を効果的に立案し得るのである。
【0029】
また、前記炭化室壁面へのカーボン付着による室内狭小化に伴った押出し抵抗の増加が、一面では、電力波形の上昇につながるために、ここでの電力波形の変化によって該炭化室壁面へのカーボン付着状況を容易に知り得ることが明らかであり、ここでもまた、前記と同様に、予め炭化室11の炉長方向位置と押出しラム13bの作動位置との関係を位置データとして予め把握し得るようにしておくことにより、該炭化室壁面でのカーボンの付着程度、付着位置等についても、確認が可能であって、的確なカーボン焼却を図り得ると共に、該カーボン焼却後の確認も、焼却前後の波形を重ね書きすることで、焼却による効果を明確且つ容易に確認し得るのである。
【0030】
ここで、前記電力消費量データの表示には、例えば、高速チャート等を使用したりせずに、後述するように、パソコン本体側でデータ収集モードからデータ解析モードに切り換えることにより、その表示装置としてのCRT上において、予め設定されている数種類の表示の内から、解析目的に従って選択された所要の表示種類に対応して表示させるのがよい。
【0031】
そして、後述するように、前記第1のパソコン23のHD上に蓄積されている収集データを転送することにより、同種パソコンを使用して、何時、如何なるところにおいても、該収集データを呼び出して解析できるようにし、且つ該パソコンに所定のプリンタを接続して各表示データを夫々にアウトプットすることも可能とし、更には、例えば、FDを使用した所要の一部データ(例えば、各炭化室(窯)毎、各乾留サイクル毎の使用電力積算平均値等)を乾留実績にインプットすることにより、原料炭性状、GCT、焼成温度、窯出し電力値等の変化に対する補正を加えた真の電力消費量を演算して定量的且つ経年的なデータのファイル管理を可能にする。
【0032】
ついで、前記データ収集システムAにおいて収集された各乾留処理サイクル毎の夫々の電力消費量データは、次段のデータ解析システムB、及びデータ集積システムCに送られる。
【0033】
先ず、前記前者のデータ解析システムBでは、前記押出し機13に搭載の第1のパソコン23、及び/または適宜、管理事務所等に設置された第2のパソコン24を解析モードに設定して、前記各乾留処理サイクル毎の窯出し電力消費量データを受け入れると共に、これらの第1のパソコン23、及び/または第2のパソコン25により、例えば、窯出し電力の推移のグラフ化、窯出し電力積算平均値の推移のグラフ化、及び窯出し電力積算値一覧のグラフ化等の各解析をなすことにより、目的とする各炭化室11の壁面異常の発生、つまり、壁面の肌荒れ、カーボン付着等を判定する。
【0034】
また、前記データ解析システムBにあっては、前記電力推移等のグラフ化において、前記各炭化室11毎、乾留処理サイクル毎の各窯出し電力消費量の推移を押出し経過時間と一緒に電力波形として表示することで、該電力波形の推移により、コークスケーキと炭化室壁面の摩擦抵抗の推移が表現されるから、これによって該炭化室壁面の肌荒れ、カーボン付着等の異常発生の探索を容易に行ない得るのである。
【0035】
更にまた、前記データ解析システムでの平均消費電力積算値の一覧グラフ化においては、前記原料炭性状、GCT、焼成温度、窯出し電力値等による補正後、あるいは補正前の演算処理された平均消費電力積算値と、最新の乾留処理サイクルの消費電力値、ないしは最新直前の複数回に亘る各乾留処理サイクルの演算処理された平均消費電力積算値とを表示装置上に表示させると共に、これらの各値の差を比較することにより、最新、ないしは最新直前の複数回に亘る各炭化室11毎の壁面状況に合わせて、各炭化室11毎に固有に潜在する押出し抵抗の推移を推測でき、結果的に、各炭化室11における壁面異常度に対する押出し抵抗の減少を図り得るので、これを炉内観察等の必要性を判断するための指針へと展開し且つ活用できるのである。
【0036】
次に、前記後者のデータ集積システムCでは、第3のパソコン25を計器室等に設置しておき、前記第1のパソコン23から転送される各乾留処理サイクル毎の夫々の電力消費量データについて、該第3のパソコン25の記憶装置に対し、先に述べた如く、原料炭性状、GCT、焼成温度、窯出し消費電力値等を乾留実績データベースとして蓄積記憶する。
【0037】
そして、前記第3のパソコン25にファイルされた乾留実績データベースによっては、その表示装置としてのCRT上において、例えば、日毎の銘柄別電力積算平均値、及び窯毎の最新Nサイクル平均値等が表示されると共に、一方では、例えば、オペレータ診断により、炭化室の壁面補修指針、及び付着カーボン焼却指針等を事前に前記データ解析システムBに展開させることで、該データ解析システムBにおける作用をより一層、効果的に助長し得るのである。
【0038】
【発明の効果】
以上、実施例によって詳述したように、本発明方法によれば、炭化室における原料炭の各乾留処理サイクル毎に、押出しラムによるコークスケーキの窯出し開始から窯出し終了に至る全窯出し経過時間に亘る窯出し抵抗の変動をラム駆動用モーターの電力消費量の推移として検出且つ収集すると共に、収集された各乾留処理サイクル毎の窯出し経過時間を含む電力消費量の変動検出データに対して、該対応する各乾留処理サイクル毎に、その電力消費量の変動に関係する原料炭の性状、グロスコーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の乾留条件の変化を加えて補正し、且つこれを夫々の予め設定されている位置データ、及び窯出し経過時間と一緒に記憶装置へ順次に蓄積させて乾留実績データベースを作成しておき、また、各乾留実績データの内で、少なくとも複数回の乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した既往平均電力消費量の推移と、最新乾留処理サイクルの最新電力消費量の推移、または最新直前の数回に亘る乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した最新平均電力消費量の推移とを、夫々の位置データと共々に電力波形、またはグラフ化された電力波形として画面上に表示させ、これらの電力波形、またはグラフ化された電力波形として表示される既往平均電力消費量の推移と、最新電力消費量の推移、または最新平均電力消費量の推移との両者を、夫々の位置データに合わせ比較解析して、両電力消費量の差によって炭化室壁面の異常を判定し、且つ位置データから該異常発生位置を確定するようにしたので、炭化室内で繰り返し実行される装入原料炭の乾留処理に伴い、炭化室の耐火壁面に生ずる肌荒れ、カーボン付着等の異常発生を早期且つ容易に確認できて、この判断結果に基づき、適切な処置を講ずることが可能になり、炭化室の乾留機能を常に良好な状態に維持し得るという優れた特長がある。
【0039】
又、前記異常判定の判断基準が、乾留処理サイクル毎の押出し機の押出しラムによる窯出し経過時間を含む電力消費量の変動に対して、該変動に関係する原料炭の性状、グロスコーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の乾留条件の変化を加えて補正した変動データであるから、単なる窯出し経過時間を含む電力消費量の変動のみとは異なって、常に適正な壁面異常を容易且つ効果的に判定できるのであり、更に、該変動データには、炭化室の炉長方向位置と押出しラムの押出し位置とを関係付ける位置データが含まれているために、該異常判断に合わせて異常発生位置をも容易に確認できて、その異常発生に対する排除対策を簡単且つ効果的に行ない得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用するコークス炉施設の概要を側方から見て模式的に示した断面構成図である。
【図2】本発明の一実施例を適用したコークス炉炭化室壁面の異常判定方法の概要を全体的に示すブロック図である。
【図3】同コークス炉炭化室壁面の異常判定方法の各乾留実績データの収集から解析までの流れを示すブロック図である。
【図4】同コークス炉炭化室壁面の異常判定方法における窯出し抵抗管理のために収集される消費電力波形を示し、(a)は、データ収集開始から終了までの電力平均値を示すグラフ、(b)は、データ収集開始5sec程度後から15sec程度までの特定範囲の電力平均値を示すグラフ、(c)は、データ収集開始15sec程度後から終了までの範囲の電力平均値を示すグラフである。
【符号の説明】
10 コークス炉
11 炭化室(窯)
11a 炭化室の一方の窯端
11b 炭化室の他方の窯端
12 装入車
13 押出し機
13a ラム駆動用モーター
13b 押出しラム
14 ガイド車
15 消火車
21 コークス窯出電力測定
22 窯出電力収集
23 第1のパソコン
24 収集モード
25 第2のパソコン
26 データ解析モード
A データ収集システム
B データ解析システム
C データ転送・集積システム
a データの収集開始から終了までの平均消費電力波形
b 圧縮開始時点から移動開始時点までの平均消費電力波形の特定範囲
c 移動開始時点から押出し終了までの平均消費電力波形の範囲

Claims (1)

  1. コークス炉の炭化室(窯)内に所要の銘柄別配合による原料炭を装入し、且つ該装入原料炭を乾留処理してコークスケーキを得た後に、該コークスケーキを押出し(窯出し)するため、前記炭化室の一方の窯端側から他方の窯端側までの間、押出し機の押出しラムを作動させる際に、前記押出しラムに負荷される窯出し抵抗の変動を解析して、該炭化室壁面の異常、並びに異常発生位置を判定する方法であって、
    予め、前記炭化室の炉長方向壁面位置と押出しラムの窯出し作動位置との関係を壁面位置対作動位置の位置データとして設定しておき、
    前記炭化室における原料炭の各乾留処理サイクル毎に、前記位置データに合わせて、前記押出しラムによるコークスケーキの窯出し開始から窯出し終了に至る全窯出し経過時間に亘り、前記窯出し抵抗の変動をラム駆動用モーターの電力消費量の推移として検出且つ収集する変動検出データ収集過程と、
    前記変動検出データ収集過程で収集された各乾留処理サイクル毎の位置データと窯出し経過時間とを含む電力消費量の変動検出データに対して、該対応する各乾留処理サイクル毎に、その電力消費量の変動に関係する原料炭の性状、グロスコーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の乾留条件の変化を加えて補正した上で、これを夫々の前記位置データ、及び窯出し経過時間と一緒に記憶装置へ順次に蓄積させ、該位置データ、及び窯出し経過時間を含む電力消費量の変動検出データによって乾留実績データベースを作成する乾留実績データベース作成過程と、
    前記乾留実績データベース作成過程で得た少なくとも複数回の乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した既往平均電力消費量の推移、並びに最新乾留処理サイクルの最新電力消費量の推移、または最新直前の数回に亘る乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した最新平均電力消費量の推移の夫々を、該当位置データと共々に電力波形、またはグラフ化された電力波形として表示装置の画面上に表示させる乾留実績データ表示過程とを含み、
    前記表示装置の画面上に電力波形、またはグラフ化された電力波形として表示される既往平均電力消費量の推移と、最新電力消費量の推移、または最新平均電力消費量の推移との両者を夫々の位置データに合わせて比較解析し、これらの両電力消費量の差によって炭化室壁面の異常を判定すると共に、前記位置データから該異常位置を確定し得るようにしたことを特徴とするコークス炉炭化室壁面の異常判定方法。
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