JPH08134459A - コークス炉炭化室壁面の異常判定方法 - Google Patents

コークス炉炭化室壁面の異常判定方法

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JPH08134459A
JPH08134459A JP30264394A JP30264394A JPH08134459A JP H08134459 A JPH08134459 A JP H08134459A JP 30264394 A JP30264394 A JP 30264394A JP 30264394 A JP30264394 A JP 30264394A JP H08134459 A JPH08134459 A JP H08134459A
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power consumption
carbonization
kiln
dry distillation
coke
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JP30264394A
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Masaki Irie
正喜 入江
Koichi Fukue
光一 福江
Susumu Nagatoshi
進 永利
Tetsuo Yamazaki
哲雄 山崎
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コークス炉の炭化室壁面の肌荒れ、カーボン
付着等の異常発生を早期に確認して適切な処置を講ずる
ようにする。 【構成】 原料炭の各乾留処理サイクル毎に、押出しラ
ムによるコークスケーキの全窯出し経過時間に亘り、窯
出し抵抗の変動をラム駆動用モーターの電力消費量の推
移として検出し、且つ該変動検出データに対して、各乾
留処理サイクル毎に電力消費量の変動に関係する原料炭
の性状、グロスコーキングタイム、焼成温度、窯出し電
力値等の乾留条件の変化を加え補正した上で、夫々の窯
出し経過時間と一緒に記憶装置へ順次に蓄積させて乾留
実績データベースとし、乾留実績データの内で、既往平
均電力消費量の推移と、最新電力消費量の推移、または
最新平均電力消費量の推移とを電力波形、またはグラフ
化された電力波形として表示させ、これらの両者を比較
解析して炭化室壁面の異常を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所要の銘柄別配合によ
る原料炭を炭化室内で乾留処理してコークスを製造する
コークス炉において、該炭化室の壁面異常を判定する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のコークス炉、つまり、
原料炭を乾留処理するための多数の炭化室(窯)を炉長
方向に並設させて耐火構築するコークス炉の操業につい
ては、従来からよく知られているように、先ず、装入車
を用い、炭化室内に対して所要配合による原料炭を装入
すると共に、該原料炭の乾留処理を所期通りに実行し、
次いで、前記乾留処理の終了後、押出し機の押出しラム
を駆動して炭化室内の乾留処理された原料炭、いわゆる
コークスケーキを一方の窯端側から他方の窯端側へ向け
て次第に押出すことで、ガイド車を介して該コークスケ
ーキを消火車上に移載させ、その後、前記消火車上に移
載されたコークスケーキを消火処理して目的とするコー
クスを得ており、コークス炉を構成する各炭化室におい
ては、以上の装入車による原料炭の装入、該原料炭の乾
留処理、押出し機による乾留処理されたコークスケーキ
の押出しの各操作が、所定の乾留サイクル毎に夫々繰り
返して行なわれる。
【0003】而して、前記炭化室にあっては、所定の乾
留サイクル毎の多数回に亘って繰り返される原料炭の乾
留処理に伴ない、該炭化室を構築している耐火壁面に損
耗等に基づいた壁面荒れ、いわゆる肌荒れを生じたり、
あるいは、該壁面にカーボンが付着したりすることによ
って、炭化室自体の乾留機能が低下することから、これ
らの肌荒れ、カーボン付着等の状態を常に監視する必要
がある。
【0004】そこで、従来の場合、前者の耐火壁面に肌
荒れを生じたときには、該耐火壁面の該当部分を補修す
るようにし、また、後者の耐火壁面にカーボン付着を生
じたときには、該付着カーボンをあらためて焼却する等
の処置を講じており、一方、前記炭化室におけるこれら
の壁面の肌荒れ、カーボン付着等の機能低下の検出につ
いては、通常、前記押出し機の押出しラムによるコーク
スケーキの押出しに際して、該押出しラムにかけられる
押出し負荷の変動を監視すること、つまり、ここでは、
押出しラムの駆動源であるラム駆動用モーターの電力消
費量の推移を観察、且つ監視することによって、該炭化
室の状態を全体的に把握するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の炭化室壁面における肌荒れ、カーボン付着等の
乾留機能低下の検出手法では、該炭化室の全体的な機能
低下をこそ検出することができても、具体的な肌荒れ、
カーボン付着等を確認することができず、このために適
切な処置を講ずること自体が比較的困難であって、従来
においては、前記ラム駆動用モーターの電力消費量の推
移から、作業員が該乾留機能低下を経験的に判断して、
夫々の対応処置を講じているのが現況である。
【0006】また、前記従来の検出手法によって得るラ
ム駆動用モーターの電力消費量は、単に、押出し機にお
けるコークスケーキの押出し開始から終了までの押出し
経過時間中の動力の推移にのみ対応されるものにしか過
ぎず、該押出しラムの駆動に必要な動力は、耐火壁面の
肌荒れ、カーボン付着等に影響されるだけではないこと
から、該電力消費量の推移を考察するのみでは、必ずし
も的確な判断をなし得ないという問題点があった。
【0007】本発明は、従来のこのような実情に鑑み、
これらの問題点を解消するためになされたもので、その
目的とするところは、コークス炉の炭化室における耐火
壁面の肌荒れ、カーボン付着等の異常発生を早期に確認
して適切な処置を講じ得るようにし、これによって該炭
化室の乾留機能を常に良好な状態に維持可能にした、こ
の種のコークス炉炭化室壁面の異常判定方法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係るコークス炉炭化室壁面の異常判定方法
は、コークス炉の炭化室(窯)内に所要の銘柄別配合に
よる原料炭を装入し、且つ該装入原料炭を乾留処理して
コークスケーキを得た後に、該コークスケーキを押出し
(窯出し)するため、前記炭化室の一方の窯端側から他
方の窯端側までの間、押出し機の押出しラムを作動させ
る際に、前記押出しラムに負荷される窯出し抵抗の変動
を解析して、該炭化室壁面の異常を判定する方法であっ
て、前記炭化室における原料炭の各乾留処理サイクル毎
に、前記押出しラムによるコークスケーキの窯出し開始
から窯出し終了に至る全窯出し経過時間に亘り、前記窯
出し抵抗の変動をラム駆動用モーターの電力消費量の推
移として検出且つ収集する変動検出データ収集過程と、
前記変動検出データ収集過程で収集された各乾留処理サ
イクル毎の窯出し経過時間を含む電力消費量の変動検出
データに対して、該対応する各乾留処理サイクル毎に、
その電力消費量の変動に関係する原料炭の性状、グロス
コーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の乾留条
件の変化を加えて補正した上で、これを夫々の窯出し経
過時間と一緒に記憶装置へ順次に蓄積させ、該窯出し経
過時間を含む電力消費量の変動検出データによって乾留
実績データベースを作成する乾留実績データベース作成
過程と、前記乾留実績データベース作成過程で得た少な
くとも複数回の乾留処理サイクルの各乾留実績データか
ら算出した既往平均電力消費量の推移、並びに最新乾留
処理サイクルの最新電力消費量の推移、または最新直前
の数回に亘る乾留処理サイクルの各乾留実績データから
算出した最新平均電力消費量の推移の夫々を電力波形、
またはグラフ化された電力波形として表示装置の画面上
に表示させる乾留実績データ表示過程とを含み、前記表
示装置の画面上に電力波形、またはグラフ化された電力
波形として表示される既往平均電力消費量の推移と、最
新電力消費量の推移、または最新平均電力消費量の推移
との両者を比較して解析し、これらの両電力消費量の差
によって炭化室壁面の異常を判定することを特徴とする
ものである。
【0009】
【作用】従って、本発明方法では、コークス炉の各炭化
室(窯)内で繰り返し実行される装入原料炭の乾留処理
に伴って、夫々の各乾留実績の管理がなされると共に、
各乾留処理サイクル毎の押出し機の押出しラムによる窯
出し経過時間を含む電力消費量の変動に対して、該変動
に関係する原料炭の性状、グロスコーキングタイム、焼
成温度、窯出し電力値等の乾留条件の変化を加えて補正
した変動データが検出され、該検出された変動データを
基準にして作成される各乾留実績データの内、少なくと
も複数回の乾留処理サイクルの各乾留実績データから算
出した既往平均電力消費量の推移と、最新乾留処理サイ
クルの最新電力消費量の推移、または最新直前の数回に
亘る乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した
最新平均電力消費量の推移とを、夫々に電力波形、また
はグラフ化された電力波形として表示装置の画面上で比
較解析することによって、炭化室の壁面異常が判定され
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係るコークス炉炭化室壁面の
異常判定方法の実施例につき、図1ないし図3を参照し
て詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施例を適用するコー
クス炉施設の概要を側方から見て模式的に示した断面構
成図であり、また、図2は、本発明の一実施例を適用し
たコークス炉炭化室壁面の異常判定方法の概要を全体的
に示すブロック図、図3は、同コークス炉炭化室壁面の
異常判定方法の各乾留実績データの収集から解析までの
流れを示すブロック図である。
【0012】先ず、図1に示すコークス炉施設におい
て、コークス炉10は、本実施例方法の判定対象となる
多数の炭化室(窯)11を炉長方向へ並設状態に耐火構
築することで構成されており、該夫々の各炭化室11に
対しては、その並設方向に直交して敷設される夫々の各
軌条(図示省略)上を制御走行可能にした各付帯施設、
つまり、この場合は、装入車12と、本実施例方法適用
の中核となる押出し機13と、ガイド車14、及び消火
車15との夫々が配置される。
【0013】ここで、前記装入車12は、前記コークス
炉を構成する各炭化室11の上方側を一連に結んで制御
走行し得るように配置されており、該夫々の各炭化室1
1内に対しては、公知の如く所要配合による原料炭を装
入し、該各炭化室11では、内部に装入された原料炭を
所期通りに乾留処理する。
【0014】また、前記押出し機13は、前記各炭化室
11の一方の窯端11a側を一連に結んで制御走行し得
るように配置されると共に、ラム駆動用モーター13a
により駆動制御される押出しラム13bを有して構成さ
れ、該押出しラム13bの押出し作動によって、前記各
炭化室11内で乾留処理されたコークスケーキを一方の
窯端11a側から他方の窯端11b側へ向けて押出す。
【0015】更に、前記ガイド車14と消火車15と
は、前記各炭化室11の他方の窯端11b側を一連に結
んで夫々に制御走行し得るように順次に配置されてお
り、前記押出し機13の押出しラム13bによって押出
されるコークスケーキを、ガイド車14によりガイドし
て消火車15上に移載させ、その後、前記消火車15上
に移載されたコークスケーキが、公知の如くに消火処理
されて目的とするコークスを製造するのである。
【0016】本実施例方法は、先にも縷々述べたよう
に、上記構成によるコークス炉施設に適用されて、各炭
化室11の耐火壁面の異常を検出するために、該炭化室
11の一方の窯端11a側から他方の窯端11b側まで
の間、押出し機13の押出しラム13bを作動させる際
に、前記押出しラム13bに負荷される窯出し抵抗の変
動につき、これをラム駆動用モーター13aの電力消費
量(以下、単に窯出し電力とも云う)の変動によってデ
ータ検出し、該検出された変動データから解析して判定
するのである。
【0017】続いて、前記ラム駆動用モーター13aに
おける電力消費量の変動データの検出、及び該変動デー
タの解析による炭化室11の耐火壁面異常の判定手段の
一例について詳細に述べる。
【0018】図2、及び図3を参照して、本例では、次
のように窯出し消費電力のデータ収集、解析、及び集積
の各システムを構成し、且つ稼働させる。
【0019】先ず最初に、図2に示されているように、
各乾留処理サイクル毎に、前記コークス(コークスケー
キ)の押出しラム13bによる窯出し開始から終了に至
るまでの窯出し抵抗の変動をラム駆動用モーター13a
の窯出し電力消費量データによって測定し且つ収集す
る。即ち、ここでは、コークス窯出しの際のラム消費電
力測定21であり、また、その際の消費電力収集22で
ある。
【0020】そして、前記消費電力収集22は、例え
ば、前記押出し機13に搭載された第1のパソコン(パ
ーソナルコンピュータ)23を収集モードに設定して実
行し、所期のデータ収集システムAを発動させる。
【0021】従って、ここでは、窯出し作動に際して、
前記押出しラム13bの押出し負荷の値が、ラム駆動用
モーター13aにかかる押出し負荷量につき、これがコ
ークスケーキの押出し開始時点から押出し終了時点まで
に消費される窯出し消費電力量として収集され、該窯出
し作動の全経過時間に亘る電力消費量データは、前記第
1のパソコン23に入力されて記憶装置のHD(ハード
ディスク)上、必要に応じては、FD(フロッピィディ
スク)上に蓄積記憶する。
【0022】また、前記電力消費量データの収集につい
ては、この場合、例えば、前記各炭化室11毎に60回
の各乾留処理サイクル分相当のもの、換言すると、既往
の最新60回相当分のデータを収納且つ蓄積するものと
し、且つ該60回の乾留処理サイクルを越える電力消費
量データは、最新情報を残して逐次に更新するものとす
る。
【0023】更に、前記電力消費量データの表示には、
例えば、高速チャート等を使用したりせずに、後述する
ように、パソコン本体側でデータ収集モードからデータ
解析モードに切り換えることにより、その表示装置とし
てのCRT上において、予め設定されている数種類の表
示の内から、解析目的に従って選択された所要の表示種
類に対応して表示させる。
【0024】そして、後述するように、HD上に蓄積さ
れている収集データを転送することにより、同種パソコ
ンを使用して、何時、如何なるところにおいても、該収
集データを呼び出して解析できるようにし、且つ該パソ
コンにプリンタを接続して各表示データを夫々にアウト
プットすることも可能とし、更には、例えば、FDを使
用した所要の一部データ(例えば、各炭化室(窯)毎、
各乾留サイクル毎の使用電力積算平均値等)を乾留実績
にインプットすることにより、原料炭性状、GCT(グ
ロスコーキングタイム)、焼成温度、窯出し電力値等の
変化に対する補正を加えた真の窯出し電力消費量を演算
して定量的且つ経年的なデータのファイル管理を可能に
する。
【0025】ついで、前記データ収集システムAにおい
て収集された各乾留処理サイクル毎の夫々の電力消費量
データは、次段のデータ解析システムB、及びデータ集
積システムCに転送する。
【0026】先ず、前記前者のデータ解析システムBで
は、前記押出し機13に搭載の第1のパソコン23、及
び/または適宜、管理事務所等に設置された第2のパソ
コン24を解析モードに設定して、前記各乾留処理サイ
クル毎の窯出し電力消費量データを受け入れると共に、
これらの第1のパソコン23、及び/または第2のパソ
コン24により、例えば、窯出し電力の推移のグラフ
化、窯出し電力積算平均値の推移のグラフ化、及び窯出
し電力積算値一覧のグラフ化等の解析をなすことによ
り、目的とする各炭化室11の壁面異常の発生、つま
り、壁面の肌荒れ、カーボン付着等を判定する。
【0027】また、前記データ解析システムBにあって
は、前記電力推移等のグラフ化において、前記各炭化室
11毎、乾留処理サイクル毎の各窯出し電力消費量の推
移を押出し経過時間と一緒に電力波形として表示するこ
とで、該電力波形の推移により、コークスケーキと炭化
室壁面の摩擦抵抗の推移が表現されるから、これによっ
て該炭化室壁面の肌荒れ、カーボン付着等の異常発生の
探索を容易に行ない得る。
【0028】一方、前記電力波形の経過時間に並行し
て、予め炭化室11の炉長方向位置と押出しラム13b
の作動位置との関係を位置データとして予め把握し得る
ように考慮しておけば、該炭化室壁面での異常発生位置
についても確認が可能であり、これを炭化室壁面におけ
る補修の指針、並びに的確な補修位置の探索に容易に展
開できる。
【0029】そして、前記した最新60回の各乾留処理
サイクルの収集データを用い、これを任意に重ね書き表
示処理可能にすれば、補修前後の電力波形を重ね書きす
ることにより、補修終了後の補修効果を明確且つ容易に
確認し得る。
【0030】更に、前記炭化室壁面へのカーボン付着に
よる室内狭小化に伴った押出し抵抗の増加が、一面で
は、電力波形の上昇につながるために、ここでの電力波
形の変化によって該炭化室壁面へのカーボン付着状況を
容易に知ることができる。
【0031】ここでもまた、前記と同様に、予め炭化室
11の炉長方向位置と押出しラム13bの作動位置との
関係を位置データとして予め把握し得るようにしておく
ことにより、該炭化室壁面でのカーボンの付着程度、付
着位置等についても、確認が可能であって、的確なカー
ボン焼却を図り得ると共に、該カーボン焼却後の確認
も、焼却前後の波形を重ね書きすることで、焼却による
効果を明確且つ容易に確認し得る。
【0032】そして、前記窯出し電力の積算平均値推移
をグラフ化することにおいては、押出しラム13bによ
ってコークスケーキを押出す際、その押出し初期でのコ
ークスケーキの圧縮開始時点から、該コークスケーキの
移動開始時点を中心にした特定範囲内の作動時間が、押
出し抵抗を最も顕著に凝縮して表わすので、このときの
消費電力の積算平均値、つまり、該特定作動時間内の平
均消費電力積算値を演算して収集すると共に、このよう
にして得られる平均消費電力積算値に対し、前記したよ
うに、原料炭性状、GCT、焼成温度、窯出し電力値等
の変化による影響度を考察した基準値で補正し、該補正
された平均消費電力積算値の推移と、予め各炭化室11
毎に定めた基準平均消費電力積算値の推移とを比較演算
することで、炭化室11の耐火壁面とコークスケーキと
の摩擦抵抗の推移を各乾留処理サイクル毎に知ることが
できる。
【0033】従って、以上のことから、各炭化室11毎
の炭化室壁面における劣化の進行状況とか、カーボンの
付着状況を把握できることになり、この結果、タイムリ
ーな炭化室11の壁面補修の時期、及び付着カーボン焼
却の時期を効果的に立案し得るのである。
【0034】更にまた、前記データ解析システムでの平
均消費電力積算値の一覧グラフ化においては、前記した
原料炭性状、GCT、焼成温度、窯出し電力値等による
補正後、あるいは補正前の演算処理された平均消費電力
積算値と、最新の乾留処理サイクルの消費電力値、ない
しは最新直前の複数回に亘る各乾留処理サイクルの演算
処理された平均消費電力積算値とを表示装置上に表示さ
せると共に、これらの各値の差を比較することにより、
最新、ないしは最新直前の複数回に亘る各炭化室11毎
の壁面状況に合わせて、各炭化室11毎に固有に潜在す
る押出し抵抗の推移を推測でき、結果的に、各炭化室1
1における壁面異常度に対する押出し抵抗の減少を図り
得るので、これを炉内観察等の必要性を判断するための
指針へと展開し且つ活用できるのである。
【0035】次に、前記後者のデータ集積システムCで
は、第3のパソコン25を計器室等に設置しておき、前
記第1のパソコン23から転送される各乾留処理サイク
ル毎の夫々の電力消費量データについて、該第3のパソ
コン25の記憶装置に対し、先に述べた如く、原料炭性
状、GCT、焼成温度、窯出し消費電力値等を乾留実績
データベースとして蓄積記憶する。
【0036】そして、前記第3のパソコン25にファイ
ルされた乾留実績データベースによっては、その表示装
置としてのCRT上において、例えば、日毎の銘柄別電
力積算平均値、及び窯毎の最新Nサイクル平均値等が表
示されると共に、一方では、例えば、オペレータ診断に
より、炭化室の壁面補修指針、及び付着カーボン焼却指
針等を事前に前記データ解析システムBに展開させるこ
とで、該データ解析システムBにおける作用をより一
層、効果的に助長し得るのである。
【0037】
【発明の効果】以上、実施例によって詳述したように、
本発明方法によれば、炭化室における原料炭の各乾留処
理サイクル毎に、押出しラムによるコークスケーキの窯
出し開始から窯出し終了に至る全窯出し経過時間に亘る
窯出し抵抗の変動をラム駆動用モーターの電力消費量の
推移として検出且つ収集すると共に、収集された各乾留
処理サイクル毎の窯出し経過時間を含む電力消費量の変
動検出データに対して、該対応する各乾留処理サイクル
毎に、その電力消費量の変動に関係する原料炭の性状、
グロスコーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の
乾留条件の変化を加えて補正し、且つこれを夫々の窯出
し経過時間と一緒に記憶装置へ順次に蓄積させて乾留実
績データベースを作成しておき、また、各乾留実績デー
タの内で、少なくとも複数回の乾留処理サイクルの各乾
留実績データから算出した既往平均電力消費量の推移
と、最新乾留処理サイクルの最新電力消費量の推移、ま
たは最新直前の数回に亘る乾留処理サイクルの各乾留実
績データから算出した最新平均電力消費量の推移との夫
々を電力波形、またはグラフ化された電力波形として画
面上に表示させ、これらの電力波形、またはグラフ化さ
れた電力波形として表示される既往平均電力消費量の推
移と、最新電力消費量の推移、または最新平均電力消費
量の推移との両者を比較して解析し、両電力消費量の差
によって炭化室壁面の異常を判定するようにしたので、
炭化室内で繰り返し実行される装入原料炭の乾留処理に
伴い、炭化室の耐火壁面に生ずる肌荒れ、カーボン付着
等の異常発生を早期且つ容易に確認できて、この判断結
果に基づき、適切な処置を講ずることが可能になり、炭
化室の乾留機能を常に良好な状態に維持し得るという優
れた特長がある。
【0038】また、前記異常判定の判断基準が、乾留処
理サイクル毎の押出し機の押出しラムによる窯出し経過
時間を含む電力消費量の変動に対して、該変動に関係す
る原料炭の性状、グロスコーキングタイム、焼成温度、
窯出し電力値等の乾留条件の変化を加えて補正した変動
データであるから、単なる窯出し経過時間を含む電力消
費量の変動のみとは異なって、常に適正な壁面異常を容
易且つ効果的に判定できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用するコークス炉施設の
概要を側方から見て模式的に示した断面構成図である。
【図2】本発明の一実施例を適用したコークス炉炭化室
壁面の異常判定方法の概要を全体的に示すブロック図で
ある。
【図3】同コークス炉炭化室壁面の異常判定方法の各乾
留実績データの収集から解析までの流れを示すフローチ
ャートである。
【図4】同各乾留実績データの活用手段の一例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
10 コークス炉 11 炭化室(窯) 11a 炭化室の一方の窯端 11b 炭化室の他方の窯端 12 装入車 13 押出し機 13a ラム駆動用モーター 13b 押出しラム 14 ガイド車 15 消火車 21 コークス窯出しの消費電力測定 22 消費電力収集 23 第1のパソコン 24 第2のパソコン 25 第3のパソコン A データ収集システム B データ解析システム C データ集積システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 哲雄 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉の炭化室(窯)内に所要の銘
    柄別配合による原料炭を装入し、且つ該装入原料炭を乾
    留処理してコークスケーキを得た後に、該コークスケー
    キを押出し(窯出し)するため、前記炭化室の一方の窯
    端側から他方の窯端側までの間、押出し機の押出しラム
    を作動させる際に、前記押出しラムに負荷される窯出し
    抵抗の変動を解析して、該炭化室壁面の異常を判定する
    方法であって、 前記炭化室における原料炭の各乾留処理サイクル毎に、
    前記押出しラムによるコークスケーキの窯出し開始から
    窯出し終了に至る全窯出し経過時間に亘り、前記窯出し
    抵抗の変動をラム駆動用モーターの電力消費量の推移と
    して検出且つ収集する変動検出データ収集過程と、 前記変動検出データ収集過程で収集された各乾留処理サ
    イクル毎の窯出し経過時間を含む電力消費量の変動検出
    データに対して、該対応する各乾留処理サイクル毎に、
    その電力消費量の変動に関係する原料炭の性状、グロス
    コーキングタイム、焼成温度、窯出し電力値等の乾留条
    件の変化を加えて補正した上で、これを夫々の窯出し経
    過時間と一緒に記憶装置へ順次に蓄積させ、該窯出し経
    過時間を含む電力消費量の変動検出データによって乾留
    実績データベースを作成する乾留実績データベース作成
    過程と、 前記乾留実績データベース作成過程で得た少なくとも複
    数回の乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出し
    た既往平均電力消費量の推移、並びに最新乾留処理サイ
    クルの最新電力消費量の推移、または最新直前の数回に
    亘る乾留処理サイクルの各乾留実績データから算出した
    最新平均電力消費量の推移の夫々を電力波形、またはグ
    ラフ化された電力波形として表示装置の画面上に表示さ
    せる乾留実績データ表示過程とを含み、 前記表示装置の画面上に電力波形、またはグラフ化され
    た電力波形として表示される既往平均電力消費量の推移
    と、最新電力消費量の推移、または最新平均電力消費量
    の推移との両者を比較して解析し、これらの両電力消費
    量の差によって炭化室壁面の異常を判定することを特徴
    とするコークス炉炭化室壁面の異常判定方法。
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