JPH1161005A - 紫外線硬化型透明導電性被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した透明導電性被膜付きガラス - Google Patents

紫外線硬化型透明導電性被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した透明導電性被膜付きガラス

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JPH1161005A
JPH1161005A JP9214750A JP21475097A JPH1161005A JP H1161005 A JPH1161005 A JP H1161005A JP 9214750 A JP9214750 A JP 9214750A JP 21475097 A JP21475097 A JP 21475097A JP H1161005 A JPH1161005 A JP H1161005A
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indium
fatty acid
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transparent conductive
ocor
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JP9214750A
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Hiroaki Hayashi
宏明 林
Hiroshi Morizaki
寛 森崎
Yasuyuki Ohara
康之 大原
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Tsuchiya KK
Original Assignee
Tsuchiya KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 きわめて精細なパターンをもち、可視光線を
透過し、かつ高い導電性を示す酸化インジウム系酸化物
被膜を有する透明導電性皮膜付きガラスを提供する。 【解決手段】 本発明はガラス基体上に脂肪酸インジウ
ム、脂肪酸スズとエタノールアミンと随意にアセチルア
セトンからなる溶液を塗布、乾燥し、フォトマスクを載
置して紫外線を照射、現像し、焼成することよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶、EL、プラ
ズマディスプレイなどの各種表示装置や電子機器の透明
タッチパネルの透明電極に使用される透明導電膜を形成
するための塗布液とその塗布液を用いて得られた透明導
電膜付きガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パターニングされた透明導電膜を形成す
る場合、従来は3通りの方法が用いられていた。1つは
透明導電インクをスクリーン印刷などの印刷によりパタ
ーニングし、その印刷膜を焼成してパターニングされた
透明導電膜を得るという方法(例えば、特公昭61−3
5646記載)、もう1つは蒸着、スパッタ、塗布−焼
成などにより、得られた透明導電膜の上にフォトレジス
ト膜を形成し、露光、硬化後、レジストをエッチングに
よりパターニングした後、酸などの透明導電膜エッチン
グ用溶液でのエッチングによってパターニングした透明
導電膜を形成させる方法である。さらにもう1つの方法
はインジウム化合物とスズ化合物と放射線硬化樹脂を混
合した塗布液を塗布、乾燥、フォトマスクを介して紫外
線を照射、現像によりパターニングし、焼成により透明
導電膜を得る方法(例えば、特開平2−109207記
載)である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来法
にはおのおの次のような問題があった。まず、印刷−焼
成によりパターニングして透明導電膜を得る方法は10
0μm以下の微細なパターンを形成することが困難であ
るということ、エッチングによる方法では工程が多くな
りすぎ、コストアップにつながるという問題点があっ
た。また、放射線硬化樹脂を混合した液を用いる方法で
は硬化膜中に樹脂が多く含まれており、焼成の際に樹脂
が燃焼することにより、膜が多孔質になり、低抵抗値の
ものが得られないという問題点があった。
【0004】本発明はこのような従来の問題を解決する
ものであり、低コストに微細なパターンの低抵抗透明導
電膜を得るための、長期安定な1液紫外線硬化型塗布液
及び該塗布液から得られた透明導電性被膜付きガラスを
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述のような問題点を解
決し、ガラス基体上にパターニングされた透明導電性被
膜を容易に、しかも安価で製造する方法およびそれに適
した材料開発をするために鋭意研究を行った結果、エタ
ノールアミンが脂肪酸インジウムと脂肪酸スズを有機溶
媒に完全に溶解させ、しかも水分に対して長期に安定な
塗布液を作製可能にするということを見出した。さらに
この塗布液を塗布、乾燥した膜は紫外線を照射すること
により、アルコールに不溶な膜となることも見出した。
そしてこの塗布液にさらにアセチルアセトンを添加する
と感光性がより向上することも見出した。これにより、
長期に安定で、焼成の際、多孔質化の原因となる感光性
樹脂を全く含まない透明導電性被膜形成用塗布液を作製
することで上記の問題を解決することができた。
【0006】インジウム化合物である脂肪酸インジウム
とスズ化合物である脂肪酸スズを用いて添加剤としてエ
タノールアミンを添加することにより、脂肪酸インジウ
ム及び脂肪酸スズを有機溶剤に溶解可能な形にすること
および紫外線に対して感光性を有するようにすることで
紫外線硬化型塗布液の作製を可能とし、さらにこの溶液
にアセチルアセトンを添加することで、より感光性を向
上させることを可能とした。これらの液をガラス基体上
に塗布、乾燥し、その上にフォトマスクを載置して紫外
線を照射、現像してパターニングした膜を焼成すること
によりパターニングされた低抵抗透明導電性被膜を形成
し、容易にその目的を達成することを見出し、本発明に
到達した。
【0007】即ち、本発明は従来技術では不可能であっ
たパターニングされた透明性及び導電性の優れた酸化物
の膜を安価で容易に形成するための紫外線硬化型塗布液
およびその液の製造方法、さらにその液を用いて膜をガ
ラス基体上に形成せしめた透明導電性被膜付きガラスを
提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の透明導電性皮膜形成用塗
布液は (a)脂肪酸インジウム (b)脂肪酸スズ (c)エタノールアミン (d)有機溶媒 または (a)脂肪酸インジウム (b)脂肪酸スズ (c)エタノールアミン (d)有機溶媒 (e)アセチルアセトン からなる。
【0009】上記塗布液の構成において、(a)、
(b)は導電性を付与するための成分であり、(c)は
(a)、(b)と反応し、(a)、(b)に感光性を与
えかつ、(d)に(a)、(b)を完全に溶解させる役
割を果たす。成分(a)は(d)と単純に混合するだけ
では溶解しない。この成分(a)を溶解させるために
(c)成分を添加すると完全に成分(a)が溶解するこ
とを見出した。また、(c)は(a)と反応し、インジ
ウム化合物自身が感光性を示すようになることが発明者
らにより発見された。(c)は(b)とも反応し、スズ
化合物自身が感光性を持つようになることも見出され
た。(c)を添加することによって、有機溶媒に溶解し
た(a)、(b)は紫外線照射により、アルコール類等
の有機溶媒及び有機溶媒と酸の混合液に不溶な状態とな
る。この現象を利用することにより、パターニングが可
能となった。
【0010】さらに発明者らは成分(e)をこの溶液に
加え、インジウム化合物及びスズ化合物と反応させるこ
とにより、インジウム化合物及びスズ化合物の感光性が
向上することも見出した。これらの反応は脂肪酸インジ
ウムの側鎖及び脂肪酸スズの側鎖、すなわちカルボキシ
ル基と(c)、(e)が一部置換し、配位結合をつくる
と考えられる。
【0011】本発明の塗布液の製造方法としては、まず
脂肪酸インジウムと脂肪酸スズをSn濃度がIn濃度に
対して0.01〜0.3(モル比)となるように有機溶
媒中で混合する。導電性を考慮してIn量とSn量は上
述のモル比が好ましい。
【0012】インジウム原料として用いる脂肪酸インジ
ウムとしては例えば、酢酸インジウム、プロピオン酸イ
ンジウム、オクチル酸インジウム等が挙げられるが、炭
素数の多い脂肪酸塩は熱分解時の重量減少が多いので、
炭素数の少ない脂肪酸インジウムがより好ましい。
【0013】使用する脂肪酸スズとしては例えば、酢酸
スズ、プロピオン酸スズ、カプロン酸スズ、2−エチル
ヘキサン酸スズ等が挙げられる。
【0014】使用する有機溶媒としては例えば、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、n−ブタノール、i−ブタノール、tert−ブタ
ノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピ
レングリコール等のグリコール類、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテ
ル類等が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、1種だ
けを用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもかま
わない。
【0015】有機溶媒の量は、目的、用途等に応じて当
業者が自由に決めることができる。一般には、インジウ
ム濃度が0.05〜2mol/lとなる量が好ましい。
この量は液中のインジウム濃度を適切な値に保ち、かつ
塗布に適した粘度にするために推奨される量である。溶
媒が多すぎるとインジウム濃度が低くなり、塗布膜厚の
薄い導電性の十分でない膜ができてしまうことがあり、
逆に溶媒量が少なすぎると粘度が高くなり、塗布液とし
ては適さなくなり、塗布膜にクラックが入ったり、可視
光透過率の低い膜ができてしまうことがある。
【0016】この脂肪酸インジウム、脂肪酸スズと有機
溶媒との混合液は脂肪酸インジウムが溶解せずに固体と
して分散または沈殿した状態で存在しており、このまま
では塗布液としては使用できない。これにエタノールア
ミンを適切な量添加することによって、脂肪酸インジウ
ムは全て溶解し、均質な安定した透明溶液となる。ま
た、脂肪酸スズは加水分解が速く、そのまま溶液にして
塗布液として用いたのでは、塗布膜は乾燥時に大気中の
湿分で急激に加水分解され、白化してしまう。そこで、
エタノールアミンを添加して脂肪酸スズにエタノールア
ミンを配位させることにより、大気中の湿分で加水分解
される脂肪酸スズの量を減らすことに成功し、この問題
を解決して本発明に到達した。従って、エタノールアミ
ンは、脂肪酸インジウムを有機溶媒に完全に溶解させ、
かつ脂肪酸スズの加水分解を抑制し、この溶液を塗布し
た膜を透明にかつ均質に保つ役割を果たす。
【0017】添加するエタノールアミンの量は脂肪酸イ
ンジウムと脂肪酸スズの合計のモルに対して1(mol
比)より少ないと脂肪酸インジウムの溶解が不十分で、
塗布の際、未溶解の脂肪酸インジウム粒子が析出した、
表面の粗い塗布膜となったり、脂肪酸スズの加水分解が
十分に抑制されず、大気中の湿分で加水分解され、塗布
膜が白化したりする。また、添加するエタノールアミン
の量が脂肪酸インジウムと脂肪酸スズの合計のモルに対
して8(mol比)より多くなると、塗布膜にムラが生
じてしまう。従って、エタノールアミンの添加量として
は脂肪酸インジウムと脂肪酸スズの合計のモルに対して
1〜8(mol比)が好ましい。
【0018】添加するエタノールアミンとしてはモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンが挙げられるが、そのうちの1つだけを用いても
よいが、2つ以上用いてもよい。
【0019】こうして得られた透明導電性酸化物被膜形
成用塗布液は室温において長期にわたり安定であり、こ
の液を塗布、乾燥した膜は紫外線の照射により有機溶媒
または酸を少量添加した有機溶媒に不溶となる。
【0020】上記の塗布液にさらにアセチルアセトンを
添加すると塗布、乾燥膜の紫外線に対する感度が向上
し、この膜もまた紫外線の照射により有機溶媒または酸
を少量添加した有機溶媒に不溶となる。これはインジウ
ム化合物、スズ化合物の一部がアセチルアセトンと反応
し、紫外線吸収感度の高い結合が形成されるためと考え
られる。
【0021】アセチルアセトンの添加量としては脂肪酸
インジウムと脂肪酸スズの合計のモル当たり4(モル
比)以下が好ましい。アセチルアセトンの添加量が4よ
り大きくなるとインジウム化合物及びスズ化合物との反
応が進み、側鎖がすべてアセチルアセトンと置換し、溶
媒に不溶な形となり、沈殿を生じてしまう。従って、ア
セチルアセトンを添加する場合には上記の量が適当であ
る。
【0022】以上のような製法で得られた塗布液は透明
導電性を有する緻密な酸化インジウム系酸化物被膜を形
成するための紫外線硬化型塗布液としては最適のもので
ある。
【0023】塗布液の塗布方法としてはスプレー、ロー
ルコート、スピンコート、浸漬等が均質な膜を容易に製
造する方法として優れている。上記の方法でガラス基体
表面に塗布膜を形成せしめた後、有機溶媒を除去するた
めに例えば70〜200℃で10〜1時間乾燥を行う。
その塗布液乾燥膜の上にフォトマスクを載置して紫外線
を照射することにより、所定パターン部分におけるイン
ジウム化合物及びスズ化合物がアルコール系溶媒に不溶
な形に変化する。その後アルコール類等の有機溶媒で現
像して紫外線未照射部分の塗布液乾燥膜を除去すれば、
きわめて精細なパターンをもつ塗布液乾燥膜が形成でき
る。
【0024】現像に関しては有機溶媒に酸を少量添加し
た現像液を使用することもできる。現像液への酸の添加
は現像速度をはやめる効果を持つ。この場合の酸の添加
量としては有機溶媒量に対して3vol%以下が望まし
い。使用する酸としては硝酸、塩酸、硫酸等があげられ
る。
【0025】パターニングした乾燥膜をさらに例えば3
00℃以上の温度で10分〜2時間焼成を行う。この発
明により得られた塗布液乾燥膜は樹脂分を含んでいない
ため、焼成時における樹脂分の分解、燃焼により、膜が
ポーラスになることはなく、緻密な膜となる。焼成雰囲
気に関しては一般に大気中、または酸素中で行い、さら
に場合によってはその後、不活性雰囲気(窒素、アルゴ
ン等)または還元性雰囲気中で焼成を行ってもよい。こ
の方法により、μmオーダーでの精細なパターニングが
なされた透明でしかも導電性の高い酸化インジウム系酸
化物被膜付きガラスが得られる。
【0026】以上のように、本発明の塗布液は長期に安
定であり、この塗布液を基板に塗布、乾燥し、その上に
フォトマスクを載置し、紫外線を照射、現像、焼成する
ことにより、安価で容易に生産性良くきわめて精細なパ
ターンをもつ透明導電性被膜付きガラスを作製すること
ができる。また、本発明で得られた透明導電性被膜付き
ガラスは優れた可視光透過率、導電性を併せ持つため、
ディスプレイ用透明電極、帯電防止膜、防曇ガラス、タ
ッチスイッチ等の分野での広範な用途があると考えられ
る。
【0027】
【実施例】
実施例1 酢酸インジウム0.5mol及び2−エチルヘキサン酸
スズ0.038molをn−プロパノール1000ml
中で混合、攪拌し、その混合液にジエタノールアミン
1.0molおよびモノエタノールアミン1.0mol
を添加し、1時間混合する。酢酸インジウムはジエタノ
ールアミン及びモノエタノールアミンとの反応により、
完全に溶解し、透明な酸化インジウム系複合酸化物皮膜
形成用塗布液が得られた。この塗布液は非常に安定で、
室温で1年間放置後も沈殿や溶液の白濁はみられず、透
明のままであった。こうして調製された酸化インジウム
系複合酸化物被膜形成用塗布液にソーダガラス基板(1
00×100×2)を浸漬し、10cm/minの速度
でひきあげて塗布膜を形成した。この塗布膜を100℃
で1時間乾燥して有機溶媒の除去を行った。次にこの塗
布乾燥膜上に石英ガラスフォトマスク(線幅270μ
m、線間60μm用ネガパターン)を載置してUV照射
器(高圧水銀ランプ3kW、ランプ出力:120W/c
m、ランプ高さ:200mm)にて紫外線を6分間照射
した後、ガラス基板をi−プロパノールに1分浸漬し現
像した。この操作により、紫外線未照射部分の塗布乾燥
膜を溶解除去し、パターニングされた塗布乾燥膜付きガ
ラスを電気炉にて550℃30分間大気中焼成して片面
の膜厚が0.1μmの均質なパターニングされた酸化イ
ンジウム系複合酸化物被膜を得た。こうして得られた酸
化インジウム系複合酸化物被膜付きガラスはフォトマス
クのパターン通りの線幅270μm、線間60μmのパ
ターンをもつものであった。本実施例の透明導電性皮膜
付きガラスの表面抵抗値は500Ω/□であった。ま
た、可視光透過率は90%と非常に高いことがわかっ
た。
【0028】実施例2 酢酸インジウム0.5mol及び2−エチルヘキサン酸
スズ0.038molをn−プロパノール1000ml
中で混合、攪拌し、その混合液にジエタノールアミン
0.75molおよびモノエタノールアミン0.25m
olを添加し、1時間混合する。酢酸インジウムはジエ
タノールアミン及びモノエタノールアミンとの反応によ
り、完全に溶解し、透明な溶液となった。この溶液にア
セチルアセトンを1.0mol添加し、さらに1時間攪
拌し、酸化インジウム系複合酸化物皮膜形成用塗布液を
得た。この塗布液は非常に安定で、室温で1年間放置後
も沈殿や溶液の白濁はみられず、透明のままであった。
こうして調製された酸化インジウム系複合酸化物被膜形
成用塗布液にソーダガラス基板(100×100×2)
を浸漬し、10cm/minの速度でひきあげて塗布膜
を形成した。この塗布膜を100℃で30分間乾燥して
有機溶媒の除去を行った。
【0029】次にこの塗布液乾燥膜上に石英ガラスフォ
トマスク(線幅270μm、線間60μm用ネガパター
ン)を載置してUV照射器(高圧水銀ランプ3kW、ラ
ンプ出力:120W/cm、ランプ高さ:200mm)
にて紫外線を4分間照射した後、ガラス基板をi−プロ
パノールに1.2vol%硝酸を加えた現像液に30秒
浸漬し現像した。この操作により、紫外線未照射部分の
塗布乾燥膜を溶解除去し、パターニングされた塗布乾燥
膜付きガラスを電気炉にて550℃30分間大気中焼成
して片面の膜厚が0.1μmの均質なパターニングされ
た酸化インジウム系複合酸化物被膜を得た。こうして得
られた酸化インジウム系複合酸化物被膜付きガラスはフ
ォトマスクのパターン通りの線幅270μm、線間60
μmのパターンをもつものであった。本実施例の透明導
電性皮膜付きガラスの表面抵抗値は800Ω/□であっ
た。また、可視光透過率は90%と非常に高いことがわ
かった。
【0030】以上の実施例の結果から、本発明の塗布液
は長期に安定で、その塗布液を塗布、乾燥、露光、現
像、焼成して得られた透明導電性被膜付きガラスは精細
なパターンをもつものであり、可視光透過率、導電性と
いう点においても優れたものであることが明らかとなっ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明の酸化インジウム系酸化物被膜形
成用塗布液は、長期にわたり水分などの影響を受けず安
定であり、ガラス基体上に塗布、乾燥し、フォトマスク
をその乾燥膜上に載置し、紫外線を照射して現像するこ
とにより紫外線照射部分のインジウム化合物及びスズ化
合物が不溶化し、かつ紫外線未照射部分の塗布液乾燥膜
を溶解除去してきわめて精細にパターニングした塗布液
乾燥膜を形成でき、これを焼成することによって、従来
の直接パターンを印刷する方法に比べて遙かに微細なμ
mオーダーのパターンの透明導電性皮膜を形成でき、か
つ従来の透明導電膜をエッチングする方法に比べて工程
が少なく低コストで生産が可能であり、しかも従来の放
射線硬化樹脂を含む塗布液を塗布、乾燥、露光、現像、
焼成する方法とは異なり、焼成時に燃焼、分解する樹脂
分が全く含まれていないため、緻密で導電性の高い膜が
得られる。
【0032】即ち本発明で得られる透明導電性皮膜はき
わめて精細なパターンをもち、可視光領域の光に関して
は高い透過特性を示し、なおかつ優れた導電性を有する
緻密な被膜となる。それゆえ、製造コストの非常に安価
な精細なパターンをもつ透明導電性皮膜付きガラスが本
発明により、容易に製造することが可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式In(OCOR)3 (式中、Rは炭素
    数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)の脂
    肪酸インジウムとインジウムのモル濃度に対して0.0
    1〜0.3モル濃度の式Sn(OCOR’)2 (式中、
    R’は炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
    示す)の脂肪酸スズとそれらの合計のモルあたり1〜8
    モル比のエタノールアミンからなる紫外線硬化型酸化イ
    ンジウム系透明導電被膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】 式In(OCOR)3 (式中、Rは炭素
    数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)の脂
    肪酸インジウムとインジウムのモル濃度に対して0.0
    1〜0.3モル濃度の式Sn(OCOR’)2 (式中、
    R’は炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
    示す)の脂肪酸スズとそれらの合計のモルあたり1〜8
    モル比のエタノールアミンとアセチルアセトン(脂肪酸
    インジウムと脂肪酸スズの合計のモル当たり4モル比以
    下)からなる紫外線硬化型酸化インジウム系透明導電被
    膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】 式In(OCOR)3 (式中、Rは炭素
    数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)の脂
    肪酸インジウムとインジウムのモル濃度に対して0.0
    1〜0.3モル濃度の式Sn(OCOR’)2 (式中、
    R’は炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
    示す)の脂肪酸スズとを有機溶媒中で混合して、さらに
    それらの合計のモルあたり1〜8モル比のエタノールア
    ミンを添加して透明溶液とすることを特徴とする、紫外
    線硬化型酸化インジウム系透明導電被膜形成用塗布液の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 式In(OCOR)3 (式中、Rは炭素
    数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)の脂
    肪酸インジウムとインジウムのモル濃度に対して0.0
    1〜0.3モル濃度の式Sn(OCOR’)2 (式中、
    R’は炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
    示す)の脂肪酸スズとを有機溶媒中で混合して、さらに
    それらの合計のモルあたり1〜8モル比のエタノールア
    ミンとアセチルアセトン(脂肪酸インジウムと脂肪酸ス
    ズの合計のモル当たり4モル比以下)を添加して透明溶
    液とすることを特徴とする、紫外線硬化型酸化インジウ
    ム系透明導電被膜形成用塗布液の製造方法。
  5. 【請求項5】 式In(OCOR)3 (式中、Rは炭素
    数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)の脂
    肪酸インジウムとインジウムのモル濃度に対して0.0
    1〜0.3モル濃度の式Sn(OCOR’)2 (式中、
    R’は炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
    示す)の脂肪酸スズとそれらの合計のモルあたり1〜8
    モル比のエタノールアミンからなる紫外線硬化型酸化イ
    ンジウム系透明導電被膜形成用塗布液をガラス基体上に
    塗布、乾燥させた後、その上にフォトマスクを載置し、
    紫外線照射し、現像してパターニングした透明導電膜形
    成用塗布液乾燥膜を300℃以上で焼成して酸化インジ
    ウム系透明導電皮膜を形成させた透明導電性皮膜付きガ
    ラス。
  6. 【請求項6】 式In(OCOR)3 (式中、Rは炭素
    数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)の脂
    肪酸インジウムとインジウムのモル濃度に対して0.0
    1〜0.3モル濃度の式Sn(OCOR’)2 (式中、
    R’は炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を
    示す)の脂肪酸スズとそれらの合計のモルあたり1〜8
    モル比のエタノールアミンとアセチルアセトン(脂肪酸
    インジウムと脂肪酸スズの合計のモル当たり4モル比以
    下)からなる紫外線硬化型酸化インジウム系透明導電被
    膜形成用塗布液をガラス基体上に塗布、乾燥させた後、
    その上にフォトマスクを載置し、紫外線照射し、現像し
    てパターニングした透明導電膜形成用塗布液乾燥膜を3
    00℃以上で焼成して酸化インジウム系透明導電皮膜を
    形成させた透明導電性皮膜付きガラス。
JP9214750A 1997-08-08 1997-08-08 紫外線硬化型透明導電性被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した透明導電性被膜付きガラス Pending JPH1161005A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007526489A (ja) * 2003-06-05 2007-09-13 イーストマン コダック カンパニー ディスプレイにおけるuv硬化性導電性材料

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