JPH1160954A - シリコーンバインダー組成物 - Google Patents

シリコーンバインダー組成物

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JPH1160954A
JPH1160954A JP22456697A JP22456697A JPH1160954A JP H1160954 A JPH1160954 A JP H1160954A JP 22456697 A JP22456697 A JP 22456697A JP 22456697 A JP22456697 A JP 22456697A JP H1160954 A JPH1160954 A JP H1160954A
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JP
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alkenyl
polydiorganosiloxane
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JP22456697A
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Shigeaki Makino
茂昭 牧野
Takashi Kobayashi
敬司 小林
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性、ブロッキング防止性、安定性および
柔軟性に優れたマイカ製品を与えるシリコーンバインダ
ー組成物を提供する。 【解決手段】 (A)アルケニル基含有直鎖状ポリジオ
ルガノシロキサン、(B)アルケニル基含有樹脂状ポリ
ジオルガノシロキサン、(C)ポリオルガノハイドロジ
ェンシロキサンおよび(D)白金族触媒を含むシリコー
ンバインダー組成物において、(A)がそれぞれ特定の
重合度を有する(A1)高重合度ポリジオルガノシロキ
サンと(A2)液状ポリジオルガノシロキサンからなる
シリコーンバインダー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーンバイン
ダー組成物に関し、さらに詳しくは、集成マイカ絶縁テ
ープ、特に耐火電線用の集成マイカ絶縁テープへの応用
に適したシリコーンバインダー組成物に関する。本発明
のシリコーンバインダー組成物により、ブロッキング防
止性、安定性および柔軟性に優れた集成マイカ絶縁テー
プが得られる。
【0002】従来から、耐火電線の耐火被覆層として、
ガラスクロス・マイカテープが用いられており、バイン
ダーとして、シラノール基の縮合反応によって硬化する
シリコーン粘着剤を使用することが知られている。
【0003】しかしながら、このものは、ガラスクロス
・マイカテープを作製したときに粘着性が残り、製品を
ロール状に巻いて保存するときにブロッキング現象を生
ずる。そこで、その粘着性をなくすために表面を非粘着
性材料で処理する必要がある。そのため、工程が煩雑に
なるばかりか、シリコーン粘着剤が強粘着性であるた
め、このような処理にもかかわらず、硬化して得られた
製品を長期間保存しているうちに、やはりブロッキング
しやすくなるなどの難点がある。
【0004】また、シリコーン粘着剤の架橋密度を上げ
てブロッキング防止性を改善する方法も知られている
が、この方法では、シリコーン粘着剤のシラノール基の
縮合反応が徐々に進行してバインダー皮膜が硬くなり、
集成マイカ絶縁テープの柔軟性を低下させるという欠点
がある。
【0005】このような問題点を解決する方法として、
特開平6−150756号公報には、シリコーン生ゴム
といわれる高重合度領域のアルケニル基含有ポリオルガ
ノシロキサンと、アルケニル基含有ポリオルガノシロキ
サン樹脂とを、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
を架橋剤として、白金族化合物の存在下に架橋させる、
シリコーンバインダー組成物を用いることが開示されて
いる。この方法により、柔軟性を維持しつつ、ブロッキ
ング防止性はかなり改善されたが、高重合度ポリジオル
ガノシロキサンをベースポリマーとして用いるため、硬
化後の製品に若干の粘着性が残り、最近のブロッキング
防止性に対する厳しい要求を完全に満足させるには至っ
ていない。また、集成マイカ層への滲み込み速度が遅い
ので、生産性の向上に対する最近の要求には対応しにく
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
のような従来方法の欠点を解決し、生産性、ブロッキン
グ防止性、安定性および柔軟性に優れたマイカ製品を与
えるシリコーンバインダー組成物を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的
を達成するために種々検討した結果、それぞれ1分子中
に2個以上のアルケニル基を有し、特定範囲の重合度を
有する2種類の直鎖状ポリジオルガノシロキサンを併用
することにより、目的に適合するシリコーンバインダー
組成物が得られることを見出して、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち、本発明のシリコーンバインダー
組成物は、 (A)アルケニル基含有直鎖状ポリジオルガノシロキサ
ン100重量部; (B)R1 SiO3/2 単位および/またはSiO2 単位
を含み、場合によってはさらに(R1)3 SiO1/2 単位
および/または(R1)2 SiO単位を含んでいてもよく
(式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
置換または非置換の1価の炭化水素基を表す)、R1
うち、1分子中少なくとも2個のアルケニル基を有する
樹脂状ポリジオルガノシロキサン30〜200重量部; (C)ケイ素原子に結合した水素原子を、1分子中に2
個を越える数有するポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン;および (D)触媒として白金族金属またはその化合物 を含むシリコーンバインダー組成物において、(A)
が、 (A1)一般式:
【化3】 (式中、R2 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、両末端の
それぞれ1個のR2 は水酸基でもよく、R2 のうち1分
子中少なくとも2個のアルケニル基であり;mは3,0
00〜10,000の整数である)で示される高重合度
ポリジオルガノシロキサン30〜80重量%と; (A2)一般式:
【化4】 (式中、R3 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、両末端の
それぞれ1個のR3 は水酸基でもよく、R3 のうち1分
子中少なくとも2個のアルケニル基であり;nは50〜
1,000の整数である)で示される高重合度ポリジオ
ルガノシロキサン20〜70重量%とからなることを特
徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】(A)成分はアルケニル基を含有
する直鎖状ポリジオルガノシロキサンであって、本発明
の組成物におけるベースポリマーであり、(B)成分と
ともに該組成物の主成分である。本発明の特徴は、該
(A)成分が、その重合度によって区分される(A1)
成分および(A2)成分からなることである。
【0010】(A1)成分は、シリコーン生ゴム状の直
鎖状高分子量ポリジオルガノシロキサンであり、硬化皮
膜にバインダーとして必要な柔軟性を与える成分であ
る。その重合度mは3,000〜10,000であり、
好ましくは4,000〜7,000の範囲である。mが
3,000未満では硬化皮膜の柔軟性が得られず、1
0,000を越えるものは合成が困難であるばかりか、
他成分との混合や、マイカの処理が困難になる。
【0011】アルケニル基は、(C)成分のヒドロシリ
ル基との付加反応によって、網状構造を形成するための
ものである。R2 のうち、アルケニル基の量は通常0.
01〜10モル%、好ましくは0.05〜5モル%、さ
らに好ましくは0.05〜1モル%であり、かつ(A
1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有す
る。アルケニル基の量が0.01モル%未満では必要な
架橋密度が得られず、バインダーの凝集力および機械的
強度が不十分で、バインダーとしての効果が得られな
い。一方、アルケニル基の量が10モル%を越えると、
バインダーが硬くなり、これを用いた集成マイカテープ
が柔軟性に乏しいものになる。
【0012】このようなアルケニル基としては、ビニ
ル、アリル、1−ブテニル、1−ヘキセニルなどが例示
され、原料が入手しやすく、耐火性および耐熱性に優れ
たバインダーが得られることから、ビニル基が好まし
い。
【0013】アルケニル基以外のR2 としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、デシル、ドデシルのようなアルキル基;シク
ロヘキシルのようなシクロアルキル基;2−フェニルエ
チル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基;フ
ェニル、トリルのようなアリール基;およびこれらの基
の炭素原子に結合した水素原子がハロゲン原子、シアノ
基、エポキシ基含有基などで置換された基、たとえばク
ロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル、3−シアノプロピル、3−グリシドキ
シプロピルのような置換炭化水素基が例示され、原料が
入手しやすく、耐火性および耐熱性に優れたバインダー
が得られることから、メチル基及びフェニル基が好まし
い。また、分子末端のそれぞれ1個のR2 は、(A1)
成分中、一部または全部が水酸基であってもよい。
【0014】(A2)成分は、常温で液状の直鎖状ポリ
ジオルガノシロキサンであり、硬化皮膜を粘着させず、
バインダーにブロッキング防止性を与える成分である。
(A2)成分のもう一つの役割は、(A)成分の一部と
して該(A2)を用いることにより、未硬化のシリコー
ンバインダー組成物のガラスクロス・マイカシートへの
滲み込み速度を上げることであり、マイカシートを製造
する生産性の向上にも寄与する。その重合度nは50〜
1,000であり、好ましくは100〜800である。
nが50未満では組成物の粘度が下がり、マイカの保持
性が悪い。またnが1,000を越えると、マイカシー
トへの滲み込み速度やブロッキング防止性の改善が十分
ではない。
【0015】(A2)成分中アルケニル基は、(A1)
の場合と同様の機能を果たすものである。R3 のうち、
アルケニル基の量は好ましくは0.1〜2.0モル%、
より好ましくは0.2〜1.8モル%であり、かつ(A
2)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有す
る。アルケニル基の量が0.1モル%未満では上記の1
分子中のアルケニル基の数を満たすことができず、(A
2)成分を配合した効果が得られない。
【0016】R3 中のアルケニル基としては、R2 の場
合と同様の基が例示され、同様な理由から、ビニル基が
好ましい。アルケニル基以外のR3 も、R2 と同様の基
が例示され、同様な理由から、メチル基およびフェニル
基が好ましい。また、分子末端のそれぞれ1個のR3
は、(A2)成分中、一部または全部が水酸基であって
もよい。
【0017】本発明は、(A)成分として、上述の(A
1)成分と(A2)成分を併用することにより、(A
1)成分を単独で用いるよりも、集成マイカ層への滲み
込み速度と、マイカテープのブロッキング防止に優れ、
また(A2)成分を単独に用いるよりも柔軟性に優れた
バインダーが得られる。さらに、本発明のバインダー
を、(A1)成分と(A2)成分を合わせた平均重合度
に相当する重合度と、同じ有機基とを有する単一の直鎖
状ポリジオルガノシロキサンを用いた従来のバインダー
と比較すると、集成マイカ層への滲み込み速度には差が
ないが、本発明のバインダーは、硬化皮膜中に(A2)
成分に由来する部分が存在して、架橋密度の疎密を生ず
るので、柔軟性とブロッキング防止性がともにより優れ
たマイカテープが得られる。
【0018】このような効果を与えるための(A1)成
分と(A2)成分の配合比は、(A)成分中、(A1)
成分が30〜80重量%、好ましくは35〜75重量%
で、残余が(A2)成分であるような範囲である。本発
明の目的に対して、(A1)成分が30重量%未満で
は、得られるマイカテープのようなマイカ製品の柔軟性
が不十分であり、(A1)が80重量%を越えると、集
成マイカへの滲み込み速度が遅くて十分な生産性が得ら
れず、また得られた製品にブロッキング現象を生ずる。
【0019】(B)成分は、アルケニル基を含有するポ
リオルガノシロキサン樹脂で、(A)成分と同様に本発
明の組成物の主成分であって、バインダーに優れた機械
的性質を与える成分である。
【0020】(B)成分は、三次元シロキサン骨格を形
成するために、R1 SiO3/2 単位および/またはSi
2 単位を含み、場合によってはさらに(R1)3 SiO
1/2単位および/または(R1)2 SiO単位を含んでい
てもよい。(B)成分における上記R1 SiO3/2 単位
とSiO2 単位の合計量は、(A)成分との相溶性が良
好で、かつマイカバインダーとしての優れた特性が得ら
れることから、10〜90モル%が好ましく、40〜8
0モル%がさらに好ましい。
【0021】また、バインダーとして必要な機械的性質
と粘着性を組成物に与え、かつ優れた保存安定性を与え
るためには、(B)成分としては、(R1)3 SiO1/2
単位とSiO2 単位の組合せ、またはさらに若干の(R
1)2 SiOおよび/またはR1 SiO3/2 単位を含む組
合せが好ましい。
【0022】(B)成分に含まれるR1 のうち、1分子
中に少なくとも2個はアルケニル基である。該アルケニ
ル基によって、(C)成分のヒドロシリル基との付加反
応によって、(B)成分は網状構造の形成にあずかる。
アルケニル基は、(B)成分のどのシロキサン単位のケ
イ素原子に結合していてもよい。
【0023】R1 中のアルケニル基としては、R2 の場
合と同様の基が例示され、同様な理由から、ビニル基が
好ましい。アルケニル基以外のR1 も、R2 と同様の基
が例示され、同様な理由から、メチル基およびフェニル
基が好ましい。(B)成分には、加水分解と縮合反応に
よって該(B)成分を合成する際に、ケイ素原子に結合
した若干の水酸基が残存していてもよいが、良好な安定
性を得るためには、このような水酸基を含まないことが
好ましい。
【0024】(B)成分の含有量は、(A)成分、すな
わち(A1)成分と(A2)成分の合計量100重量部
に対して30〜200重量部であり、35〜160重量
部の範囲が好ましい。30重量部未満では接着性が劣
り、200重量部を越えるとブロッキング力が大きく、
ブロッキング防止性が劣る。
【0025】(C)成分は、ケイ素原子に結合した水素
原子を1分子中に2個を越える数有するポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンであり、そのヒドロシリル基が
(D)成分の白金族系金属またはその化合物の存在下
で、(A)成分および(B)成分中のアルケニル基との
付加反応によって網状構造を形成させることにより、架
橋剤として寄与するものである。(C)成分のシロキサ
ン骨格は、直鎖状、分岐状、環状など、どのような構造
をとるものでもよい。その重合度は、特に限定されない
が、合成が容易で、かつ加熱によって揮発することなく
架橋反応に寄与することから、通常10〜200の範囲
である。
【0026】(C)成分のケイ素原子に結合した有機基
としては、R1 〜R3 のうち、アルケニル基以外の基と
して例示された、置換または非置換の1価の炭化水素基
が例示され、同様な理由から、メチル基およびフェニル
基が好ましい。
【0027】(C)成分の配合量は、(A)成分および
(B)成分に含有される全アルケニル基1個に対して、
(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の量が通
常0.1〜10個になる量であり、好ましくは0.5〜
2.5個になる量である。該水素原子の量が0.1個未
満または10個を越える場合は、硬化が十分ではない。
【0028】(D)成分は、(A)成分および(B)成
分のアルケニル基と、(C)成分のヒドロシリル基との
間の付加反応の触媒である。(D)成分としては、塩化
白金酸、塩化白金酸とアルコールとを加熱して得られる
錯体混合物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロ
キサン錯体のような白金化合物;アミルナ、シリカ、カ
ーボンなどの担体に白金を担持させたもの;パラジウム
−ホスフィン錯体のようなパラジウム錯体;ロジウム−
ホスフィン錯体のようなロジウム化合物などが例示され
る。
【0029】(D)成分の配合量は、上記の反応に対す
る触媒としての有効量であり、たとえば(A)〜(C)
成分の全量に対して、白金族原子に換算して0.1〜
1,000ppm 、好ましくは5〜200ppm である。
(D)成分の添加量が0.1ppm未満では架橋が不十分
となって、十分な凝集力が得られず、また1,000pp
mと、その配合量に見合う効果がないばかりか、ポット
ライフが短くなり、また経済的に不利である。
【0030】本発明の組成物は、上記の(A)〜(D)
成分を含むものであるが、さらに必要に応じて溶媒、反
応抑制剤、接着性向上剤、充填剤、難燃化剤、耐熱性向
上剤など、各種の成分を配合することができる。
【0031】溶媒は、本発明の組成物を基材に塗布する
場合に、組成物の粘度を下げて作業性を改善し、また組
成物のポットライフを調整するために有用な成分であ
る。このような溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘ
キサン、工業用ガソリン、ミネラルスピリット、ケロシ
ンのような炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオ
キサンのようなエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジク
ロロエタンのような塩素化炭化水素系溶媒などが例示さ
れ;なかでもシロキサン類の良溶媒であるトルエンおよ
びキシレンが好ましい。溶媒の配合量は特に限定されな
いが、(A)〜(C)成分の濃度が30〜80重量%に
なるような量が好ましく、集成マイカのような基材の処
理に当たっては、さらに、濃度が10〜20重量%にな
るように、上記の溶媒で希釈することが好ましい。
【0032】反応抑制剤は、付加反応を抑制するもの
で、本発明の組成物の全成分を混合して安定に保存する
ことを可能にし、または全成分を混合して調製した処理
液に十分なポットライフを与えるために有用な成分であ
る。反応抑制剤としては、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、アセチレンジカルボ
ン酸ジメチルのようなカルボン酸ジエステル;2−メチ
ル−3−ブチン−2−オール、2−メチル−4−ペンチ
ン−2−オールのようなアセチレンアルコール;および
それらのシリル化物などが例示される。
【0033】反応抑制剤は、適度の硬化性と良好なポッ
トライフが得られることから、(A)成分と(B)成分
の合計量に対し、0.1〜10重量%が好ましく、0.
5〜5重量%の範囲が特に好ましい。
【0034】接着性向上剤としては、分子中に3−グリ
シドキシプロピル、2−(3,4−エポキシヘキシル)
エチルのようなエポキシ基含有基;またはビニル、3−
メタクリロキシプロピルのようなオレフィン性二重結合
含有基を有し、さらにケイ素原子に結合した水素原子ま
たはメトキシ、エトキシのようなアルコキシ基を有する
シランまたはシロキサンが用いられる。このようなケイ
素化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−メタクリロキシトリメトキシシランの
ような炭素官能性アルコキシシランおよびその部分加水
分解縮合物;3−グリシドキシプロピル基含有メチルハ
イドロジェン環状シロキサン、3−メタクリロキシプロ
ピル基含有メチルハイドロジェン環状シロキサン、3−
グリシドキシプロピル基含有メチルメトキシ環状シロキ
サン、3−グリシドキシプロピル基と2−(トリメトキ
シシリル)エチル基を有するメチルハイドロジェン環状
シロキサン、3−メタクリロキシプロピル基と2−(ト
リメトキシシリル)エチル基を有するメチルハイドロジ
ェン環状シロキサン、2−〔(3−トリメトキシシリ
ル)プロピルオキシカルボニル〕プロピル基含有メチル
ハイドロジェン環状シロキサンなどが例示される。
【0035】充填剤は、バインダーに必要に応じて機械
的性質を付与し、またブロッキング防止性を向上するも
ので、また必要に応じて、充填剤を適宜選択することに
より、バインダーに導電性などを付与することもでき
る。充填剤としては、煙霧質シリカ、沈殿シリカ、けい
そう土のようなシリカ粉末をはじめとして、酸化チタ
ン、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、硫化モリブデン、炭化ケイ素、タ
ルク、クレーのような無機微粉末;ガラスビーズ、ガラ
スバルーンのような球状体;ガラス繊維のような無機繊
維;カーボンブラック、グラファイトのような炭素質
物;アルミニウム粉のような金属粉;ポリテトラフルオ
ロエチレン粉末のような有機高分子粉末;硬化したシリ
コーン樹脂やシリコーンゴムのような有機ケイ素系粉末
などが例示される。これらの充填剤のなかでも、優れた
ブロッキング防止性が得られることから、煙霧質シリ
カ、湿式シリカおよびこれらをトリメチルクロロシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシラザン、直鎖状ポリジメチルシロ
キサン、環状ポリジメチルシロキサンなどで表面処理し
たもののような、シリカ微粉末が好ましい。
【0036】充填剤を配合する場合、該充填剤は、
(A)〜(C)成分の合計量に対し、1〜50重量%が
好ましく、5〜20重量%の範囲が特に好ましい。
【0037】本発明の組成物は、(A)〜(D)成分お
よび必要に応じて配合される他の成分を、その見掛粘度
に応じて、撹拌器、万能混練機、ニーダーなどの混合手
段によって均一に混合することにより、調製できる。た
だし、本発明の組成物は、反応抑制剤を添加しないかぎ
り、常温でも付加反応が進行する。したがって、使用直
前まで2個または3個の別々の容器に保存しておき、使
用の際に、全成分を含む処理液を調製する。たとえば、
(A)、(B)成分のそれぞれ半量と(C)成分を含む
混合物を一方の容器に、(A)、(B)成分のそれぞれ
残量と(D)成分を含む混合物を他の容器に保存する。
充填剤など、その他の必要に応じて配合する成分は、適
宜、その一方または両方の容器に保存する混合物に配合
する。
【0038】
【発明の効果】本発明のシリコーンバインダー組成物
は、安定で、耐熱性と柔軟性に優れ、含浸作業性に優れ
ている。これを用いてマイカのような無機材料を接着し
たテープ類は、同様に耐熱性と柔軟性に優れ、そのう
え、特にブロッキング防止性に優れている。
【0039】したがって、本発明のシリコーンバインダ
ー組成物は、集成マイカ絶縁テープ、特に耐火電線用の
集成マイカ絶縁テープの製造に、きわめて有用である。
また、充填剤として金属粉や炭素質物などを用いること
により、導電性、電磁波シール性、熱伝導性のような性
質を備えた耐熱性バインダーを得ることができる。ま
た、充填剤の選択や難燃化剤の配合により、難燃性を付
与することができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部は重
量部を表す。本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0041】実施例および比較例に用いたポリシロキサ
ン類は、次のとおりである。 A−1:両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、全有
機基の1.0モル%がビニル基で残余がメチル基であ
る、重合度5,000の直鎖状ポリメチルビニルシロキ
サン; A−2:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、
全有機基の0.4モル%がビニル基で残余がメチル基で
ある、重合度500の直鎖状ポリメチルビニルシロキサ
ン; A−3:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、
全有機基の1.0モル%がビニル基で残余がメチル基で
ある、重合度200の直鎖状ポリメチルビニルシロキサ
ン; B−1:(CH3)3 SiO1/2 単位0.75モル、(C
3)(CH2 =CH)SiO単位0.125モルおよび
SiO2 単位1.0モルからなる、重合度60の樹脂状
ポリメチルビニルシロキサンの60重量%キシレン溶
液;および C−1:両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、中間
が(CH3)HSiO単位からなる、重合度60のポリメ
チルハイドロジェンシロキサン。
【0042】また、ポリメチルビニルシロキサンA−1
と、比表面積が200m2/gの煙霧質シリカを、A−1が
80重量%になるようにニーダーであらかじめ混練して
マスターバッチA−1Mを調製し、バインダー組成物の
配合に用いた。
【0043】試験片の作製と評価 調製したシリコーンバインダー組成物を用いて、次のよ
うにして試験片の作製および評価を行った。
【0044】(1)試験片の作製 厚さ0.09mmの軟質集成マイカ紙上にガラスクロスを
敷き、この上から、実施例または比較例によってそれぞ
れ調製した組成物の不揮発分の塗工量が20g/m2となる
ように、該組成物を塗工し、120℃で5分間加熱して
硬化させることにより、試験片を作製して、(2)およ
び(3)の評価に供した。
【0045】(2)柔軟性 試験片を幅1cmに切断して導線に巻き、外観を観察して
柔軟性を評価した。外観の良好なものを○、亀裂の生じ
たものを×とした。
【0046】(3)ブロッキング防止性 試験片を10×10cmに切断し、これを5枚重ねて、1
0kg/cm2、80℃で3時間加圧加熱した。これを常温に
戻して、試験片を引き剥がす際の状態を観察し、ブロッ
キング防止性を評価した。マイカ層の移行がなく、円滑
に引き剥がせたものを◎、若干のひっかかりがあるが、
円滑に引き剥がせたものを○、部分的に移行したものを
△、全体的に移行したものを×とした。
【0047】(4)ブロッキング力 面積あたり重量70g/m2のポリエチレンラミネート紙
に、不揮発分の塗工量が1.5g/m2となるようにバイン
ダー組成物を塗工し、120℃で1分間加熱して硬化さ
せることにより、試験片を作製した。この試験片を5×
15cmに切断して、塗工面どうしを貼り合わせ、40℃
において、万力2個を用いてトルクレンチで200kg/c
m2の圧力を与えて16時間保った。ついで、試験片の貼
り合わせた塗工面を、0.3cm/minの引張り速度で、1
80度方向に引張り、引き剥がしに要する力を測定し
た。
【0048】(5)含浸性 バインダー組成物を、固形分が15重量%になるように
トルエンで希釈して得た希釈溶液4mlをアルミシャーレ
にとった。これに、25×30mmに切断したマイカ紙
を、背面を下にして浸漬して、マイカ紙の全面に溶液が
滲み込むまでの時間を測定した。
【0049】実施例1 表1に示す量のポリメチルビニルシロキサンA−1、A
−2およびB−1をトルエンに溶解させ、均一に混合し
て、シロキサン濃度15重量%のポリメチルビニルシロ
キサン混合物を得た。該ポリメチルビニルシロキサン混
合物100部に対して、表1に示す量のポリメチルハイ
ドロジェンシロキサンC−1および2−メチル−3−ブ
チン−2−オールを添加し、撹拌して溶解させた。A−
1、A−2およびB−1に含まれるビニル基1個に対す
るC−1中のSi−H結合の量は、表1に示すとおりで
あった。ついで、塩化白金酸と1,3,5,7−テトラ
メチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシ
ロキサンから得られた白金−ビニルシロキサン錯体(白
金原子含有量1.8重量%)を、ポリシロキサン類の合
計量に対して白金原子換算20ppm になる量を加えて混
合することにより、シリコーンバインダー組成物を調製
した。
【0050】得られた組成物について、前述の方法によ
り試験片の作製および評価を行った。その結果は、表1
に示すとおりであった。
【0051】実施例2〜4、比較例1〜3 これらの実施例および比較例においては、ポリメチルビ
ニルシロキサンA−1の代わりに、該シロキサンと煙霧
質シリカからなるマスターバッチA−1Mを用いた。表
1に示される量の原料を用いて、トルエンに溶解させた
シロキサンと分散させたシリカの全量が15%になる量
のトルエンを用いた以外は実施例1と同様の方法で、そ
れぞれシリコーンバインダー組成物を調製した。(A)
成分および(B)成分に含まれるビニル基1個に対する
C−1に含まれるSi−H結合の量は、表1に示すとお
りであった。比較例1の組成物は(A2)成分を配合し
ておらず、比較例2の組成物は(A)成分中の(A1)
成分の量が少なく、比較例3の組成物は(A)成分の量
が少ない。
【0052】得られた組成物について、表1と同様の評
価を行った。その結果は、表1に示すとおりであった。
【0053】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルケニル基含有直鎖状ポリジオ
    ルガノシロキサン100重量部; (B)R1 SiO3/2 単位および/またはSiO2 単位
    を含み、場合によってはさらに(R1)3 SiO1/2 単位
    および/または(R1)2 SiO単位を含んでいてもよく
    (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
    置換または非置換の1価の炭化水素基を表す)、R1
    うち、1分子中少なくとも2個のアルケニル基を有する
    樹脂状ポリジオルガノシロキサン30〜200重量部; (C)ケイ素原子に結合した水素原子を、1分子中に2
    個を越える数有するポリオルガノハイドロジェンシロキ
    サン;および (D)触媒として白金族金属またはその化合物を含むシ
    リコーンバインダー組成物において、(A)が、 (A1)一般式: 【化1】 (式中、R2 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
    置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、両末端の
    それぞれ1個のR2 は水酸基でもよく、R2 のうち1分
    子中少なくとも2個はアルケニル基であり;mは3,0
    00〜10,000の整数である)で示される高重合度
    ポリジオルガノシロキサン30〜80重量%と; (A2)一般式: 【化2】 (式中、R3 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
    置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、両末端の
    それぞれ1個のR3 は水酸基でもよく、R3 のうち1分
    子中少なくとも2個はアルケニル基であり;nは50〜
    1,000の整数である)で示される高重合度ポリジオ
    ルガノシロキサン20〜70重量%とからなることを特
    徴とするシリコーンバインダー組成物。
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