JPH1160799A - カーボンブラックおよびゴム組成物 - Google Patents

カーボンブラックおよびゴム組成物

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JPH1160799A
JPH1160799A JP9217774A JP21777497A JPH1160799A JP H1160799 A JPH1160799 A JP H1160799A JP 9217774 A JP9217774 A JP 9217774A JP 21777497 A JP21777497 A JP 21777497A JP H1160799 A JPH1160799 A JP H1160799A
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carbon black
rubber
ctab
nitrogen
oxygen
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JP9217774A
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Takashi Iijima
孝 飯島
Taro Kono
太郎 河野
Kenryo Sasaki
健了 佐々木
Koichiro Mukai
幸一郎 向井
Yasuhisa Sawa
泰久 澤
Takaaki Kanai
孝陽 金井
Masaki Kurihara
正樹 栗原
Yuji Ota
裕治 太田
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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SHINNITSUKA CARBON KK
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐磨耗性とグリップ力の向上及び燃費特性の
改善を同時に満たすタイヤトレッド用に好適なカーボン
ブラックとゴム組成物を提供すること。 【解決手段】 CTABが80(m2/g)以上、圧縮DBP
が80(mL/100g)以上のハード系領域に属し、且つ、 (1)窒素吸着比表面積(N2SA);N2SA-CTAB≦50 (2)窒素含有量(N;重量%);3.0×10-3≦ N
/CTAB ≦1.2×10-2 (3)酸素含有量(O;重量%);O/CTAB≦1.3×1
-2 (4)窒素含有量と酸素含有量の重量比O/N;O/N≦
3.0 (5)塩基性官能基濃度(B;meq/g);2.0×10-4
≦B/CTAB≦1.0×10-2 (6)シェルラバー量(S);5.0×10-6≦S≦5.
0×10-5 の選択的特性要件を満たしているカーボンブラック、及
び該カーボンブラックがゴム100重量部に対し、20
〜100重量部配合してなるゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンブラック
とゴム組成物に関し、特に優れたグリップ力と低燃費特
性とを兼ね備えたタイヤトレッド用として好適なカーボ
ンブラックとゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車における走行性能の高性能
化と省資源・低燃費化の進展に伴い、タイヤの性能にお
いても種々の特性の高度なバランスが要求されている。
その中でも特に、路面とのグリップ力の向上、タイヤ摩
耗の低減、そして、走行時の燃費特性(タイヤの転がり
抵抗)改善といった複数の特性を同時に兼ね備えたタイ
ヤトレッドの研究開発が盛んに進められている。これら
の特性に対し、タイヤトレッドの構成要素の中で、カー
ボンブラックの果たす役割は大きく、上記の特性を改善
する新規カーボンブラックの開発が急務の課題となって
いる。
【0003】カーボンブラックを配合したゴムは飛躍的
にその機械的強度を増すことは既によく知られたことで
あるが、このカーボンブラックのゴム補強性に対する支
配的要因は、形態と表面活性の2種に大別される。具体
的には以下のような因子が一般的に知られている(Carb
on Black, 2nd Edition(1993), Edited by J. B.Donne
t, R.C. Bansal, M.J. Wang, MARCEL DEKKER, INC.、カ
ーボンブラック便覧第4章、カーボンブラック協会編、
発行1961年(株)図書出版)。
【0004】(1)形態に関する因子 一次粒子径とその統計的分布、一次粒子の集合体である
アグリゲートに関する枝発達の程度、アグリゲートの
形、遠心沈降を利用したアグリゲート径とその分布、粒
子径に相当する各種吸着種を用いた比表面積値などが代
表的である。 (2)表面活性に関する因子 カーボンブラック表面におけるゴム分子の物理吸着や、
カーボンブラック表面に存在する化学的反応性を有した
官能基とゴム分子、ゴム分子ラジカルとの化学的結合な
ど、表面におけるゴム分子の物理化学的吸着が本質的に
重要と考えられている。その指標として、活性水素と、
カルボン酸、キノン型酸素、水酸基、ラクトンなどの含
酸素官能基が報告されている。表面活性に関しては、永
年様々な手法を用いてカーボンブラックとゴムとの相互
作用の定量的指標が探索されてきたが、未だ、決着が付
いていないのが現状である。
【0005】従来、前者の形態要因とゴム物性との関係
を中心に研究開発が進められ、耐摩耗性などにおいて顕
著な改善がなされてきた(第33回ゴム技術シンポジウ
ムテキスト、44〜61頁、1994年、社団法人 日本ゴム協
会 研究部会)。即ち、耐摩耗性の改善には、カーボン
ブラックの配合量を多くする、一次粒子径を小さくする
(比表面積を大きくする)、ストラクチャーを発達させ
る(DBP吸油量、圧縮DBP吸油量を多くする)、アグリゲ
ート径分布をシャープにするなどの技術が開発された。
【0006】他方、タイヤのグリップ性能の向上(一般
に10〜100Hzにおける0℃〜20℃における損失係数tanδ
が増加するとグリップ性能が向上することが知られてい
る)や走行時のタイヤ燃費特性の改善(60℃における損
失係数tanδが低下すると走行時のタイヤの燃費特性が
改善することが知られている)にもカーボンブラックの
改善効果が大きく寄与している。即ち、グリップ力を向
上させるためには、カーボンブラックの配合量を多くす
る、一次粒子径を小さくする、ストラクチャーの発達の
程度を抑制することなどが有効と知られている。また、
タイヤの燃費特性を改善するには、カーボンブラックの
配合量を少なくする、一次粒子径を大きくする、ストラ
クチャーを発達させることなどが効果的であることが知
られている。
【0007】上述のように、各ゴム特性を独立に改善す
ることは可能であるが、耐摩耗性とグリップ力と燃費特
性とを同時に改善することは、カーボンブラックの形態
の最適化のみでは原理的に限界がある。更に、一次粒子
の微粒子化に関しては、カーボンブラックの混練性、分
散性の低下というゴム加工上の問題もあり、現状では、
各種ゴム特性の重要度配分、加工性の両側面からカーボ
ンブラックの形態に関して最適設計がなされている。さ
て、このような形態によるゴム物性の改善は、形態制御
のための製造条件変更により僅かに変動するとしても、
ほぼ一定の表面活性を持ったカーボンブラックを対象と
してその構造を最適化しているものである。それに対し
て、積極的に表面活性を制御したカーボンブラックを用
いてゴム物性を改善しようという研究開発が、近年精力
的に進められている。
【0008】表面活性の制御手段として表面に存在する
含酸素官能基に着目し、従来の形態制御と表面活性の組
み合わせによるゴム物性の改善が報告されている。例え
ば、特開平7-330958号公報ではオゾンによる酸化処理に
より表面のカルボキシル基量を通常よりも増加させた
後、非酸化性雰囲気下の熱処理によりカルボキシル基量
を制御したカーボンブラックを調整し、油展スチレンブ
タジエンゴム(SBR1712)配合系において、耐摩
耗性改善とtanδ(60℃)の低減を達成している。ま
た、本発明者らも、別途カーボンブラックに含まれる酸
素量と水素量とに着目した表面活性の改善を検討した結
果、形態の最適化との相乗効果により、H/Oを大きくす
ることにより表面活性を高めることに成功し、高水準の
耐摩耗性を維持しながら、非常に優れた低燃費性(60℃
における損失係数tanδを低減)を達成した(特願平8
−192509号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような含酸素官能基に着目した先行技術においては、グ
リップ力を高くすると燃費特性の改善が困難となり、反
対に、燃費特性を改善すると同時にグリップ力も低下す
るという問題があり両者を独立に制御することが課題と
なっていた。従って、本発明の課題は、耐摩耗性を高水
準に維持しつつグリップ力の向上と燃費特性の改善を同
時に満たすタイヤトレッド用途に好適なカーボンブラッ
クとゴム組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、カーボンブラ
ックに含まれる窒素成分と酸素成分がゴムとの結合にお
いて重要な役割を担うこと、カーボンブラック表面に存
在する塩基性官能基濃度とカーボンブラック表面に結合
したゴム量に相当する2種類の新規指標がゴム物性に対
して良好な相関関係を示すことを見出すとともに、それ
らの最適化によりグリップ力向上と燃費改善を同時に満
たすことに成功し、本発明の完成に至ったものである。
【0011】即ち、本発明のカーボンブラックは、CT
ABが80(m2/g)以上、圧縮DBPが80(mL/100g)
以上のハード系領域に属し、且つ、 (1)窒素吸着比表面積(N2SA);N2SA-CTAB≦50 (2)窒素含有量(N;重量%);3.0×10-3≦ N
/CTAB ≦1.2×10-2 (3)酸素含有量(O;重量%);O/CTAB≦1.3×1
-2 (4)窒素含有量と酸素含有量の重量比O/N;O/N≦
3.0 (5)塩基性官能基濃度(B;meq/g);1.8×10-4
≦B/CTAB≦1.0×10-2 (6)シェルラバー量(S);5.0×10-6≦S≦5.
0×10-5 の選択的特性を有することを特徴とする。また本発明の
ゴム組成物は、ゴム100重量部に対し、上記した本発
明のカーボンブラックを20〜100重量部配合するこ
とを特徴とする。
【0012】本発明は、CTAB、圧縮DBP、N2SAを最適化
したハード系カーボンブラックであって、従来より注目
されていた酸素含有量に加えて、新たに窒素含有量とい
う指標を導入することにより、カーボンブラックのゴム
に対する表面活性の制御範囲を拡大し得ることを見出
し、表面活性を定量的に示す具体的指標として表面の塩
基性官能基濃度が重要であることを見出し、その定量的
指標として、HClの吸着量という新規指標を導入した。
更にカーボンブラックのゴムとの相互作用の強さを示す
指標としてシェルラバー量という新規指標を構築し、酸
素量と窒素量と塩基性官能基濃度とシェルラバー量とを
同時に制御することにより、耐摩耗性を維持したまま、
グリップ力を高めつつ同時に燃費特性を改善するもので
ある。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて第一に重要なポイントは、カーボンブラック中に
含まれる窒素量と酸素量の制御により表面活性の強さを
自由に制御することが可能であることを見出し、表面活
性の具体的指標として塩基性官能基濃度を導入したこと
である。以下に、窒素、並びに酸素によるゴムとカーボ
ンブラックとの相互作用制御の推定機構を述べる。本発
明のゴム物性改善において本質的に重要な役割を担うカ
ーボンブラック中の窒素と酸素は、ゴム分子と直接接触
し界面を構成するようなカーボンブラック表面に存在す
る窒素と酸素であって、ゴム分子が到達し得ないような
カーボンブラック表面に存在するミクロポアの内側やカ
ーボンブラック内部の窒素と酸素は物性改善には寄与し
ない。従って本発明の効果をより顕著に発現させるため
には、窒素と酸素を表面に濃縮させることが好ましい。
【0014】カーボンブラック表面に存在する窒素は、
アミン類としてカーボン表面に存在すると考えられる。
即ち、-NH2基、=NH基、R-N=R'(R, R'は炭化水素)、複
素員環である(Chapter 4, Carbon Black, 2nd Edition
(1993), Edited by J. B.Donnet, R.C. Bansal, M.J. W
ang, MARCEL DEKKER, INC.)。一般に知られているよう
に、窒素は非共有電子対を持つためプロトンと容易に水
素結合を形成する性質を有する。従って、カーボンブラ
ック表面に窒素が多く存在することにより、水素を介し
たゴム分子の化学吸着を生じ易くなり、その結果、カー
ボンブラック表面とゴムとの相互作用は強くなると推定
される。
【0015】ゴムの化学吸着の本質が含窒素官能基であ
るアミン類によるプロトン吸着能、即ち、塩基性にある
ことから、ゴム物性改善に直接寄与する指標として、カ
ーボンブラックの塩基性官能基量が重要な指標であるこ
とが示唆される。本発明において鋭意検討した結果、ア
ミン類などの塩基が塩酸と反応し塩酸塩を形成すること
を利用し、カーボンブラックと塩酸とを反応させた際の
塩酸の減少量から塩基性官能基量を定量し、塩基性官能
基濃度がゴムの補強性改善と良好な相関関係にあること
を見出した。この指標を用いることにより、カーボンブ
ラック中に存在する窒素の中で、ゴムの化学吸着に有効
なプロトン吸着能、即ち、塩基性を示す官能基がどの程
度存在するかを定量的に示すことが可能となった。
【0016】他方、カーボンブラック表面に存在する酸
素は、酸性官能基、キノン型酸素、エーテル酸素などの
結合状態で存在すると考えられている(前出Carbon Bla
ck,Chapter 4、或いは、カーボンブラック便覧第4章、
カーボンブラック協会編、発行1961年(株)図書出
版)。何れの場合にも程度の大小はあるが酸素を含むこ
とで電子分布に偏りを生じ、永久双極子モーメントを発
生する。そうするといわゆるファンデアワールス力は低
下するため、酸素の存在がカーボンブラック表面でのゴ
ムの物理的吸着エネルギーの低下を招くことになる。
【0017】また、カルボキシル基やヒドロキシル基は
ジエン系ゴムとの化学的結合に関与するとの報告もある
が、本発明者等が検討した結果では、酸性官能基の持つ
プロトン供与性が加硫遅延をもたらすために、酸性官能
基によるゴム物性改善は認められず、加硫遅延からむし
ろ実際的応用には好ましくないとい結論を得ている。ま
た、キノン型酸素は、混練中に発生するゴムラジカルと
の結合に関与し、そのためゴム補強性改善にキノン基が
大きな役割を担うという報告がある。
【0018】しかしながら、本発明者がアルゴン雰囲気
でカーボンブラックを熱処理することで酸素を減少させ
ても、ゴム物性の低下が殆ど認められず、むしろ、70
0〜1100℃の熱処理で弾性率が増加するという結果
を得ている。この熱処理でカーボンブラック中の酸素は
殆ど消失していることから、酸性官能基、キノン型酸素
などはゴム補強性に対して本質的に重要な役割を果たし
ていないと推察された。以上のように、酸素に関して
は、本発明者等の検討ではその存在量が少ない方が、む
しろゴムとの相互作用を強めるという観点からは好まし
いと判断された。
【0019】ところで、タイヤトレッドゴムの特性の中
で、グリップ力、燃費特性は、ゴム組成物の粘弾性の温
度依存性と密接な関係があることは前述の通りである。
即ち、グリップ力は損失係数tanδの0℃〜20℃にお
ける値と相関が強く、その値が大きいほどグリップ力が
大きい。また、走行時の燃費特性は損失係数tanδの6
0℃における値が小さい程燃費特性は改善されるという
相関関係が知られている。一般に損失に関係するtanδ
の値はゴムマトリックス内での損失、カーボンブラック
どうしの摩擦による損失、カーボンブラックとゴムとの
界面での摩擦の寄与の和である。特に高比表面積のハー
ドカーボン系のゴム組成物ではカーボンブラックの表面
積が大きいため、カーボンブラックとゴムの界面の寄与
が大きく、界面の構造がtanδの制御において支配的で
ある。
【0020】本発明における燃費特性改善とグリップ力
増加の本質的機構は、カーボンブラックの表面における
ゴムの吸着エネルギーの最適化にあると推定している。
即ち、0℃〜20℃における変形のように応力の比較的
強い場合には、界面でゴム分子がカーボン表面に対して
滑り、その結果、摩擦熱を発生しtanδが増加するが、
60℃においてはゴムが軟化するため応力が相対的に小
さく変形に対してゴム分子はカーボン表面を滑らず、6
0℃のtanδが小さくなるような適度なカーボンブラッ
クとゴム分子との吸着状態を本発明において規定したも
のである。そのための窒素量と酸素量の最適化した範囲
が、 (1)窒素含有量(N;重量%);3.0×10-3≦ N
/CTAB ≦1.2×10- (2)酸素含有量(O;重量%);O/CTAB≦1.3×1
-2 (3)窒素含有量と酸素含有量の重量比O/N;O/N≦
3.0であり、塩基性官能基量を最適化した範囲が (4)塩基性官能基濃度(B;meq/g);1.8×10-4
≦B/CTAB≦1.0×10-2 であることに特徴を有する。
【0021】本発明では、上記した窒素量と酸素量の各
々の制限、窒素と酸素の存在比と、更に、塩基性官能基
濃度により吸着状態の最適化を規定している。N/CTAB
<3.0×10-3では窒素による吸着力増加の効果が小
さ過ぎるために、O/CTAB>1.3×10-2では、酸素
量が多過ぎるために吸着エネルギーが小さく、何れの場
合にもグリップ力と燃費特性の改善が不十分である。O
/CTABの下限値を明確には規定していないが、製造コス
トなど経済性の観点から酸素含有量は、O/CTAB≧1×
10-4が好ましい。また、N/CTAB>1.2×10-2
は、吸着エネルギーが強過ぎるためにグリップ力が低下
してしまうため好ましくない。一方、O/N>3.0で
は、窒素による吸着力増加が酸素の効果で打ち消されて
しまい、全体としての吸着力は低下してしまいグリップ
力と燃費特性の改善が不十分となる。また、O/Nの下限
値を明確に規定していないが、製造コストなどの経済性
の観点から、O/N≧1×10-3が好ましい。
【0022】塩基性官能基濃度に関しては、B/CTAB<
1.8×10-4では、塩基性官能基濃度が少なく有効な
ゴム物性改善が達成されない。他方、B/CTAB>1.0
×10-2ではゴム吸着量が多すぎるためにカーボンブラ
ックのゴム中への分散が悪く、混練加工性の低下を招く
ので好ましくない。窒素、酸素の量とその比に関し本発
明の条件を満たしていても、ゴムとの相互作用に重要な
塩基性官能基濃度が適性でなければゴム物性は改善され
ず、反対に、塩基性官能基濃度が本発明の条件を満たし
ていても、酸素量が多く酸性官能基濃度が高ければ、窒
素による塩基性官能基の効果は酸性官能基により打ち消
されしまう。窒素、酸素の量に関する制限と塩基性官能
基に関する制限を同時に満たすことが、本発明において
本質的に重要である。
【0023】ここで上記本発明のカーボンブラックの規
定に用いる各種の特性指標は、下記の測定方法によるも
のとする。 (1)CTAB(セチルテトラアンモニウムブロマイド);
ASTM D3765の方法に準拠する (2)圧縮DBP(24M4DBP);ASTM D3493の方法に準拠す
る (3)窒素吸着比表面積(N2SA);ASTM D3037の方法に
準拠する (4)カーボンブラック中の窒素、酸素の含有量;測定
には、FISONS Instruments 社製 EA 1108 Elemental An
alyzer を使用した。
【0024】・窒素は”ダイナミック閃光燃焼”法に基
づき測定する。試験体のカーボンブラックは閃光燃焼に
より完全燃焼され、窒素は窒素酸化物へ変換される。更
に触媒層によりN2ガスへ還元され、最終的にN2ガス濃度
として熱伝導度検出器により検出される。 ・酸素は”Unterzaucher Modified”法に基づき測定す
る。カーボンブラック中の酸素は、触媒下での高温熱分
解により完全にCOへ変換され、COガス濃度として熱伝導
度検出器により検出される。元素分析測定に用いるサン
プルは、カーボンブラック表面に吸着した水分の影響を
除去する目的で、予め110℃で2時間以上真空乾燥した
ものを試験に供する。
【0025】(5)塩基性官能基濃度(B;meq/g)の測定
方法 予め110℃で30分以上真空乾燥したカーボンブラック約
2gを精秤し100mLの三角フラスコへ入れる。そこへ1/1
00規定HCl溶液を50mL注入し、カーボンブラックを充分
に分散させ、密栓状態で2時間振とうする。振とう後の
溶液を加圧濾過し、カーボンブラックと反応後のHCl溶
液とに分離する。反応後のHCl溶液を10mLとり、1/100規
定のNaOH溶液で中和滴定し、滴下したNaOH溶液量からカ
ーボンブラック1g当たりのHCl吸着量を算出し、これ
を塩基性官能基濃度(B;meq/g)とする。
【0026】本発明において第二に重要な点は、窒素
量、酸素量、並びに、塩基性官能基量の制御はゴム物性
改善のための必要条件であることを見抜き、鋭意検討を
重ねた結果、カーボンブラックのゴムに対する表面活性
を規定するための重要な指標であるシェルラバー量
(S)を新規に導入したことである。即ち、窒素量、酸
素量、並びに、塩基性官能基量の規定と併せてシェルラ
バー量を規定することにより初めてゴム物性改善に対し
て必要十分な条件を見出すことに成功した。
【0027】(6)シェルラバー量(S)の測定方法は
以下の通りである;スチレンブタジエンゴム(日本合成
ゴム(株)社製SBR#1500)100重量部に対し
て、カーボンブラック50重量部を配合したゴム組成物
を調整する。調整方法は以下の通りとする。混練には二
軸ロール混練機(西本工機(株)E90)を使用する。先
ず、ゴム10gを予め60℃に温度調節した二軸ロール
混練機の手前のロールに巻き付ける。使用した二軸ロー
ル混練機はロール径90mmで、ロール間隙は約0.2m
m、ロールガイド幅は約10cmとする。ゴム巻き付け
後、予め100℃で30分以上真空乾燥しておいたカー
ボンブラック5gを精秤し、二軸ロール間のゴムの溜ま
り部分に注ぎ入れ、良好な分散状態を得るために充分に
混練させる。混練後ロール間隙を適度に調整することに
より厚さ3mm程度のシート状ゴム組成物を取り出す。
【0028】シート状ゴム組成物は、120℃アルゴン
雰囲気下で10分間加熱処理した後、1時間大気中で放冷
する。このようにして調整したゴム組成物を0.5g精
秤し、1mm角程度の大きさに裁断し200mLの三角フラ
スコ内に投入し、オルソジクロロベンゼン150mLをそ
そぎ入れた後、170℃で20時間処理することでカー
ボンブラック以外のゴムを十分に溶剤に溶解させる。こ
のようにして得られたゴム、カーボンブラック溶液を遠
心分離機を用いて分離すると、表面にゴムが付着したカ
ーボンブラックを溶液から分離抽出することができる。
【0029】オルソジクロロベンゼンはゴムに対して非
常に溶解性の高い溶媒であるから、この抽出物は微量の
ゴムが表面に付着したカーボンブラックである。従っ
て、この抽出物の重量W(g)からどの程度の量のゴムが
カーボンブラック表面に固定されたかを知ることができ
る。乾燥条件は、120℃で5時間以上の真空乾燥とする。
その重量Wを精秤する。シェルラバー量(S)は、重量
Wより次式により求められる; S={(W-0.5/3)/(0.5/3)}/{N2SA×(24M4DBP)2
【0030】シェルラバーは、オルソジクロロベンゼン
による溶解力を尺度に用い、カーボンブラック表面にお
けるゴム吸着能を定量化したもので形態の効果を勘案す
るために、N2SAで除し単位面積当たりに換算し、また、
ストラクチャーの効果を勘案するために(24M4DBP)2で除
している。多数の分岐構造を持つようなアグリゲート構
造の発達したカーボンブラックは、その分岐部分にゴム
を固定するため、分岐のない(DBPの小さい)カーボン
ブラックに比較してそれだけカーボンブラック表面に固
定されるゴム量が多くなる。測定の結果、混練後の分岐
構造に対応する量である24M4DBPを用いて、アグリゲー
ト構造に由来するストラクチャーの効果は(24M4DBP)2
で除することで、規格化することが可能であることが判
った。
【0031】このようにして定義したシェルラバー量
(S)に関し、本発明では、5.0×10-6≦S≦5.0
×10-5を満足することが必須要件である。ここで、窒
素、酸素と塩基性官能基がその他の必須要件である、 (1)窒素含有量(N;重量%);3.0×10-3≦N/
CTAB≦1.2×10-2、 (2)酸素含有量(O;重量%);O/CTAB≦1.3×1
-2 、 (3)窒素含有量と酸素含有量の重量比O/N;O/N≦
3.0、 (4)塩基性官能基濃度(B;meq/g);1.8×10-4
≦B/CTAB≦1.0×10-2、の条件を満たしていて
も、シェルラバー量(S)が5.0×10-6未満である
と、表面でのゴム吸着能が不十分であり、そのためにグ
リップ力と燃費特性の改善が不十分となる。また、シェ
ルラバー量(S)が5.0×10-5を越えるとカーボン
ブラックの混練性が著しく低下し、実機での混練で十分
な分散が得られなくなり、ゴム物性の低下を招くので不
適当である。
【0032】本発明において第三に重要な点は、このよ
うな表面の吸着状態の制御によるtanδの改善は、カー
ボンブラックの形態に関する最適化と相乗してはじめ
て、その特性が発揮される。即ち、基本的に高い水準の
耐摩耗性を発現するには、微粒子化と高ストラクチャー
化が必須であり、このような形態に関する制限に、上記
の表面活性が重畳されてはじめて耐摩耗性とグリップ力
と燃費特性の向上が達成される。即ち、CTABが80m2/g以
上、圧縮DBPが80mL/100g以上の双方を同時に満たさなけ
れば、基本的に高水準の耐摩耗性は発現されない。ま
た、賦活などにより表面が粗れた場合にはゴム補強性が
低下するため、表面粗れを表す指標であるN2SA-CTABに
関してN2SA-CTAB≦50という条件を課している。N2SA-
CTABが50を越えた場合には、耐摩耗性が低下するので好
ましくない。
【0033】本発明におけるカーボンブラックは、本発
明にて規定する窒素、酸素、塩基性、シェルラバーに関
し本発明にて制限される条件を満たしていれば、特に、
カーボンブラックの製造方法に関して制限するものでは
ない。本発明において本質的に重要な要件は窒素と酸素
を制御することによる表面活性の制御である。窒素含有
量と酸素含有量を制御したカーボンブラックの製造方法
を以下に例示する。窒素量の制御に関しては、 (1)オイルファーネス法において、原料油段階での窒
素含有量の調整、具体的には、窒素含有量の高い原料
油、窒素化合物の原料油中への混合など。 (2)オイルファーネス法において反応炉内へ原料油を
吹き込んだ後、カーボンブラックの生成反応過程、冷却
過程、造粒工程等、任意の工程において窒素化合物をカ
ーボンブラック経路内へ吹き込む、或いは、噴霧するな
ど。 (3)カーボンブラックをアンモニアガス雰囲気におい
て、熱処理することによりカーボンブラック表面に窒素
官能基を導入するなど。この場合、処理前のカーボンブ
ラックに関しては特に制限はないが、例示するならば、
ファーネスブラック(オイルファーネスブラック、及
び、ガスファーネスブラックを含む)、或いは、チャン
ネルブラックなどを使用することができる。
【0034】他方、酸素の制御に関しては、 (1)オイルファーネス法において、原料油の吹き込み
位置、原料油吹き込み量などにより制御することができ
る。 (2)また、乾燥工程での乾燥温度、乾燥時間や雰囲気
ガス中の酸素濃度などによっても制御可能である等の種
々の方法が採用できる。
【0035】本願発明において規定されるカーボンブラ
ックは、常法に従って、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、スチレンブタジエン共重合体等のジエ
ン系ゴム、天然ゴムの中の少なくとも一種以上のゴムに
配合される。即ち、バンバリー型ミキサーなどの密閉型
混練機、或いは、二軸ロール混練機などの解放型混練機
を好適に使用することが可能である。また、本発明のゴ
ム組成物には、タイヤ製造の際、通常用いられている配
合剤、例示するならば、硫黄、加硫促進剤、加硫促進助
剤、老化防止材等を適宜配合することができる。カーボ
ンブラックの配合比率はゴム100重量部に対して20
〜100重量部とする。20重量部未満の配合量だと、
十分な耐摩耗性を得ることができず、一方、100重量
部を越えると組成物の粘度が増加し過ぎるために、十分
な混練をすることができず、その結果、ゴム特性が低下
してしまう。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を具体
的な実施例を挙げて説明する。
【0037】
【実施例】以下に本発明において規定されるカーボンブ
ラック、及びゴム組成物のゴム物性の改善例を比較例と
対比させながら具体的に説明するが、本発明はこの実施
例に限定されるものでない。但し、下記の実施例で使用
された各種ゴム物性の測定方法を以下に具体的に示す。
【0038】(1)300%弾性率の評価 JIS K6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して行っ
た。尚、得られた結果は標準サンプルの結果を100とし
た場合の指数(index)として表示した。即ち、(試験
ゴムの弾性率/標準サンプルの弾性率)×100であ
る。指数が100よりも大きい方が弾性率が大きいこと
を示す。
【0039】(2)tanδ0℃、60℃の評価 グリップ力評価のための0℃におけるtanδ、燃費特性
評価のための60℃におけるtanδは、東洋精機社製粘
弾性スペクトロメーターを用いて測定した。 1)装置;東洋精機社製 粘弾性スペクトロメーター 2)サンプル;長さ20mm、幅5mm、厚さ2mm 3)測定温度;0℃と60℃ 4)周波数;10Hz 5)初期伸張;10% 6)歪み振幅;2% 尚、得られた結果は標準サンプルの結果を100とした場
合の指数(index)として表示した。即ち、(試験ゴム
のtanδ/標準サンプルのtanδ)×100である。指数
が100よりも大きい方がtanδの値が大きいことを示
す。
【0040】(3)摩耗特性の評価 摩耗特性の評価は、岩本製作所社製ランボーン摩耗試験
機を用いてスリップ率60%の条件で下記の通りで行っ
た。 1)装置;岩本製作所社製 単連ランボーン摩耗試験機 2)外径305mm、粒GC、粒度80、結合度K 3)サンプル;外径49mm、内径23mm、幅5mm 4)砂;カーボランダム90メッシュ 5)条件;サンプル速度50.8m/分(330rpm)、落砂量
15g/分 尚、得られた結果は標準サンプルの結果を100とした場
合の指数(index)として表示した。即ち、(標準サン
プルの摩耗量/試験ゴムの摩耗量)×100である。指
数が100よりも大きい方が耐摩耗性に優れることを示
す。
【0041】実施例1〜5、比較例1〜3 カーボンブラックに含まれる窒素、及び酸素の効果を調
べる目的で、予めファーネス法にて製造したカーボンブ
ラック(標準サンプル)を、下記に示すアンモニアガス
下で熱処理することにより、カーボンブラック中の窒素
含有量と酸素含有量を制御したカーボンブラックを調整
し、カーボンブラックの特性値とゴムに混練した際のカ
ーボンブラックの特性値、ゴム物性値を測定した結果を
表2にまとめて示す。なおアンモニアガス処理の具体的
方法とゴム混練の方法は下記の通りである。
【0042】(1)アンモニアガス下熱処理によるカー
ボンブラックの表面修飾 予め70℃〜100℃で1時間以上真空乾燥したカーボ
ンブラックを、アンモニアガス雰囲気中で、所定の温度
に到達後2.5〜3時間処理した。所定温度での処理が
終了後、アンモニアガス雰囲気のまま室温まで冷却し
た。更に70℃〜100℃で10時間以上真空乾燥した
後、カーボン特性値評価とゴム試験に供した。
【0043】(2)ゴム混練 表1に示すゴム配合に従って、東洋精機(株)社製のバ
ンバリー型ラボプラストミル(B75)と西本工機
(株)社製二軸ロール(E90)を用いて、常法に従いゴ
ム組成物を混練した。
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表2の実施例1〜5と比較例1、比較例2
から、アンモニアガス雰囲気中での処理温度が低く窒素
導入量が少ない場合(比較例1)、アンモニアガス処理
温度が高過ぎて賦活反応が進行し、N2SA-CTABが大き過
ぎる場合(比較例2)に対して、本発明が規定する実施
例のカーボンブラックは、未処理の標準サンプルに対し
て、耐摩耗性向上、燃費特性改善、グリップ力向上が同
時に達成されることが分かる。
【0046】実施例6〜9と比較例3、4 粒子径の比較的大きいカーボンブラック(CTABが94m2/g
レベル)を標準サンプルとして、上記実施例1〜5と同
様のアンモニアガス雰囲気中での熱処理方法で調整した
カーボンブラックの諸特性を検討した。表3に、カーボ
ンブラックの特性値、ゴム物性値の測定結果をまとめて
示す。
【0047】
【表3】
【0048】表3の実施例6〜9及び比較例3、4から
明らかに、本発明の規定を満足するカーボンブラック
は、標準サンプルに比較して、耐摩耗性向上、燃費特性
改善、グリップ力向上が同時に達成されることが分か
る。ここで、アンモニアガス中での熱処理温度は単に表
面性状を制御するためのパラメーターに過ぎず、温度の
絶対値は何ら重要性を持たないことに留意すべきであ
る。本発明が規定する窒素、酸素、塩基性官能基濃度、
シェルラバー量が本質的重要性を持つものであり、被修
飾体であるカーボンブラック表面のアンモニアガスとの
反応性により、最適な温度は異なる。
【0049】実施例10、11、比較例5 CTAB 135m2/gのカーボンブラックを標準サンプルとし
て、上記実施例、比較例と同様にアンモニアガス雰囲気
中で熱処理して、カーボンブラックの特性値とゴム物性
とを検討した。表4に、カーボンブラックの特性値、ゴ
ム物性値の測定結果をまとめて示す。この場合にも、明
らかに本発明の規定するカーボンブラックは、標準サン
プルに対して耐摩耗性向上、燃費特性改善、グリップ力
向上が同時に達成されていることが分かる。
【0050】
【表4】
【0051】実施例12〜13 図1に示されるような概略断面構造を持つカーボンブラ
ックの反応炉を用いて、ファーネスブラックを試作し
た。反応炉内1への燃焼火炎2の流れに対するカーボン
ブラックの原料油の挿入位置を2箇所に分割し、原料油
吹込口(前段)3では通常の原料油を吹き込み、原料油
吹込口(後段)4では窒素含有量が特に多い原料油を吹
き込むことにより、カーボンブラックの表面に窒素が濃
縮されるように工夫した。比較とすべき標準サンプルと
して、前段、後段ともに通常の原料油を吹き込んで製造
したカーボンブラックを試作した。表5に、標準サンプ
ル、並びに、窒素含有量を調整した2種の試作カーボン
ブラックの特性値とゴム物性とを検討した結果をまとめ
て示す。明らかに、原料油によりカーボンブラック表面
に窒素を導入した場合にも、本発明に規定するカーボン
ブラックは、アンモニアガス中での熱処理の場合と同様
に、ゴム物性の顕著な改善が認められた。
【0052】
【表5】
【0053】このように窒素含有量を調整した原料油を
用いることにより窒素量と酸素量を制御したカーボンブ
ラックにおいて、アンモニアガス雰囲気中での熱処理の
場合と同様の効果を得られることから、ゴム物性の改善
にとって本質的に重要なのは、カーボンブラックの表面
に存在する窒素、酸素、塩基性官能基、並びに、シェル
ラバー量により表される表面活性が本発明に規定される
ような関係を満たすことであって、例示したアンモニア
ガス処理や、製造時に使用される原料油中の窒素成分の
増量などの調整方法に限定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】以上、説明した如く本発明において規定
されるカーボンブラックを用いたゴム組成物は、タイヤ
トレッドに適用することにより、タイヤトレッドにおい
て本質的に重要な耐摩耗性、グリップ力、燃費特性を高
度にバランスさせることができる。即ち、耐摩耗性を損
なうことなく、高グリップ力と低燃費特性とを同時に満
たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例12〜13で使用したカーボンブラック
の試作に用いた反応炉の概略断面図である。
【符号の説明】
1 反応炉内 2 燃焼火炎 3 原料油吹込口(前段) 4 原料油吹込口(後段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 太郎 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1号 新日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 佐々木 健了 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1号 新日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 向井 幸一郎 神奈川県川崎市麻生区王禅2775−17 (72)発明者 澤 泰久 福岡県北九州市小倉北区片野1丁目2−11 (72)発明者 金井 孝陽 福岡県北九州市小倉南区葉山町3−4−5 (72)発明者 栗原 正樹 愛知県渥美郡田原町やぐま台16−5−107 (72)発明者 太田 裕治 愛知県渥美郡田原町緑ヶ浜1−2

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CTABが80(m2/g)以上、圧縮DBP
    が80(mL/100g)以上のハード系領域に属し、且つ、 (1)窒素吸着比表面積(N2SA);N2SA-CTAB≦50 (2)窒素含有量(N;重量%);3.0×10-3≦ N
    /CTAB ≦1.2×10-2 (3)酸素含有量(O;重量%);O/CTAB≦1.3×1
    -2 (4)窒素含有量と酸素含有量の重量比O/N;O/N≦
    3.0 (5)塩基性官能基濃度(B;meq/g);1.8×10-4
    ≦B/CTAB≦1.0×10-2 (6)シェルラバー量(S);5.0×10-6≦S≦5.
    0×10-5 の選択的特性要件を満たしていることを特徴とするカー
    ボンブラック。
  2. 【請求項2】 ゴム100重量部に対し、請求項1記載
    のカーボンブラックを20〜100重量部配合してなる
    ゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006169482A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Bridgestone Corp 天然ゴムマスターバッチおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006169482A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Bridgestone Corp 天然ゴムマスターバッチおよびその製造方法
US7960466B2 (en) 2004-12-20 2011-06-14 Bridgestone Corporation Natural rubber masterbatch and method of producing the same

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