JPH1160586A - ビニルエステル基を有するホスホニウム塩化合物の製造方法 - Google Patents

ビニルエステル基を有するホスホニウム塩化合物の製造方法

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JPH1160586A
JPH1160586A JP23767997A JP23767997A JPH1160586A JP H1160586 A JPH1160586 A JP H1160586A JP 23767997 A JP23767997 A JP 23767997A JP 23767997 A JP23767997 A JP 23767997A JP H1160586 A JPH1160586 A JP H1160586A
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acid
reaction
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phosphonium
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Natsuhiro Sano
夏博 佐野
Tadashi Sugiya
杉矢  正
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニルエステル基を有するホスホニウム塩化
合物を高収率及び高純度で得る方法を提供する。 【解決手段】 アクリル酸ビニル又はメタクリル酸ビニ
ルと次式(1) 【化1】 (式中、R2 、R3 及びR4 は同一又は異なって、直
鎖、分岐鎖又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水
素基を示し、HXは無機酸を示す。)で表されるホスフ
ィン無機酸塩とを反応させて、次式(2) 【化2】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R2 、R
3 及びR4 は前記と同じものを示し、X- はハロゲンイ
オン又は無機酸残基を示す。)で表されるビニルエステ
ル基を有するホスホニウム塩化合物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン性ポリマ
ーの原料であり、帯電防止剤及び抗菌剤等に有用な化合
物であるビニルエステル基を有するホスホニウム塩化合
物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビニルエステル基を有するホスホニウム
塩化合物は、カチオン性のポリマーの原料として有用で
ある。重合後得られるポリマーは強固なP−C結合部位
を含むことから、優れた化学的物理的安定性を示すもの
と期待されている。従ってこれまでに種々の重合性部位
を付与したホスホニウム塩の合成及びその用途開発が積
極的に試みられている。例えば、重合性の部位がアクリ
ル基であるホスホニウム塩(特願平8-66592 号公報)、
重合性部位がスチリル基であるホスホニウム塩(PTC /
JP/00187 、及び特開平5-58825 号公報)及び重合性の
部位がビニルエステル基であるホスホニウム塩(特開平
7-10894 号公報)等が既に報告されている。上記重合部
位としてビニルエステル基を有するホスホニウム塩の製
造方法としては、以下の例示のような反応式(4)で合
成される。
【0003】
【化4】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トリア
ルキルホスフィンとハロゲン化アルキル誘導体からホス
ホニウム塩を合成する上記反応(4)は、比較的高温を
必要とするが、原料のビニルエステルが重合し易いた
め、高温で反応させることができず、反応収率が低く、
生成物の純度が低いという欠点を有している。
【0005】従って、本発明の目的は、ビニルエステル
基を有するホスホニウム塩化合物を高収率及び高純度で
得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は鋭意検討を行った結果、ホスフィン無機酸塩と
アクリル酸ビニル誘導体とを反応させることにより、共
存する酸がアクリル部位の分極を安定化するため反応が
促進され、触媒を用いることなく、より低温で、収率よ
くビニルエステル基を有するホスホニウム塩が合成でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 下記一般式(1)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示
す。)で表されるアクリル酸ビニル誘導体と、下記一般
式(2)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R2 、R3 及びR4 は同一でも異
なっていてもよく、直鎖、分岐鎖又は環構造を有する飽
和又は不飽和の炭化水素基を示し、HXは無機酸を示
す。)で表されるホスフィン無機酸塩を反応させること
を特徴とする下記一般式(3)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は前記
と同じものを示し、X- はハロゲンイオン又は無機酸残
基を示す。)で表されるビニルエステル基を有するホス
ホニウム塩化合物の製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、原料
のひとつである前記一般式(1)で表されるアクリル酸
ビニル誘導体は、アクリル酸ビニル及びメタクリル酸ビ
ニルである。
【0015】また、他の原料である前記一般式(2)で
表されるホスフィン無機酸塩において、R2 、R3 又は
4 は同一でも異っていてもよく、炭素数1〜18の直
鎖、分岐鎖又は環構造を有する飽和又は不飽和炭化水素
基が好ましく、例えば、炭素数1〜18の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
ケニル基又はアラルキル基あるいはこれらのヒドロキシ
ル基又はアルコキシ基置換体が挙げられる。
【0016】炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0017】シクロアルキル基としては、シクロプロピ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げら
れ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシ
リル基等が挙げられ、アルケニル基としては、アリル
基、10−ウンデセニル基、オレイル基、プレニル基、
ゲラニル基、ファルネシル基等が挙げられ、アラルキル
基としては、ベンジル基、フェニチル基等が挙げられ
る。
【0018】前記R2 、R3 又はR4 のうち、特に好ま
しくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素数1〜8
の直鎖のアルキル基である。
【0019】また、HXは無機酸を示し、例えば塩酸、
臭化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、アミド硫酸、メタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、
ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、過塩素酸、過沃素酸、オクト過沃素酸、過
マンガン酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、
砒酸、亜砒酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸、六フッ化燐
酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸、クロム酸、
塩酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、セレン酸、亜セレン酸、
シアン酸、チオシアン酸、テルル酸、亜テルル酸、珪
酸、けいフッ化水素酸、ヘキサフルオロ珪酸、ポリ燐
酸、メタ燐酸、モリブデン酸等が挙げられ、好ましくは
塩酸、臭化水素酸、硝酸である。
【0020】また、前記一般式(2)で表されるホスフ
ィン無機酸塩としては、工業的に入手できるものが好ま
しいが、例えば、「Horner,L.et al.Ann.1955,591,69.
」に開示された方法に従えば容易に製造することがで
きる。
【0021】本発明の製造方法は、前記一般式(1)と
前記一般式(2)とを反応させるものであり、具体的に
は、アクリル酸ビニル誘導体を溶媒で溶解し、撹拌下で
ホスフィン無機酸塩を添加して反応させればよい。反応
温度は、通常−25〜25℃、好ましくは−10〜0℃
であり、反応時間は通常1〜24時間、好ましくは1〜
3時間である。一般式(1)のアクリル酸ビニル誘導体
と一般式(2)のホスフィン無機酸塩の反応時のモル比
は1:1〜1:5が好ましく、特に、好ましくは1:1
〜1:2である。
【0022】また、上記反応において、必要に応じて重
合禁止剤及び反応溶媒を添加して反応を行う。重合禁止
剤としては、特に制限されないが、例えばハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジ
ン、チオ尿素、尿素等が挙げられる。重合禁止剤の添加
量は得られる目的物に対して100〜1000ppm 、好
ましくは100〜200ppm であるが、特に制限される
ものではない。
【0023】溶媒としては、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等のニトリル類、トルエン、キシレン、ベンゼ
ン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル類を挙げることができるが、特に制限させるもので
はない。溶媒量は一般式(1)及び一般式(2)で示さ
れた原料、一般式(3)で表された本発明の化合物が溶
解されれば、特に反応に使用する溶媒量は限定されな
い。
【0024】本発明の製造方法における反応は、下記反
応式(5)に従い、共存する酸がアクリル部位の分極を
安定化するため、反応が促進され、短時間で容易に反応
は進行する。
【0025】
【化8】
【0026】本発明の製造方法で得られる一般式(3)
で表されるビニルエステル基を有するホスホニウム塩化
合物としては、例えば、トリ−n−ブチル−〔2−(ビ
ニルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニウムクロリ
ド、トリ−n−ブチル〔2−(ビニルオキシカルボニ
ル)エチル〕ホスホニウムブロミド、トリ−n−ブチル
−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニ
ウムヨージド、トリ−n−ブチル−〔2−(ビニルオキ
シカルボニル)エチル〕ホスホニウムニトラート、トリ
エチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホ
スホニウムクロリド、トリエチル−〔2−(ビニルオキ
シカルンボニル)エチル〕ホスホニウムブロミド、トリ
エチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホ
スホニウムヨージド、トリエチル−〔2−(ビニルオキ
シカルボニル)エチル〕ホスホニウムニトラート、トリ
−n−オクチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エ
チル〕ホスホニウムクロリド、トリ−n−オクチル−
〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニウ
ムブロミド、トリ−n−オクチル−〔2−(ビニルオキ
シカルボニル)エチル〕ホスホニウムヨージド、トリ−
n−オクチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチ
ル〕ホスホニウムニトラート、トリ−n−ブチル−〔2
−メチル−2−(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホ
スホニウムクロリド、トリ−n−ブチル−〔2−メチル
−2−(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニウ
ムブロミド、トリ−n−ブチル−〔2−メチル−2−
(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニウムヨー
ジド、トリ−n−ブチル−〔2−メチル−2−(ビニル
オキシカルボニル)エチル〕ホスホニウムニトラートな
どが挙げられる。
【0027】本発明の製造方法で得られる一般式(3)
のビニルエステル基を有するホスホニウム塩化合物は各
種の産業、例えば製紙におけるスライム防止またはコン
トロール材として、また、水、油脂、エマルジョン、
紙、木材、ゴム、プラスチック、繊維、フイルム、塗料
等に配合すれば防腐、抗菌性、帯電防止性、難燃性、防
汚性を付与することができる。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明するが、これらは単に例示であって本発明を制限す
るものではない。
【0029】実施例1 トリ−n−ブチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)
エチル〕ホスホニウムクロリドの合成 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を備えた10
0mlの4口フラスコに窒素気流下、トリ−n−ブチルホ
スフィン20.6g(102mmol)を入れ、室温で4N
塩酸25.5mlを滴下し、トリ−n−ブチルホスフィン
塩酸塩を生成させた。撹拌機、温度計、滴下ロート、還
流冷却管を備えた500mlの4口フラスコに窒素気流
下、アクリル酸ビニル10.0g(102mmol)、アセ
トニトリル100mlを入れ、0℃で上記で合成したトリ
−n−ブチルホスフィン塩酸塩をゆっくり滴下した。滴
下後、室温で1時間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧
下留去し、無色粘性液体のトリ−n−ブチル−〔2−
(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニウムクロ
リドを34.3g得た。
【0030】収率:定量的1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ7.28(dd,J=10.0Hz,J=15.0Hz,1
H),5.91(dd,J=15.0Hz,J=2.0Hz,1H),5.65(dd,J=10.0Hz,J
=2.0Hz,1H),3.08-2.91(m,2H),2.88-2.70(m,2H),2.56-2.
41(m,6H),1.62-1.49(m,12H),0.98(t,J=6.6Hz,9H). IR(neat on KBr disk):1772(ν C=O),1670 (ν C=C). MS(FAB,mNBA):301(M+ ).
【0031】実施例2 トリエチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチ
ル〕ホスホニウムクロリドの合成 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を備えた10
0mlの4口フラスコに窒素気流下、トリエチルホスフィ
ン12.0g(102mmol)を入れ、室温で4N塩酸2
5.5mlを滴下し、トリエチルホスフィン塩酸塩を生成
させた。撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を備
えた500mlの4口フラスコに窒素気流下、アクリル酸
ビニル10.0g(102mmol)、アセトニトリル10
0mlを入れ、0℃で上記トリエチルホスフィン塩酸塩を
ゆっくり滴下した。滴下後、室温で1時間撹拌した。反
応混合物の溶媒を減圧下留去し、無色粘性液体のトリエ
チル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホス
ホニウムクロリドを25.8g得た。
【0032】収率:定量的1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ7.28(dd,J=10.0Hz,J=15.0Hz,1
H),5.91(dd,J=15.0Hz,J=2.0Hz,1H),5.65(dd,J=10.0Hz,J
=2.0Hz,1H),3.08-2.91(m,2H),2.88-2.70(m,2H),2.56-2.
39(m,6H),0.98(t,J=6.6Hz,9H). IR(neat on KBr disk):1770(ν C=O),1667 (ν C=C). MS(FAB,mNBA):217(M+ ).
【0033】実施例3 トリ−n−オクチル−〔2−(ビニルオキシカルボニ
ル)エチル〕ホスホニウムクロリドの合成 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を備えた10
0mlの4口フラスコに窒素気流下、トリ−n−オクチル
ホスフィン37.7g(102mmol)を入れ、室温で4
N塩酸25.5mlを滴下し、トリ−n−オクチルホスフ
ィン塩酸塩を生成させた。撹拌機、温度計、滴下ロー
ト、還流冷却管を備えた500mlの4口フラスコに窒素
気流下、アクリル酸ビニル10g(102mmol)、アセ
トニトリル100mlを入れ、室温で上記トリ−n−オク
チルホスフィン塩酸塩をゆっくり滴下した。滴下後、室
温で1時間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去
し、無色粘性液体のトリ−n−オクチル−〔2−(ビニ
ルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニウムクロリドを
51.5g得た。
【0034】収率:定量的1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ7.28(dd,J=10.0Hz,J=15.0Hz,1
H),5.91(dd,J=15Hz,J=2.0Hz,1H),5.65(dd,J=10.0Hz,J=
2.0Hz,1H),3.08-2.91(m,2H),2.88-2.70(m,2H),2.56-2.3
9(m,6H),2.11-1.08(m,36H),0.98(t,J=6.6Hz,9H). IR(neat on KBr disk):1771(ν C=O),1668 (ν C=C). MS(FAB,mNBA):469(M+ ).
【0035】実施例4 トリ−n−ブチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)
エチル〕ホスホニウムニトラートの合成 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を備えた10
0mlの4口フラスコに窒素気流下、トリ−n−ブチルホ
スフィン20.6g(102mmol)を入れ、室温で4N
硝酸25.5mlを滴下し、トリ−n−ブチルホスフィン
硝酸塩を生成させた。撹拌機、温度計、滴下ロート、還
流冷却管を備えた500mlの4口フラスコに窒素気流
下、アクリル酸ビニル10.0g(102mmol)、アセ
トニトリル100mlを入れ、0℃で上記で合成したトリ
−n−ブチルホスフィン硝酸塩をゆっくり滴下した。滴
下後、室温で1時間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧
下留去し、無色粘性液体のトリ−n−ブチル−〔2−
(ビニルオキシカルボニル)エチル〕ホスホニウムニト
ラートを37.0g得た。
【0036】収率:定量的1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ7.28(dd,J=10.0Hz,J=15.0Hz,1
H),5.91(dd,J=15.0Hz,J=2.0Hz,1H),5.65(dd,J=10.0Hz,J
=2.0Hz,1H),3.08-2.91(m,2H),2.88-2.70(m,2H),2.56-2.
41(m,6H),1.62-1.49(m,12H),0.98(t,J=6.6Hz,9H). IR(neat on KBr disk):1772(ν C=O),1670 (ν C=C). MS(FAB,mNBA):301(M+ ).
【0037】実施例5 トリエチル−〔2−(ビニルオキシカルボニル)エチ
ル〕ホスホニウムニトラートの合成 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を備えた10
0mlの4口フラスコに窒素気流下、トリエチルホスフィ
ン12.0g(102mmol)を入れ、室温で4N硝酸2
5.5mlを滴下し、トリエチルホスフィン硝酸塩を生成
させた。撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を備
えた500mlの4口フラスコに窒素気流下、アクリル酸
ビニル10.0g(102mmol)、アセトニトリル10
0mlを入れ、0℃で上記で合成したトリ−n−ブチルホ
スフィン硝酸塩をゆっくり滴下した。滴下後、室温で1
時間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去し、無色
粘性液体のトリエチル−〔2−(ビニルオキシカルボニ
ル)エチル〕ホスホニウムニトラートを28.5g得
た。
【0038】収率:定量的1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ7.28(dd,J=10.0Hz,J=15.0Hz,1
H),5.91(dd,J=15.0Hz,J=2.0Hz,1H),5.65(dd,J=10.0Hz,J
=2.0Hz,1H),3.08-2.91(m,2H),2.88-2.70(m,2H),2.56-2.
39(m,6H),0.98(t,J=6.6Hz,9H). IR(neat on KBr disk):1770(ν C=O),1667 (ν C=C). MS(FAB,mNBA):217(M+ ).
【0039】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、反応原料と
して使用する上記一般式(1)と一般式(2)との反
応、すなわちアクリル酸ビニル誘導体とホスフィン無機
酸塩との反応では共存する酸がアクリル部位の分極を安
定化するため、反応が促進され、触媒を用いずとも、低
温で定量的に反応が進行し、対応するホスホニウム塩を
有するビニルエステル誘導体が得られる。これらの知見
は工業的に極めて有利である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基を示す。)で表さ
    れるアクリル酸ビニル誘導体と、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R2 、R3 及びR4 は同一でも異なっていても
    よく、直鎖、分岐鎖又は環構造を有する飽和又は不飽和
    の炭化水素基を示し、HXは無機酸を示す。)で表され
    るホスフィン無機酸塩を反応させることを特徴とする下
    記一般式(3) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は前記と同じものを
    示し、X- はハロゲンイオン又は無機酸残基を示す。)
    で表されるビニルエステル基を有するホスホニウム塩化
    合物の製造方法。
JP23767997A 1997-08-19 1997-08-19 ビニルエステル基を有するホスホニウム塩化合物の製造方法 Pending JPH1160586A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102659642A (zh) * 2012-04-20 2012-09-12 湖南鸿跃化工制造有限公司 一种抗静电剂氟化鎓盐的制备方法
CN106256886A (zh) * 2015-06-18 2016-12-28 Sk新技术株式会社 离子性液体及包含其的润滑剂组合物

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