JPH1160553A - ジチオカルボンイミド誘導体の製造法 - Google Patents

ジチオカルボンイミド誘導体の製造法

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JPH1160553A
JPH1160553A JP9226395A JP22639597A JPH1160553A JP H1160553 A JPH1160553 A JP H1160553A JP 9226395 A JP9226395 A JP 9226395A JP 22639597 A JP22639597 A JP 22639597A JP H1160553 A JPH1160553 A JP H1160553A
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JP
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methyl
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JP9226395A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Kusaba
友之 草場
Akiko Kakimizu
明子 垣水
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一般式 化1 【化1】 (式中、R1およびR2は、同一または相異なり、水素原
子、C1〜C6アルキル基等を表し、XはCH基または
窒素原子を表す。)で示されるジチオカルボンイミド誘
導体の製造法を提供すること。 【解決手段】一般式 化2 【化2】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるN−メチルアミド誘導体に、水中で酸性を示
す含塩素化合物を、水酸基を含まない溶媒中で作用さ
せ、一般式 化2で示されるN−メチルアミド誘導体を
一般式 化1で示されるジチオカルボンイミド誘導体に
異性化させる、一般式 化1で示されるジチオカルボン
イミド誘導体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はS−{2−〔(E)
−α−メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイ
ル)〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−置換
ジチオカルボンイミド誘導体を製造する方法ならびに該
製造方法における製造中間体に関する。
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
式 化15
【化15】 (式中、R1およびR2は、同一または相異なり、水素原
子、C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子、C1〜C6
アルコキシ基、C1〜C6ハロアルキル基またはC1〜
C6ハロアルコキシ基を表わすか、あるいは、R1とR2
とでフッ素原子で置換されていてもよいメチレンジオキ
シ基を表し、XはCH基または窒素原子を表す。)で示
されるジチオカルボンイミド誘導体等は優れた植物病害
防除活性を有している。(特開平8−73424号公
報)
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の状況
に鑑み、上記一般式 化15で示されるジチオカルボン
イミド誘導体の植物病害防除活性のより高い幾何異性体
であるE体、すなわち、一般式 化16
【化16】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるジチオカルボンイミド誘導体を有利に製造す
る方法について鋭意検討した結果、一般式 化15で示
されるジチオカルボンイミド誘導体のZ体またはそれを
含む幾何異性体混合物に、水中で酸性を示す含塩素化合
物を、水酸基を含まない溶媒中で作用させ、当該Z体を
異性化させる(以下、本発明異性化法と記す)ことによ
り、一般式 化16で示されるジチオカルボンイミド誘
導体が高選択的かつ高収率で得られることを見出すと共
に、一般式 化17
【化17】 (式中、Yはハロゲン原子を表す。)で示されるベンジ
ルハライド誘導体と一般式 化18
【化18】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるジチオカルバミン酸誘導体とを塩基の存在下
に反応させ、一般式 化19
【化19】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるアセトニトリル誘導体とした後(以下、反応
1と記す)、該アセトニトリル誘導体と亜硝酸アルキル
とを塩基の存在下に反応させ、一般式 化20
【化20】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるヒドロキシイミノ誘導体とした後(以下、反
応2と記す)、該ヒドロキシイミノ誘導体とメチル化剤
とを塩基の存在下に反応させ、一般式 化21
【化21】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるメトキシイミノ誘導体とした後(以下、反応
3と記す。)、該メトキシイミノ誘導体と、アルカリ金
属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物とを反応さ
せ、一般式 化22
【化22】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるアミド誘導体とした後(以下、反応4と記
す。)、該アミド誘導体とメチル化剤とを塩基の存在下
に反応させる(以下、反応5と記す。)ことにより得ら
れる一般式 化23
【化23】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
で示されるN−メチルアミド誘導体に、本発明異性化法
を適用することにより、一般式 化16で示されるジチ
オカルボンイミド誘導体が高選択的かつ高収率で得られ
ることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、一
般式 化16で示されるジチオカルボンイミド誘導体の
上記製造法を提供する。また、本発明は、一般式 化1
6で示されるジチオカルボンイミド誘導体の上記製造法
における製造中間体として有用な、上記、一般式 化1
9で示されるアセトニトリル誘導体、一般式 化20で
示されるヒドロキシイミノ誘導体、一般式 化21で示
されるメトキシイミノ誘導体、一般式 化22で示され
るアミド誘導体、一般式 化23で示されるN−メチル
アミド誘導体を提供する。
【0003】
【発明の実施の形態】本発明に係る上記各化合物おい
て、置換基R1およびR2で示される、C1〜C6アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基等があげられ、ハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等があげら
れ、C1〜C6アルコキシ基としては、メトキシ基、エ
トキシ基等があげられ、C1〜C6ハロアルキル基とし
ては、トリフルオロメチル基等があげられ、C1〜C6
ハロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基等
があげられる。また、一般式 化16で示されるジチオ
カルボンイミド誘導体の殺菌活性の点からは、好ましい
置換基として、R1としては、メチル基、エチル基、ト
リフルオロメチル基があげられ、R2としては、水素原
子があげられ、Xとしては、CH基があげられる。
【0004】以下、本発明異性化法について詳しく説明
する。一般式 化16で示されるジチオカルボンイミド
誘導体は一般式 化23で示されるZ体のN−メチルア
ミド誘導体、または該誘導体と一般式 化16で示され
るE体のジチオカルボンイミド誘導体との幾何異性体混
合物に、水中で酸性を示す含塩素化合物を、水酸基を含
まない溶媒中で作用させ、該Z体を異性化させることに
より得ることができる。反応に使用する水中で酸性を示
す含塩素化合物としては、塩化水素、ホスゲン、クロロ
蟻酸トリクロロメチル、炭酸ビス(トリクロロメチル)
等のホスゲン誘導体、オキシ塩化リン、三塩化リン等の
リン酸ハロゲン化物、塩化チオニル等があげられる。用
いられる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハ
ロゲン化芳香族炭化水素類、THF、ジエチルエ−テ
ル、ジブチルエ−テル等のエ−テル類、またはこれらの
混合物があげられる。反応に供される試剤の量は、一般
式 化23で示されるN−メチルアミド誘導体1.0モ
ルに対して、水中で酸性を示す含塩素化合物として塩化
水素を用いる場合は、1.0モル〜大過剰量、その他の
含塩素化合物を用いる場合は、通常0.1〜10.0モ
ルの割合である。反応温度の範囲は通常−10℃〜10
0℃であり、反応時間の範囲は通常5〜24時間であ
る。反応終了後の反応液は通常、水または希塩酸水等を
注加し、分液操作に付した後、有機層を濃縮することに
より一般式 化16で示されるジチオカルボンイミド誘
導体を単離することができる。該ジチオカルボンイミド
誘導体は再結晶、クロマトグラフィ−等の操作を行うこ
とにより精製することも出来る。
【0005】以下に、本発明異性化法で得られる一般式
化16で示されるジチオカルボンイミド誘導体を例示
するが、該誘導体はこれらの例示のみに限定されない。 S−{2−〔(E)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−メチルフェニル)ジチオカルボンイ
ミド S−{2−〔(E)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイ
ミド S−{2−〔(E)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)ジチ
オカルボンイミド S−{2−〔(E)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−メトキシフェニル)ジチオカルボン
イミド S−{2−〔(E)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−エトキシフェニル)ジチオカルボン
イミド
【0006】次に、一般式 化23で示されるジチオカ
ルボンイミド誘導体の製造法について各工程毎に詳しく
説明する。反応1について説明する。一般式 化19で
示されるアセトニトリル誘導体は、一般式 化17で示
されるベンジルハライド誘導体と一般式 化18で示さ
れるジチオカルバミン酸誘導体とを塩基の存在下に反応
させることにより、製造することができる。反応に用い
られる塩基としては、水酸化ナトリウムあるいは水酸化
カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、
ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド
等のアルカリ金属C1〜C5アルコキシドまたは水素化
ナトリウム等のアルカリ金属水素化物等があげられる。
該反応は通常、溶媒中で行い、用いられる溶媒として
は、テトラヒドロフラン(以下THFと記す)、ジエチ
ルエ−テル、ジブチルエ−テル等のエ−テル類、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化
水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、水また
はそれらの混合溶媒があげられ、水と芳香族炭化水素類
または水とハロゲン化芳香族炭化水素類との二相系で反
応を行うことが好ましい。二相系で反応を行う場合に
は、相間移動触媒の存在下に反応を行うことが好まし
く、該相間移動触媒としては、臭化テトラノルマルブチ
ルアンモニウム、硫酸水素テトラノルマルブチルアンモ
ニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等の4級
アンモニウム塩があげられる。また、二相系で反応を行
う場合には、反応に用いられる塩基としては、水酸化ナ
トリウムあるいは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアル
カリ土類金属水酸化物があげられる。反応温度の範囲は
通常−10〜60℃、反応時間の範囲は通常0.5〜2
0時間である。反応に用いられる試剤の量は、一般式
化17で示されるベンジルハライド誘導体1.0モルに
対して、一般式 化18で示されるジチオカルバミン酸
誘導体は1.0モル〜1.5モルの割合であり、塩基は
1.0モル〜1.5モルの割合であり、相間移動触媒は
0モル〜1.0モルの割合である。反応終了後の反応液
は通常、水、塩化アンモニウム水または希塩酸水等を注
加し、分液操作に付した後、有機層を濃縮することによ
り、一般式 化19で示されるアセトニトリル誘導体を
得ることができる。該アセトニトリル誘導体は、再結
晶、クロマトグラフィ−等の操作を行うことにより精製
することも出来る。
【0007】反応1において用いられる、一般式 化1
7で示されるベンジルハライド誘導体としては、 2−ブロモメチルベンジルシアニド 2−クロロメチルベンジルシアニド があげられ、これらの化合物は、J.Heterocy
clic Chem.vol.16,1443,(19
97年)に記載の方法によりα−シアノ−オルトキシレ
ンから製造することができる。
【0008】反応1において用いられる、一般式 化1
8で示されるジチオカルバミン酸誘導体としては、例え
ば、 4−メチルフェニルジチオカルバミン酸メチル 4−エチルフェニルジチオカルバミン酸メチル 4−トリフルオロメチルフェニルジチオカルバミン酸メ
チル 4−メトキシフェニルジチオカルバミン酸メチル 4−エトキシフェニルジチオカルバミン酸メチル 等があげられ、これらの化合物は、例えば、下記式 化
24
【化24】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
にしたがって製造することができる(後記参考例1、2
参照)。
【0009】反応2について説明する。一般式 化20
で示されるヒドロキシイミノ誘導体は、一般式 化19
で示されるアセトニトリル誘導体と亜硝酸アルキルとを
塩基の存在下に反応させることにより製造することがで
きる。反応に用いられる塩基としては、ナトリウムメト
キシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金
属C1〜C5アルコキシド等があげられる。該アルコキ
シドは、あらかじめ調製されたものを使用してもよい
し、ナトリウム等のアルカリ金属、または、水素化ナト
リウム等のアルカリ金属水素化物とC1〜C5アルコ−
ルとを反応液中で反応させて調製することもできる。反
応に用いられる亜硝酸アルキルとしては、亜硝酸ノルマ
ルプロピル、亜硝酸ノルマルブチル、亜硝酸タ−シャリ
−ブチル、亜硝酸ノルマルペンチル、亜硝酸イソアミル
等があげられる。該反応は通常溶媒中で行い、用いられ
る溶媒としては、主溶媒としてメタノ−ル、エタノ−
ル、2−プロパノ−ル等のアルコ−ル類があげられ、こ
れに他の溶媒を混合して使用することもできる。混合可
能な溶媒としてはTHF、ジエチルエ−テル、ジブチル
エ−テル等のエ−テル類、トルエン、キシレン、ベンゼ
ン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類等があげられ
る。反応温度の範囲は通常−10〜60℃、反応時間の
範囲は通常0.5〜10時間である。反応に供される試
剤の量は、一般式 化19で示されるアセトニトリル誘
導体1.0モルに対して、塩基は1.0モル〜2.0モ
ルの割合であり、亜硝酸アルキルは1.0モル〜3.0
モルの割合である。反応終了後の反応液は通常、水、塩
化アンモニウム水または希塩酸水等を注加し、分液操作
に付した後、有機層を濃縮することにより一般式 化2
0で示されるヒドロキシイミノ誘導体を得ることができ
る。該ヒドロキシイミノ誘導体は再結晶、クロマトグラ
フィ−等の操作を行うことにより精製することも出来
る。
【0010】反応3について説明する。一般式 化21
で示されるメトキシイミノ誘導体は、一般式 化20で
示されるヒドロキシイミノ誘導体とメチル化剤とを塩基
の存在下に反応させることにより、得ることができる。
該反応に用いられるメチル化剤としてはヨウ化メチル、
塩化メチル等のハロゲン化メチル、あるいはジメチル硫
酸等があげられる。塩基としては、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムタ−シャリ−ブトキシド等のアルカリ金属
C1〜C5アルコキシドあるいは水素化ナトリウム等の
アルカリ金属水素化物等があげられる。反応は通常溶媒
中で行い、用いられる溶媒としては、THF、ジエチル
エ−テル、ジブチルエ−テル等のエ−テル類、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化
水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、または
それらの混合溶媒があげられる。反応温度の範囲は通常
−10〜60℃、反応時間の範囲は通常0.5〜10時
間である。反応に供される試剤の量は、一般式 化20
で示されるヒドロキシイミノ誘導体1.0モルに対し
て、塩基は1.0モル〜2.0モルの割合であり、メチ
ル化剤は1.0モル〜2.0モルの割合である。反応終
了後の反応液は通常、水、塩化アンモニウム水または希
塩酸水等を注加し、分液操作に付した後、有機層を濃縮
することにより一般式 化21で示されるメトキシイミ
ノ誘導体を得ることができる。該メトキシイミノ誘導体
は再結晶、クロマトグラフィ−等の操作を行うことによ
り精製することも出来る。
【0011】また上記反応2に於いて、後処理操作をす
ることなく引き続き反応3を行うことにより、一般式
化21で示されるメトキシイミノ誘導体を得ることもで
きる。この場合、反応2に用いられる塩基としては、ナ
トリウムメトキシド、カリウムタ−シャリ−ブトキシド
等のアルカリ金属C1〜C5アルコキシド等があげられ
る。該アルコキシドは、あらかじめ調製されたものを使
用してもよいし、ナトリウム等のアルカリ金属、また
は、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物とC1
〜C5アルコ−ルとを反応液中で反応させて調製するこ
ともできる。反応に用いられる亜硝酸アルキルとして
は、亜硝酸ノルマルプロピル、亜硝酸ノルマルブチル、
亜硝酸タ−シャリ−ブチル、亜硝酸ノルマルペンチル、
亜硝酸イソアミル等があげられる。該反応は通常溶媒中
で行い、用いられる溶媒としては、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類があげられ、反応
速度の向上の面から、さらに、メタノ−ル、エタノ−ル
等のアルコ−ル類を約1.0%〜約30%添加すること
が好ましい。反応温度の範囲は通常−10〜60℃、好
ましくは−10〜30℃であり、反応時間の範囲は通常
0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。反応
に供される試剤の量は、一般式 化19で示されるアセ
トニトリル誘導体1.0モルに対して、塩基は1.0モ
ル〜2.0モルの割合であり、亜硝酸アルキルは1.0
モル〜3.0モルの割合である。該反応2の反応終了後
の反応液に、引き続きメチル化剤を加えることにより反
応3が行われる。該反応に用いられるメチル化剤として
はヨウ化メチル、塩化メチル等のハロゲン化メチル、あ
るいはジメチル硫酸等があげられる。反応温度の範囲は
通常−10〜60℃、反応時間の範囲は通常0.5〜1
0時間である。反応に供される試剤の量は、一般式 化
19で示されるアセトニトリル誘導体1.0モルに対し
て、メチル化剤は1.0モル〜2.0モルの割合であ
る。反応終了後の反応液は通常、水、塩化アンモニウム
水または希塩酸水等を注加し、分液操作に付した後、有
機層を濃縮することにより一般式 化21で示されるメ
トキシイミノ誘導体を得ることができる。該メトキシイ
ミノ誘導体は再結晶、クロマトグラフィ−等の操作を行
うことにより精製することも出来る。
【0012】反応4について説明する。一般式 化22
で示されるアミド誘導体は、一般式 化21で示される
メトキシイミノ誘導体と、アルカリ金属水酸化物または
アルカリ土類金属水酸化物とを反応させることにより得
ることができる。反応に使用するアルカリ金属水酸化物
またはアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム等があげられ、水酸化カリウムが好ましい。
反応は通常溶媒中で行い、メタノ−ル、エタノ−ル、2
−プロパノ−ル等のアルコ−ル類が主溶媒として用いら
れるが、他の溶媒と混合して使用することもできる。混
合可能な溶媒としてはTHF、ジエチルエ−テル、ジブ
チルエ−テル等のエ−テル類、トルエン、キシレン、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類等があげら
れる。反応温度の範囲は通常−10〜60℃、反応時間
の範囲は通常0.5〜80時間である。反応に供される
試剤の量は、一般式 化21で示されるメトキシイミノ
誘導体1.0モルに対し、アルカリ金属の水酸化物は、
通常2.0〜10.0モルの割合である。反応終了後の
反応液は通常、水、塩化アンモニウム水または希塩酸水
等を注加し、分液操作に付した後、有機層を濃縮するこ
とにより一般式 化22で示されるアミド誘導体を単離
することができる。該アミド誘導体は再結晶、クロマト
グラフィ−等の操作を行うことにより精製することも出
来る。
【0013】反応5について説明する。一般式 化23
で示されるN−メチルアミド誘導体は一般式 化22で
示されるアミド誘導体とメチル化剤とを塩基の存在下に
反応させることにより得ることができる。反応に使用す
るメチル化剤としてはヨウ化メチル、塩化メチル等のハ
ロゲン化メチルあるいはジメチル硫酸等があげられる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物があげられる。
反応は通常水と有機溶媒の2相系で行い、使用する有機
溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の
ハロゲン化芳香族炭化水素類等があげられる。反応は相
間移動触媒の存在下に行うのが好ましく、使用する相間
移動触媒としては、臭化テトラノルマルブチルアンモニ
ウム、硫酸水素テトラノルマルブチルアンモニウム、塩
化ベンジルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウ
ム塩があげられる。反応温度の範囲は通常、10℃〜1
00℃、反応時間の範囲は通常0.5〜24時間であ
る。反応に供される試剤の量は、一般式 化22で示さ
れるアミド誘導体1.0モルに対し、メチル化剤は1.
0モル〜2.0モルの割合、塩基は2.0〜5.0モル
の割合、相間移動触媒は0モル〜1.0モルの割合であ
る。反応終了後の反応液は通常、水、塩化アンモニウム
水または希塩酸水等を注加し、分液操作に付した後、有
機層を濃縮することにより一般式 化23で示されるN
−メチルアミド誘導体を単離することができる。該N−
メチルアミド誘導体は再結晶、クロマトグラフィ−等の
操作を行うことにより精製することも出来る。
【0014】以下に、上述の本発明方法により得られ
る、一般式 化19で示されるアセトニトリル誘導体、
一般式 化20で示されるヒドロキシイミノ誘導体、一
般式 化21で示されるメトキシイミノ誘導体、一般式
化22で示されるアミド誘導体、一般式 化23で示
されるN−メチルアミド誘導体を例示するが、各誘導体
は、これらの例示のみに限定されない。
【0015】一般式 化19で示されるアセトニトリル
誘導体 S−(2−シアノメチル)フェニルメチル−S−メチル
−N−(4−メチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−(2−シアノメチル)フェニルメチル−S−メチル
−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−(2−シアノメチル)フェニルメチル−S−メチル
−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)ジチオカル
ボンイミド S−(2−シアノメチル)フェニルメチル−S−メチル
−N−(4−メトキシフェニル)ジチオカルボンイミド S−(2−シアノメチル)フェニルメチル−S−メチル
−N−(4−エトキシフェニル)ジチオカルボンイミド
【0016】一般式 化20で示されるヒドロキシイミ
ノ誘導体 S−{2−〔(Z)−α−ヒドロキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
メチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−ヒドロキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
エチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−ヒドロキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
トリフルオロメチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−ヒドロキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
メトキシフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−ヒドロキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
エトキシフェニル)ジチオカルボンイミド
【0017】一般式 化21で示されるメトキシイミノ
誘導体 S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
メチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
エチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
トリフルオロメチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
メトキシフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
エトキシフェニル)ジチオカルボンイミド
【0018】一般式 化22で示されるアミド誘導体 S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−カルバ
モイル〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−
(4−メチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−カルバ
モイル〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−
(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−カルバ
モイル〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−
(4−トリフルオロメチルフェニル)ジチオカルボンイ
ミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−カルバ
モイル〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−
(4−メトキシフェニル)ジチオカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−カルバ
モイル〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−
(4−エトキシフェニル)ジチオカルボンイミド
【0019】一般式 化23で示されるN−メチルアミ
ド誘導体 S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−メチルフェニル)ジチオカルボンイ
ミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイ
ミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)ジチ
オカルボンイミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−メトキシフェニル)ジチオカルボン
イミド S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−(N−
メチルカルバモイル)〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−エトキシフェニル)ジチオカルボン
イミド
【0020】一般式 化16で示されるジチオカルボン
イミド誘導体は、また、一般式 化25
【化25】 (式中、Yは前記と同じ意味を表し、R3はC1〜C6
アルキル基を表す)で示されるケトエステル誘導体と一
般式化18で示されるジチオカルバミン酸誘導体とを塩
基の存在下に反応させて、一般式 化26
【化26】 (式中、X、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を表
す。)で示されるケトエステル誘導体とした後(以下、
反応6と記す)、該ケトエステル誘導体とメチルアミン
を反応させて、一般式 化27
【化27】 (式中、X、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)で
示されるケトアミド誘導体とした後(以下、反応7と記
す)、該ケトアミド誘導体とO−メチルヒドロキシルア
ミンまたはその塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸
との塩等)とを反応させて、一般式 化15で示される
ジチオカルボンイミド誘導体とした後(以下、反応8と
記す)、該ジチオカルボンイミド誘導体に、本発明異性
化法を適用することにより製造することもできる。
【0021】反応6について説明する。一般式 化26
で示されるケトエステル誘導体は一般式 化25で示さ
れるケトエステル誘導体と一般式化18で示されるジチ
オカルバミン酸誘導体とを塩基の存在下に反応させるこ
とにより、製造することができる。用いられる塩基とし
ては、例えばカリウムタ−シャリ−ブトキシド、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイ
ソプロポキシド等のアルカリ金属(カリウム、ナトリウ
ム等)アルコキシド(例えば、タ−シャリ−ブトキシ
ド、メトキシド、エトキシド等のC1〜C5アルコキシ
ド)、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物等があげられる。該反応は通常溶媒中で行い、用い
られる溶媒としては、用いる塩基等によっても異なる
が、例えば、THF、ジエチルエ−テル、ジブチルエ−
テル等のエ−テル類、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプ
ロパノ−ル等のアルコ−ル類、トルエン、キシレン、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、水等、またはそれらの混合溶媒があげら
れる。反応温度の範囲は通常−10〜60℃、反応時間
の範囲は通常0.5〜10時間であり、反応に用いられ
る原料および塩基の割合は等モルまたはそれに近い割合
(通常、1.0:0.8〜0.8〜1.0の割合)であ
る。反応終了後の反応液は通常、例えば、水、塩化アン
モニウム水または希塩酸水等を注加し、分液操作に付し
た後、有機層を濃縮し、必要ならばさらにクロマトグラ
フィ−等の精製操作を行うことにより、目的とする一般
式 化26示されるケトエステル誘導体を単離すること
が出来る。
【0022】反応6において用いられる、一般式 化2
5で示されるケトエステル誘導体としては、例えば、 2−(ブロモメチル)ベンゾイル蟻酸メチル 2−(ブロモメチル)ベンゾイル蟻酸エチル 2−(ブロモメチル)ベンゾイル蟻酸イソプロピル 2−(クロロメチル)ベンゾイル蟻酸メチル 2−(クロロメチル)ベンゾイル蟻酸エチル 2−(クロロメチル)ベンゾイル蟻酸イソプロピル 等があげられ、これらの化合物は、例えば、下記スキ−
ム 化28
【化28】 (式中、NYSはN−ハロゲノコハク酸イミド(N−ブ
ロモコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミドまたは
N−ヨ−ドコハク酸イミド)を表し、RIは過酸化ベン
ゾイル(BPO)やアゾビスイソブチロニトリル等のラ
ジカル開始剤を表し、Y及びR3は前記と同じ意味を表
す。)にしたがって製造することができる。
【0023】反応7について説明する。一般式 化27
で示されるケトアミド誘導体は、一般式 化26で示さ
れるケトエステル誘導体とメチルアミンを反応させるこ
とにより、製造することができる。該反応は通常溶媒中
で行い、用いられる溶媒としては、例えば、メタノ−
ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル等のアルコ−ル類、
THF、ジエチルエ−テル、ジブチルエ−テル等のエ−
テル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化
水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲ
ン化芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、水等、ま
たはそれらの混合溶媒があげられる。反応温度の範囲は
通常−10〜60℃、反応時間の範囲は通常0.5〜1
0時間であり、反応に用いられるメチルアミンの割合は
一般式 化26で示されるケトエステル誘導体1.0モ
ルに対し、通常1.0〜10.0モルの割合である。反
応終了後の反応液は通常濃縮し、必要ならばさらに再結
晶、クロマトグラフィ−等の精製操作を行うことによ
り、一般式 化27示されるケトアミド誘導体を単離す
ることが出来る。
【0024】反応8について説明する。一般式 化15
で示されるジチオカルボンイミド誘導体は、一般式 化
27で示されるケトアミド誘導体とO−メチルヒドロキ
シルアミンまたはその塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩等の
無機酸との塩等)とを反応させることにより、製造する
ことができる。該反応は通常溶媒中で行い、用いられる
溶媒としては、例えば、ピリジン、メタノ−ル、エタノ
−ル、イソプロパノ−ル等のアルコ−ル類、THF、ジ
エチルエ−テル、ジブチルエ−テル等のエ−テル類、ト
ルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族
炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素
類、N,N−ジメチルホルムアミド、水等、またはそれ
らの混合溶媒があげられる。反応温度の範囲は通常−1
0〜60℃、反応時間の範囲は通常0.5〜10時間で
あり、反応に用いられるO−メチルヒドロキシルアミン
またはその塩の割合は一般式 化27示されるケトアミ
ド誘導体1.0モルに対し、通常1.0〜2.0モルの
割合である。反応にO−メチルヒドロキシルアミンの塩
を用いる場合は、通常、該塩1.0モルに対して1.0
モル以上の割合の塩基を用いる。該塩基としては、例え
ば、ピリジン、酢酸ナトリウム等の有機塩基、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩
基が挙げられる。反応終了後の反応液は通常、例えば、
水または希塩酸水等を注加し、分液操作に付した後、有
機層を濃縮し、必要ならばさらに再結晶、クロマトグラ
フィ−等の精製操作を行うことにより、一般式 化15
で示されるジチオカルボンイミド誘導体を単離すること
が出来る。
【0025】以下に、反応6、7及び反応8で得られ
る、一般式 化26で示されるケトエステル誘導体、一
般式 化27で示されるケトアミド誘導体及び一般式
化16で示されるジチオカルボンイミド誘導体を例示す
るが、各誘導体は、これらの例示のみに限定されない。
【0026】一般式 化26で示されるケトエステル誘
導体 N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−〔2−
(α−オキソ−α−メトキシカルボニル)メチル〕フェ
ニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−〔2−
(α−オキソ−α−メトキシカルボニル)メチル〕フェ
ニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−S−メチル
−S−〔2−(α−オキソ−α−メトキシカルボニル)
メチル〕フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−〔2
−(α−オキソ−α−メトキシカルボニル)メチル〕フ
ェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−〔2
−(α−オキソ−α−メトキシカルボニル)メチル〕フ
ェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−〔2−
(α−オキソ−α−エトキシカルボニル)メチル〕フェ
ニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−〔2−
(α−オキソ−α−エトキシカルボニル)メチル〕フェ
ニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−S−メチル
−S−〔2−(α−オキソ−α−エトキシカルボニル)
メチル〕フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−〔2
−(α−オキソ−α−エトキシカルボニル)メチル〕フ
ェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−〔2
−(α−オキソ−α−エトキシカルボニル)メチル〕フ
ェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−〔2−
(α−オキソ−α−イソプロポキシカルボニル)メチ
ル〕フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−〔2−
(α−オキソ−α−イソプロポキシカルボニル)メチ
ル〕フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−S−メチル
−S−〔2−(α−オキソ−α−イソプロポキシカルボ
ニル)メチル〕フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−〔2
−(α−オキソ−α−イソプロポキシカルボニル)メチ
ル〕フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−〔2
−(α−オキソ−α−イソプロポキシカルボニル)メチ
ル〕フェニルメチルジチオカルボンイミド
【0027】一般式 化27で示されるケトアミド誘導
体 N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−{2−
〔α−オキソ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メチ
ル}フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−{2−
〔α−オキソ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メチ
ル}フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−S−メチル
−S−{2−〔α−オキソ−α−(N−メチルカルバモ
イル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−{2
−〔α−オキソ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メ
チル}フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−{2
−〔α−オキソ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メ
チル}フェニルメチルジチオカルボンイミド
【0028】一般式 化16で示されるジチオカルボン
イミド誘導体 N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−{2−
〔α−メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイ
ル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−{2−
〔α−メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイ
ル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−S−メチル
−S−{2−〔α−メトキシイミノ−α−(N−メチル
カルバモイル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボ
ンイミド N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−{2
−〔α−メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイ
ル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイミド N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−{2
−〔α−メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイ
ル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイミド
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されない。 製造例1 (1)S−(2−シアノメチル)ベンジル−S−メチル
−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイミドの
製造 2−ブロモメチルベンジルシアニド19.2g(50m
mol)、4−エチルフェニルジチオカルバミン酸メチ
ル10.6g(50mmol)、臭化テトラノルマルブ
チルアンモニウム1.6g(5mmol)をトルエン1
00mlに溶解させた。氷冷下、該溶液に8N水酸化ナト
リウム水溶液7.5ml(60mmol)を内温10℃
以下にて滴下し、滴下終了後内温5℃にて2時間撹拌し
た。その後、反応液に水を加え、分液操作に付し、有機
層を水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧濃縮してS−(2−シアノメチル)フェニルメ
チル−S−メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチオ
カルボンイミド16.2g(収率95%)を得た。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.22(3H,t,J=8Hz)、2.4
6(3H,s)、2.62(2H,q,J=8Hz)、
3.88(2H,s)、4.32(2H,s)、6.7
6(2H,d,J=8Hz)、7.15(2H,d,J
=8Hz)、7.2〜7.6(4H,m)。
【0030】(2)S−{2−〔(Z)−α−ヒドロキ
シイミノ−α−シアノ〕メチル}フェニルメチル−S−
メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイ
ミドの製造 上記(1)に準じて製造したS−(2−シアノメチル)
フェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチルフェニ
ル)ジチオカルボンイミド20.0g(58mmo
l)、亜硝酸ノルマルブチル7.9g(77mmol)
をトルエン60mlに溶解させた。氷冷下、該溶液にナ
トリウムメトキシド28%メタノ−ル溶液22.7g
(117mmol)を内温10℃以下にて滴下し、滴下
終了後内温5℃にて2時間撹拌した。その後、反応液に
10%冷塩酸水を徐々に加え反応液の液性を酸性とし、
分液操作に付し、有機層を水で2回洗浄して無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧濃縮して固形物を得た。これに
ジイソプロピルエ−テル50mlを加え、該固形物を粉
砕し、ろ取、乾燥してS−{2−〔(Z)−α−ヒドロ
キシイミノ−α−シアノ〕メチル}フェニルメチル−S
−メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボン
イミド18.7g(収率86%)を得た。mp139.
7℃。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.23(3H,t,J=8Hz)、2.4
6(3H,s)、2.62(2H,q,J=8Hz)、
4.62(2H,s)、6.82(2H,d,J=8H
z)、7.15(2H,d,J=8Hz)、7.3〜
7.8(4H,m)。
【0031】(3)S−{2−〔(Z)−α−メトキシ
イミノ−α−シアノ〕メチル}フェニルメチル−S−メ
チル−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイミ
ドの製造 水素化ナトリウム(60%オイルディスパ−ジョン)
2.2g(55mmol)をTHF80mlに懸濁させ
た。氷冷下、該懸濁液に上記(2)に準じて製造したS
−{2−〔(Z)−α−ヒドロキシイミノ−α−シア
ノ〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
エチルフェニル)ジチオカルボンイミド18.0g(5
0mmol)のTHF40ml溶液を内温10℃以下に
て滴下し、その後室温まで昇温して30分間撹拌した。
反応液を再び氷冷し、該反応液にジメチル硫酸7.0g
(55mmol)を内温10℃以下にて滴下し、滴下終
了後内温5℃にて1時間撹拌を続けた。その後、反応液
に10%冷塩酸水を徐々に加え反応液の液性を酸性と
し、分液操作に付し、有機層を水で2回洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して油状物を得
た。該油状物にジイソプロピルエ−テル50mlを加
え、冷却し、生じた固体を粉砕、ろ取、乾燥してS−
{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−シアノ〕メ
チル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチル
フェニル)ジチオカルボンイミド13.7g(収率73
%)を得た。mp60.4℃。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.23(3H,t,J=8Hz)、2.4
4(3H,s)、2.62(2H,q,J=8Hz)、
4.23(3H,s)、4.61(2H,s)、6.7
7(2H,d,J=8Hz)、7.14(2H,d,J
=8Hz)、7.3〜7.8(4H,m)。
【0032】(4)S−{2−〔(Z)−α−メトキシ
イミノ−α−カルバモイル〕メチル}フェニルメチル−
S−メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボ
ンイミドの製造 上記(3)に準じて製造したS−{2−〔(Z)−α−
メトキシイミノ−α−シアノ〕メチル}フェニルメチル
−S−メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチオカル
ボンイミド10.0g(26mmol)をトルエン50
mlに溶解させた。氷冷下、該溶液に水酸化カリウム
5.6g(100mmol)のエタノ−ル40ml溶液を
内温10℃以下にて滴下し、室温まで昇温して2日間撹
拌した。その後、反応液に10%冷塩酸水を徐々に加え
反応液の液性を酸性とし、分液操作に付し、有機層を水
で2回洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮
して固形物を得た。これにジイソプロピルエ−テル50
mlを加えて、該固形物を粉砕、ろ取、乾燥してS−
{2−〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−カルバモイ
ル〕メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−
エチルフェニル)ジチオカルボンイミド7.0g(収率
67%)を得た。mp102.2℃。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.21(3H,t,J=7.5Hz)、
2.46(3H,s)、2.61(2H,q,J=7.
5Hz)、4.05(3H,s)、4.54(2H,
s)、5.75(1H,brs)、6.74(2H,
d,J=8Hz)、7.13(2H,d,J=8H
z)、7.2〜7.6(5H,m)。
【0033】(5)S−{2−〔(Z)−α−メトキシ
イミノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メチル}フ
ェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチルフェニ
ル)ジチオカルボンイミドの製造 上記(4)に準じて製造したS−{2−〔(Z)−α−
メトキシイミノ−α−カルバモイル〕メチル}フェニル
メチル−S−メチル−N−(4−エチルフェニル)ジチ
オカルボンイミド10.0g(25mmol)をトルエ
ン40mlに溶解させ、該溶液に50%水酸化ナトリウ
ム水溶液25mlと硫酸水素テトラノルマルブチルアン
モニウム1.0g(3mmol)を加えた。この反応液
を激しく撹拌しながら80℃に加熱し、該反応液にヨウ
化メチル5.3g(37mmol)のトルエン30ml
溶液を、滴下時間4時間にて滴下した後、反応液を80
℃にて3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水を
加え、分液操作に付し、有機層を水で2回洗浄して無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して固形物を得
た。該固形物を酢酸エチル−ジイソプロピルエ−テル溶
媒で再結晶し、S−{2−〔(Z)−α−メトキシイミ
ノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メチル}フェニ
ルメチル−S−メチル−N−(4−エチルフェニル)ジ
チオカルボンイミド8.3g(収率80%)を得た。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.21(3H,t,J=7.5Hz)、
2.46(3H,s)、2.60(2H,q,J=7.
5Hz)、2.75(3H,d,J=5Hz)、4.0
1(3H,s)、4.54(2H,s)、6.73(2
H,d,J=8Hz)、7.13(2H,d,J=8H
z)、7.2〜7.6(5H,m)。
【0034】(6)S−{2−〔(E)−α−メトキシ
イミノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メチル}フ
ェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチルフェニ
ル)ジチオカルボンイミドの製造 上記(5)に準じて製造したS−{2−〔(Z)−α−
メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メ
チル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチル
フェニル)ジチオカルボンイミド10.0g(24mm
ol)を無水テトラヒドロフラン15mlとトルエン4
0mlの混合溶媒に溶解させた。氷冷下、撹拌しなが
ら、内温10℃以下にて該溶液に塩化水素ガスを吹き込
み、塩化水素飽和溶液とした。その後、徐々に温度を上
げ、20℃にて16時間撹拌を続けた。その後反応液に
窒素ガスを吹き込み、塩化水素ガスを追い出した後、水
を加え、分液操作に付し、有機層を水で2回洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して固形物を得
た。該固形物にジイソプロピルエ−テル50mlを加
え、粉砕、ろ取、乾燥してS−{2−〔(E)−α−メ
トキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メチ
ル}フェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチルフ
ェニル)ジチオカルボンイミド9.5g(収率95%)
を得た。高速液体カラムクロマトグラフィ−分析装置
(分析条件:カラムSUMIPAX A−212(6m
m×15cm)、移動相;メタノ−ル/水=3/1、流
速;1ml/min、UV波長254nm)による分析
の結果、E体(保持時間=14.7min)とZ体(保
持時間=15.9min)の混合比は、反応開始前は
(E対Z=1対99)、後処理操作後は(E対Z=96
対4)であった。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.22(3H,t,J=7.5Hz)、
2.43(3H,s)、2.61(2H,q,J=7.
5Hz)、2.84(3H,d,J=5Hz)、3.9
4(3H,s)、4.22(2H,s)、6.70(1
H,brs)、6.76(2H,d,J=8Hz)、
7.0〜7.2(3H,m)、7.2〜7.6(3H,
m)。
【0035】製造例2 S−2−(シアノメチル)フェニルメチル−S−メチル
−N−(4−エチルフェニル)ジチオカルボンイミド1
7.0g(50mmol)、亜硝酸ノルマルブチル7.
2g(70mmol)をトルエン50mlに溶解させ
た。氷冷下、該溶液にナトリウムメトキシド28%メタ
ノ−ル溶液14.5g(75mmol)を内温10℃以
下にて滴下し、滴下終了後内温5℃にて2時間撹拌を続
けた後、反応液にジメチル硫酸7.6g(60mmo
l)を内温10℃以下にて滴下し、滴下終了後内温5℃
にて1時間撹拌を続けた。その後、反応液に水を加え、
分液操作に付し、有機層を水で2回洗浄して無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧濃縮して、油状物を得た。この
油状物にジイソプロピルエ−テル50mlを加え、冷却
し、生じた固体を粉砕し、ろ取、乾燥してS−{2−
〔(Z)−α−メトキシイミノ−α−シアノ〕メチル}
フェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチルフェニ
ル)ジチオカルボンイミド13.4g(収率70%)を
得た。mp60.4℃
【0036】製造例3 (1)2−(ブロモメチル)ベンゾイル蟻酸エチル5.
0gのTHF50ml溶液に4−エチルフェニルジチオ
カルバミン酸メチル3.9gを加えた。氷冷下、該溶液
にカリウムタ−シャリ−ブトキシド2.2gを徐々に加
え、氷冷下で1時間攪拌した後、さらに50℃で1時間
加熱した。反応液を室温まで冷却後、これに水と酢酸エ
チルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濃縮して油状物を得た。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液;ヘキサン:
酢酸エチル=10:1)に付し、N−(4−エチルフェ
ニル)−S−メチル−S−〔2−(α−オキソ−α−エ
トキシカルボニル)メチル〕フェニルメチルジチオカル
ボンイミド5.8g(収率78%)を得た。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.23(3H,t,J=8Hz)、1.4
0(3H,t,J=7Hz)、2.43(3H,s)、
2.63(2H,q,J=8Hz)、4.42(2H,
t,J=7Hz)、4.70(2H,s)、6.76
(2H,d,J=8Hz)、7.17(2H,d,J=
8Hz)、7.3〜7.8(4H,m)。
【0037】(2)上記(1)に準じて製造したN−
(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−(2−(α
−オキソ−α−エトキシカルボニル)メチル)フェニル
メチルジチオカルボンイミド4.0gのメタノ−ル20
ml溶液に40%メチルアミンメタノ−ル溶液3.9g
を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮
して油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ−(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に
付し、N−(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−
{2−〔α−オキソ−α−(N−メチルカルバモイ
ル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイミド
3.3g(収率87%)を得た。1 H−NMR(CDCl3/TMS,300MHz,δ
(ppm))1.22(3H,t,J=7.5Hz)、
2.40(3H,s)、2.61(2H,q,J=7.
5Hz)、2.87(3H,d,J=5Hz)、4.5
5(2H,s)、6.74(2H,d,J=8Hz)、
7.08(1H,brs)、7.13(2H,d,J=
8Hz)、7.3〜8.0(4H,m)。
【0038】(3)O−メチルヒドロキシルアミン塩酸
塩0.87gのピリジン5ml溶液に室温で上記(2)
に準じて製造したN−(4−エチルフェニル)−S−メ
チル−S−{2−〔α−オキソ−α−(N−メチルカル
バモイル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイ
ミド2.0gを一度に加え、室温で2時間攪拌した。反
応液にpHが酸性となるまで1N塩酸水を加え、さらに
酢酸エチルを加えて分液した。有機層を食塩水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して
黄色の油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)
に付し、N−(4−エチルフェニル)−S−メチル−S
−{2−〔α−メトキシイミノ−α−(N−メチルカル
バモイル)〕メチル}フェニルメチルジチオカルボンイ
ミド1.1g(収率52%)をE体:Z体=約9:4(
1H−NMR積分比)の混合物として得た。
【0039】(4)上記(3)に準じて製造したN−
(4−エチルフェニル)−S−メチル−S−{2−〔α
−メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕
メチル}フェニルメチルジチオカルボンイミドのオキシ
ム部位の異性体混合物4.80g(9.6mmol)を
無水テトラヒドロフラン10mlとトルエン20mlか
らなる混合溶媒に溶解させ、氷冷下、撹拌しながら、内
温10℃以下にて該溶液に塩化水素ガスを吹き込み、塩
化水素飽和溶液とした。その後、徐々に温度を上げ、2
0℃にて16時間撹拌を続けた。その後反応液に窒素ガ
スを吹き込み、塩化水素ガスを追い出した後、水を加
え、分液操作に付し、有機層を水で2回洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して固形物を得た。
該固形物にジイソプロピルエ−テル30mlを加え、粉
砕、ろ取、乾燥してS−{2−〔(E)−α−メトキシ
イミノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕メチル}フ
ェニルメチル−S−メチル−N−(4−エチルフェニ
ル)ジチオカルボンイミド4.3g(収率90%)を得
た。LC分析(分析条件製造例1の(6)参照)の結
果、E体とZ体の混合比は反応開始前は(E対Z=61
対39)、後処理操作後は(E対Z=95対5)であっ
た。
【0040】参考例1(4−エチルフェニルジチオカル
バミン酸メチルの合成) トリエチルアミン6.5g(64mmol)と4−エチ
ルアニリン7.8g(64mmol)をジエチルエ−テ
ル40mlに溶解させた後、液温を5℃に冷却した。該
溶液を激しく撹拌しながら、二硫化炭素5.9g(76
mmol)を加え、1時間撹拌した。反応液がスラリ−
状になったのを確認後、室温にてさらに2時間撹拌し
た。該反応液を濾過し、濾物をジエチルエ−テルで洗浄
し、乾燥して4−エチルフェニルジチオカルバミン酸ト
リエチルアンモニウム塩17.6g(収率92%)を得
た。該アンモニウム塩15.0g(50mmol)をメ
タノ−ル100mlに溶解させ、25℃以下にてヨウ化
メチル7.8g(55mmol)を滴下した。滴下終了
後、25℃にて5時間撹拌した後、該反応液に10%塩
酸水60mlを加え、メタノ−ルを減圧下に留去した。
残渣に酢酸エチルを加え、分液操作に付し、有機層を1
0%塩酸水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を減圧下に留去し、固形物を得た。この固形物
に冷ヘキサンを加え、粉砕、濾取して4−エチルフェニ
ルジチオカルバミン酸メチル8.8g(収率83%)を
得た。
【0041】参考例2(4−エチルフェニルジチオカル
バミン酸メチルの合成) (1)蒸留水100mlにチオホスゲン25.0g
(0.22mol)を加え、液温を5℃に冷却した。該
液に4−エチルアニリン26.4g(0.22mol)
のクロロホルム25ml溶液を液温を25℃以下に保ち
つつ徐々に滴下した。滴下終了後、16時間撹拌した
後、クロロホルムを加え、分液操作に付し、有機層を1
0%塩酸水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を減圧下に留去し、油状物として4−エチルフ
ェニルイソチオシアネ−ト35.9gを得た。 (2)4−エチルフェニルイソチオシアネ−ト20.0
g(0.12mol)をTHF100mlに溶解させ、冷
水にて冷却した。該溶液に15%メチルメルカプタンナ
トリウム塩水溶液72.9g(0.15mol)を液温
を15℃以下に保ちつつ徐々に滴下した。滴下終了後、
室温にて2時間撹拌した後、反応液に10%塩酸水を加
え、THFを減圧下に留去した。残渣に酢酸エチルを加
え、分液操作に付し、有機層を10%塩酸水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留
去し、固形物を得た。これに冷ヘキサンを加え、該固形
物を粉砕、濾取して4−エチルフェニルジチオカルバミ
ン酸メチル23.0g(収率91%)を得た。
【発明の効果】本発明により、S−{2−〔(E)−α
−メトキシイミノ−α−(N−メチルカルバモイル)〕
メチル}フェニルメチル−S−メチル−N−置換ジチオ
カルボンイミドが高選択的かつ高収率で得られる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 化1 【化1】 (式中、R1およびR2は、同一または相異なり、水素原
    子、C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子、C1〜C6
    アルコキシ基、C1〜C6ハロアルキル基またはC1〜
    C6ハロアルコキシ基を表わすか、あるいは、R1とR2
    とでフッ素原子で置換されていてもよいメチレンジオキ
    シ基を表し、XはCH基または窒素原子を表す。)で示
    されるN−メチルアミド誘導体に、水中で酸性を示す含
    塩素化合物を、水酸基を含まない溶媒中で作用させ、一
    般式 化1で示されるN−メチルアミド誘導体を一般式
    化2 【化2】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるジチオカルボンイミド誘導体に異性化させる
    ことを特徴とする、一般式 化2で示されるジチオカル
    ボンイミド誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】一般式 化3 【化3】 (式中、Yはハロゲン原子を表す。)で示されるベンジ
    ルハライド誘導体と一般式 化4 【化4】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるジチオカルバミン酸誘導体とを塩基の存在下
    に反応させ、一般式 化5 【化5】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるアセトニトリル誘導体とした後、該アセトニ
    トリル誘導体と亜硝酸アルキルとを塩基の存在下に反応
    させ、一般式 化6 【化6】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるヒドロキシイミノ誘導体に導いた後、該ヒド
    ロキシイミノ誘導体とメチル化剤とを塩基の存在下に反
    応させ、一般式 化7 【化7】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるメトキシイミノ誘導体とした後、該メトキシ
    イミノ誘導体と、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ
    土類金属水酸化物とを反応させ、一般式 化8 【化8】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるアミド誘導体とした後、該アミド誘導体とメ
    チル化剤とを塩基の存在下に反応させ、一般式 化9 【化9】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるN−メチルアミド誘導体とした後、該N−メ
    チルアミド誘導体に、水中で酸性を示す含塩素化合物
    を、水酸基を含まない溶媒中で作用させ、異性化させる
    ことを特徴とする、一般式 化2で示されるジチオカル
    ボンイミド誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式 化3で示されるベンジルハライド
    誘導体と一般式 化4で示されるジチオカルバミン酸誘
    導体とを塩基の存在下に反応させ、一般式 化5で示さ
    れるアセトニトリル誘導体とした後、該アセトニトリル
    誘導体と亜硝酸アルキルとを、主溶媒としての芳香族炭
    化水素系溶媒及び塩基の存在下に反応させ、引き続き、
    メチル化剤と反応させ、一般式 化7で示されるメトキ
    シイミノ誘導体とした後、該メトキシイミノ誘導体と、
    アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物
    とを反応させ、一般式 化8で示されるアミド誘導体と
    した後、該アミド誘導体とメチル化剤とを塩基の存在下
    に反応させ、一般式 化9で示されるN−メチルアミド
    誘導体とした後、該N−メチルアミド誘導体に、水中で
    酸性を示す含塩素化合物を、水酸基を含まない溶媒中で
    作用させ、異性化させることを特徴とする請求項2記載
    の製造法。
  4. 【請求項4】一般式 化10 【化10】 (式中、R1、R2およびXは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるアセトニトリル誘導体。
  5. 【請求項5】R1がメチル基、エチル基またはトリフル
    オロメチル基であり、R2が水素原子であり、XがCH
    基である請求項4記載のアセトニトリル誘導体。
  6. 【請求項6】一般式 化11 【化11】 (式中、R1、R2およびXは請求項2と同じ意味を表
    す。)で示されるヒドロキシイミノ誘導体。
  7. 【請求項7】R1がメチル基、エチル基またはトリフル
    オロメチル基であり、R2が水素原子であり、XがCH
    基である請求項6記載のヒドロキシイミノ誘導体。
  8. 【請求項8】一般式 化12 【化12】 (式中、R1、R2およびXは請求項2と同じ意味を表
    す。)で示されるメトキシイミノ誘導体。
  9. 【請求項9】R1がメチル基、エチル基またはトリフル
    オロメチル基であり、R2が水素原子であり、XがCH
    基である請求項8記載のメトキシイミノ誘導体。
  10. 【請求項10】一般式 化13 【化13】 (式中、R1、R2およびXは請求項2と同じ意味を表
    す。)で示されるアミド誘導体。
  11. 【請求項11】R1がメチル基、エチル基またはトリフ
    ルオロメチル基であり、R2が水素原子であり、XがC
    H基である請求項10記載のアミド誘導体。
  12. 【請求項12】一般式 化14 【化14】 (式中、R1、R2およびXは請求項2と同じ意味を表
    す。)で示されるN−メチルアミド誘導体。
  13. 【請求項13】R1がメチル基、エチル基またはトリフ
    ルオロメチル基であり、R2が水素原子であり、XがC
    H基である請求項12記載のN−メチルアミド誘導体。
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