JP4187777B2 - フェニルグリオキシル酸エステル類 - Google Patents
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2)グリニャール反応工程の原料であるしゅう酸ジメチルが結晶であるため、取り扱いの面で工業的な製造法としては不都合である。
3)グリニャール反応工程で溶媒のテトラヒドロフラン量が少ない場合、しゅう酸ジメチルの結晶が残存し、副生成物の生成量が増加する。特に低温反応が要求される場合に問題である。
4)グリニャール反応工程で反応の進行とともに結晶が多量に析出し、攪拌が困難になる場合が多い。これも低温反応が要求される場合に問題である。
5)中間体のフェニルグリオキシル酸メチルエステル類を単離せずにアミド化した場合には、反応で生成するもう1モルのメタノールがテトラヒドロフラン溶媒中に混入する。
キシル酸n−ブチルエステル類、フェニルグリオキシル酸イソブチルエステル類又はフェニルグリオキシル酸sec−ブチルエステル類を経由することにより目的とするフェニルグリオキシル酸アミド類を高い収率で、しかも容易に製造し得ることを見出し本発明を完成した。
(1)一般式(I):
(COOR1)2 (II)
[式中、R1はn−プロピル、n−ブチル、イソブチル又はsec−ブチルを示す]で表わされるしゅう酸ジアルキルをテトラヒドロフラン溶媒中反応させることを特徴とする、一般式(III):
(2)(1)に記載の製造方法により得たフェニルグリオキシル酸エステル類に、一般式(IV):
HNR2R3 (IV)
[式中、R2およびR3は同一又は異なって水素原子、低級アルキル又は低級アルコキシを示す]で表わされるアミンとを反応させることを特徴とする、一般式(V):
(3)フェニルグリオキシル酸エステル類を単離せずに使用する(2)に記載の製造方法、
(4)フェニルグリオキシル酸エステル類を単離して、テトラヒドロフラン、R1OH[式中、R1は前記と同意義]で表わされるアルコ−ル、又はこれらの混合溶媒中で行う(2)に記載の製造方法、
(5)A−Z−がメチル基である(1)の記載の製造方法により得た一般式(IIIa):
HNR2R3 (IV)
[式中、R2およびR3は前記と同意義]で表わされるアミンとを反応させることを特徴とする、一般式(Va):
(6)(2)ないし(5)に記載のいずれかの製造方法により得たフェニルグリオキシル酸アミド類に、メトキシルアミン又はその塩を反応させることを特徴とする、一般式(VIII):
(7)(2)ないし(5)に記載のいずれかの製造方法により得たフェニルグリオキシル酸アミド類に、ヒドロキシルアミン又はその塩を反応させて、一般式(IX):
CH3−L (X)
[式中、Lは脱離基を示す]で表わされるメチル化剤を反応させることを特徴とする、一般式(VIII):
(8)R1がn−ブチルであるしゅう酸ジアルキルを反応させる(1)ないし(7)に記載の製造方法。
(9)R2またはR3のいずれかが水素であり、もう一方がメチルであるアミンを反応させる(2)ないし(7)に記載の製造方法、
(10)一般式(III):
(11)R1がn−ブチルである(10)に記載のフェニルグリオキシル酸エステル類、および
(12)一般式(VI):
は、ベンゼン環のいずれの位置で置換されていてもよい。置換基の数は1〜4個、好ましくは1〜3個であり、これらは同一であっても異なっていてもよい。Aで示される置換されていてもよいベンゼン環の好ましい具体例としては、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニルおよび非置換のフェニル等が挙げられる。
[ステップ1]
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す。]
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す]
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す]
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す]
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す]
[式中、Lはハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)またはメトキシスルホニルオキシ等の脱離基を示し、他の記号は前記と同じ意味を示す]
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す]
.01当量またはそれ以上、好ましくは0.03〜0.5当量使用することができる。
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す]
用することができる。
[式中、各記号は前記と同じ意味を示す]
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ−N−メチルアセトアミドの製造
窒素ガス雰囲気下でマグネシウム1.34g(55mmol)、乾燥テトラヒドロフラン25mlと臭化エチル0.19ml(2.5mmol)の混合物に1−ブロモ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン14.56g(50mmol)を乾燥テトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液を少量滴下して加温し、グリニャール試薬の生成が始まった後、残りの溶液を内温50〜60℃に保ちながら30分間で滴下した。続いて50〜60℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却した。
温で1時間撹拌した。
2−(2−フェノキシフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチルの製造
2−クロロジフェニルエーテル20.46g(100mmol)を乾燥テトラヒドロフラン20mlに溶解し、マグネシウム3.16g(130mmol)、エチルブロミド0.75ml(10mmol)を加えて加熱すると反応が開始し、内温が70〜80℃になるように氷水で調節すると約30分で発熱がおさまった。乾燥テトラヒドロフラン20mlを追加して80℃の油浴で6時間加熱した(内温72〜73℃)。
2−(2−フェノキシフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチルの製造
2−クロロジフェニルエーテル20.46g(100mmol)を乾燥テトラヒドロフラン20mlに溶解し、マグネシウム3.16g(130mmol)、エチルブロミド0.75ml(10mmol)を加えて加熱すると反応が開始し、内温が70〜80℃になるように氷水で調節すると約30分で発熱がおさまった。乾燥テトラヒドロフラン20mlを追加し、80℃の油浴で3時間加熱した(内温70〜72℃)。
塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して粗製2−(2−フェノキシフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチル32.27g得た。純度78.7%(HPLC定量)、換算収率85.1%。
2−(2−フェノキシフェニル)−2−オキソ−N−メチルアセトアミドの製造
2−(2−フェノキシフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチル597mg(2mmol)をn−ブタノール2mlに溶解し、氷冷下で40%メチルアミン水溶液0.39ml(5mmol)を添加した。室温で1.5時間撹拌後、減圧濃縮し、残渣に水30mlを加えてトルエン30mlで2回抽出、水20mlで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して2−(2−フェノキシフェニル)−2−オキソ−N−メチルアセトアミドの粗結晶を得た。この結晶をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して480mg(収率94.0%)の結晶を得た。
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−メトキシイミノ−N−メチルアセトアミドの製造
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ−N−メチルアセトアミド0.27g(0.9mmol)にメタノール2mlと塩酸メトキシルアミン0.15g(1.8mmol)を加えて4時間加熱還流した。
2−(2−フェノキシフェニル)−2−ヒドロキシイミノ−N−メチルアセトアミドの製造
2−(2−フェノキシフェニル)−2−オキソ−N−メチルアセトアミド1.28g(5mmol)にメタノール10mlと塩酸ヒドロキシルアミン0.69g(10mmol)を加え、13.5時間加熱還流した。
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−ヒドロキシイミノ−N−メチルアセトアミドの製造
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ−N−メチルアセトアミド11.90g(40mmol)にエタノール120mlと塩酸ヒドロキシルアミン5.56g(80mmol)を加え、13時間加熱還流した。
1H-NMR(CDCl3)δppm : 2.17(3H, s), 2.29(3H, s), 2.86(3H, d, J=4.9), 4.96(2H, s), 6.64-7.61(8H, m).
Z体:融点139〜141℃
1H-NMR(CDCl3)δppm : 2.15(3H, s), 2.31(3H, s), 2.77(3H, d, J=4.9), 5.06(2H, s), 5.79(1H, brs), 6.69-7.68(7H, m).
(E)−2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−メトキシイミノ−N−メチルアセトアミドの製造
(E)−2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−ヒドロキシイミノ−N−メチルアセトアミド6.25g(20mmol)にアセトン60ml、炭酸カリウム8.29g(60mmol)とジメチル硫酸3.78ml(40mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。
(E)−2−(2−フェノキシフェニル)−2−メトキシイミノ−N−メチルアセトアミドの製造
(E)−2−(2−フェノキシフェニル)−2−ヒドロキシイミノ−N−メチルアセトアミド0.54g(2mmol)にアセトン6ml、炭酸カリウム0.83g(6mmol)とジメチル硫酸0.38ml(4mmol)を加えて室温で65時間撹拌した。
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ酢酸n−ブチルの製造
窒素ガス雰囲気下でマグネシウム0.30g(12.3mmol)、乾燥テトラヒドロフラン4mlと臭化エチル0.05ml(0.7mmol)の混合物に1−ブロモ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン2.91g(10.0mmol)を乾燥テトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液を少量滴下して加温し、グリニャール試薬の生成が始まった後、残りの溶液を内温50℃以下に保ちながら10分間で滴下し、続いて50℃で1時間撹拌した。
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ−N−メチルアセトアミドの製造
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ酢酸n−ブチル1.00g(2.94mmol)をメタノール5mlに溶解し、40%メチルアミンメタノール溶液0.60g(7.7mmol)を添加して室温で4時間反応した。
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ−N−メチルアセトアミドの製造
窒素ガス雰囲気下でマグネシウム0.67g(27.5mmol)、乾燥テトラヒドロフラン3mlと1,2−ジブロモエタン0.11ml(1.3mmol)の混合物に1−ブロモ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン7.28g(25mmol)を乾燥テトラヒドロフラン20mlに溶解した溶液を少量滴下して加温し、グリニャール試薬の生成が始まった後、残りの溶液を内温50〜60℃に保ちながら15分間で滴下した。続いて60℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却した。
間攪拌した後、トルエン層と水層を分液した。水層をさらにトルエン100mlで抽出し、トルエン層を合わせて水100mlと200mlで洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して粗製2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ酢酸n−ブチル17.72g得た。
2−(2−メチルフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチルの製造
窒素ガス雰囲気下でマグネシウム2.91g(0.12mol)、乾燥テトラヒドロフラン10mlと臭化エチル0.04ml(0.5mmol)の混合物に2−ブロモトルエン17.10g(0.10mol)を乾燥テトラヒドロフラン50mlに溶解した溶液を少量滴下して加温し、グリニャール試薬の生成が始まった後、残りの溶液を内温50℃以下に保ちながら20分間で滴下し、続いて50℃で1時間撹拌した。
2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチルの製造
実施例13で得られた粗製の2−(2−メチルフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチル5.00g(22.7mmol)をベンゼン20mlに溶解し、N−ブロモこはく酸イミド4.44g(25.0mmol)と2,2’−アゾビス(イソブチリロニトリル)0.15g(0.9mmol)を添加して3時間加熱還流した。
2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−オキソ−N−メチルアセトアミドの製造
2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−オキソ酢酸n−ブチル2.00g(6.7mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド6mlに溶解し、2,5−キシレノール0.98g(8.0mmol)と炭酸カリウム1.84g(13.3mmol)を添加して室温で3時間攪拌した。
本発明によると、グリニャール反応工程で生成するn−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールおよびsec−ブチルアルコールが反応溶媒のテトラヒドロフランと共沸しないため溶媒の回収が容易である。さらに、対応するグリニャール試薬に反応させる、しゅう酸ジn−プロピル、しゅう酸ジn−ブチル、しゅう酸ジイソブチルおよびしゅう酸ジsec−ブチルが液体で取り扱いが容易であり、また、それらのしゅう酸ジアルキル類および生成したフェニルグリオキシル酸エステル類がグリニャール反応工程の溶媒であるテトラヒドロフランに溶けやすいため溶媒量を低減することができる。
Claims (2)
- 一般式(III):
で表わされるフェニルグリオキシル酸エステル類。 - 一般式(III):
で表わされるフェニルグリオキシル酸エステル類。
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