JPH1159442A - 電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置 - Google Patents

電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置

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JPH1159442A
JPH1159442A JP21723497A JP21723497A JPH1159442A JP H1159442 A JPH1159442 A JP H1159442A JP 21723497 A JP21723497 A JP 21723497A JP 21723497 A JP21723497 A JP 21723497A JP H1159442 A JPH1159442 A JP H1159442A
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brush
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和弘 佐々木
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久純 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵トルク及びアシストトルクの機械的変位
量を効率よく伝達し、これらを簡単な構成で比較して比
較スイッチを小形化し得る制御装置を提供する。 【解決手段】 操舵トルクを検出する入力トルク検出装
置と、ハウジング31に固定されたアクチュエータ34
及びハウジング31に回動可能に設けられアクチュエー
タ34の外周部に配置された磁石39からなる比例ソレ
ノイド30と、入力トルク検出装置の出力に応じた変位
レバー53及び電極70,80並びに比例ソレノイド3
0の出力に応じたブラシ89から構成され操舵トルクと
付加トルクとの関係が所定の範囲にあるときは通電状態
に形成され、所定の範囲を越えたとき断電状態に切り換
わる比較スイッチ50とを備え、ケース51の一方の端
面を入力トルク検出装置に取付け、他方の端面に比例ソ
レノイド30を同心状に取付けるとともに比較スイッチ
50のブラシ89を比例ソレノイド30の磁石39に絶
縁物を介して固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ールを操作したとき、その操舵トルクにアシストトルク
を付加して操作性を良くする電動式パワーステアリング
システムの異常検出制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動式パワーステアリングシステ
ムにおいては、例えば、特開昭64−56274号公報
或いは特開平2−293260号公報等に開示されてい
るように、操舵トルクとアシストトルクを電気信号に変
換し、これらを電気制御ユニット(以下ECUと云う)
により制御している。
【0003】ECUには、これらの制御回路とともに、
故障検出機構及びアシスト禁止機構が設けられている。
即ち、操舵トルクとアシストトルクの関係が許容範囲を
越えたときこれらをソフト的に比較して故障検出を行
い、さらに、この検出信号に基づいてアシスト禁止の制
御を行っている。
【0004】この電動式パワーステアリングシステムの
ECUにおいては、操舵トルクからアシストトルクを演
算する制御回路とともに、電気的に構成された故障検出
機構及びアシスト禁止機構が設けられているので、これ
らを構成するハードやソフトが必要であり、システムが
複雑になってコスト高になるという問題がある。
【0005】出願人は、特願平9−32302号におい
て、これらの問題を解決した基本発明を開示している。
この発明の目的は、操舵トルク及びアシストトルクを機
械的変位量に変換し、これらを直接比較し故障検出機構
及びアシスト禁止機構を一体化し、制御許容範囲を拡大
したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した発明には、操
舵トルク及びアシストトルクの機械的変位量を効率よく
比較スイッチに伝達する手段、及びこれら機械的変位量
を簡単な構成で比較するとともに全体を小形に構成する
という新たな問題があった。出願人は鋭意研究の結果、
本願発明を完成したのである。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、操舵トルク及びアシストトルクの機
械的変位量を効率よく比較スイッチに伝達し、これら機
械的変位量を簡単な構成で比較するとともに比較スイッ
チを小形化し得る電動式パワーステアリングシステムの
異常検出制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明が採った手段は、実施例で使用する符号を付し
て説明すると、ステアリングホイール1の操舵トルクを
検出する入力トルク検出装置20と、ハウジング31に
固定されコイル36が巻装されたアクチュエータ34及
び該ハウジング31に回動可能に設けられアクチュエー
タ34の外周部に配置された磁石39からなり入力トル
ク検出装置20の検出信号に対応したアシストモータ1
0の付加トルクを検出する比例ソレノイド30と、ケー
ス51に取着され入力トルク検出装置20の出力に応じ
て変位する変位レバー53及び一対の電極70,80並
びに比例ソレノイド30の出力に応じて変位するブラシ
89から構成され操舵トルクと付加トルクとの関係が所
定の範囲にあるときは通電状態に形成され、所定の範囲
を越えたとき断電状態に切り換わる比較スイッチ50と
を備えた電動式パワーステアリングシステムの異常検出
制御装置であって、比較スイッチ50の変位レバー5
3、一対の電極70,80、及びブラシ89をケース5
1の中心に対して同心状に回動可能に構成するととも
に、このケース51の一方の端面を入力トルク検出装置
20に取付け、この比較スイッチ50の他方の端面に比
例ソレノイド30を同心状に取付けるとともに比較スイ
ッチ50のブラシ89を比例ソレノイド30の磁石39
に絶縁物を介して固定したところに特徴を有し、一対の
電極70,80と比例ソレノイド30が同心状に作動
し、比例ソレノイド30の移動量がブラシ89に伝達さ
れるので、一対の電極70,80の移動量とブラシ89
を直接比較することができるので、精度が向上し、しか
も構成が簡単になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例につ
き図面を参照して説明する。まず、電動式パワーステア
リングシステムに関して図17,図18を参照して説明
する。ステアリングホイール1を操作すると、その操舵
トルクはギヤーケース2の入力軸3に伝達され、出力軸
4の下端のピニオンを介してラック5を駆動する。この
ラック5は操舵リンク6を介して車輪7の方向を変え
る。
【0010】一方、ギヤーケース2に取付けられたトル
クセンサ8が操舵トルクを検出し、その電気信号が電気
制御装置(以下ECUと云う)9に入力される。そし
て、ECU9からの信号に基づいてアシストモータ10
が駆動される。このアシストモータ10は、モータ軸1
1にウォームギヤー12が連結されており、これに噛み
合うウォームホィール13と、ウォームホィール13と
一体化された図示しないピニオンを介してアシストトル
クがラック5に伝達される。このラック5は、ステアリ
ングホイール1の出力軸4とともに、アシストモータ1
0の出力軸14により駆動されるので、操作性が著しく
改善される。尚、本実施例においてはウォームギヤーを
使った減速装置を用いているが、これに限定されるもの
ではなく下足装置であれば、どのような構成のものを用
いても良い。
【0011】つぎに、操舵トルクを検出するトーション
バー方式の入力トルク検出装置20について図19,図
20をも参照して説明する。入力軸3及び出力軸4は、
それぞれギヤーケース2に回転可能に取付けられてい
る。トーションバー21は上端部がピン22により入力
軸3に一体化され、下端が出力軸4の孔部4aに一体的
に圧入されている。従って、入力軸3に入力されたトル
クは、トーションバー21を介して出力軸4に伝達され
る。
【0012】一方、入力軸3の外側にはスリーブ23が
嵌合されている。このスリーブ23には軸方向に平行な
長溝24と、傾斜溝25が形成されている。そして、長
溝24には出力軸4に固定されたピン26が挿入され、
傾斜溝25には入力軸3に固定されたピン27が挿入さ
れている。即ち、スリーブ23は出力軸4に対して軸方
向には移動するが、円周方向には回転しない。
【0013】ここで操舵トルクが入力軸3から出力軸4
へ伝達されるとき、トーションバー21にねじり角が発
生して、入力軸3と出力軸4との間に円周方向のずれが
発生する。従って、入力軸3に固定されたピン27は傾
斜溝25内を移動して、スリーブ23がその軸方向へ所
定量例えば寸法Hだけ上昇する。入力トルク検出装置2
0は、この寸法Hを検出量として取り出すもので、スリ
ーブ23の外周面には溝28が形成されている。
【0014】つぎに、アシストモータ10の付加トルク
を検出する比例ソレノイド30について図1〜図5を参
照して説明する。ハウジング31は有底円筒状をなして
おり、中心部に取着した球軸受32にローターシャフト
33が回動可能に取着されている。アクチュエータ34
は、コアー35の4箇の磁極にそれぞれコイル36を巻
回して構成されており、中心部に圧入されたステータパ
イプ37をローターシャフト33に挿入して、ハウジン
グ31に固定されている。コイル36は、両端部がハウ
ジング31の端子台38に取付けられており、アシスト
モータ10に直列に接続されている。
【0015】永久磁石39は、有底円筒状のヨーク40
の内周部に取付けられている。ローターシャフト33の
下端部にはヨーク40の中心部が固着されていて、これ
により永久磁石39がアクチュエータ34の外周部に回
動可能に配置されている。ヨーク40の底面には長孔4
1が形成されており、これにアクチュエータ34から突
設されたピン42が挿入されて、ヨーク40の回動角度
を規制している。
【0016】ローターシャフト33の上端部は、ハウジ
ング31からアクチュエータ34の反対側に突出してお
り、ここに渦巻ばね43の中心部が固定されている。ま
た、渦巻ばね43の外周自由端部は、固定枠44を介し
てハウジング31に固定されている。この固定枠44を
ハウジング31に固定する位置は、渦巻ばね43に沿っ
て任意に変えることができ(図5に二点鎖線で示す)、
これにより、渦巻ばね43の有効長さが変化するので、
渦巻ばね43のばね定数が調節できるようになってい
る。
【0017】尚、渦巻ばね43を覆うように、カバー4
5がハウジング31に取付けられている。また、ヨーク
40の外底部には絶縁板46を介して後述する比較スイ
ッチ50のブラシ89が取付けられている。
【0018】つぎに比較スイッチ50について図6及び
図7をも参照して説明する。ケース51は、円筒状をな
しており、中央の両側面部に取付片52が設けられ、こ
の取付片52の上下にそれぞれ円筒部51a,51b
が、また、中心部に軸受部51cが形成されている。変
位レバー53は、レバー軸54と、円筒部51b内にお
いてレバー軸54の端部に固着された円板55と、円板
55の周縁部に突設されたピン56とから構成されてい
る。この変位レバー53は、レバー軸54が軸受部51
cに嵌合して、ケース51に回動可能に取着されてい
る。
【0019】ばね57は、ケース51と変位レバー53
との間に介装されて、変位レバー53を一方向に付勢
し、比較スイッチ50が入力トルク検出装置20に取付
けられた作動時においてピン56をスリーブ23の溝2
8に隙間なく圧接している。また、円筒部51a内に位
置してレバー軸54の中間部に駆動円板58が固着され
ており、これの端部に駆動レバー59が取付けられてい
る。尚、ケース51の縁部には端子台60が取着されて
おり、これの両端面部がストッパ61となっている。
【0020】ケース51には、端子台60を挟んで両側
に対をなす第1の電極70及び第2の電極80が配設さ
れている。第1の電極70は、ステアリングホイール1
が一方向例えば右方向に操作されたとき駆動レバー59
により図7における時計方向へ駆動される。また、第2
の電極80は、ステアリングホイール1が他方向例えば
左方向に操作されたとき反時計方向へ駆動される。以下
これらについて説明する。
【0021】第1の電極70は、第1のホルダー71
と、この第1のホルダー71の上面に固定された絶縁板
製の第1の接点基板72とから構成され、この第1の接
点基板72の表面にZ字状の第1の接点73が面一状態
に配設されている。第1の接点73は、内周部の円弧状
の接点73aが短く、外周部の円弧状の接点73bは長
く形成され、両者は連結片73cにより連結されてい
る。
【0022】この第1のホルダー71は、扇形状をなし
ており、中心部に嵌合筒部71aが突設され、この嵌合
筒部71aがレバー軸54に嵌合している。この第1の
ホルダー71には、同心円状に径大の大リブ71b及び
径小の小リブ71cが突設されており、この間に第1の
接点基板72が円周方向に移動可能に挿入されている。
そして、この第1の接点基板72は、第1の接点73の
位置を所望に調節した後、2個の長孔74に挿入された
ねじ75により第1のホルダー71に固定される。
【0023】尚、位置調整の目安となるように、第1の
ホルダー71には1本の基準線76aが刻まれ、第1の
接点基板72には、基準線76aに対応して複数本の目
盛り線76bが刻印されている。この第1の電極70
は、レバー軸54に挿入されたばね77により中心方向
に付勢されて、外周縁部の当接部78がストッパ61に
当接している。
【0024】第2の電極80は、第2のホルダー81
と、この第2のホルダー81の上面に固定された絶縁板
製の第2の接点基板82とから構成され、この第2の接
点基板82の表面にZ字状の第2の接点83が面一状態
に配設されている。この第2の接点83は、第1の接点
73と同様に、内周部の円弧状の接点83aが短く、外
周部の円弧状の接点83bは長く形成され、両者は連結
片83cにより連結されている。
【0025】この第2のホルダー81は、第1のホルダ
ー71と対称な扇形状をなしており、中心部に突設され
た嵌合筒部81aが第1のホルダー71の嵌合筒部71
aの外周部に嵌合している。また、嵌合筒部81aの上
端に形成した凹部81dに第1のホルダー71の中心部
71dを収容している。
【0026】この第2のホルダー81にも、同心円状に
径大の大リブ81b及び径小の小リブ81cが突設され
ており、この間に第2の接点基板82が円周方向に移動
可能に挿入されている。そして、この第2の接点基板8
2は、第2の接点83を所望の位置に調節した後、2個
の長孔84に挿入されたねじ85により第2のホルダー
81に固定される。尚、第2のホルダー81及び第2の
接点基板82には第1の電極70と同様に位置調整の目
安となる基準線86a及び目盛り線86bが刻印されて
いる。
【0027】この第2の電極80は、中心においては、
嵌合筒部81aに挿入されたばね87により中心方向に
付勢されて外周縁部の当接部88がストッパ61に当接
している。
【0028】また、第1の電極70の当接部78と第2
の電極80の当接部88間には、駆動レバー59が両側
部を接するように挿入されている。
【0029】端子台60には2本の接触片62が取付け
られ、これの先端部はそれぞれ第1の接点73の内側の
接点73a及び第2の接点83の内側の接点83aに接
触している。
【0030】ブラシ89は、比例ソレノイド30のヨー
ク40の外底部に、絶縁板46を介して取付けられてい
る。これは、基部の両端から突出した接触片89aを備
えており、接触片89aの端部はそれぞれ第1の接点7
3の外側の接点73b及び第2の接点83の外側の接点
83bに接触している。端子台60には図2に示す2本
の引出し線63が接続されており、ブラシ89及び接触
片62が接点73及び接点83に接触している間は通電
状態を呈し、離反したときに断電状態に切り替わる。
【0031】この比較スイッチ50は、変位レバー53
のピン56を入力トルク検出装置20のスリーブ23の
溝28に挿入して、ケース51の取付片52を入力トル
ク検出装置20に固定される。つぎに、ケース51の他
面部の周縁部に、比例ソレノイド30のハウジング31
を嵌合して、ブラシ89を接点73b及び接点83bに
接触させ、ハウジング31をケース51に図示しないね
じにより固定する。これにより比例ソレノイド30が比
較スイッチ50に対して同心状態に組立てられる。
【0032】ここで、操舵トルクによる入力トルク検出
装置20の検出量(第1及び第2の電極70,80の移
動量)と、アシストトルクによる第2検出装置30の検
出量(ブラシ89の移動量)との関係は、図9に示す制
御線Cに沿って制御される。この際、図9において、後
述するように、qrstq’r’s’t’で囲まれた制
御許容範囲は、正常時は第1の電極70の接点73,第
21の電極80の接点83がブラシ89を介して接触し
て電源ラインが通電状態にあり正常状態で稼働されるこ
とを示し、制御許容範囲を越えた斜線部分では、ブラシ
89が第1の電極70の接点73または第21の電極8
0の接点83から逸脱して電源ラインが断電状態に切換
わり、異常範囲(フェールエリア)となることを示すも
のである。
【0033】つぎに、比較スイッチ50の作用に関して
図8〜図14を参照して説明する。ステアリングホイー
ル1が右方向に操作されたとき、第1の電極70の接点
73が図7における時計回り方向へ移動され、左方向に
操作されたとき第21の電極80の接点83が反時計回
り方向へ移動される。その作用は同じであるので、ステ
アリングホイール1が右方向に操作された場合を例にし
て説明する。
【0034】1,操舵トルク及びアシストトルクがとも
に加わっていない場合(図8のSTEP10)は、図9
におけるO点(制御許容範囲)に相当し、図10に示す
ように、第1の電極70の接点73及び第21の電極8
0の接点83にブラシ89が接触して、通電状態にあ
る。
【0035】2,操舵トルクとアシストトルクが正常関
係にある(制御線Cに沿って移動する)場合(STEP
11) 図8におけるH点に相当し、第1の電極70の接点73
及びブラシ89が図10に示す関係を維持しながら移動
する。また、ブラシ89は第21の電極80の接点83
上を移動するが、通電状態は維持される(図11)。そ
して、更にブラシ89が移動して図9に示すJ点に達す
ると、図12に示すように第1の電極70の接点73を
超えて(STEP12)電源は断電状態に切り替わる。
【0036】3,操舵トルクよりもアシストトルクが大
き過ぎる場合(STEP13) ブラシ89が第1の電極70の接点73よりも早く進行
する。ブラシ89がq’t線に達するまでは通電状態に
ある(図11)。そして、ブラシ89がq’t線を超え
ると{図9に示すK点(フェールエリア)}、ブラシ8
9は第1の電極70の接点73を通過して絶縁基板上に
移動して、電源が断電状態となり、故障を検出する(図
12)。
【0037】4,操舵トルクよりもアシストトルクが小
さ過ぎる場合(STEP13) 第1の電極70の接点73がブラシ89よりも早く進行
する。ブラシ89がsr線に達するまでは通電状態にあ
る(図11)。そして、ブラシ89がsr線を超えると
{図9に示すL点(フェールエリア)}、ブラシ89ま
たは接触片62が第1の電極70の接点73を通過して
絶縁基板上に移動して、電源が断電状態となり、故障を
検出する(図13)。
【0038】5,アシストトルクが逆方向に作用した場
合(STEP14、図14) ブラシ89が反対方向に移動するので、ブラシ89がq
r線に達するまでは通電状態にある。そして、ブラシ8
9がqr線を超えると{図9に示すM点(フェールエリ
ア)}、ブラシ89は第21の電極80の接点83を通
過して絶縁基板上に移動して、電源が断電状態となり、
故障を検出する。
【0039】つぎに、これらの制御回路及びフェールセ
ーフ機能について図15を参照して説明する。イグニッ
ションスイッチ91をオンにすると、エンジンスタータ
連動リレーの接点92がオンされて、直流電源93が回
路に接続される。エンジンスタータ接点92にはリレー
コイル94が直列に接続されており、エンジンスタータ
連動リレーの接点92がオフになってもその接点95及
び接点96が自己保持される。接点95は、比較スイッ
チ50及びリレーコイル94に直列に接続されており、
また、接点96はアシストモータ10及び比例ソレノイ
ド30に直列に接続されている。尚、リレー94と並列
にコンデンサ97が接続されている。又、接点92は接
点95と並列に接続されていても良い。
【0040】つぎに、図16において、ステアリングホ
イール1を操作すると、入力トルク検出装置20が操舵
トルクを検出し、また、比例ソレノイド30がアシスト
トルクを検出する。そして、両者を比較スイッチ50で
比較して(図16のSTEP20)、その関係が制御許
容範囲であれば、比較スイッチ50が通電状態を保持し
(STEP24)、パワーアシストが継続される。
【0041】一方、その関係が異常範囲になると、即ち
フェールエリアに入ると、前述のように、比較スイッチ
50が故障を検出して断電状態となり、リレー94がオ
フとなるので(STEP21)、その接点95及び接点
96も同時にオフとなる。これにより、モータ10が断
電されて(STEP22)、アシストトルクは零とな
り、アシスト禁止を実施する。即ち、異常を検出すると
フェールセーフ機能が働いてマニュアルステアリングに
切換えられるのである(STEP23)。
【0042】尚、本実施例においては、急ハンドルや振
動等により比較スイッチ50が瞬間的に断電状態となっ
ても、コンデンサ97の容量に応じた時間だけ接点95
及び接点96が自己保持されるので、その分、誤フェー
ルの発生が未然に防止できる。
【0043】
【発明の効果】本発明の電動式パワーステアリングシス
テムの異常検出制御装置は、アシストモータの付加トル
クを検出する比例ソレノイドと、入力トルク検出装置の
出力に応じて変位する変位レバー及び一対の電極並びに
比例ソレノイドの出力に応じて変位するブラシから構成
された比較スイッチとを同心状にして入力トルク検出装
置に取着したので、一対の電極と比例ソレノイドに取着
したブラシとを直接比較することができるので、制御範
囲の精度が向上し、しかも構成が簡単にできるという優
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一部を破断して示す比較スイッチ及び比例ソ
レノイドの斜視図である。
【図2】 比較スイッチ及び比例ソレノイドの縦断正面
図である。
【図3】 比較スイッチ及び比例ソレノイドの分解図で
ある。
【図4】 比例ソレノイドのアクチュエータと磁石の関
係を示す平面図である。
【図5】 比例ソレノイドのカバーを取除いた平面図で
ある。
【図6】 第1及び第2の電極の分解斜視図である。
【図7】 第1及び第2の電極の平面図である。
【図8】 比較スイッチの制御形態を示すフローチャー
トである。
【図9】 アシスト特性及びフェールエリアを示すグラ
フである。
【図10】 比較スイッチの機械的変位の第1の状態を
示す図である。
【図11】 比較スイッチの機械的変位の第2の状態を
示す図である。
【図12】 比較スイッチの機械的変位の第3の状態を
示す図である。
【図13】 比較スイッチの機械的変位の第4の状態を
示す図である。
【図14】 比較スイッチの機械的変位の第5の状態を
示す図である。
【図15】 制御回路図である。
【図16】 制御を示すフローチャートである。
【図17】 システムを説明するブロック図である。
【図18】 要部の縦断正面図である。
【図19】 入力トルク検出装置の縦断正面図である。
【図20】 入力トルク検出装置のスリーブの正面図で
ある。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 9 電気制御装置 10 アシストモータ 20 入力トルク検出装置 30 比例ソレノイド 31 ハウジング 33 ローターシャフト 34 アクチュエータ 35 コアー 36 コイル 38 端子台 39 磁石 40 ヨーク 50 比較スイッチ 51 ケース 53 変位レバー 70 第1の電極 73 接点 80 第2の電極 83 接点 89 ブラシ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 久純 東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 可児 旭 東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの操舵トルクを検
    出する入力トルク検出装置と、 ハウジングに固定されコイルが巻装されたアクチュエー
    タ及び該ハウジングに回動可能に設けられアクチュエー
    タの外周部に配置された磁石からなり前記入力トルク検
    出装置の検出信号に対応したアシストモータの付加トル
    クを検出する比例ソレノイドと、 ケースに取着され前記入力トルク検出装置の出力に応じ
    て変位する変位レバー及び一対の電極並びに比例ソレノ
    イドの出力に応じて変位するブラシから構成され前記操
    舵トルクと前記付加トルクとの関係が所定の範囲にある
    ときは通電状態に形成され、所定の範囲を越えたとき断
    電状態に切り換わる比較スイッチとを備えた電動式パワ
    ーステアリングシステムの異常検出制御装置であって、 前記比較スイッチの変位レバー、一対の電極、及びブラ
    シをケースの中心に対して同心状に回動可能に構成する
    とともに、このケースの一方の端面を前記入力トルク検
    出装置に取付け、この比較スイッチの他方の端面に前記
    比例ソレノイドを同心状に取付けるとともに前記比較ス
    イッチのブラシを前記比例ソレノイドの磁石に絶縁物を
    介して固定したことを特徴とする電動式パワーステアリ
    ングシステムの異常検出制御装置。
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