JPH1159181A - インパクトビーム - Google Patents

インパクトビーム

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JPH1159181A
JPH1159181A JP21668497A JP21668497A JPH1159181A JP H1159181 A JPH1159181 A JP H1159181A JP 21668497 A JP21668497 A JP 21668497A JP 21668497 A JP21668497 A JP 21668497A JP H1159181 A JPH1159181 A JP H1159181A
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JP
Japan
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impact
load
protrusions
impact beam
vehicle
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JP21668497A
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English (en)
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Tsuguo Kido
継夫 木戸
Kikuo Makase
喜久雄 任勢
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Futaba Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の側面衝突時において広範囲な荷重入
力方向に対して衝撃エネルギー吸収効率が高く、しかも
量産品の曲げ強度の変動幅が小さいインパクトビームを
提供する。 【解決手段】 インパクトビームのビーム部2は、帯鋼
板のうち対向する第1及び第2折曲線21、22を互い
に突き合わせた継ぎ目部23を有している。第1及び第
2突出部25、26は、この継ぎ目部23をなす第1及
び第2折曲線21、22からビーム部2の内面に至る形
状に形成されている。第1及び第2フランジ27、28
は、第1及び第2突出部25、26の先端にそれぞれ形
成され、ビーム部2の内面に当接するようにこの内面に
沿って略円弧状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドアの外
側から荷重が作用したときの衝撃を受けるインパクトビ
ームに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のドアの外側から荷重
が作用した場合に、ドアのアウタパネルが内側に変形す
ることがあるので、ドアの強度剛性を高めるべく、ドア
内部に鋼管製の補強部材すなわちインパクトビームを架
設することがある。
【0003】このようなインパクトビームとして、例え
ば特開平7−315048号には、図9及び図10に示
すように、ビーム部102の断面が帯鋼板を幅方向にプ
レス加工して車幅方向に沿うように突出形成した内方突
起部104を有するパイプ状に形成された構造が開示さ
れている。この内方突起部104はビーム部102の内
径と略同等の長さに形成されており、継ぎ目部分105
には溶接による結合部106が形成されている。また、
ビーム部102の両端にはドアに取り付けるためのブラ
ケット部103、103が固着されている。更に、この
インパクトビームは、内方突起部104の突出方向が車
幅方向と一致するようにブラケット部103、103を
介して図示しないドアに取り付けられる。
【0004】このインパクトビームによれば、車幅方向
外側から荷重Pが作用したときに内方突起部104が縦
壁として作用するため、ビーム部102の曲げ剛性が増
大し、側面衝突時の衝撃エネルギー吸収効率の向上を図
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車の側
面衝突時における荷重Pの入力方向は、車幅方向と一致
する場合もあるが、車幅方向に対して上下角度をもって
いることが多い。この点に関し、上記インパクトビーム
では、荷重Pの入力方向が車幅方向と一致する場合には
内方突起部104が縦壁として作用するためビーム部1
02の曲げ剛性が増大して衝撃エネルギー吸収効率が高
くなるものの、荷重Pの入力方向が車幅方向から上下に
ずれた場合(例えば図10における点線矢印を参照)に
は内方突起部104は縦壁として十分作用せずビーム部
102の曲げ剛性もさほど増大しないので衝撃エネルギ
ー吸収効率は高くならない。つまり、上記インパクトビ
ームでは、自動車の側面衝突時における荷重Pの入力方
向が車幅方向と一致しない場合には十分な衝撃エネルギ
ー吸収効率が得られないおそれがある。
【0006】また、インパクトビームの曲げ強度データ
を出す際に内方突起部104の突出方向と一致した入力
方向の荷重によって強度試験を行ってそのデータを得た
場合、そのデータを実車において再現しようとすれば、
内方突起部104の突出方向を強度試験時の場合と一致
させる必要がある。ここで、一般に自動車を量産する際
にはある程度の許容範囲をもって製造するため、実車に
取り付ける際の内方突起部104の突出方向は必ずしも
強度試験の際の内方突起部104の突出方向と一致しな
い。この際、内方突起部104の突出方向が強度試験時
の場合と比べて少しずれた状態で上記インパクトビーム
が取り付けられたとすると、内方突起部104は縦壁と
して十分作用しなくなるため、量産時の曲げ強度の変動
幅が大きく成りやすい。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、自動車の側面衝突時において広範囲な荷重入力方向
に対して衝撃エネルギー吸収効率が高く、しかも量産時
の曲げ強度の変動幅が小さいインパクトビームを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明は、帯鋼板をプレス加工して形
成されたビーム部と、このビーム部の両端に設けられた
ドア取付用のブラケット部とを備え、自動車のドアの外
側から荷重が作用したときの衝撃を受けるインパクトビ
ームにおいて、前記ビーム部は、帯鋼板のうち対向する
第1及び第2折曲線を互いに突き合わせた継ぎ目部と、
前記継ぎ目部をなす第1及び第2折曲線のそれぞれから
前記ビーム部の内面に至る形状に形成された第1及び第
2突出部と、前記第1及び第2突出部のそれぞれの先端
において前記ビーム部の内面に沿って形成された第1及
び第2フランジとを備えたことを特徴とする。
【0009】本発明のインパクトビームでは、自動車の
側面衝突時において荷重が第1及び第2突出部の突出方
向と上下角度をもった方向から入力された場合、その入
力方向が第1フランジの端部の法線と第2フランジの端
部の法線との間の領域に存在している限り、第1及び第
2突出部がその荷重を受けることができるため、衝突エ
ネルギーを吸収する。
【0010】また、自動車を量産する際に第1及び第2
突出部の突出方向が設計方向に対してある程度上下にず
れた状態で本発明のインパクトビームが取り付けられた
としても、第1及び第2フランジが存在するので、設計
方向から入力される荷重に対して第1及び第2突出部が
その荷重を受けることができ、衝突エネルギーを吸収す
る。このため、量産時の曲げ強度の変動幅は従来例に比
べて小さく抑えられる。
【0011】なお、第1及び第2フランジ部が長くなる
ほど、衝突エネルギーを吸収できる荷重の入力方向の角
度範囲(荷重の許容範囲)が広がる。このように、本発
明のインパクトビームによれば、自動車の側面衝突時に
おいて広範囲な荷重入力方向に対して衝撃エネルギー吸
収効率が高く、しかも量産時の曲げ強度の変動幅が小さ
くなるという効果が得られる。
【0012】また、第1及び第2フランジの長さを調節
することにより、衝撃エネルギー吸収効率の高い荷重入
力方向の角度範囲を広くしたり狭くしたりすることがで
き、また曲げ強度も所望の強度にすることができる。こ
こで、本発明のインパクトビームにおいては、前記継ぎ
目部から前記ビーム部の内面に至るまで互いに当接し、
且つ、前記継ぎ目部から前記ビーム部の内面に至る方向
が自動車の車幅方向と略一致していることが好ましい。
自動車の側面衝突時における荷重の入力方向は車幅方向
に対して上下角度をもっているケースが多いが、このと
きの車幅方向はこの上下角度範囲の略中心となる。この
ため、上下角度の略中心が曲げ剛性の最大となるように
設定すれば、荷重の入力方向の角度範囲が上下対象とな
り、本発明の効果を得るうえで有利である。
【0013】また、本発明のインパクトビームにおいて
は、前記第1及び第2突出部は前記継ぎ目部側において
互いに接触しているが先端側において互いに離間してい
てもよい。この場合、敢えて第1及び第2突出部を座屈
しにくい形状としたため、第1及び第2突出部を座屈可
能な形状とした場合に比べて、曲げ強度は最大値付近で
大きく変化しない。このため、量産時に突出方向(第1
及び第2突出部の接触部分の方向)が設計方向に対して
上下にずれた状態で取り付けられたとしても、その設計
方向における曲げ強度はほとんど変化しない。このため
量産時の曲げ強度の変動幅が一層小さくなるという効果
が得られる。なお、第1突出部の先端側と第2突出部の
先端側とのなす角度が大きいほど、衝突エネルギーを吸
収できる荷重の入力方向の角度範囲(荷重の許容範囲)
が広がる。
【0014】更に、本発明のインパクトビームにおいて
は、前記ビーム部と前記ブラケット部は帯鋼板をプレス
加工することにより一体成形することが好ましい。ブラ
ケット部はビーム部と別体として形成し、後から溶接等
で一体化することも考えられるが、その場合には部品点
数が増えるうえ一体化する作業が必要となるため、製造
コストが嵩むという問題がある。これに対してビーム部
とブラケット部をプレス加工により一体成形した場合に
はかかる問題は解消される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は第1実施形態の斜視図、図2は
図1のA−A断面図である。
【0016】本実施形態のインパクトビーム1は、帯鋼
板(高張力鋼板)をプレス加工して形成されたビーム部
2と、このビーム部2の両端にてビーム部2と一体成形
されたドア取付用のブラケット部3、3とを備えてい
る。ビーム部2は、帯鋼板のうち対向する第1及び第2
折曲線21、22を互いに突き合わせた継ぎ目部23を
有しており、この継ぎ目部23はアーク溶接、プラズマ
溶接等の一般的な溶接又は圧接等の塑性変形によってそ
の全長に亘って又は部分的に結合されている。また、第
1及び第2突出部25、26は、この継ぎ目部23をな
す第1及び第2折曲線21、22からビーム部2の内面
に至る形状に形成されている。この第1及び第2突出部
25、26は、継ぎ目部23からビーム部2の内面に至
るまで互いに当接しており、またビーム部2の円形断面
をほぼ上下対称に2分割している。第1及び第2フラン
ジ27、28は、第1及び第2突出部25、26の先端
にそれぞれ形成され、ビーム部2の内面に当接するよう
にこの内面に沿って略円弧状に形成されている。
【0017】ブラケット部3、3は、自動車のドアの内
部に取り付けるための部材であり、ビーム部2の両端に
てビーム部2側が扇のかなめとなるような形状に形成さ
れている。このブラケット部3、3は、周囲を折り返し
て形成された補強用フランジを備えている。
【0018】本実施形態のインパクトビーム1は、帯鋼
板をプレス加工することにより製造される。すなわち、
帯鋼板の幅方向の両端部の全長に亘る狭い幅を内方向へ
折り曲げて後に第1及び第2フランジ27、28となる
部分を形成し、また同じく両端部の全長に亘る広い幅を
第1及び第2折曲線21、22にて内方向へ折り曲げて
後に第1及び第2突出部25、26となる部分を形成
し、次いで両折曲線21、22で囲まれた領域を略U字
状に形成し、続いて第1及び第2突出部25、26とな
る部分の外面同士を当接させつつ全体がパイプ状となる
ようにプレスすることにより、製造される。
【0019】本実施形態のインパクトビーム1は、図3
に示すように自動車のドア30に取り付けられる。図3
は自動車のドアの縦断面図である。自動車のドア30
は、アウタパネル31とインナパネル32とで従来と同
様に箱形断面に構成されている。このアウタパネル31
とインナパネル32とによって囲まれた空間内にインパ
クトビーム1が自動車の前後方向に沿って配置され、イ
ンナパネル32の前方及び後方にそれぞれ設けられた図
示しない段部にブラケット部3、3が締結されている。
このとき、ビーム部2の継ぎ目部23は車幅方向外側を
向くように配置され、またビーム部2の第1及び第2突
出部25、26の突出方向は車幅方向と略一致してい
る。
【0020】次に、このように自動車のドア30に取り
付けられた本実施形態のインパクトビーム1の作用につ
いて説明する。本実施形態のインパクトビーム1では、
自動車の側面衝突時において荷重が第1及び第2突出部
25、26の突出方向と上下角度をもった方向から入力
された場合、図2に示すように、荷重の入力方向が第1
フランジ27の端部から延ばした法線N1と第2フラン
ジ28の端部から延ばした法線N2とによって挟まれた
領域に存在している限り、第1及び第2突出部25、2
6がその荷重を受けることができるため、衝撃エネルギ
ーを吸収する。
【0021】このときの荷重の入力角度と曲げ強度との
関係を図4に示す。なお、入力角度は第1及び第2突出
部25、26の突出方向と一致する場合を0°とし、こ
の方向に対して上向きに角度を有するときを+、下向き
に角度を有するときを−で表す。また、実線は本実施形
態の特性を表し、点線は従来例(図9及び図10参照)
の特性を表す。この図4から、本実施形態のインパクト
ビーム1は、従来例と比較して、自動車の側面衝突時に
おける荷重の入力方向が広範囲な角度にわたって衝突エ
ネルギー吸収効率が高いことがわかる。
【0022】また、自動車を量産する際に第1及び第2
突出部25、26の突出方向が設計方向に対してある程
度上下にずれた状態でインパクトビーム1が取り付けら
れたとしても、第1及び第2フランジ27、28が存在
するので、設計方向から入力される荷重に対して第1及
び第2突出部25、26がその荷重を受けることがで
き、衝撃エネルギーを吸収する。このため、量産時の曲
げ強度の変動幅は小さく抑えられる。
【0023】ここで、図5は本実施形態に関し、突出方
向が設計方向(ここでは車幅方向とする)に一致したと
きの曲げ特性(実線で表示)と、突出方向が設計方向に
対して角度△θだけ下方すなわちマイナス側にずれたと
きの曲げ特性(点線で表示)を表す。また、図6は従来
例に関し、同様の曲げ特性を表す。この図5及び図6か
ら明らかなように、本実施形態では、突出方向が設計方
向から角度△θだけずれたとしても、その設計方向にお
ける曲げ強度はほとんど変わらない(変化幅d1)のに
対して、従来例では、突出方向が設計方向からずれると
その設計方向における曲げ強度が大きく変化してしまう
(変化幅df)。このため、本実施形態では量産したと
きに、第1及び第2突出部25、26の突出方向が設計
方向から上下にずれたとしても、量産された各個体につ
き設計方向における曲げ強度の分布をみたときその分布
幅すなわち変動幅は小さく抑えられる。この結果、予め
決められた曲げ強度の設計値を実車において容易に再現
できる。
【0024】このように、本実施形態のインパクトビー
ム1によれば、自動車の側面衝突時において広範囲な荷
重入力方向に対して衝撃エネルギー吸収効率が高く、し
かも量産時の曲げ強度の変動幅が小さくなるという効果
が得られる。また、第1及び第2フランジ27、28の
長さを調節することにより、衝撃エネルギー吸収効率の
高い荷重入力方向の角度範囲ωを広くしたり狭くしたり
することができ、また曲げ強度も所望の強度にすること
ができるという効果が得られる。
【0025】また、本実施形態では第1及び第2突出部
25、26の突出方向(つまり第1及び第2折曲線2
1、22からビーム部2の内面に至る方向)は、自動車
の車幅方向と略一致しているため、上記効果が有効に得
られる。更に、本実施形態においては、ビーム部2とブ
ラケット部3、3が帯鋼板をプレス加工することにより
一体成形されているため、製造コストを低く抑えられる
という効果も得られる。
【0026】[第2実施形態]第2実施形態は、ビーム
部2の断面形状が異なる以外は第1実施形態と同様であ
るため、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符
号を付し、その説明を省略する。図7は第2実施形態の
インパクトビームのビーム部の断面図である。
【0027】本実施形態のビーム部2は、帯鋼板のうち
対向する第1及び第2折曲線21、22を互いに突き合
わせた継ぎ目部23を有しており、この継ぎ目部23は
アーク溶接、プラズマ溶接等の一般的な溶接又は圧接等
の塑性変形によってその全長に亘って又は部分的に結合
されている。また、ビーム部2の第1及び第2突出部4
5、46は、この継ぎ目部23をなす第1及び第2折曲
線21、22からビーム部2の内面に至る形状に形成さ
れている。この第1及び第2突出部45、46は、継ぎ
目部23側において互いに接触し、先端側(すなわち第
1及び第2フランジ47、48側)においては互いに離
間している。第1及び第2フランジ47、48は、ビー
ム部2の内面に当接するようにこの内面に沿って略円弧
状に形成されている。
【0028】本実施形態のインパクトビームは、第1実
施形態とほぼ同様にして製造され、第1実施形態とほぼ
同様にして自動車のドアに取り付けられる。なお、第1
及び第2突出部45、46のうち互いに当接している部
分の方向(便宜上、突出方向と称する)は、自動車の車
幅方向と略一致している。
【0029】本実施形態のインパクトビームでは、自動
車の側面衝突時において荷重が第1及び第2突出部4
5、46の突出方向と上下角度をもった方向から入力さ
れた場合、図7に示すように、荷重の入力方向が第1フ
ランジ47の端部から延ばした法線n1と第2フランジ
48の端部から延ばした法線n2とによって挟まれた領
域に存在している限り、第1及び第2突出部45、46
がその荷重を受けることができるため、衝撃エネルギー
を吸収する。
【0030】本実施形態のインパクトビームによれば、
第1実施形態と同様、自動車の側面衝突時において広範
囲な荷重入力方向に対して衝撃エネルギー吸収効率が高
く、しかも量産時の曲げ強度の変動幅が小さくなるとい
う効果が得られる。また、第1及び第2フランジ47、
48の長さを調節することにより、衝撃エネルギー吸収
効率の高い荷重入力方向の角度範囲を広くしたり狭くし
たりすることができ、また曲げ強度も所望の強度にする
ことができるという効果が得られる。
【0031】また、本実施形態においては、第1及び第
2突出部45、46は継ぎ目部23側において互いに接
触しているが先端側において互いに離間しているため座
屈しにくい形状である。ここで、図8は本実施形態に関
し、突出方向が設計方向(ここでは車幅方向とする)に
一致したときの曲げ特性(実線で表示)と、突出方向が
設計方向に対して角度△θだけ下方すなわちマイナス側
にずれたときの曲げ特性(点線で表示)を表す。この図
8から明らかなように、例えば第1実施形態のように第
1及び第2突出部25、26を座屈可能な形状とした場
合に比べて、曲げ強度が最大値付近で急激に変化しない
ため、突出方向が設計方向に対してずれた場合でも、そ
の設計方向における曲げ強度はほとんど変化しない。こ
のため、量産時の曲げ強度の変動幅がより一層小さくな
るという効果が得られる。
【0032】更に、本実施形態においては、第1突出部
45の先端側と第2突出部46の先端側とのなす角度ψ
(図7参照)が大きいほど、衝突エネルギーを吸収でき
る荷重の入力方向の角度範囲ω(荷重の許容範囲、図7
参照)が広がる。尚、本発明の実施形態は、上記実施形
態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲
に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。
【0033】例えば、上記各実施形態ではビーム部とブ
ラケット部とを一体成形したが、図9のようにブラケッ
ト部を別体としてもよい。この場合、例えば車種に応じ
てビーム部を切断してその長さを変更して使用すること
ができる。また、ビーム部は継ぎ目部が車幅方向外側を
向くように自動車のドアに取り付けたが、継ぎ目部が車
幅方向内側を向くように自動車のドアに取り付けてもよ
い。但し、車幅方向外側から荷重が入力されたとき、上
記各実施形態では両突出部がより密着する方向に変形す
るため、上記各実施形態のように継ぎ目部が車幅方向外
側を向くように取り付けるのが衝撃エネルギーを吸収す
るうえで好ましい。
【0034】更に、ビーム部の継ぎ目部は溶接等により
接合したが、特に接合しなくてもよい。この場合、溶接
作業が省略されるため、製造コストが一層低減化され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のインパクトビームの斜視図で
ある。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 自動車のドアの縦断面図である。
【図4】 荷重の入力角度と曲げ強度との関係を表すグ
ラフである。
【図5】 荷重の入力角度と曲げ強度との関係を表すグ
ラフである。
【図6】 荷重の入力角度と曲げ強度との関係を表すグ
ラフである。
【図7】 第2実施形態のインパクトビームのビーム部
の断面図である。
【図8】 荷重の入力角度と曲げ強度との関係を表すグ
ラフである。
【図9】 従来のインパクトビームの斜視図である。
【図10】 図9のB−B断面図である。
【符号の説明】
1・・・インパクトビーム、2・・・ビーム部、3・・
・ブラケット部、21・・・第1折曲線、22・・・第
2折曲線、23・・・継ぎ目部、25・・・第1突出
部、26・・・第2突出部、27・・・第1フランジ、
28・・・第2フランジ、30・・・ドア、31・・・
アウタパネル、32・・・インナパネル、N1・・・法
線、N2・・・法線、P・・・荷重。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯鋼板をプレス加工して形成されたビー
    ム部と、このビーム部の両端に設けられたドア取付用の
    ブラケット部とを備え、自動車のドアの外側から荷重が
    作用したときの衝撃を受けるインパクトビームにおい
    て、 前記ビーム部は、 帯鋼板のうち対向する第1及び第2折曲線を互いに突き
    合わせた継ぎ目部と、 前記継ぎ目部をなす第1及び第2折曲線のそれぞれから
    前記ビーム部の内面に至る形状に形成された第1及び第
    2突出部と、 前記第1及び第2突出部のそれぞれの先端において前記
    ビーム部の内面に沿って形成された第1及び第2フラン
    ジとを備えたことを特徴とするインパクトビーム。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2突出部は、前記継ぎ目
    部から前記ビーム部の内面に至るまで互いに当接し、且
    つ、前記継ぎ目部から前記ビーム部の内面に至る方向が
    自動車の車幅方向と略一致していることを特徴とする請
    求項1記載のインパクトビーム。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2突出部は、前記継ぎ目
    部側において互いに接触し、先端側において互いに離間
    していることを特徴とする請求項1記載のインパクトビ
    ーム。
  4. 【請求項4】 前記ビーム部と前記ブラケット部は帯鋼
    板をプレス加工することにより一体成形されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインパク
    トビーム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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