JPH1158776A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH1158776A
JPH1158776A JP21628097A JP21628097A JPH1158776A JP H1158776 A JPH1158776 A JP H1158776A JP 21628097 A JP21628097 A JP 21628097A JP 21628097 A JP21628097 A JP 21628097A JP H1158776 A JPH1158776 A JP H1158776A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルにおけるインク乾燥,異物付着等に起
因する目詰まり等の信頼性の低下を生じさせない構成を
有するインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 インクジェット記録装置は、ノズル及び
液室を有するヘッド10とヘッド10にインクを導入す
るインク供給手段と、洗浄液等の、インクとは別の液体
を導入する別液体導入手段とを有する。インク供給手段
は、インク容器20とバルブViを有し、別液体導入手
段は、洗浄液容器30とバルブVcを有し、各バルブV
i,Vcを操作し、選択的にヘッド10に対して液体を
導入することにより、ヘッド10内のインクまたは洗浄
液のいずれかの液体を他方の液体に置換することができ
る。印写が終了したときに、ヘッド10内のインクを洗
浄液に置換することにより、ノズル等の目詰まりを防
ぎ、ヘッド10の信頼性を維持することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、より詳細には、液体噴射記録ヘッドの信
頼性維持に関するものであり、とりわけ複数のノズルを
有し、広い印写幅で印写を行い、ノズルにおけるインク
乾燥,異物付着等に起因する目詰まり等の信頼性の低下
を生じやすい、いわゆるマルチノズルインクジェットヘ
ッドを用いる記録装置の信頼性維持に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
において、最近関心を集めている。その中で高速記録が
可能であり、しかもいわゆる普通紙に特別の定着処理を
必要とせずに記録を行うことができるいわゆるインクジ
ェット記録法は極めて有力な記録法であって、これまで
も様々な方式が提案され、改良が加えられ商品化された
ものもあれば、現在もなお実用化への努力が続けられて
いるものもある。
【0003】このようなインクジェット記録法は、いわ
ゆるインクと称される記録液体の小滴(droplet)を飛
翔させ、記録部材に付着させて記録を行うものであっ
て、例えば、本出願人による先行出願として、特公昭5
6−9429号公報に提案されている。この公報のもの
は、液室内のインクを加熱して気泡を発生させてインク
に圧力上昇を生じさせ、微細な毛細管ノズルからインク
を飛び出させて記録するものである。他の原理のものと
しては、例えば、特開平6−297709号公報に記載
されているような圧電素子に電圧を印加し、インク室の
容積を変化させ、ノズルからインクを吐出させて記録す
るものもある。
【0004】いずれにしろこれらのインクジェット記録
装置は、10〜数10μmのサイズのノズルからインク
を噴射,吐出するものであり、このような微細なノズル
からインクを飛翔させる記録装置の宿命として、ノズル
の目詰まりという課題を常に抱えている。例えば、ノズ
ル部におけるインク乾燥による染料付着固化、空気中に
浮遊するゴミ,紙粉等の不純物のノズル部への付着、イ
ンク中に存在する不純物の析出、あるいはインクとそれ
に接する部材との化学反応による異物の析出等によっ
て、ノズルが詰まって閉塞したり、あるいは完全に閉塞
しなくとも部分的に上述したような事態が生じるだけで
インクの噴射特性は悪化し、良好な印写品質が得られな
くなる。
【0005】近年では、インクの改良が進み、またヘッ
ドにキャップをする等の対策をとることにより、ノズル
数が64〜256個程度のショートアレイタイプのもの
は、ほぼ実用的になってきて、各種商品化され市場に出
ている。しかしながら、ノズル数が数百〜数千個にもな
り、その印写幅も紙幅にまでおよぶようないわゆるラー
ジアレイタイプのものは、依然としてその信頼性が確保
できていないのが実状である。また、その記録ヘッドも
単に黒インク用だけではなく、イエローインク用,マゼ
ンタインク用,シアンインク用、さらにそれらのカラー
インクの濃度を変えて微妙な銀塩写真調の記録を行える
ような記録装置となると、記録ヘッドの数も8〜10個
にもなり、記録装置全体の全ノズルの数は、数万個にな
り、目詰まり対策は必須となる。
【0006】このような点に鑑み、例えば、特公昭63
−31390号公報では、ラージアレイタイプの記録ヘ
ッド全体にキャップを被せて洗浄する手段を提案してい
る。しかしながら、この手段を用いた洗浄方法では、ノ
ズルの外側表面の清浄化は確保できるが、ノズルの内
部,インク流路までは清浄化できない。また、ノズルの
内部で生じるインク中に存在する不純物の析出、あるい
はインクとそれに接する部分との化学反応による異物の
析出等の問題は依然として残る。
【0007】図7は、ラージアレイタイプのインクジェ
ットヘッドの一例を示す斜視図で、図中、80はヘッ
ド、81はノズル、82は電極、83はインク導入口、
84は流路・液室板、85は発熱体基板である。ヘッド
80には紙幅全域をカバーできるようにノズル81が配
列されている。例えばA4サイズの紙の横幅をカバーで
きるインクジェットヘッドの例では、400dpiの配
列密度で、3000個のノズルが並んでいる(印写幅は
約190mm)。インクジェットの方式としては、圧電
素子を用いる方法、あるいは膜沸騰気泡を用いるバブル
ジェット方式などがあるが、ここでは高密度配列が可能
なバブルジェット方式の例により説明する。
【0008】図8は、バブルジェット方式のインク滴噴
射原理を説明するための概念図で、インク滴の噴射動作
を時系列で図8(A)〜図8(G)に順に示すものであ
る。図8において、91はインク、92は気泡、93は
ノズル、94は流路、95は発熱体基板、96は発熱
体、97は第1電極(制御電極)、98は第2電極(ア
ース電極)、99はインク滴である。まず発熱体96に
画像情報に応じて信号パルスが入力され、該信号パルス
に応じてインク中で気泡92が発生し、該気泡の作用力
により、流路94のインク1の一部がノズル93よりイ
ンク滴99として噴射され、被記録体(例えば、紙)に
記録する。
【0009】ここで、信号パルスの継続時間は、数μs
〜10数μsが望ましく、長くても30μsまでとされ
る。これは、いったん発熱体96上に気泡92が発生す
ると、その後は発熱体96の熱を気泡92がブロックし
てしまうため、気泡92の大きさはほとんど変化するこ
とがなく、不必要に長時間通電しても、無駄になるだけ
でなく、発熱体96を破損せしめるからである。通電を
止めた後は、気泡92は発熱体基板95および周囲のイ
ンク91により、熱を奪われ収縮して消減する。この説
明から明らかなように、バブルジェットのインク噴射に
作用する気泡92は、非常に短時間の間に急激に加熱さ
れることによって得られる気泡であり、伝熱工学の分野
で、いわゆる膜沸騰と呼ばれている現象の気泡であっ
て、発生〜消滅の繰り返し再現性が非常に良く、それに
よるインク噴射も安定して、再現性に優れているので、
近年、64〜256個程度の比較的ノズル数の少ないシ
ョートアレイ(スモールアレイ)タイプのヘッドを搭載
したインクジェットプリンタが急速に普及し始めた。
【0010】しかしながら、前述のようにノズル数が、
数百〜数千個にもなり、その印写幅も紙幅におよぶよう
ないわゆるラージアレイタイプのものは、ノズルの目詰
まり、あるいは完全な目詰まりを生じなくても部分的な
目詰まりによるインク噴射特性の劣化等、いわゆるイン
ク噴射の信頼性に関わる問題については、ノズルの数が
多いだけにその問題発生確率が急激に高くなり依然とし
て解決されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1の発明
は、ノズル数が千個以上にもおよぶ、いわゆるラージア
レイタイプのインクジェット記録ヘッドを使用する記録
装置の信頼性を確保できるような構成を提供すること、
請求項2の発明は、信頼性の維持,確保をヘッド構成を
複雑にすることなく実現すること、請求項3の発明は、
信頼性の維持,確保を効率よく行えるようにすること、
請求項4の発明は、信頼性の維持,確保を効率よく行え
るようにするとともに、この信頼性の維持,確保のため
の作業を行うことによって生じることがある別の不具合
を回避すること、請求項5の発明は、信頼性の維持,確
保をより完全に行えるようにすること、請求項6の発明
は、カラー記録装置で信頼性の維持,確保を効率よく行
えるようにすること、請求項7の発明は、信頼性の維
持,確保をさらに完全に行えるようにすること、請求項
8の発明は、信頼性の維持,確保のために使用する液体
として洗浄効率が高く、インクと不要の化学反応を起こ
さない安定した組成の液体を提案すること、請求項9の
発明は、信頼性の維持,確保のために使用する液体とし
て、置換を効率よく行うことができる液体を用いること
により、より短時間で信頼性の維持,確保のための作業
を行えるようにすること、を目的としてなされたもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イン
ク液を噴射させるための複数個のノズルを形成するノズ
ル部,該ノズルに連通する流路,及び該流路に連通する
液室を有するヘッドと、前記液室にインクを導入するイ
ンク導入手段とを有するインクジェット記録装置におい
て、該インク導入手段により導入されるインクとは別の
液体を前記液室に導入する別液体導入手段を設け、前記
インク導入手段または前記別液体導入手段を作動させる
ことにより、前記ヘッド内の前記インクまたは前記別の
液体のいずれかの液体を他方の液体に置換できるように
したことを特徴とし、もって、ノズル内部,流路,液室
内を清浄に保つことが可能となり、ノズル数が従来より
桁違いに多い、ラージアレイタイプのインクジェットの
記録ヘッドであっても、ノズル部におけるインクの乾燥
による染料付着固化,ゴミ,紙粉等の空気中に浮遊する
不純物のノズル部への付着、インク中に存在する不純物
の析出、あるいはインクとそれに接する部材との化学反
応による異物の析出等によって、ノズルが詰まったり、
インクの噴射特性が悪化し、良好な印写品質が得られな
くなる信頼性の低下が皆無となるようにしたものであ
る。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記インクを導入するために前記液室に設けられる
インク導入口と、前記別の液体を導入するために前記液
室に設けられる別液体導入口とを共通の導入口として有
し、前記インク液室に導入する前記インクまたは前記別
の液体を選択して切り替える切り替え手段を設けること
を特徴とし、もって、ヘッド構成を複雑にすることな
く、信頼性の維持,確保を実現することができるように
したものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記インクを導入するために前記液室に設けられる
インク導入口と、前記別の液体を導入するために前記液
室に設けられる別液体導入口とを個別に有することを特
徴とし、もって、導入のため流路及び導入口の大きさを
個別に設定でき、インクとは別の液体とインクの置換が
短時間でできるようになり、信頼性の維持,確保が効率
よく行うことができるようにしたものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれか1の発明において、前記ノズルのインク噴射口を
覆い、前記ノズル部に着脱可能なキャップ部と、前記キ
ャップ部を前記ノズル部に装着した状態で前記ノズルに
連通する前記キャップ部内を減圧する減圧手段とを有
し、前記ヘッド内の液体を置換するに際し、前記減圧手
段を作動させるようにしたことを特徴とし、もって、置
換作業をすみやかに行うことができるようにしたもので
ある。またこのような置換作業時には液室内に空気が混
入しやすく、たとえば、インクを液室に導入する置換作
業を行った際に液室内に空気が混入した状態にあるとそ
の後のインク吐出が不可能となる(吐出のための信号を
送っても、空打ち状態になる)が、ノズルを外から減圧
することにより、このような液室内の空気を吸い出すこ
とができるので、空打ち状態になることなく、安定して
インク噴射を行うことができるようにしたものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記キャップ部を前記ノズル部に装着した状態で前
記ノズルに連通する前記キャップ部内を加圧する加圧手
段を設け、前記ヘッド内の液体を置換するに際し、前記
減圧手段と前記加圧手段とを切り替えて作動させるよう
にしたことを特徴とし、もって、減圧および加圧を交互
に繰り返すことにより、液室内の空気の吸い出しをより
完全にできるようになり、また、このように減圧および
加圧を交互に繰り返すことにより、インクあるいはイン
クとは別の液体の流れを作ることができ、ノズル部へ付
着した異物、不純物の析出物、あるいはインクの乾燥固
化物等、ノズル部の目詰まり要因を除去することが可能
となり安定してインク噴射を行うことができるようにし
たものである。
【0017】請求項6の発明は、請求項1ないし3のい
ずれか1の発明において、前記ノズルのインク噴射口を
覆い、前記ノズル部に着脱可能なキャップ部、及び該キ
ャップ部を前記ノズル部に装着した状態で前記ノズルに
連通する前記キャップ部内を減圧する減圧手段及び/ま
たは前記キャップ部を前記ノズル部に装着した状態で前
記ノズルに連通する前記キャップ部内を加圧する加圧手
段を有し、前記キャップ部は、前記複数のノズルのうち
同一色のインクを用いるノズル群毎に設けられ、前記減
圧手段及び/または前記加圧手段は、共通の減圧源及び
/または加圧源を用いて前記同一色のインクを用いるノ
ズル群毎に減圧及び/または加圧を行うことができるよ
うに構成されることを特徴とし、もって、減圧あるいは
加圧供給源であるポンプ、あるいはコンプレッサ等を大
容量とする必要がなく、1色分の能力でよいため、減圧
あるいは加圧供給源のコンパクト化がはかれるととも
に、低コストで構成することができ、記録装置全体も、
コンパクトとなって、低コストで構成できるようにした
ものである。
【0018】請求項7の発明は、請求項4ないし6のい
ずれか1の発明において、前記ノズル部に装着し前記ノ
ズルのインク噴射口を密閉可能な保管用キャップを備
え、インク噴射動作を行わないときに、前記キャップ部
を前記ノズル部から離脱させた状態で該保管用キャップ
を前記ノズル部に装着するようにしたことを特徴とし、
もって、より効果的にノズル部を密閉することができる
ようになり、信頼性の維持,確保をさらに完全に行うこ
とができるようにしたものである。
【0019】請求項8の発明は、請求項1ないし7のい
ずれか1の発明において、前記別液体導入手段に導入さ
れる前記インクとは別の液体として、前記インク導入手
段により導入されるインク液の組成から着色剤を除いて
なる組成を有する液体を用いるようにしたことを特徴と
し、もって、不要な析出物を生じたりすることなく、ス
ムーズに支障なく置換ができるようになり、さらに、ノ
ズル部に付着した乾燥固化したインク染料等を容易に溶
かすことができ、高い洗浄性能が得られるようにしたも
のである。
【0020】請求項9の発明は、請求項1ないし8のい
ずれか1の発明において、前記別液体導入手段に導入さ
れる前記インクとは別の液体として、前記インク導入手
段により導入されるインクより低粘度の液体を用いるよ
うにしたことを特徴とし、もって、ヘッドの液体を置換
する際に、非常にスムーズに置換でき、置換及び洗浄作
業を短時間に行うことができるようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明によるインクジェッ
トヘッドの実施例を添付された図面を参照して具体的に
説明する。なお、実施例を説明するための全図において
同様の機能を有する部分には同一の符号を付け、その繰
り返しの説明は省略する。
【0022】(請求項1及び2の発明)本発明は、夜間
等、あるいは長期に使用されない時、つまり非印写時に
ヘッド内のインクを洗浄液等の別の液体に置換して保管
しようというものである。いわゆる目詰まりと呼ばれる
インクジェットの不良の多くは、主にインクの組成物で
ある染料がノズル出口近傍において、乾燥,固化するこ
とによって発生することが多いからである。もちろん、
この他に空気中のゴミ,紙粉等がノズル出口近傍に付着
することによって発生する目詰まりもある。
【0023】図1は、本発明によるインクジェット記録
装置の一実施例を説明するための構成概念図であり、図
中、10は(インクジェット)ヘッド、20はインク容
器、30は洗浄液容器、Viはインク用のバルブ、Vc
は洗浄液用のバルブである。図1はインクとは別の液体
として洗浄液をインクジェットヘッド10に導入できる
ようにした例を示す。図9は、図1に示す概念図の理解
を助けるための従来のインクジェットヘッドの構成と動
作の例を概念的に示す図である。図9において、iはイ
ンク滴、10nはノズル面である。作用を簡単に説明す
る。まず、従来の図9に示すものでは、インクジェット
ヘッド10の共通液室に設けられたインク導入口と、イ
ンクが入ったインク容器20とが、例えば、ここでは連
結チューブによって連結され、ヘッド10のインク消費
に応じて液室内にインクが供給される。なお、ここでは
連結チューブによって連結されると説明しているが、必
ずしもチューブが使われる必要はなく、両者が液路とし
てつながる構造になっていれば良いことはいうまでもな
い。
【0024】図1は、本発明の特徴的な構造を示してお
り、図1の構成の連結部(連結チューブ)の一部に分岐
路(分岐チューブ)を設け、インクと洗浄液は、それぞ
れバルブVi,Vcを切り替えることにより、両液とも
にインクジェットヘッド10の液室内に供給できる構成
としたものである。このような構成とすることにより、
非印写時には、染料等の乾燥,固化が生じない、あるい
は、不純物等が析出しない洗浄液にヘッド内のインクを
置換して、ヘッドを保管することができるので、長期間
印写を行わないような場合には、良好な状態で保管する
ことができる。その後、再び印写を行う場合には、イン
クから洗浄液への置換と逆の順序で、ヘッド内に充填さ
れている洗浄液をインクに置換することによって印写可
能状態とすることができる。
【0025】(請求項3の発明)図2は、本発明による
インクジェットヘッドの他の実施例を説明するための構
成概念図である。図1に示した例ではインクジェットヘ
ッド10の液室へインクあるいは洗浄液を導入する導入
口は1つであり、連結チューブ(供給路,導入路)に分
岐路を設けてバルブの切り替えによって、インクと洗浄
液を液室内に導入していたが、図2に示す例では、イン
クあるいは洗浄液の導入口および連結チューブ(供給
路,導入路)をそれぞれ別々に設けている。そして、さ
らに洗浄液の導入口および連結チューブ(供給路,導入
路)を太くし断面積を大きくしている。このような構成
とすることにより、洗浄液が流れやすくなりインクから
洗浄液に置換する際に、迅速な置換が可能となる。
【0026】(請求項4の発明)図3は、本発明による
インクジェット記録装置の更に他の実施例を説明するた
めの構成概念図で、図中、40はキャップ部、50はバ
キュームポンプである。この例は、図2の構成のものに
さらにインクジェットヘッドのノズル部を覆うキャップ
部40を付け加えた構成を有しており、さらにそのキャ
ップ部40は、ノズル部を覆って密閉構造とするだけで
はなく、キャップ部40の内部を減圧できるように減圧
手段(吸引手段)を持たせた構造となっている。この減
圧手段による減圧は、図示するようなバキュームポンプ
50によって行ってもよいし、吸引力は劣るけれどもよ
り単純な構造として、ファンによる吸引作用を利用して
もよい。また、このキャップ部40の装着動作ならびに
その後の減圧手段による減圧動作においては、バルブV
i,Vcの開閉を行う必要がある。動作モードを例とし
てあげる。 (1).インク噴射停止後、長期にヘッドを保存する場
合 印写を終了→ノズル部をキャップ部40で覆う→バルブ
Viを閉じる→バルブVcを開く→減圧動作開始→ヘッ
ド内のインクを洗浄液に置換→減圧動作停止→バルブV
cを閉じる→保管 (2).長期にヘッドを保存した後、インク噴射を開始
(印写を再開する)場合 上記(1)の保管状態→バルブViを開く→減圧動作開
始→ヘッド内の洗浄液をインクに置換→減圧動作停止→
ノズル部からキャップ部40を取り外す→印写再開 本発明では、このような減圧動作を行っているのでイン
クから洗浄液、あるいはその逆に洗浄液からインクへの
置換を迅速に行うことができる。また、減圧時にノズル
部に対して使用するキャップ部40は、保管時にもその
まま使用する(密閉状態を保つ)ので、洗浄液の乾燥お
よびそれにともなう洗浄液組成物の析出による目詰まり
や、あるいは空気中に浮遊しているゴミ,紙粉等の異物
がノズル部近傍に付着して引き起こす目詰まりを回避で
きるという利点がある。なお、上記の説明では減圧され
て吸引されたヘッド内のインク、あるいは洗浄液につい
て言及しなかったが、キャップ部とバキュームポンプ5
0との間の吸引路に設けられた、図示しない分岐路およ
びバルブによってそれらの液は廃棄される。また、上記
の説明では、図2に示す本発明の構成例に対してキャッ
プ部及び減圧手段を付加した例として説明したが、図1
の構成例にキャップ部及び減圧手段を付加してもよいこ
とはいうまでもない。
【0027】(請求項5の発明)図4は、本発明による
インクジェット記録装置の更に他の実施例を説明するた
めの構成概念図で、図中、60は加圧ポンプである。上
述した図3に示すものの構成は、ヘッド10に装着した
キャップ部40及びバキュームポンプ50等の減圧手段
(吸引手段)によってノズル部に減圧状態を作り、液の
置換を迅速に行うようにしたものであったが、この例
は、図3の構成に、キャップ部40をヘッド10に装着
した後ノズル部に加圧状態を作るための加圧手段を付加
したものである。前述の減圧手段であるバキュームポン
プ50を作動させることによってインクあるいは洗浄液
をノズル部から吸引し、その後、加圧ポンプ60による
加圧手段を作動させることによってノズル部を加圧す
る。そして、この減圧動作と加圧動作を繰り返すことに
よって液置換時に洗浄作用を生じさせる。具体的には、
ノズル部においてインクあるいは洗浄液を吸引あるいは
その逆に押し戻す動作を繰り返すことによって、微少な
ノズル部でインクあるいは洗浄液の流れを作り、ノズル
部に付着しているゴミ等の異物あるいは乾燥固化した染
料を洗い流すことが可能となる。加圧状態を作る加圧手
段としては、図示する加圧ポンプ60によって行っても
よいし、加圧力は劣るけれども、より単純な構造とし
て、ファンによる加圧作用を利用してもよい。それぞれ
の減圧手段,加圧手段は、キャップ部40との接続部分
(一例として接続チューブとしておく)にそれぞれバル
ブVv,Vpを設け、それらを互いに協働させた切り替
え動作によって減圧,加圧を行う。また、減圧手段及び
加圧手段と、キャップ部40との接続形態は、図4
(A)のようにキャップ部40の異なる2ヶ所に接続チ
ューブを接続するようにしても良いし、図4(B)のよ
うに接続チューブに分岐路を設けた構成とし、キャップ
部40と接続チューブとが1ヶ所で接続されるようにし
ても良い。なお、これらのバルブVv,Vpおよびそれ
ぞれの減圧手段,加圧手段は、前述のバルブVi,Vc
と連動して動作させることによって、ヘッド10の液室
内へのインクあるいは洗浄液の導入を行う。
【0028】(請求項6の発明)図5は、本発明による
インクジェット記録装置の更に他の実施例を説明するた
めの構成概念図であり、カラー印写可能なインクジェッ
トヘッドの構成例である。一般にカラー記録を行うため
には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)
の3色分のインクジェットヘッド、あるいはイエロー
(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック
(B)の4色分のインクジェットヘッド、さらに時とし
てもっと多くのインクジェットヘッドを具備し、より高
画質を狙う場合もある。いずれにしろ単色の場合と違っ
て、カラーヘッドユニットそのものが大きくなるため、
そのキャップ部も大きくなる。よって単純に考えるとそ
の容量が大きくなるために、減圧手段(吸引手段)及び
加圧手段も大容量のものが必要になる。本発明では、こ
の点に鑑み、図5に示すように、キャップ部40をその
内部容積が単色のヘッドの場合とほぼ同じになるよう
に、色毎に独立した構成としている。そして、それぞれ
のキャップ部40とバキュームポンプ50及び加圧ポン
プ60との接続部分には、バルブVsを設け、それぞれ
のバルブVsを切り替えて、単色毎にヘッド部の減圧あ
るいは加圧を行うことにより、容量がコンパクトな単色
分程度の能力の減圧手段及び加圧手段でこと足りるとい
う利点がある。
【0029】(請求項7の発明)図6は、本発明の更に
他の実施例を説明するための構成概念図で、図中、70
は保管用キャップである。この発明は、前述した各発明
によってインクを洗浄液に置換した後に、液置換時に使
用した減圧手段あるいは加圧手段が接続されたキャップ
部40とは別に、ノズル部を完全密閉できる保管用キャ
ップ70を装着し、長期保存の安定性をより確実にしよ
うというものである。この保管用キャップ70の特徴
は、一般にフラットなノズル面あるいはノズルプレート
面との間に空間ができないように密着して、ノズル部を
完全密閉するようにしたことである。
【0030】(請求項8の発明)以下に、本発明による
インクジェットヘッド記録装置で使用するインクとは別
の液体としての洗浄液について説明する。本願の各発明
では、インクと、洗浄液等のインクとは別の液体とを交
互に置換することを特徴としている。従って、両液の間
で化学反応が起きたり、不要な析出物などを生じないこ
とが必須の条件である。本発明では、この点に注目し
て、洗浄液の組成を基本的にはインクとほぼ同じとする
ようにした。具体的には、例えば、インク成分から着色
剤である染料あるいは顔料を除去した組成としている。
以下に具体的なインク組成と本発明の洗浄液の一例を示
す。 (1)イエローインク組成 グリセリン:18.0wt%,エチルアルコール:4.9wt
%,水:75.0wt%,アシッドイエロー17(染料):
2.1wt% (2)マゼンタインク組成 グリセリン:18.0wt%,エチルアルコール:4.7wt
%,水:75.0wt%,アシッドレッド35(染料):2.
3wt% (3)シアンインク組成 グリセリン:18.0wt%,エチルアルコール:4.8wt
%,水:75.0wt%,アシッドブルー29(染料):2.
2wt% (4)ブラックインク組成 グリセリン:18.0wt%,エチルアルコール:4.8wt
%,水:75.0wt%,ダイレクトブラック154(染
料):2.2wt% (5)洗浄液組成 グリセリン:18.0wt%,エチルアルコール:5.0wt
%,水:77.0wt%この例で示したように、本発明の洗
浄液は、インクから染料を除去した分、わずかの組成比
率の違いはあるものの、ほとんどインクと同組成となる
ようにしている。このような洗浄液組成とすることによ
り、インクと洗浄液は、容易に相互に溶解するので、両
液の置換時に不必要な化学反応を起こしたり、不要な析
出物を生じたりすることがないので、スムーズに支障な
く置換ができるようになる。また、この洗浄液はインク
溶媒と同じなので、ノズル部に付着した乾燥固化したイ
ンク染料等も、容易に溶かすことができ、その洗浄能力
は非常に高い。
【0031】(請求項9の発明)以下に、本発明による
インクジェット記録装置で使用するインクとは別の液体
としての洗浄液の他の例について説明する。本願の各発
明では、前述のようにインクと洗浄液等のインクとは別
の液体とを交互に置換することを特徴としている。その
際、短時間にスムーズに置換できることも重要なポイン
トとなる。このような観点から、前述の請求項3の発明
では、導入口を個別に設けて、洗浄液の導入口面積を大
きくしたり、請求項4の発明では、減圧状態を作り出
し、液の流れを促進させたりしたが、ここでは洗浄液の
観点からスムーズな置換適性を検討したものである。具
体的には、洗浄液の流れをスムーズにするには、低粘度
の液体にすればよい。前述のように本発明に好適に利用
できる洗浄液組成は、インクから着色剤成分を除去した
グリセリン:18.0wt%,エチルアルコール:5.0wt
%,水:77.0wt%という組成であり、着色剤成分以外
は、ほぼインクと同じ組成である。ここで洗浄液の粘度
に大きく寄与しているのはグリセリンである。そこで一
例として、グリセリンの重量を減らして、その分、水を
多くしたグリセリン:5.0wt%,エチルアルコール:
5.0wt%,水:90.0wt%という組成の粘度を下げた洗
浄液を調合し、インクとの置換を行ったところ、非常に
短時間で置換を行うことが可能となった。また、この新
たに調合した低粘度洗浄液も、基本的には水をベースと
した洗浄液であり、インクも同じように水をベースとし
て調合されているので、両者は容易に相互に容解でき、
両液の置換時に不必要な化学反応を起こしたり、不要な
析出物を生じたりすることもなかった。また、ノズル部
に付着した乾燥固化したインク染料等も、この低粘度洗
浄液によって容易に溶かすことができた。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明は、インク液を噴射させ
るための複数個のノズルを形成するノズル部,該ノズル
に連通する流路,及び該流路に連通する液室を有するヘ
ッドと、前記液室にインクを導入するインク導入手段と
を有するインクジェット記録装置において、該インク導
入手段により導入されるインクとは別の液体を前記液室
に導入する別液体導入手段を設け、前記インク導入手段
または前記別液体導入手段を作動させることにより、前
記ヘッド内の前記インクまたは前記別の液体のいずれか
の液体を他方の液体に置換できるようにしたので、ノズ
ル内部,流路,液室内を清浄に保つことが可能となり、
ノズル数が従来より桁違いに多い、ラージアレイタイプ
のインクジェットの記録ヘッドであっても、ノズル部に
おけるインクの乾燥による染料付着固化,ゴミ,紙粉等
の空気中に浮遊する不純物のノズル部への付着、インク
中に存在する不純物の析出、あるいはインクとそれに接
する部材との化学反応による異物の析出等によって、ノ
ズルが詰まったり、インクの噴射特性が悪化し、良好な
印写品質が得られなくなる信頼性の低下が皆無となる。
【0033】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記インクを導入するために前記液室に設けられる
インク導入口と、前記別の液体を導入するために前記液
室に設けられる別液体導入口とを共通の導入口として有
し、前記インク液室に導入する前記インクまたは前記別
の液体を選択して切り替える切り替え手段を設けたの
で、ヘッド構成を複雑にすることなく、信頼性の維持,
確保を実現することができる。
【0034】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記インクを導入するために前記液室に設けられる
インク導入口と、前記別の液体を導入するために前記液
室に設けられる別液体導入口とを個別に有するので、導
入のため流路及び導入口の大きさを個別に設定でき、イ
ンクとは別の液体とインクの置換が短時間でできるよう
になり、信頼性の維持,確保が効率よく行うことができ
る。
【0035】請求項4の発明は、請求項1ないし3いず
れか1の発明において、前記ノズルのインク噴射口を覆
い、前記ノズル部に着脱可能なキャップ部と、前記キャ
ップ部を前記ノズル部に装着した状態で前記ノズルに連
通する前記キャップ部内を減圧する減圧手段とを有し、
前記ヘッド内の液体を置換するに際し、前記減圧手段を
作動させるようにしたので、置換作業をすみやかに行う
ことができる。またこのような置換作業時には液室内に
空気が混入しやすく、たとえば、インクを液室に導入す
る置換作業を行った際に液室内に空気が混入した状態に
あるとその後のインク吐出が不可能となる(吐出のため
の信号を送っても、空打ち状態になる)が、ノズルを外
から減圧することにより、このような液室内の空気を吸
い出すことができるので、空打ち状態になることなく、
安定してインク噴射を行うことができる。
【0036】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記キャップ部を前記ノズル部に装着した状態で前
記ノズルに連通する前記キャップ部内を加圧する加圧手
段を設け、前記ヘッド内の液体を置換するに際し、前記
減圧手段と前記加圧手段とを切り替えて作動させるよう
にしたので、減圧および加圧を交互に繰り返すことによ
り、液室内の空気の吸い出しをより完全にできるように
なり、また、このように減圧および加圧を交互に繰り返
すことにより、インクあるいはインクとは別の液体の流
れを作ることができ、ノズル部へ付着した異物、不純物
の析出物、あるいはインクの乾燥固化物等、ノズル部の
目詰まり要因を除去することが可能となり安定してイン
ク噴射を行うことができる。
【0037】請求項6の発明は、請求項1ないし3いず
れか1の発明において、前記ノズルのインク噴射口を覆
い、前記ノズル部に着脱可能なキャップ部、及び該キャ
ップ部を前記ノズル部に装着した状態で前記ノズルに連
通する前記キャップ部内を減圧する減圧手段及び/また
は前記キャップ部を前記ノズル部に装着した状態で前記
ノズルに連通する前記キャップ部内を加圧する加圧手段
を有し、前記キャップ部は、前記複数のノズルのうち同
一色のインクを用いるノズル群毎に設けられ、前記減圧
手段及び/または前記加圧手段は、共通の減圧源及び/
または加圧源を用いて前記同一色のインクを用いるノズ
ル群毎に減圧及び/または加圧を行うことができるよう
に構成されるので、減圧あるいは加圧供給源であるポン
プ、あるいはコンプレッサ等を大容量とする必要がな
く、1色分の能力でよいため、減圧あるいは加圧供給源
のコンパクト化がはかれるとともに、低コストで構成す
ることができ、記録装置全体も、コンパクトとなって、
低コストで構成できる。
【0038】請求項7の発明は、請求項4ないし6いず
れか1の発明において、前記ノズル部に装着し前記ノズ
ルのインク噴射口を密閉可能な保管用キャップを備え、
インク噴射動作を行わないときに、前記キャップ部を前
記ノズル部から離脱させた状態で該保管用キャップを前
記ノズル部に装着するようにしたので、より効果的にノ
ズル部を密閉することができるようになり、信頼性の維
持,確保をさらに完全に行うことができる。
【0039】請求項8の発明は、請求項1ないし7いず
れか1の発明において、前記別液体導入手段に導入され
る前記インクとは別の液体として、前記インク導入手段
により導入されるインク液の組成から着色剤を除いてな
る組成を有する液体を用いるようにしたので、不要な析
出物を生じたりすることなく、スムーズに支障なく置換
ができるようになり、さらに、ノズル部に付着した乾燥
固化したインク染料等を容易に溶かすことができ、高い
洗浄性能が得られる。
【0040】請求項9の発明は、請求項1ないし8いず
れか1の発明において、前記別液体導入手段に導入され
る前記インクとは別の液体として、前記インク導入手段
により導入されるインクより低粘度の液体を用いるよう
にしたので、ヘッド部の液体を置換する際に、非常にス
ムーズに置換でき、置換及び洗浄作業を短時間に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェット記録装置の一実
施例を説明するための構成概念図である。
【図2】 本発明によるインクジェット記録装置の他の
実施例を説明するための構成概念図である。
【図3】 本発明によるインクジェット記録装置の更に
他の実施例を説明するための構成概念図である。
【図4】 本発明によるインクジェット記録装置の更に
他の実施例を説明するための構成概念図である。
【図5】 本発明によるインクジェット記録装置の更に
他の実施例を説明するための構成概念図である。
【図6】 本発明によるインクジェット記録装置の更に
に他の実施例を説明するための構成概念図である。
【図7】 ラージアレイタイプのインクジェットヘッド
の一例を示す斜視図である。
【図8】 バブルジェット方式のインク滴噴射原理を説
明するための概念図である。
【図9】 従来のインクジェット記録装置の一例を説明
するための構成概念図である。
【符号の説明】
10…(インクジェット)ヘッド、10n…ノズル面、
20…インク容器、30…洗浄液容器、40…キャップ
部、50…バキュームポンプ、60…加圧ポンプ、70
…保管用キャップ、80…ヘッド、81…ノズル、82
…電極、83…インク導入口、84…流路・液室板、8
5…発熱体基板、91…インク、92…気泡、93…ノ
ズル、94…流路、95…発熱体基板、96…発熱体、
97…第1電極(制御電極)、98…第2電極(アース
電極)、99…インク滴、i…インク滴、Vc,Vi,
Vs,Vp,Vv…バルブ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液を噴射させるための複数個のノ
    ズルを形成するノズル部,該ノズルに連通する流路,及
    び該流路に連通する液室を有するヘッドと、前記液室に
    インクを導入するインク導入手段とを有するインクジェ
    ット記録装置において、該インク導入手段により導入さ
    れるインクとは別の液体を前記液室に導入する別液体導
    入手段を設け、前記インク導入手段または前記別液体導
    入手段を作動させることにより、前記ヘッド内の前記イ
    ンクまたは前記別の液体のいずれかの液体を他方の液体
    に置換できるようにしたことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 前記インクを導入するために前記液室に
    設けられるインク導入口と、前記別の液体を導入するた
    めに前記液室に設けられる別液体導入口とを共通の導入
    口として有し、前記インク液室に導入する前記インクま
    たは前記別の液体を選択して切り替える切り替え手段を
    設けることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記インクを導入するために前記液室に
    設けられるインク導入口と、前記別の液体を導入するた
    めに前記液室に設けられる別液体導入口とを個別に有す
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録装置。
  4. 【請求項4】 前記ノズルのインク噴射口を覆い、前記
    ノズル部に着脱可能なキャップ部と、前記キャップ部を
    前記ノズル部に装着した状態で前記ノズルに連通する前
    記キャップ部内を減圧する減圧手段とを有し、前記ヘッ
    ド内の液体を置換するに際し、前記減圧手段を作動させ
    るようにしたことを特徴とする請求項1ないし3いずれ
    か1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記キャップ部を前記ノズル部に装着し
    た状態で前記ノズルに連通する前記キャップ部内を加圧
    する加圧手段を設け、前記ヘッド内の液体を置換するに
    際し、前記減圧手段と前記加圧手段とを切り替えて作動
    させるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記ノズルのインク噴射口を覆い、前記
    ノズル部に着脱可能なキャップ部、及び該キャップ部を
    前記ノズル部に装着した状態で前記ノズルに連通する前
    記キャップ部内を減圧する減圧手段及び/または前記キ
    ャップ部を前記ノズル部に装着した状態で前記ノズルに
    連通する前記キャップ部内を加圧する加圧手段を有し、
    前記キャップ部は、前記複数のノズルのうち同一色のイ
    ンクを用いるノズル群毎に設けられ、前記減圧手段及び
    /または前記加圧手段は、共通の減圧源及び/または加
    圧源を用いて前記同一色のインクを用いるノズル群毎に
    減圧及び/または加圧を行うことができるように構成さ
    れることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1に記
    載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記ノズル部に装着し前記ノズルのイン
    ク噴射口を密閉可能な保管用キャップを備え、インク噴
    射動作を行わないときに、前記キャップ部を前記ノズル
    部から離脱させた状態で該保管用キャップを前記ノズル
    部に装着するようにしたことを特徴とする請求項4ない
    し6いずれか1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記別液体導入手段に導入される前記イ
    ンクとは別の液体として、前記インク導入手段により導
    入されるインク液の組成から着色剤を除いてなる組成を
    有する液体を用いるようにしたことを特徴とする請求項
    1ないし7いずれか1に記載のインクジェット記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記別液体導入手段に導入される前記イ
    ンクとは別の液体として、前記インク導入手段により導
    入されるインクより低粘度の液体を用いるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1ないし8いずれか1に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
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