JPH115770A - N−エチル−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリンの製造方法 - Google Patents
N−エチル−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリンの製造方法Info
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- JPH115770A JPH115770A JP9172798A JP17279897A JPH115770A JP H115770 A JPH115770 A JP H115770A JP 9172798 A JP9172798 A JP 9172798A JP 17279897 A JP17279897 A JP 17279897A JP H115770 A JPH115770 A JP H115770A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 臨床検査等に於いて有用な被酸化性呈色試薬
の中間原料である、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオ
ロアニリンが、高収率で得られる方法を提供。 【解決手段】 下記一般式[I] 【化1】 (式中、Xは環状アシル基を表す。)で示されるN-エチ
ル-3,5-ジメトキシアニリン誘導体に、フッ素化剤を作
用させて下記一般式[II] 【化2】 (式中、Xは前記と同じ。)で示されるN-エチルー3,5-
ジメトキシ-4-フルオロアニリン誘導体とした後、X基
を脱離させることを特徴とする、N-エチル-3,5-ジメト
キシ-4-フルオロアニリンの製造方法。
の中間原料である、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオ
ロアニリンが、高収率で得られる方法を提供。 【解決手段】 下記一般式[I] 【化1】 (式中、Xは環状アシル基を表す。)で示されるN-エチ
ル-3,5-ジメトキシアニリン誘導体に、フッ素化剤を作
用させて下記一般式[II] 【化2】 (式中、Xは前記と同じ。)で示されるN-エチルー3,5-
ジメトキシ-4-フルオロアニリン誘導体とした後、X基
を脱離させることを特徴とする、N-エチル-3,5-ジメト
キシ-4-フルオロアニリンの製造方法。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば臨床検査等
の分野に於いて被酸化性呈色試薬として用いられるN-エ
チル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメト
キシフルオロアニリン(FDAOS)の合成中間体とし
て有用な、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリ
ンの製造方法に関する。
の分野に於いて被酸化性呈色試薬として用いられるN-エ
チル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメト
キシフルオロアニリン(FDAOS)の合成中間体とし
て有用な、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリ
ンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロア
ニリンは、臨床検査に於ける被酸化性呈色試薬として重
要な化合物の1つであるN-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-
スルホプロピル)-3,5-ジメトキシフルオロアニリン(F
DAOS)の合成中間体として有用である。N-エチル-
3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの製造方法として
は、N-エチル-N-(tertーブトキシカルボニル)ー3,5-ジメ
トキシアニリンにフッ素化剤を作用させる方法が知られ
ている。この方法では、フッ素化と同時に保護基である
tertーブトキシカルボニル基の脱離も起こるので、フッ
素化の選択性が悪く、目的物であるN-エチル-3,5-ジメ
トキシ-4-フルオロアニリンの収率は、8〜9%と低
い。
ニリンは、臨床検査に於ける被酸化性呈色試薬として重
要な化合物の1つであるN-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-
スルホプロピル)-3,5-ジメトキシフルオロアニリン(F
DAOS)の合成中間体として有用である。N-エチル-
3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの製造方法として
は、N-エチル-N-(tertーブトキシカルボニル)ー3,5-ジメ
トキシアニリンにフッ素化剤を作用させる方法が知られ
ている。この方法では、フッ素化と同時に保護基である
tertーブトキシカルボニル基の脱離も起こるので、フッ
素化の選択性が悪く、目的物であるN-エチル-3,5-ジメ
トキシ-4-フルオロアニリンの収率は、8〜9%と低
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑み、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリン
が収率良く得られる方法を提供することを課題とする。
に鑑み、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリン
が収率良く得られる方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、N-エチル-3,5-ジ
メトキシ-4-フルオロアニリンが選択性良く高収率で得
られる方法を見いだすに到った。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、N-エチル-3,5-ジ
メトキシ-4-フルオロアニリンが選択性良く高収率で得
られる方法を見いだすに到った。
【0005】即ち、本発明は、下記一般式[I]
【0006】
【化3】
【0007】(式中、Xは環状アシル基を表す。)で示
されるN-エチル-3,5-ジメトキシアニリン誘導体に、フ
ッ素化剤を作用させて下記一般式[II]
されるN-エチル-3,5-ジメトキシアニリン誘導体に、フ
ッ素化剤を作用させて下記一般式[II]
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Xは前記と同じ。)で示されるN-
エチルー3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリン誘導体とし
た後、X基を脱離させることを特徴とする、N-エチル-
3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの製造方法、であ
る。
エチルー3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリン誘導体とし
た後、X基を脱離させることを特徴とする、N-エチル-
3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの製造方法、であ
る。
【0010】本発明で、原料物質として用いるN-エチル
-3,5-ジメトキシアニリン誘導体は、市販品が入手可能
であれば、それをそのまま或いは必要に応じて適宜精製
して用いれば良いが、既知の方法、例えば、3,5-ジメト
キシアニリンを出発物質として、このアミノ基を上記一
般式中Xで示される環状アシル基を有するアシル化剤、
例えばベンゾイルクロライド等と塩基性条件下で反応さ
せることによりアシル化した後、ヨウ化エチルを用いて
N-エチル化することによって容易に製造し得るので、そ
のようにして合成したものを用いれば良い。
-3,5-ジメトキシアニリン誘導体は、市販品が入手可能
であれば、それをそのまま或いは必要に応じて適宜精製
して用いれば良いが、既知の方法、例えば、3,5-ジメト
キシアニリンを出発物質として、このアミノ基を上記一
般式中Xで示される環状アシル基を有するアシル化剤、
例えばベンゾイルクロライド等と塩基性条件下で反応さ
せることによりアシル化した後、ヨウ化エチルを用いて
N-エチル化することによって容易に製造し得るので、そ
のようにして合成したものを用いれば良い。
【0011】本発明に係る一般式[I]及び[II]にお
いてXで示される環状アシル基はフッ素の位置選択性を
高め、フッ素化収率が向上するような置換基が好まし
く、かさ高い構造を持ち、フッ素導入時の条件では脱離
せずに、その後、適当な条件で脱離できるような置換基
であり、そのような置換基の具体例として、例えば下式
で示される置換基が挙げられる。
いてXで示される環状アシル基はフッ素の位置選択性を
高め、フッ素化収率が向上するような置換基が好まし
く、かさ高い構造を持ち、フッ素導入時の条件では脱離
せずに、その後、適当な条件で脱離できるような置換基
であり、そのような置換基の具体例として、例えば下式
で示される置換基が挙げられる。
【0012】
【化5】
【0013】(式中、Rは置換基を有していてもよい環
状の炭化水素残基を表す。) 上記のRで示される置換基を有していてもよい環状の炭
化水素残基とは、置換基を有しても良いアリール基、あ
るいはそのアリール基が部分的または完全に水素で飽和
された環状のアルキル基であり、そのRの置換基として
は炭素数が1〜4の低級アルキル基、炭素数が1〜4の
低級アルコキシル基、ニトロ基、アシル基、ハロゲンな
どが挙げられる。Rについてさらに具体的に例示すれ
ば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニ
ル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、ジメ
トキシフェニル基などの置換を有しても良いフェニル
基;ナフチル基、メチルナフチル基、メトキシナフチル
基、フェナントリル基、アントリル基等の置換基を有し
ても良い縮合芳香環基;あるいはこれらの芳香環基が水
素で部分的または完全に飽和されたシクロアルケニル
基、シクロアルキニル基及びシクロアルキル基等が挙げ
られる。
状の炭化水素残基を表す。) 上記のRで示される置換基を有していてもよい環状の炭
化水素残基とは、置換基を有しても良いアリール基、あ
るいはそのアリール基が部分的または完全に水素で飽和
された環状のアルキル基であり、そのRの置換基として
は炭素数が1〜4の低級アルキル基、炭素数が1〜4の
低級アルコキシル基、ニトロ基、アシル基、ハロゲンな
どが挙げられる。Rについてさらに具体的に例示すれ
ば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニ
ル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、ジメ
トキシフェニル基などの置換を有しても良いフェニル
基;ナフチル基、メチルナフチル基、メトキシナフチル
基、フェナントリル基、アントリル基等の置換基を有し
ても良い縮合芳香環基;あるいはこれらの芳香環基が水
素で部分的または完全に飽和されたシクロアルケニル
基、シクロアルキニル基及びシクロアルキル基等が挙げ
られる。
【0014】本発明は、N-エチル-3,5-ジメトキシアニ
リン誘導体をフッ素化し、次いでアシル基を脱離させる
という2段階からなるが、フッ素化、脱アシル化は自体
公知の方法により実施可能である。即ち、一般式[I]
で示される化合物とフッ素化剤とを適当な溶媒中、要す
れば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下
で反応させた後、生成物を常法、例えば濃縮、精製等の
処理をすることにより、一般式[II]で示される化合物
が得られる。これを更に常法、例えばProtective group
s in organic synthesis (John Wiley & Sons, New Yor
k, 1981)などに記載されているアシル基の脱離条件、即
ち塩酸酸性条件下の加水分解等によりX基を脱離させれ
ば、目的のN-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリ
ンが容易に得られる。
リン誘導体をフッ素化し、次いでアシル基を脱離させる
という2段階からなるが、フッ素化、脱アシル化は自体
公知の方法により実施可能である。即ち、一般式[I]
で示される化合物とフッ素化剤とを適当な溶媒中、要す
れば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下
で反応させた後、生成物を常法、例えば濃縮、精製等の
処理をすることにより、一般式[II]で示される化合物
が得られる。これを更に常法、例えばProtective group
s in organic synthesis (John Wiley & Sons, New Yor
k, 1981)などに記載されているアシル基の脱離条件、即
ち塩酸酸性条件下の加水分解等によりX基を脱離させれ
ば、目的のN-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリ
ンが容易に得られる。
【0015】本発明に於いて用いられるフッ素化剤とし
ては、N-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフ
ルオロボレート、N-フルオロ-3,5-クロロピリジニウム
テトラフルオロボレート、N-フルオロ-2,6-ジクロロピ
リジニウムトリフレート、N-フルオロ-3,5-ジクロロピ
リジニウムトリフレート等が挙げられ、中でもN-フルオ
ロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフルオロボレート
が好ましい。本発明に於いて、フッ素化剤の使用量は、
一般式[I]で示される化合物1当量に対して、1〜10
当量、好ましくは1〜3当量である。
ては、N-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフ
ルオロボレート、N-フルオロ-3,5-クロロピリジニウム
テトラフルオロボレート、N-フルオロ-2,6-ジクロロピ
リジニウムトリフレート、N-フルオロ-3,5-ジクロロピ
リジニウムトリフレート等が挙げられ、中でもN-フルオ
ロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフルオロボレート
が好ましい。本発明に於いて、フッ素化剤の使用量は、
一般式[I]で示される化合物1当量に対して、1〜10
当量、好ましくは1〜3当量である。
【0016】本発明に於けるフッ素化の反応溶媒につい
ては、それ自体反応に関与しなければ特に限定されない
が、例えばジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素溶媒、例えば、エーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル系溶媒が用いられる。
ては、それ自体反応に関与しなければ特に限定されない
が、例えばジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素溶媒、例えば、エーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル系溶媒が用いられる。
【0017】本発明に於けるフッ素化の反応温度につい
ては、反応温度によってフッ素化の位置選択性が影響を
受けることはないので特に限定されず、0℃付近から溶
媒の沸点温度で行うことができるが、好ましくは室温か
ら溶媒の沸点温度、さらに好ましくは30〜45℃である。
本発明に於けるフッ素化の反応時間については、特に限
定されず、反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TL
C)や高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で追跡
し適宜終点をきめればよいが、通常1時間から100時間
程度、好ましくは36〜48時間である。以下に実施例を挙
げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに
より何等制約を受けるものではない。
ては、反応温度によってフッ素化の位置選択性が影響を
受けることはないので特に限定されず、0℃付近から溶
媒の沸点温度で行うことができるが、好ましくは室温か
ら溶媒の沸点温度、さらに好ましくは30〜45℃である。
本発明に於けるフッ素化の反応時間については、特に限
定されず、反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TL
C)や高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で追跡
し適宜終点をきめればよいが、通常1時間から100時間
程度、好ましくは36〜48時間である。以下に実施例を挙
げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに
より何等制約を受けるものではない。
【0018】
参考例1. N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシアニリンの
合成 3,5-ジメトキシアニリン 10.0gを室温下、アセトニト
リル 50mlに溶解させた後、ピリジン 6.4gを加えた。
次いで温度を10℃以下にしてアセトニトリル 20mlに溶
解したベンゾイルクロライド 11.4gをゆっくり滴下
し、10℃以下で1時間攪拌した。更に50℃で3時間攪拌
した後、アセトニトリルを濃縮し、残渣に水を加え、酢
酸エチルで抽出した。次に有機層を10%塩酸水、飽和食
塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去してN-ベンゾイル-3,5-ジメトキシアニリン 17.5gを
得た。
合成 3,5-ジメトキシアニリン 10.0gを室温下、アセトニト
リル 50mlに溶解させた後、ピリジン 6.4gを加えた。
次いで温度を10℃以下にしてアセトニトリル 20mlに溶
解したベンゾイルクロライド 11.4gをゆっくり滴下
し、10℃以下で1時間攪拌した。更に50℃で3時間攪拌
した後、アセトニトリルを濃縮し、残渣に水を加え、酢
酸エチルで抽出した。次に有機層を10%塩酸水、飽和食
塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去してN-ベンゾイル-3,5-ジメトキシアニリン 17.5gを
得た。
【0019】参考例2. N-エチル-N-ベンゾイル-3,5-
ジメトキシアニリンの合成 N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシアニリン 8.8gのテトラ
ヒドロフラン 45mlの溶液をテトラヒドロフラン 10mlに
懸濁した60%水素化ナトリウム 2.3gに10℃以下で滴下
し1時間攪拌後、更にヨウ化エチル 8.0gのテトラヒド
ロフラン 16ml溶液を10℃以下で滴下した。10℃で1時
間攪拌後、更に50℃で5時間攪拌した。氷冷下、反応液
にテトラヒドロフラン 20ml、水 30mlをゆっくり滴下し
て攪拌した。次に10%塩酸水でpH6.5から7.0に調整した
後、テトラヒドロフランを留去した。濃縮残渣を酢酸エ
チルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水、飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を留去してN-エチル-N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシア
ニリン 9.7gを得た。
ジメトキシアニリンの合成 N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシアニリン 8.8gのテトラ
ヒドロフラン 45mlの溶液をテトラヒドロフラン 10mlに
懸濁した60%水素化ナトリウム 2.3gに10℃以下で滴下
し1時間攪拌後、更にヨウ化エチル 8.0gのテトラヒド
ロフラン 16ml溶液を10℃以下で滴下した。10℃で1時
間攪拌後、更に50℃で5時間攪拌した。氷冷下、反応液
にテトラヒドロフラン 20ml、水 30mlをゆっくり滴下し
て攪拌した。次に10%塩酸水でpH6.5から7.0に調整した
後、テトラヒドロフランを留去した。濃縮残渣を酢酸エ
チルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水、飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を留去してN-エチル-N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシア
ニリン 9.7gを得た。
【0020】実施例1. N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-
フルオロアニリンの合成 N-エチル-N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシアニリン 1.0g
の塩化メチレン 10mlの溶液に、窒素ガス雰囲気下、室
温でN-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフル
オロボレート 1.33gを加え、室温で4日間攪拌反応さ
せた。次いで反応液に氷水を加え、1N 水酸化ナトリ
ウムでpH11以上に調整した後、分液し、有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
留去した。濃縮残査 1.7gをカラムクロマトグラフィー
[充填剤:ワコーゲルC-300(和光純薬工業(株)登録商
標)、溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=3:97]で精
製し、N-エチル-N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシ-4-フル
オロアニリン 0.32gを得た。N-エチル-N-ベンゾイル-
3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリン 1.0gを濃塩酸4m
lで85℃、4時間加熱した後、反応液を氷冷した。次い
で反応液へ水を加え、1N 水酸化ナトリウムでpHを10
に調整した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去し、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンを
0.41g得た。収率18.8%。
フルオロアニリンの合成 N-エチル-N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシアニリン 1.0g
の塩化メチレン 10mlの溶液に、窒素ガス雰囲気下、室
温でN-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフル
オロボレート 1.33gを加え、室温で4日間攪拌反応さ
せた。次いで反応液に氷水を加え、1N 水酸化ナトリ
ウムでpH11以上に調整した後、分液し、有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
留去した。濃縮残査 1.7gをカラムクロマトグラフィー
[充填剤:ワコーゲルC-300(和光純薬工業(株)登録商
標)、溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=3:97]で精
製し、N-エチル-N-ベンゾイル-3,5-ジメトキシ-4-フル
オロアニリン 0.32gを得た。N-エチル-N-ベンゾイル-
3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリン 1.0gを濃塩酸4m
lで85℃、4時間加熱した後、反応液を氷冷した。次い
で反応液へ水を加え、1N 水酸化ナトリウムでpHを10
に調整した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去し、N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンを
0.41g得た。収率18.8%。
【0021】比較例1. N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-
フルオロアニリンの合成 (1)N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジメトキシアニリ
ンの合成 3,5-ジメトキシアニリン 25.0g(0.163mol)をアセトニ
トリル 250mlに溶解させ、1N 水酸化ナトリウム溶液
81.5ml(0.0815mol)を加え温度を35℃に加温した。こ
のままの温度で二炭酸ジ-t-ブチル 53.0g(0.243mol)
を滴下し35〜40℃で5時間反応させた。反応終了後、ア
セトニトリルの半量を濃縮し、濃塩酸 36mlでpH調整(p
H 11から2.6)した。次いで、酢酸エチル 220mlを加え
抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び
飽和食塩水で洗浄し、有機層を濃縮して、N-t-ブトキシ
カルボニル-3,5-ジメトキシアニリン 41.4g(収率 10
0.3%)を得た。 (2)N-エチル-N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジメトキ
シアニリンの合成 60%水素化ナトリウム 5.8g(0.145mol)をテトラヒド
ロフラン 360mlに懸濁させ、10℃以下でテトラヒドロフ
ラン 128mlに溶解した N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジ
メトキシアニリン 32.0g(0.126mol)をゆっくりと滴
下し、徐々に温度を上げて25℃で2時間反応させた。次
いでテトラヒドロフラン 50mlに溶解したヨウ化エチル
25.6g(0.164mol)を35℃でゆっくりと滴下し、そのま
まの温度で4時間反応させた。反応終了後、氷冷下、水
240mlを加え、濃塩酸で中和し、反応液を減圧濃縮し、
約400mlの溶媒を留去した。濃縮残査にイソプロピルエ
ーテル 300mlを加えて抽出し、有機層を30%チオ硫酸ナ
トリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄した後、イソプ
ロピルエーテルを減圧濃縮して、N-エチル-N-t-ブトキ
シカルボニル-3,5-ジメトキシアニリン 36.8g(収率 1
03.8%)を得た。 (3)N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの
合成 N-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフルオロ
ボレートを塩化メチレンに懸濁させ、塩化メチレンに溶
解したN-エチル-N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジメトキ
シアニリンをゆっくりと滴下し、還流条件下5時間反応
させた。反応終了後、反応液に氷水を加え、4N 水酸
化ナトリウム水溶液で中和後、有機層を分液し、減圧濃
縮してN-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの
粗製体を得た。この粗製体をカラムクロマトグラフィー
[充填剤:ワコーゲルC-300(和光純薬工業(株)登録商
標)、溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:9〜1:
3]で精製し、 N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロ
アニリン 0.99gを得た。収率 8.2%。実施例1及び比
較例1の結果から、本発明の方法を用いることにより、
N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンが従来よ
りも高収率で得られるようになることが判る。
フルオロアニリンの合成 (1)N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジメトキシアニリ
ンの合成 3,5-ジメトキシアニリン 25.0g(0.163mol)をアセトニ
トリル 250mlに溶解させ、1N 水酸化ナトリウム溶液
81.5ml(0.0815mol)を加え温度を35℃に加温した。こ
のままの温度で二炭酸ジ-t-ブチル 53.0g(0.243mol)
を滴下し35〜40℃で5時間反応させた。反応終了後、ア
セトニトリルの半量を濃縮し、濃塩酸 36mlでpH調整(p
H 11から2.6)した。次いで、酢酸エチル 220mlを加え
抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び
飽和食塩水で洗浄し、有機層を濃縮して、N-t-ブトキシ
カルボニル-3,5-ジメトキシアニリン 41.4g(収率 10
0.3%)を得た。 (2)N-エチル-N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジメトキ
シアニリンの合成 60%水素化ナトリウム 5.8g(0.145mol)をテトラヒド
ロフラン 360mlに懸濁させ、10℃以下でテトラヒドロフ
ラン 128mlに溶解した N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジ
メトキシアニリン 32.0g(0.126mol)をゆっくりと滴
下し、徐々に温度を上げて25℃で2時間反応させた。次
いでテトラヒドロフラン 50mlに溶解したヨウ化エチル
25.6g(0.164mol)を35℃でゆっくりと滴下し、そのま
まの温度で4時間反応させた。反応終了後、氷冷下、水
240mlを加え、濃塩酸で中和し、反応液を減圧濃縮し、
約400mlの溶媒を留去した。濃縮残査にイソプロピルエ
ーテル 300mlを加えて抽出し、有機層を30%チオ硫酸ナ
トリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄した後、イソプ
ロピルエーテルを減圧濃縮して、N-エチル-N-t-ブトキ
シカルボニル-3,5-ジメトキシアニリン 36.8g(収率 1
03.8%)を得た。 (3)N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの
合成 N-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフルオロ
ボレートを塩化メチレンに懸濁させ、塩化メチレンに溶
解したN-エチル-N-t-ブトキシカルボニル-3,5-ジメトキ
シアニリンをゆっくりと滴下し、還流条件下5時間反応
させた。反応終了後、反応液に氷水を加え、4N 水酸
化ナトリウム水溶液で中和後、有機層を分液し、減圧濃
縮してN-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンの
粗製体を得た。この粗製体をカラムクロマトグラフィー
[充填剤:ワコーゲルC-300(和光純薬工業(株)登録商
標)、溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:9〜1:
3]で精製し、 N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロ
アニリン 0.99gを得た。収率 8.2%。実施例1及び比
較例1の結果から、本発明の方法を用いることにより、
N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンが従来よ
りも高収率で得られるようになることが判る。
【0022】
【発明の効果】本発明は、例えば臨床検査等の分野に於
いて被酸化性呈色試薬として用いられるN-エチル-N-(2-
ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシフルオ
ロアニリン(FDAOS)の合成中間体として有用な、
N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンが、高収
率で得られる方法を提供するものであり、斯業に貢献す
るところ大なる発明である。
いて被酸化性呈色試薬として用いられるN-エチル-N-(2-
ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシフルオ
ロアニリン(FDAOS)の合成中間体として有用な、
N-エチル-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリンが、高収
率で得られる方法を提供するものであり、斯業に貢献す
るところ大なる発明である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式[I] 【化1】 (式中、Xは環状アシル基を表す。)で示されるN-エチ
ル-3,5-ジメトキシアニリン誘導体に、フッ素化剤を作
用させて下記一般式[II] 【化2】 (式中、Xは前記と同じ。)で示されるN-エチルー3,5-
ジメトキシ-4-フルオロアニリン誘導体とした後、X基
を脱離させることを特徴とする、N-エチル-3,5-ジメト
キシ-4-フルオロアニリンの製造方法。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172798A JPH115770A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | N−エチル−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172798A JPH115770A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | N−エチル−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH115770A true JPH115770A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15948571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9172798A Withdrawn JPH115770A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | N−エチル−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH115770A (ja) |
-
1997
- 1997-06-13 JP JP9172798A patent/JPH115770A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |