JPH1157683A - 光ディスク廃棄物の処理方法及び処理装置 - Google Patents

光ディスク廃棄物の処理方法及び処理装置

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JPH1157683A
JPH1157683A JP26479897A JP26479897A JPH1157683A JP H1157683 A JPH1157683 A JP H1157683A JP 26479897 A JP26479897 A JP 26479897A JP 26479897 A JP26479897 A JP 26479897A JP H1157683 A JPH1157683 A JP H1157683A
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tank
optical disk
film
aqueous solution
waste
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JP26479897A
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Takahiro Minami
恭廣 南
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスク廃棄物について、その形成膜を剥
離し、樹脂基板を回収する方法及びその装置を提供す
る。 【解決手段】 攪拌槽に廃光ディスクと苛性ソーダを含
む強アルカリ水溶液を供給した後、内容物を75℃以上
に加熱しながら、その表面叉は周りに摩擦体が設けられ
た攪拌体を槽内で回転することにより、廃光ディスクの
形成膜を基板から剥離し、同攪拌槽にて洗浄攪拌後、基
板を回収する方法で、その装置は、横断面が正四角形で
縦断面が上広がりの形状をした槽1と、該槽の外側の側
壁面を取り巻くようにして設けた加熱ジャケット3と、
該槽の内部に槽体の縦方向の中心線に合わせられてほぼ
垂直に差し渡され上部で電動モータ4に連結している回
転軸5と、該回転軸に固定され且つ回転軸に対しほぼ直
角に突き出た複数の攪拌板6とから構成され、該攪拌板
に螺旋状に小さく幾重にもカールした偏平ステンレス線
の小線塊から成る螺髪状の摩擦体が装着されていること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】 本発明は、CD、MD、CD−ROM、
ビディオディスクなど光ディスクの廃棄物について、そ
の形成膜を剥離処理し樹脂基板を回収する方法及びその
装置に関する。
【従来の技術】
【0002】光ディスクは、ポリカーボネイト樹脂、ア
クリル樹脂など透明度の高い樹脂から成る円盤状の基板
の上に、深さ1ミクロン以下の穴(ピットと呼ばれる)
を形成し、その上に主としてアルミニュウム(以下、ア
ルミと略称する)、希に金や銅から成る光反射のための
薄膜(以下、反射膜叉は単に薄膜という)を蒸着法など
によって形成し、さらにその上を樹脂製の保護膜で覆っ
たものであって、レーザー光線により読み書きする記録
媒体である。製品としては、オーディオ用のコンパクト
ディスク(略称、CD)、同用途で円盤径の小さいミニ
ディスク(略称、MD)、コンピュータの外部記憶媒体
として用いられるCD−ROM、動画記録などに使用さ
れるビディオディスクなどがある。
【0003】なお、完成品では、その殆どに、盤の保護
膜面に印刷インクが塗工されているか叉は印刷膜が貼着
されている(これら塗工された印刷インクの膜叉は貼着
された印刷の樹脂膜を、単に印刷膜という)。なお、製
造段階で、印刷工程以前の工程で出る不良品にはこのよ
うな印刷膜はない。
【0004】これら光ディスクは、流通段階で売れ残り
などを原因として、かなりの廃棄製品が出る。また、製
造段階でも、基板の射出成形、金属薄膜蒸着、保護膜形
成、及び印刷の各工程で不良品が出る。
【0005】しかし、これら廃棄製品叉は不良品(併せ
て、光ディスク廃棄物叉は廃光ディスクという。尚、こ
こでいう光ディスク廃棄物は、有価物であると否とを問
わない。)の多くは、圧刻叉は裁断により使用不能の状
態にして廃棄物として出され焼却処理されているのが現
状であり、基板のポリカーボネイト樹脂を利用するため
溶解し他の用途に成形されている廃光ディスクもかなり
あるとは言え、金属薄膜をもそのまま溶解する処置であ
り、単なる廃物利用で極めて用途が限られているのが実
状である。
【0006】廃棄物は、資源リサイクルの精神からし
て、可能な限りその素材を分別・分離して回収し及び原
料に再生し、再使用していくことが重要である。廃光デ
ィスクの場合、原料比率が大きく叉回収価値があるの
は、殆どの光ディスクで基板として使われているポリカ
ーボネイト樹脂である。また、殆どの場合、金属薄膜は
アルミであって、その上の保護膜もポリカーボネイト樹
脂であることが多い。よって、廃光ディスクの処理は、
主としてポリカーボネイト樹脂から成る基板から、主と
してアルミ、希に金・銅などから成る金属薄膜と多くの
場合ポリカーボネイト樹脂から成る保護膜と顔料及び接
着剤を含む印刷膜とから成る形成膜を、いかにして分離
するかという問題となる。
【0007】基板から形成膜を分離する方法としては、
廃光ディスクの形成膜面に、アルミ薄膜叉はその下の基
板に至る細長い刻み傷を何本も付け、これを酸叉はアル
カリの水溶液に浸漬しながら、形成膜面に向けて超音波
を照射することも試みられている。これは、盤に保護膜
を越える傷を付けることによって、この傷口から酸叉は
アルカリの液を浸入させ、アルミ薄膜の腐食を行い、超
音波の洗浄原理によって、腐食したアルミ膜を含む形成
膜の剥落、及び液の代謝及び浸透を促進しようとするも
のと推察される。
【0008】しかし、この方法では、超音波を形成膜面
に照射する必要から、処理する多くの廃光ディスクを浸
漬液中で形成膜面が超音波照射方向に向くよう整然と配
列しなければならない。また、何よりも、廃光ディスク
の形成膜面を一つづつ識別し、刃物等によりなるべく一
定間隔の刻み傷をつけねばならないなどの手間が必要と
なる。また、現状では、処理する廃光ディスクは、酸叉
はアルカリの液中に懸架して浸漬することから、中央に
穴のある未裁断のものである必要性や、刻み傷付けとの
関係で、盤のサイズを整える必要性など、実用的視点で
は余りにも多くの制約がある。
【0009】さらに、希ではあるが、酸やアルカリに侵
されない金を反射膜として形成した廃光ディスクの場
合、上記方法による形成膜剥離は、かなり困難か、非常
に時間がかかるものと推察される。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】本発明は、かかる実状を考慮しなされたも
ので、多様な光ディスク廃棄物についてその形成膜を剥
離し、樹脂基板を回収する簡便で実用的な方法、及びそ
のための装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】上記課題を解決するため、本発明における
廃光ディスクの処理方法は、いわば適度な攪拌衝撃を加
味した浸漬攪拌・摩擦法とも呼ぶべきものであって、ま
ず、横断面が正四角形で縦断面が上広がりの形状をした
液体を保持できる槽、叉は横断面が円形で縦断面が上広
がりの形状をした容器の内壁面に複数の邪魔板を設けた
液体を保持できる槽のいづれかの槽(以下、該槽とい
う)を用い、該槽に廃光ディスクと苛性ソーダを含む強
アルカリ水溶液とを供給した後、該槽の外側に設けた加
熱器をもって槽内の廃光ディスクが混入した強アルカリ
水溶液(以下、内容物ともいう)を75℃以上に熱し、
該槽の内部に槽体形状の縦方向の中心線に合わしてほぼ
垂直に差し渡した回転軸と略長板でその一方の短辺部分
が該回転軸に固定され該長板全体が回転軸に対しほぼ直
角に槽内壁面に向けて突き出且つその周りに螺旋状に小
さく幾重にもカールした偏平ステンレス線の小線塊群を
装着した複数の攪拌板とから成る回転体を、該槽の外側
上部に在って回転軸に連結している電動モータを駆動し
て回転させ、内容物を攪拌し、事後該槽から形成膜が除
去された樹脂基板を回収することを特徴とする。
【0012】また、上記方法を実施するための廃光ディ
スクの処理装置は、横断面が正四角形で縦断面が上広が
りの形状をした液体を保持できる槽、叉は横断面が円形
で縦断面が上広がりの形状をした容器の内壁面に複数の
邪魔板を設けた液体を保持できる槽のいづれかの槽と、
該槽の外側に設けられ槽内の内容物を熱する加熱器と、
該槽の外側上部に在る電動モータと、該電動モータに連
結され槽の内部に槽体形状の縦方向の中心線に合わされ
てほぼ垂直に差し渡された回転軸と、略長板でその一方
の短辺部分が該回転軸に固定され該略長板全体が回転軸
に対しほぼ直角に槽内壁面に向けて突き出た複数の攪拌
板とから構成される攪拌装置において、該攪拌板の周り
に螺旋状に小さく幾重にもカールした偏平ステンレス線
の小線塊から成るステンレス螺髪状摩擦体を装着したこ
とを特徴とする。
【0013】なお、前記実施方法は、廃光ディスクにつ
いて、盤全体叉は形成膜面を75℃以上の液温の強アル
カリ水溶液に浸漬しながら、硬度2.5以上の物質から
成る叉は該物質を砥材として含む物質より成る線塊、
網、布、ブラシ若しくは鑢叉は砥石をもって形成膜面を
摩擦すること(これを、浸漬・摩擦操作という)、叉は
該浸漬・摩擦操作に加え、盤に曲げ、捩り、圧縮叉は衝
撃の力をその応力集中箇所を変えながら複数回加える操
作を、該浸漬・摩擦操作を行う前に叉はこれと同時に併
せ行うことを特徴とする光ディスクの形成膜を剥離する
方法に基づく。
【発明の実施の形態】
【0014】実験から得られる重要な原理として、光デ
ィスクは、その形成膜面を高温の強アルカリ物質を含む
水溶液(単に、強アルカリ水溶液ともいう)に浸漬しな
がら硬度2.5以上の物質から成る叉は硬度2.5以上
の物質を砥材として含む物質より成る線塊、網、布、ブ
ラシ若しくは鑢叉は砥石をもって形成膜面を摩擦する
と、形成膜が基板より剥離する。
【0015】これは次のような実験を行い簡単に確かめ
られる。即ち、実験器具として、耐熱ガラス製の鍋、ガ
スコンロ、坩堝挟み、及び市販のステンレス束子(たわ
し)、実験材料としてアルミ反射膜の4.7インチCD
盤一枚、及び薬剤としてフレーク状苛性ソーダ(単に、
苛性ソーダともいう)を準備する。まず、鍋の中でフレ
ーク状苛性ソーダを水に溶かして1重量%程度の濃度の
苛性ソーダ水溶液をCD盤が該液に充分に浸漬されるく
らいの適量作り、これをガスコンロで加熱して90℃程
度に維持する。そして、CD盤をこの高温の苛性ソーダ
水溶液の中に漬け、CD盤を坩堝挟みで挟んで固定しな
がら、その形成膜面をステンレス束子で摩擦し続ける。
こうした操作をすると、CD盤の形成膜は約25〜30
分くらいで全て基板より剥離し、印刷膜の顔料及び保護
膜の剥離細片などが同水溶液中に分散叉は沈澱する。
【0016】ここで、強アルカリ物質は、上記苛性ソー
ダの他、苛性カリでもよい。また、これら強アルカリ物
質に他のアルカリ物質を混合した水溶液でもよい。しか
し、取扱いとコストの点で苛性ソーダの単独水溶液が優
れている。
【0017】苛性ソーダ水溶液の濃度は、上述のような
極く簡単な器具で均一且つ迅速な摩擦ができにくい実験
の場合、印刷膜のある4.7インチ盤を30分以内を目
処に完全に剥離するには、1重量%程度叉はそれ以上が
必要である。しかし、印刷膜のない盤については、0.
4〜0.6重量%の濃度でも30分以内で完全剥離がで
きる。なお、苛性ソーダ水溶液の液量は、盤が浸漬され
る程度で充分である。形成膜面のみを液に漬し、取り出
して擦り叉膜面のみを漬すことを繰り返す操作をして
も、時間はかかるが、膜は剥離する。苛性ソーダの濃度
が高いと、形成膜を完全に剥離するまでの時間(以下、
剥離処理時間という)は短くなるが、基板樹脂に必要以
上の劣化を招く懸念があり、逆に濃度が低いと剥離処理
時間は長くなり効率が悪い。もっとも、剥離処理時間
は、これら強アルカリ物質の濃度及び印刷膜の有無の
他、盤のサイズと裁断の有無、液温と液量、使用する摩
擦体の種類と摩擦の仕方(力の入れ方と擦る頻度)によ
ってかなり違ってくる。
【0018】光ディスクを浸漬する時の苛性ソーダ水溶
液の液温は、75℃以上、好ましくは85〜95℃であ
る。低温でも剥離は可能であるが、75℃以下では、印
刷膜の剥離が極めて遅くなる。
【0019】擦るもの(摩擦体という)は、ステンレス
束子の他、スチールウール、耐水性サンドペーパー、ポ
リネット、研磨用ナイロン不織布、鉄線や真鍮線の金属
ブラシ、鑢(やすり)叉は砥石まで、研磨材といわれる
物はほぼ全てが有効である。もっとも、上記摩擦体のう
ち、鉄研磨用の研磨材、金属ブラシ、それに鋼鑢などは
硬過ぎ、強アルカリ液による腐食部分を摩擦して剥落さ
せるというより、むしろ、形成膜を削り落とす効果の方
が強く、基板にも無数の深い傷をつけることになる。木
材研磨用叉は樹脂研磨用の耐水性サンドペーパー叉はポ
リネットでも、細目以上に粗い目のものでは、剥離処理
した基板が掻削傷で白濁して見える。
【0020】光ディスクは、印刷膜がない場合には、高
温の苛性ソーダ水溶液中では、硬度2.5の銅ウールで
擦っても、その膜剥離ができる。印刷膜がある場合で
も、硬度3の鉛板による摩擦で、頑強な印刷膜をも含め
形成膜は剥離できる。このように、光ディスクの浸漬・
摩擦で必要な摩擦体は、硬度2.5〜3の物質であれば
よい。むしろ、軟らかい摩擦体のほうが、剥離処理時間
はかかるが、基板への損傷が少ない。また、処理の効率
を無視すればその材の形態は問わない。むしろ、硬い研
磨材を使用する場合に、基板損傷を抑えるため材に弾力
性を持たせ摩擦力を吸収・分散させるなど、材形態への
配慮・工夫が必要になる。
【0021】上記実験で使ったステンレス束子は、厚さ
約30〜40μm、幅約0.5mmの偏平ステンレス線
を螺旋状に直径5mmほどに幾重にもカールしたもの
(以下、偏平ステンレス線カール体叉はカール体とい
う)を重ねて掌サイズの線塊としたものであるが、ステ
ンレス線自体が薄く、またカール体が適度な弾力性をも
っているので、摩擦時の力を吸収し、硬度が高いにもか
かわらず、浸漬・摩擦操作で基板損傷の少ない有用な材
である。
【0022】次に、上記浸漬・摩擦による剥離方法は、
反射膜がアルミでない光ディスクに対しても有効であ
る。例えば、反射膜が強アルカリにも侵されない金から
成る4.7インチCD盤について、ステンレス束子を用
いた浸漬・摩擦法による剥離実験を前述と同じ条件で行
うと、その剥離処理時間は約30〜38分程度であり、
アルミの場合より少し時間はかかるが、問題なく形成膜
は完全剥離する。これは、金は強アルカリにも侵されな
いが、金反射膜は薄く且つ軟らかいので、硬いステンレ
ス製の摩擦体により容易に擦り落とされるためとみられ
る。
【0023】上記浸漬・摩擦による剥離方法では、盤の
形成膜面のみを摩擦したが、槽内で摩擦体を回動叉は流
動できる攪拌槽を用いて、強アルカリ水溶液中で攪拌し
ながら盤全体を摩擦しても、光ディスクの形成膜は容易
に剥離する。この浸漬攪拌・摩擦による剥離法は後述す
る実用化装置の開発の基礎となったものであるが、その
原初的実験は次のようなものであった。
【0024】即ち、実験装置は、琺瑯製の深い鍋と、こ
れを下から熱するガスコンロと、変速・正逆転可能な電
動ドリル用モータと、このモータに連結され鍋蓋の中央
に開けられた穴より鍋内に縦方向に差し込まれた回転軸
棒(以下単に、回転軸という)と、この回転軸に固定さ
れ回転軸に対しほぼ直角に鍋の内壁面に向けて突き出し
鍋内のものを攪拌できる複数の攪拌棒とから成る攪拌槽
で、攪拌棒の周りには、前記偏平ステンレス線カール体
が巻き付けられ針金で要所を攪拌棒に固定され装着され
ている。即ち、装置の複数の攪拌棒は、各々、ステンレ
ス束子の塊を解いて得た偏平ステンレス線カール体でそ
の周りを覆われた格好となっている。この実験装置は、
光ディスクを丸ごと処理するには鍋(槽)の容量が2.
5lと小さく、適切な攪拌のためには盤を裁断したもの
(以下、裁断片という)を実験材料とせざるを得なかっ
たが、その実験結果は、例えば、次のようである。
【0025】剥離実験材料を、アルミ反射膜の4.7イ
ンチCD盤を約35mm平方に入る大きさに切った裁断
片80gとした。まず、鍋に濃度を0.8重量%とした
苛性ソーダ水溶液5dlを注入し、これをガスコンロを
もって加熱し、次いで鍋にCD裁断片を入れ、液温を9
0℃に維持した状態でモータを駆動しこれら内容物を攪
拌した。ここで、攪拌は、モータの回転が最大で220
rpm、15秒毎に正転逆転を繰り返す運転とした。1
5分攪拌運転した後、鍋内の裁断片を取り出し、水洗い
して調べたところ、全ての裁断片について形成膜の痕跡
は認められず完全剥離の状態であった。
【0026】上記実験のような浸漬攪拌・摩擦法では、
入れた盤叉は裁断片(以下、両者併せて単に盤ともい
う)が一箇所に片寄らず液中に分散し叉は流動し且つ盤
が摩擦体に効率良く接触することが重要で、この条件を
満たす装置ならば、上記実験のように摩擦体を攪拌体の
表面叉は周りに固定して設けるやり方ではなく、摩擦体
を処理盤とともに液中で流動させてもよい。例えば、上
記実験装置で、攪拌棒を少し幅のある細板に換え、偏平
ステンレス線カール体をこの細板に装着せず、これを切
って盤の裁断片よりやや大きい塊にして、これを多数、
裁断片とともに槽にいれて攪拌しても上記実験結果に近
い結果が得られる。
【0027】また、ここで必要な攪拌槽も、上記実験で
用いたような水平回転の攪拌槽に限定されない。盤の適
正な分散・流動及び摩擦体との効率的な接触がなされる
なら、他の槽、例えば回転軸が槽内に横方向に差し渡さ
れ攪拌体が垂直方向に回転する垂直回転の攪拌槽などで
もよい。
【0028】また、攪拌体も上記のような棒叉は細長い
板に限定されない。略コの字型でその両端を回転軸に固
定叉は固着させた攪拌枠、叉はねじれのある板状の攪拌
羽根でもよい。また、これらの組み合わせであってもよ
い。また、攪拌体は回転軸に固定(固着をも含む。以下
同じ。)させるのが一般的であるが、回転叉は回動に際
しかかる軸トルクへの負荷を和らげるなどから、クラッ
チを介して回転軸に連結する機構としてもよい。また、
当然、モータは、電動モータの他、内燃機関などでもよ
い。
【0029】この方法で必要な摩擦体は、前述の浸漬・
摩擦法での摩擦体の要件と同じである。即ち、硬度2.
5以上の物質叉は該物質を砥材として含む物質であれ
ば、その材の形態は線塊、網、布、ブラシ若しくは鑢叉
は砥石のいずれであってもよい。例えば、木材叉は樹脂
研磨用の600番手程度の耐水性サンドペーパー、同用
途で同程度の目の細かさのポリネット、同程度の目の細
かさの研磨用ナイロン不織布、毛先が極細目のワイヤー
ブラシ叉は真鍮ブラシなどは比較的きれいな膜剥離をも
たらす。これらは、攪拌体の周りに巻いて針金などで止
めるか、攪拌体の表面(攪拌体の表面には側面及び裏面
を含む。以下同じ。)に貼着するなどして装着すればよ
い。ブラシは、毛を攪拌体の表面に植毛してもよい。ま
た、その表面が鑢状叉は砥石となった素材は、薄くして
攪拌体に張るか、場合によってはこれら素材を直接、攪
拌体としてもよい。または、攪拌体の表面を鑢状に形成
してもよい。
【0030】上記鑢の概念とは異なるが、攪拌体の表面
に、洗濯板状の凹凸列叉はミートハンマー打面状の錘状
叉は柱状突起群を形成することも有効である。こうした
大きいギザギザ叉は大きく激しい凹凸である凹凸列叉は
突起群は、上記形態の研磨材のようなきめ細かい摩擦は
できないが、盤に比較的大きな擦過傷を与え叉衝突の際
盤にかなりの衝撃を与える。そして、強アルカリ水溶液
がいち早く擦過傷から浸入してアルミ膜を腐食する効
果、及び後述するように、衝撃が膜剥離を促進する効果
をもたらす。こうした凹凸列叉は突起群をその表面に形
成した攪拌体を用いると、処理された基板は擦過傷で白
濁してみえるが、剥離処理時間が短くて済む長所があ
る。なお、こうした凹凸列叉は突起群は、攪拌体表面の
一部分に限定して形成してもよい。
【0031】しかし、強アルカリ水溶液中での摩擦体の
耐久性及び盤の損傷を最小限に抑えるべきこと、盤に適
度な衝撃を与え剥離処理時間の短縮を図ること、及び剥
離処理の後の洗浄の容易性などを総合的に考慮すると、
後述するように、槽体としては四角槽叉は邪魔板を設け
た円槽、攪拌は水平回転の攪拌板によるもので、摩擦体
はアルカリ腐食がなく叉適度に弾力性があって盤を余り
損傷しない偏平ステンレス線カール体よりなる摩擦体と
するのが適切である。
【0032】さて、光ディスクは、盤の形成膜面を槌な
どで軽く衝打する、叉は盤を曲げる叉は捩る、若しくは
盤を堅い物にぶつけ衝撃を与えるなどの方法により盤に
不均等な力を加える操作を、その力の応力集中箇所を変
えながらその箇所が盤全体に行き渡るようにして何度も
行っておき、これを高温強アルカリ水溶液中で浸漬・摩
擦叉は浸漬攪拌・摩擦すると、その剥離処理時間が速ま
る。
【0033】例えば、アルミ反射膜の4.7インチCD
盤について、その盤の両端を手で掴んでぺこぺこと曲げ
る操作を、曲げの応力集中箇所が移動しながら盤全体を
尽くすくらいまで何度も行っておき、該操作を施した盤
を先述の浸漬・摩擦実験と同じ条件、即ち、濃度1重量
%の苛性ソーダ水溶液に液温90℃にて浸漬しながらス
テンレス束子で摩擦すると、その剥離処理時間は、該操
作を行わず浸漬・摩擦した場合より約4〜8分ほど縮ま
る。盤の形成膜面を木槌で何度か叩いてから浸漬・摩擦
操作を行っても同様な時間の短縮効果がみられる。
【0034】上記操作により形成膜剥離が速まるのは、
付加された不均等な力によるストレスのため、基板叉は
保護膜と金属膜との境界面に無数の細かな亀裂叉は歪が
生じ、強アルカリ水溶液がこれら亀裂叉は歪から浸透し
易くなるためとみられる。勿論、盤に不均等な力を加え
る操作は、浸漬・摩擦の操作叉は浸漬攪拌・摩擦の操作
と同時であってもよい。
【0035】しかし、盤に不均等な力を何度も加える操
作は、これが余り過度だと、ストレスにより基板樹胆の
分子量を低下させる。即ち、有用な剥離手段である高温
強アルカリ水溶液への浸漬、それにこの不均等な力の付
加は、一方で目的とする基板の劣化の要因でもあるわけ
で、この意味で、廃光ディスクの膜剥離は、これら方法
と摩擦体を用いた機械的摩擦剥離を併用しながら、樹脂
劣化を許容範囲に止め行うことが肝要である。
【0036】以上説明した光ディスクの膜剥離の原理を
基に、廃光ディスクを大量に、迅速に、しかも低コスト
で処理しうる実用化装置(単に、装置ともいう)を開発
した。その内容は、概略、以下のようである。即ち、実
用化装置は、図1及び図2(a)に示すように、横断面
が正四角形で縦断面が上に広がった逆台形をした液体を
保持できる槽1と、該槽の外側に槽の側壁面を取り巻く
ようにして設けられ熱水循環により槽内を熱する加熱ジ
ャッケット3と、該槽の外側上部に在る電動モータ4
と、槽の上部でベルトを介し該電動モータに連結され且
つ槽の内部に槽体形状の縦方向の中心線に合わされてほ
ぼ垂直に底部まで差し渡された回転軸5と、略長板でそ
の一方の短辺部分が該回転軸に固定され該略長板全体が
回転軸に対しほぼ直角に槽内壁面に向けて突き出た複数
の攪拌板6とから構成される攪拌装置であって、この装
置において、攪拌板6は、図3にみるように、その周り
に偏平ステンレス線カール体の小さな線塊が集まって成
る螺髪状の摩擦体14(ステンレス螺髪状摩擦体とい
う)が装着されていることを特徴とする。
【0037】ここで、回転軸からほぼ直角に突き出た略
長板の攪拌板6は、回転軸に対し左右対象の5対、合計
10本有る。その長さは、縦断面でみて、槽内で一番狭
い側壁面と回転軸中心線との水平距離の2/3より幾分
長いものとなっており、且つ、上の攪拌板ほど、側壁面
との水平距離が幾分開く形の長さとなっている。また、
これら略長板の攪拌板は、回転時に上昇流を生じさせる
よう、その偏平面を回転面に対し15〜30度の角度に
傾斜させて回転軸に固定させてある。
【0038】ステンレス螺髪状摩擦体14は、図4にみ
るような、偏平ステンレス線カール体16をカールした
ままの状態で直径15〜20mm程度の輪とし、これを
3〜5箇重ね寄せて小さな線塊15(偏平ステンレス線
カール小塊叉は小塊という)を作り、該小塊の要所にス
テンレス線17を通し、小塊が該ステンレス線の一方の
側に寄せられた状態で、小塊を上にして該ステンレス線
を攪拌板に巻き付け、ステンレス線の要所を攪拌板にネ
ジ止めして、小塊群が攪拌板から脱落しないようにした
ものである。図3でみるように、巨視的には、攪拌板5
全体が、偏平ステンレス線カール小塊群、即ちステンレ
ス螺髪状摩擦体14で覆われた様子となっている。
【0039】次に、槽の上部は槽に着脱可能な上蓋2と
なっており、この上蓋には、廃光ディスクを槽内に投入
する盤投入口7が設けられており、また、槽の上部には
強アルカリ水溶液を槽内へ注入する処理液注入孔8と、
水を含む洗浄液を注入する洗浄液注入孔9が設けられて
いる。槽の底部には、二つの蓋付き開口部(底部ハッ
チ)10が設けられ、該開口部の蓋(ハッチ蓋)11は
ジャッキをもって開閉可能となっている。なお、槽の底
部は、回転軸を支える軸受部分とこれを支持する構造材
部分を除き、その残りの面積の殆どがこの底部ハッチの
開口部で占められている。また次に、このハッチ蓋11
には、蓋双方ともに、剥離処理後叉は洗浄処理後の液を
排出する液排出孔12が設けられてあり、さらに、この
液排出孔があるハッチ蓋の内側には、蓋双方ともに、盤
が流出しない程度のメッシュのフィルター13が装着さ
れている。なお、上記装置では、摩擦体の他、槽体、回
転軸、攪拌板、ハッチ蓋、フィルターなど、強アルカリ
水溶液に晒される部分は全てステンレス製となってい
る。
【0040】次に、上記装置の使用方法を説明する。ま
ず、槽上部の処理液注入孔8から苛性ソーダを含む強ア
ルカリ水溶液を注入するとともに盤投入口7から廃光デ
ィスクを投入し、加熱ジャケット3に熱水を循環させる
ことにより槽内を熱し、これら内容物を75℃以上に維
持しながら電動モータ4の駆動により内容物を攪拌す
る。ここで、強アルカリ水溶液における苛性ソーダの濃
度は、かなり厚い印刷膜が形成された4.7インチ盤な
どでは0.5〜0.8重量%程度が適切であるが、印刷
膜のない盤や細かく裁断された盤の処理では0.1〜
0.4重量%の濃度でも十分に剥離処理可能である。ま
た、攪拌の回転速度は、これも処理物の状態によるが、
槽の実容量120lの本装置においては、概ね100〜
220rpmで、殆どの廃光ディスクが適正に剥離処理
される。
【0041】該剥離処理の過程で、アルミ薄膜はその殆
どが強アルカリ水溶液に溶解し、強アルカリに溶けない
金等の薄膜は粒子状となって液中に沈澱する。保護膜
は、多くは液中に薄い細片となって分散・浮遊する。ま
た、印刷膜のうち、アルカリ不溶物も分散・浮遊する。
完全剥離に要する時間は、概ね8〜18分である。剥離
処理後、これら金属・樹脂が溶解叉は混入した強アルカ
リ水溶液(処理後液ともいう)の中に形成膜の剥離した
基板が沈澱する。槽底部のハッチ蓋11に設けた液排出
孔12から処理後液を排出すると、基板が槽内に残る。
しかし、この基板は強アルカリ液及び剥離浮遊物が付着
した状態なので、洗浄液注入孔9を通じて槽内に水叉は
弱酸性水を供給し、ゆっくりした攪拌運転で基板を洗浄
する。この洗浄処理は、溜洗いでもよいし流し洗いでも
よい。また、これら両方でもよい。事後、洗浄液を液排
出孔12から排出し、その後、槽底部の底部ハッチ10
を開ききれいになった樹脂基板を回収する。
【0042】最後に実用化装置についての補足説明を行
う。まず、使用する槽は、その横断面が図2(a)のよ
うな正四角形であることが望ましい。このような角槽で
適切な攪拌体を用いると、通常の円槽ではみられない強
い逆流や乱流が随所に生じる。通常の円槽では、内容物
の流れが攪拌体の回転と同相になりがちで、流れの中の
盤を攪拌体が追いかける状態となるが、角槽では逆流・
乱流内の盤に攪拌体がよく且つ強く接触する。次に、角
槽では、回転する攪拌体によって跳ねられた盤が槽の側
壁面に強く衝突する。また、上述のように攪拌体と盤と
の衝突も強い。これら強い衝突によって盤に加わる衝撃
力が形成膜の剥離を促進する効果がある。横断面が円形
の円槽を用いる場合は、角槽に近い効果を得るため、図
2(b)に示すのように、槽の内側壁面に複数の邪魔板
を設けることが望ましい。なお、角槽及び邪魔板を設け
た円槽における衝撃効果は、それが強過ぎると基盤を劣
化させることになるが、回転速度と処理物対液量比を調
節することにより、衝撃効果を適度な状態に保つことが
できる。
【0043】次に、槽は、その槽体の重心を通る縦断面
でみて、図1のような逆台形の他、逆台形の上に矩形を
重ねた形状叉は側辺が外側に膨らんだ半楕円台形など、
上広がりの形状となっていることが望ましい。このよう
な槽体形状の攪拌槽では、攪拌体が適切であれば、攪拌
時に槽内の内容物に上昇流が生じ、従って投入した盤が
底に溜まりにくく、盤が万遍なく摩擦される。
【0044】攪拌板は、それが槽体と相俟って、内容物
を溜まらせず適正に分散・流動させ得るようなものであ
れば、その数や回転軸への取付位置に限定はない。上か
らみて左右対象の一列になるように取り付けてもよい
し、上からみて十字形になるように取り付けてもよい。
また、螺旋状に取り付けてもよい。また、その断面形状
も必ずしも矩形に限定される理由はなく、偏平楕円形や
流線型などであってもよい。加熱ジャケットは、上記熱
水によるものの他、高圧蒸気の循環によるものでもよ
い。また、図1の装置では、回転軸は槽底部に設けた軸
受に接地しているが、回転軸を底部で軸支せず、上部で
懸吊する方式としてもよい。
【実施例1】
【0045】図1の実用化装置を用いた廃光ディスクの
処理を具体的に説明する。まず、処理対象としたのは、
反射膜がアルミの2.5インチMD盤で、製造段階で不
良品となった印刷膜のないもの10kg(2220枚)
である。まず、0.10重量%の苛性ソーダの水溶液6
0lを、処理液注入孔から攪拌槽に注入し、これを熱水
を循環させた加熱ジャケットで75℃に熱した状態で、
ここに上記MD盤10kgを投入した。そして、一分
後、電動モータを駆動して回転体を毎分120〜180
回転で回転させ、槽内の内容物を12分間攪拌した。上
記処理後、処理後液を槽底部の液排出孔から抜き取り、
槽内に新たに水を70l供給し、盤の溜洗いを4分間行
った。そして、同じく、洗い水を液排出孔から抜き取
り、最後は、水を槽内に供給しながら同量を液排出孔か
ら抜き取る盤の流し洗いを6分間行った。以上の処理の
後、槽底部の盤取出しハッチを開けて盤を回収し、これ
ら一つ一つを目視とルーペで検査したところ、その全て
のものは表面から保護膜及びアルミ反射膜が完全に除去
されていた。回収したポリカーボネイト基板の重量は約
9.8kgであった。
【実施例2】
【0046】同様に、図1の実用化装置を用いて、印刷
膜のある4.7インチCD盤10kg(625枚)を処
理した。該CD盤は圧刻されて廃棄されており、製造完
了後に廃品とされたものとみられる。反射膜はアルミ
で、基板の樹脂はポリカーボネイトである。処理工程は
実施例1に同じであるが、印刷膜があり4.7インチ盤
の丸ごと処理であるため、苛性ソーダ水溶液は0.5重
量%の濃度とした。液量は実施例1に同じ60lであ
る。15分の剥離処理の後、実施例1と同じ洗浄を行っ
た。上記要領で処理したCD盤を検査したところ、全て
について印刷膜及びアルミ反射膜・保護膜の痕跡は認め
られず、完全剥離の状態であった。そして、回収したポ
リカーボネイトの基板の重量は約9.7kgであった。
【発明の効果】
【0047】本発明は、以上のような方法であるので、
以下に記載されるような効果を奏する。
【0048】従来、焼却処理されるか、金属などを含み
溶解処理されていた廃光ディスクより、純粋な樹脂基板
を回収できる。
【0049】本発明における形成膜の剥離方法は、薬品
の浸食による剥離原理のみならず、機械的摩擦による剥
離、及び攪拌時の衝突・衝撃の剥離促進効果を総合して
利用した方法であるので、一般のアルミ薄膜の廃光ディ
スクのみならず、酸やアルカリに侵されない金などを反
射膜とした廃光ディスクをも処理可能である。
【0050】また、本発明は、処理対象とする廃光ディ
スクについて、そのサイズとその廃棄形態を問わない。
2.5インチ盤、3.2インチ盤叉は4.7インチ盤の
丸ごと処理、槽容量が大きければ12インチ盤の丸ごと
処理、若しくはこれらを混合したものも処理可能であ
る。勿論、これら廃光ディスクの裁断片でもよい。ま
た、大きさに余程の差がないかぎり、丸盤と裁断片の混
合処理も可能である。
【0051】次に、本発明では、膜剥離工程で超音波を
使用する従来技術のように、盤の膜面を識別する、膜面
に刻み傷を付ける、盤を一定間隔で一定方向に並べる、
等の手間のかかる前処理を必要としない。ただ単に、廃
光ディスクの丸盤叉は裁断片を槽に投入するだけでよ
い。
【0052】また、本発明では、一度に大量の廃光ディ
スクを処理可能である。超音波を用いる従来技術では、
盤が重なると叉その設置位置が適切な所(超音波の波の
腹の位置)でないと、超音波の効果が十分発揮されない
等、槽を使った浸漬処理は同じながら、処理の空間的制
約が大き過ぎる。これに較べ本発明では、全くこのよう
な制約はなく、槽容量と回転動力を適切に設計すれば、
基本的に、処理量に制約はない。
【0053】本発明においては、膜剥離処理された基板
を、同じ攪拌槽を使い洗浄処理できる。そして、槽から
洗浄液を排出すれば、目的とする樹脂基板だけを残す形
で回収できる。即ち、一つの槽で剥離と洗浄の工程を共
用できる訳で、設備効率上、無駄がない。
【0054】本発明の技術事項は極めて単純なものであ
るが、その膜剥離は、化学的、機械的及び物性力学的原
理を総合したものとなっているので、適用範囲が広く、
且つ時間的及びコスト的にみて、処理効率が良く、実用
的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の縦断面図である。
【図2】装置の横断面図である。
【図3】攪拌板の斜視図である。
【図4】ステンレス螺髪状摩擦体を分解した斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 槽 2 上蓋 3 加熱ジャケット 4 電動モータータ 5 回転軸 6 攪拌板 7 盤投入口 8 処理液注入孔 9 洗浄液注入孔 10 底部ハッチ 11 ハッチ蓋 12 液排出孔 13 フィルター 14 ステンレス螺髪状摩擦体 15 偏平ステンレス線カール小塊 16 偏平ステンレス線カール体 17 ステンレス針金

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネイトやアクリルなどの透明
    樹脂から成る円盤状の基板の上に、アルミニュウム、
    金、銅などの金属から成る反射膜と更にその上に樹脂製
    の保護膜を形成し、叉は保護膜の上に更に印刷膜を塗工
    叉は貼着した光ディスク(以下、単に盤ともいう)の廃
    棄物(以下、光ディスク廃棄物叉は廃光ディスクとい
    う。また、反射膜と保護膜、叉はこれに印刷膜を併せて
    形成膜叉は単に膜という)について、盤全体叉は形成膜
    面を75℃以上の液温の強アルカリ水溶液に浸漬しなが
    ら、硬度2.5以上の物質から成る叉は該物質を砥材と
    して含む線塊、網、布、ブラシ若しくは鑢叉は砥石をも
    って形成膜面を摩擦することを特徴とする光ディスクの
    形成膜を剥離する方法。
  2. 【請求項2】 盤に曲げ、捩り、圧縮叉は衝撃の力をそ
    の応力集中箇所を変えながら複数回加える操作を、上記
    請求項1に記載の操作を行う前に叉は該操作と同時に併
    せ行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスクの形
    成膜を剥離する方法。
  3. 【請求項3】 液体を保持できる槽と、該槽の外側に設
    けられ槽内の内容物を熱する加熱器と、該槽の外側に在
    るモータと、該モータに連結され該槽の内部に差し渡さ
    れた回転軸と、該槽の内部において該回転軸に固定叉は
    連結され槽内壁面に向かって突き出た叉は張り出た攪拌
    体とから構成される攪拌装置において、該攪拌体に接触
    物を擦る摩擦体を装着叉は形成したことを特徴とする廃
    光ディスクの処理装置。
  4. 【請求項4】 上記摩擦体として、硬度2.5以上の物
    質から成る叉は該物質を砥材として含む線塊、網、布叉
    はブラシを攪拌体の表面叉は周りに装着し、若しくは攪
    拌体の表面に硬度2.5以上の物質から成る鑢(やす
    り)叉は砥石を形成した請求項3記載の廃光ディスクの
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦体として、攪拌体の表面に洗濯
    板状の凹凸列叉はミートハンマー打面状の錘状叉は柱状
    突起群を形成した請求項3記載の廃光ディスクの処理装
    置。
  6. 【請求項6】 液体を保持できる槽に廃光ディスクと強
    アルカリ水溶液を供給し、該槽の外側に設けた加熱器を
    もって槽内の廃光ディスクが混入した強アルカリ水溶液
    を75℃以上に熱し、該槽の内部に差し渡した回転軸と
    該回転軸に固定叉は連結し槽内壁面に向かって突き出叉
    は張り出且つその表面叉は周りに硬度2.5以上の物質
    から成る叉は該物質を砥材として含む摩擦体を設けた攪
    拌体とから成る回転体を、該槽の外側に在って回転軸に
    連結しているモータを駆動して回転叉は回動することを
    特徴とする廃光ディスクの処理方法。
  7. 【請求項7】 上記摩擦体を、攪拌体の表面叉は周りに
    設けず、液体を保持できる槽内の廃光ディスクが混入し
    た強アルカリ水溶液の中に混入することを特徴とする請
    求項6記載の廃光ディスクの処理方法。
  8. 【請求項8】 前記強アルカリ水溶液は、0.4重量%
    以上の苛性ソーダを含む水溶液である請求項1、2、6
    叉は7記載の廃光ディスクの処理方法。
  9. 【請求項9】 前記槽は、横断面が正四角形で縦断面が
    上広がりの形状をした槽、叉は横断面が円形で縦断面が
    上広がりの形状をした容器の内壁面に複数の邪魔板を設
    けた槽のいづれかの槽であり、前記回転軸は、槽体形状
    の縦方向の中心線に合わされてほぼ垂直に差し渡されて
    おり、前記攪拌体は、略長板でその一方の短辺部分が回
    転軸に固定され該略長板全体が回転軸に対しほぼ直角に
    槽内壁面に向けて突き出た複数の攪拌板である請求項3
    記載の廃光ディスクの処理装置。
  10. 【請求項10】 前記摩擦体として、螺旋状に小さく幾
    重にもカールした偏平ステンレス線の小線塊群を攪拌板
    の周りに装着した請求項3及び9記載の廃光ディスクの
    処理装置。
  11. 【請求項11】 槽の上蓋に盤を槽内に投入する盤投入
    口を設け、槽の上部に強アルカリ水溶液を槽内に注入す
    る処理液注入孔と水を含む洗浄液を注入する洗浄液注入
    孔とを設け、槽の底部に形成膜を除去した基板を取り出
    す底部ハッチを設け、該底部ハッチの蓋に剥離物を含む
    強アルカリ水溶液及び水を含む洗浄液を排出する液排出
    孔を設け且つ該蓋の内側に液を通し盤を通さないフィル
    ターを装着した請求項3及び9記載の若しくは請求項
    3、9及び10記載の廃光ディスクの処理装置。
  12. 【請求項12】 横断面が正四角形で縦断面が上広がり
    の形状をした液体を保持できる槽、叉は横断面が円形で
    縦断面が上広がりの形状をした容器の内壁面に複数の邪
    魔板を設けた液体を保持できる槽のいづれかの槽を用
    い、該槽に廃光ディスクと強アルカリ水溶液とを供給
    し、該槽の外側に設けた加熱器をもって槽内の廃光ディ
    スクが混入した強アルカリ水溶液を75℃以上に熱し、
    該槽の内部に槽体形状の縦方向の中心線に合わしてほぼ
    垂直に差し渡した回転軸と略長板でその一方の短辺部分
    が該回転軸に固定され該略長板全体が回転軸に対しほぼ
    直角に槽内壁面に向けて突き出且つその周りに螺旋状に
    小さく幾重にもカールした偏平ステンレス線の小線塊群
    を装着した複数の攪拌板とから成る回転体を、該槽の外
    側に在って回転軸に連結している電動モータを駆動して
    回転することを特徴とする廃光ディスクの処理方法。
  13. 【請求項13】 上記強アルカリ水溶液は、0.1重量
    %以上の苛性ソーダを含む水溶液である請求項12記載
    の廃光ディスクの処理方法。
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