JPH1156560A - 枕充填材とその製造方法 - Google Patents
枕充填材とその製造方法Info
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- JPH1156560A JPH1156560A JP24777297A JP24777297A JPH1156560A JP H1156560 A JPH1156560 A JP H1156560A JP 24777297 A JP24777297 A JP 24777297A JP 24777297 A JP24777297 A JP 24777297A JP H1156560 A JPH1156560 A JP H1156560A
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- pressure steam
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- chip
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ソバ殻などの枕充填材が持つ長所と、陶磁器
などの硬質材を用いた枕が持つ長所とを併せ持ち、しか
も、酢酸臭を発生しない竹製の枕充填材を提供する。ま
た、そのような枕充填材を生産性よく製造することので
きる枕充填材の製造方法を提供する。 【解決手段】 桜材などの燻材と共に高圧蒸気処理を行
った竹材のチップ1Aでなる。チップ1Aの太さDと長
さHとの寸法関係がD≦Hになっていることが望まし
い。チップ1Aは、生竹を輪切りして得られる筒状の竹
材から竹繊維に沿う方向に長い小片を切り出すことによ
って得られる。高圧蒸気処理は、3〜5気圧、130〜
180℃で所要時間行う。
などの硬質材を用いた枕が持つ長所とを併せ持ち、しか
も、酢酸臭を発生しない竹製の枕充填材を提供する。ま
た、そのような枕充填材を生産性よく製造することので
きる枕充填材の製造方法を提供する。 【解決手段】 桜材などの燻材と共に高圧蒸気処理を行
った竹材のチップ1Aでなる。チップ1Aの太さDと長
さHとの寸法関係がD≦Hになっていることが望まし
い。チップ1Aは、生竹を輪切りして得られる筒状の竹
材から竹繊維に沿う方向に長い小片を切り出すことによ
って得られる。高圧蒸気処理は、3〜5気圧、130〜
180℃で所要時間行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、枕充填材とその製
造方法に関する。
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、枕充填材として、ソバ殻、も
み殻、茶殻、発泡樹脂材などがよく知られている。これ
らの枕充填材の中で、ソバ殻、もみ殻、茶殻などは、自
己保温性、撥水性、通気性、吸熱性、弾力性といった枕
に要求される諸性質を適度に備えるという長所を持って
いる。また、発泡樹脂材は上掲したソバ殻などと比較す
ると撥水性、通気性および吸熱性に劣るけれども、弾力
性に富むために軟らかい枕を好む者にとっては都合がよ
いという長所を持っている。一方、陶磁器などの硬質材
により頭部載置面に複数の凸部を設けた枕もある。この
種の枕は、睡眠中に頭部や首部に対する指圧作用を発揮
するために頭皮の血行促進などに役立つという長所を有
する反面、硬すぎて使用中に苦痛を伴う難点がある。
み殻、茶殻、発泡樹脂材などがよく知られている。これ
らの枕充填材の中で、ソバ殻、もみ殻、茶殻などは、自
己保温性、撥水性、通気性、吸熱性、弾力性といった枕
に要求される諸性質を適度に備えるという長所を持って
いる。また、発泡樹脂材は上掲したソバ殻などと比較す
ると撥水性、通気性および吸熱性に劣るけれども、弾力
性に富むために軟らかい枕を好む者にとっては都合がよ
いという長所を持っている。一方、陶磁器などの硬質材
により頭部載置面に複数の凸部を設けた枕もある。この
種の枕は、睡眠中に頭部や首部に対する指圧作用を発揮
するために頭皮の血行促進などに役立つという長所を有
する反面、硬すぎて使用中に苦痛を伴う難点がある。
【0003】ところで、竹材を硬く引き締めて使用目的
に適合させるために竹材を高圧蒸気で処理する方法は従
来より知られている。また、本願出願人は、特公平3−
64617号公報により、竹材を燻煙処理して手芸用の
編み棒を製作する技術を既に提案しており、そのような
編み棒を開発する過程で、竹材を燻煙処理すれば、竹材
の含水率が大幅に低下して繊維密度が高くなり、機械的
な強度や耐摩耗性などの特性が改善されること、燻煙処
理した竹が自己保温性や通気性に優れており、枕に要求
される適度の吸湿性、吸熱性、脱臭性を備えているこ
と、などを見い出した。
に適合させるために竹材を高圧蒸気で処理する方法は従
来より知られている。また、本願出願人は、特公平3−
64617号公報により、竹材を燻煙処理して手芸用の
編み棒を製作する技術を既に提案しており、そのような
編み棒を開発する過程で、竹材を燻煙処理すれば、竹材
の含水率が大幅に低下して繊維密度が高くなり、機械的
な強度や耐摩耗性などの特性が改善されること、燻煙処
理した竹が自己保温性や通気性に優れており、枕に要求
される適度の吸湿性、吸熱性、脱臭性を備えているこ
と、などを見い出した。
【0004】そこで、高圧蒸気処理後に機械的に乾燥処
理した竹材のチップを枕充填材に用いたり、上記の編み
棒のように燻煙処理された細長い竹材を短く切断して得
られるチップを枕充填材に用いたりすることを試みたと
ころ、それらの枕充填材は、上掲のソバ殻などによって
形成された枕充填材が持つ長所と、陶磁器などの硬質材
を用いた枕が持つ長所とを併せ持つものであることが判
明し、後者の枕充填材については、実登3011226
号公報によって既に提案した。
理した竹材のチップを枕充填材に用いたり、上記の編み
棒のように燻煙処理された細長い竹材を短く切断して得
られるチップを枕充填材に用いたりすることを試みたと
ころ、それらの枕充填材は、上掲のソバ殻などによって
形成された枕充填材が持つ長所と、陶磁器などの硬質材
を用いた枕が持つ長所とを併せ持つものであることが判
明し、後者の枕充填材については、実登3011226
号公報によって既に提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高圧蒸気処
理を行った後、機械的な乾燥処理を施した竹材のチップ
を枕充填材に用いると、その枕充填材には、竹に含まれ
る酢酸(竹酢)に起因する不快な甘酸っぱい臭い(酢酸
臭)の残っていることが知見された。このような酢酸臭
は、高圧蒸気処理した竹材を自然乾燥することによって
自然に発散されるけれども、そのような自然乾燥を行う
には長時間を要するという問題や、自然乾燥のための放
置時間中に逆に竹材が空気中の水分を吸ってしまうこと
があるという問題があった。
理を行った後、機械的な乾燥処理を施した竹材のチップ
を枕充填材に用いると、その枕充填材には、竹に含まれ
る酢酸(竹酢)に起因する不快な甘酸っぱい臭い(酢酸
臭)の残っていることが知見された。このような酢酸臭
は、高圧蒸気処理した竹材を自然乾燥することによって
自然に発散されるけれども、そのような自然乾燥を行う
には長時間を要するという問題や、自然乾燥のための放
置時間中に逆に竹材が空気中の水分を吸ってしまうこと
があるという問題があった。
【0006】また、燻煙処理された細長い竹材を短く切
断して得られるチップを枕充填材に用いると、燻煙処理
に伴う脱臭によって酢酸臭はなくなり、吸水の問題も起
こらないのであるが、燻煙処理を行う必要があるために
生産効率が低下するという問題があった。
断して得られるチップを枕充填材に用いると、燻煙処理
に伴う脱臭によって酢酸臭はなくなり、吸水の問題も起
こらないのであるが、燻煙処理を行う必要があるために
生産効率が低下するという問題があった。
【0007】本発明は以上の問題に鑑みてなされたもの
であり、上掲のソバ殻などによって形成された枕充填材
が持つ長所と、陶磁器などの硬質材を用いた枕が持つ長
所とを併せ持つものでありながら、不快な酢酸臭を発生
しない枕充填材を提供することを目的とする。
であり、上掲のソバ殻などによって形成された枕充填材
が持つ長所と、陶磁器などの硬質材を用いた枕が持つ長
所とを併せ持つものでありながら、不快な酢酸臭を発生
しない枕充填材を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、そのような枕充填材を生
産性よく製造することのできる枕充填材の製造方法を提
供することを目的とする。
産性よく製造することのできる枕充填材の製造方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る枕充填材
は、桜材などの燻材と共に高圧蒸気処理を行った竹材の
チップでなる、というものであり、上記竹材のチップの
半径方向の断面形状は中実円形であることが望ましく、
上記チップの断面形状を中実円形とした場合には、その
チップの太さDと長さHとの寸法関係がD≦Hになって
いることが望ましい。
は、桜材などの燻材と共に高圧蒸気処理を行った竹材の
チップでなる、というものであり、上記竹材のチップの
半径方向の断面形状は中実円形であることが望ましく、
上記チップの断面形状を中実円形とした場合には、その
チップの太さDと長さHとの寸法関係がD≦Hになって
いることが望ましい。
【0010】この発明の枕充填材では、それを形成して
いる竹材のチップに高圧蒸気処理が施されており、しか
もその高圧蒸気処理が桜材などの燻材と共に行われてい
るので、不快な酢酸臭が発生しない。また、高圧蒸気処
理を行った竹材は、竹材の肉質部分(維管束(導管)と
維管束(導管)との間を埋めている部分)の水分の蒸発
によってその肉質部分が収縮を起こしており、同時に竹
材が本来的に持っている油分が抜けているので、吸水性
があり、また、未処理の竹材に比べて硬くなっている。
しかし、肉質部分の収縮率は燻煙処理を行った竹材に比
べると小さい。
いる竹材のチップに高圧蒸気処理が施されており、しか
もその高圧蒸気処理が桜材などの燻材と共に行われてい
るので、不快な酢酸臭が発生しない。また、高圧蒸気処
理を行った竹材は、竹材の肉質部分(維管束(導管)と
維管束(導管)との間を埋めている部分)の水分の蒸発
によってその肉質部分が収縮を起こしており、同時に竹
材が本来的に持っている油分が抜けているので、吸水性
があり、また、未処理の竹材に比べて硬くなっている。
しかし、肉質部分の収縮率は燻煙処理を行った竹材に比
べると小さい。
【0011】また、上掲のソバ殻などによって形成され
た枕充填材が持つ長所と、陶磁器などの硬質材を用いた
枕が持つ長所とを併せ持つものである。すなわち、この
枕充填材は、その優れた自己保温性によって枕が室温も
しくは室温付近の温度に保持されるようになり、枕の使
用初期の違和感や不快感がなくなるか、あるいは軽減さ
れる。また、枕に要求される適度の吸湿性を持つので、
頭部発汗によって袋体および枕カバーなどが濡れたりす
ることが即効的に緩和されると共に、優れた脱臭性や通
気性により頭髪などの臭気や湿りが軽減されて使用時の
不快感、人体や寝具への悪影響、枕重量増加による使用
性の低下などが回避される。さらに、枕に要求される適
度の吸熱性を持つので健康上好ましいとされている「頭
寒足熱」が維持され、しかも、比較的硬質であることに
より、睡眠中の頭部や首部などに対する指圧作用が発揮
される。
た枕充填材が持つ長所と、陶磁器などの硬質材を用いた
枕が持つ長所とを併せ持つものである。すなわち、この
枕充填材は、その優れた自己保温性によって枕が室温も
しくは室温付近の温度に保持されるようになり、枕の使
用初期の違和感や不快感がなくなるか、あるいは軽減さ
れる。また、枕に要求される適度の吸湿性を持つので、
頭部発汗によって袋体および枕カバーなどが濡れたりす
ることが即効的に緩和されると共に、優れた脱臭性や通
気性により頭髪などの臭気や湿りが軽減されて使用時の
不快感、人体や寝具への悪影響、枕重量増加による使用
性の低下などが回避される。さらに、枕に要求される適
度の吸熱性を持つので健康上好ましいとされている「頭
寒足熱」が維持され、しかも、比較的硬質であることに
より、睡眠中の頭部や首部などに対する指圧作用が発揮
される。
【0012】そして、チップの半径方向の断面形状を中
実円形にしたものでは、半径方向の断面形状を中実角形
にしたシャープな角部を有するものと比較して、角部に
よる頭皮への過剰な刺激が回避されるので、使用中に苦
痛を伴うことがない。また、チップの太さDと長さHと
の寸法関係がD≦Hになっているものでは、竹繊維に沿
う方向での耐割れ性が高まり、その耐久性が向上する。
実円形にしたものでは、半径方向の断面形状を中実角形
にしたシャープな角部を有するものと比較して、角部に
よる頭皮への過剰な刺激が回避されるので、使用中に苦
痛を伴うことがない。また、チップの太さDと長さHと
の寸法関係がD≦Hになっているものでは、竹繊維に沿
う方向での耐割れ性が高まり、その耐久性が向上する。
【0013】本発明に係る枕充填材の製造方法は、生竹
を輪切りして得られる筒状の竹材から竹繊維に沿う方向
に長い小片でなるチップを製作するチップ製作工程と、
上記竹材、上記チップまたは上記竹材からチップを製作
する中間過程で得られる中間材の3者のいずれかを桜材
などの燻材と共に高圧蒸気で処理する高圧蒸気処理工程
とを含んでいる。上記高圧蒸気処理工程を、3〜5気
圧、130〜180℃で行うことが望ましく、また、高
圧蒸気処理工程は、太さDと長さHとの寸法関係がD≦
Hになっている中実円形断面の上記チップに対して行う
ことが望ましい。
を輪切りして得られる筒状の竹材から竹繊維に沿う方向
に長い小片でなるチップを製作するチップ製作工程と、
上記竹材、上記チップまたは上記竹材からチップを製作
する中間過程で得られる中間材の3者のいずれかを桜材
などの燻材と共に高圧蒸気で処理する高圧蒸気処理工程
とを含んでいる。上記高圧蒸気処理工程を、3〜5気
圧、130〜180℃で行うことが望ましく、また、高
圧蒸気処理工程は、太さDと長さHとの寸法関係がD≦
Hになっている中実円形断面の上記チップに対して行う
ことが望ましい。
【0014】この発明方法によると、生産効率低下の要
因になるような燻煙処理や自然乾燥を行わずに上記の本
発明枕充填材を生産性よく製造することができる。
因になるような燻煙処理や自然乾燥を行わずに上記の本
発明枕充填材を生産性よく製造することができる。
【0015】この発明方法を実施するに当たって、太さ
Dと長さHとの寸法関係がD≦Hになっている中実円形
断面のチップに高圧蒸気処理工程を施すことが可能であ
り、その場合には、3〜5気圧、130〜180℃で処
理時間を2時間程度にすることが望ましい。
Dと長さHとの寸法関係がD≦Hになっている中実円形
断面のチップに高圧蒸気処理工程を施すことが可能であ
り、その場合には、3〜5気圧、130〜180℃で処
理時間を2時間程度にすることが望ましい。
【0016】また、この発明方法を実施するに当たっ
て、筒状の竹材が乾燥しているような場合には、上記竹
材または上記竹材からチップを製作する中間過程で得ら
れる中間材の2者のいずれかに、上記高圧蒸気処理工程
を行うのに先立って含水処理を行うことが望ましい。こ
の含水処理工程は、上記竹材または上記中間材を水で煮
沸することによって行うことが可能であり、この処理工
程を行うと、竹材または中間材にねばり性が付与される
ので、それらを中実円形断面にダイスで押出成形すると
きにその成形を行いやすくなる。
て、筒状の竹材が乾燥しているような場合には、上記竹
材または上記竹材からチップを製作する中間過程で得ら
れる中間材の2者のいずれかに、上記高圧蒸気処理工程
を行うのに先立って含水処理を行うことが望ましい。こ
の含水処理工程は、上記竹材または上記中間材を水で煮
沸することによって行うことが可能であり、この処理工
程を行うと、竹材または中間材にねばり性が付与される
ので、それらを中実円形断面にダイスで押出成形すると
きにその成形を行いやすくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る枕充填材1の
実施形態を図面に基づいて説明する。図1のように、枕
充填材1は半径方向の断面形状が中実円形をなす竹材で
作られたチップ1Aでなり、しかもそのチップ1Aに
は、桜材などの燻材と共に高圧蒸気処理が行われてい
る。また、図例のチップ1Aは、竹繊維に沿う方向に直
交する方向での太さ(半径方向の大きさ)Dと竹繊維に
沿う方向での長さ(長手方向の大きさ)Hとの寸法関係
がD=Hになっている。このようなチップ1Aの多数が
図2に示す枕2の袋体3に充填されて枕充填材1として
用いられる。
実施形態を図面に基づいて説明する。図1のように、枕
充填材1は半径方向の断面形状が中実円形をなす竹材で
作られたチップ1Aでなり、しかもそのチップ1Aに
は、桜材などの燻材と共に高圧蒸気処理が行われてい
る。また、図例のチップ1Aは、竹繊維に沿う方向に直
交する方向での太さ(半径方向の大きさ)Dと竹繊維に
沿う方向での長さ(長手方向の大きさ)Hとの寸法関係
がD=Hになっている。このようなチップ1Aの多数が
図2に示す枕2の袋体3に充填されて枕充填材1として
用いられる。
【0018】次に、図1および図2で説明した枕充填材
1の製造方法の一例を説明する。 枝葉などの不要部分を除去した生竹を輪切りにして所
定長さの筒状の竹材を切り出すことと、切り出した竹材
を周方向の複数箇所で縦に分断することとを行って、角
形断面の細長竹材を製作する。 次に上記細長竹材をダイスに通すことによって、図1
で説明した太さDに近い太さ寸法の中実円形断面に押出
成形し、得られた中実円形断面の細長成形体を短く分断
し、図1で説明した長さHに近い長さ寸法の小片でなる
チップを製作する。 上記チップを多数集め、桜材などの燻材(所定長さに
切断された燻材は勿論、燻材の原木であってもよい)と
共に高圧蒸気ボイラーに投入し、そのチップを燻材と共
に高圧下で蒸気に晒す。 高圧蒸気による処理を終了したチップを高圧蒸気ボイ
ラーから取り出して乾燥させる。
1の製造方法の一例を説明する。 枝葉などの不要部分を除去した生竹を輪切りにして所
定長さの筒状の竹材を切り出すことと、切り出した竹材
を周方向の複数箇所で縦に分断することとを行って、角
形断面の細長竹材を製作する。 次に上記細長竹材をダイスに通すことによって、図1
で説明した太さDに近い太さ寸法の中実円形断面に押出
成形し、得られた中実円形断面の細長成形体を短く分断
し、図1で説明した長さHに近い長さ寸法の小片でなる
チップを製作する。 上記チップを多数集め、桜材などの燻材(所定長さに
切断された燻材は勿論、燻材の原木であってもよい)と
共に高圧蒸気ボイラーに投入し、そのチップを燻材と共
に高圧下で蒸気に晒す。 高圧蒸気による処理を終了したチップを高圧蒸気ボイ
ラーから取り出して乾燥させる。
【0019】この製造方法において、上記の工程は
チップ製作工程であり、このチップ製作工程を行うこと
によって、生竹から筒状の竹材を経て竹繊維に沿う方向
に長い小片でなるチップが製作される。したがって、こ
のチップ製作工程の中間過程では、上記細長竹材や細長
成形体が中間材として製作される。
チップ製作工程であり、このチップ製作工程を行うこと
によって、生竹から筒状の竹材を経て竹繊維に沿う方向
に長い小片でなるチップが製作される。したがって、こ
のチップ製作工程の中間過程では、上記細長竹材や細長
成形体が中間材として製作される。
【0020】また、上記の工程は高圧蒸気処理工程で
ある。この高圧蒸気処理工程は、3〜5気圧、130〜
180℃で2時間程度行えば十分であり、この工程を経
て得られたチップは茶褐色ないし黒っぽくなる。このチ
ップの色は、冒頭で説明したところの「竹材を燻煙処理
して手芸用の編み棒を製作したときの編み棒」の色と見
分けのつきにくい色である。上記製造方法では、この高
圧蒸気処理工程をチップ製作工程で得られたチップに対
して行っているけれども、この高圧蒸気処理工程をの
工程で生竹から切り出された円筒状の竹材に対して行っ
ても、その竹材を分断して得られた角形断面の細長竹材
や細長成形体(すなわち中間材)に対して行ってもよ
い。チップに対して高圧蒸気処理工程を行う場合、図1
で説明した太さDと長さHとの寸法関係がD≦Hになっ
ている中実円形断面のチップに対して行うことが望まし
い。高圧蒸気処理工程で用いる燻材には、桜材のほか、
カシ、クルミ、ナラなどの樹脂分の少ない堅木やそれら
ののこぎり屑、さらにはもみ殻、トウモロコシの芯など
を好適に採用することができる。
ある。この高圧蒸気処理工程は、3〜5気圧、130〜
180℃で2時間程度行えば十分であり、この工程を経
て得られたチップは茶褐色ないし黒っぽくなる。このチ
ップの色は、冒頭で説明したところの「竹材を燻煙処理
して手芸用の編み棒を製作したときの編み棒」の色と見
分けのつきにくい色である。上記製造方法では、この高
圧蒸気処理工程をチップ製作工程で得られたチップに対
して行っているけれども、この高圧蒸気処理工程をの
工程で生竹から切り出された円筒状の竹材に対して行っ
ても、その竹材を分断して得られた角形断面の細長竹材
や細長成形体(すなわち中間材)に対して行ってもよ
い。チップに対して高圧蒸気処理工程を行う場合、図1
で説明した太さDと長さHとの寸法関係がD≦Hになっ
ている中実円形断面のチップに対して行うことが望まし
い。高圧蒸気処理工程で用いる燻材には、桜材のほか、
カシ、クルミ、ナラなどの樹脂分の少ない堅木やそれら
ののこぎり屑、さらにはもみ殻、トウモロコシの芯など
を好適に採用することができる。
【0021】上記製造方法を実施するに当たって、筒状
の竹材が乾燥しているような場合には、の工程で得ら
れる竹材または中間材の2者のいずれかに、上記高圧蒸
気処理工程を行うのに先立って含水処理を行うことが望
ましい。この含水処理工程は、上記竹材または上記中間
材を水で煮沸することによって行うことが可能であり、
この処理工程を行うと、竹材または中間材に水分が保持
されてねばり性が付与されるので、上記の工程で細長
部材を中実円形断面の細長成形体に押出成形するときに
その成形を行いやすくなる。
の竹材が乾燥しているような場合には、の工程で得ら
れる竹材または中間材の2者のいずれかに、上記高圧蒸
気処理工程を行うのに先立って含水処理を行うことが望
ましい。この含水処理工程は、上記竹材または上記中間
材を水で煮沸することによって行うことが可能であり、
この処理工程を行うと、竹材または中間材に水分が保持
されてねばり性が付与されるので、上記の工程で細長
部材を中実円形断面の細長成形体に押出成形するときに
その成形を行いやすくなる。
【0022】上述した製造方法は、燻煙処理や自然乾燥
などの時間のかかる工程を持たないので、この製造方法
によって図1や図2で説明した枕充填材1を生産性よく
製造することが可能である。そして、製造された枕充填
材は、桜材などの燻材と共に高圧蒸気で処理されたもの
であるから不快な酢酸臭を発生しないものである。ま
た、この枕充填材は、枕に用いるのに適した性質、すな
わち自己保温性、吸湿性、脱臭性、通気性などを有して
いると共に、それが硬質であることによる指圧作用をも
発揮するものである。
などの時間のかかる工程を持たないので、この製造方法
によって図1や図2で説明した枕充填材1を生産性よく
製造することが可能である。そして、製造された枕充填
材は、桜材などの燻材と共に高圧蒸気で処理されたもの
であるから不快な酢酸臭を発生しないものである。ま
た、この枕充填材は、枕に用いるのに適した性質、すな
わち自己保温性、吸湿性、脱臭性、通気性などを有して
いると共に、それが硬質であることによる指圧作用をも
発揮するものである。
【0023】ところで、図1に示したようなチップ1A
の耐割れ性はその長さHが長いほど大きいのであるけれ
ども、その長さHがあまりに長すぎると、チップ1A自
体が折損しやすくなる。したがって、チップ1Aの長さ
Hを折損のおそれがない範囲でできるだけ長くしておく
ことが、チップ1Aの耐割れ性を高めてその耐久性を向
上させる上で有効である。したがって、チップ1Aの太
さDと長さHとの寸法関係は上記したD=Hである場合
に限定されず、D<Hであってもよい。
の耐割れ性はその長さHが長いほど大きいのであるけれ
ども、その長さHがあまりに長すぎると、チップ1A自
体が折損しやすくなる。したがって、チップ1Aの長さ
Hを折損のおそれがない範囲でできるだけ長くしておく
ことが、チップ1Aの耐割れ性を高めてその耐久性を向
上させる上で有効である。したがって、チップ1Aの太
さDと長さHとの寸法関係は上記したD=Hである場合
に限定されず、D<Hであってもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る枕充
填材は、不快な甘酸っぱい酢酸臭を発生せず、しかも枕
に用いるのに適した自己保温性、吸湿性などの諸性質を
持っているのみならず、指圧作用をも発揮するので、ソ
バ殻、もみ殻などと比べても遜色のない安眠効果などが
得られる。また、本発明に係る枕充填材の製造方法は、
時間のかかる燻煙処理や自然乾燥処理を含まないので、
上記の枕充填材を生産性よく製造することができる。
填材は、不快な甘酸っぱい酢酸臭を発生せず、しかも枕
に用いるのに適した自己保温性、吸湿性などの諸性質を
持っているのみならず、指圧作用をも発揮するので、ソ
バ殻、もみ殻などと比べても遜色のない安眠効果などが
得られる。また、本発明に係る枕充填材の製造方法は、
時間のかかる燻煙処理や自然乾燥処理を含まないので、
上記の枕充填材を生産性よく製造することができる。
【図1】枕充填材を形成しているチップの斜視図であ
る。
る。
【図2】使用状態の一例を一部破断して示す斜視図であ
る。
る。
1 枕充填材 1A チップ 2 枕
Claims (7)
- 【請求項1】 桜材などの燻材と共に高圧蒸気処理を行
った竹材のチップでなることを特徴とする枕充填材。 - 【請求項2】 上記竹材のチップの半径方向の断面形状
が中実円形である請求項1に記載した枕充填材。 - 【請求項3】 上記竹材のチップの竹繊維に沿う方向に
直交する方向での太さDと竹繊維に沿う方向での長さH
との寸法関係がD≦Hになっている請求項2に記載した
枕充填材。 - 【請求項4】 生竹を輪切りして得られる筒状の竹材か
ら竹繊維に沿う方向に長い小片でなるチップを製作する
チップ製作工程と、 上記竹材、上記チップまたは上記竹材からチップを製作
する中間過程で得られる中間材の3者のいずれかを桜材
などの燻材と共に高圧蒸気で処理する高圧蒸気処理工程
と、 を含むことを特徴とする枕充填材の製造方法。 - 【請求項5】 上記高圧蒸気処理工程を、3〜5気圧、
130〜180℃で行う請求項4に記載した枕充填材の
製造方法。 - 【請求項6】 上記高圧蒸気処理工程を、太さDと長さ
Hとの寸法関係がD≦Hになっている中実円形断面の上
記チップに対して行う請求項4または請求項5に記載し
た枕充填材の製造方法。 - 【請求項7】 上記竹材または上記竹材からチップを製
作する中間過程で得られる中間材の2者のいずれかに、
上記高圧蒸気処理工程を行うのに先立って含水処理を行
う含水処理工程を含む請求項4、請求項5、請求項6の
いずれかに記載した枕充填材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24777297A JPH1156560A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 枕充填材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24777297A JPH1156560A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 枕充填材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1156560A true JPH1156560A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=17168431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24777297A Pending JPH1156560A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 枕充填材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1156560A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7060211B2 (en) | 2001-09-19 | 2006-06-13 | Katsuyama Technos Ltd. | Yam and cloths made mainly from bamboo sheaths and methods for manufacturing the same |
KR200447007Y1 (ko) * | 2007-10-26 | 2009-12-17 | 강희백 | 지압베개 |
CN112878110A (zh) * | 2020-11-03 | 2021-06-01 | 江西中竹生物质科技有限公司 | 一种利用竹纤维制备缓冲包装材料的方法 |
-
1997
- 1997-08-27 JP JP24777297A patent/JPH1156560A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7060211B2 (en) | 2001-09-19 | 2006-06-13 | Katsuyama Technos Ltd. | Yam and cloths made mainly from bamboo sheaths and methods for manufacturing the same |
KR200447007Y1 (ko) * | 2007-10-26 | 2009-12-17 | 강희백 | 지압베개 |
CN112878110A (zh) * | 2020-11-03 | 2021-06-01 | 江西中竹生物质科技有限公司 | 一种利用竹纤维制备缓冲包装材料的方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040811 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060623 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061219 |