JPH1156110A - 底面吸水方式による植物栽培容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で持ち運びが簡単で、汚れの少ない、灌
水の手間が省ける植物栽培用容器を提供すること。 【構成】 上からロックウール層、吸水シート層、すの
こ層、貯水槽を有する植物栽培用容器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は植物栽培用容器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】土壌のないところで小規模に植物を育て
る場合、従来はプランター等の容器に培土を入れて、種
を蒔いたり、さし木をしたり、苗を植えたりしている。
一般的に、家庭などで観賞用の簡易花壇をつくるとき
は、種を蒔いたり、さし木をしては、育苗期間がかかる
ため、すぐに観賞するためには園芸店などから３寸鉢の
苗などを購入して、培土を用いてプランターに植えてい
る。灌水は培土が乾いたら与えるのが一般的で夏期は１
日に１〜２回与えている。通常一般に使用されるプラン
ターには培土が１４リットル入りその重量は仮比重１．
０の培土では１４ｋｇとなる。このため培土の持運びの
作業が大変である。種を撒いたり苗を移植するなどの作
業の際培土が飛散して周囲が汚れる。又灌水に手間がか
かる。等の問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決し、軽量で持ち運びが簡単で、汚れの少ない、灌水の
手間が省け、一般的に購入できる苗を用いるだけで観賞
できる植物栽培用容器を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題は本発明の上部
からロックウール層、吸水シート層、すのこ層、貯水槽
を有する植物栽培用容器によって解決される。

【０００５】本発明の植物栽培用の容器としては容器内
にロックウール層、吸水シート層、すのこ層、貯水槽を
設けることができれば特に限定されるものではない。最
も一般的な容器としては市販されているプランター類が
あげられる。

【０００６】本発明のロックウール層に使用するロック
ウールは農業用のロックウール（一般的には密度５０〜
２００ｋｇ／ｍ³ 、ｐＨはほぼ中性、親水性）であれば
マット状、粒状いずれも用いることができる。ロックウ
ール層の厚さは栽培する植物によって決まるが３〜１５
ｃｍが水分の保持等から好ましい。農業用のロックウー
ルの仮比重は０．１程度であるので培土の仮比重１．０
〜２．０に比べ極めて軽量である。マット状のロックウ
ールを使用する場合予め育苗鉢のサイズに合わせた穴を
開けておくと植物の苗を鉢から植物栽培用容器に移す場
合苗を穴に嵌め込むだけで定植が完了し培土を用いるこ
となく手間をかけずに作業を効率良く行うことができ
る。ロックウールは空隙が９割以上で、そこに充分な空
気と水分を含み、植物に供給する。通常の培土を使用し
た底面吸水方式の植物栽培容器では通気性の良いものを
使用しないと全体的な過湿から空気不足や硫化水素等の
発生が起こり植物の根を痛める。ロックウールは底面吸
水方式で吸水しても必ず空気層を生じ、空気不足や硫化
水素等の発生はなく植物の根がロックウール内に入り込
み生育が旺盛になる。

【０００７】本発明の吸水シート層に装着する吸水シー
トはポリエステル繊維製不織布など市販されている吸水
シートでよく先端を貯水槽の底部に達するようにセット
する。

【０００８】本発明のすのこ層に使用するすのこは通常
市販されているプランターに使用されているプラスチッ
ク製のすのこがあるが特にこれに限定されるものではな
くロックウール層の余分の水分がすのこを通して貯水層
に移動でき、吸水シート、ロックウール層及び植物を支
えることができば良い。すのこ層２を容器内部の所定の
高さにセットする方法としては容器の内側面に突起を設
けても良いし、すのこ層２に所定高さの足を設けても良
い。

【０００９】本発明の貯水層は植物が必要とする水分を
保持できれば良く容器の下部をそのまま使用しても良い
し、別に設けても良い。保持する水分がすのこ層を越え
ないようすのこ層の下方に排水穴を設ける。

【００１０】

【発明の実施の態様】本発明の植物栽培用容器の一例と
して市販プランターの最下部に排水用に設けられている
穴を塞いだプランター１を用い、図１に基づいて説明す
る。プランター１の内部に所定の高さにすのこ層２をセ
ットする。すのこ層２の上面に一部が貯水層３の底面に
達する吸水シート層４をセットし、吸水シート層４の上
面に予め植栽用穴６を設けたロックウール層５をセット
する。プランター１の下部はそのまま貯水層３として利
用する。貯水槽上部には排水口７を設け余分の水は排水
される。

【００１１】貯水層３の水はロックウール層５を通して
適宜注水しても良いし、プランター１の一部にロックウ
ール層５、吸水シート層４、すのこ層２を通して直接貯
水槽３に達する注水管８…例えばパイプ…を設けても良
い。給水用管路を設ける場合上端の注水口に浮き９等を
セットし、貯水層３内の水量を一見して分かるようにし
ても良い。さらに自動的に注水するようにしても良い。

【００１２】

【実施例】

［実施例１］深さ２２０ｍｍ、巾１９０ｍｍ、長さ６５
０ｍｍのプランター１に、高さ１４５ｍｍ、８本足付き
すのこ層２をセットし、プランターの両端と側面の中央
に沿って容器底面に達する突出部を有する吸水シート
（三石アグリ（株）製：ポリエステル製不織布パオオア
シス）層４をすのこ層２の上面にセットした。ついで、
適当間隔をあけて直径９０ｍｍの３寸植栽用の穴６を３
か所に設けた厚さ７５ｍｍのロックウール層５を前記吸
水シート層４の上にセットした。貯水槽３はプランター
１のすのこ層２より下部としプランター１の一端に底面
から高さ１３５ｍｍの位置に直径８ｍｍの排水口７を設
けた。さらにプランター１の排水口７と反対側に直径２
５ｍｍのプラスチック製管をロックウール層５、吸水シ
ート層４、すのこ層２を通して貯水槽３の底面近くに達
する注水管８としてセットし、該注水管８には浮き９を
挿入し貯水槽３の水量が一見できるようにして本発明の
植物栽培用容器を得た。

【００１３】実施例１で得た本発明の植物栽培用容器に
培土を用いて３号鉢にて育苗されたミニトマトをホーム
センターで購入しポ鉢より培土ごと取り出しそのまま本
発明の植物栽培用容器の植栽用穴に移し栽培した。肥料
溶液は注水管を利用して浮きを目安に週に１回排水口よ
り余剰の肥料溶液か排出されるまで注水した。ミニトマ
トは従来培地を利用したものと何等遜色なく成育し美味
なトマトを収穫することができた。

【００１４】

【発明の効果】本発明の植物栽培用容器はロックウール
を使用することにより培土を使用しないので、培土に比
べ１０分の１以下の重量で作業ができるため年配者でも
楽に植物の栽培を楽しむことができ、また培土による周
囲を汚すことも極めて減少する効果がある。さらに培土
では培土の量の４〜５割り程度の水分の保持しかできな
いのに対し、貯水層を有する本発明の植物栽培用容器で
はロックウールが９割以上の空隙を有することにより、
水分、空気を充分含むことができ、吸水シートにより必
要量の水量を常に供給することができ、培土のみの灌水
の回数に比べ貯水層に補水する回数は極めて少なくなる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の植物栽培用容器の概略説明図

【図２】本発明の植物栽培用容器に用いるロックウール
層の例図

【図３】本発明の植物栽培用容器に用いる吸水シート層
の例図

【図４】本発明の植物栽培用容器に用いるすのこ層の例
図

【図５】本発明の植物栽培用容器に用いる植物栽培用の
容器の例図

【図６】本発明の植物栽培用容器に用いる注水管と浮き
の例図

【符号の説明】

１ プランター ２ すのこ層 ３ 貯水層 ４ 吸水シート層 ５ ロックウール層 ６ 植栽用穴 ７ 排水口 ８ 注水管 ９ 浮き

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部からロックウール層、吸水シート
   層、すのこ層、貯水槽を有する植物栽培用容器。
2. 【請求項２】 貯水槽上部に排水口を有することを特徴
   とする請求項１記載の植物栽培用容器。
3. 【請求項３】 ロックウール層に植栽用穴が設けられて
   いることを特徴とする請求項１乃至２記載の植物栽培用
   容器。