JPH1155985A - ブラシレスモータ駆動制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータ駆動制御装置

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JPH1155985A
JPH1155985A JP9205821A JP20582197A JPH1155985A JP H1155985 A JPH1155985 A JP H1155985A JP 9205821 A JP9205821 A JP 9205821A JP 20582197 A JP20582197 A JP 20582197A JP H1155985 A JPH1155985 A JP H1155985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動を低減するとともに、電力損失の少ない
ブラシレスモータ駆動制御装置を提供する。 【解決手段】 ブラシレスモータ駆動制御装置は、回転
速度指令S+に応じてブラシレスモータのステータコイ
ルに重複して通電する通電重複時間TLを決定するオー
バーラップ通電時間設定回路30と、ロータ位置検出セ
ンサH1〜H3の検出信号からマグネットロータの実際
の回転数(速度)S−を検出し、実際の回転速度に応じ
て通電重複時間TLを変更する3相分配・信号処理回路
12と、回転速度指令S+と実際のマグネットロータの
回転速度S−との差を算出する速度制御増幅回路18
と、速度誤差に応じてマグネットロータの回転制御信号
を算出するPWM制御回路7と、PWM制御回路7で算
出した回転速度制御信号および変更した通電重複時間に
応じてブラシレスモータ1をスイッチング駆動するトラ
ンジスタ・スイッチング回路5を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラシレスモータを
駆動制御するブラシレスモータ駆動制御装置に関する。
より特定的には、本発明はブラシレスモータの騒音を低
減させるとともに、加速時および過大負荷がかかったと
きも電力損失の少ないブラシレスモータ駆動制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスモータの駆動制御方法として
は、たとえば、マグネットロータの磁極の位置をホール
素子などのロータ位置検出手段で検出し、その検出信号
に基づいてブラシレスモータのステータコイルに順次通
電してマグネットロータを回転させている。このような
ブラシレスモータはたとえば、扇風機のファンの駆動用
モータなどに使用されるが、ブラシレスモータのステー
タコイルを切り換えるときに通電が途切れる期間があ
る。通電が途切れると、駆動トルクが変動する。その結
果、ブラシレスモータが振動する。この振動が扇風機の
フレームなどに伝わって騒音となる。
【0003】このようなブラシレスモータのステータコ
イルの切り換える時に生ずる通電が途切れに起因する駆
動トルクの変動を防止する方法として、たとえば、実公
昭59-15269号公報に開示されているように、ブラシレス
モータの起動時に、ステータコイルに通電する期間を相
互に一定の割合で重ならせて、ブラシレスモータの起動
時にステータコイルへの通電が途切れないようにして、
ブラシレスモータの振動を防止する方法が知られてい
る。
【0004】しかしながら、実公昭59-15269号公報に開
示された方法は、ブラシレスモータの起動時の振動は軽
減できるが、ブラシレスモータの定常運転時は依然とし
て、ステータコイルの切り換える時に生ずる通電の途切
れに起因する駆動トルクの変動による振動が発生する。
【0005】そこで、たとえば、特公平6−52996
号公報に記載されているように、ブラシレスモータの起
動時に加えて、定常運転時もブラシレスモータのステー
タコイルへの通電期間を一部重複させて、ステータコイ
ルへの通電が途切れないようにして、ブラシレスモータ
の起動時も定常運転時もブラシレスモータに振動が発生
しないようにしている方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−52996号公報に記載された方法によっても、マ
グネットロータの加速時およびブラシレスモータの過負
荷のとき、依然として、下記に述べる課題がある。
【0007】ブラシレスモータのマグネットロータの加
速時は、図4(a)に図解したように、速度指令の変化
に対して、ブラシレスモータのマグネットロータの応答
遅れに起因して、図4(b)に図解したように、実際の
マグネットロータの回転速度は遅れる。その結果とし
て、図4(c)に図解したように、通電重複時間が設定
した電気角よりも大きくなる。したがって、ステータコ
イル素子を通してブラシレスモータのステータコイルに
通電する期間が長くなるから、ステータコイル素子にお
ける電力損失が大きくなる。
【0008】ブラシレスモータに過大な負荷がかかった
ときは、図5(a)に図解したような速度指令に対し
て、図5(b)に図解したようにブラシレスモータの通
常速度制御範囲を越えたとき、通電重複時間を設定して
おくと、図5(c)に図解したように長くステータコイ
ル素子を介して通電が行われるから、ステータコイル素
子における電力損失が大きくなる。
【0009】以上の課題は、ブラシレスモータの起動時
および定常運転時に、上述したステータコイルへの通電
が途切れることを防止する通電重複期間をそれぞれ所定
の固定な時間に設定しているため、マグネットロータの
加速時およびブラシレスモータに過大な負荷がかかって
いるとき、その通電重複時間が悪作用しているともいえ
る。
【0010】本発明は上述した課題を克服することを意
図して発明されたものであり、本発明の目的は、ブラシ
レスモータの起動時および定常運転時におけるブラシレ
スモータの振動を防止することに加えて、マグネットロ
ータの加速時およびブラシレスモータに過大な負荷がか
かっているときに、電力損失が少ないブラシレスモータ
駆動制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点によ
れば、ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検
出する複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)と、回
転速度指令(S+)に応じて前記ブラシレスモータのス
テータコイルに重複して通電する通電重複時間(TL)
を決定する重複通電時間決定手段(30)と、該複数の
ロータ位置検出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信
号から前記マグネットロータの実際の回転速度(S−)
を検出する速度算出手段(12)、前記速度算出手段
(12)で算出した実際の回転速度に応じて前記通電重
複時間(TL)を変更する信号処理手段(12)と、前
記回転速度指令(S+)と、前記速度算出手段で算出し
た実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する
誤差算出手段(18)と、該誤差算出手段で算出した速
度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を
算出する速度制御手段(22,7)と、該速度制御手段
で算出した回転速度制御信号および前記変更した通電重
複時間(TL)に応じて、前記ブラシレスモータをスイ
ッチング駆動するスイッチング駆動手段(5)とを有す
るブラシレスモータ駆動制御装置が提供される。
【0012】また本発明の第2の観点によれば、ブラシ
レスモータのマグネットロータの位置を検出する複数の
ロータ位置検出手段(H1〜H3)と、回転速度指令
(S+)に応じて前記ブラシレスモータのステータコイ
ルに重複して通電する通電重複時間(TL)を決定する
重複通電時間決定手段(30)と、該複数のロータ位置
検出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信号から前記
マグネットロータの実際の回転速度(S−)を検出する
速度算出手段(12)、前記ブラシレスモータに過大負
荷がかかっていること検出する過大負荷検出手段(4
2)と、前記過大負荷検出手段(42)で検出した過大
負荷の程度に応じて前記通電重複時間(TL)を変更す
る信号処理手段(12)と、前記回転速度指令(S+)
と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロー
タの回転速度との差を算出する誤差算出手段(18)
と、該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マ
グネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段
(22,7)と、該速度制御手段で算出した回転速度制
御信号および前記変更した通電重複時間(TL)に応じ
て、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイ
ッチング駆動手段(5)とを有するブラシレスモータ駆
動制御装置が提供される。
【0013】本発明の第3の観点によれば、上記第1の
観点および第2の観点の発明を組み合わせたもの、すな
わち、ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検
出する複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)と、回
転速度指令(S+)に応じて前記ブラシレスモータのス
テータコイルに重複して通電する通電重複時間(TL)
を決定する重複通電時間決定手段(30)と、該複数の
ロータ位置検出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信
号から前記マグネットロータの実際の回転速度(S−)
を検出する速度算出手段(12)、前記速度算出手段
(12)で算出した実際の回転速度に応じて前記通電重
複時間(TL)を変更する第1の信号処理手段(12)
と、前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっているこ
と検出する過大負荷検出手段(42)と、前記過大負荷
検出手段(42)で検出した過大負荷の程度に応じて前
記通電重複時間(TL)を変更する第2の信号処理手段
(12)と、前記回転速度指令(S+)と、前記速度算
出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度と
の差を算出する誤差算出手段(18)と、該誤差算出手
段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの
回転制御信号を算出する速度制御手段(22,7)と、
該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記
変更した通電重複時間(TL)に応じて、前記ブラシレ
スモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段
(5)とを有するブラシレスモータ駆動制御装置が提供
される。
【0014】
【作用】ブラシレスモータの加速時(第1の観点) ブラシレスモータのステータコイルへの通電重複時間
を、ブラシレスモータのマグネットロータの回転速度指
令値(基準値)に応じて算出する。このようにして算出
した通電重複時間に従ってマグネットロータの加速時に
ステータコイルへ通電を行うと、ステータコイルへの通
電重複時間は設定した電気角より短い適切な時期とな
る。
【0015】ブラシレスモータに過大負荷がかかったと
き(第2の観点) マグネットロータの速度制御範囲を越える過大負荷がブ
ラシレスモータにかかたとき、通電重複時間が、設定し
た時間よりも短くなり、スイッチング素子における電力
損失は軽減される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明のブラシレスモータ
駆動制御装置の実施の形態としてのブラシレスモータ駆
動制御装置の構成図である。なお、本実施の形態におい
ても、上述した実公昭59-15269号公報に開示されたブラ
シレスモータの起動時の振動防止処理、および、特公平
6−52996号公報に開示されたブラシレスモータの
定常運転時の振動防止処理は行うが、図解の関係でその
詳細は割愛している。
【0017】図解のブラシレスモータ駆動制御装置は、
ブラシレスモータ1を駆動し、ブラシレスモータ1のマ
グネットロータ(図示せず)の回転数を希望する回転数
に制御する。ブラシレスモータ1のマグネットロータの
位置および回転数を検出するため、3個のホール素子H
1〜H3が設けられている。ブラシレスモータ1のマグ
ネットロータの駆動は、主電源3から、パワートランジ
スタなどを有するスイッチング駆動手段としてのトラン
ジスタ・スイッチング回路5によってブラシレスモータ
1のステータコイル(図示せず)U,V,Wに通電する
ことによって行われる。
【0018】本発明の実施の形態のブラシレスモータ駆
動制御装置は、ブラシレスモータのマグネットロータの
位置を検出する複数のロータ位置検出手段としての3個
のホール素子H1〜H3と、回転速度指令設定器10か
ら指定される回転速度指令S+に応じてブラシレスモー
タ1のステータコイルに重複して通電する通電重複時間
TLを決定する重複通電時間決定手段としてのオーバー
ラップ通電時間設定回路30と、該複数のロータ位置検
出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信号から前記マ
グネットロータの実際の回転速度S−を検出する速度算
出手段としての3相分配・信号処理回路12と、3相分
配・信号処理回路12で算出した実際の回転速度に応じ
て通電重複時間TLを変更する第1の信号処理手段とし
ての3相分配・信号処理回路12と、前記ブラシレスモ
ータに過大負荷がかかっていることを検出する過大負荷
検出手段、たとえば、過電流保護回路42と、前記過大
負荷検出手段で検出した過大負荷の程度に応じて前記通
電重複時間TLを変更する第2の信号処理手段としての
3相分配・信号処理回路12と、回転速度指令S+と、
前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの
回転速度との差を算出する誤差算出手段としての速度制
御増幅回路18と、該誤差算出手段で算出した速度誤差
に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出す
る速度制御手段としての3相分配・信号処理回路12お
よびPWM制御回路7と、該速度制御手段で算出した回
転速度制御信号および前記変更した通電重複時間TLに
応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動する
スイッチング駆動手段としてのトランジスタ・スイッチ
ング回路5とを有するブラシレスモータ駆動制御装置が
提供される。本実施の形態のブラシレスモータ駆動制御
装置においては、ブラシレスモータ1はパルス幅変調方
式(PWM方式)で駆動される。したがって、ブラシレ
スモータ駆動制御装置は、PWM制御回路7を有してい
る。PWM制御方法は通常知られている種々の方法をと
ることができる。
【0019】ブラシレスモータ1のマグネットロータを
パルス幅変調方式で制御する回転速度指令S+は回転速
度指令設定器10から与えられる。ロータ位置検出手段
として、3個のホール素子H1〜H3からのマグネット
ロータ位置検出信号は、3相分配・信号処理回路12に
印加され、3相分配・信号処理回路12、6PPR回路
14、周波数/電圧(F/V)変換回路16において実
際のマグネットロータの回転数(回転速度)S−に変換
される。実際のマグネットロータの回転速度S−は、速
度制御増幅回路18に印加され、速度制御増幅回路18
において、回転速度指令S+から実際のマグネットロー
タの回転数(速度)S−が減じられて、回転数差(回転
速度差)、すなわち、回転速度指令S+に対する誤差信
号が算出される。
【0020】速度制御増幅回路18で算出した速度誤差
信号が、デューティ処理回路20を通してPWM比較回
路22に印加される。基準クロック信号発生回路24は
基準となるクロックCLKを発生する。PWM三角波信
号発生回路26は、基準クロック信号発生回路24から
のクロックCLKを参照してパルス幅変調パルスを発生
する。PWM比較回路22は、デューティ処理回路20
から印加された速度誤差信号をPWM三角波信号発生回
路26から印加される信号によってスライス処理され
て、PWM制御回路7におけるパルス幅変調に使用され
ている。パルス幅変調用制御信号がPWM比較回路22
からPWM制御回路7に印加されている。PWM制御回
路7はパルス幅変調方式にしたがってトランジスタ・ス
イッチング回路5を動作させ、ブラシレスモータ1のマ
グネットロータを回転速度指令設定器10で設定された
回転速度に制御する。以上がブラシレスモータ1をパル
ス幅変調方式で制御する基本構成および基本動作であ
る。
【0021】本発明の実施の形態のブラシレスモータ駆
動制御装置には、回転速度指令設定器10からの回転速
度指令S+に応じて、ブラシレスモータ1の起動時およ
び定常運転ときの通電重複時間TLを設定する(決定す
る)オーバーラップ通電時間設定回路30を有する。オ
ーバーラップ通電時間設定回路30におけるブラシレス
モータ1の起動時の通電重複時間TLおよびブラシレス
モータ1の定常運転ときのブラシレスモータ1の決定方
法は、実公昭59-15269号公報および特公平6−5299
6号公報において提案されている方法と同様である。オ
ーバーラップ通電時間設定回路30において決定された
通電重複時間TLは、3相分配・信号処理回路12に印
加される。
【0022】ブラシレスモータ1の加速時 3相分配・信号処理回路12には、ロータ位置検出手段
として3個のホール素子H1〜H3の信号が印加されて
いるから、3相分配・信号処理回路12においてブラシ
レスモータ1のマグネットロータの回転速度および加速
度が判る。そこで3相分配・信号処理回路12は、マグ
ネットロータに加速度が加わっているときは、その加速
度の大きさに応じて、オーバーラップ通電時間設定回路
30で決定した通電重複時間TLを修正する。3相分配
・信号処理回路12は好ましくは、マイクロコンピュー
タなどを内蔵しており、種々の信号処理が容易な構成に
なっている。その修正例を図2(a)〜図2(c)に図
解した。図2(a)〜図2(c)は図4(a)〜図4
(c)に対応するグラフである。ブラシレスモータ1の
マグネットロータの加速時は、図2(a)および図4
(a)に図解したように、回転速度指令S+の変化(2
目盛りから6目盛りへの変化)に対して、ブラシレスモ
ータのマグネットロータの応答遅れに起因して、図2
(b)および図4(b)に図解したように実際のマグネ
ットロータの回転速度は遅れる。その結果として、図4
(c)に図解した従来例では、通電重複時間が設定した
電気角よりも大きくなり(2目盛りから最大6目盛
り)、ステータコイル素子を通してブラシレスモータの
ステータコイルに通電する期間が長くなるためステータ
コイル素子における電力損失が大きくなった。しかしな
がら、本実施の形態においては、図2(c)に図解した
ように、通電重複時間の値は、2目盛りから4目盛りに
規制されており、低い(短い)。すなわち、本実施の形
態においては、3相分配・信号処理回路12において、
図4(c)に図解した通電重複時間の電気角を、加速度
の値に応じて、図2(c)に図解したように通電重複時
間の値を小さくしている。その結果、本実施の形態にお
いては、ブラシレスモータ1の加速時に、トランジスタ
・スイッチング回路5のスイッチング素子(パワートラ
ンジスタ)を通してブラシレスモータ1のステータコイ
ルに通電する期間は短くなり、トランジスタ・スイッチ
ング回路5のスイッチング素子における電力損失が小さ
くなった。
【0023】3相分配・信号処理回路12において、通
電重複時間TLを不当に修正してしまうことを防止する
ため、通電重複時間TLを修正(変更)する範囲に、上
限と下限を設定しておくことが望ましい。そのため、3
相分配・信号処理回路12は、最長通電重複時間TLma
x と、最短通電重複時間TLmin とを設定しておき、如
何なる加速度のときでも、最長通電重複時間TLmax
と、最短通電重複時間TLmin の範囲内で通電重複時間
TLを修正するようにしている。最長通電重複時間TL
max と、最短通電重複時間TLmin とは3相分配・信号
処理回路12に記憶させておいてもよく、外部から3相
分配・信号処理回路12に設定可能にしておいてもよ
い。
【0024】なお、3相分配・信号処理回路12は、ブ
ラシレスモータ1の加速度が所定以下のときは、オーバ
ーラップ通電時間設定回路30で設定した通電重複時間
TLに戻して、ブラシレスモータ1の起動時および定常
運転ときの通電重複時間TLに復活させておく。
【0025】ブラシレスモータ1に過大負荷がかかった
とき ブラシレスモータ1の過大負荷として、本実施の形態に
おいては、過大電流がブラシレスモータ1のステータコ
イルに流れた場合を例示している。ブラシレスモータ1
のステータコイルに過大電流が流れた場合、過電流検出
回路40によって検出される。本実施の形態において
は、実際は、トランジスタ・スイッチング回路5におけ
るスイッチング素子、たとえば、パワートランジスタに
流れる電流を検出している。過電流検出回路40で検出
した過大電流状態は、過電流保護回路42、ラッチ回路
44を介してPWM制御回路7に伝えられる他、3相分
配・信号処理回路12二も伝えられる。ブラシレスモー
タ1の故障につながるような過大な電流が流れたとき
は、PWM制御回路7の保護回路でトランジスタ・スイ
ッチング回路5からブラシレスモータ1への通電を停止
する。
【0026】しかしながら、ブラシレスモータ1のステ
ータコイルへの通電を停止するほどの過大電流でない場
合は、3相分配・信号処理回路12は、上記加速度が加
わったときと同様、オーバーラップ通電時間設定回路3
0で設定された通電重複時間TLを変更する。図3
(a)〜図3(c)は図5(a)〜図5(c)に対応し
ている。ブラシレスモータに過大な負荷がかかっている
ため、図3(a)および図5(a)に図解したような回
転速度指令S+に対して、図3(b)および図5(b)
に図解したようにブラシレスモータの通常速度制御範囲
を越えている。従来の方法では図5(c)に図解したよ
うに通電重複時間TLは、5目盛りの大きさ(長さ)で
あるが、本実施の形態においては図3(c)に示したよ
うに,通電重複時間TLは4目盛りに小さくなってい
る。したがって,本実施の形態によれば、トランジスタ
・スイッチング回路5のスイッチング素子からブラシレ
スモータ1のステータコイルに長く通電が行われないか
ら、ステータコイル素子における電力損失は少ない。
【0027】3相分配・信号処理回路12において、通
電重複時間TLを不当に修正してしまうことを防止する
ため、過大負荷の場合も、通電重複時間TLを修正(変
更)する範囲に、上限と下限を設定しておくことが望ま
しい。そのため、3相分配・信号処理回路12は、最長
通電重複時間TLmax と、最短通電重複時間TLminと
を設定しておき、過大負荷のときでも、最長通電重複時
間TLmax と、最短通電重複時間TLmin の範囲内で通
電重複時間TLを修正するようにしている。最長通電重
複時間TLmax と、最短通電重複時間TLmin とは3相
分配・信号処理回路12に記憶させておいてもよく、外
部から3相分配・信号処理回路12に設定可能にしてお
いてもよい。
【0028】なお、3相分配・信号処理回路12は、ブ
ラシレスモータ1が過大負荷状態でなくなったときは、
オーバーラップ通電時間設定回路30で設定した通電重
複時間TLに戻して、ブラシレスモータ1の起動時およ
び定常運転ときの通電重複時間TLに復活させておく。
【0029】なお、過電流保護回路42で過大電流を検
出したとき、第1の遅延回路46および第2の遅延回路
48でそれぞれ時間t1およびt2だけ遅延して、過負
荷保護回路50に通報し、ラッチ回路52で保持したの
ち、PWM制御回路7に通報するとともに、3相分配・
信号処理回路12もに通報して、通電重複時間TLの変
更、その他の処理を行わせることができる。
【0030】ブラシレスモータ1に過大負荷がかかった
他の例としては、PWM制御回路7とトランジスタ・ス
イッチング回路5との間に設けられた過温度・減電圧保
護回路60で、たとえば、どこかに短絡事故などがあり
PWM制御回路7からトランジスタ・スイッチング回路
5に印加される電圧が低下した場合、ブラシレスモータ
1が高い温度になった場合などかある。このような原因
で通電重複時間TLを変更することもできる。
【0031】また、PWM制御回路7とトランジスタ・
スイッチング回路5との間には、デットタイム制御回路
62が設けられている。
【0032】通電重複時間TLの変更は、ブラシレスモ
ータ1に加速度が加わったときと、ブラシレスモータ1
に過大負荷が加わったときでは、異なるようにしておく
ことが望ましい。通電重複時間TLに対する変更内容が
異なることがあるからである。
【0033】以上の実施の形態としては、ブラシレスモ
ータ1が加速しているときと、ブラシレスモータ1に過
大負荷が印加されたときとを分離して述べたが、両者に
対して同時に上述した処理を行えるようにしておくこと
はできる。また、ブラシレスモータ1が加速していると
きと、または、ブラシレスモータ1に過大負荷が印加さ
れたときのいずれかのみを適用することもできる。
【0034】上述した実施の形態は、パルス幅変調方式
によるブラシレスモータ1の回転速度制御について述べ
たが、本発明はパルス幅変調方式のブラシレスモータへ
の適用が制限されるものではない。本発明は、スイッチ
ング素子を用いてブラシレスモータのステータコイルに
通電する種々のブラシレスモータ駆動制御装置に適用で
きる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ブラシレスモータの起
動時の振動防止およびブラシレスモータの通常運転時の
振動防止が可能な他、ブラシレスモータの加速時(また
は減速時)、ステータコイルに通電するスイッチング素
子における電力消費は低減された。
【0036】また本発明によれば、ブラシレスモータの
起動時の振動防止およびブラシレスモータの通常運転時
の振動防止が可能な他、ブラシレスモータに過大負荷が
かかっているときでも、ステータコイルに通電するスイ
ッチング素子における電力消費は低減された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのブラシレスモータ
駆動制御装置の構成図である。
【図2】図2(a)〜図2(c)は図1に図解したブラ
シレスモータ駆動制御装置が、ブラシレスモータが加速
しているときに、ブラシレスモータのマグネットロータ
の加速時の動作特性を示すグラフである。
【図3】図3(a)〜図3(c)は図1に図解したブラ
シレスモータ駆動制御装置が、ブラシレスモータに過大
な負荷がかかったときに、ブラシレスモータのマグネッ
トロータの加速時の動作特性を示すグラフである。
【図4】図4(a)〜図4(c)は従来のブラシレスモ
ータ駆動制御装置が、ブラシレスモータが加速している
ときに、ブラシレスモータのマグネットロータの加速時
の動作特性を示すグラフである。
【図5】図5(a)〜図5(c)は従来のブラシレスモ
ータ駆動制御装置が、ブラシレスモータに過大な負荷が
かかっているときに、ブラシレスモータのマグネットロ
ータの加速時の動作特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・ブラシレスモータ H1〜H3・・ホール素子 3・・主電源 5・・トランジスタ・スイッチング回路 7・・PWM制御回路 10・・回転速度指令設定器 12・・3相分配・信号処理回路 16・・周波数/電圧(F/V)変換回路 18・・速度制御増幅回路 20・・デューティ処理回路 22・・PWM比較回路 24・・基準クロック信号発生回路 26・・PWM三角波信号発生回路 30・・オーバーラップ通電時間設定回路 40・・過電流検出回路 42・・過電流保護回路 44・・ラッチ回路 46・・第1の遅延回路 48・・第2の遅延回路 50・・過負荷保護回路 52・・ラッチ回路 60・・過温度・減電圧保護回路 62・・デットタイム制御回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブラシレスモータのマグネットロータの位
    置を検出する複数のロータ位置検出手段と、 回転速度指令に応じて前記ブラシレスモータのステータ
    コイルに重複して通電する通電重複時間を決定する重複
    通電時間決定手段と、 該複数のロータ位置検出手段のロータ位置検出信号から
    前記マグネットロータの実際の回転速度を検出する速度
    算出手段、 前記速度算出手段で算出した実際の回転速度に応じて前
    記通電重複時間を変更する信号処理手段と、 前記回転速度指令と、前記速度算出手段で算出した実際
    のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算
    出手段と、 該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネ
    ットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段と、 該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記
    変更した通電重複時間に応じて、前記ブラシレスモータ
    をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを有す
    るブラシレスモータ駆動制御装置。
  2. 【請求項2】ブラシレスモータのマグネットロータの位
    置を検出する複数のロータ位置検出手段と、 回転速度指令に応じて前記ブラシレスモータのステータ
    コイルに重複して通電する通電重複時間を決定する重複
    通電時間決定手段と、 該複数のロータ位置検出手段のロータ位置検出信号から
    前記マグネットロータの実際の回転速度を検出する速度
    算出手段、 前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっていること検
    出する過大負荷検出手段と、 前記過大負荷検出手段で検出した過大負荷の程度に応じ
    て前記通電重複時間を変更する信号処理手段と、 前記回転速度指令と、前記速度算出手段で算出した実際
    のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算
    出手段と、 該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネ
    ットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段と、 該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記
    変更した通電重複時間に応じて、前記ブラシレスモータ
    をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを有す
    るブラシレスモータ駆動制御装置。
  3. 【請求項3】ブラシレスモータのマグネットロータの位
    置を検出する複数のロータ位置検出手段と、 回転速度指令に応じて前記ブラシレスモータのステータ
    コイルに重複して通電する通電重複時間を決定する重複
    通電時間決定手段と、 該複数のロータ位置検出手段のロータ位置検出信号から
    前記マグネットロータの実際の回転速度を検出する速度
    算出手段、 前記速度算出手段で算出した実際の回転速度に応じて前
    記通電重複時間を変更する第1の信号処理手段と、 前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっていること検
    出する過大負荷検出手段と、 前記過大負荷検出手段で検出した過大負荷の程度に応じ
    て前記通電重複時間を変更する第2の信号処理手段と、 前記回転速度指令と、前記速度算出手段で算出した実際
    のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算
    出手段と、 該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネ
    ットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段と、 該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記
    変更した通電重複時間に応じて、前記ブラシレスモータ
    をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを有す
    るブラシレスモータ駆動制御装置。
  4. 【請求項4】前記信号処理手段における前記通電重複時
    間の変更は、所定の範囲内で行う、請求項1〜3いずれ
    か記載のブラシレスモータ駆動制御装置。
  5. 【請求項5】前記速度制御手段はパルス幅変調方式で制
    御する、請求項1〜4いずれか記載のブラシレスモータ
    駆動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012029390A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Minebea Co Ltd 駆動制御装置

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