JP3992085B2 - ブラシレスモータ駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラシレスモータを駆動制御するブラシレスモータ駆動制御装置に関する。より特定的には、本発明はブラシレスモータの騒音を低減させるとともに、加速時および過大負荷がかかったときも電力損失の少ないブラシレスモータ駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータの駆動制御方法としては、たとえば、マグネットロータの磁極の位置をホール素子などのロータ位置検出手段で検出し、その検出信号に基づいてブラシレスモータのステータコイルに順次通電してマグネットロータを回転させている。
このようなブラシレスモータはたとえば、扇風機のファンの駆動用モータなどに使用されるが、ブラシレスモータのステータコイルを切り換えるときに通電が途切れる期間がある。通電が途切れると、駆動トルクが変動する。その結果、ブラシレスモータが振動する。この振動が扇風機のフレームなどに伝わって騒音となる。
【0003】
このようなブラシレスモータのステータコイルの切り換える時に生ずる通電が途切れに起因する駆動トルクの変動を防止する方法として、たとえば、実公昭59-15269号公報に開示されているように、ブラシレスモータの起動時に、ステータコイルに通電する期間を相互に一定の割合で重ならせて、ブラシレスモータの起動時にステータコイルへの通電が途切れないようにして、ブラシレスモータの振動を防止する方法が知られている。
【0004】
しかしながら、実公昭59-15269号公報に開示された方法は、ブラシレスモータの起動時の振動は軽減できるが、ブラシレスモータの定常運転時は依然として、ステータコイルの切り換える時に生ずる通電の途切れに起因する駆動トルクの変動による振動が発生する。
【0005】
そこで、たとえば、特公平6−52996号公報に記載されているように、ブラシレスモータの起動時に加えて、定常運転時もブラシレスモータのステータコイルへの通電期間を一部重複させて、ステータコイルへの通電が途切れないようにして、ブラシレスモータの起動時も定常運転時もブラシレスモータに振動が発生しないようにしている方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6−52996号公報に記載された方法によっても、マグネットロータの加速時およびブラシレスモータの過負荷のとき、依然として、下記に述べる課題がある。
【0007】
ブラシレスモータのマグネットロータの加速時は、図4(a)に図解したように、速度指令の変化に対して、ブラシレスモータのマグネットロータの応答遅れに起因して、図4(b)に図解したように、実際のマグネットロータの回転速度は遅れる。その結果として、図4(c)に図解したように、通電重複時間が設定した電気角よりも大きくなる。したがって、ステータコイル素子を通してブラシレスモータのステータコイルに通電する期間が長くなるから、ステータコイル素子における電力損失が大きくなる。
【0008】
ブラシレスモータに過大な負荷がかかったときは、図5(a)に図解したような速度指令に対して、図5(b)に図解したようにブラシレスモータの通常速度制御範囲を越えたとき、通電重複時間を設定しておくと、図5(c)に図解したように長くステータコイル素子を介して通電が行われるから、ステータコイル素子における電力損失が大きくなる。
【0009】
以上の課題は、ブラシレスモータの起動時および定常運転時に、上述したステータコイルへの通電が途切れることを防止する通電重複期間をそれぞれ所定の固定な時間に設定しているため、マグネットロータの加速時およびブラシレスモータに過大な負荷がかかっているとき、その通電重複時間が悪作用しているともいえる。
【0010】
本発明は上述した課題を克服することを意図して発明されたものであり、本発明の目的は、ブラシレスモータの起動時および定常運転時におけるブラシレスモータの振動を防止することに加えて、マグネットロータの加速時およびブラシレスモータに過大な負荷がかかっているときに、電力損失が少ないブラシレスモータ駆動制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検出する複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)と、回転速度指令(S+)に応じて前記ブラシレスモータのステータコイルに重複して通電する通電重複時間(TL)を決定する重複通電時間決定手段(30)と、該複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信号から前記マグネットロータの実際の回転速度(S−)を検出する速度算出手段(12)、前記速度算出手段(12)で算出した実際の回転速度に応じて加速時と判断し、前記通電重複時間(TL)を一定量で変更する信号処理手段(12)と、前記回転速度指令(S+)と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算出手段(18)と、該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段(22,7)と、該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記信号処理手段にて変更した通電重複時間(TL)に応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段(5)とを有するブラシレスモータ駆動制御装置が提供される。
【0012】
また本発明の第2の観点によれば、ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検出する複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)と、回転速度指令(S+)に応じて前記ブラシレスモータのステータコイルに重複して通電する通電重複時間(TL)を決定する重複通電時間決定手段(30)と、該複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信号から前記マグネットロータの実際の回転速度(S−)を検出する速度算出手段(12)、前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっていること検出する過大負荷検出手段(42)と、前記過大負荷検出手段(42)で検出した過大負荷が前記ブラシレスモータの通常速度制御範囲を超えていると判断した時、前記通電重複時間(TL)を変更する信号処理手段(12)と、前記回転速度指令(S+)と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算出手段(18)と、該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段(22,7)と、該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記信号処理手段にて変更した通電重複時間(TL)に応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段(5)とを有するブラシレスモータ駆動制御装置が提供される。
【0013】
本発明の第3の観点によれば、ラシレスモータのマグネットロータの位置を検出する複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)と、回転速度指令(S+)に応じて前記ブラシレスモータのステータコイルに重複して通電する通電重複時間(TL)を決定する重複通電時間決定手段(30)と、該複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信号から前記マグネットロータの実際の回転速度(S−)を検出する速度算出手段(12)、前記速度算出手段(12)で算出した実際の回転速度に応じて前記通電重複時間(TL)を変更する第1の信号処理手段(12)と、前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっていること検出する過大負荷検出手段(42)と、前記過大負荷検出手段(42)で検出した過大負荷の程度に応じて前記通電重複時間(TL)を変更する第2の信号処理手段(12)と、前記回転速度指令(S+)と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算出手段(18)と、該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段(22,7)と、該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記2つの信号処理手段にて変更した通電重複時間(TL)に応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段(5)とを有するブラシレスモータ駆動制御装置が提供される。
【0014】
【作用】
ブラシレスモータの加速時(第1の観点)
ブラシレスモータのステータコイルへの通電重複時間を、ブラシレスモータのマグネットロータの回転速度指令値(基準値)に応じて算出する。このようにして算出した通電重複時間に従ってマグネットロータの加速時にステータコイルへ通電を行うと、ステータコイルへの通電重複時間は設定した電気角より短い適切な時期となる。
【0015】
ブラシレスモータに過大負荷がかかったとき(第2の観点)
マグネットロータの速度制御範囲を越える過大負荷がブラシレスモータにかかたとき、通電重複時間が、設定した時間よりも短くなり、スイッチング素子における電力損失は軽減される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のブラシレスモータ駆動制御装置の実施の形態としてのブラシレスモータ駆動制御装置の構成図である。
なお、本実施の形態においても、上述した実公昭59-15269号公報に開示されたブラシレスモータの起動時の振動防止処理、および、特公平6−52996号公報に開示されたブラシレスモータの定常運転時の振動防止処理は行うが、図解の関係でその詳細は割愛している。
【0017】
図解のブラシレスモータ駆動制御装置は、ブラシレスモータ1を駆動し、ブラシレスモータ1のマグネットロータ(図示せず)の回転数を希望する回転数に制御する。
ブラシレスモータ1のマグネットロータの位置および回転数を検出するため、3個のホール素子H1〜H3が設けられている。
ブラシレスモータ1のマグネットロータの駆動は、主電源3から、パワートランジスタなどを有するスイッチング駆動手段としてのトランジスタ・スイッチング回路5によってブラシレスモータ1のステータコイル(図示せず)U,V,Wに通電することによって行われる。
【0018】
本発明の実施の形態のブラシレスモータ駆動制御装置は、ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検出する複数のロータ位置検出手段としての3個のホール素子H1〜H3と、回転速度指令設定器10から指定される回転速度指令S+に応じてブラシレスモータ1のステータコイルに重複して通電する通電重複時間TLを決定する重複通電時間決定手段としてのオーバーラップ通電時間設定回路30と、該複数のロータ位置検出手段(H1〜H3)のロータ位置検出信号から前記マグネットロータの実際の回転速度S−を検出する速度算出手段としての3相分配・信号処理回路12と、3相分配・信号処理回路12で算出した実際の回転速度に応じて通電重複時間TLを変更する第1の信号処理手段としての3相分配・信号処理回路12と、前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっていることを検出する過大負荷検出手段、たとえば、過電流保護回路42と、前記過大負荷検出手段で検出した過大負荷の程度に応じて前記通電重複時間TLを変更する第2の信号処理手段としての3相分配・信号処理回路12と、回転速度指令S+と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算出手段としての速度制御増幅回路18と、該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段としての3相分配・信号処理回路12およびPWM制御回路7と、該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記変更した通電重複時間TLに応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段としてのトランジスタ・スイッチング回路5とを有するブラシレスモータ駆動制御装置が提供される。
本実施の形態のブラシレスモータ駆動制御装置においては、ブラシレスモータ1はパルス幅変調方式(PWM方式)で駆動される。したがって、ブラシレスモータ駆動制御装置は、PWM制御回路7を有している。PWM制御方法は通常知られている種々の方法をとることができる。
【0019】
ブラシレスモータ1のマグネットロータをパルス幅変調方式で制御する回転速度指令S+は回転速度指令設定器10から与えられる。
ロータ位置検出手段として、3個のホール素子H1〜H3からのマグネットロータ位置検出信号は、3相分配・信号処理回路12に印加され、3相分配・信号処理回路12、6PPR回路14、周波数/電圧(F/V)変換回路16において実際のマグネットロータの回転数(回転速度)S−に変換される。
実際のマグネットロータの回転速度S−は、速度制御増幅回路18に印加され、速度制御増幅回路18において、回転速度指令S+から実際のマグネットロータの回転数(速度)S−が減じられて、回転数差(回転速度差)、すなわち、回転速度指令S+に対する誤差信号が算出される。
【0020】
速度制御増幅回路18で算出した速度誤差信号が、デューティ処理回路20を通してPWM比較回路22に印加される。
基準クロック信号発生回路24は基準となるクロックCLKを発生する。PWM三角波信号発生回路26は、基準クロック信号発生回路24からのクロックCLKを参照してパルス幅変調パルスを発生する。
PWM比較回路22は、デューティ処理回路20から印加された速度誤差信号をPWM三角波信号発生回路26から印加される信号によってスライス処理されて、PWM制御回路7におけるパルス幅変調に使用されている。
パルス幅変調用制御信号がPWM比較回路22からPWM制御回路7に印加されている。PWM制御回路7はパルス幅変調方式にしたがってトランジスタ・スイッチング回路5を動作させ、ブラシレスモータ1のマグネットロータを回転速度指令設定器10で設定された回転速度に制御する。
以上がブラシレスモータ1をパルス幅変調方式で制御する基本構成および基本動作である。
【0021】
本発明の実施の形態のブラシレスモータ駆動制御装置には、回転速度指令設定器10からの回転速度指令S+に応じて、ブラシレスモータ1の起動時および定常運転ときの通電重複時間TLを設定する(決定する)オーバーラップ通電時間設定回路30を有する。
オーバーラップ通電時間設定回路30におけるブラシレスモータ1の起動時の通電重複時間TLおよびブラシレスモータ1の定常運転ときのブラシレスモータ1の決定方法は、実公昭59-15269号公報および特公平6−52996号公報において提案されている方法と同様である。
オーバーラップ通電時間設定回路30において決定された通電重複時間TLは、3相分配・信号処理回路12に印加される。
【0022】
ブラシレスモータ1の加速時
3相分配・信号処理回路12には、ロータ位置検出手段として3個のホール素子H1〜H3の信号が印加されているから、3相分配・信号処理回路12においてブラシレスモータ1のマグネットロータの回転速度および加速度が判る。そこで3相分配・信号処理回路12は、マグネットロータに加速度が加わっているときは、その加速度の大きさに応じて、オーバーラップ通電時間設定回路30で決定した通電重複時間TLを修正する。
3相分配・信号処理回路12は好ましくは、マイクロコンピュータなどを内蔵しており、種々の信号処理が容易な構成になっている。
その修正例を図2(a)〜図2(c)に図解した。図2(a)〜図2(c)は図4(a)〜図4(c)に対応するグラフである。
ブラシレスモータ1のマグネットロータの加速時は、図2(a)および図4(a)に図解したように、回転速度指令S+の変化(2目盛りから6目盛りへの変化)に対して、ブラシレスモータのマグネットロータの応答遅れに起因して、図2(b)および図4(b)に図解したように実際のマグネットロータの回転速度は遅れる。その結果として、図4(c)に図解した従来例では、通電重複時間が設定した電気角よりも大きくなり(2目盛りから最大6目盛り)、ステータコイル素子を通してブラシレスモータのステータコイルに通電する期間が長くなるためステータコイル素子における電力損失が大きくなった。しかしながら、本実施の形態においては、図2(c)に図解したように、通電重複時間の値は、2目盛りから4目盛りに規制されており、低い(短い)。
すなわち、本実施の形態においては、3相分配・信号処理回路12において、図4(c)に図解した通電重複時間の電気角を、加速度の値に応じて、図2(c)に図解したように通電重複時間の値を小さくしている。その結果、本実施の形態においては、ブラシレスモータ1の加速時に、トランジスタ・スイッチング回路5のスイッチング素子(パワートランジスタ)を通してブラシレスモータ1のステータコイルに通電する期間は短くなり、トランジスタ・スイッチング回路5のスイッチング素子における電力損失が小さくなった。
【0023】
3相分配・信号処理回路12において、通電重複時間TLを不当に修正してしまうことを防止するため、通電重複時間TLを修正(変更)する範囲に、上限と下限を設定しておくことが望ましい。そのため、3相分配・信号処理回路12は、最長通電重複時間TLmax と、最短通電重複時間TLmin とを設定しておき、如何なる加速度のときでも、最長通電重複時間TLmax と、最短通電重複時間TLmin の範囲内で通電重複時間TLを修正するようにしている。
最長通電重複時間TLmax と、最短通電重複時間TLmin とは3相分配・信号処理回路12に記憶させておいてもよく、外部から3相分配・信号処理回路12に設定可能にしておいてもよい。
【0024】
なお、3相分配・信号処理回路12は、ブラシレスモータ1の加速度が所定以下のときは、オーバーラップ通電時間設定回路30で設定した通電重複時間TLに戻して、ブラシレスモータ1の起動時および定常運転ときの通電重複時間TLに復活させておく。
【0025】
ブラシレスモータ1に過大負荷がかかったとき
ブラシレスモータ1の過大負荷として、本実施の形態においては、過大電流がブラシレスモータ1のステータコイルに流れた場合を例示している。
ブラシレスモータ1のステータコイルに過大電流が流れた場合、過電流検出回路40によって検出される。本実施の形態においては、実際は、トランジスタ・スイッチング回路5におけるスイッチング素子、たとえば、パワートランジスタに流れる電流を検出している。
過電流検出回路40で検出した過大電流状態は、過電流保護回路42、ラッチ回路44を介してPWM制御回路7に伝えられる他、3相分配・信号処理回路12二も伝えられる。
ブラシレスモータ1の故障につながるような過大な電流が流れたときは、PWM制御回路7の保護回路でトランジスタ・スイッチング回路5からブラシレスモータ1への通電を停止する。
【0026】
しかしながら、ブラシレスモータ1のステータコイルへの通電を停止するほどの過大電流でない場合は、3相分配・信号処理回路12は、上記加速度が加わったときと同様、オーバーラップ通電時間設定回路30で設定された通電重複時間TLを変更する。
図3(a)〜図3(c)は図5(a)〜図5(c)に対応している。
ブラシレスモータに過大な負荷がかかっているため、図3(a)および図5(a)に図解したような回転速度指令S+に対して、図3(b)および図5(b)に図解したようにブラシレスモータの通常速度制御範囲を越えている。従来の方法では図5(c)に図解したように通電重複時間TLは、5目盛りの大きさ(長さ)であるが、本実施の形態においては図3(c)に示したように,通電重複時間TLは4目盛りに小さくなっている。したがって,本実施の形態によれば、トランジスタ・スイッチング回路5のスイッチング素子からブラシレスモータ1のステータコイルに長く通電が行われないから、ステータコイル素子における電力損失は少ない。
【0027】
3相分配・信号処理回路12において、通電重複時間TLを不当に修正してしまうことを防止するため、過大負荷の場合も、通電重複時間TLを修正(変更)する範囲に、上限と下限を設定しておくことが望ましい。そのため、3相分配・信号処理回路12は、最長通電重複時間TLmax と、最短通電重複時間TLmin とを設定しておき、過大負荷のときでも、最長通電重複時間TLmax と、最短通電重複時間TLmin の範囲内で通電重複時間TLを修正するようにしている。
最長通電重複時間TLmax と、最短通電重複時間TLmin とは3相分配・信号処理回路12に記憶させておいてもよく、外部から3相分配・信号処理回路12に設定可能にしておいてもよい。
【0028】
なお、3相分配・信号処理回路12は、ブラシレスモータ1が過大負荷状態でなくなったときは、オーバーラップ通電時間設定回路30で設定した通電重複時間TLに戻して、ブラシレスモータ1の起動時および定常運転ときの通電重複時間TLに復活させておく。
【0029】
なお、過電流保護回路42で過大電流を検出したとき、第1の遅延回路46および第2の遅延回路48でそれぞれ時間t1およびt2だけ遅延して、過負荷保護回路50に通報し、ラッチ回路52で保持したのち、PWM制御回路7に通報するとともに、3相分配・信号処理回路12もに通報して、通電重複時間TLの変更、その他の処理を行わせることができる。
【0030】
ブラシレスモータ1に過大負荷がかかった他の例としては、PWM制御回路7とトランジスタ・スイッチング回路5との間に設けられた過温度・減電圧保護回路60で、たとえば、どこかに短絡事故などがありPWM制御回路7からトランジスタ・スイッチング回路5に印加される電圧が低下した場合、ブラシレスモータ1が高い温度になった場合などかある。このような原因で通電重複時間TLを変更することもできる。
【0031】
また、PWM制御回路7とトランジスタ・スイッチング回路5との間には、デットタイム制御回路62が設けられている。
【0032】
通電重複時間TLの変更は、ブラシレスモータ1に加速度が加わったときと、ブラシレスモータ1に過大負荷が加わったときでは、異なるようにしておくことが望ましい。通電重複時間TLに対する変更内容が異なることがあるからである。
【0033】
以上の実施の形態としては、ブラシレスモータ1が加速しているときと、ブラシレスモータ1に過大負荷が印加されたときとを分離して述べたが、両者に対して同時に上述した処理を行えるようにしておくことはできる。また、ブラシレスモータ1が加速しているときと、または、ブラシレスモータ1に過大負荷が印加されたときのいずれかのみを適用することもできる。
【0034】
上述した実施の形態は、パルス幅変調方式によるブラシレスモータ1の回転速度制御について述べたが、本発明はパルス幅変調方式のブラシレスモータへの適用が制限されるものではない。本発明は、スイッチング素子を用いてブラシレスモータのステータコイルに通電する種々のブラシレスモータ駆動制御装置に適用できる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ブラシレスモータの起動時の振動防止およびブラシレスモータの通常運転時の振動防止が可能な他、ブラシレスモータの加速時(または減速時)、ステータコイルに通電するスイッチング素子における電力消費は低減された。
【0036】
また本発明によれば、ブラシレスモータの起動時の振動防止およびブラシレスモータの通常運転時の振動防止が可能な他、ブラシレスモータに過大負荷がかかっているときでも、ステータコイルに通電するスイッチング素子における電力消費は低減された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのブラシレスモータ駆動制御装置の構成図である。
【図2】図2(a)〜図2(c)は図1に図解したブラシレスモータ駆動制御装置が、ブラシレスモータが加速しているときに、ブラシレスモータのマグネットロータの加速時の動作特性を示すグラフである。
【図3】図3(a)〜図3(c)は図1に図解したブラシレスモータ駆動制御装置が、ブラシレスモータに過大な負荷がかかったときに、ブラシレスモータのマグネットロータの加速時の動作特性を示すグラフである。
【図4】図4(a)〜図4(c)は従来のブラシレスモータ駆動制御装置が、ブラシレスモータが加速しているときに、ブラシレスモータのマグネットロータの加速時の動作特性を示すグラフである。
【図5】図5(a)〜図5(c)は従来のブラシレスモータ駆動制御装置が、ブラシレスモータに過大な負荷がかかっているときに、ブラシレスモータのマグネットロータの加速時の動作特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・ブラシレスモータ
H1〜H3・・ホール素子
3・・主電源
5・・トランジスタ・スイッチング回路
7・・PWM制御回路
10・・回転速度指令設定器
12・・3相分配・信号処理回路
16・・周波数/電圧(F/V)変換回路
18・・速度制御増幅回路
20・・デューティ処理回路
22・・PWM比較回路
24・・基準クロック信号発生回路
26・・PWM三角波信号発生回路
30・・オーバーラップ通電時間設定回路
40・・過電流検出回路
42・・過電流保護回路
44・・ラッチ回路
46・・第1の遅延回路
48・・第2の遅延回路
50・・過負荷保護回路
52・・ラッチ回路
60・・過温度・減電圧保護回路
62・・デットタイム制御回路

Claims (4)

  1. ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検出する複数のロータ位置検出手段と、
    回転速度指令に応じて前記ブラシレスモータのステータコイルに重複して通電する通電重複時間を決定する重複通電時間決定手段と、
    該複数のロータ位置検出手段のロータ位置検出信号から前記マグネットロータの実際の回転速度を検出する速度算出手段、
    前記速度算出手段で算出した実際の回転速度に応じて加速時と判断し、前記通電重複時間を一定量で変更する信号処理手段と、
    前記回転速度指令と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算出手段と、
    該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段と、
    該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記信号処理手段にて変更した通電重複時間に応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを有するブラシレスモータ駆動制御装置。
  2. ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検出する複数のロータ位置検出手段と、
    回転速度指令に応じて前記ブラシレスモータのステータコイルに重複して通電する通電重複時間を決定する重複通電時間決定手段と、
    該複数のロータ位置検出手段のロータ位置検出信号から前記マグネットロータの実際の回転速度を検出する速度算出手段、
    前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっていること検出する過大負荷検出手段と、
    前記過大負荷検出手段で検出した過大負荷が前記ブラシレスモータの通常速度制御範囲を超えていると判断した時、前記通電重複時間を変更する信号処理手段と、
    前記回転速度指令と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算出手段と、
    該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段と、
    該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記信号処理手段にて変更した通電重複時間に応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを有するブラシレスモータ駆動制御装置。
  3. ブラシレスモータのマグネットロータの位置を検出する複数のロータ位置検出手段と、
    回転速度指令に応じて前記ブラシレスモータのステータコイルに重複して通電する通電重複時間を決定する重複通電時間決定手段と、
    該複数のロータ位置検出手段のロータ位置検出信号から前記マグネットロータの実際の回転速度を検出する速度算出手段、
    前記速度算出手段で算出した実際の回転速度に応じて前記通電重複時間を変更する第1の信号処理手段と、
    前記ブラシレスモータに過大負荷がかかっていること検出する過大負荷検出手段と、
    前記過大負荷検出手段で検出した過大負荷の程度に応じて前記通電重複時間を変更する第2の信号処理手段と、
    前記回転速度指令と、前記速度算出手段で算出した実際のマグネットロータの回転速度との差を算出する誤差算出手段と、
    該誤差算出手段で算出した速度誤差に応じて前記マグネットロータの回転制御信号を算出する速度制御手段と、
    該速度制御手段で算出した回転速度制御信号および前記2つの信号処理手段にて変更した通電重複時間に応じて、前記ブラシレスモータをスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを有するブラシレスモータ駆動制御装置。
  4. 前記信号処理手段は、前記通電重複時間の不当な修正を防止するために、通電重複時間の上限と下限を設定しておき、所定の範囲内において前記通電重複時間の変更を行う、請求項1または請求項2いずれか記載のブラシレスモータ駆動制御装置。
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