JPH1154189A - ポリプロピレンテレフタレート樹脂コネクター - Google Patents

ポリプロピレンテレフタレート樹脂コネクター

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JPH1154189A
JPH1154189A JP20660397A JP20660397A JPH1154189A JP H1154189 A JPH1154189 A JP H1154189A JP 20660397 A JP20660397 A JP 20660397A JP 20660397 A JP20660397 A JP 20660397A JP H1154189 A JPH1154189 A JP H1154189A
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JP
Japan
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resin
polypropylene terephthalate
resin connector
terephthalate resin
connector
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Application number
JP20660397A
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Hideki Matsumoto
英樹 松本
Koji Yamauchi
幸二 山内
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性、耐熱性に優れ、かつ、耐屈曲性(ヒ
ンジ特性)に優れた自動車用、電気・電子機器回路接続
用樹脂コネクターの提供。 【解決手段】ポリプロピレンテレフタレート樹脂を成形
せしめてなる樹脂コネクター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性、耐熱性に
優れ、とりわけ耐屈曲性(ヒンジ特性)に優れた自動車
用、電気・電子機器回路接続用樹脂コネクターに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル
は機械特性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的特性に
優れているので自動車、電気・電子部品などの広い分野
で使用されている。熱可塑性ポリエステルは耐熱性が優
れていることから高温高湿下で連続使用することが可能
である。しかし高温下に長時間さらされると、結晶化と
熱劣化が次第に進行して靭性が低下し、特にヒンジ特性
が大幅に低下し、屈曲によって成形品が容易に破壊する
という欠点があった。このため、耐屈曲性(ヒンジ特
性)が必要とされる用途においては使用が制限されてい
るのが現状である。このような要求特性を改良する方法
として、特開昭60−231757号公報では芳香族カ
ーボネートやグリシジル基含有共重合体をポリエステル
樹脂に配合する方法、特開昭57−100154号公報
などに示されるビニル系重合体やグリシジル基含有ビニ
ル系共重合体をポリエステル樹脂に配合する方法などが
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに一
般的に提案された方法では熱可塑性ポリエステルの耐衝
撃性はある程度改良されるものの、耐屈曲特性(ヒンジ
特性)、特に高温下における十分な耐屈曲性(ヒンジ特
性)を付与することはできなかった。そこで本発明は、
耐屈曲性、特に高温下の処理においても優れた耐屈曲性
を併せ持つ樹脂コネクターを得ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち本発明は、(1)ポリプロピレンテレフタレート樹
脂を成形せしめてなる樹脂コネクター、(2)ポリプロ
ピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、ガラ
ス転移温度が20℃以下のエラストマーをさらに配合し
てなる上記樹脂コネクター、(3)ガラス転移温度が2
0℃以下のエラストマーがオレフィン系エラストマーで
ある上記樹脂コネクター、(4)ポリプロピレンテレフ
タレート樹脂マトリックス相中に、ガラス転移温度20
℃以下のエラストマーからなる分散相が存在し、かかる
分散相の平均粒径が20ミクロン以下である上記樹脂コ
ネクター、(5)ポリプロピレンテレフタレート樹脂1
00重量部に対し、エポキシ化合物0.01〜5重量部
をさらに含有せしめてなる上記樹脂コネクター、(6)
ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対し
てさらに結晶核剤0.01〜20重量部を含有せしめた
ことを特徴とする上記樹脂コネクター、(7)結晶核剤
がタルク、マイカ、カオリン、シリカ、クレー、無機カ
ルボン酸塩、無機スルホン酸塩、金属酸化物、炭酸塩、
有機カルボン酸塩、有機スルホン酸塩から選ばれる1種
または2種以上の混合物である上記樹脂コネクター、
(8)上記樹脂コネクターがヒンジ部を有することを特
徴とする樹脂コネクターである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の樹脂組成物につい
て具体的に説明する。本発明のポリプロピレンテレフタ
レート樹脂とは、テレフタル酸を酸成分に、1,3−プ
ロピレングリコールをグリコール成分に用いた熱可塑性
ポリエステルを指すが、このほかに本発明の目的を損な
わない範囲で酸成分としてイソフタル酸、オルトフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、グリコー
ル成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ビスフェノール−Aのエチレンオ
キシド付加物などを一部用いることができる。
【0006】共重合する場合の共重合量は、本発明の目
的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常酸
成分の30モル%以下、あるいはグリコール成分の30
モル%以下であることが好ましい。
【0007】本発明に用いるポリプロピレンテレフタレ
ート樹脂の製造方法については特に限定するものではな
く、公知のポリエステルの重縮合方法に準じて製造でき
る。
【0008】このようなポリエステル樹脂の分子量は特
に制限はないが、通常フェノール/テトラクロロエタン
=1/1の混合溶液を用いて25℃で測定した固有粘度
(dl/g)が0.10〜3.00のものを使用するこ
とができ、好ましくは0.25〜2.50、特に好まし
くは0.40〜2.25のものが用いられる。
【0009】また本発明の樹脂コネクターはガラス転移
温度が20℃以下のエラストマーをさらに添加すると衝
撃特性および高温高湿下におけるコネクターの劣化によ
る機械強度の低下を改善することができる。
【0010】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
ーであれば特に制限はないが、オレフィン系エラストマ
ー、ナイロン系エラストマー、ポリエステル系エラスト
マー、ポリエステルポリエーテル系エラストマー、ポリ
エステルポリエステル系エラストマー、ポリエステルポ
リアミド系エラストマーなどが好ましく、さらに好まし
くはポリエステルポリエーテル系エラストマー、オレフ
ィン系エラストマー、特に好ましくはオレフィン系エラ
ストマーである。このようなオレフィン系エラストマー
の具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エ
チレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/
共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重
合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メ
タクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル
/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/
メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エ
チレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイ
ミド共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサ
ジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共
重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジ
エン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピ
レン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ブタジエン/ス
チレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレ
ン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体を水素添加
した後、無水マレイン酸をグラフト化して得られるスチ
レン・エチレン/ブチレン・スチレン−g−無水マレイ
ン酸ブロック共重合体、スチレン/イソプレン−g−無
水マレイン酸ブロック共重合体、エチレン/アクリル酸
アイオノマー、エチレン/メタクリル酸アイオノマー、
エチレン/イタコン酸アイオノマーなどを挙げることが
でき、これらは各々単独あるいは混合物の形で用いるこ
とができる。
【0011】またこのようなオレフィン系エラストマー
は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂との相溶性を向
上させることを目的として、さらにポリマー分子中ある
いはポリマー末端に水酸基、カルボン酸基、カルボン酸
エステル基、カルボン酸金属塩基、カルボン酸無水物
基、イミド基等の内、少なくとも一種類の官能基が化学
的に結合したポリオレフィンエラストマーを使用するこ
ともできる。
【0012】あるいはこれらのオレフィン系エラストマ
ーはポリプロピレンテレフタレートとの相溶性を向上さ
せるために、溶融混練時にアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチ
ルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコ
ン酸、グルタル酸およびこれらカルボン酸の金属塩、マ
レイン酸水素メチル、イタコン酸水素メチル、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチ
ル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−(2,2,
1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビ
シクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、
N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリ
ル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸
グリシジルなどを添加することにより、オレフィン系エ
ラストマーやポリプロピレンテレフタレートを化学的に
変性することもできる。
【0013】本発明においてガラス転移温度が20℃以
下のエラストマーの添加量は、ポリプロピレンテレフタ
レート樹脂100重量部に対して、通常、5〜100重
量部であり、好ましくは10〜60重量部、さらに好ま
しくは15〜40重量部である。
【0014】なかでもエラストマーを比較的少量使用す
る場合、樹脂組成物中のエラストマーは、マトリックス
としてのポリプロピレンテレフタレート樹脂中に分散相
として存在する。本発明の組成物によって得られた成形
品がより優れた衝撃強度を保有するには、微分散してい
ることが望ましい。樹脂組成物中の混合状態を評価する
方法の一つとして分散相の粒径を評価尺度とする方法が
あるが、本発明の樹脂組成物にエラストマーを配合する
場合、エラストマー部分の分散平均は20ミクロン以下
が好ましく、さらに好ましくは10ミクロン以下であ
る。
【0015】また本発明の樹脂コネクターの耐衝撃性、
耐加水分解性の向上を目的としてさらにエポキシ化合物
を配合することができる。
【0016】このようなエポキシ化合物としてはエポキ
シ基を分子中に含有するエポキシ化合物であれば特に制
限はないが、モノエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、
トリエポキシ化合物が好ましく、特にジエポキシ化合物
を好ましく使用することができる。このようなジエポキ
シ化合物としては、具体的に下記一般式(1)、
(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、
(8)で表されるジエポキシ化合物を使用することがで
きる。
【0017】
【化1】 (nは1以上の整数を表す。)
【0018】このようなエポキシ化合物の添加量はポリ
プロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、
通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重
量部、さらに好ましくは0.2〜1重量部である。
【0019】また本発明のポリプロピレンテレフタレー
ト樹脂あるいはポリプロピレンテレフタレート樹脂組成
物にさらに結晶核剤を添加すると機械的特性が向上す
る。
【0020】本発明の結晶核剤としてはポリプロピレン
テレフタレート樹脂あるいはポリプロピレンテレフタレ
ート樹脂組成物の結晶化を促進する化合物であれば特に
制限はないが、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、ク
レーや無機カルボン酸塩、無機スルホン酸塩、金属酸化
物、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機スルホン酸塩など
が好ましく使用され、これらの中で、タルク、マイカ、
カオリンが特に好ましく使用することができる。
【0021】本発明の結晶核剤の添加量は通常ポリプロ
ピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.0
1〜20重量部、好ましくは0.02〜15重量部、さ
らに好ましくは0.03〜10重量部である。
【0022】本発明の樹脂コネクターは機械特性、耐熱
性の向上を目的として、さらに充填材を配合することが
できる。このような充填材としては、ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸
カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、ワラ
ステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、酸化チタ
ンおよび酸化アルミニウムなどが挙げられる。
【0023】上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用
される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用
いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短
繊維タイプのチョップトストランド、ミルドファイバー
などから選択して用いることができる。
【0024】本発明の充填剤の添加量はポリプロピレン
テレフタレート樹脂100重量部に対して通常1〜20
0重量部であり、好ましくは5〜150重量部、より好
ましくは10〜100重量部である。
【0025】さらに本発明の組成物には、本発明の目的
を損なわない範囲でヒンダードフェノール系、リン系、
イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤や熱安定剤、紫外
線吸収剤(例えばレゾルシノール、サリシレート、ベン
ゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離
型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハ
ーフエステル、ステアリルアルコール、ステラアマイド
およびエチレンワックスなど)、着色防止剤(亜リン酸
塩、次亜リン酸塩など)、可塑剤、難燃剤、帯電防止
剤、および染料・顔料を含む着色剤(硫化カドミウム、
フタロシアニンなど)などの通常の添加剤を1種以上添
加することができる。 また本発明の樹脂組成物は通常
公知の方法で製造される。例えば、ポリプロピレンテレ
フタレート樹脂、充填材およびその他の必要な添加剤を
予備混合してまたはせずに押出機などに供給して、23
0℃〜280℃の温度範囲において十分溶融混練するこ
とにより調製される。この場合例えば”ユニメルト”タ
イプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出
機およびニーダタイプの混練機などを用いることがで
き、特にアスペクト比をコントロールすることから、ス
クリューにニーディングエレメントを数個挿入あるいは
挿入しないことにより使用することが好ましい。本発明
の樹脂コネクターは上記のポリプロピレンテレフタレー
ト樹脂あるいはポリプロピレンテレフタレート樹脂組成
物を射出成形することにより容易に得ることができる。
【0026】本発明の樹脂組成物はヒンジ特性に優れる
ため、ヒンジ部を有するコネクターに好適である。
【0027】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明は
これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0028】なお、実施例および比較例中に記載されて
いる諸特性は以下の方法で測定した。
【0029】・耐衝撃性 :ASTMD256 ・耐熱性(荷重たわみ温度) :ASTM D648に
準じ、荷重1.82MPaにおける荷重たわみ温度を測
定した。
【0030】・耐ヒンジ特性:図1に示した耐屈曲性
(ヒンジ特性)テスト用成形品を、130℃で1000
時間の熱処理を行った後、屈曲角180℃の繰り返し屈
曲テストを行い、破壊するまでの回数を求め、耐屈曲性
能(ヒンジ特性)を評価した。図1の(A)は耐屈曲性
(ヒンジ特性)テスト用成型品の平面図であり、幅15
mm、長さ102mmの中央部に幅2mmの屈曲部1が
設けられている。(B)は同成形品の断面図であり、成
形品はその中央部に厚み0.8mmの屈曲部1を有し、
この部位が繰り返し矢印aおよび矢印bの方向に屈曲を
受ける。
【0031】・コネクターのヒンジ特性:幅10mm、
厚さ0.2mmのヒンジ部を有するコネクターを成形
し、コネクター成形品を150℃で熱処理し、ヒンジ部
が破損するまでの時間を測定した。
【0032】参考例1 ポリプロピレンテレフタレート
の製造 5lのオートクレーブ中にテレフタル酸2.0kg、
1,3−プロピレングリコール1.3kgを計量し、オ
ートクレーブ内温180℃に設定した。内温120℃に
なった時点でテトラブチルチタネート2.0gとモノヒ
ドロキシスズオキシド2.0gを添加した後、内温18
0℃で1時間撹拌した。その後、2時間かけて250℃
に昇温すると同時に、減圧度0.5mmHgまで減圧に
した。その後、約1時間反応させ、トルクが一定になっ
た時点で、ポリマーを吐出した。フェノール/テトラク
ロロエタン=1/1の混合溶媒を用いて25℃で測定し
た固有粘度は1.3であった。
【0033】実施例で使用した熱可塑性ポリエステル樹
脂およびその他の添加剤は下記の通りである。
【0034】・ポリブチレンテレフタレート(PB
T):東レPBT1100s(東レ(株)製)を使用し
た。
【0035】・ポリエチレンテレフタレート(PE
T):ダイヤアロイTW90E(三菱レイヨン(株)
製)を使用した。
【0036】・ガラス転移温度20℃以下のエラストマ
ー:グリシジルメタクリレート変性共重合ポリエチレン
(”ボンドファースト”EPX−6、住友化学社製)を
使用した。
【0037】・エポキシ化合物:下記一般式(9)で表
されるジエポキシ化合物を使用した。
【0038】・結晶核剤:タルク”LMS−300、富
士タルク社製)を使用した。
【0039】
【化2】
【0040】実施例1〜3、比較例1〜3 参考例で得られた樹脂もしくは他の樹脂とその他の添加
剤をL/D=45の30mmf2軸押出機を用いて溶融
混練してペレットとした。樹脂の種類や添加剤の添加量
は表1に示すとおりである。熱風乾燥後、このペレット
を住友ネスタール射出成形機プロマット40/25(住
友重機械工業(株)製)に供し、各成形品を射出成形し
て得た。
【0041】なお、得られた樹脂組成物中エラストマー
の分散粒径を測定するため、評価用試験片をウルトラミ
クロトームを用いて薄片を切り出し、これを光学顕微鏡
(透過光)および透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影
し、この顕微鏡写真から無作為に選んだ個体数100個
の平均値を測定した。その結果、樹脂組成物中のエラス
トマーの分散粒径は1.6μm以下と極めて微分散して
いた。
【0042】表1に評価結果を示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1、比較例1〜2の測定結果より、
ポリプロピレンテレフタレート樹脂は耐熱性、耐衝撃性
に優れ、かつ耐屈曲性(ヒンジ特性)に優れ、特に耐屈
曲性(ヒンジ特性)に優れることがわかる。またポリプ
ロピレンテレフタレート樹脂を用いて成形したヒンジ部
をもったコネクターでは、ヒンジ部の破損が起こりにく
いことがわかる。
【0045】一方、比較例1、2からPBT樹脂やPE
T樹脂では、衝撃強度や耐屈曲性(ヒンジ特性)が不十
分であることがわかる。
【0046】さらに実施例2、3に示したように、ポリ
プロピレンテレフタレート樹脂にガラス転移温度が20
℃以下のエラストマーやエポキシ化合物あるいは結晶核
剤を添加することにより、耐熱性を低下させることな
く、耐衝撃性および耐屈曲性(耐ヒンジ特性)を向上さ
せることができることがわかる。一方、PBTに同じよ
うにガラス転移温度が20℃以下のエラストマーやエポ
キシ化合物を配合しても、耐衝撃特性は確かに向上する
ものの耐屈曲性やコネクターヒンジ部の破損抑制効果は
十分でないことがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明の樹脂コネクターは、耐衝撃性、
耐熱性に優れ、とりわけ耐屈曲性(ヒンジ特性)に優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐屈曲性(ヒンジ特性)テスト用成形品の概略
図を示す。(A)は平面図、(B)は断面図を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレンテレフタレート樹脂を成形
    せしめてなる樹脂コネクター。
  2. 【請求項2】ポリプロピレンテレフタレート樹脂100
    重量部に対して、ガラス転移温度が20℃以下のエラス
    トマーをさらに配合してなる請求項1記載の樹脂コネク
    ター。
  3. 【請求項3】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
    ーがオレフィン系エラストマーである請求項2記載の樹
    脂コネクター。
  4. 【請求項4】ポリプロピレンテレフタレート樹脂マトリ
    ックス相中に、ガラス転移温度20℃以下のエラストマ
    ーからなる分散相が存在し、かかる分散相の平均粒径が
    20ミクロン以下である請求項2または3記載の樹脂コ
    ネクター。
  5. 【請求項5】ポリプロピレンテレフタレート樹脂100
    重量部に対し、エポキシ化合物0.01〜5重量部をさ
    らに含有せしめてなる請求項1〜4いずれか記載の樹脂
    コネクター。
  6. 【請求項6】ポリプロピレンテレフタレート樹脂100
    重量部に対してさらに結晶核剤0.01〜20重量部を
    含有せしめた請求項1〜5いずれかに記載の樹脂コネク
    ター。
  7. 【請求項7】結晶核剤がタルク、マイカ、カオリン、シ
    リカ、クレー、無機カルボン酸塩、無機スルホン酸塩、
    金属酸化物、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機スルホン
    酸塩から選ばれる1種または2種以上の混合物である請
    求項6記載の樹脂コネクター。
  8. 【請求項8】樹脂コネクターがヒンジ部を有することを
    特徴とする請求項1〜7記載の樹脂コネクター。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005232228A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Tosoh Corp 樹脂組成物

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