JPH1152615A - トナーバインダー樹脂及びそれを用いたトナー - Google Patents
トナーバインダー樹脂及びそれを用いたトナーInfo
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- JPH1152615A JPH1152615A JP20778597A JP20778597A JPH1152615A JP H1152615 A JPH1152615 A JP H1152615A JP 20778597 A JP20778597 A JP 20778597A JP 20778597 A JP20778597 A JP 20778597A JP H1152615 A JPH1152615 A JP H1152615A
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Abstract
及びトナー粉砕性などに優れる静電荷像現像用トナーの
バインダー樹脂及びそれを用いたトナーを提供するこ
と。 【解決手段】 (A)石油ナフサの熱分解によって生成
し、炭素−炭素不飽和結合を有するモノマー及びその変
性モノマーの少なくとも一種を重合して得られた樹脂、
及び(B)上記樹脂の炭素−炭素不飽和結合及び/又は
芳香環の一部又はすべてを水素添加してなる樹脂の中か
ら選ばれた少なくとも一種からなる静電荷像現像用トナ
ーバインダー樹脂、並びにこのバインダー樹脂を用いた
静電荷像現像用トナーである。
Description
ナーバインダー樹脂及びそれを用いた静電荷像現像用ト
ナーに関し、さらに詳しくは、電子写真法,静電記録
法,静電印刷法などにおいて形成される静電潜像を現像
するために用いられる低温定着性,耐ブロッキング性,
耐タック性及びトナー粉砕性などが良好なトナーを与え
るバインダー樹脂及びこのバインダー樹脂を用いてなる
上記性能を有するトナーに関するものである。
などのカラー化,省エネルギー化を達成するために、低
温定着型のトナーの開発が盛んに行われている。この低
温定着を達成するには、トナー樹脂の軟化温度(Tm)
を低下させるのが有効であるが、一般にTmを下げる
と、同時にトナーのガラス転移温度(Tg)も低下する
ため、トナーが保存状態で塊を形成する、いわゆるトナ
ーブロッキングを起こしやすくなることが知られてお
り、このことが定着温度を思い通りに下げられない原因
となっている。この低温定着性と耐ブロッキング性とい
う相反する要求を満足させるために、例えば(1)紙と
の親和性が高く、TmやTgが高い割には定着温度が低
いポリエステル系樹脂を用いる方法(特開昭56−19
52号公報)、(2)溶融特性に優れ、低温定着性に優
れる石油樹脂を用いたトナー(特開平4−257868
号公報)、(3)水添石油樹脂を用いたトナー(特開平
4−278658号公報)などが提案されている。
系樹脂を用いる方法においては、低温定着性と耐ブロッ
キング性はある程度改善がみられるものの、まだ両方を
同時に充分に満足しうるトナーは得られておらず、しか
もポリエステル系樹脂は凝集エネルギー密度が高いた
め、トナー製造時の粉砕が困難になるなどの欠点があっ
た。一方、前記(2)の石油樹脂を用いたトナーや
(3)の水添石油樹脂を用いたトナーにおいては、低温
定着性はある程度改良され、またポリエステル系樹脂で
問題があったトナー製造時の粉砕性も極めて良好である
ものの、低温定着性はまだ充分に満足しうるものではな
い上、トナーの保存安定性については、従来知られてい
る石油樹脂にはタック性(べとつき性)が若干あるた
め、トナーのTgが高い場合でも、トナーが凝集するお
それがあり、充分ではなかった。
状況下で、低温定着性,耐ブロッキング性,耐タック性
及びトナー粉砕性を同時に充分に満足しうる静電荷像現
像用トナーを与えるトナーバインダー樹脂、及びこのも
のを用いてなる上記の優れた性能を有する静電荷像現像
用トナーを提供することを目的とするものである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、石油樹脂のタ
ック性は、樹脂原料自体が幅広い性状をもつモノマーの
混合物であるため、石油樹脂は複雑な構造の樹脂混合物
となり、場合によっては低重合物なども含んでいること
に起因することに着目し、石油ナフサの熱分解によって
得られる留分の中から、特定の構造や蒸留性状をもつモ
ノマーを選び、これらを重合して得られた樹脂、あるい
はこれらの樹脂の水素添加物が、トナーバインダー樹脂
としてその目的に適合しうることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、(A)石油ナフサの熱分解によって生成
する炭素−炭素不飽和結合を有するモノマー及びその変
性モノマーの少なくとも一種を重合して得られた樹脂、
及び(B)上記樹脂の炭素−炭素不飽和結合及び/又は
芳香環の一部又はすべてを水素添加してなる樹脂の中か
ら選ばれた少なくとも一種からなる静電荷像現像用トナ
ーバインダー樹脂を提供するものである。また、本発明
は、トナー樹脂として、上記バインダー樹脂を含むこと
を特徴とする静電荷像現像用トナーをも提供するもので
ある。
は、以下に示す(A)及び(B)の各樹脂の中から選ば
れた少なくとも一種からなるものである。まず、(A)
樹脂は、石油ナフサの熱分解によって生成する炭素−炭
素不飽和結合を有するモノマー及びその変性モノマーの
少なくとも一種を重合して得られた樹脂である。これら
の樹脂は、例えばカチオン重合,ラジカル重合,熱重
合,アニオン重合,イオン配位重合,懸濁重合,乳化重
合,遷移金属錯体を用いた重合などにより、モノマーを
重合させたのち、未反応モノマー,低重合物あるいは溶
媒などを蒸留などの手段によって除去することにより、
製造することができる。この(A)樹脂としては、以下
に示すものが好適である。すなわち、(1)(イ)ナフ
分解油のうち沸点が−10〜80℃の留分中に含まれる
炭素数4〜6の鎖状若しくは環状オレフィン及び/又は
ジエンをディールスアルダー反応で環化二量化させてな
る脂肪族環状不飽和炭化水素モノマー、(ロ)このモノ
マーの二重結合の一部又は全部が異性化したモノマー及
び(ハ)前記(イ)モノマーの二重結合の一部が還元さ
れたモノマーであって、好ましくは2−ノルボルネン;
2−メチル−2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノル
ボルネン;6−メチル−2−ノルボルネン;2,5−ジ
メチル−2−ノルボルネン;2,6−ジメチル−2−ノ
ルボルネン;5−ビニルノルボルネン;2−ビニルノル
ボルナン;2−エチリデンノルボルナン;2−イソプロ
ペニルノルボルナン及び2−イソプロピリデンノルボル
ナンなどのノルボルネン類、(2)C8〜C10留分中
に含まれる芳香族ビニル系モノマー、具体的にはスチレ
ン,α−メチルスチレン,ビニルトルエン,イソプロペ
ニルトルエン,インデン,アルキル置換インデンなど、
(3)ナフサ分解油のうち沸点が−10〜80℃の留分
中に含まれる炭素数4〜6の環状オレフィン及びジエ
ン、(4)ナフサ分解油のうち沸点が−10〜80℃の
留分中に含まれる炭素数4〜6の鎖状オレフィン及びジ
エンの中から選ばれた少なくとも一種のモノマーを重合
して得られた樹脂、これらのモノマーと他の重合性モノ
マーとを重合して得られた共重合樹脂、及びこれらの樹
脂の炭素−炭素不飽和結合及び/又は芳香環の一部又は
すべてを水素添加してなる樹脂が好適である。
モノマー、例えばエチレン,プロピレン,オクテン,ド
デセンなどの炭素数2〜20の鎖状オレフィン、ピネン
などの炭素数7〜20の環状オレフィン,リモネン,ミ
ルセンなどの炭素数6〜20のポリエン類、(メタ)ア
クリル酸のメチル,エチル,ブチル,オクチル,フェニ
ル,スアテリルエステルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル類、塩化ビニル;塩化ビニリデン;1,2−ジクロ
ロエチレン;トリクロロエチレン;テトラクロロエチレ
ン;フッ化ビニル;フッ化ビニリデン;1,2−ジフル
オロエチレン;トリフルオロエチレン;テトラフルオロ
エチレン;臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、トリ
アルキルビニルシラン,トリアルコキシビニルシランな
どのビニルシラン類、メチルビニルケトン,フェニルビ
ニルケトンなどのα,β−不飽和ケトン類、さらにはア
クリル酸,メタクリル酸,アクリロニトリル,酢酸ビニ
ル,マレイン酸,マレイン酸エステル,無水マレイン
酸,シクロプロパン及びその誘導体,シクロブタン及び
その誘導体,オキセタン及びその誘導体,テトラヒドロ
フラン及びその誘導体,アセチレン及びその誘導体,
α,β−不飽和アルデヒド,α,β−不飽和エステル,
炭素数2〜10のジチオールなどが挙げられる。
0℃の留分中に含まれるモノマーとしては、C4〜C6
の留分が主に含まれており、そのうち重合性成分として
は、例えばC4:1−ブテン,2−ブテン,イソブテ
ン,1,3−ブタジエン、C5:1−ペンテン,2−ペ
ンテン,2−メチル−1−ブテン,3−メチル−1−ブ
テン,2−メチル−2−ブテン(イソプレン),1,3
−ペンタジエン,シクロペンテン,シクロペンタジエ
ン,2−メチル−1,3−ブタジエン、C6:1−ヘキ
セン,2−ヘキセン,3−ヘキセン,4−メチル−1−
ペンテン,4−メチル−2−ペンテン,2−メチル−2
−ペンテン,2−メチル−1−ペンテン,3−メチル−
2−ペンテン,2−エチル−1−ブテン,2,3−ジメ
チル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン,
2,2−ジメチル−1−ブテン,1,3−ヘキサジエ
ン,1,4−ヘキサジエン,2−メチル−1,4−ペン
タジエン,3−メチル−1,4−ペンタジエン,1,5
−ヘキサジエン,2,4−ヘキサジエン,2−メチル−
1,3−ペンタジエン,3−メチル−1,3−ペンタジ
エン,4−メチル−1,3−ペンタジエン,シクロヘキ
セン,1,3−シクロヘキサジエン,1,4−シクロヘ
キサジエン,1−メチルシクロペンテン,3−メチルシ
クロペンテン,4−メチルシクロペンテンなどが挙げら
れる。
られた(A)樹脂の炭素−炭素不飽和結合及び/又は芳
香環の一部又はすべてを水素添加してなるものである。
この水素添加の方法については特に制限はなく、従来公
知の方法を用いることができる。本発明のトナーバイン
ダー樹脂は、数平均分子量が400〜3000の範囲に
あるものが好適である。また、軟化点が80〜140℃
の範囲にあるものが好ましく、特に100〜130℃の
範囲にあるものが一層好適である。さらに、トナーバイ
ンダー樹脂としては、バインダー樹脂の臭素価をa、バ
インダー樹脂の水素添加前の臭素価をcとした場合、a
/cの値が0.45以下であるものが、特に耐ブロッキン
グ性に優れ、好適である。なお、この数値は、特開平8
−278658号公報記載の水素添加率を表す数値であ
る〔(当該樹脂のヨウ素価−完全水添樹脂のヨウ素価)
/(未水添樹脂のヨウ素価−完全水添樹脂のヨウ素
価)〕×100(%)と、実質的に同義である(臭素価
=ヨウ素価×0.630であり、かつ完全水添樹脂の臭素
価及びヨウ素価=0と近似できるため)。このような本
発明のトナーバインダー樹脂は、特にヒートロールによ
る接触加熱圧力定着用トナーのバインダー樹脂として好
適である。次に、本発明の静電荷像現像用トナーについ
て説明する。本発明のトナーは、トナー樹脂として、前
記本発明のバインダー樹脂を一種又は二種以上含有する
ものであって、トナー樹脂中の本発明のバインダー樹脂
の合計の含有量は特に制限はないが、通常1重量%以
上、好ましくは70重量%以上である。該バインダー樹
脂の含有量が70重量%以上の場合は、トナー製造時の
粉砕性が特に良好である。また、該バインダー樹脂の含
有量が1重量%未満では、本発明の効果が充分に発揮さ
れないおそれがある。
して、本発明のバインダー樹脂と共に、エラストマーを
用いることができる。このエラストマーを併用すること
で溶融時のレオロジー特性が向上し、オフセット発生温
度が高くなる。このエラストマーとしては、特に制限は
なく、従来公知のものの中から任意のものを選択して用
いることができる。このエラストマーとしては、例えば
ニトリルゴム,エチレンプロピレンゴム,クロロプレン
ゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,エチレンアクリル
ゴム,ポリエステルエラストマー,エピクロルヒドリン
ゴム,アクリルゴム,液状ゴム,塩素化ポリエチレン,
ブタジエンゴム,スチレン−ブタジエン共重合体,天然
ゴム,1,2−ポリブタジエン,ブチルゴム,クロロス
ルホン化ポリエチレン,多硫化ゴム,ウレタンゴム,ス
チレン系TPE(熱可塑性エラストマー),オレフィン
系TPE,ウレタン系TPE,エステル系TPE,ポリ
塩化ビニル系TPE,ブチルゴムグラフトポリエチレ
ン,トランス1,4−ポリイソプレンアイオノマー,天
然ゴム系TPEなどが適用可能である。特にスチレン−
ブタジエン共重合体が好ましい。
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発
明のバインダー樹脂と上記エラストマーを併用する場合
には、全トナー樹脂に占めるエラストマーの含有量は3
0重量%以下が好ましい。この含有量が30重量%を超
えるとトナー製造時の粉砕性が低下するおそれがある。
また、本発明のトナーにおいては、トナー樹脂として、
本発明のバインダー樹脂と共に、ワックスを用いること
ができる。このワックスを併用することで、耐タック性
がさらに向上し、Tgをほとんど低下させずにTmを大
きく低下させることができる。このワックスとしては特
に制限はなく、従来公知のものの中から任意のものを選
択して用いることができる。このワックスとしては、例
えば動・植物ワックス,カルナウバワックス,キャンデ
リラワックス,木蝋,蜜蝋,鉱物ワックス,石油ワック
ス,パラフィンワックス,マイクロクリスタリンワック
ス,ペトロラタム,ポリエチレンワックス,酸化ポリエ
チレンワックス,ポリプロピレンワックス,酸化ポリプ
ロピレンワックス,高級脂肪酸ワックス,高級脂肪酸エ
ステルワックス,カルナバワックス,フィッシャートロ
プシュワックスなどが好適である。またワックスに準じ
た樹脂として、スチレンオリゴマー,非晶性ポリα−オ
レフィンなども好適に用いられる。中でも特にフィッシ
ャートロプシュワックス及びスチレンオリゴマーが好ま
しい。これらのワックスは一種用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。また、本発明のバインダ
ー樹脂と上記ワックスを併用する場合には、全トナー樹
脂に占めるワックスの含有量は30重量%以下が好まし
い。この含有量が30重量%を超えるとTgが低下し、
耐ブロッキング性が悪化するおそれがある。また、前記
エラストマーとこのワックスを併用することができる。
本発明のトナーは、最低定着温度が140℃以下のもの
が好ましく、特に130℃以下のものが好適である。
所望により、従来公知の熱可塑性樹脂を併用することが
できる。この従来公知の熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリエステル樹脂(アルコール成分:エチレングリ
コール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコー
ル,プロピレングリコール,1,4−ビス(ヒドロキシ
メチル)シクロヘキサン,ビスフェノールA,ビスフェ
ノールA−エチレングリコール変性ジオール,1,3−
プロピレングリコール等のα,ω−アルキレンジオール
(C2〜12),水素添加ビスフェノールA,ビスフェ
ノールF,ビスフェノールF−エチレングリコール変性
ジオール,ビスフェノールS,ビスフェノールS−エチ
レングリコール変性ジオール,ビフェノール,ビフェノ
ール−エチレングリコール酸性ジオール,ネオペンチグ
リコール,三価以上の多価アルコール、カルボン酸:脂
肪族ジカルボン酸,脂環式ジカルボン酸,芳香族ジカル
ボン酸,三価以上の多価カルボン酸),ポリスチレン,
クロロポリスチレン,ポリ−α−メチルスチレン,ポリ
−4−メトキシスチレン,ポリ−4−ヒドロキシスチレ
ン,スチレン−クロロスチレン共重合体,スチレン−プ
ロピレン共重合体,スチレン−塩化ビニル共重合体,ス
チレン−マレイン酸共重合体,スチレン−酢酸ビニル共
重合体,スチレン−アクリル酸エステル共重合体(メチ
ル,エチル,ブチル,オクチル,フェニスエステル),
スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(メチル,エ
チル,ブチル,オクチル,フェニルエステル),スチレ
ン−α−クロロアクリル酸メチル共重合体,スチレン−
アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体,α−
メチルスチレン−アクリル酸エステル共重合体(メチ
ル,エチル,ブチル,オクチル,フェニルエステル),
α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル共重合体
(メチル,エチル,ブチル,オクチル,フェニルエステ
ル),α−メチルスチレン−α−クロロアクリル酸メチ
ル共重合体,α−メチルスチレン−アクリロニトリル−
アクリル酸エステル共重合体,塩化ビニル樹脂,ロジン
変性マレイン酸樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,
ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,アイオノマー
樹脂,ポリウレタン樹脂,シリコーン樹脂,ケトン樹
脂,エチレン−エチルアクリレート共重合体,キシレン
樹脂,ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。こ
れらの熱可塑性樹脂は一種用いてもよく、二種以上を組
み合わせて用いてもよい。
脂には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の酸
化防止剤を必要に応じて添加してもよい。この従来公知
の酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤,芳香族アミン系酸化防止剤,ヒンダードアミン系
酸化防止剤,スルフィド系酸化防止剤,有機リン系酸化
防止剤などが適用可能であり、中でもヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤が好ましい。この酸化防止剤は一種用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。さ
らに、本発明のトナー又はそれに用いるトナー樹脂に
は、本発明の効果を損なわない範囲で、所望により、他
の添加剤、例えば老化防止剤,オゾン劣化防止剤,紫外
線吸収剤,光安定剤,軟化剤,補強剤,充填材,素練り
促進剤,発泡剤,発泡助剤,滑剤,内部離型剤,難燃
剤,練り込み用帯電防止剤,着色剤,カップリング剤,
防腐剤,付香剤などを添加してもよい。
トナーバインダー(トナー樹脂)25〜95重量%,着
色剤0〜10重量%,磁性粉0〜70重量%,荷電制御
剤0〜10重量及び滑剤0〜10重量%を含有し、さら
に外添剤として、流動化剤0〜1.5重量%及びクリーニ
ング助剤0〜1.5%が添加されている。上記着色剤とし
ては、従来公知の有機系又は無機系着色剤、例えばカー
ボンブラック,酸化銅,二酸化マンガン,アリニンブラ
ック,活性炭,非磁性フェライト,磁性フェライト,マ
グネタイト,鉄黒,ベンジジンイエロー,ジスアゾイエ
ロー,キナクドリン,ナフトール系アゾ顔料,キナクリ
ドン,ローダミンB,フタロシアニン,チタン白,亜鉛
華などが挙げられる。なお、磁性トナーにおいて、磁性
粉そのものが有色(黒)である場合、上記着色剤の使用
は必須ではない。また、磁性粉としては例えば鉄,コバ
ルト,ニッケル,マグネタイト,ヘマタイト,フェライ
ト,など、従来公知のものが挙げられる。この磁性粉の
粒径は、通常0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μ
mの範囲で選ばれる。
又は負の荷電を与えうる物質であり、このようなものと
しては、例えば、ニグロシンベースEX(オリエント化
学工業社製),P−51(オリエント化学工業社製),
コピーチャージPXVP435〔ヘキスト(株)製〕,
アルコキシ化アミン,アルキルアミド,モリブデン酸キ
レート顔料,PLZ1001(四国化成工業社製),ボ
ントロンS−22(オリエント化学工業社製),ボント
ロンS−34(オリエント化学工業社製),ボントロン
E−81(オリエント化学工業社製),ボントロンE−
84(オリエント化学工業社製),スピロンブラックT
RH(保土ヶ谷化学工業社製),チオインジゴ系顔料,
コピーチャージNXVP434,ボントロンE−89
(オリエント化学工業社製),フッ化マグネシウム,フ
ッ化カーボン,オキシカルボン酸金属錯体,ジカルボン
酸金属錯体,アミノ酸金属錯体,ジケトン金属錯体,ジ
アミン金属錯体,アゾ基含有ベンゼン−ベンゼン誘導体
骨格金属錯体,アゾ基含有ベンゼン−ナフタレン誘導体
骨格金属錯体,ベンジルジメチル−ヘキサデシルアンモ
ニウムクロライド,デシルートリメチルアンモニウムク
ロライド,金属錯体,ニグロシン塩基,ニグロシンヒド
ロクロライド,サフラニン,クリスタルバイオレット,
4級アンモニウム塩,アルキルサリチル酸金属錯体,カ
リックスアレン系化合物,ホウ素化合物,含フッ素4級
アンモニウム塩,アゾ系金属錯体,トリフェニルメタン
系染料,ジブチルスズオキサイドなど従来公知の各種の
ものが適用可能である。
エチレン,低分子量ポリオレフィン,脂肪酸及びその金
属塩やアミドなど、従来公知のものが挙げられる。一
方、外添剤として用いられる流動化剤としては、例えば
粒径が数十nmの無機微粒子,具体的にはコロイダルシ
リカ,アルミナ,酸化チタン,酸化亜鉛,フッ化マグネ
シウム,炭化ケイ素,炭化ホウ素,炭化チタン,炭化ジ
ルコニウム,窒化ホウ素,窒化チタン,窒化ジルコニウ
ム,マグネタイト,二硫化モリブデン,ステアリン酸ア
ルミニウム,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸
亜鉛などが挙げられる。この流動化剤は、シラン系,チ
タン系などのカップリング剤,高級脂肪酸,シリコーン
オイル,界面活性剤などで疎水化処理が施されていても
よい。
グ助剤としては、例えばポリスチレン,ポリメチルメタ
クリレート,ポリアクリレート,ポリベンゾグアナミ
ン,シリコーン樹脂,ポリテトラフルオロエチレン,ポ
リエチレン,ポリプロピレンなどの微粒子が挙げられ
る。本発明のトナーの調製方法については特に制限はな
く、従来公知の方法、例えば機械的粉砕法,噴霧乾燥
法,化学重合法,湿式造粒法などが適用できる。これら
の中で、機械的粉砕法は、前記トナー成分を乾式ブレン
ドしたのち、溶融混練し、その後粗粉砕してから、最終
的にジェット粉砕機などで微粉砕し、さらに場合によっ
ては粒径制御のため、分級を行うことで、体積平均粒径
が5〜20μm程度の微粒子とする方法である。このよ
うにして、調製された静電荷像現像用トナーは、キャリ
ヤ粒子と混合されて、二成分現像用の現像剤として使用
されるか又はトナー単独で一成分現像用の現像剤として
使用される。ここで、キャリヤとしては、例えば磁性粉
キャリヤ,磁性粉樹脂コートキャリヤ,バインダーキャ
リヤ,ガラスビーズなどが適用される。これらのキャリ
ヤの粒径は、通常20〜500μm程度である。磁性粉
キャリヤとしては、例えば鉄,ニッケル,フェライト,
マグネタイト,コバルト等の金属,これらの金属と亜
鉛,アンチモン,アルミニウム,鉛,スズ,ビスマス,
ベリリウム,マンガン,セレン,タングステン,ジルコ
ニウム,バナジウム等の金属との合金,あるいは混合
物,酸化鉄,酸化チタン,酸化マグネシウム等の金属酸
化物,窒化クロム,窒化バナジウム等の窒化物、炭化ケ
イ素,炭化タングステン等の炭化物との混合物などが適
用される。
磁性分粒子を芯材として、以下の樹脂で被覆したものが
使用される。被覆樹脂としては、例えばポリエチレン,
シリコーン樹脂,フッ素系樹脂,スチレン系樹脂,アク
リル系樹脂,スチレン−アクリル系樹脂,ポリ酢酸ビニ
ル,セルロース誘導体,マレイン酸樹脂,エポキシ樹
脂,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリ臭化ビ
ニル,ポリ臭化ビニリデン,ポリカーボネート,ポリエ
ステル,ポリプロピレン,フェノール樹脂,ポリビニル
アルコール,フマル酸エステル樹脂,ポリアクリロニト
リル,ポリビニルエーテル,クロロプレンゴム,アセタ
ール樹脂,ケトン樹脂,キシレン樹脂,ブタジエンゴ
ム,スチレン−ブタジエン共重合体,ポリウレタンなど
が使用である。この磁性粉樹脂コートキャリヤには、導
電性微粒子(カーボンブラック,導電性金属酸化物,金
属粉体),無機充填材(シリカ,窒化ケイ素,窒化ホウ
素,アルミナ,ジルコニア,炭化ケイ素,炭化ホウ素,
酸化チタン,クレイ,タルク,ガラス繊維),前記例示
の荷電制御剤などを、必要に応じ含有させてもよい。キ
ャリヤ芯材に対する樹脂被履膜厚は、0.1〜5μm程度
が好ましい。本発明の静電荷像現像用トナーは、支持体
(紙,ポリエステルなどのOHPフィルムなど)に転
写、定着されて使用される。定着法としては、例えば圧
定着,加熱定着(SURF定着,熱版による定着,オー
ブン定着,赤外線ランプ定着など),接触加熱圧力定
着,フラッシュ定着,溶剤定着などが適用できるが、ヒ
ートロールによる接触加熱圧力定着が好ましい。
二成分現像,非磁性一成分現像,非磁性二成分現像及び
液体現像のいずれのタイプのトナーとしても適用可能で
あるが、磁性一成分現像,磁性二成分現像及び非磁性一
成分現像用として使用されるのが有利である。本発明の
トナーは、種々の現像方法に適用することができる。例
えば、磁気ブラシ現像方法,カスケード現像方法,米国
特許第3909258号明細書に記載された導電性磁性
トナーを用いる方法、特開昭53−31136号公報に
記載された高抵抗磁性トナーを用いる方法、特開昭54
−42121号公報、同55−18656号公報、同5
4−43027号公報などに記載された方法、ファーブ
ラシ現像方法、パウダークラウド法、インプレッション
現像法、マイクロトーニング法、コンタクト現像法、タ
ッチダウン現像法、マグネダイナミック現像法、ジャン
ピング現像法、FEED(Floating Electrode Effect
Development)現像法、FMT(Fine Micro Toning Syst
em) 現像法、NSP(Non Magnetic Single Component
Development Process)現像法などに適用することができ
る。
ン式,スコロトロン式など),接触帯電(帯電ロール
式,帯電ブラシ式など)のいずれの機械にも適用でき
る。また、クリーニング工程をもたない方法,ブレード
法,ファーブラシ法,磁気ブラシ法,ローラクリーニン
グ法などが適用可能であるが、ブレード法及びクリーニ
ング工程をもたない方法が好ましい。次に、本発明のト
ナーは、有機電子写真感光体(積層型,単層型),無機
感光体(アモルファスシリコン,アモルファスセレン,
セレン系感光体,ゲルマニウム系感光体)のいずれにも
適用可能であり、特に有機電子写真感光体及びアモルフ
ァスシリコンを用いた無機感光体に適用するのが好まし
い。さらに、本発明のトナーは、(1)反転現像プロセ
ス,正現像プロセスのいずれにも適用可能である、
(2)正帯電,負帯電のいずれのトナーにも適用可能で
ある、(3)モノクロ,カラーのいずれの印刷機にも適
用可能である、(4)アナログ印刷機,デジタル印刷機
のいずれにも適用可能である、(5)複写機,プリンタ
ー(レーザービームプリンター,液晶シャッタープリン
ターなど),ファックス及びこれらの複合機に適用可能
である、などの特徴を有している。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、各樹脂の軟化点(Tm),臭
素価,平均分子量は下記の方法に従って測定した。 (1)軟化点(Tm) JIS K−2207に準拠し、環球法により測定し
た。 (2)臭素価 JIS K−2605に準拠して測定した。 (3)平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均
分子量を測定した。
め金属製触媒装入籠を固定しておく。この籠の中に日産
ガードラー社製パラジウム系触媒G−68Cを5g入れ
た。次に、オートクレーブの中へ5−ビニル−2−ノル
ボルネン500gを加えた。次いで、オートクレーブ内
に水素を加え、80℃,圧力10kg/cm2 ・Gで約
6時間反応させた後、放冷、脱圧後、内容物を取り出し
た。これを蒸留し、沸点61〜62℃/39mmHgの
留分A(2−ビニルノルボルナン:39重量%、2−エ
チリデンノルボルナン:60重量%、未知成分:1重量
%)を得た。
g、トルエン20ミリリットルを仕込み、攪拌下留分A
91g,イソプレン50g,トルエン165gの混合物
を耐圧シリンダーより、反応器内温を60℃に保ちなが
ら約15分かけて滴下した。滴下終了後も同じ温度で、
引き続き2時間攪拌を継続した。得られた反応混合溶液
にメタノールを加えて触媒を分解し、水洗した。有機層
をガラスフィルターでろ過後、蒸留し、未反応物及び低
重合物を除去することにより、樹脂B(軟化点:106
℃、数平均分子量:700)を得た。
g,ヘキサン20ミリリットルを仕込み、攪拌下、留分
A52g,ビニルトルエン50g,ヘキサン120gの
混合物を耐圧シリンダーより、反応器内温を60℃に保
ちながら約15分かけて滴下した。滴下終了後も同じ温
度で、引き続き3時間攪拌を継続した。得られた反応混
合溶液にメタノールを加えて触媒を分解し、水洗した。
有機層をガラスフィルターでろ過後、蒸留し、未反応
物,低重合物及びヘキサンを除去することにより、樹脂
C(軟化点:100℃、数平均分子量:640)を得
た。
g,トルエン20ミリリットルを仕込み、攪拌下、2−
ノルボルネン68g、1,3−ペンタジエン50g、ト
ルエン(140g)の混合物を耐圧シリンダーより、反
応器内温を60℃に保ちながら約15分かけて滴下し
た。滴下終了後も同じ温度で、引き続き3時間攪拌を継
続した。得られた反応混合溶液にメタノールを加えて触
媒を分解し、水洗した。有機層をガラスフィルターでろ
過後、蒸留し、未反応物及び低重合物を除去することに
より、樹脂D(軟化点:101℃、数平均分子量:71
0)を得た。
g,キシレン20ミリリットルを仕込み、攪拌下、留分
A81g,沸点が25〜50℃であるC留分(ブテン
類:1重量%、ブタジエン:1重量%、鎖状モノオレフ
ィン:15重量%、シクロペンテン:4重量%、イソプ
レン:7重量%、1,3−ペンタジエン:13重量%、
1,4−ペンタジエン:2重量%、シクロペンタジエ
ン:1重量%、ジシクロペンタジエン:1重量%:非合
成成分:55重量%)44g,キシレン(95g)の混
合物を耐圧シリンダーより、反応器内温を60℃に保ち
ながら約15分かけて滴下した。滴下終了後も同じ温度
で、引き続き3時間攪拌を継続した。得られた反応混合
溶液にメタノールを加えて触媒を分解し、水洗した。有
機層をガラスフィルターでろ過後、蒸留し、未反応物及
び低重合物を除去することにより、樹脂E(軟化点:1
02℃、数平均分子量:650)を得た。
た1リットルの4つ口フラスコに、40メッシュのAl
Cl3 2.4gとベンゼン200gを窒素雰囲気下でスラ
リー状態に攪拌しておき、70℃になるように加熱し
た。これに1,3−ペンタジエン114g,シクロペン
テン26g,スチレン60gの混合物を滴下ロートを用
い、約30分かけて滴下した。反応器内温を70℃に保
ちながら、さらに3時間攪拌を行った。得られた反応混
合溶液にメタノールを加えて触媒を分解後、水洗を行っ
た。有機層を蒸留し、未反応物及び低重合物を除去する
ことにより、樹脂F(軟化点:107℃)170gを得
た。 合成例7 攪拌機,リービッヒ冷却管,温度計,滴下ロートをつけ
た1リットルの4つ口フラスコに、40メッシュのAl
Cl3 2.4gとベンゼン200gを窒素雰囲気下でスラ
リー状態に攪拌しておき、70℃になるように加熱し
た。これに1,3−ペンタジエン140g,スチレン6
0gの混合物を滴下ロートを用い、約30分かけて滴下
した。反応器内温を70℃に保ちながら、さらに3時間
攪拌を行った。得られた反応混合溶液にメタノールを加
えて触媒を分解後、水洗を行った。有機層を蒸留し、未
反応物及び低重合物を除去することにより、樹脂G(軟
化点:113℃)170gを得た。
体:40重量%)255g、沸点が25〜50℃である
C5留分(ブテン:1重量%、ペンテン:19重量%、
イソプレン:17重量%、ペンタジエン:12重量%、
シクロペンテン:4重量%、シクロペンタジエン:1重
量%、非重合性炭化水素:46重量%)84g、トルエ
ン150gを、攪拌機,リービッヒ冷却管,温度計,セ
プタムキャップをつけた1リットルの4つ口フラスコに
仕込み、窒素雰囲気とする。反応器内温が5℃になるよ
うに冷却し、攪拌下三フッ化ホウ素フェノール錯体1.3
5gを滴下した。同じ温度のまま、さらに3時間攪拌し
た後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、触媒
を分解し、中性になるまで水洗した。有機層を蒸留し、
未反応物,低重合物及びトルエンを除去することによ
り、樹脂H(軟化点:101℃、臭素価:14g/10
0g)225gを得た。樹脂H50g,シクロヘキサン
50gとニッケル触媒(N−113B:日揮化学製)5
gを、500ミリリットルのステンレス鋼製のオートク
レーブに仕込み、水素圧:40kg/cm2 ・G,温度
200℃で30分間水素添加反応を行った。反応物を冷
却して取出し、ろ過して触媒を除去した後、蒸留により
溶媒を除去して水添樹脂H(軟化点:106℃、臭素価
3.8g/100g、水添樹脂の臭素価/未水添樹脂の臭
素(以下、a/cと表す):0.27、数平均分子量:7
80)を得た。
に、α−メチルスチレン75g,イソプロペニルトルエ
ン(オルト:2重量%、メタ:91重量%、パラ:6重
量%)25gとトルエン200gを仕込み、攪拌下、温
度を5℃に保ちながら三フッ化ホウ素−フェノール錯体
1gを約20分かけて滴下した。滴下終了後も同じ温度
で、引き続き3時間攪拌を継続した。得られた反応混合
溶液に2重量%水酸化ナトリウム水溶液50gを加え
て、さらに30分間攪拌を続けて触媒を分解した。次に
反応混合溶液を中性になるまで水洗した後、有機層を蒸
留し、未反応物及び低重合物を除去することにより、樹
脂I(軟化点:103℃、数平均分子量:650)を得
た。
に、スチレン25g,ビニルトルエン25g,イソプロ
ペニルトルエン(オルト:2重量%、メタ:91重量
%、パラ:6重量%)50gとトルエン200gを仕込
み、攪拌下、温度を20℃に保ちながら三フッ化ホウ素
−フェノール錯体1gを約20分かけて滴下した。滴下
終了後も同じ温度で、引き続き3時間攪拌を継続した。
得られた反応混合溶液に2重量%の水酸化ナトリウム水
溶液50gを加えて、さらに30分間攪拌を続けて触媒
を分解した。次に反応混合溶液を中性になるまで水洗し
た後、有機層を蒸留し、未反応物及び低重合物を除去す
ることにより、樹脂J(軟化点:101℃、数平均分子
量:1070)を得た。
に、α−メチルスチレン50g,ビニルトルエン50
g,トルエン200gを仕込み、攪拌下、温度を36℃
に保ちながら三フッ化ホウ素−フェノール錯体1gを約
20分かけて滴下した。滴下終了後も同じ温度で、引き
続き3時間攪拌を継続した。得られた反応混合溶液に2
重量%の水酸化ナトリウム水溶液50gを加えて、さら
に30分間攪拌を続けて触媒を分解した。次に反応混合
溶液を中性になるまで水洗した後、有機層を蒸留し、未
反応物及び低重合物を除去することにより、樹脂K(軟
化点:103℃、数平均分子量:1130)を得た。
88g,テトラヒドロインデン424g,メチルテトラ
ヒドロインデン88gを仕込み、窒素雰囲気下、280
℃、3時間反応させて得られた重合体溶液より、未反応
物及び低重合物を蒸留により除去することにより、樹脂
L(軟化点:105℃、臭素価120g/100g)を
得た。攪拌機を備えた500ミリリットルオートクレー
ブに樹脂L100g,メチルシクロヘキサン100g,
ニッケル触媒(日揮化学(株)製「N−113」)3g
を仕込み、水添反応(40kg/cm2 ・G,250
℃,2時間)を行い、反応物を冷却して取出し、ろ過し
て触媒を除去した後、蒸留により溶媒を除去して水添樹
脂L(軟化点:107℃、臭素価5g/100g、a/
c:0.043)を得た。 合成例13 1リットルのステンレス製オートクレーブにAlCl3
1.3g,キシレン20ミリリットルを仕込み、攪拌下、
ナフサのスチームクラッキングにおける沸点25〜10
0℃の脂肪族炭化水素留分150g,キシレン50gの
混合物を耐圧シリンダーより、反応器内温を60℃に保
ちながら約20分かけて滴下した。滴下終了後も同じ温
度で、引き続き2時間攪拌を断続した。得られた反応混
合溶液にメタノールを加えて触媒を分解し、水洗したの
ち、加熱乾燥により、樹脂M(軟化点:103℃、平均
分子量:620)を得た。
に、ナフサのスチームクラッキングで副生する初留14
0℃〜終留200℃の留分(ガスクロマト分析結果、重
合可能成分45重量%、インデン2.5重量%)200g
を仕込み、攪拌下、温度を10℃に保ちながら三フッ化
ホウ素−エーテル錯体0.8gを30分かけて滴下した。
滴下終了後も同じ温度で、引き続き4.5時間攪拌を断続
した。得られた反応混合溶液に水素化ナトリウム水溶液
を加えて触媒を除去後、水洗を行った。有機層を蒸留
し、未反応物及び低重合物を除去することにより、樹脂
N(軟化点:118℃、臭素価20g/100g)を得
た。 合成例15 温度計,攪拌機を備えた500ミリリットルフラスコ
に、スチレン45g,α−メチルスチレン45g,イソ
プロペニルトルエン(オルト:2重量%、メタ:91重
量%、パラ:6重量%)10gとトルエン200gを仕
込み、攪拌下、温度を28℃に保ちながら三フッ化ホウ
素−フェノール錯体1gを約20分かけて滴下した。滴
下終了後も同じ温度で、引き続き4時間攪拌を継続し
た。得られた反応混合溶液に2重量%水酸化ナトリウム
水溶液50gを加えて、さらに30分間攪拌を続けて触
媒を分解した。次に反応混合溶液を中性になるまで水洗
した後、有機層を蒸留し、未反応物及び低重合物を除去
することにより、樹脂R(スチレン単位:48モル%、
α−メチルスチレン単位:43モル%、イソプロペニル
トルエン単位:9モル%、軟化点:102℃、数平均分
子量:1230)を得た。
温120℃のラボプラストミルで混練し、冷却したの
ち、フェザーミルを用いて粗粉砕した。次いで、ジェッ
トミルで粉砕したのち、気流分級機で分級することによ
り、体積平均粒径10μmのトナー粒子を得た。この
際、上記混練物を供給量2.0kg/時間に固定し、粉砕
圧力の調節により、体積平均粒径10μmとなるような
粉砕圧力を測定した。得られたトナー粒子100重量部
に対し、チタニア微粒子〔出光興産(株)製、出光チタ
ニア〕0.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合
することにより、静電荷像現像用トナーを得た。このト
ナーを二成分現像方式用トナーとして評価する際には、
キャリヤとして出光キャリヤ(出光興産社製:ポリエチ
レンコートキャリヤ)を用いた。なお、トナー粒子及び
トナーは、下記の要領に従って評価した。結果を第2表
に示す。
れ、50℃の恒温槽中で24時間保持したのち、凝集状
態を以下の判定基準に従い評価した。 ◎ : 全く凝集、結着がみられない。 ○ : 僅かな凝集がみられるが、ビーカーを軽く振る
ことで脱塊し、流動性を取り戻す。 × : 凝集し、脱塊不能 (2)低温定着性(最低定着温度)、耐オフセット性 市販の複写機(フジゼロックス社製「5039」を改造
し、最低定着温度とオフセット発生温度測定のための試
験機とした。改造点は以下の通りである。 ・正帯電トナー評価時は、感光体にアモルファスシリコ
ン製を用い、負帯電トナー評価時には有機電子写真感光
体を用いた。 ・定着部のヒートロール部の温度を可変とし、定着部の
温度を測定可能とした。 ・感光体表面電位及びマグネットローラバイアス電位を
可変とした。 この試験機を用い、最低定着温度及びオフセット発生温
度を測定した。
ルで粉砕する工程において、粉砕圧力の測定を行い、以
下の判定基準に従い、粉砕性を評価した。 ◎ : 粉砕圧力が3.5kg/cm2 未満 ○ : 粉砕圧力が3.5kg/cm2 以上4.5kg/c
m2 未満 × : 粉砕圧力が4.5kg/cm2 以上 (4)ガラス転移温度(Tg) トナーのガラス転移温度を、JIS K−7121に準
拠し、セカンドヒーティングにおける中間点ガラス転移
温度を測定した。
10℃,酸価:5.0mgKOH/g) 樹脂Q :スチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂
(スチレン単位/ブチルアクリレート単位重量比=75
/25,重量平均分子量:110000,Tg:58
℃) エラストマー :スチレン−ブタジエン樹脂(軟化点:
145℃,Tg:53℃),グッドイヤー社製「プライ
オライトS−5B」 ワックス :フィッシャートロプシュワックス(下降融
点:117℃,C38〜C93成分含有)、サザール社
製「パラフリントC105」 CCA: 荷電制御剤、オリエント化学工業社製「ボン
トロンS−34」(クロム含有金属染料) CB: カーボンブラック、三菱化学社製「MA−10
0」
ー樹脂は、電子写真法,静電記録法,静電印刷法などに
おいて形成される静電潜像を現像するために用いられる
トナーのバインダー樹脂であって、低温定着性,耐ブロ
ッキング性,耐タック性及びトナー粉砕性などに優れた
トナーを与えることができる。
Claims (14)
- 【請求項1】 (A)石油ナフサの熱分解によって生成
する炭素−炭素不飽和結合を有するモノマー及びその変
性モノマーの少なくとも一種を重合して得られた樹脂、
及び(B)上記樹脂の炭素−炭素不飽和結合及び/又は
芳香環の一部又はすべてを水素添加してなる樹脂の中か
ら選ばれた少なくとも一種からなる静電荷像現像用トナ
ーバインダー樹脂。 - 【請求項2】 (A)樹脂が、(イ)ナフサ分解油のう
ち沸点−10〜80℃の留分中に含まれる炭素数4〜6
の鎖状若しくは環状オレフィン及び/又はジエンをディ
ールスアルダー反応で環化二量化させてなる脂肪族環状
不飽和炭化水素モノマー、(ロ)このモノマーの二重結
合の一部又は全部が異性化したモノマー及び(ハ)前記
(イ)モノマーの二重結合の一部が還元されたモノマー
の中から選ばれた少なくとも一種のモノマーの重合体及
び/又は他の重合性モノマーとの共重合体である請求項
1記載の静電荷像現像用トナーバインダー樹脂。 - 【請求項3】 (A)樹脂が、2−ノルボルネン;2−
メチル−2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボル
ネン;6−メチル−2−ノルボルネン;2,5−ジメチ
ル−2−ノルボルネン;2,6−ジメチル−2−ノルボ
ルネン;5−ビニルノルボルネン;2−ビニルノルボル
ナン;2−エチリデンノルボルナン;2−イソプロペニ
ルノルボルナン及び2−イソプロピリデンノルボルナン
の中から選ばれた少なくとも一種のモノマーの共重合体
である請求項2記載の静電荷像現像用トナーバインダー
樹脂。 - 【請求項4】 (A)樹脂が、α−メチルスチレン,ビ
ニルトルエン,イソプロペニルトルエン,インデン及び
アルキル置換インデンの中から選ばれた少なくとも一種
のモノマーの重合体及び/又は他の重合性モノマーとの
共重合体である請求項1記載の静電荷像現像用トナーバ
インダー樹脂。 - 【請求項5】 (A)樹脂が、スチレンを共重合させた
ものである請求項2又は4記載の静電荷像現像用トナー
バインダー樹脂。 - 【請求項6】 (A)樹脂が、ナフサ分解油のうち沸点
が−10〜80℃の留分中に含まれる炭素数4〜6の鎖
状若しくは環状オレフィン及びジエンから選ばれた少な
くとも一種のモノマーの重合体及び/又は他の重合性モ
ノマーとの共重合体である請求項1記載の静電荷像現像
用トナーバインダー樹脂。 - 【請求項7】 (A)樹脂が、ナフサ分解油のうち沸点
が−10〜80℃の留分中に含まれる炭素数4〜6の鎖
状若しくは環状オレフィン及びジエンから選ばれた少な
くとも一種のモノマーとスチレンとの共重合体である請
求項6記載の静電荷像現像用トナーバインダー樹脂。 - 【請求項8】 バインダー樹脂の臭素価をa、バインダ
ー樹脂の水素添加前の臭素価をcとした場合、a/cの
値が0.45以下である請求項1記載の静電荷像現像用ト
ナーバインダー樹脂。 - 【請求項9】 ヒートロール定着用である請求項1記載
の静電荷像現像用トナーバインダー樹脂。 - 【請求項10】 トナー樹脂として、請求項1〜8のい
ずれかに記載のバインダー樹脂を含むことを特徴とする
静電荷像現像用トナー。 - 【請求項11】 トナー樹脂が、請求項1〜8のいずれ
かに記載のバインダー樹脂の合計量70重量%以上を含
有するものである請求項10記載の静電荷像現像用トナ
ー。 - 【請求項12】 トナー樹脂が、さらにワックスを含有
するものである請求項10又は11記載の静電荷像現像
用トナー。 - 【請求項13】 トナー樹脂が、さらにエラストマーを
含有するものである請求項10又は11記載の静電荷像
現像用トナー。 - 【請求項14】 ヒートロール定着用である請求項10
記載の静電荷像現像用トナー。
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