JP2004233729A - 静電荷像現像用緑色トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、帯電安定性、環境安定性、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れた緑色トナーを提供することにある。更にハロゲンを含有しないことにより、安全衛生面や環境汚染問題をも考慮した緑色トナーを提供することである。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用緑色トナーにおいて、結着樹脂は水素添加率が50%以上である水添石油樹脂とスチレン系重合体を含有し、かつ着色剤はハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)とを(Y):(B)が35:65〜60:40で混合して得られる着色剤を含有する緑色トナー。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用緑色トナーにおいて、結着樹脂は水素添加率が50%以上である水添石油樹脂とスチレン系重合体を含有し、かつ着色剤はハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)とを(Y):(B)が35:65〜60:40で混合して得られる着色剤を含有する緑色トナー。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等を利用して画像の形成がなされる電子複写機、レーザービームプリンター等における静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用緑色トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等においては、所望の複写物或いは送信画像などの記録物を得るため、電子写真感光体や静電記録体などの静電荷像担持体上に種々の手段で静電荷像を形成し、この静電荷像担持体上に形成された静電荷像を現像した後、得られたトナー像を転写紙などの転写材に転写し、次いで転写されたトナー像を加熱、加圧或いは加熱・加圧して定着する方法が広く採用されている。そして、静電荷像の現像法としては、電気絶縁性液体に分散された微細トナーからなる液体現像剤を用いて現像する湿式現像法、及び結着樹脂中に着色剤などを分散、含有する粉体トナーとキャリア粒子を用いる二成分現像剤、或いは結着樹脂中に磁性粉体などを分散、含有する一成分磁性トナーを用いた乾式現像法が知られており、後者の乾式現像法が一般的に用いられている
。
【0003】
ところで、電子写真複写機での複写やレーザービームプリンターによる画像あるいはデータの打ち出し、更にはファクシミリなどによる送信画像の打ち出しなどにおいては、近年、装置の小型化、低価格化、パーソナル化、出力の高速化、低エネルギー化が要求される一方、カラー化の要求も大きくなり、これらへの対応が必要とされている。
【0004】
従来の緑色トナーに用いる着色剤としては、フタロシアニン系色素を含む緑色トナー(例えば、特許文献1参照)、アントラキノン誘導体とアゾ系顔料とからなる緑色トナー(例えば、特許文献2参照)等が提案されているが、正負どちらの極性にも容易に使用でき、環境安定性のある良好な帯電性を持つ緑色トナーは得られていないのが現実である。
またハロゲンを含まない青色顔料及び黄色顔料を配合して得られる顔料組成物及びそれを用いた緑色トナー(例えば、特許文献3及び4参照)が提案されているが、これだけでは緑色トナーとして良好な帯電特性及び環境安定性が得られないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特許第3169423号公報(請求項1)
【特許文献2】
特公平7−11721号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開2000−63699号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開2001−64534号公報(請求項1、3及び4)
【0006】
また従来、緑色に用いられる着色剤は、C.I.Pigment Green7、36等のようなハロゲンを含有するフタロシアニン顔料等が多いのが現状である。これらは色相上良好な緑色を呈するものの、着色剤である顔料の構造上塩素等のハロゲンを有していて、帯電的に負帯電性が強く、正帯電性トナーとして用いることが困難であり、また負帯電性トナーとして用いる場合にも、強い負帯電性は得られるものの、環境安定性が悪く、特に低温低湿環境下で過度に帯電が上昇してしまい画像濃度が低下してしまう等の問題があり、緑色トナーに用いる着色剤として使用するのが困難なのが現状であった。またトナーとしての帯電性の問題だけではなく、これらのハロゲンを含有する着色剤は焼却の際にPCBやダイオキシンを発生する危険性もあり、極力使用しないことが好ましい。
【0007】
また石油樹脂を電子写真用トナーの結着樹脂成分として用いる試みは、古くからなされている。例えば、さらに、石油樹脂を加熱定着方式に用いるトナーの結着樹脂の一部として用ることも知られている。
また石油樹脂としてエチレン性二重結合の水添率が55%以上である水添石油樹脂を用いることによって粉砕性、低温定着性、帯電特性の環境依存性に優れたトナーが提案されている。(例えば特許文献5参照)
また石油樹脂として水素添加率50または60%以上の水添石油樹脂を用いたトナーが耐熱保存性が改善され、定着性に優れたトナーが得られることが記載されている。(例えば特許文献6及び7参照)
また石油樹脂としてガードナー色数が10以下の石油樹脂を用いたトナーが、低温定着性に優れ、中間諧調の画像濃度や色再現性に優れていることが記載されている。(例えば特許文献8参照)
この例としては、例えば特開平11−52612号公報、などが挙げられる。これらの文献に記載された結着樹脂は、多くは石油樹脂をトナーの結着樹脂の補助成分として用いるものであり、いずれも低温定着性と耐ブロッキング性、耐オフセット性などあるいはトナー製造時の粉砕性などを充分に満足しうるといえるものではない。
【0008】
【特許文献5】
特開平11−52611号公報(特許請求の範囲、段落番号0004、0005)
【特許文献6】
特開平8−278658号公報(特許請求の範囲、段落番号0003から0010)
【特許文献7】
特開2001−5214号公報(特許請求の範囲、段落番号0013から0018)
【特許文献8】
特開平11−52612号公報(特許請求の範囲、段落番号0003から0004)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電安定性、環境安定性、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れた緑色トナーを提供することにある。更にハロゲンを含有しないことにより、安全衛生面や環境汚染問題をも考慮した緑色トナーを提供することにある。
【0010】
具体的には、上記問題を解決し優れた特性を有する緑色トナー、すなわち、トナーとキャリア間、トナーと現像スリーブの如きトナー担持体との摩擦帯電量が高く、安定で、温度、湿度による影響を受けず、カブリの発生、機内へのトナー飛散がない安定したトナー画像を形成することができる緑色トナーを提供することである。
【0011】
さらには、着色剤がトナー中に均一に分散した、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れた画像を形成することができる緑色トナーを提供することである。
【0012】
また、本発明の目的は、低温定着性、耐ブロッキング性に優れ、トナーを長期間保存あるいは放置した際にもトナーの劣化がない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0013】
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の着色剤と特定の水添率を有する石油樹脂を用いることにより、上記目的が達成できることを見出して、本発明に至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、第1の発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用緑色トナーにおいて、結着樹脂は水素添加率が50%以上である水添石油樹脂とスチレン系重合体を含有し、かつ着色剤はハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)とを(Y):(B)が35:65〜60:40で混合して得られる着色剤を含有することを特徴とする緑色トナーに関する。
【0015】
また、第2の発明は、フタロシアニンブルー顔料(B)が銅フタロシアニンであることを特徴とする上記第1の発明の緑色トナーである。
【0016】
また、第3の発明は、着色剤のBET比表面積が30〜100m2/gであることを特徴とする上記第1の発明又は第2の発明の緑色トナーである。
【0017】
また、第4の発明は、着色剤のブローオフ法による帯電量の絶対値が、平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリアコア粒子に対して、10μc/g以下であることを特徴とする上記第1〜3いずれかの発明の緑色トナーである。
【0018】
また、第5の発明は、水添石油樹脂を結着樹脂全体に対して20〜80重量%含有することを特徴とする上記第1〜4いずれかの発明の緑色トナーである。
【0019】
また、第6の発明は、着色剤が、ハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)を原料としてソルベントソルトミリングで得られることを特徴とする上記第1〜5いずれかの発明の緑色トナーである。
【0020】
また、第7の発明は、トナー中に荷電制御剤または樹脂系荷電制御剤が含有されていることを特徴とする上記第1〜6いずれかの発明の緑色トナーである。
【0021】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いられるハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)については、カラーインデックス分類で、C.I.Pigment Blue 15、15:2、15:3、15:4、15:6、16が挙げられる。またこれらのうち、C.I.Pigment Blue 15、15:2、15:3、15:4、15:6は銅フタロシアニンブルー顔料であり、C.I.PigmentBlue 16は無金属フタロシアニンブルー顔料である。これらの中でも色相、コストの面から銅フタロシアニンブルー顔料であるC.I.PigmentBlue 15:3で表される顔料を用いることが好ましい。
【0022】
本発明に用いられるハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)については、カラーインデックス分類で、C.I.Pigment Yellow120,151,175,180,181,194等が挙げられるが、高い耐光性、耐熱性を有する顔料を用いることが好ましい。これらの中でも色相の面からC.I.Pigment Yellow 151、180、181で表される顔料を用いることが好ましい。
【0023】
これらの2つの顔料を上記の特定の比率で混合することによって好適な緑色の着色剤を得ることができる理由は、ハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料が強い正帯電性を有する特性を持っていること、また、ハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料が強い負帯電性を有する特性を持っていることによるものであり、これらを混合することにより、双方の顔料が静電気的に引き合うこと、更に両顔料を同一場で微細化することによる物理吸着の効果と相俟って安定した状態をつくり出すことができる。これにより色汚れ、色分かれによる画質低下等の問題もなく良好な緑色を呈する着色剤を得ることができる。また得られる緑色着色剤は、正負の極性が引き合い中和されることにより帯電的にニュートラルな状態となり、荷電制御剤等の物質を用いることにより正帯電、負帯電いずれの極性のトナーとしても好適に使用することが可能である。
特に、Pigment Blue 15:3で表される銅フタロシアニンブルー顔料及びPigment Yellow 180、194で表されるベンズイミダゾロン黄顔料とを混合して得られる着色剤は両者とも構造上親水基を有さないことから、水分の影響を受けにくく、環境安定性に優れたものとなる。
【0024】
これらの2つの顔料を混合する割合は(Y):(B)が35:65〜60:40で混合することが重要である。より好ましくは、(Y):(B)が40:60〜55:45である。
2つの顔料中の(Y)の比率が60:40よりも多くなってしまうと(60%よりも多くなってしまうと)、良好な緑色を得られないだけでなく、着色剤中に帯電的にニュートラルな状態を有する粒子と、負帯電性を有する黄色の粒子とが存在してしまい、トナーとして用いたときに良好な帯電性を得ることが困難となり、画像上のカブリ、やトナーの機内飛散等の原因となってしまう。特に正帯電性トナーとして使用することが困難である。
一方、2つの顔料中の(Y)が35:65よりも少なくなってしまうと(35%よりも少なくなってしまうと)、良好な緑色を得られないだけでなく、着色剤中に帯電的にニュートラルな状態を有する粒子と、正帯電性を有する青色の粒子とが存在してしまい、トナーとして用いたときに良好な帯電性を得ることが困難となり、画像上のカブリ、やトナーの機内飛散等の原因となってしまう。特に負帯電性トナーとして使用することが困難である。
【0025】
本発明の着色剤のBET比表面積は30〜100m2/gであることが好ましい。より好ましくは45〜80m2/gである。BET比表面積が100m2/gよりも大きくなると、着色剤の粒子が凝集しやすくなり結着樹脂中への分散が困難になってしまう。また30m2/gよりも小さくなると、トナーとして十分な着色力が得られなくなってしまう。
また30〜100m2/gのBET比表面積を有する場合に、ハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)との混合状態が帯電的にニュートラルな状態となり、安定し、分散性に優れ、発色性も良好な緑色着色剤となる。
【0026】
本発明の着色剤のBET比表面積測定は、乾燥した状態の着色剤サンプルを、気体吸着法(流動法)である、ユアサアイオニクス社製、マルチソープ12を用いて行った。キャリアガスとしては窒素−ヘリウムの混合ガスを用いた。そして脱着ピークの値からBET比表面積を算出した。
【0027】
本発明の着色剤のブローオフ法による帯電量の絶対値が、平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリアコア粒子に対して、10μc/g以下であることが必須である。更には絶対値が8μc/g以下であることが好ましい。−10μc/g〜+10μc/gの範囲の帯電量を有していれば上記に述べたように正帯電、負帯電のどちらに用いても良好な緑色トナーを得ることができる。
【0028】
本発明の着色剤の帯電量は、平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリアコア粒子と着色剤サンプルとを、全体に対して着色剤濃度0.5〜5重量%になる割合で秤量し、ボールミル等で混合した後、ブローオフ帯電量測定装置にて顔料の帯電量を算出した。具体的には下記の方法によって測定を行った。
パウダーテック社製Cu−Znフェライトキャリアコア(商品名F−100)を19.5g、乾燥後の着色剤サンプル0.5gを50ccポリ瓶に秤量し、5回振った後、ボールミル(新栄工機産業社製 PLASTIC PLANT SKS型)にて、回転数を実測値で230回転(ポリ瓶本体は120回転)の条件で30分間混合を行った。
混合後の得られた試料を東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置により帯電量測定を行った。このときブロー圧は1kgf/cm2、測定時間20秒で最大の数値を読み取り、メッシュは400メッシュを用いて行った。また測定環境は23℃50%RHの条件下で行った。
【0029】
本発明の着色剤を得る方法としては、原料であるハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)とを(Y):(B)の比が35:65〜60:40で混合することによって良好な緑色の着色剤を得ることができる。混合する装置としてはこれらの2種類の顔料を、ニーダー、加圧ニーダー、及びヘンシェルミキサーに等の高速回転する攪拌羽根等を複数具備する混合・混練ミキサーなどを用いることができる。また混合する方法としては2種類の顔料を上記装置により直接混合しても良いが、良好な着色剤を得られる点においてソルベントソルトミリングによる方法が最も好ましい。
【0030】
混合する際にソルベントソルトミリング等の方法にて水、溶剤等の溶媒を使用した場合には溶媒を除去した後に、精製し、十分に乾燥せしめた後に、粉砕を行い着色剤を得ることができる。また乾燥する前の工程で得られる水性着色剤分散体を用いることもできる。
【0031】
ソルベントソルトミリングの方法について、以下に具体的方法を示す。有機顔料と水溶性の無機塩の混合物に少量の水溶性溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、係る混練物を水中に投入するか、あるいは係る混練物中に水を投入することにより、水溶性の無機塩及び水溶性の溶剤を溶解させスラリー状とする。次にこのスラリーの濾過、水洗をくりかえして無機塩と溶剤を除去して水性着色剤分散体を得る。
【0032】
本発明においてソルベントソルトミリング処理に用いられる水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、芒硝等が挙げられる。水溶性の無機塩の使用量は、処理する2つの顔料の合計に対して重量比で1〜20倍、より好ましくは4〜8倍である。
【0033】
本発明においてソルベントソルトミリング処理に用いられる水溶性の溶剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等があげられるが、好ましくはジエチレングリコールである。
水溶性の溶剤の使用量は、処理する有機顔料に対して、重量比で2〜10倍であることが好ましい。
【0034】
ソルベントソルトミリング処理に供される原料である顔料は、合成反応後に十分水洗されたウェットな状態でも乾燥され製品化されたドライな状態でもいずれでも良い。
【0035】
本発明においては、上記のようなソルベントソルトミリング処理をおこなった水性着色剤分散体を通常通り水洗、乾燥して粉体顔料として用いても良いし、またはソルベントソルトミリング処理を行った水性着色剤分散体を後述するトナー用の結着樹脂と共に混練してトナーを得ても良いし、あるいは水性着色剤分散体を分散用の樹脂と一緒に機械的剪断力を加えて混練し、着色剤を分散用の樹脂に移行させ、水を除去して着色剤の樹脂分散体を得、該着色剤の樹脂分散体を後述するトナー用の結着樹脂と共に混練してトナーを得ても良い。
【0036】
上記3番目の方法の場合、分散用の樹脂としては、後述する結着樹脂と同様のものを用いても良いし、別系統の樹脂を用いても良い。結着樹脂と別系統の樹脂を用いる場合には、着色剤を高分散させるべく結着樹脂と相溶性が高い樹脂を用いることが好ましい。係る方法は、分散用の樹脂と着色剤との親和性を確保すべく加熱下で行うことが好ましいので、有機溶剤も併用するのであれば、溶剤が蒸発し難いようにするために加熱温度を使用する有機溶剤の沸点以下にすることが好ましい。熱によって溶剤が蒸発してしまうと顔料微粒子が凝集してしまい透明性、発色性が悪くなるからである。但し、有機溶剤回収工程を必要とせず、エネルギーコスト及び環境保全の面からは水のみを使用する方が好ましい。
【0037】
本発明の結着樹脂は、水素添加率が50%以上である水添石油樹脂とスチレン系重合体とからなるものであり、原料の水添石油樹脂としては石油樹脂に残存している不飽和結合に水素を付加させて還元して得られた樹脂であり、水添石油樹脂、スチレン系重合体のどちらとも特に制限はなく、従来公知のもの、例えば水添石油樹脂の場合は脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂、脂環脂肪族系石油樹脂、これらの石油樹脂の原料モノマーを2種以上又は該原料モノマーと他の重合性モノマーとを共重合させてなる共重合体系石油樹脂等を水添したものを、スチレン系重合体の場合はスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン系共重合体、架橋されたスチレン系重合体等を適宜選択して用いればよい。
水素添加率が50%以上である石油樹脂とスチレン系重合体とをトナー用結着樹脂として用いることにより透明性を十分に得ることができ、緑色トナーとして良好な色再現ができ、さらにスチレン系重合体を併用することにより石油樹脂の良好な透明性、低温定着性等の性能を維持し、かつトナーの保存安定性、環境安定性、製造時における粉砕性等の生産性等においても優れた結着樹脂を得ることができる。
【0038】
脂肪族系石油樹脂としては、例えばナフサ分解油のうち、沸点が−10〜100℃のC4〜C6留分に含まれる重合性成分、具体的にはC4留分:1−ブテン;2−ブテン;イソブテン;1,3−ブタジエン、C5留分:1−ペンテン;2−ペンテン;2−メチル−1−ブテン;3−メチル−1−ブテン;2−メチル−2−ブテン;1,3−ペンタジエン;シクロペンテン;シクロペンタジエン;2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、C6留分:1−ヘキセン;2−ヘキセン;3−ヘキセン;4−メチル−1−ペンテン;4−メチル−2−ペンテン;2−メチル−2−ペンテン;2−メチル−1−ペンテン;3−メチル−2−ペンテン;2−エチル−1−ブテン;2,3−ジメチル−1−ブテン;2,3−ジメチル−2−ブテン;2,2−ジメチル−1−ブテン;1,3−ヘキサジエン;1,4−ヘキサジエン;2−メチル−1,4−ペンタジエン;3−メチル−1,4−ペンタジエン;1,5−ヘキサジエン;2,4−ヘキサジエン;2−メチル−1,3−ペンタジエン;3−メチル−1,3−ペンタジエン;4−メチル−1,3−ペンタジエン;シクロヘキセン;1,3−シクロヘキサジエン;1,4−シクロヘキサジエン;1−メチルシクロペンテン;3−メチルシクロペンテン;4−メチルシクロペンテンなど、およびこれらの重合性成分を精製したモノマーの中から選ばれた少なくとも一種を重合してなる樹脂を挙げることができる。
【0039】
芳香族系石油樹脂としては、例えばナフサ分解油のうち、C8〜C10留分を主体とした芳香族ビニル系モノマー(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、イソプロペニルトルエン、インデン、アルキル置換インデン、アリルベンゼン、アリルトルエン、tert−ブチルトルエン、tert−ブチルアリルベンゼンなど)、およびこれらの成分を精製したモノマーの中から選ばれた少なくとも一種を重合してなる樹脂を挙げることができる。
【0040】
また、シクロペンタジエン系石油樹脂、脂環脂肪族系石油樹脂としては、例えばナフサ分解油のうち、沸点が−10〜50℃の留分中に含まれるジエン類やオレフィン類をディールスアルダー反応で環化二量化させてなる脂肪族環状不飽和炭化水素モノマー、およびその中の成分を精製したモノマーの中から選ばれた少なくとも一種を重合してなる樹脂を挙げることができる。
【0041】
共重合体系石油樹脂に用いられる他の重合性モノマーとしては、公知のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、オクテン、ドデセンなどの炭素数2〜20の鎖状オレフィン、ピネンなどの炭素数7〜20の環状オレフィン、リモネン、ミルセンなどの炭素数6〜20のポリエン類、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、ブチル、オクチル、フェニル、スアテリルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル;塩化ビニリデン;1,2−ジクロロエチレン;トリクロロエチレン;テトラクロロエチレン;フッ化ビニル;フッ化ビニリデン;1,2−ジフルオロエチレン;トリフルオロエチレン;テトラフルオロエチレン;臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、トリアルキルビニルシラン、トリアルコキシビニルシランなどのビニルシラン類、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのα,β−不飽和ケトン類、さらにはアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸、マレイン酸エステル、無水マレイン酸、シクロプロパンおよびその誘導体、シクロブタンおよびその誘導体、オキセタンおよびその誘導体、テトラヒドロフランおよびその誘導体、アセチレンおよびその誘導体,α,β−不飽和アルデヒド、α,β−不飽和エステル、炭素数2〜10のジチオールなどが挙げられる。これらは単独でも、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
水添石油樹脂は、石油樹脂の不飽和部に水素を付加させたものであり、通常の石油樹脂に比べ淡色が図られ透明性が改善される。上記石油樹脂に水素添加を行う方法としては、一般の還元方法としてはいずれの方法を用いても良いが、特に接触還元法が用いられる。具体的にはニッケル、パラジウム、白金等の重金属触媒を用い、150〜250℃、30〜50kg/cm2の高温高圧下で水素を直接石油樹脂に作用させ、石油樹脂の不飽和二重結合に付加させる還元方法である。
【0043】
水素添加率は、水素で置換されていない石油樹脂の不飽和結合を定量することにより求められる。具体的には、水添石油樹脂に三塩化ヨウ素や一臭化ヨウ素などのハロゲンを作用させて水添石油樹脂中の不飽和結合と反応させ、反応によって吸収されたハロゲン量を測定し、その値をヨウ素化に換算する。そして水添率0%と100%(完全水添)の検量線を用いて水添率を求めることができる。また使用される石油樹脂の軟化点(環球式:JIS K6863−1994)は90〜140℃の範囲が好ましい。
【0044】
本発明に使用される水添石油樹脂は、水素添加率が50%以上であることが必須である。水素添加率が50%以上であれば良好な緑色を呈するトナーが得られるが、一方、水素添加率が50%よりも小さいと石油樹脂は白濁し、透明性がなくなり白みがかった緑色トナーとなってしまい、良好な色再現ができなくなってしまう。
【0045】
本発明の緑色トナーの結着樹脂として、石油樹脂とともに用いることのできるスチレン系重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体、架橋されたスチレン系重合体などが挙げられる。
【0046】
上記スチレン−アクリル系共重合体に使用されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれらと共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることができる。
【0047】
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;および不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独で或いは混合して使用することができる。上記架橋剤は、結着剤樹脂に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0048】
これらスチレン系樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これらスチレン系樹脂のうち、GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)により測定される分子量分布で二山のピークを有するものであってもよい。更には2種以上の樹脂の併用としては、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などが好ましいものである。
【0049】
また、本発明においては、結着樹脂は、上記石油樹脂とスチレン系共重合体あるいはスチレン系重合体、さらに必要であれば他の樹脂を混練する、あるいは溶剤中において溶解混合するなど適宜の方法で均質化することにより製造される。この均質な組成物はトナーの製造前あるいはトナー製造時に行うことができる。本発明においては、結着樹脂は、トナー100重量部当り40〜95重量部であることが好ましい。
【0050】
スチレン系共重合体あるいはスチレン系重合体は、前記石油樹脂に対し重量比で、石油樹脂:スチレン系共重合体あるいはスチレン系重合体=2:8〜8:2の量で用いることが好ましい。石油樹脂の量が20重量%より少ない場合には、十分な透明性が得られないだけでなく、石油樹脂の定着性の寄与率が低減し、このため低温時の定着性が十分ではなく、また石油樹脂の量が80重量%を超えるとトナー粒子を製造する際に粉砕機中で融着が発生し、収量よく所望のトナー粒子を得ることができなくなる。
【0051】
本発明の緑色トナーの構成成分としては、上記本発明の着色剤、結着樹脂以外に、更に必要に応じトナーを構成する公知の材料である、荷電制御剤、離型剤、滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等が内添または外添される。
【0052】
本発明のトナーは、さらに必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤の使用により帯電量の安定した緑色トナーを得ることができる。また緑色の色相を損なわないためには白色、淡色の荷電制御剤を用いる必要がある。
【0053】
正帯電性トナーとして用いる場合には、四級アンモニウム塩化合物が好ましい。本発明において使用できる四級アンモニウム塩化合物は、第四級アンモニウム塩と有機スルホン酸、あるいはモリブデン酸とからなる造塩化合物である。有機スルホン酸としてはナフトールスルホン酸を用いることが好ましい。
【0054】
具体的な四級アンモニウム塩化合物としては、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリブチルベンジルアンモニウム−2−ヒドロキシ−8−ナフタレンスルホン酸塩、トリエチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリプロピルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリプロピルベンジルアンモニウム−2−ヒドロキシ−6−ナフタレンスルホン酸塩、トリヘキシルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、テトラオクチルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩等があげられる。
【0055】
一方、負帯電性トナーとして用いる場合には、サリチル酸誘導体金属塩化合物、サリチル酸誘導体金属錯体、フェノール系縮合物等が用いられる。
サリチル酸誘導体の金属塩化合物とサリチル酸誘導体金属錯体に用いられる金属としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、チタン、クロム、アルミニウム、ケイ素等が好ましい。
またサリチル酸誘導体としては、tert−ブチル基、tert−オクチル基を有するものが好ましく、具体的には、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−フェニルサリチル酸が特に好ましい化合物としてあげられる。
またフェノール系縮合物としてはカリックスアレン化合物が好ましい。
これらの荷電制御剤はいずれも公知の製造方法で得られるものを使用することができる。
【0056】
また荷電制御剤は粉砕機により、粉砕し、所望の粒度分布に調整することにより、より効果的に使用することができる。粉砕機の種類としてはジェットミル等の気流式衝突型粉砕機やターボミル、KTM、MVM、等の機械式衝撃式粉砕機があげられる。本発明の荷電制御剤として良好な粒度分布は体積平均粒径で0.5〜40μmであればよく、より好ましくは1〜20μmであることが良い。40μmよりも大きい粒径のものが含まれていると、結着樹脂中への荷電制御剤の分散が困難になりトナー中への荷電制御剤の分散が困難になってしまう。またトナー粒子あたりの荷電制御剤の含有量が偏ってしまいカブリの増加や機内飛散の原因にも繋がってしまう。一方、0.5μmよりも小さい粒径のものを用いると、結着樹脂中への分散は良好であるものの、荷電制御剤の比表面積が大きくなってしまいトナーに過度の帯電を付与してしまい帯電量が増大し画像濃度低下が生じてしまう場合がある。
【0057】
荷電制御剤の添加量は、通常、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜3重量部である。
【0058】
また上記荷電制御剤を用いる代わりに、樹脂系荷電制御剤を用いることもできる。正帯電用としては、一般式 −{CH2−CH(C6H5)a}−{CH2−CH(COOC4H9)}b−{CH2−C(CH3)COOC2H4N+CH3(C2H5)2}cCH3(C6H4)SO3 −(このうち四級アンモニウム塩部が3〜35重量部、スチレン・アクリル部が97〜65重量部であり、それによりa,b,cの値が決まる)で表される、四級アンモニウム塩を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマーが挙げられる。
一方、負帯電用としては、一般式 −{CH2−CH(C6H5)a}−{CH2−CHCOOCH2CH(C2H5)C4H9}b−{CH2−CHCONHC(CH3)2CH2SO3H}c−(このうちスルホン酸部が2〜20重量部、スチレン・アクリル部が98〜80重量部であり、それによりa,b,cの値が決まる)で表される、スルホン酸を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマーが挙げられる。
具体的には、アクリル酸2−エチルヘキシル・アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸・スチレン共重合物、アクリル酸ブチル・N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート・スチレン共重合物等である。
これらは本発明の水添石油樹脂とスチレン系重合体とからなる結着樹脂と共に用いたときに無色透明であることから緑色トナーに用いるのに好適である。
また樹脂系荷電制御剤は、通常、結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部、好ましくは2.0〜8重量部である。
【0059】
また本発明のトナーには、従来トナー粒子を製造する際に用いられている離型剤を加えることができる。離型剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスが挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。
【0060】
本発明の緑色トナーは、キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。本発明のトナーとともに用いることのできるキャリアとしては、従来公知のキャリアであればいずれであってもよい。使用することができるキャリアとしては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性粉体やガラスビーズ等、あるいはこれらの表面を樹脂などで処理したものが挙げられる。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂、ポリアミド樹脂、
アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など、あるいはこれらの混合物があげられる。これらのなかでは、スペントトナーの形成が少ないためフッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂が特に好ましい。
【0061】
本発明の緑色トナーの粒径は、重量平均粒径が1〜30μm、好ましくは3〜15μmであることが望ましい。特に、5μm以下の粒径を有するトナー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有するトナー粒子が1〜33個数%含有され、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が2.0重量%以下含有され、トナーの重量平均粒径が4〜10μmであるものが、現像特性のうえからはより好ましい。なお、トナーの粒度分布測定は、例えばコールターカウンターを用いて測定することができる。
【0062】
本発明の緑色トナーは、さらに必要に応じて滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等のトナーの製造にあたり使用されている公知の添加剤を内添、あるいは外添することができるが、滑剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛などが、流動性改良剤としては、乾式法あるいは湿式法で製造したシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪素アルミニウム共酸化物、珪素チタン共酸化物およびこれらを疎水性化処理したものなどが、研磨剤としては窒化珪素、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、タングステンカーバイド、炭酸カルシウムおよびこれらを疎水化処理したものなどが、導電性付与剤としては酸化スズなどがあげられる。また、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素含有重合体の微粉末は、流動性、研磨性、帯電安定性などの点から好ましいものである。
【0063】
なお、本発明においては、疎水化処理されたシリカ、疎水化処理された酸化アルミニウム、疎水化処理された珪素アルミニウム共酸化物あるいは疎水化処理された珪素チタン共酸化物微粉体を外添剤として用いることが好ましい。シリカ微粉体の疎水化処理としては、シリコーンオイルやジクロロジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザンなどのシランカップリング剤による処理等があげられる。これらはいずれも負極性であるため、負帯電性トナーとして使用するには好適であるが、正帯電性トナーとして使用する場合は、ブローオフ法により測定したときに、ノンコートフェライトキャリアコア粒子に対してプラスのトリボ電荷を有する正帯電性のシリカを用いることが好ましい。この正帯電性のシリカを得るためには、側鎖に窒素原子を少なくとも1つ有するオルガノ基を有するシリコーンオイル、あるいはアミノシラン類等の窒素含有のシランカップリング剤で処理すればよい。
疎水化処理されたシリカ微粉体の使用量は、現像剤重量あたり、0.01〜20%、好ましくは0.03〜5%である。
【0064】
本発明に係る緑色トナーは、従来から公知のトナーの製造方法を用いて製造することができる。一般的には、上述したようなトナー構成材料を、ボールミル、ヘンシェルミキサーなどの混合機により充分混合したのち、熱ロールニーダー、一軸あるいは二軸のエクストルーダーなどの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化させた後、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて機械的に粗粉砕し、次いでジェットミル等の気流式衝突型粉砕機やターボミル、KTM、MVM、等の機械式衝撃式粉砕機により中粉砕、微粉砕した後、分級する方法が好ましい。さらに分級した後、外添剤をヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分に混合した後、篩い工程を経て用いることが好ましい。
【0065】
しかし、トナーの製造法はこの方法に限られるものではなく、結着樹脂溶液中に他のトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、所謂マイクロカプセル法によりトナーを製造する方法、結着樹脂を形成する単量体に所定材料を混合し、乳化あるいは懸濁重合を行いトナーを得る重合法トナー製造法など他の方法も任意に採用することができる。
【0066】
本発明における有機顔料等と結着樹脂との溶融混練温度は、100〜140℃が好ましく、更に好ましくは110〜130℃である。上記の範囲で混練することによって、トナーの着色性等が向上する。
【0067】
本発明の静電荷像現像用トナーは、従来公知の電子写真、静電記録あるいは静電印刷法などを利用して乾式トナー画像を形成するいずれの方法あるいは装置に対しても好ましい現像用トナーとして使用することができる。
【0068】
なお、本発明においては、結着樹脂成分などの分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
【0069】
(GPC測定条件)
装置 :日本分光(株)製800シリーズ
検出器:RI
カラム:東ソー[MN,GMH6(7.5mmI.D×600mm)×2,G2000H8(7.5mmI.D×600mm)]
温度 :室温
溶媒 :THF
注入量:400μL
流量 :1.4ml
その他:THF室温溶解で濃度は20mg/10mlに調整
【0070】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0071】
着色剤製造例1
C.I.Pigment Yellow 180 74g
C.I.Pigment Blue 15:3 126g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を3Lステンレス製ニーダーに仕込み、95℃の温度で4時間混練した。次にこの混合物を温水に投入し、約80℃まで加熱攪拌した。約1時間加熱してスラリー状とした後、ろ過、水洗、乾燥を行い、ジェットミルにて粉砕を行い緑色着色剤Aを得た。このとき緑色着色剤Aの比表面積は68m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。またブローオフ帯電量測定装置によって測定された帯電量は+4.2μc/gであった。
【0072】
着色剤製造例2
C.I.Pigment Yellow 180 109g
C.I.Pigment Blue 15:3 91g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Bを得た。このとき緑色着色剤Bの比表面積は61m2/gで一次粒子径は70nm程度であった。また帯電量は−5.2μc/gであった。
【0073】
着色剤製造例3
C.I.Pigment Yellow 151 74g
C.I.Pigment Blue 15:3 126g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Bを得た。このとき緑色着色剤Bの比表面積は64m2/gで一次粒子径は70nm程度であった。また帯電量は+7.5μc/gであった。
【0074】
着色剤製造例4
C.I.Pigment Yellow 180 64g
C.I.Pigment Blue 15:3 136g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Cを得た。このとき緑色着色剤Cの比表面積は70m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。また帯電量は+11.1μc/gであった。
【0075】
着色剤製造例5
C.I.Pigment Yellow 180 126g
C.I.Pigment Blue 15:3 74g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Dを得た。このとき緑色着色剤Dの比表面積は66m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。また帯電量は−10.8μc/gであった。
【0076】
着色剤製造例6
C.I.Pigment Green 7 500g
塩化ナトリウム 1000g
ジエチレングリコール 300g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Eを得た。このとき緑色着色剤Eの比表面積は55m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。また帯電量は−14.6μc/gであった。
【0077】
【表1】
【0078】
樹脂製造例1(樹脂Aの合成および樹脂組成物Bの製造)
温度計、攪拌機を備えたフラスコにナフサのスチームクラッキングで副生する初留140℃〜終留220℃の留分(重合可能成分:スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、イソプロペニルトルエン、インデン等)200重量部を仕込み、三フッ化硼素−フェノール錯体1重量部、フェノール7重量部を加えて70℃で3時間重合した。得られた反応混合溶液に2重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて触媒を除去後、水洗を行った。次に反応混合溶液を中性になるまで水洗した後、有機層を蒸留し、未反応物および低重合物を除去することにより、石油樹脂A(Tg:43℃、Mw=1,450、Mn=730)を得た。
【0079】(水添処理)
窒素で置換した攪拌機付きの300ミリリットルオートクレーブ内にシクロヘキサン75g,製造例1で得られた石油樹脂A75g,0.5重量%のパラジウム担持シリカ・アルミナ触媒4.0gを仕込み、水素圧力4MPa,温度150℃で2時間水素添加反応を行った。反応物を冷却後取り出し、ろ過して触媒を除去したのち、蒸留により溶剤を除去して、水添石油樹脂A−1を得た。この水添樹脂A−1の水添率は74%であった。
【0080】
次に水添石油樹脂A−1、6.0Kgと市販のポリスチレン樹脂(Tg:102.0℃、Mw=340,195、Mn=111,082、極大値の位置280,000)4.0Kg、140℃の溶融粘度が10mPa/s(cp)(熱分析装置TGAで測定したときの200℃での重量減分は0%)のサゾールワックス0.4Kgをヘンシェルミキサーを用い混合した後、スクリュー径30mmの二軸押出機を用い、均一な樹脂組成物Bを得た。
【0081】
樹脂製造例2(樹脂組成物Cの製造)
石油樹脂Aを用いて、水添処理の処理時間を1時間にする以外は製造例1と同様にして水添石油樹脂A−2を得た。この水添樹脂A−2の水添率は52%であった。次に水添石油樹脂A−2、6.0Kgと市販のポリスチレン樹脂(Tg:102.0℃、Mw=340,195、Mn=111,082、極大値の位置280,000)4.0Kg、140℃の溶融粘度が10mPa/s(cp)(熱分析装置TGAで測定したときの200℃での重量減分は0%)のサゾールワックス0.4Kgをヘンシェルミキサーを用い混合した後、スクリュー径30mmの二軸押出機を用い、均一な樹脂組成物Cを得た。
【0082】
樹脂製造例3(樹脂組成物Dの製造)
石油樹脂Aを用いて、水添処理の処理時間を30分にする以外は製造例1と同様にして水添石油樹脂A−3を得た。この水添樹脂A−3の水添率は47%であった。次に水添石油樹脂A−3、6.0Kgと市販のポリスチレン樹脂(Tg:102.0℃、Mw=340,195、Mn=111,082、極大値の位置280,000)4.0Kg、140℃の溶融粘度が10mPa/s(cp)(熱分析装置TGAで測定したときの200℃での重量減分は0%)のサゾールワックス0.4Kgをヘンシェルミキサーを用い混合した後、スクリュー径30mmの二軸押出機を用い、均一な樹脂組成物Dを得た。
【0083】
実施例1
樹脂組成物B 93重量部
緑色着色剤A 5重量部
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物 2重量部
(平均粒径8μm)
上記材料をヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸加熱混練機に投入し混練、押し出されてきたものを室温で冷却し、ハンマーミルで粗粉砕してチップを得た。次いで、これをジェットミル粉砕機で微粉砕し、分級機に導き、10.5μmに平均粒度を有する部分をトナー用微粉末として取り出した。次いで、このトナー用微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ微粉体0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性緑色トナーを得た。得られたトナー6部と平均粒径60μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作製した。次にこのトナーと現像剤を用いて、市販の複写機CLC−800(キヤノン社製)により通常環境(23℃、50%RH)にて実写試験を行なった。得られたトナーおよび現像剤を用いたところ、鮮明な緑色画像が得られ、5万枚実写後でもカブリは少なく、画像濃度も安定しており、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。初期および5万枚複写時の画像濃度は各々1.39および1.41であり、また初期および5万枚複写時のカブリは各々0.6および0.4であった。また高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(7℃、20%RH)の環境下においても1万枚の実写試験を行ったが通常環境と同様に良好な画像が得られた。
【0084】
なお、画像濃度はマクベス光度計を用いて行い、1.35以上の濃度であればよい。なお、カブリはフォトボルトにて、反射率を測定することにより行った。1.2%以下が良好な値である。 また、トナーの機内飛散は、複写機の転写チャージャー上に飛散トナーが存在するか否かを確認することにより行った。転写チャージャー上にトナー飛散がみられる場合、これに伴い画像汚れが発生する。
【0085】
実施例2〜4、比較例1〜4
実施例1に用いた緑色着色剤A及び樹脂組成物Bを用いる代わりに、表1に記載の緑色着色剤及び樹脂組成物を用いることを除き、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
実施例5
製造例1で得られた固形分40%の緑色着色剤Aの分散体の高濃度チップを作製した。すなわち緑色着色剤Aの分散体(固形分40%)のウェットケーキ71.4部と樹脂組成物B28.6部を、ニーダー中にて加熱しながら混合し、緑色着色剤Aを樹脂に移行させ樹脂中に均一に分散させた。更に加熱型2本ロールにて練り、着色剤分50.0重量%の緑色着色剤Aの高濃度チップを作製した。次いで、このチップと樹脂組成物Bとを、組成物中の緑色着色剤Aの濃度が5重量%となるような量で混合し、実施例1と同様の工程を経て緑色現像剤を調製した。この現像剤について実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1同様の良好な結果が得られた。結果を表2に示す。
【0088】
実施例6
樹脂組成物B 91重量部
緑色着色剤A 5重量部
四級アンモニウム塩化合物 (平均粒径7μm) 3重量部
(第四級アンモニウム塩とナフトールスルホン酸との造塩化合物)
低分子量ポリエチレン 1重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸加熱混練機に投入し混練、押し出されてきたものを室温で冷却し、ハンマーミルで粗粉砕してチップを得た。次いで、これをジェットミル粉砕機で微粉砕し、分級機に導き、10.0μmに平均粒度を有する部分をトナー用微粉末として取り出した。次いで、このトナー用微粉末100重量部に対し、正帯電性疎水性シリカ微粉体0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して正帯電性非磁性トナーを得た。得られたトナー4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作製した。次にこのトナーと現像剤を用いて、市販の複写機SF−2027(シャープ社製)により通常環境(23℃、50%RH)にて実写試験を行なった。得られたトナーおよび現像剤を用いたところ、5万枚実写後でもカブリは少なく、画像濃度も安定しており、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。初期および5万枚複写時の画像濃度は各々1.39および1.38であり、また初期および5万枚複写時のカブリは各々0.5および0.5であった。
【0089】
実施例7
樹脂組成物B 90重量部
緑色着色剤A 5重量部
アクリル酸ブチル・N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート・スチレン共重合物4重量部
低分子量ポリエチレン 1重量部
を用いること以外は実施例5と同様に正帯電性非磁性トナーを得た。得られたトナー4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作製した。次にこのトナーと現像剤を用いて、市販の複写機SF−2027(シャープ社製)により通常環境(23℃、50%RH)にて実写試験を行なった。得られたトナーおよび現像剤を用いたところ、5万枚実写後でもカブリは少なく、画像濃度も安定しており、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。初期および5万枚複写時の画像濃度は各々1.38および1.39であり、また初期および5万枚複写時のカブリは各々0.6および0.7であった。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の緑色着色剤及び結着樹脂を用いることにより、帯電安定性、環境安定性、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れた緑色トナーを得ることができ、更にハロゲンを含有しないことにより、安全衛生面や環境汚染問題をも考慮した緑色トナーを得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等を利用して画像の形成がなされる電子複写機、レーザービームプリンター等における静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用緑色トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等においては、所望の複写物或いは送信画像などの記録物を得るため、電子写真感光体や静電記録体などの静電荷像担持体上に種々の手段で静電荷像を形成し、この静電荷像担持体上に形成された静電荷像を現像した後、得られたトナー像を転写紙などの転写材に転写し、次いで転写されたトナー像を加熱、加圧或いは加熱・加圧して定着する方法が広く採用されている。そして、静電荷像の現像法としては、電気絶縁性液体に分散された微細トナーからなる液体現像剤を用いて現像する湿式現像法、及び結着樹脂中に着色剤などを分散、含有する粉体トナーとキャリア粒子を用いる二成分現像剤、或いは結着樹脂中に磁性粉体などを分散、含有する一成分磁性トナーを用いた乾式現像法が知られており、後者の乾式現像法が一般的に用いられている
。
【0003】
ところで、電子写真複写機での複写やレーザービームプリンターによる画像あるいはデータの打ち出し、更にはファクシミリなどによる送信画像の打ち出しなどにおいては、近年、装置の小型化、低価格化、パーソナル化、出力の高速化、低エネルギー化が要求される一方、カラー化の要求も大きくなり、これらへの対応が必要とされている。
【0004】
従来の緑色トナーに用いる着色剤としては、フタロシアニン系色素を含む緑色トナー(例えば、特許文献1参照)、アントラキノン誘導体とアゾ系顔料とからなる緑色トナー(例えば、特許文献2参照)等が提案されているが、正負どちらの極性にも容易に使用でき、環境安定性のある良好な帯電性を持つ緑色トナーは得られていないのが現実である。
またハロゲンを含まない青色顔料及び黄色顔料を配合して得られる顔料組成物及びそれを用いた緑色トナー(例えば、特許文献3及び4参照)が提案されているが、これだけでは緑色トナーとして良好な帯電特性及び環境安定性が得られないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特許第3169423号公報(請求項1)
【特許文献2】
特公平7−11721号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開2000−63699号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開2001−64534号公報(請求項1、3及び4)
【0006】
また従来、緑色に用いられる着色剤は、C.I.Pigment Green7、36等のようなハロゲンを含有するフタロシアニン顔料等が多いのが現状である。これらは色相上良好な緑色を呈するものの、着色剤である顔料の構造上塩素等のハロゲンを有していて、帯電的に負帯電性が強く、正帯電性トナーとして用いることが困難であり、また負帯電性トナーとして用いる場合にも、強い負帯電性は得られるものの、環境安定性が悪く、特に低温低湿環境下で過度に帯電が上昇してしまい画像濃度が低下してしまう等の問題があり、緑色トナーに用いる着色剤として使用するのが困難なのが現状であった。またトナーとしての帯電性の問題だけではなく、これらのハロゲンを含有する着色剤は焼却の際にPCBやダイオキシンを発生する危険性もあり、極力使用しないことが好ましい。
【0007】
また石油樹脂を電子写真用トナーの結着樹脂成分として用いる試みは、古くからなされている。例えば、さらに、石油樹脂を加熱定着方式に用いるトナーの結着樹脂の一部として用ることも知られている。
また石油樹脂としてエチレン性二重結合の水添率が55%以上である水添石油樹脂を用いることによって粉砕性、低温定着性、帯電特性の環境依存性に優れたトナーが提案されている。(例えば特許文献5参照)
また石油樹脂として水素添加率50または60%以上の水添石油樹脂を用いたトナーが耐熱保存性が改善され、定着性に優れたトナーが得られることが記載されている。(例えば特許文献6及び7参照)
また石油樹脂としてガードナー色数が10以下の石油樹脂を用いたトナーが、低温定着性に優れ、中間諧調の画像濃度や色再現性に優れていることが記載されている。(例えば特許文献8参照)
この例としては、例えば特開平11−52612号公報、などが挙げられる。これらの文献に記載された結着樹脂は、多くは石油樹脂をトナーの結着樹脂の補助成分として用いるものであり、いずれも低温定着性と耐ブロッキング性、耐オフセット性などあるいはトナー製造時の粉砕性などを充分に満足しうるといえるものではない。
【0008】
【特許文献5】
特開平11−52611号公報(特許請求の範囲、段落番号0004、0005)
【特許文献6】
特開平8−278658号公報(特許請求の範囲、段落番号0003から0010)
【特許文献7】
特開2001−5214号公報(特許請求の範囲、段落番号0013から0018)
【特許文献8】
特開平11−52612号公報(特許請求の範囲、段落番号0003から0004)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電安定性、環境安定性、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れた緑色トナーを提供することにある。更にハロゲンを含有しないことにより、安全衛生面や環境汚染問題をも考慮した緑色トナーを提供することにある。
【0010】
具体的には、上記問題を解決し優れた特性を有する緑色トナー、すなわち、トナーとキャリア間、トナーと現像スリーブの如きトナー担持体との摩擦帯電量が高く、安定で、温度、湿度による影響を受けず、カブリの発生、機内へのトナー飛散がない安定したトナー画像を形成することができる緑色トナーを提供することである。
【0011】
さらには、着色剤がトナー中に均一に分散した、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れた画像を形成することができる緑色トナーを提供することである。
【0012】
また、本発明の目的は、低温定着性、耐ブロッキング性に優れ、トナーを長期間保存あるいは放置した際にもトナーの劣化がない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0013】
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の着色剤と特定の水添率を有する石油樹脂を用いることにより、上記目的が達成できることを見出して、本発明に至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、第1の発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用緑色トナーにおいて、結着樹脂は水素添加率が50%以上である水添石油樹脂とスチレン系重合体を含有し、かつ着色剤はハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)とを(Y):(B)が35:65〜60:40で混合して得られる着色剤を含有することを特徴とする緑色トナーに関する。
【0015】
また、第2の発明は、フタロシアニンブルー顔料(B)が銅フタロシアニンであることを特徴とする上記第1の発明の緑色トナーである。
【0016】
また、第3の発明は、着色剤のBET比表面積が30〜100m2/gであることを特徴とする上記第1の発明又は第2の発明の緑色トナーである。
【0017】
また、第4の発明は、着色剤のブローオフ法による帯電量の絶対値が、平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリアコア粒子に対して、10μc/g以下であることを特徴とする上記第1〜3いずれかの発明の緑色トナーである。
【0018】
また、第5の発明は、水添石油樹脂を結着樹脂全体に対して20〜80重量%含有することを特徴とする上記第1〜4いずれかの発明の緑色トナーである。
【0019】
また、第6の発明は、着色剤が、ハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)を原料としてソルベントソルトミリングで得られることを特徴とする上記第1〜5いずれかの発明の緑色トナーである。
【0020】
また、第7の発明は、トナー中に荷電制御剤または樹脂系荷電制御剤が含有されていることを特徴とする上記第1〜6いずれかの発明の緑色トナーである。
【0021】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いられるハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)については、カラーインデックス分類で、C.I.Pigment Blue 15、15:2、15:3、15:4、15:6、16が挙げられる。またこれらのうち、C.I.Pigment Blue 15、15:2、15:3、15:4、15:6は銅フタロシアニンブルー顔料であり、C.I.PigmentBlue 16は無金属フタロシアニンブルー顔料である。これらの中でも色相、コストの面から銅フタロシアニンブルー顔料であるC.I.PigmentBlue 15:3で表される顔料を用いることが好ましい。
【0022】
本発明に用いられるハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)については、カラーインデックス分類で、C.I.Pigment Yellow120,151,175,180,181,194等が挙げられるが、高い耐光性、耐熱性を有する顔料を用いることが好ましい。これらの中でも色相の面からC.I.Pigment Yellow 151、180、181で表される顔料を用いることが好ましい。
【0023】
これらの2つの顔料を上記の特定の比率で混合することによって好適な緑色の着色剤を得ることができる理由は、ハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料が強い正帯電性を有する特性を持っていること、また、ハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料が強い負帯電性を有する特性を持っていることによるものであり、これらを混合することにより、双方の顔料が静電気的に引き合うこと、更に両顔料を同一場で微細化することによる物理吸着の効果と相俟って安定した状態をつくり出すことができる。これにより色汚れ、色分かれによる画質低下等の問題もなく良好な緑色を呈する着色剤を得ることができる。また得られる緑色着色剤は、正負の極性が引き合い中和されることにより帯電的にニュートラルな状態となり、荷電制御剤等の物質を用いることにより正帯電、負帯電いずれの極性のトナーとしても好適に使用することが可能である。
特に、Pigment Blue 15:3で表される銅フタロシアニンブルー顔料及びPigment Yellow 180、194で表されるベンズイミダゾロン黄顔料とを混合して得られる着色剤は両者とも構造上親水基を有さないことから、水分の影響を受けにくく、環境安定性に優れたものとなる。
【0024】
これらの2つの顔料を混合する割合は(Y):(B)が35:65〜60:40で混合することが重要である。より好ましくは、(Y):(B)が40:60〜55:45である。
2つの顔料中の(Y)の比率が60:40よりも多くなってしまうと(60%よりも多くなってしまうと)、良好な緑色を得られないだけでなく、着色剤中に帯電的にニュートラルな状態を有する粒子と、負帯電性を有する黄色の粒子とが存在してしまい、トナーとして用いたときに良好な帯電性を得ることが困難となり、画像上のカブリ、やトナーの機内飛散等の原因となってしまう。特に正帯電性トナーとして使用することが困難である。
一方、2つの顔料中の(Y)が35:65よりも少なくなってしまうと(35%よりも少なくなってしまうと)、良好な緑色を得られないだけでなく、着色剤中に帯電的にニュートラルな状態を有する粒子と、正帯電性を有する青色の粒子とが存在してしまい、トナーとして用いたときに良好な帯電性を得ることが困難となり、画像上のカブリ、やトナーの機内飛散等の原因となってしまう。特に負帯電性トナーとして使用することが困難である。
【0025】
本発明の着色剤のBET比表面積は30〜100m2/gであることが好ましい。より好ましくは45〜80m2/gである。BET比表面積が100m2/gよりも大きくなると、着色剤の粒子が凝集しやすくなり結着樹脂中への分散が困難になってしまう。また30m2/gよりも小さくなると、トナーとして十分な着色力が得られなくなってしまう。
また30〜100m2/gのBET比表面積を有する場合に、ハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)との混合状態が帯電的にニュートラルな状態となり、安定し、分散性に優れ、発色性も良好な緑色着色剤となる。
【0026】
本発明の着色剤のBET比表面積測定は、乾燥した状態の着色剤サンプルを、気体吸着法(流動法)である、ユアサアイオニクス社製、マルチソープ12を用いて行った。キャリアガスとしては窒素−ヘリウムの混合ガスを用いた。そして脱着ピークの値からBET比表面積を算出した。
【0027】
本発明の着色剤のブローオフ法による帯電量の絶対値が、平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリアコア粒子に対して、10μc/g以下であることが必須である。更には絶対値が8μc/g以下であることが好ましい。−10μc/g〜+10μc/gの範囲の帯電量を有していれば上記に述べたように正帯電、負帯電のどちらに用いても良好な緑色トナーを得ることができる。
【0028】
本発明の着色剤の帯電量は、平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリアコア粒子と着色剤サンプルとを、全体に対して着色剤濃度0.5〜5重量%になる割合で秤量し、ボールミル等で混合した後、ブローオフ帯電量測定装置にて顔料の帯電量を算出した。具体的には下記の方法によって測定を行った。
パウダーテック社製Cu−Znフェライトキャリアコア(商品名F−100)を19.5g、乾燥後の着色剤サンプル0.5gを50ccポリ瓶に秤量し、5回振った後、ボールミル(新栄工機産業社製 PLASTIC PLANT SKS型)にて、回転数を実測値で230回転(ポリ瓶本体は120回転)の条件で30分間混合を行った。
混合後の得られた試料を東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置により帯電量測定を行った。このときブロー圧は1kgf/cm2、測定時間20秒で最大の数値を読み取り、メッシュは400メッシュを用いて行った。また測定環境は23℃50%RHの条件下で行った。
【0029】
本発明の着色剤を得る方法としては、原料であるハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)とを(Y):(B)の比が35:65〜60:40で混合することによって良好な緑色の着色剤を得ることができる。混合する装置としてはこれらの2種類の顔料を、ニーダー、加圧ニーダー、及びヘンシェルミキサーに等の高速回転する攪拌羽根等を複数具備する混合・混練ミキサーなどを用いることができる。また混合する方法としては2種類の顔料を上記装置により直接混合しても良いが、良好な着色剤を得られる点においてソルベントソルトミリングによる方法が最も好ましい。
【0030】
混合する際にソルベントソルトミリング等の方法にて水、溶剤等の溶媒を使用した場合には溶媒を除去した後に、精製し、十分に乾燥せしめた後に、粉砕を行い着色剤を得ることができる。また乾燥する前の工程で得られる水性着色剤分散体を用いることもできる。
【0031】
ソルベントソルトミリングの方法について、以下に具体的方法を示す。有機顔料と水溶性の無機塩の混合物に少量の水溶性溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、係る混練物を水中に投入するか、あるいは係る混練物中に水を投入することにより、水溶性の無機塩及び水溶性の溶剤を溶解させスラリー状とする。次にこのスラリーの濾過、水洗をくりかえして無機塩と溶剤を除去して水性着色剤分散体を得る。
【0032】
本発明においてソルベントソルトミリング処理に用いられる水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、芒硝等が挙げられる。水溶性の無機塩の使用量は、処理する2つの顔料の合計に対して重量比で1〜20倍、より好ましくは4〜8倍である。
【0033】
本発明においてソルベントソルトミリング処理に用いられる水溶性の溶剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等があげられるが、好ましくはジエチレングリコールである。
水溶性の溶剤の使用量は、処理する有機顔料に対して、重量比で2〜10倍であることが好ましい。
【0034】
ソルベントソルトミリング処理に供される原料である顔料は、合成反応後に十分水洗されたウェットな状態でも乾燥され製品化されたドライな状態でもいずれでも良い。
【0035】
本発明においては、上記のようなソルベントソルトミリング処理をおこなった水性着色剤分散体を通常通り水洗、乾燥して粉体顔料として用いても良いし、またはソルベントソルトミリング処理を行った水性着色剤分散体を後述するトナー用の結着樹脂と共に混練してトナーを得ても良いし、あるいは水性着色剤分散体を分散用の樹脂と一緒に機械的剪断力を加えて混練し、着色剤を分散用の樹脂に移行させ、水を除去して着色剤の樹脂分散体を得、該着色剤の樹脂分散体を後述するトナー用の結着樹脂と共に混練してトナーを得ても良い。
【0036】
上記3番目の方法の場合、分散用の樹脂としては、後述する結着樹脂と同様のものを用いても良いし、別系統の樹脂を用いても良い。結着樹脂と別系統の樹脂を用いる場合には、着色剤を高分散させるべく結着樹脂と相溶性が高い樹脂を用いることが好ましい。係る方法は、分散用の樹脂と着色剤との親和性を確保すべく加熱下で行うことが好ましいので、有機溶剤も併用するのであれば、溶剤が蒸発し難いようにするために加熱温度を使用する有機溶剤の沸点以下にすることが好ましい。熱によって溶剤が蒸発してしまうと顔料微粒子が凝集してしまい透明性、発色性が悪くなるからである。但し、有機溶剤回収工程を必要とせず、エネルギーコスト及び環境保全の面からは水のみを使用する方が好ましい。
【0037】
本発明の結着樹脂は、水素添加率が50%以上である水添石油樹脂とスチレン系重合体とからなるものであり、原料の水添石油樹脂としては石油樹脂に残存している不飽和結合に水素を付加させて還元して得られた樹脂であり、水添石油樹脂、スチレン系重合体のどちらとも特に制限はなく、従来公知のもの、例えば水添石油樹脂の場合は脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂、脂環脂肪族系石油樹脂、これらの石油樹脂の原料モノマーを2種以上又は該原料モノマーと他の重合性モノマーとを共重合させてなる共重合体系石油樹脂等を水添したものを、スチレン系重合体の場合はスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン系共重合体、架橋されたスチレン系重合体等を適宜選択して用いればよい。
水素添加率が50%以上である石油樹脂とスチレン系重合体とをトナー用結着樹脂として用いることにより透明性を十分に得ることができ、緑色トナーとして良好な色再現ができ、さらにスチレン系重合体を併用することにより石油樹脂の良好な透明性、低温定着性等の性能を維持し、かつトナーの保存安定性、環境安定性、製造時における粉砕性等の生産性等においても優れた結着樹脂を得ることができる。
【0038】
脂肪族系石油樹脂としては、例えばナフサ分解油のうち、沸点が−10〜100℃のC4〜C6留分に含まれる重合性成分、具体的にはC4留分:1−ブテン;2−ブテン;イソブテン;1,3−ブタジエン、C5留分:1−ペンテン;2−ペンテン;2−メチル−1−ブテン;3−メチル−1−ブテン;2−メチル−2−ブテン;1,3−ペンタジエン;シクロペンテン;シクロペンタジエン;2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、C6留分:1−ヘキセン;2−ヘキセン;3−ヘキセン;4−メチル−1−ペンテン;4−メチル−2−ペンテン;2−メチル−2−ペンテン;2−メチル−1−ペンテン;3−メチル−2−ペンテン;2−エチル−1−ブテン;2,3−ジメチル−1−ブテン;2,3−ジメチル−2−ブテン;2,2−ジメチル−1−ブテン;1,3−ヘキサジエン;1,4−ヘキサジエン;2−メチル−1,4−ペンタジエン;3−メチル−1,4−ペンタジエン;1,5−ヘキサジエン;2,4−ヘキサジエン;2−メチル−1,3−ペンタジエン;3−メチル−1,3−ペンタジエン;4−メチル−1,3−ペンタジエン;シクロヘキセン;1,3−シクロヘキサジエン;1,4−シクロヘキサジエン;1−メチルシクロペンテン;3−メチルシクロペンテン;4−メチルシクロペンテンなど、およびこれらの重合性成分を精製したモノマーの中から選ばれた少なくとも一種を重合してなる樹脂を挙げることができる。
【0039】
芳香族系石油樹脂としては、例えばナフサ分解油のうち、C8〜C10留分を主体とした芳香族ビニル系モノマー(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、イソプロペニルトルエン、インデン、アルキル置換インデン、アリルベンゼン、アリルトルエン、tert−ブチルトルエン、tert−ブチルアリルベンゼンなど)、およびこれらの成分を精製したモノマーの中から選ばれた少なくとも一種を重合してなる樹脂を挙げることができる。
【0040】
また、シクロペンタジエン系石油樹脂、脂環脂肪族系石油樹脂としては、例えばナフサ分解油のうち、沸点が−10〜50℃の留分中に含まれるジエン類やオレフィン類をディールスアルダー反応で環化二量化させてなる脂肪族環状不飽和炭化水素モノマー、およびその中の成分を精製したモノマーの中から選ばれた少なくとも一種を重合してなる樹脂を挙げることができる。
【0041】
共重合体系石油樹脂に用いられる他の重合性モノマーとしては、公知のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、オクテン、ドデセンなどの炭素数2〜20の鎖状オレフィン、ピネンなどの炭素数7〜20の環状オレフィン、リモネン、ミルセンなどの炭素数6〜20のポリエン類、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、ブチル、オクチル、フェニル、スアテリルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル;塩化ビニリデン;1,2−ジクロロエチレン;トリクロロエチレン;テトラクロロエチレン;フッ化ビニル;フッ化ビニリデン;1,2−ジフルオロエチレン;トリフルオロエチレン;テトラフルオロエチレン;臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、トリアルキルビニルシラン、トリアルコキシビニルシランなどのビニルシラン類、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのα,β−不飽和ケトン類、さらにはアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸、マレイン酸エステル、無水マレイン酸、シクロプロパンおよびその誘導体、シクロブタンおよびその誘導体、オキセタンおよびその誘導体、テトラヒドロフランおよびその誘導体、アセチレンおよびその誘導体,α,β−不飽和アルデヒド、α,β−不飽和エステル、炭素数2〜10のジチオールなどが挙げられる。これらは単独でも、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
水添石油樹脂は、石油樹脂の不飽和部に水素を付加させたものであり、通常の石油樹脂に比べ淡色が図られ透明性が改善される。上記石油樹脂に水素添加を行う方法としては、一般の還元方法としてはいずれの方法を用いても良いが、特に接触還元法が用いられる。具体的にはニッケル、パラジウム、白金等の重金属触媒を用い、150〜250℃、30〜50kg/cm2の高温高圧下で水素を直接石油樹脂に作用させ、石油樹脂の不飽和二重結合に付加させる還元方法である。
【0043】
水素添加率は、水素で置換されていない石油樹脂の不飽和結合を定量することにより求められる。具体的には、水添石油樹脂に三塩化ヨウ素や一臭化ヨウ素などのハロゲンを作用させて水添石油樹脂中の不飽和結合と反応させ、反応によって吸収されたハロゲン量を測定し、その値をヨウ素化に換算する。そして水添率0%と100%(完全水添)の検量線を用いて水添率を求めることができる。また使用される石油樹脂の軟化点(環球式:JIS K6863−1994)は90〜140℃の範囲が好ましい。
【0044】
本発明に使用される水添石油樹脂は、水素添加率が50%以上であることが必須である。水素添加率が50%以上であれば良好な緑色を呈するトナーが得られるが、一方、水素添加率が50%よりも小さいと石油樹脂は白濁し、透明性がなくなり白みがかった緑色トナーとなってしまい、良好な色再現ができなくなってしまう。
【0045】
本発明の緑色トナーの結着樹脂として、石油樹脂とともに用いることのできるスチレン系重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体、架橋されたスチレン系重合体などが挙げられる。
【0046】
上記スチレン−アクリル系共重合体に使用されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれらと共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることができる。
【0047】
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;および不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独で或いは混合して使用することができる。上記架橋剤は、結着剤樹脂に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0048】
これらスチレン系樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これらスチレン系樹脂のうち、GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)により測定される分子量分布で二山のピークを有するものであってもよい。更には2種以上の樹脂の併用としては、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などが好ましいものである。
【0049】
また、本発明においては、結着樹脂は、上記石油樹脂とスチレン系共重合体あるいはスチレン系重合体、さらに必要であれば他の樹脂を混練する、あるいは溶剤中において溶解混合するなど適宜の方法で均質化することにより製造される。この均質な組成物はトナーの製造前あるいはトナー製造時に行うことができる。本発明においては、結着樹脂は、トナー100重量部当り40〜95重量部であることが好ましい。
【0050】
スチレン系共重合体あるいはスチレン系重合体は、前記石油樹脂に対し重量比で、石油樹脂:スチレン系共重合体あるいはスチレン系重合体=2:8〜8:2の量で用いることが好ましい。石油樹脂の量が20重量%より少ない場合には、十分な透明性が得られないだけでなく、石油樹脂の定着性の寄与率が低減し、このため低温時の定着性が十分ではなく、また石油樹脂の量が80重量%を超えるとトナー粒子を製造する際に粉砕機中で融着が発生し、収量よく所望のトナー粒子を得ることができなくなる。
【0051】
本発明の緑色トナーの構成成分としては、上記本発明の着色剤、結着樹脂以外に、更に必要に応じトナーを構成する公知の材料である、荷電制御剤、離型剤、滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等が内添または外添される。
【0052】
本発明のトナーは、さらに必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤の使用により帯電量の安定した緑色トナーを得ることができる。また緑色の色相を損なわないためには白色、淡色の荷電制御剤を用いる必要がある。
【0053】
正帯電性トナーとして用いる場合には、四級アンモニウム塩化合物が好ましい。本発明において使用できる四級アンモニウム塩化合物は、第四級アンモニウム塩と有機スルホン酸、あるいはモリブデン酸とからなる造塩化合物である。有機スルホン酸としてはナフトールスルホン酸を用いることが好ましい。
【0054】
具体的な四級アンモニウム塩化合物としては、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリブチルベンジルアンモニウム−2−ヒドロキシ−8−ナフタレンスルホン酸塩、トリエチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリプロピルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリプロピルベンジルアンモニウム−2−ヒドロキシ−6−ナフタレンスルホン酸塩、トリヘキシルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、テトラオクチルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩等があげられる。
【0055】
一方、負帯電性トナーとして用いる場合には、サリチル酸誘導体金属塩化合物、サリチル酸誘導体金属錯体、フェノール系縮合物等が用いられる。
サリチル酸誘導体の金属塩化合物とサリチル酸誘導体金属錯体に用いられる金属としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、チタン、クロム、アルミニウム、ケイ素等が好ましい。
またサリチル酸誘導体としては、tert−ブチル基、tert−オクチル基を有するものが好ましく、具体的には、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−フェニルサリチル酸が特に好ましい化合物としてあげられる。
またフェノール系縮合物としてはカリックスアレン化合物が好ましい。
これらの荷電制御剤はいずれも公知の製造方法で得られるものを使用することができる。
【0056】
また荷電制御剤は粉砕機により、粉砕し、所望の粒度分布に調整することにより、より効果的に使用することができる。粉砕機の種類としてはジェットミル等の気流式衝突型粉砕機やターボミル、KTM、MVM、等の機械式衝撃式粉砕機があげられる。本発明の荷電制御剤として良好な粒度分布は体積平均粒径で0.5〜40μmであればよく、より好ましくは1〜20μmであることが良い。40μmよりも大きい粒径のものが含まれていると、結着樹脂中への荷電制御剤の分散が困難になりトナー中への荷電制御剤の分散が困難になってしまう。またトナー粒子あたりの荷電制御剤の含有量が偏ってしまいカブリの増加や機内飛散の原因にも繋がってしまう。一方、0.5μmよりも小さい粒径のものを用いると、結着樹脂中への分散は良好であるものの、荷電制御剤の比表面積が大きくなってしまいトナーに過度の帯電を付与してしまい帯電量が増大し画像濃度低下が生じてしまう場合がある。
【0057】
荷電制御剤の添加量は、通常、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜3重量部である。
【0058】
また上記荷電制御剤を用いる代わりに、樹脂系荷電制御剤を用いることもできる。正帯電用としては、一般式 −{CH2−CH(C6H5)a}−{CH2−CH(COOC4H9)}b−{CH2−C(CH3)COOC2H4N+CH3(C2H5)2}cCH3(C6H4)SO3 −(このうち四級アンモニウム塩部が3〜35重量部、スチレン・アクリル部が97〜65重量部であり、それによりa,b,cの値が決まる)で表される、四級アンモニウム塩を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマーが挙げられる。
一方、負帯電用としては、一般式 −{CH2−CH(C6H5)a}−{CH2−CHCOOCH2CH(C2H5)C4H9}b−{CH2−CHCONHC(CH3)2CH2SO3H}c−(このうちスルホン酸部が2〜20重量部、スチレン・アクリル部が98〜80重量部であり、それによりa,b,cの値が決まる)で表される、スルホン酸を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマーが挙げられる。
具体的には、アクリル酸2−エチルヘキシル・アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸・スチレン共重合物、アクリル酸ブチル・N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート・スチレン共重合物等である。
これらは本発明の水添石油樹脂とスチレン系重合体とからなる結着樹脂と共に用いたときに無色透明であることから緑色トナーに用いるのに好適である。
また樹脂系荷電制御剤は、通常、結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部、好ましくは2.0〜8重量部である。
【0059】
また本発明のトナーには、従来トナー粒子を製造する際に用いられている離型剤を加えることができる。離型剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスが挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。
【0060】
本発明の緑色トナーは、キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。本発明のトナーとともに用いることのできるキャリアとしては、従来公知のキャリアであればいずれであってもよい。使用することができるキャリアとしては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性粉体やガラスビーズ等、あるいはこれらの表面を樹脂などで処理したものが挙げられる。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂、ポリアミド樹脂、
アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など、あるいはこれらの混合物があげられる。これらのなかでは、スペントトナーの形成が少ないためフッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂が特に好ましい。
【0061】
本発明の緑色トナーの粒径は、重量平均粒径が1〜30μm、好ましくは3〜15μmであることが望ましい。特に、5μm以下の粒径を有するトナー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有するトナー粒子が1〜33個数%含有され、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が2.0重量%以下含有され、トナーの重量平均粒径が4〜10μmであるものが、現像特性のうえからはより好ましい。なお、トナーの粒度分布測定は、例えばコールターカウンターを用いて測定することができる。
【0062】
本発明の緑色トナーは、さらに必要に応じて滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等のトナーの製造にあたり使用されている公知の添加剤を内添、あるいは外添することができるが、滑剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛などが、流動性改良剤としては、乾式法あるいは湿式法で製造したシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪素アルミニウム共酸化物、珪素チタン共酸化物およびこれらを疎水性化処理したものなどが、研磨剤としては窒化珪素、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、タングステンカーバイド、炭酸カルシウムおよびこれらを疎水化処理したものなどが、導電性付与剤としては酸化スズなどがあげられる。また、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素含有重合体の微粉末は、流動性、研磨性、帯電安定性などの点から好ましいものである。
【0063】
なお、本発明においては、疎水化処理されたシリカ、疎水化処理された酸化アルミニウム、疎水化処理された珪素アルミニウム共酸化物あるいは疎水化処理された珪素チタン共酸化物微粉体を外添剤として用いることが好ましい。シリカ微粉体の疎水化処理としては、シリコーンオイルやジクロロジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザンなどのシランカップリング剤による処理等があげられる。これらはいずれも負極性であるため、負帯電性トナーとして使用するには好適であるが、正帯電性トナーとして使用する場合は、ブローオフ法により測定したときに、ノンコートフェライトキャリアコア粒子に対してプラスのトリボ電荷を有する正帯電性のシリカを用いることが好ましい。この正帯電性のシリカを得るためには、側鎖に窒素原子を少なくとも1つ有するオルガノ基を有するシリコーンオイル、あるいはアミノシラン類等の窒素含有のシランカップリング剤で処理すればよい。
疎水化処理されたシリカ微粉体の使用量は、現像剤重量あたり、0.01〜20%、好ましくは0.03〜5%である。
【0064】
本発明に係る緑色トナーは、従来から公知のトナーの製造方法を用いて製造することができる。一般的には、上述したようなトナー構成材料を、ボールミル、ヘンシェルミキサーなどの混合機により充分混合したのち、熱ロールニーダー、一軸あるいは二軸のエクストルーダーなどの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化させた後、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて機械的に粗粉砕し、次いでジェットミル等の気流式衝突型粉砕機やターボミル、KTM、MVM、等の機械式衝撃式粉砕機により中粉砕、微粉砕した後、分級する方法が好ましい。さらに分級した後、外添剤をヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分に混合した後、篩い工程を経て用いることが好ましい。
【0065】
しかし、トナーの製造法はこの方法に限られるものではなく、結着樹脂溶液中に他のトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、所謂マイクロカプセル法によりトナーを製造する方法、結着樹脂を形成する単量体に所定材料を混合し、乳化あるいは懸濁重合を行いトナーを得る重合法トナー製造法など他の方法も任意に採用することができる。
【0066】
本発明における有機顔料等と結着樹脂との溶融混練温度は、100〜140℃が好ましく、更に好ましくは110〜130℃である。上記の範囲で混練することによって、トナーの着色性等が向上する。
【0067】
本発明の静電荷像現像用トナーは、従来公知の電子写真、静電記録あるいは静電印刷法などを利用して乾式トナー画像を形成するいずれの方法あるいは装置に対しても好ましい現像用トナーとして使用することができる。
【0068】
なお、本発明においては、結着樹脂成分などの分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
【0069】
(GPC測定条件)
装置 :日本分光(株)製800シリーズ
検出器:RI
カラム:東ソー[MN,GMH6(7.5mmI.D×600mm)×2,G2000H8(7.5mmI.D×600mm)]
温度 :室温
溶媒 :THF
注入量:400μL
流量 :1.4ml
その他:THF室温溶解で濃度は20mg/10mlに調整
【0070】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0071】
着色剤製造例1
C.I.Pigment Yellow 180 74g
C.I.Pigment Blue 15:3 126g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を3Lステンレス製ニーダーに仕込み、95℃の温度で4時間混練した。次にこの混合物を温水に投入し、約80℃まで加熱攪拌した。約1時間加熱してスラリー状とした後、ろ過、水洗、乾燥を行い、ジェットミルにて粉砕を行い緑色着色剤Aを得た。このとき緑色着色剤Aの比表面積は68m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。またブローオフ帯電量測定装置によって測定された帯電量は+4.2μc/gであった。
【0072】
着色剤製造例2
C.I.Pigment Yellow 180 109g
C.I.Pigment Blue 15:3 91g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Bを得た。このとき緑色着色剤Bの比表面積は61m2/gで一次粒子径は70nm程度であった。また帯電量は−5.2μc/gであった。
【0073】
着色剤製造例3
C.I.Pigment Yellow 151 74g
C.I.Pigment Blue 15:3 126g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Bを得た。このとき緑色着色剤Bの比表面積は64m2/gで一次粒子径は70nm程度であった。また帯電量は+7.5μc/gであった。
【0074】
着色剤製造例4
C.I.Pigment Yellow 180 64g
C.I.Pigment Blue 15:3 136g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Cを得た。このとき緑色着色剤Cの比表面積は70m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。また帯電量は+11.1μc/gであった。
【0075】
着色剤製造例5
C.I.Pigment Yellow 180 126g
C.I.Pigment Blue 15:3 74g
塩化ナトリウム 1200g
ジエチレングリコール 200g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Dを得た。このとき緑色着色剤Dの比表面積は66m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。また帯電量は−10.8μc/gであった。
【0076】
着色剤製造例6
C.I.Pigment Green 7 500g
塩化ナトリウム 1000g
ジエチレングリコール 300g
を用いること以外は製造例1と同様にして、緑色着色剤Eを得た。このとき緑色着色剤Eの比表面積は55m2/gで一次粒子径は60nm程度であった。また帯電量は−14.6μc/gであった。
【0077】
【表1】
【0078】
樹脂製造例1(樹脂Aの合成および樹脂組成物Bの製造)
温度計、攪拌機を備えたフラスコにナフサのスチームクラッキングで副生する初留140℃〜終留220℃の留分(重合可能成分:スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、イソプロペニルトルエン、インデン等)200重量部を仕込み、三フッ化硼素−フェノール錯体1重量部、フェノール7重量部を加えて70℃で3時間重合した。得られた反応混合溶液に2重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて触媒を除去後、水洗を行った。次に反応混合溶液を中性になるまで水洗した後、有機層を蒸留し、未反応物および低重合物を除去することにより、石油樹脂A(Tg:43℃、Mw=1,450、Mn=730)を得た。
【0079】(水添処理)
窒素で置換した攪拌機付きの300ミリリットルオートクレーブ内にシクロヘキサン75g,製造例1で得られた石油樹脂A75g,0.5重量%のパラジウム担持シリカ・アルミナ触媒4.0gを仕込み、水素圧力4MPa,温度150℃で2時間水素添加反応を行った。反応物を冷却後取り出し、ろ過して触媒を除去したのち、蒸留により溶剤を除去して、水添石油樹脂A−1を得た。この水添樹脂A−1の水添率は74%であった。
【0080】
次に水添石油樹脂A−1、6.0Kgと市販のポリスチレン樹脂(Tg:102.0℃、Mw=340,195、Mn=111,082、極大値の位置280,000)4.0Kg、140℃の溶融粘度が10mPa/s(cp)(熱分析装置TGAで測定したときの200℃での重量減分は0%)のサゾールワックス0.4Kgをヘンシェルミキサーを用い混合した後、スクリュー径30mmの二軸押出機を用い、均一な樹脂組成物Bを得た。
【0081】
樹脂製造例2(樹脂組成物Cの製造)
石油樹脂Aを用いて、水添処理の処理時間を1時間にする以外は製造例1と同様にして水添石油樹脂A−2を得た。この水添樹脂A−2の水添率は52%であった。次に水添石油樹脂A−2、6.0Kgと市販のポリスチレン樹脂(Tg:102.0℃、Mw=340,195、Mn=111,082、極大値の位置280,000)4.0Kg、140℃の溶融粘度が10mPa/s(cp)(熱分析装置TGAで測定したときの200℃での重量減分は0%)のサゾールワックス0.4Kgをヘンシェルミキサーを用い混合した後、スクリュー径30mmの二軸押出機を用い、均一な樹脂組成物Cを得た。
【0082】
樹脂製造例3(樹脂組成物Dの製造)
石油樹脂Aを用いて、水添処理の処理時間を30分にする以外は製造例1と同様にして水添石油樹脂A−3を得た。この水添樹脂A−3の水添率は47%であった。次に水添石油樹脂A−3、6.0Kgと市販のポリスチレン樹脂(Tg:102.0℃、Mw=340,195、Mn=111,082、極大値の位置280,000)4.0Kg、140℃の溶融粘度が10mPa/s(cp)(熱分析装置TGAで測定したときの200℃での重量減分は0%)のサゾールワックス0.4Kgをヘンシェルミキサーを用い混合した後、スクリュー径30mmの二軸押出機を用い、均一な樹脂組成物Dを得た。
【0083】
実施例1
樹脂組成物B 93重量部
緑色着色剤A 5重量部
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物 2重量部
(平均粒径8μm)
上記材料をヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸加熱混練機に投入し混練、押し出されてきたものを室温で冷却し、ハンマーミルで粗粉砕してチップを得た。次いで、これをジェットミル粉砕機で微粉砕し、分級機に導き、10.5μmに平均粒度を有する部分をトナー用微粉末として取り出した。次いで、このトナー用微粉末100重量部に対し、疎水性シリカ微粉体0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性緑色トナーを得た。得られたトナー6部と平均粒径60μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作製した。次にこのトナーと現像剤を用いて、市販の複写機CLC−800(キヤノン社製)により通常環境(23℃、50%RH)にて実写試験を行なった。得られたトナーおよび現像剤を用いたところ、鮮明な緑色画像が得られ、5万枚実写後でもカブリは少なく、画像濃度も安定しており、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。初期および5万枚複写時の画像濃度は各々1.39および1.41であり、また初期および5万枚複写時のカブリは各々0.6および0.4であった。また高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(7℃、20%RH)の環境下においても1万枚の実写試験を行ったが通常環境と同様に良好な画像が得られた。
【0084】
なお、画像濃度はマクベス光度計を用いて行い、1.35以上の濃度であればよい。なお、カブリはフォトボルトにて、反射率を測定することにより行った。1.2%以下が良好な値である。 また、トナーの機内飛散は、複写機の転写チャージャー上に飛散トナーが存在するか否かを確認することにより行った。転写チャージャー上にトナー飛散がみられる場合、これに伴い画像汚れが発生する。
【0085】
実施例2〜4、比較例1〜4
実施例1に用いた緑色着色剤A及び樹脂組成物Bを用いる代わりに、表1に記載の緑色着色剤及び樹脂組成物を用いることを除き、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
実施例5
製造例1で得られた固形分40%の緑色着色剤Aの分散体の高濃度チップを作製した。すなわち緑色着色剤Aの分散体(固形分40%)のウェットケーキ71.4部と樹脂組成物B28.6部を、ニーダー中にて加熱しながら混合し、緑色着色剤Aを樹脂に移行させ樹脂中に均一に分散させた。更に加熱型2本ロールにて練り、着色剤分50.0重量%の緑色着色剤Aの高濃度チップを作製した。次いで、このチップと樹脂組成物Bとを、組成物中の緑色着色剤Aの濃度が5重量%となるような量で混合し、実施例1と同様の工程を経て緑色現像剤を調製した。この現像剤について実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1同様の良好な結果が得られた。結果を表2に示す。
【0088】
実施例6
樹脂組成物B 91重量部
緑色着色剤A 5重量部
四級アンモニウム塩化合物 (平均粒径7μm) 3重量部
(第四級アンモニウム塩とナフトールスルホン酸との造塩化合物)
低分子量ポリエチレン 1重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸加熱混練機に投入し混練、押し出されてきたものを室温で冷却し、ハンマーミルで粗粉砕してチップを得た。次いで、これをジェットミル粉砕機で微粉砕し、分級機に導き、10.0μmに平均粒度を有する部分をトナー用微粉末として取り出した。次いで、このトナー用微粉末100重量部に対し、正帯電性疎水性シリカ微粉体0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して正帯電性非磁性トナーを得た。得られたトナー4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作製した。次にこのトナーと現像剤を用いて、市販の複写機SF−2027(シャープ社製)により通常環境(23℃、50%RH)にて実写試験を行なった。得られたトナーおよび現像剤を用いたところ、5万枚実写後でもカブリは少なく、画像濃度も安定しており、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。初期および5万枚複写時の画像濃度は各々1.39および1.38であり、また初期および5万枚複写時のカブリは各々0.5および0.5であった。
【0089】
実施例7
樹脂組成物B 90重量部
緑色着色剤A 5重量部
アクリル酸ブチル・N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート・スチレン共重合物4重量部
低分子量ポリエチレン 1重量部
を用いること以外は実施例5と同様に正帯電性非磁性トナーを得た。得られたトナー4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作製した。次にこのトナーと現像剤を用いて、市販の複写機SF−2027(シャープ社製)により通常環境(23℃、50%RH)にて実写試験を行なった。得られたトナーおよび現像剤を用いたところ、5万枚実写後でもカブリは少なく、画像濃度も安定しており、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。初期および5万枚複写時の画像濃度は各々1.38および1.39であり、また初期および5万枚複写時のカブリは各々0.6および0.7であった。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の緑色着色剤及び結着樹脂を用いることにより、帯電安定性、環境安定性、着色性、鮮明性、透明性に加えて耐光性に優れた緑色トナーを得ることができ、更にハロゲンを含有しないことにより、安全衛生面や環境汚染問題をも考慮した緑色トナーを得ることができる。
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用緑色トナーにおいて、結着樹脂は水素添加率が50%以上である水添石油樹脂とスチレン系重合体を含有し、かつ着色剤はハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)とを(Y):(B)が35:65〜60:40で混合して得られる着色剤を含有することを特徴とする緑色トナー。
- フタロシアニンブルー顔料(B)が銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項1記載の緑色トナー。
- 着色剤のBET比表面積が30〜100m2/gであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の緑色トナー。
- 着色剤のブローオフ法による帯電量の絶対値が、平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリアコア粒子に対して、10μc/g以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の緑色トナー。
- 水添石油樹脂を結着樹脂全体に対して20〜80重量%含有することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のトナー。
- 着色剤が、ハロゲンを含有しないフタロシアニンブルー顔料(B)とハロゲンを含有しないベンズイミダゾロン黄顔料(Y)を原料としてソルベントソルトミリングで得られることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の緑色トナー。
- トナー中に荷電制御剤または樹脂系荷電制御剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の緑色トナー。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003023284A JP2004233729A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 静電荷像現像用緑色トナー |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010169842A (ja) * | 2009-01-22 | 2010-08-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用グリーントナー、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像用現像剤セットおよび画像形成装置 |
US8722292B2 (en) | 2007-07-03 | 2014-05-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Electrostatic image developing toner, invisible information toner, electrostatic image developer, process cartridge and image formation apparatus |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003023284A patent/JP2004233729A/ja active Pending
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