JPH1152136A - 導光部材、これを備えた導光ユニット、および画像読み取り装置 - Google Patents

導光部材、これを備えた導光ユニット、および画像読み取り装置

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JPH1152136A
JPH1152136A JP9206341A JP20634197A JPH1152136A JP H1152136 A JPH1152136 A JP H1152136A JP 9206341 A JP9206341 A JP 9206341A JP 20634197 A JP20634197 A JP 20634197A JP H1152136 A JPH1152136 A JP H1152136A
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Norihiro Imamura
典広 今村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源から発せられた光を効率良く原稿に導く
ようにする。 【解決手段】 導光部材3の長手方向に延びる少なくと
も1つの側面またはこの側面の一部の領域を楕円曲面と
し、好ましくはこの楕円曲面に反射部材7,8を密着さ
せて導光ユニット6として樹脂製などのケース10内に
組み込んで画像読み取り装置1を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、光源から画像読
み取り対象物に照射されて反射された光を集束し、この
光を受光素子によって受光させるタイプの画像読み取り
装置、これに用いられる導光部材、およびこれを備えた
導光ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像読み取り装置1の一例を図2
2に示す。この画像読み取り装置1は、いわゆる密着型
のイメージセンサとして構成されたものであり、樹脂な
どによって形成されたケース10の底部には、基板2が
取り付けられている。この基板2には、画像読み取り幅
に対応した長さ範囲に複数個のイメージセンサチップ2
0、およびLEDチップなどにより構成された光源21
が実装されている。また、上記ケース10の上部開口1
1には、ガラス製などの透明カバー5が嵌め込まれてい
る。この透明カバー5に設定された読み取りラインLと
上記光源21との間の内部空間13には、光源21から
発せられた光を効率良く上記読み取りラインLに導くた
めの導光部材3が配置されている。また、上記透明カバ
ー5に設定された読み取りラインLと上記イメージセン
サチップ20との間には、上記読み取りラインLに沿う
明暗画像を正立等倍にイメージセンサチップ20上に集
束させるためのレンズアレイ4が配置されている。
【0003】すなわち、上記画像読み取り装置1におい
ては、光源21から発せられた光が導光部材3を介して
上記読み取りラインLに達して原稿Dが照明され、この
原稿Dからの反射光がレンズアレイ4を介してイメージ
センサチップ20に受光されるように構成されている。
上記導光部材3においては、光源21から発せられた光
が光入射面30から上記導光部材3内に入射され、この
光が上記導光部材3と外部との境界面32において反射
しつつ上記導光部材3内を進行して光出射面31に達
し、この光が光出射面31から出射されて原稿Dを照明
するようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の画像読み取り装置1においては、上記ケース10の
内部空間13に上記導光部材3を配置することによっ
て、上記導光部材3を配置しない場合と比較すれば光源
21からの光が効率良く原稿Dを照明することができる
が、上記導光部材3に導かれた光の一部は、上記境界面
32において反射せずに境界面32から上記導光部材3
の外部に洩れてしまう。すなわち、上記境界面32に全
反射臨界角よりも小さい角度で入射した光は、上記境界
面32を通過して上記導光部材3の外部に洩れてしま
う。このような光の大部分は、上記ケース10の内壁に
吸収されてしまうために、上記構成の画像読み取り装置
1においては、上記境界面32から洩れる光を有効に利
用することができない。
【0005】ところで、画像読み取り装置1を製造する
場合には、製造コストの低廉化といった観点から上記基
板2に実装される光源21の個数は少ない方が好まし
く、また、上記画像読み取り装置1を低電圧駆動させる
ためにも上記光源21の個数は少ない方が好ましい。こ
の場合に問題となるのは、光源21の数を低減させるこ
とにともなう光源全体から発せられる光量の低下をいか
にして補うかである。ところが、上述した構成の画像読
み取り装置1においては、導光部材3を採用することに
よって光源21から発せられた光の有効利用がある程度
は図られているものの、上記導光部材3と外部との間の
境界面32から上記導光部材3内に導かれた光の一部が
洩れてしまうのは上述の通りであり、光源21の数を低
減させて画像読み取り装置1を所望通りに駆動させて原
稿画像の読み取りを行なうことが困難である。
【0006】本願発明は、上記した事情のもとで考え出
されたものであって、光源から発せられた光を効率良く
原稿に導くようにすることをその課題とする。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】すなわち、本願発明の第1の側面により提
供される導光部材は、画像読み取り装置内に組み込まれ
るとともに、長手状に形成され、かつ長手方向に延びる
複数の側面を有し、これらの側面としては、厚み方向に
対向する第1側面と第2側面、および幅方向に対向する
第3側面と第4側面とがある導光部材であって、上記第
3側面および第4側面のうちの少なくとも一方の側面の
全部または一部は、楕円曲面とされており、上記第1側
面は上記第2側面方向から進行してきた光を外部に出射
させる光出射面とされていることを特徴としている。
【0009】好ましい実施の形態においては、上記第1
側面は、上記楕円曲面の焦点またはその近傍を通過する
平坦面とされている。
【0010】好ましい実施の形態においてはさらに、上
記第1側面、第3側面、および第4側面は、鏡面状とさ
れている。
【0011】ところで、楕円曲面の1の焦点を通過する
光が楕円曲面において全反射をした場合には、反射した
光は、もう一方の焦点を通過することとなる。すなわ
ち、上記構成の導光部材は、上記第1側面が楕円曲面の
1の焦点またはその近傍を通過する平坦面とされている
とともに、好ましくは上記第1側面、第3側面、および
第4側面が鏡面状とされるので、たとえば他の焦点また
はその近傍に光源を配置することによって、この光源か
ら発せられた光を楕円曲面で全反射させて上記第1側面
の所定部位に集めることができる。また、他の焦点また
はその近傍を乱反射部位とすれば、この部位で乱反射し
て上記導光部材の厚み方向に進行し、鏡面状とされた上
記各側面において全反射した光も、1の焦点を通過する
こととなって上記第1側面の所定部位に光を集めること
ができる。したがって、上記導光部材を組み込んだ画像
読み取り装置においては、上記第1側面の所定部位の近
傍に画像読み取り部を設定すれば、光源から発せられて
上記導光部材に入射された光は、上記画像読み取り部に
容易に集めることができる。このため、上記構成の導光
部材を組み込んだ画像読み取り装置は、導光部材に入射
された光を効率良く利用することができる。
【0012】なお、上記導光部材の厚み方向および幅方
向は、上記導光部材を画像読み取り装置に組み込んだ場
合の画像読み取り装置の厚み方向および幅方向に対応し
ている。
【0013】好ましい実施の形態においてはさらに、上
記第2側面の少なくとも一部は、受けた光の乱反射を行
なう乱反射領域とされており、入射された光が上記各側
面による反射を繰り返しながら長手方向に進行しつつ、
上記第1側面の各所から光が出射されるように構成され
ている。
【0014】上記構成によれば、点状の光源を発光さ
せ、この光源から発せられた光を上記導光部材内に入射
すれば、上記導光部材内に入射された光が上記第1側面
の各所から出射される。すなわち、複数の光源を列状に
並べて発光させるといった手段を採用することなく、光
源の数を少数とした場合であっても、上記第1側面の各
所から光を出射することができる。したがって、上記構
成の導光部材を採用した画像読み取り装置は、光源数の
少数とすることによって製造コストを低減させることが
でき、光源数が少数とされた導光部材を組み込んだ画像
読み取り装置は、低電圧駆動が可能となる。
【0015】本願発明の第2の側面により提供される導
光ユニットは、上述した第1の側面に記載された導光部
材の光入射部と第1側面とを除く領域の全部または一部
に光反射部材が密着させられていることを特徴としてい
る。
【0016】ところで、光源がら発せられて上記導光部
材に入射された光は、上記導光部材と外部との境界面、
すなわち上記各側面で反射しつつ進行して上記第1側面
から出射されるのであるが、上記導光部材内を進行する
光の一部は上記境界面において反射せずに上記導光部材
の外部に漏れてしまうの上述の通りである。上記構成に
おいては、上記導光部材の外部との境界面の少なくとも
一部に反射部材が密着させられているため、かりに上記
導光部材内を進行する光が上記導光部材の外部に漏れて
しまったとしても、上記反射部材が密着させられた境界
面から洩れた光は、上記反射部材によって反射されて上
記導光部材内に戻され、再び上記導光部材内を進行する
こととなる。この結果、一旦上記導光部材の外部に洩れ
た光であっても、上記反射部材によって上記導光部材内
の戻された光は、上記第1側面から出射されることとな
る。すなわち、上記構成の導光ユニットを備えた画像読
み取り装置においては、光源から発せられた光を効率良
く上記第1側面から出射させて原稿を照明することがで
きる。したがって、上記構成の導光ユニットを備えた画
像読み取り装置においても、1の光源から発せられる光
を効率良く原稿の読み取りラインに導くことができるた
めに、光源数を低減させて所望の画像読み取りが可能と
なり、ひいては、製造コストの低廉化および画像読み取
り装置の低電圧駆動が実現可能となる。
【0017】もちろん、上記反射部材は、上記境界面の
全面に密着させてもよいし、境界面光が洩れやすい部位
に重点的に密着させてもよいのはいうまでなく、境界面
のどの部位に密着させるかは適宜設計すればよい。ま
た、上記反射部材としては、光反射率に優れる白色樹脂
によって形成されたもの、あるいはたとえば紙製などの
白色シートを透明樹脂でコーティングしたものなどが採
用される。
【0018】本願発明の第3の側面により提供される画
像読み取り装置は、光源と、この光源から発せられた光
を画像読み取り対象物に導くための導光ユニットと、こ
の導光ユニットからの光によって照明された上記対象物
から反射してきた光を集束する光集束部材と、この光集
束部材によって集束された光を受光するように所定の画
像読み取りライン方向に列状に並べられた複数の受光素
子とを備え、上記光集束部材と上記各受光素子とを結ぶ
直線上に画像読取部が設定される画像読み取り装置であ
って、上記導光ユニットとして、上述した第2側面に記
載された導光ユニットが用いられていることを特徴とし
ている。
【0019】好ましい実施の形態においては、上記導光
部材の楕円曲面の1つの焦点またはその近傍位置に上記
光源が配置されており、かつ他の焦点またはその近傍位
置に上記画像読取部が設定されている。
【0020】上記構成によれば、上述した第2の側面に
記載された導光ユニットを備えているので、この導光ユ
ニットの効果を享受することができる。すなわち、上記
導光部材から洩れた光であっても、再び上記導光部材内
を進行させて上記第1側面(光出射面)から良好に光を
出射させることができる。また、上記構成の画像読み取
り装置においては、上記導光部材の楕円曲線の1の焦点
またはその近傍に光源が配置されるとともに、他の焦点
またはその近傍に画像読取部が設定されているので、上
述のように光源から出射されて上記楕円曲面において全
反射した光が上記画像読取部に有効に導かれるようにな
されている。
【0021】本願発明の第4の側面により提供される画
像読み取り装置は、ケースと、このケースに組み込まれ
る光源と、を備えた画像読み取り装置であって、上記ケ
ースの内部には、長手方向に延びる空間が形成されてお
り、この空間の長手方向の外輪を規定している面の少な
くとも一部が光反射面とされており、この光反射面の全
部または一部が楕円曲面とされていることを特徴として
いる。
【0022】好ましい実施の形態においては、上記空間
の外輪の一部を規定している楕円曲面の1つの焦点また
はその近傍位置に上記光源が配置されており、かつ他の
焦点またはその近傍位置に画像読取部が設定されてい
る。
【0023】上記構成においても、1の焦点を通過して
楕円曲面において全反射した光は、他の焦点を通過する
こととなる。このため、上記1の焦点またはその近傍に
光源を配置すれば、上記導光部材の厚み方向に進行する
光を所定の部位に集めることができる。したがって、所
定の部位、すなわち上記楕円曲面の焦点またはその近傍
に画像読取部を設定することによって、上記画像読取部
に位置する読み取り対象物を有効に照明することができ
る。また、上記空間を規定している面の少なくとも一部
が光反射面とされているので、この面に入射した光は、
ロスなく反射されて上記画像読取部に導かれることとな
る。
【0024】なお、上記光反射面は、たとえば上記ケー
スの所定部位に反射シートを密着させたり、あるいは白
色樹脂によって形成された反射部材を上記ケース内に収
容配置することによって形成することができる。
【0025】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】図1は、本願発明に係る導光ユニットの一
例を分解斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿う
断面図であり、図3は、図1のIII −III 線に沿う断面
図である。なお、従来の画像読み取り装置を説明するた
めに参照した図面に描かれている部材および要素と同一
のものについては、同一の符号を付してある。
【0028】図1および図2に示すように、上記導光ユ
ニット6は、導光部材3と、この導光部材3の表面に密
着される第1反射部材7および第2反射部材8と、を備
えて構成されている。
【0029】上記導光部材3は、たとえばPMMAなど
のアクリル系透明樹脂を成形することによって全体とし
て細長バー状とされており、その長手方向に延びる複数
の面を有するように形成されている。これらの複数の面
としては、厚み方向(図2の上下方向)に対向する第1
側面3aおよび第2側面3bと、幅方向(図2に左右方
向)に対向する第3側面3cおよび第4側面3dとがあ
る。上記第1側面から第3側面3a〜3cは、鏡面状と
されている。図2および図3に良く表れているように上
記第4側面3dの適部には、光入射部3Aとしての複数
の凹部が形成されている。後述するように、上記導光部
材3を画像読み取り装置内に組み込んだ場合には、基板
2に実装された光源21が上記凹部に収容される恰好と
され、上記光源21から発せられた光が上記光入射部3
Aに出射されて第1側面3a、すなわち光出射面に向か
って上記導光部材3内を進行し、上記第1側面(光出射
面)3aの全体から光が出射されるようになされてい
る。また、上記第3側面および第4側面3c,3dは、
楕円曲面とされており、上記第1側面3aは上記楕円曲
面の1つの焦点を通過する平坦面とされているととも
に、上記光入射部3Aが上記楕円曲面の他の焦点F2
近傍に形成されている。
【0030】なお、鏡面状とは、必ずしも表面が積極的
に研磨加工されている場合ばかりでなく、たとえば上記
導光部材3を金型成形によって形成する場合に得られる
比較的滑らかな面も、ここでいう鏡面状の面に含まれ
る。透明部材の表面を鏡面状とすれば、この面に対して
この透明部材の材質によって特定される全反射臨界角よ
り小さい角度で入射する光を全反射させることができる
とともに、上記全反射臨界角よりも小さい角度で入射す
る光については、その面を通過させることができる。
【0031】図1および図2に示すように、上記第1反
射部材7は、光の反射率に優れる白色樹脂を、たとえば
金型成形することによって全体として細長バー状に形成
されており、上記導光部材3の第3側面3cに密着させ
られるとともに、この第3側面3cに対応して凹入した
楕円曲面(密着面7c)が形成されている。
【0032】図1および図2に示すように、上記第2反
射部材8は、上記第1反射部材7と同じく光の反射率に
優れる白色樹脂を、たとえば金型成形することによって
全体として細長バー状に形成されており、上記導光部材
3の第4側面3dに密着させられるとともに、この第4
側面3dに対応して凹入した楕円曲面(密着面8d)が
形成されている。
【0033】上記各部材3,7,8は、たとえば図2に
仮想線で示したように、上記第1および第2反射部材
7,8のそれぞれの密着面7c,8dに形成された挿入
ピン71,81を上記導光部材3の第3および第4側面
3c,3dにそれぞれ形成されたピンホール30A,3
0Bに挿入嵌合することによって一体化させられる。な
お、上記各部材3,7,8を一体化させる手段は、上記
した手段には限定されず、適宜設計変更可能であるが、
上記各部材3,7,8を金型成形によって形成する場合
には、成形時に各挿入ピン71,81またはピンホール
30A,30B容易に形成することができる。
【0034】もちろん、上記導光部材3は、上述した実
施形態のものには限定されない。たとえば、上記導光部
材3としては、図4に示された構成のものを採用するこ
とができる。図4には略右半分の正面図が描かれている
が、上記導光部材3は、たとえばPMMAなどのアクリ
ル系透明樹脂を成形することによって左右対称の細長バ
ー状とされている。上記導光部材3の第1側面3aの長
手方向中央部は、正面視略V字状に凹入させられて2つ
の傾斜面32,32が形成されている。このように構成
された導光部材3においても、第1側面から第3側面3
a〜3cは鏡面状とされており、また、第4側面3dは
乱反射面とされている。すなわち、上記した略V字状凹
入部の下方位置に光源21が配置され、この光源21か
ら発せられた光が導光部材3内に入射された場合には、
図4に良く表れているように、入射された光が上記各側
面3a〜3dにおいて反射しつつ導光部材3の長手方向
に進行し、上記第1側面3aに全反射臨界角よりも小さ
な角度で入射した光が上記第1側面3aの各所から出射
されるように構成されている。また、上記導光部材3の
第3側面3cを含む1または複数の側面には、上記した
ような反射部材7,8が密着させられてユニット化され
る。これらの各部材をユニット化する手段は、上述した
ように適宜設計すればよい。図5に示すように、このよ
うな導光ユニット6においては、上記第1側面3aの中
央部から集中的に光が出射されないように、好ましく
は、上記導光部材3に密着させられる反射部材7に形成
された遮光板70,70(図6参照)が上記した略V字
状凹入部を覆うようにして配置される。なお、この遮光
板70,70に代えて、図5に仮想線で示したように、
反射シート7Aなどを密着させたり、金属を蒸着しても
よい。反射部材7,8が密着させられ導光部材3におい
ては、光源21の数を少数としたとしても、所定の光量
の光を上記第1側面3aから出射させることができる。
なお、導光部材3を所定のケース内に組み込んだ場合に
は、上記第1側面3aに画像読取部が設定されることが
あるが、上記構成の導光部材3においては、第1側面3
aの中央部が略V字状に凹入していて平坦面ではないた
め、上記第1側面3a上に画像読取部を設定することが
できないので、この場合には、たとえば上記ケースの上
部開口に透明カバーを嵌め込み、この透明カバー上に画
像読取部Lが設定される。もちろん、この画像読取部L
は、上記楕円曲面の焦点またはその近傍に設定される。
【0035】また、上記光源21を上記導光部材3の長
手方向の端部に配置して、上記導光部材3の端部面3e
から光を入射するように構成してもよい。もちろん、こ
の場合には、上記第2側面3bは、乱反射面とされる。
【0036】なお、上記第2側面3bを乱反射面とする
方法としては、図7ないし図11に示したようなた方法
が考えられる。すなわち、図7に示した乱反射面は、上
記第2側面3bの幅方向に延びる複数の凸部30によっ
て形成されているが、凸部30aとせずに凹部としても
乱反射面を形成することができるのはいうまでもない。
図8に示した乱反射面は、第2側面3bの所定の領域が
幅方向に延びるスリットによってノコギリ状とされて形
成されている。このノコギリ状領域30bは、上記第2
側面3bの全領域としてもよいのはいうまでもない。図
9に示した乱反射面は、第2側面3bの所定の領域に金
属を蒸着することにより形成されているが、シート状と
された乱反射シート30cを密着させることによっても
同様に乱反射面とすることができる。なお、図10に示
したように、上記第2側面3bの略全領域に蒸着層30
cを形成し、あるいは乱反射シート30cを略全領域に
密着させてもよい。また、図11に示すように、上記第
2側面3bの略全領域に所定の乱反射部材7Bを密着さ
せて乱反射面としてもよい。
【0037】また、上記導光ユニット6としては、図1
2または図13に示した構成のものであってもよい。図
12に示した導光ユニット6は、図1ないし図3を参照
して説明した導光ユニット6の導光部材3と同様な導光
部材3を備えており、上記第3側面および第4側面3
c,3dには、反射部材7,8ではなく、反射シート7
0B,80Bが密着させられている。これらの反射シー
ト70B,80Bとしては、たとえば紙製などの白色シ
ート材の表面を透明樹脂などによってコーティングする
ことによって形成されたもの、あるいはポリエチレンテ
レフタレート樹脂(PET)などを基材とする銀色の鏡
面反射フィルムなどが用いられる。また、図13に示し
た導光ユニット6は、上記第4側面3dが楕円曲面(第
3側面3c)の長軸Jよりも内方側に凹入した導光部材
3を備え、上記楕円曲面(第3側面3c)に反射シート
70Bが密着させられている。このように構成された導
光ユニット6においては、上記光源21から発せられて
長軸Jに沿って直進する光が楕円曲線の焦点F1 または
その近傍を通過することが回避されている。すなわち、
上記導光ユニット6を組み込んで上記焦点F1 またはそ
の近傍に画像読取部を設定した場合に、上記第3側面3
bにおいて反射しない上記光源21からの直接光が上記
第1側面3aから出射されることによって、直接光が出
射される部位と反射光が出射される部位との間で出射さ
れる光量に差が生じてしまうことが回避されている。
【0038】次いで、図14ないし図16を参照しつつ
上述した導光ユニットが組み込まれた画像読み取り装置
1について説明する。
【0039】図14は、本願発明に係る画像読み取り装
置の一例を表す分解斜視図であり、図15は、上記画像
読み取り装置の分解断面図であり、図16は、上記画像
読み取り装置の組み立て断面図である。なお、本実施形
態においては、いわゆる密着型イメージセンサとして構
成された画像読み取り装置1について説明する。すなわ
ち、上記画像読み取り装置1は、画像読み取りラインL
上をプラテンローラ9によってバックアップされながら
読み取り原稿Dが搬送されるように構成されている。
【0040】図14ないし図16に示すように、上記画
像読み取り装置1は、樹脂などによって形成されたケー
ス10を有し、この底部には基板2が取り付けられてい
る。この基板2には、幅方向の一側端部よりの部位に列
状に複数個の光源21が実装されているとともに、他端
部よりの部位に画像の読み取り幅に対応した長さ範囲に
複数個のイメージセンサチップ20が列状に実装されて
いる。たとえば、原稿Dの画像を白黒に読み取る場合に
は、上記光源21としては白色光を発するLEDチップ
などが採用される。上記イメージセンサチップ20は、
所定数の受光素子が組み込まれており、たとえばA4幅
の原稿を8ドット/mmの読み取り密度で読み取る場合
には、上記受光素子は、125μmピッチで1728個
配置される。1つのイメージセンサチップ20には、た
とえば96個の受光素子が一体に組み込まれ、したがっ
て、この場合には、合計18個のイメージセンサチップ
20が基板2上に配列されることとなる。
【0041】図16に示すように、上記ケース10の内
部空間には、導光ユニット6が収容配置されている。こ
の導光ユニット6は、上述したように、アクリル系透明
樹脂を金型成形するなどして形成された導光部材3と、
この導光部材3の第3側面および第4側面3c,3dの
それぞれに密着させられるとともに白色樹脂によって形
成された第1反射部材および第2反射部材7,8とを備
えて構成されている。上記導光部材3は、長手方向に延
びる第1側面から第4側面3a〜3dを有しており、上
記第3側面および第4側面3c,3dは、楕円曲面とさ
れているとともに、上記第1側面3aは、上記楕円曲面
の1の焦点F1 を通過する平坦面とされており、この平
坦面上をプラテンローラ9によってバックアップされな
がら読み取り原稿Dが搬送される。すなわち、上記画像
読み取り装置1においては、図1ないし図3を参照して
説明した導光ユニット6が採用されている。上記導光部
材3の第1側面3a、すなわち光出射面上の上記焦点F
1 に対応する部位が画像読み取りラインLとされてお
り、上記楕円曲面の他の焦点F2 の近傍、すなわち光入
射部3Aには、上述したように光源21が配置される。
なお、上記各反射部材7,8と上記導光部材3とは、所
定の嵌合手段などによって一体化させてもよく、この場
合には、上記導光ユニット6をケース10内に組み込む
際の取り扱いが便利である。
【0042】このように構成された導光ユニット6にお
いては、上記光源21から発せられた光は、たとえば上
記第3側面または第4側面3c,3dにおいて全反射し
つつ上記導光部材3の厚み方向(図16の上下方向)に
進行して上記第1側面3aの略全領域から出射するよう
になされている。
【0043】上記画像読み取りラインLと上記イメージ
センサチップ20との間には、上記読み取りラインLに
沿う明暗画像を正立等倍にイメージセンサチップ20上
に集束させるためのレンズアレイ4が配置されている。
すなわち、上記構成のイメージセンサチップ20におい
ては、光源21から発せられた光が導光部材3を介して
上記読み取りラインLに達して読み取り原稿Dが照明さ
れ、この原稿Dからの反射光がレンズアレイ4を介して
イメージセンサチップ20に受光されるように構成され
ている。
【0044】ところで、楕円曲面の1の焦点F2 を通過
する光が楕円曲面において全反射をした場合には、反射
した光は、もう一方の焦点F1 を通過することとなる。
すなわち、上記構成の導光部材3は、上記第1側面3a
が楕円曲面の1の焦点F1 を通過する平坦面とされてい
るとともに、好ましくは上記第3側面および第4側面3
c,3dが鏡面とされるので、図16に良く表れている
ように、他の焦点F2に配置された光源21から発せら
れた光は、上記第1側面3aの焦点F1 、すなわち画像
読取部Lに集めることができる。したがって、上記導光
部材3を組み込んだ画像読み取り装置1においては、上
記光源21から発せらて上記導光部材3に入射された光
は、上記画像読取部Lに有効に集めることができる。
【0045】また、上記導光部材3の第3側面および第
4側面3c,3dには、第1反射部材および第2反射部
材7,8がそれぞれ密着させられているので、上記導光
部材3内を進行する光が上記境界面、すなわち第3側面
3cまたは第4側面3dにおいて反射せずに上記導光部
材3の外部に漏れてしまった場合であっても、上記各反
射部材7,8によって反射されて上記導光部材3内に戻
され、再び上記導光部材内を進行することとなる。この
結果、一旦上記導光部材3の外部に洩れた光であって
も、上記各反射部材7,8によって上記導光部材3内の
戻された光は、上記第1側面3aから出射されることと
なる。すなわち、上記構成の導光ユニット6を備えた画
像読み取り装置1においては、光源21から発せられた
光を効率良く上記第1側面3aから出射させて原稿Dを
照明することができる。このように、上記構成の導光ユ
ニットを備えた画像読み取り装置においては、1の光源
から発せられる光を効率良く原稿の読み取りラインに導
くことができるために、光源数を低減させて所望の画像
読み取りが可能となり、ひいては、製造コストの低廉化
および画像読み取り装置の低電圧駆動が実現可能とな
る。
【0046】なお、上記実施形態においては、第3側面
および第4側面3c,3dのそれぞれが楕円曲面とされ
た導光部材3が採用されていたが、上記第3側面または
第4側面3c,3dのいずれか一面のみ、あるいはいず
れか一面の所定領域が楕円曲面とされた導光部材3も本
願発明の適用範囲であり、また、これを備えた画像読み
取り装置1も本願発明の適用範囲であるのはいうまでも
ない。たとえば、図17に示すように、図13を参照し
て説明した導光ユニット6において採用されている導光
部材3、すなわち上記第3側面3cが楕円曲面とされて
いるとともに、上記第4側面3dが楕円曲面(第3側面
3c)の長軸Jよりも内方側に凹入している導光部材3
を組み込んで画像読み取り装置1を構成してもよい。も
ちろん、少なくとも上記楕円曲面(第3側面3c)には
既述の反射部材を密着させることが好ましいのはいうま
でもない。
【0047】また、図12または図13を参照して説明
した導光ユニット6、すなわち導光部材3の第3側面3
cまたは第4側面3dに反射シート70B,80Bが密
着させられた導光ユニット6が組み込まれた画像読み取
り装置1(図18または図19に示されているような画
像読み取り装置1)もまた本願発明の適用範囲である。
この画像読み取り装置1においては、上記導光部材3の
第1側面3aを読み取り原稿Dの搬送面とせずに、ガラ
ス製などの透明カバー5が上記ケース10の上部開口に
嵌め込まれている。これらの画像読み取り装置1もま
た、既述の画像読み取り装置1と同様の効果が得られる
のはいうまでもない。
【0048】さらに、図20に示された構成の画像読み
取り装置1もまた、本願発明の適用範囲である。すなわ
ち、上記画像読み取り装置1は、上記ケース10の内部
に長手方向に延びる空間Sが形成されており、上記ケー
ス10内壁に反射シート70B,80Bがそれぞれ密着
させられて上記空間Sの長手方向の外輪が規定されてい
る。すなわち、上記空間Sの外輪を規定している面の一
部が光反射面とされており、また、この光反射面は楕円
曲面とされている。このような画像読み取り装置1にお
いては、反射シート70B,80Bによって上記空間S
内を進行する光が上記空間Sの外部に洩れにくいよう
に、かつ全反射しやすいようになされいる。また、上記
楕円曲面上記反射シート70B,80Bを密着せさる代
わりに、既述の反射部材を上記ケース10内に収容配置
させることによって上記空間Sを形成してもよい。ま
た、上記空間Sの断面形状は、図21に示すように、図
13を参照して説明した導光ユニット6において採用さ
れている導光部材3の形状に対応した形状であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る導光ユニットの一例を分解斜視
図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】本願発明に係る導光部材の変形例を表す要部正
面図である。
【図5】上記導光部材を備える導光ユニットの要部拡大
断面図である。
【図6】上記導光ユニットを構成する反射部材の要部斜
視図である。
【図7】上記導光部材の乱反射領域の形成方法の一例を
表す要部正面図である。
【図8】上記導光部材の乱反射領域の他の形成方法の一
例を表す要部正面図である。
【図9】上記導光部材の乱反射領域のその他の形成方法
の一例を表す要部正面図である。
【図10】上記導光部材の乱反射領域のその他の形成方
法の一例を表す要部正面図である。
【図11】上記導光部材の乱反射領域のその他の形成方
法の一例を表す要部正面図である。
【図12】上記導光ユニットの変形例を表す断面図であ
る。
【図13】上記導光ユニットの他の変形例を表す断面図
である。
【図14】本願発明に係る画像読み取り装置の一例を表
す分解斜視図である。
【図15】上記画像読み取り装置の分解断面図である。
【図16】上記画像読み取り装置の組み立て断面図であ
る。
【図17】上記画像読み取り装置の変形例を表す組み立
て断面図である。
【図18】上記画像読み取り装置の他の変形例を表す組
み立て断面図である。
【図19】上記画像読み取り装置のその他の変形例を表
す組み立て断面図である。
【図20】上記画像読み取り装置のその他の変形例を表
す組み立て断面図である。
【図21】上記画像読み取り装置のその他の変形例を表
す組み立て断面図である。
【図22】従来の画像読み取り装置の一例を表す断面図
である。
【符号の説明】
1 画像読み取り装置 2 基板 3 導光部材 3A 光入射部 3a 第1側面(光出射面) 3b 第2側面 3c 第3側面 3d 第4側面 4 レンズアレイ(光集束部材としての) 6 導光ユニット 7 第1反射部材 8 第2反射部材 10 ケース 20 イメージセンサチップ 21 光源 D 読み取り原稿 L 画像読取部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像読み取り装置内に組み込まれるとと
    もに、長手状に形成され、かつ長手方向に延びる複数の
    側面を有し、これらの側面としては、厚み方向に対向す
    る第1側面と第2側面、および幅方向に対向する第3側
    面と第4側面とがある導光部材であって、 上記第3側面および第4側面のうちの少なくとも一方の
    側面の全部または一部は、楕円曲面とされており、上記
    第1側面は上記第2側面方向から進行してきた光を外部
    に出射させる光出射面とされていることを特徴とする、
    導光部材。
  2. 【請求項2】 上記第1側面は、上記楕円曲面の焦点ま
    たはその近傍を通過する平坦面とされている、請求項1
    に記載の導光部材。
  3. 【請求項3】 上記第1側面、第3側面、および第4側
    面は、鏡面状とされている、請求項1または2に記載の
    導光部材。
  4. 【請求項4】 上記第2側面の少なくとも一部は、受け
    た光の乱反射を行なう乱反射領域とされており、入射さ
    れた光が上記各側面による反射を繰り返しながら長手方
    向に進行しつつ、上記第1側面の各所から光が出射され
    るように構成されている、請求項1ないし3のいずれか
    に記載の導光部材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載され
    た導光部材の光入射部と第1側面とを除く領域の全部ま
    たは一部に光反射部材が密着させられていることを特徴
    とする、導光ユニット。
  6. 【請求項6】 光源と、この光源から発せられた光を画
    像読み取り対象物に導くための導光ユニットと、この導
    光ユニットからの光によって照明された上記対象物から
    反射してきた光を集束する光集束部材と、この光集束部
    材によって集束された光を受光するように所定の画像読
    み取りライン方向に列状に並べられた複数の受光素子と
    を備え、上記光集束部材と上記各受光素子とを結ぶ直線
    上に画像読取部が設定される画像読み取り装置であっ
    て、 上記導光ユニットとして、請求項5に記載された導光ユ
    ニットが用いられていることを特徴とする、画像読み取
    り装置。
  7. 【請求項7】 上記導光部材の楕円曲面の1つの焦点ま
    たはその近傍位置に上記光源が配置されており、かつ他
    の焦点またはその近傍位置に上記画像読取部が設定され
    ている、請求項6に記載の画像読み取り装置。
  8. 【請求項8】 ケースと、このケースに組み込まれる光
    源と、を備えた画像読み取り装置であって、 上記ケースの内部には、長手方向に延びる空間が形成さ
    れており、この空間の長手方向の外輪を規定している面
    の少なくとも一部が光反射面とされており、この光反射
    面の全部または一部が楕円曲面とされていることを特徴
    とする、画像読み取り装置。
  9. 【請求項9】 上記空間の外輪の一部を規定している楕
    円曲面の1つの焦点またはその近傍位置に上記光源が配
    置されており、かつ他の焦点またはその近傍位置に画像
    読取部が設定されている、請求項8に記載の画像読み取
    り装置。
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