JPH11516A - 冷風扇用吸水フィルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、上下のローラを凹形に形成し、吸
水フィルターの素材としては非常に通気性、吸水性の良
いやわらかい不織布にミシン目で細かく分割し、その分
割した内部に、通常の水の気化熱より低温効果を有する
細かく切断した炭を収納すると共に、両端部の周縁に非
伸縮性のテープを取付け、該テープに吸水フィルターの
回転力がかかるように構成した冷風扇を提供するもので
ある。 【解決手段】 枠体１の後面側に空気吸気口２、前面側
に空気吹出口３を設け、該空気吹出口３の近傍に送風フ
ァン４を取付け、かつ吸気口２側に上ローラ５と下ロー
ラ６とを設け、該上ローラ５と下ローラ６間にリング状
の吸水フィルター７を装着し、枠体１内に設けた貯水タ
ンク11内に下ローラ６を位置させ吸水フィルター７を回
転する。また、前記上下ローラ５，６を凹字状に形成
し、吸水フィルター７の内部をミシンがけ９で細かく分
割し該内部に木炭10を収納すると共に、側部を非伸縮性
のテープ８で縁取りしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水を蒸発させてそ
の気化熱を利用して室内空気を冷却する冷風扇に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷風扇は、後面側に空気吸気口、
前面側に吹出口を有する枠体とこの枠体の吹出口近傍に
送風ファン、吸気口側にはリング状の吸水フィルターを
縦形に配設し、この吸水フィルターを上下の駆動ローラ
によって回転するようになっている。更に、枠体の底部
に吸水フィルターの一部を水に浸して吸水フィルターに
水を供給する貯水タンクが設けられている。

【０００３】そして、送風ファンを作動させて送風状態
にしながら、駆動ローラを作動させてリング状の吸水フ
ィルターを回転させると、吸水フィルターは貯水タンク
内の水を吸収して移動し、この吸収フィルターの水を蒸
発させ、その気化熱により冷却した空気を空気吹出口よ
り室内に吹出すようになっている。そして吸収フィルタ
ーが常に濡れた状態に保持するために、帯び状の吸水フ
ィルターをリング状に縫合し、上下のローラで保持し、
下ローラを貯水タンク内に吸水フィルターを浸し回転す
る構造が用いられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の冷風扇の吸
水フィルターの素材は、冷風能力の通気性と吸水性が要
求されるものであり、また吸水フィルターは、上ローラ
に取付けた駆動モータにより回転するので、ローラと吸
水フィルターとの間で滑り等のトラブルが発生しないよ
う非伸縮性が要求され、また吸水フィルターは、水を吸
収してその水の蒸発による気化熱を吹出口より空気を吹
き付るので、多量に水を吸収する通気性、保水性の良い
材質が要求されるものであるが、通気性、保水性の高い
繊維素材は伸縮性があり、使いずらいので、通気性、保
水性を犠牲にした吸水フィルターが用いられていた。

【０００５】本発明は、従来の欠点を解消するためなさ
れたもので、その目的とするところは、上ローラと下ロ
ーラを凹形に形成し、吸水フィルターの素材として非常
に通気性、保水性の良いやわらかい不織布にミシン目で
細かく分割し、その分割した内部に、通常の水の気化熱
より低温効果を有する細かく切断した炭を収納すると共
に、両端部の周縁に非伸縮性のテープを取付け、該テー
プに吸水フィルターの回転力がかかるよう構成した冷風
扇を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、枠体１の後面側に空気吸気口２、前面側に
空気吹出口３を設け、該空気吹出口３の近傍に送風ファ
ン４を取付け、かつ吸気口２側に上ローラ５と下ローラ
６とを設け、上ローラ５に駆動モータ12を取付け、前記
上下ローラ５，６間に吸水フィルター７をリング状に装
着し、枠体１内に装着した貯水タンク11内に下ローラ６
を位置させて吸水フィルター７を回転する。また、前記
上ローラ５と下ローラ６を凹字状に形成し、吸水フィル
ター７の内部をミシンがけ９で細かく分割し、該内部に
木炭10を収納すると共に、側部を非伸縮性のテープ８で
縁取りしたことを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】スイッチを入力すると、送風ファ
ン４と駆動モータ12が回転し、リング状に形成した吸水
フィルター７は上下に回転し、貯水タンク11の水を吸収
して移動する。送風ファン４が回転すると、空気吸気口
２から空気が枠体１内に入り、枠体１内に入った空気
は、吸水フィルター７を通過し、通過した空気は吸水フ
ィルター７に含まれる水分により気化する。この気化熱
によって空気は冷やされ、室内温度よりも低くなり、低
温になって送風ファン４より、空気吹出口３から室内に
排出される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の冷風扇は、枠体１の前面に空気吹出口３
と該空気吹出口３に取付けた風向板14とからなり、背面
に空気吸気口２と該空気吸気口２に取付けた空気フィル
ター13とよりなる。そして、送風フアン４を空気吹出口
３近傍に設置し、空気吸気口２側に上ローラ５と下ロー
ラ６を設け、上ローラ５に取付けた駆動モータ12によ
り、前記ローラ５，６間に装着したリング状の吸水フィ
ルター７を回転作動する。前記吸水フィルター７は、上
ローラ５と下ローラ６のローラ間を回転し移動するが、
この時枠体１の下部に設置した貯水タンク11内を通って
多量の水分を吸収し、上に移動する際、空気吸気口２か
ら入った空気により、吸収された水分を蒸発して気化熱
となり、温度が低下して前面の空気吹出口３より室内に
吹き出される。

【０００９】上ローラ５と下ローラ６は、凹字状に形成
する。これは、吸水フィルター７の両端部に非伸縮性の
テープ８を縫着し、該テープ８に吸水フィルター７の回
転力がかかるようにすると共に、吸水フィルター７の内
部に炭10を収納したので、多少の凹凸が出来るため回転
の邪魔にならないよう形成したものである。

【００１０】吸水フィルター７は、両端部に非伸縮性の
テープ８を取り付け、中央部に通気性、吸収性の優れた
不織布をリング状に形成し、全面に細かくミシン掛け９
をする。このミシン掛け９と前記非伸縮性のテープ８に
より吸水フィルター７は伸縮をおさえられスムーズに回
転するので、従来の吸水フィルターより水分の含有量が
増加し、より温度を低下することができ、更にミシン掛
け９の内部に気化熱を冷却する炭10を収納する。このた
め、吸水フィルター７に含まれた水と炭10との相乗効果
により水分が冷却され、蒸発するため、十分な冷却能力
が得られ、送風フアン４によって室内に吹き出される。

【００１１】本発明は、冷風扇用吸水フィルターに限定
するのみでなく、例えば、クーリングタワーのフィルタ
ーに使用すれば、炭によって水はより冷却されるという
効果を奏する。

【００１２】

【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるので下記の
ような数々の効果を奏する。上ローラ、下ローラを凹字
状に形成し、回転する力を両端部の非伸縮性テープによ
り行うので、確実に、良好に回転を行うことができる。
また、吸水フィルターを通気性、吸収性の優れた不織布
で形成したので、従来の吸水フィルターに比べ水の気化
能力（空気の冷却能力）を向上させることができ、十分
な冷却能力が得られる。更に、吸水フィルター全面にミ
シン掛けを行い、内部に気化熱を低下させる炭を収納し
ているので、伸縮性が殺され、通気性、吸収性の良い材
質を使用することができ、低下した気化熱の気化能力を
減ずることなく、十分な冷却能力が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷風扇の断面図

【図２】本発明の要部を示す斜視図

【符号の説明】

１ 枠体 ２ 空気吸気口 ３ 空気吹出口 ４ 送風ファン ５ 上ローラ ６ 下ローラ ７ 吸水マット ８ 非伸縮性のテープ ９ ミシン目 10 炭 11 水タンク 12 駆動モータ 13 空気フィルター 14 風向板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠体の後面側に空気吸気口、前面側に空
   気吹出口を設け、該吹出口の近傍に送風ファンを取付
   け、かつ吸気口側に上ローラと下ローラを設けて上ロー
   ラに駆動モータを取付け、前記上下ローラ間に吸水フィ
   ルターをリング状に装着し、枠体内に設置した貯水タン
   ク内に下ローラを位置させ吸水フィルターを回転する冷
   風扇に於いて、前記上下ローラを凹字状に形成し、吸水
   フィルターの内部をミシンがけで細かく分割し、該内部
   に木炭を収納すると共に、側部を非伸縮性のテープで縁
   取りしたことを特徴とする冷風扇用吸水フィルター。