JP4204669B2 - 気化式加湿機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冬期暖房を続行することにより室内の湿度が低下し不快感を感じるのを防止するため、室内を加湿するのに使用される気化式加湿機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の気化式加湿機は図10に示されるものが知られていた。以下、その構成について図10を参照しながら説明する。
【0003】
図に示すように、側面に吸込口101を有し、上面に吐出口102を設けた箱状で底部には給水タンク103より給水される水を所定の水位でたくわえる水槽104を設けた本体105と、水槽104の周辺に発砲ポリウレタン板を環状に形成したフィルター106を設け、フィルター106の上方位置にフィルター106を介して吸気するようにファンモータ107を設け、ファンモータ107の回転軸108に連結具109を取り付け、下方が小径で上方が大径となる傾斜面を内面に形成し、フィルター106に対応し縦方向の複数段に散水孔110を形成した吸水管111を連結具109に複数本の取付ねじ112により取り付けていた。
【0004】
上記構成において、加湿機を運転すると、ファンモータ107が駆動し、吸水管111が回転し、水槽104の水が吸水管111の内面を伝って上昇し、吸水管111に複数段に設けた散水孔110から水が上昇するに伴ない順次フィルター106に向けて散水し、フィルター106を通過する空気により気化され加湿空気が吐出口102より放散して室内を加湿するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の気化式加湿機では、フィルター106として発砲ウレタン板を環状に形成したものを使用しているため、散水孔110から散水された水がフィルター106の表面から内部へ向って浸透しにくく、フィルター106に吸着される度合が悪くなり、フィルター106の容積を大きくしなければならないので加湿機が大型になるという課題があり、小型化することが要求されている。
【0006】
また、吸水管111内に吸い上げられる水は、遠心力が大きい上方部に移動する水量が多いため、下方の散水孔110から放出される水の勢いは小さく、フィルター106に到着しないこともあり、フィルター106への散水効率が良くないという課題があり、散水効率を高めることが要求されている。
【0007】
また、フィルター106がフィルターケース内に収納されていないためフィルター106の形状の維持が困難であるという課題があり、フィルター形状を維持することが要求されている。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するもので、吸水率が高く、小型化でき、効率的に気化することのできる気化式加湿機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の気化式加湿機は上記目的を達成するために、側面に吸込口を有し、上面に吐出口を設けた箱状で、底部には給水タンクより給水される水を所定の水位でたくわえる水槽を設けた本体と、前記水槽の周辺に配設される環状の加湿フィルターと、この加湿フィルターの上方位置に配設され前記加湿フィルターを介して吸気するように設けられるファンモータと、このファンモータと連結し回転することにより前記水槽の水を吸い上げ前記加湿フィルターの内面に散水する吸水管とを備え、前記加湿フィルターを不織布をプリーツ加工して形成し、環状の加湿フィルターの内側に設けられる吸水管を、環状の加湿フィルターの内側における吸水管の位置関係でみて、本体の側面に設けた吸込口側に片寄せて配設したものである。
【0010】
本発明によれば、加湿フィルターの吸水率が高くなり、小型化でき、効率的に気化することのできる気化式加湿機が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、側面に吸込口を有し、上面に吐出口を設けた箱状で、底部には給水タンクより給水される水を所定の水位でたくわえる水槽を設けた本体と、前記水槽の周辺に配設される環状の加湿フィルターと、この加湿フィルターの上方位置に配設され前記加湿フィルターを介して吸気するように設けられるファンモータと、このファンモータと連結し回転することにより前記水槽の水を吸い上げ前記加湿フィルターの内面に散水する吸水管とを備え、前記加湿フィルターを不織布をプリーツ加工して形成し、環状の加湿フィルターの内側に設けられる吸水管を、環状の加湿フィルターの内側における吸水管の位置関係でみて、本体の側面に設けた吸込口側に片寄せて配設したものであり、吸水管により吸い上げられた水が加湿フィルター内面に向かい散水されたとき、加湿フィルターが不織布をプリーツ状に形成されているので、加湿フィルターが発砲ポリウレタン等により単に平板を丸め形成されている場合と比較して吸水量が多く、加湿フィルターを通り吸気される空気との接触量が多く、加湿量が増加することにより小型化を図ることができるとともに、吸気量の多い吸込側に対応する加湿フィルター部分に大量に散水することとなり、最も気化しやすい部分に効率的に散水することができるという作用を有する。
【0012】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
【実施例】
(参考例1)図1〜図3に示すように、箱状の本体5の側面に吸込口1を有し、上面に吐出口2を設け、底部には給水タンク3より給水される水を所定の水位でたくわえる水槽4を設けている。水槽4の周辺には不織布等をプリーツ加工して形成した環状の加湿フィルター6を設け、加湿フィルター6の上方位置に加湿フィルター6を介して吸気するようにファンモータ7を設け、ファンモータ7の回転軸8に吸水管連結具10を取付けている。吸水管11は下方が小径で上方が大径となる傾斜面を内面に形成し、吸水管連結具10に着脱自在に螺合でき、加湿フィルター6の上半部に散水できるように吸水管11の上方部の位置に1箇の散水孔12を設けている。
【0014】
上記構成において、加湿機を運転すると、ファンモータ7が駆動し、ファンモータ7に吸水管連結具10を介して連結されている吸水管11が回転し、給水タンク3から給水され、所定の水位にたもたれている水槽4の水が吸水管11の内面を伝って上昇し、上方部に設けられた1箇の散水孔12から加湿フィルター6の上方部の内面に向かい散水される。
【0015】
このとき、加湿フィルター6は不織布をプリーツ加工して形成されているので、加湿フィルター6の表面積が大きくなり、多量の水分が吸水された状態で、加湿フィルター6の外面から吸気された空気が加湿フィルター6を通過する間に水分を含み気化され、吐出口2より加湿された空気が吐出されて室内が加湿されることとなる。
【0016】
また、吸水管11がファンモータ7の回転軸8に設けられた吸水管連結具10に着脱自在に螺合されていることにより、回転軸8の軸心線上で固定されることとなり、吸水管11の横振れによる振動がなくなるとともに、吸水管11が着脱自在であることにより吸水管11の内部や散水孔12に付着した水あか等の掃除が容易にできることとなる。
【0017】
また、吸水管11は、上方部に散水孔12を1つだけ設けていることにより、散水孔を吸水管の縦方向に複数設け加湿フィルターの全面に散水するように分散し散水する場合と比較して、上方部に設けた1箇の散水孔12より集中的に散水することにより、大量の水が加湿フィルター6の最も気化しやすい上半部に散水され、また、水分は加湿フィルター6内部を徐々に下降して全体に吸水されることとなり、散水を効率的に行うことができる。
【0018】
このように本発明の参考例1の気化式加湿機によれば、加湿フィルター6を不織布をプリーツ加工して形成したので、従来使用されていた発砲ポリウレタン等を単に環状に形成した加湿フィルターと比較して、表面積を大きく形成することができ、吸水量が多くなり、吸気空気との接触量が多くなって効率良く気化され、加湿量が増加することにより小型化を図ることができる。
【0019】
また、吸水管11を、ファンモータ7の回転軸8に取り付けられる吸水管連結具10に着脱自在に螺合し取り付けているので、吸水管11の横振れによる振動も少なく、また、ユーザーにおける吸水管11の掃除性も向上させることができる。
【0020】
また、吸水管11の散水孔12を加湿フィルター6の上半部に散水できるように上方部の位置に1箇設けているので、加湿フィルター6の最も気化し易い部分に集中的に散水して加湿量を増やすことができるとともに、1箇の散水孔12により加湿フィルター6に勢いよく散水するので従来に比べ無駄な散水がなくなり、加湿フィルター6への散水効率が向上する。
(実施例1)図4および図5に示すように、プリーツ加工した加湿フィルター6Aを環状でほぼ楕円状に形成し、この楕円形状の一方の円弧状部分13を、本体5の吸込口1側に対応させて配置する。次に加湿フィルター6A内に挿入される吸水管11Aを円弧状部分13の中心位置となる吸込口1側に片寄せた状態で設置する。
【0021】
上記構成において、加湿機が運転されると、ファンモータ7が駆動し、吸水管11Aが回転し、吸水管11Aに水が吸い上げられて加湿フィルター6Aに散水される。このとき、散水される水は吸水管11Aに近い位置にある一方の円弧状部分13に多く散水されることとなる。
【0022】
一方、ファンモータ7により吸気される空気は、本体5に設けた吸込口1より吸気されるので、吸込口1の近傍に配設されている加湿フィルター6Aの一方の円弧状部分13を通過する吸気量が多くなり、多く吸水されている一方の円弧状部分13における気化がスムーズに大量に行われることとなる。
【0023】
このように本実施例の気化式加湿機によれば、環状で楕円状に形成した加湿フィルター6Aの内側に設けられる吸水管11Aを、加湿フィルター6Aの一方の円弧状部分13を本体5の吸込口1近傍に位置するように設けた状態で、吸込口1側に片寄せて配設しているので、吸気量の多い吸込側に対応して加湿フィルター6Aの吸水量が多い一方の円弧状部分13が配設されることとなり、効率的に散水することができ、気化効率を向上させることができる。
(参考例2)図6〜図9に示すように、加湿フィルター6Bの底部を支える環状の底枠14と、この底枠14の周辺に複数本立設した支持脚15により支持される環状の取付枠16によりフィルター枠17を形成し、フィルター枠17の取付枠16につめ18aを介して着脱自在に係合する形状で、加湿フィルター6Bの上部を覆う環状のフィルターカバー18を設ける。
【0024】
そして、フィルター枠17の底部に設けられる底枠14に加湿フィルター6Bの排水用の水切り孔19と、給水タンク(図示せず)より給水された水を水槽4に導く凹状の水路20に水の流水路を残して嵌挿される形状のエアーリーク防止板21を設けている。
【0025】
上記構成において、加湿フィルター6Bは底部と上部をフィルター枠17の底枠14とフィルターカバー18で挟み保持しているので、不織布をプリーツ加工して形成している場合においても、加湿フィルター6Bの形状が保持され、気化をスムーズに行うことができる。さらに加湿フィルター6Bの交換時や水槽4の掃除を行う場合における加湿フィルター6Bの形くずれが防止され取扱性が向上する。
【0026】
また、底枠14上に載置されている加湿フィルター6Bの水分が下降し底枠14上に到達したときには、底板14に設けた排水用の水切り孔19により水槽4側に排水されることとなり、加湿フィルター6Bに残存する水が排水されやすくなり、運転を停止しているときには乾燥しやすくなって衛生的となる。
【0027】
また、底枠14に設けたエアーリーク防止板21が給水タンクからの水を水槽4に導く水路20内に嵌挿され水路20は水のみが通るようにしているので、運転時に加湿フィルター6Bの外面から内面側に吸気される空気の一部が水路20を通り直接加湿フィルター6Bの内側に浸入して気化効率を低下させるエアーリークが防止されることとなる。
【0028】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば側面に吸込口を有し、上面に吐出口を設けた箱状で、底部には給水タンクより給水される水を所定の水位でたくわえる水槽を設けた本体と、前記水槽の周辺に配設される環状の加湿フィルターと、この加湿フィルターの上方位置に配設され前記加湿フィルターを介して吸気するように設けられるファンモータと、このファンモータと連結し回転することにより前記水槽の水を吸上げ前記加湿フィルターの内面に散水する吸水管とを備え、前記加湿フィルターを不織布をプリーツ加工して形成し、環状の加湿フィルターの内側に設けられる吸水管を、環状の加湿フィルターの内側における吸水管の位置関係でみて、本体に設けた吸込口側に片寄せて配設したので、吸水率が高くなり、小型化が図られ、効率的に気化することができるとともに、吸気量の多い吸込側に対応する加湿フィルター部分に大量に散水することとなり、最も気化しやすい部分に効率的に散水することができる気化式加湿機を提供できる。
【0029】
また、前記加湿フィルターの底部を支えるとともに前記水槽に載置される環状の底枠と、この底枠の周辺に複数本立設した支持脚により支持される取付枠とを設けたフィルター 枠と、このフィルター枠の取付枠に着脱自在に係合し、前記加湿フィルターの上部を覆う環状のフィルターカバーとを備え、前記加湿フィルターは前記フィルター枠および前記フィルターカバーと一体化した状態で、前記水槽に着脱可能に載置されるようにしたので、加湿フィルターを不織布で形成し吸水すると形がくずれやすくなるがフィルター枠とフィルターカバーにより形状が保持されるとともに、加湿フィルターを洗浄するときフィルター枠ごと洗剤につけ置き洗いができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1の気化式加湿機の構成を示す断面図
【図2】同気化式加湿機の斜視図
【図3】同気化式加湿機の加湿フィルターの構成を示す斜視図
【図4】本発明の実施例1の気化式加湿機の加湿フィルターの構成を示す斜視図
【図5】同気化式加湿機の吸込口と吸水管の関係を示す概略図
【図6】本発明の実施例2の気化式加湿機の加湿フィルターの構成を示す分解斜視図
【図7】同気化式加湿機の加湿フィルターの構成を示す斜視図
【図8】同気化式加湿機の加湿フィルターの取り付け時の状態を示す斜視図
【図9】同気化式加湿機の加湿フィルターのエアーリーク防止板の状態を示す拡大図
【図10】従来の気化式加湿機の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 吸込口
1A 吸込口
2 吐出口
3 給水タンク
4 水槽
5 本体
6 加湿フィルター
6A 加湿フィルター
6B 加湿フィルター
7 ファンモータ
8 回転軸
10 吸水管連結具
11 吸水管
11A 吸水管
12 散水孔
14 底枠
15 支持脚
16 取付枠
17 フィルター枠
18 フィルターカバー
19 水切り孔
20 水路
21 エアーリーク防止板
Claims (1)
- 側面に吸込口を有し、上面に吐出口を設けた箱状で、底部には給水タンクより給水される水を所定の水位でたくわえる水槽を設けた本体と、前記水槽の周辺に配設される環状の加湿フィルターと、この加湿フィルターの上方位置に配設され、前記加湿フィルターを介して吸気するように設けられるファンモータと、このファンモータと連結し回転することにより前記水槽の水を吸上げ前記加湿フィルターの内面に散水する吸水管とを備え、前記加湿フィルターは不織布をプリーツ加工して形成し、環状の加湿フィルターの内側に設けられる吸水管を、環状の加湿フィルターの内側における吸水管の位置関係でみて、本体の側面に設けた吸込口側に片寄せて配設した気化式加湿機。
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