【発明の詳細な説明】
有害菌類を抑制するための組成物および方法
本発明は有害菌類を抑制するための組成物および、この組成物を使用して有害
菌類を抑制する方法に関する。
欧州特許出願公開545099号公報は、下式
で表わされ、かつ式中のAが、2−位においてメチル、トリフルオロメチル、塩
素、臭素、もしくは沃素で置換されているフェニル、または非置換の、もしくは
メチル、塩素、もしくはトリフルオロメチルで置換されていてもよい特定の芳香
族もしくは非芳香族ヘテロ環式基を、Rが非置換の、もしくはハロゲンで置換さ
れていてもよい特定の脂肪族もしくは脂環式基、または、非置換の、もしくはC1
−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルチオまたはハロゲンで
置換されていてもよいフェニルを意味する場合のアニリド化合物を開示している
。
また同589301号公報は、同じ式で表わされ、かつ式中のAが以下の各式
で表わされる環式基であって、式中のR1が水素またはC1−C4アルキルを、R2
がハロゲンまたはC1−C4アルキルを、R3がC1−C4アルキルまたはC1−C4
ハロアルキルを、nが1または2を意味し、Rが実質的に上述した意味を有する
場合のアニリド化合物を開示している。
またPCT特願WO93/11117号公報は、下式
で表わされ、かつ式中
QがC1−C3アルキル、C2−C3アルケニル、C2−C3アルキニル、−(CH2
)mCH=または−(CH2)m−X−CH2)m−を、
nが0または1を、
各mが相互に関係なくそれぞれ0、1、2または3を、
各Xが相互に関係なくそれぞれOまたはSを、
R1が特定の非環式基を、
R2が水素、弗化メチル、メチル、エチル、C2−C6アルケニル、C3−C6シ
クロアルキル、フェニル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、ハロア
ルキルチオアルキル、ハロアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルを、
R3がハロメチル、ハロメトキシ、メチル、エチル、ハロゲン、シアノ、メチ
ルチオ、ニトロ、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチルを、
R4が水素、ハロゲン、メチルを、
R5、R6、R7が相互に関係なく、それぞれ水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6
アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C4ア
ルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C3−C4シクロアルキル、ハロメトキシを意
味する化合物を開示しており、これらの化合物は殺菌作用を有する。
本発明の目的は、有害菌類、ことにボトリチス菌(botrytis)をさら
に効果的に抑制する可能性を提供することである。
しかるにこの目的は、意外にも、殺ダニ剤として知られているフェナザキン(
fenazaquin)(The Pesticide Manual 10版
(1994)、CAS登録番号120928−09−8号)および以下に記載さ
れる式Iのアミド化合物を有効成分として含有する組成物により達成されること
が本発明者らにより見出された。
すなわち、本発明は、固体もしくは液体状担体、下式のフェナザキン(fen
azaquin)
および下式I
A−CO−NR1R2
で表わされ、かつ
Aがアリール基またはO、N、Sの中から選ばれる1から3個のヘテロ原子を
有する、芳香族もしくは非芳香族の5もしくは6員ヘテロ環基(これらアリール
基またはヘテロ環基は、非置換でも、相互に無関係にアルキル、ハロゲン、CH
F2、CF3、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニ
ル、アルキルスルホニルの中から選ばれる1、2もしくは3個の置換基を持って
いてもよい)を意味し、
R1がハロゲン原子を意味し、
R2がフェニルまたは非置換の、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、
アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキル、シクロア
ルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、フェニル、ハロゲンの
中から選ばれる1、2もしくは3個の置換基を持っていてもよいシクロアルキル
基(上記脂肪族、脂環式基は部分的もしくは完全にハロゲン化されており、かつ
/もしくは脂環式基は1から3個のアルキル基で置換されていてもよく、上記フ
ェニル基は、1から5個のハロゲン原子および/または1から3個の、アルキル
、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチ
オの中から相互に無関係に選ばれる置換基を持っていてもよく、また上記アミド
フェニル基は縮合して、1個もしくは複数個のアルキル基で置換されていてもよ
く、かつ/もしくはヘテロ原子OもしくはSを持っていてもよい飽和5員環を形
成してもよい)を意味する場合の少なくとも1個のアミド化合物を含有する、有
害菌類抑制用の組成物に関する。
この本発明による組成物は、相乗的に作用し、有害菌類、ことにボトリチス菌
を抑制するのに特に適する。
本発明においてハロゲンは、弗素、塩素、臭素、沃素、ことに弗素、塩素、臭
素を意味する。
アルキルと称するのは、直鎖および分岐アルキル基を含み、C1−C12の、こ
とにC1−C6の直鎖、分岐アルキル基を意味する。このアルキルとしては、こと
にメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル
、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチルブ
チル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,
1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−
ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4
−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3
−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3
−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチル
プロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロ
ピル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペ
ンチル、1−プロピルブチル、オクチル、デシル、ドデシルが好ましい。
ハロアルキルは、上述したアルキルであって、部分的もしくは完全に単一もし
くは複数のハロゲン原子、好ましくは1から3個の弗素、塩素で置換されている
基、ことにジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであるのが好ましい。
アルキルおよびハロアルキルについて上述したことは、同様に、アルコキシ、
ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、ア
ルキルスルホニル中のアルキル、ハロアルキルにも該当する。
アルケニルと称するのは、直鎖および分岐アルケニル、好ましくはC3−C12
、ことにC3−C6の直鎖および分岐アルケニルを意味し、その例としては、2−
プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、2−
メチル−2−プロペニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、
1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテ
ニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3
−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロ
ペニル、1−エチル−2−プロペニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−
ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−
ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−
メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペン
テニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチ
ル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニ
ル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,
2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメ
チル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3
−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニ
ル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−2−
ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニ
ル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−
プロペニル、ことに2−プロペニル、2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル
、3−メチル−2−ペンテニルが挙げられる。
アルケニル基は、部分的もしくは完全に、単一もしくは複数の、好ましくは1
から3個のハロゲン原子、ことに弗素、塩素で置換されていてもよい。
アルキニル基は、直鎖でも分岐でもよく、好ましくはC3−C12、ことにC3−
C6アルキニルを意味する。例えば2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニ
ル、1−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペン
チニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1−メチル−
2−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニ
ル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−
メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペン
チニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチ
ル−4−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,2−ジメチル−2−ブ
チニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、
2,2−ジメチル−3−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3
−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペ
ニルである。
アルケニル基およびそのハロゲン化物、アルキニル基およびそのハロゲン化物
について上述したことは、またアルケニルオキシ、アルキニルオキシについても
該当する。
シクロアルキル基としては、C3−C6シクロアルキル、例えばシクロプロピル
、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましく、シクロアルキル
が置換される場合の置換基としては、1から3個のC1−C4アルキルが好ましい
。
シクロアルケニル基としては、C4−C6シクロアルケニル、例えば、シクロブ
テニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルが好ましく、これが置換される場
合の置換基としては、1から3個のC1−C4アルキルが好ましい。
シクロアルコキシとしては、C5−C6シクロアルコキシ、例えばシクロペンチ
ルオキシ、シクロヘキシルオキシが好ましく、またこれが置換される場合、その
置換基としては、1から3個のC1−C4アルキルが好ましい。
アリールとしてはフェニルがことに好ましい。
上記式中のAがフェニルである場合、これは上述した1、2または3個の置換
基をその任意の位置に持っていてもよい。この置換基は、相互に無関係に、アル
キル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、ことに塩素、臭素、
沃素の中から選ばれる。フェニル基は、ことにその2−位に置換基を有するのが
好ましい。
Aが5員のヘテロ環基を意味する場合、これはことにフリル、チアゾリル、ピ
ラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チエニル、トリアゾリル、チアジアゾ
リルまたは対応するジヒドロもしくはテトラヒドロ誘導体であるのが好ましい。
ことにチアゾリル、ピラゾリルであるのが好ましい。
Aが6員のヘテロ環基である場合、これはことにピリジルまたは下式で示され
る基であるのが好ましい。
ただし、式中のX、Yのいずれか一方は、O、SまたはNR9(R9は水素また
はアルキル)を意味し、X、Yの他方はCH2、S、SO、SO2またはNR9を
意味し、破線は二重結合が存在し得ることを意味する。
6員の芳香族ヘテロ環は、好ましくはピリジル、ことに3−ピリジルまたは下
式の基である。
ただし、XはCH2、S、SO、またはSO2を意味する。
上記ヘテロ環式基は非置換基でもよく、あるいは、1、2もしくは3個の上述
したような置換基、すなわち相互に無関係に、それぞれアルキル、ハロゲン、ジ
フルオロメチル、トリフルオロメチルで置換されていてもよい。ことに好ましい
のは下式で示される基である。
式中のR3、R4、R6、R7、R8、R9は、相互に無関係に、それぞれ水素、ア
ルキル、ことにメチル、ハロゲン、ことに塩素、CHF3、CF3を意味する。
前述した式IのR1は水素を意味するのが好ましい。
また式IのR2はフェニルを意味するのが好ましく、これはことに2−位に少
なくとも1個の置換基を有するのが好ましい。単一または複数の置換基は、アル
キル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロゲンまたはフェニルであるのが
好ましい。
これらR2の置換基自体が、さらに置換されていてもよい。すなわち、上述の
脂肪族、脂環式置換基が、部分的もしくは完全にハロゲン化、ことに弗素化もし
くは塩素化されていてもよい。すなわち、1、2もしくは3個の弗素、塩素原子
を持っていてもよい。R2の置換基がフェニルである場合、このフェニル基自体
が、1から3個のハロゲン、ことに弗素原子および/またはアルキル、アルコキ
シで置換されていてもよい。フェニルは、ことにp−位においてハロゲン置換さ
れているのが好ましい。すなわちR2がp−ハロゲン置換フェニルであるのが好
ましい。R2はまた縮合5員環であってもよく、この置換環基自体が、また1か
ら3個のアルキルで置換されていてもよい。
この場合のR2は、例えばインダニル、チアインダニル、オキサインダニル、
ことに、4−位で窒素原子に結合されているインダニル、2−オキサインダニル
である。
本発明組成物は、その好ましい実施態様において、アミド化合物として、式中
のAが、
フェニル、ピリジル、ジヒドロピラニル、ジヒドロオキサチイニル、ジヒドロ
オキサチイニルオキシド、ジヒドロオキサチイニルジオキシド、フリル、チアゾ
リル、ピラゾリル、オキサゾリル(これら自体が1、2もしくは3個の、アルキ
ル、ハロゲン、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルにより、相互に無関係に
置換されていてもよい)
を意味する場合の化合物を含有する。
さらに他の、好ましい実施態様において、式中のAは、
非置換でも、2−位において、ハロゲン、メチル、ジフルオロメチル、トリフ
ルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル
により置換されていてもよいピリジン−3−イルを、
非置換でも、2−位において、メチル、トリフルオロメチル、塩素、臭素、沃
素で置換されていてもよいフェニルを、
2−メチル−5,6−ジヒドロピラン−3−イルを、
2−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−3−イルまたはその
4−オキシドもしくは4,4−ジオキシドを、
非置換でも、4−および/または5−位においてメチルで置換されていてもよ
い2−メチルフラン−3−イルを、
非置換でも、2−位および/または4−位においてメチル、塩素、ジフルオロ
メチル、トリフルオロメチルで置換されていてもよいチアゾル−5−イルを、
非置換でも、2−および/または5−位においてメチル、塩素、ジフルオロメ
チルで置換されていてもよいチアゾル−4−イルを、
非置換でも、3−および/または5−位においてメチル、塩素、ジフルオロメ
チルで置換されていてもよい1−メチルピラゾル−4−イルを、または
非置換でも、2−位および/または4−位においてメチル、塩素で置換されて
いてもよいオキサゾル−5−イルを意味する。
さらに他の好ましい実施態様において、本発明組成物は、アミド化合物として
、式中のR2が非置換でも、1、2もしくは3個の前述の置換基で置換されてい
てもよいフェニルを意味する場合の化合物を含有する。
さらに他の好ましい実施態様において、本発明組成物は、アミド化合物として
、式中のR2がフェニル基を意味し、しかもこのフェニルが、その2−位におい
て、1、2もしくは3個のC1−C4アルキルで置換されており、あるいは1から
5個のハロゲン原子および/または1から3個のC1−C4アルキル、C1−C4ハ
ロアルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキル
チオ、C1−C4ハロアルキルチオで置換されている場合の式Iの化合物を、ある
いは
上記R2が非置換の、または1、2もしくは3個のアルキルにより置換されて
いるインダニルまたはオキサインダニルを意味する場合の式Iの化合物を含有し
ている。
さらに他の好ましい実施態様において、本発明組成物は、アミド化合物として
、下式Ia
で表わされ、かつ式中のAが下式
の基を意味し、これら式中の
Xがメチレン、硫黄、スルフィニル、スルホニル(SO2)を、
R3がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素を、
R4がトリフルオロメチルまたは塩素を、
R5が水素またはメチルを、
R6がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素を、
R7が水素、メチル、塩素を、
R8がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルを、
R9が水素、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたは塩素を、
R10がC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルチオ、ハロ
ゲンをそれぞれ意味する場合の化合物を含有する。
極めて好ましい実施態様において、組成物は、アミド化合物Iとして、下式I
b
で表わされ、かつ
R4がハロゲンを、
R11がハロゲンで置換されているフェニルを意味する場合の化合物を含有する
。
本発明に有用なアミド化合物を説明するものとして、欧州特許出願公開545
099号、同589301号公報を援用する。
例えば、式Iのアミド化合物の製造方法は上記両公報に開示されており、類似
する方法で製造され得る。
式Iのアミド化合物は、その使用量が少なくとも、その相乗的効果をもたらす
に充分である。フェナザキンおよびこのアミド化合物は、その重量割合20:1
から1:20、ことに10:1から1:10で使用される。
本発明はまた、特許請求範囲1から9のいずれかの組成物により(有効成分、
フェナザキンおよびアミド化合物を同時に、すなわち共存的に、あるいは別個に
あるいは相次いで施こし得る)、有害菌類またはその環塩または有害菌類に対し
て防護されるべき材料、植物、種子、土壌、空間を処理することによりこの有害
菌類を抑制する方法に関する。
本発明の組成物は、例えば直接的に噴霧可能な溶液、粉末、懸濁液、高濃度の
水性、油性またはその他の懸濁液または分散液、エマルジョン、油性分散液、ペ
ースト、ダスト剤、散布剤または顆粒の形で噴霧、ミスト法、ダスト法、散布法
または注入法によって適用することができる。適用形式は、完全に使用目的に基
づいて決定される。いずれの場合にも、本発明の有効物質の可能な限りの微細分
が保証されるべきである。
通常、植物に有効成分を噴霧または振りかけ、或いは植物の種子に有効成分を
振りかける。
製剤は公知方法で、例えば有効物質を溶剤および/または賦形剤で、場合によ
り乳化剤および分散助剤を使用して増量することにより得られるが、この際希釈
剤として水を使用する場合には、補助溶媒として別の有機溶媒を使用することが
できる。助剤としては、主に溶剤、例えば芳香族化合物(例えばキシレン)、塩
素化芳香族化合物(例えばクロロベンゼン)、パラフィン(例えば石油留分)、
アルコール(例えばメタノール、ブタノール)、ケトン(例えばシクロヘキサノ
ン)、アミン(例えばエタノールアミン、ジメチルホルムアミド)および水、賦
形剤、例えば天然岩石粉(例えばカオリン、アルミナ、タルク、白亜)、合成岩
石粉(例えば高分散性珪酸、珪酸塩)、乳化剤、例えば非イオン性および陰イオ
ン性乳化剤(例えばポリオキシエチレン−脂肪アルコールエーテル、アルキルス
ルホナートおよびアリールスルホナート)および分散剤、例えばリグニン−亜硫
酸廃液およびメチルセルロースが該当する。
界面活性剤としては次のものが挙げられる。リグノスルホン酸、フェノールス
ルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸の各アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、並びに脂肪酸のアルカリ金属塩
、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルスルホナート、アルキルアリ
ールスルホナート、アルキルスルファート、ラウリルエーテルスルファート、脂
肪アルコールスルファート、並びに硫酸化ヘキサ−、ヘプタ−、オクタデカノー
ルの塩、脂肪アルコールグリコールエーテル、スルホン化ナフタレンおよびナフ
タレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナフタレン或はナフタレンス
ルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリオキシエチ
レン−オクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オ
クチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテ
ル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテ
ルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド
縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエー
テルアセタート、ソルビトールエステル、リグニン−亜硫酸廃液およびメチルセ
ルロース。
粉末、散布剤およびダスト剤は有効物質と固状担体物質とを混合または一緒に
磨砕することにより製造することができる。
粒状体、例えば被覆−、含浸−および均質粒状体は、有効物質を固状担体物質
に結合することにより製造することができる。固状担体物質は、例えば鉱物土、
例えばシリカゲル、シリカ、シリカゲル、珪酸塩、滑石、カオリン、石灰石、石
灰、白亜、膠塊粒土、石灰質黄色粘土、粘土、白雲石、珪藻土、硫酸カルシウム
、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、磨砕合成樹脂、肥料、例えば硫酸アン
モニウム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素および植物性生成物、例
えば穀物粉、樹皮、木材およびクルミ穀粉、セルロース粉末および他の固状担体
物質である。
有効成分としてフェナザキンおよびアミド化合物を8:1の重量比を含有する
配合物の例は、以下の通りである。
I.90重量部の有効成分と、N−メチル−α−ピロリドン10重量部とを含
む溶液を得る。この溶液を微小液滴の形状で使用すると好ましい。
II.20重量部の有効成分を、キシレン80重量部、エチレンオキシド8−
10モルをオレイン酸−N−モノエタノールアミド1モルに付加した付加生成物
10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩5重量部およびエチレ
ンオキシド40モルをヒマシ油1モルに付加した付加生成物5重量部よりなる混
合物中に添加する。この混合物を水中に細分布することにより分散液が得られる
。
III.20重量部の有効成分、シクロヘキサノン40重量部、イソブタノー
ル30重量部、エチレンオキシド40モルをヒマシ油1モルに付加した付加生成
物20重量部を含む水性分散液を得る。
IV.20重量部の有効成分、シクロヘキサノール25重量部、沸点210−
280℃の鉱油留分65重量部およびエチレンオキシド40モルをヒマシ油1モ
ルに付加した付加生成物10重量部の水性分散液を得る。
V.80重量部の有効成分、ジイソブチルナフタレン−1−スルホン酸のナト
リウム塩3重量部、亜硫酸−廃液よりのリグニンスルホン酸のナトリウム塩10
重量部および粉末状珪酸ゲル7重量部を混和し、かつハンマーミル中において磨
砕する。この混合物を水に細分布することにより噴霧混合液が得られる。
VI.3重量部の有効成分を細粒状カオリン97重量部と密に混和する。これ
により有効物質3重量%を含有するダスト剤が得られる。
VII.30重量部の有効成分を、粉末状珪酸ゲル92重量部およびこの珪酸
ゲルの表面上に吹きつけられたパラフィン油8重量部よりなる混合物と密に混和
する。かくして良好な接着性を有する有効物質の製剤が得られる。
VIII.40重量部の有効成分を、フェノールスルホン酸/尿素/ホルムア
ルデヒド縮合物のナトリウム塩10重量部、珪酸ゲル2重量部および水48重量
部と混和する。安定な水性分散液が得られる。この分散液は更に水で希釈するこ
とができる。
IX.20重量部の有効成分を、ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩
2重量部、脂肪アルコールポリグリコールエーテル8重量部、フェノールスルホ
ン酸/尿素/ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩20重量部およびパラフィ
ン系鉱油88重量部と密に混和する。安定な油状分散液が得られる。
新規化合物は、広範囲な植物病理学的菌類、特にボトリチスに対する作用にお
いて優れており、秀でている。これらの数種類は組織的に活性であり(例えば、
効率に損害を与えずに、処理された植物に吸収され、必要に応じて植物内部で移
動可能である)、茎葉または土壌殺菌剤として使用可能である。
これらは種々の農作物、例えばコムギ、ライ麦、大麦、オート麦、稲、トウモ
ロコシ、芝、綿花、大豆、コーヒー、サトウキビ、ブドウ、果実および観賞用植
物および野菜、例えばキュウリ、豆類、ウリ、並びにこれら植物の種子における
多種細菌を防除するにあたり特に重要である。
本発明の化合物は、細菌、または細菌による被害から保護されるべき種子、植
物、資材または土壌を有効物質の殺菌有効量で処理する方法で施与される。
新規化合物は、細菌により資材、植物または種子に被害がもたらされる以前ま
たは以後に施与される。
新規の化合物は次のような植物病の防除に特に適している。
穀物類のエリシペ・グラミニス(Erysiphe graminis;うど
ん粉病)、
ウリ科のエリシペ・キコラケアラム(Erysiphe cichorace
arum)およびスフェロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fu
liginea)、
リンゴのポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leuco
tricha)、
ブドウのウンキヌラ・ネカトル(Uncinula necator)、
穀物類のプッキニア(Puccinia)種、
綿花およびシバのリゾクトニア種(Rhizoctonia)、
穀物類およびサトウキビのウスチラゴ(Ustilago)種、
リンゴのベンツリア・イネクアリス(Venturia inaeqalis
;腐敗病)、
穀物類のヘルミントスポリウム種(Helminthosporium)、
コムギのセプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)、
イチゴおよびブドウのボトリチス・キネレア(Botrytis ciner
ea;灰色カビ)、
ナンキンマメのセルコスポラ・アラキジコラ(Cercospora ara
chdicola)、
コムギおよびオオムギのシュードケルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Ps
eudocercosporella herpotrichoides)、
イネのピリクラリア・オリザエ(Pyricularia orizae)、
種々の植物のフサリウム(Fusarium)およびベルチキルリウム(Ve
rticillium)種、
果実および野菜のアルテルナリア(Alternaria)種、
果実のモニリニア(Monilinia)種
アブラナ科植物および野菜のスクレロチニア(Sclerotinia)種。
ボトリチスに対する施与が好ましい。
新規化合物を、例えばパエシロミセス・バリオッティ(Paecilomyc
es variotii)の資材保護(木材の保護)に
用いることも可能である。
本発明の殺菌剤組成物は、通常0.1−95重量%、好ましくは0.5−90
重量%の有効物質を有する。
所望の効果に応じて、ヘクタールあたりの有効物質の施与量を、0.02−3
kgとする。
種子を処理する場合、種子1kgにあたりに0.001−50g、特に0.0
1−10gの量の有効物質が一般的に必要とされる。
本発明の組成物は殺菌剤としての使用形態において、他の有効物質、例えば除
草剤、殺虫剤、生長抑制剤、殺菌剤または肥料と共に用いることも可能である。
各種殺菌剤を混合することにより、得られる殺菌効果が向上する場合も多い。
以下に本発明の化合物とともに使用可能な化合物を列挙するが、これは組み合
わせの可能性を示すためのものであって、制限を加えるためのものではない。
硫黄
ジチオカルバマート及びその誘導体、例えば
鉄(III)ジメチルジチオカルバマート、
亜鉛ジメチルジチオカルバマート、
亜鉛エチレンビスジチオカルバマート、
マンガンエチレンビスジオカルバマート、
マンガン−亜鉛−エチレンジアミン−ビス−ジチオカルバマート、
テトラメチルチウラムジスルフィド、
亜鉛−(N,N−エチレン−ビス−ジチオカルバマート)のアンモニア錯化合
物、
亜鉛(N,N′−プロピレン−ビス−ジチオカルバマート)のアンモニア錯化
合物、
亜鉛(N,N′−プロピレン−ビス−ジチオカルバマート)、
N,N’−ポリプロピレン−ビス(チオカルバモイル)ジスルフィド、
ニトロ誘導体、例えば
ジニトロ−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトナート、
2−sec−ブチル−4,6−ジニトロフェニル−3,3−ジメチルアクリ
ラート、
2−sec−ブチル−4,6−ジニトロフェニル−イソプロピルカルボナート
、
ジイソプロピル5−ニトロイソフタラート、
複素環式物質、例えば
2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン−アセタート、
2,4−ジクロロ−6−(o−クロロアニリノ)−s−トリアジン、
O,O−ジエチル−フタルイミドホスホノチオエート、
5−アミノ−1−〔ビス−(ジメチルアミノ)−ホスフィニル〕−3−フェニ
ル−1,2,4−トリアゾール、
2,3−ジシアノ−1,4−ジチオアントラキノン、
2−チオ−1,3−ジチオロ−(4,5−b)−キノキサリン、
1−(ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾール−カルバミン酸メチル
2−メトキシカルボニルアミノベンゾイミダゾール、
2−(フリル−(2))ベンゾイミダゾール、
2−(チアゾリル−(4))ベンゾイミダゾール、
N−(1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ)テトラヒドロフタルイミド
、
N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド、
N−トリクロロメチルチオフタルイミド、
N−ジクロロフルオロメチルチオ−N′,N′−ジメチル−N−フェニル硫酸
ジアミド、
5−エトキシ−3−トリクロロメチル−1,2,3−チアジアゾール、
2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール、
1,4−ジクロロ−2,5−ジメトキシベンゼン、
4−(2−クロロフェニルヒドラゾノ)−3−メチル−5−イソキサゾロン、
ピリジン2−チオ−1−オキシド、
8−ヒドロキシキノリン又はその銅塩、
2,3−ジヒドロ−5−カルボキシアニリド−6−メチル−1,4−オキサチ
イン、
2,3−ジヒドロ−5−カルボキシアニリド−6−メチル−1,4−オキサチ
イン−4,4−ジオキシド、
2−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−ピラン−3−カルボキシアニリド、
2−メチルフラン−3−カルボキシアニリド、
2,5−ジメチルフラン−3−カルボキシアニリド、
2,4,5−トリメチルフラン−3−カルボンキシアニリド、
N−シクロヘキシル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキシアミド、
N−シクロヘキシル−N−メトキシ−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキ
シアミド、
2−メチルベンズアニリド、
2−ヨードベンズアニリド、
N−ホルミル−N−モルホリン−2,2,2−トリクロロエチルアセタート、
ピペラジン−1,4−ジイルビス−(1−(2,2,2−トリクロロエチル)
ホルムアミド、
1−(3,4−ジクロロアニリノ)−1−ホルミルアミノ−2,2,2−トリ
クロロエタン、
2,6−ジメチル−N−トリデシルモルホリン又はその塩、
2,6−ジメチル−N−シクロドデシルモルホリン又はその塩、
N−〔3−(p−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル〕−シス
−2,6−ジメチルモルホリン、
N−〔3−(p−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル〕ピペリ
ジン、
1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−エチル−1,3−ジオキソラ
ン−2−イル−エチル〕−1H−1,2,4−トリアゾール、
1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオ
キソラン−2−イルエチル〕−1H−1,2,4−トリアゾール、
N−(n−プロピル)−N−(2,4,6−トリクロロフェノキシエチル)−
N′−イミダゾリル尿素、
1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4
−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノン、
1−(4−クロロフェニル)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−
トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール、
α−(2−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−5−ピリミジン
メタノール、
5−ブチル−2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン、
ビス(p−クロロフェニル)−3−ピリジンメタノール、
1,2−ビス−(3−エトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン、
1,2−ビス−(3−メトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン、お
よび種々の殺菌剤、例えば
ドデシルグアニジンアセタート、
3−[ 3−(3,5−ジメチル−2−オキシシクロヘキシル)−2−ヒドロ
キシエチル]グルタルイミド、
ヘキサクロロベンゼン、
メチルN−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2−フロイル)−DL−ア
ラニナート、
DL−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2′−メトキシアセチル)
アラニンメチルエステル、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−クロロアセチル−D,L−2−アミ
ノブチロラクトン、
DL−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(フェニルアセチル)アラニ
ンメチルエステル、
5−メチル−5−ビニル−3−(3,5−ジクロロフェニル)−2,4−ジオ
キソ−1,3−オキサゾリジン、
3−[3,5−ジクロロフェニル−(5−メチル−5−メトキシメチル]−1
,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−イソプロピルカルバモイルヒダント
イン、
N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,
2−ジカルボキシイミド、
2−シアノ−[N−(エチルアミノカルボニル)−2−メトキシイミノ]アセ
トアミド、
1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)ペンチル〕−1H−1,2,4−ト
リアゾール、
2,4−ジフルオロ−α−(1H−1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)
−ベンズヒドリルアルコール、
N−(3−クロロ−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−
5−トリフルオロメチル−3−クロロ−2−アミノピリジン、
1−((ビス−(4−フルオロフェニル)メチルシリル)メチル)−1H−1
,2,4−トリアゾール。
本発明の組成物の相乗作用を、以下の実施例により説明する。
使用実施例 ボトリチス・キネレア(Botrytis cinerea)に対する作用
4−5枚の葉が正常に生育した後のピーマンの苗(Neusiedler I
deal Elite種)に乾燥重量80%の有効成分と20%の乳化剤とを含
む水性懸濁液を液が滴るまで噴霧した。組成物が乾燥した後、ボトリチス・キネ
レア菌の分生胞子懸濁液を植物に噴霧し、これを22−24℃、高湿度にて保持
した。5日後、未処理対照植物の病状は、葉部壊死が大部分の葉部に発生する程
度に(病状水準83%)進行していた。使用したアミド化合物は、下記式の各化
合物I.1およびI.2である。
発病した葉部を百分率で示した目視による測定データを、未処理対照の百分率
としての作用水準に変換した。効率0は未処理対照と同様の病状水準を意味し、
効率100は0%の病状水準を意味するものとする。有効成分の組み合わせによ
る予想効率をコルビーの式(Colby、S.R.「Calculating
synergistic and antagonistic respons
es of herbicide Combinations」、Weeds、15
、20−22頁、1967)により算出し、実測効率と比較した。結果を下
記表1に示す。
上記実験結果より、あらゆる混合割合での実測による効率は予めコルビーの式
により算出された効率よりも優れていることがわかる。
使用実施例2 ピーマンの果実におけるボトリチス・キネレア(Botrytis ciner ea)に対する作用
ピーマン果実のディスクに乾燥重量80%の有効成分と20%の乳化剤とを含
む水性懸濁液を液が滴るまで噴霧した。組成物が乾燥した2時間後、上記ディス
クにボトリチス・キネレアの胞子懸濁液を噴霧した(濃度2%のバイオモルツ溶
液1ミリリットルに1.7x106 胞子を含む)。次いで細菌に感染した果実
のディスクを18℃、高湿度のチャンバー内にて4日間培養した。感染した果実
ディスク上のボトリチスの繁殖を目視にて評価した(病状程度94%)。用いた
アミド化合物は上記化合物IIおよびIIIである。
発病した葉部を百分率で示した目視による測定データを、未処理対照の百分率
としての作用水準に変換した。効率0は未処理対照と同様の病状水準を意味し、
効率100は0%の病状水準を意味するものとする。有効成分の組み合わせによ
る予想効率をコルビーの式(Colby、S.R.「Calculating
synergistic and antagonistic respons
es of herbicide Combinations」、Weeds、15
、20−22頁、1967)により算出し、実測効率と比較した。結果を下
記表1に示す。
上記実験結果より、あらゆる混合割合での実測による効率は予めコルビーの式
により算出された効率よりも優れていることがわかる。
以下の表3に記載の式Iaの化合物の1種をアミド化合物として用いた場合も
同様の結果が得られた。
(式中Aは
または、ヨーロッパ特許出願公開第545099号公報に記載の、他の化合物を
意味する。)
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年9月12日
【補正内容】
請求の範囲
1.固体もしくは液体状担体、下式のフェナザキン(fenazaquin)
および下式I
A−CO−NR1R2
で表わされ、かつ
Aが、アリール基またはO、N、Sの中から選ばれる1から3個のヘテロ原子
を有する、芳香族もしくは非芳香族の5もしくは6員の、チアゾリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリルまたはピリジ
ルから選択されるヘテロ環基(これらヘテロ環基は、非置換でも、相互に無関係
にアルキル、ハロゲン、CHF2、CF3、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキ
ルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルの中から選ばれる1、2も
しくは3個の置換基を持っていてもよい)を意味し、
R1が水素原子を意味し、
R2がフェニルまたは非置換の、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、
アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキル、シクロア
ルケニル、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、フェニル、ハロゲ
ンの中から選ばれる1、2もしくは3個の置換基を持っていてもよいシクロアル
キル基(上記脂肪族、脂環式基は部分的もしくは完全にハロゲン化されており、
かつ/もしくは脂環式基は1から3個のアルキル基で置換されていてもよく、上
記フェニル基は、1から5個のハロゲン原子および/または1から3個の、アル
キル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキ
ルチオの中から相互に無関係に選ばれる置換基を持っていてもよく、また上記ア
ミドフェニル基は縮合して、1個もしくは複数個のアルキル基で置換されていて
もよく、かつ/もしくはヘテロ原子OもしくはSを持っていてもよい飽和5員環
を形成してもよい)を意味する場合の少なくとも1個のアミド化合物を含有する
、有害菌類抑制用の組成物。
2.式I中のAが、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリルのいず
れかを意味し、これら各基が、相互に無関係に、1、2もしくは3個のアルキル
、ハロゲン、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルのいずれかの置換基を持っ
ていることを特徴とする、請求項1の組成物。
3.式I中のAが、
非置換の、または2−位においてハロゲン、メチル、ジフルオロメチル、トリ
フルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニ
ルのいずれかにより置換されているピリジン−3−イルを、
非置換の、または2−および/または4−位においてメチル、塩素、ジフルオ
ロメチル、トリフルオロメチルで置換されているチアゾール−5−イルを、
非置換の、または2−および/または5−位においてメチル、塩素、ジフルオ
ロメチル、トリフルオロメチルで置換されているチアゾール−4−イルを、
非置換の、または3−および/または5−位においてメチル、塩素、ジフルオ
ロメチル、トリフルオロメチルで置換されている1−メチルピラゾール−4−イ
ルを、または
非置換の、または2−および/または5−位においてメチル、塩素で置換され
ているオキサゾール−5−イルを意味することを特徴とする、請求項1の組成物
。
4.式I中のR2が、非置換の、または1、2もしくは3個の請求項1の置換
基により置換されているフェニル基を意味する場合の化合物を含有することを特
徴とする、上記各請求項のいずれかの組成物。
5.式I中のR2が、2−位において以下の置換基、すなわちC3−C6アルキ
ル、C5−C6シクロアルケニル、C5−C6シクロアルキルオキシ、シクロアルケ
ニルオキシを持っているフェニル基(これら置換基自体が1、2または3個のC1
−C4アルキル基、または1から5個のハロゲン原子および/または1から3個
のC1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキ
シ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4ハロアルキルチ
オで置換されていてもよいフェニルより置換されてもよい)を意味し、あるいは
インダニルまたはオキサインダニル(これらが非置換であるか、または1、2も
しくは3個のC1−C4アルキルで置換されていてもよい)を意味することを特徴
とする、請求項4の組成物。
6.下式Ia
で表わされ、かつ式中の
Aが下式
で表わされる基を意味し、これら式中の
Xがメチレン、硫黄、スルフィニル、スルホニル(SO2)を意味し、
R3がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素、臭素、沃素を
意味し、
R4がトリフルオロメチル、塩素を意味し、
R5が水素またはメチルを意味し、
R6がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素を意味し、
R7が水素、メチル、塩素を意味し、
R8がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルを意味し、
R9が水素、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素を意味し
、
R10がC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルチオ、ハロ
ゲンを意味する場合のアミド化合物を含有することを特徴とする、請求項1から
5のいずれかの組成物。
7.下式Ib
で表わされ、かつ式中のR4がハロゲンを、R11がハロゲン置換フェニルを意味
する場合の化合物をアミド化合物として含有することを特徴とする、請求項1か
ら5のいずれかの組成物。
8.アミド化合物として、下式
で示されるいずれかの化合物を含有することを特徴とする、請求項1の組成物。
9.固体もしくは液体状の担体中におけるフェナザキンと、固体もしくは液体
状の担体中におけるアミド化合物の両部分から構成される上記各項のいずれかの
組成物。
10.上記1から9の各項のいずれかにおける組成物の有効組成物、フェナザ
キンとアミド化合物を、同時に、換言すれば共存的に、あるいは別個に、あるい
は相連続して、有害菌類、その周囲またはこれによる感染ないし汚染から防護さ
れるべき各種材料、植物、種子、土壌、区域、空間に施こすことを特徴とする、
有害菌類の抑制方法。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年11月3日
【補正内容】
請求の範囲
1.固体もしくは液体状担体、下式のフェナザキン(fenazaquin)
および下式I
A−CO−NR1R2
で表わされ、かつ
Aが、芳香族もしくは非芳香族の5もしくは6員の、チアゾリル、ピラゾリル
、イミダゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリルまたはピリジル
から選択されるヘテロ環基(これらヘテロ環基は、非置換でも、相互に無関係に
アルキル、ハロゲン、CHF2、CF3、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル
チオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルの中から選ばれる1、2もし
くは3個の置換基を持っていてもよい)を意味し、
R1が水素原子を意味し、
R2がフェニルまたは非置換の、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、
アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキル、シクロア
ルケニル、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、フェニル、ハロゲ
ンの中から選ばれる1、2もしくは3個の置換基を持っていてもよいシクロアル
キル基(上記脂肪族、脂環式基は部分的もしくは完全にハロゲン化されており、
かつ/もしくは脂環式基は1から3個のアルキル基で置換されていてもよく、上
記フェニル基は、1から5個のハロゲン原子および/または1から3個の、アル
キル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキ
ルチオの中から相互に無関係に選ばれる置換基を持っていてもよく、また上記ア
ミドフェニル基は縮合して、1個もしくは複数個のアルキル基で置換されていて
もよく、かつ/もしくはヘテロ原子OもしくはSを持っていてもよい飽和5員環
を形成してもよい)を意味する場合の少なくとも1個のアミド化合物を含有する
、有害菌類抑制用の組成物。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 レツラフ,ギュンター
ドイツ国、D−67354、レーマーベルク、
シラーシュトラーセ、34
(72)発明者 アマーマン,エーバーハルト
ドイツ国、D−64646、ヘペンハイム、フ
ォン−ガーゲルン−シュトラーセ、2
(72)発明者 ロレンツ,ギーゼラ
ドイツ国、D−67434、ハムバッハ、エル
レンヴェーク、3
(72)発明者 シュトラトマン,ズィークフリート
ドイツ国、D−67117、リムブルガーホー
フ、ドナースベルクシュトラーセ、9