JPH11512508A - 車における電気作動ディスクブレーキの改良 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電気モータ（３）を含むブレーキ作動装置と、円周方向に間隔を応対場所の摩擦部材（９）に作用するようにモータ（３）の動作に応答して軸線方向のブレーキ作動力を摩擦部材（９）に加える伝達装置とによって回転可能なブレーキディスク（２）に摩擦部材を作用させる種類の車の電気作動ディスクブレーキ組立体。これは、摩擦部材／ディスクの境界面にほぼ均一に荷重をかけることを実現する。１つの実施例において、伝達装置は、軸線方向に間隔を置いた一対のねじ装置（４，５）を有する。このねじ装置（４，５）は、共通の歯車列を（６）を介して作用するモータ（３）によって回転可能であり、このモータは、ブレーキの重心に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】 車における電気作動ディスクブレーキの改良 本発明は、組立体の一部分を形成する電気モータと、モータの作動に応答して 摩擦部材に制動力を加える伝達手段と、を含むブレーキ作動装置によって回転可 能なブレーキディスクに摩擦力を加える種類の車に関する電気作動ディスクブレ ーキ組立体の改良に関する。 前述した種類のブレーキは、ヨーロッパ特許第ＥＰ−Ａ−０３３９０２４から 知られている。ヨーロッパ特許第ＥＰ−Ａ−０３３９０２４のブレーキにおいて 、電気モータは減速歯車ボックスへの入力を駆動するために使用され、この歯車 ボックスはモータの高速の回転をディスクに関して軸線方向に摩擦部材を移動さ せるようになっているねじ装置の形で伝達手段に制御された高トルクの出力にモ ータの高速の動きを伝達するようになっている。 ヨーロッパ特許第ＥＰ−Ａ−０３３９０２４において、電気モータ、歯車ボッ クスおよびねじ装置は、連続して配置される。これらの部品は、順に配列される ので、その結果ブレーキ組立体は全体的にかなり大きな寸法になる。さらにモー タは制動に対する取付点からある距離離れた所定の点に歯車ボックスによって移 動される。したがって、モータの大きな質量は、ブレーキ組立体に所定のモーメ ントを加える。車の正規の走行状態において、車輪が道路の不規則な部分の上を 通過するとき大きな加速または振動が車輪に、従って、ブレーキに加わる。これ らのこの時点ですでに大きな力はモータおよびブレーキに極端に大きな振動を発 生する傾向があり、これは事態を悪化させる。なぜならば、モータは、ブレーキ 取付点を突出させるからである。ヨーロッパ特許第ＥＰ−Ａ−０３３９０２４に 示されたブレーキは、前述したすべての振動および大きな力に耐えるために十分 に丈夫でなければならず、そうでなければ、モータおよびブレーキ内の疲労また は同様の応力による故障が起こる。このような耐久性は、通常、ブレーキ組立体 の全体質量に加えられる適当な部品を強化することによって達成される。これは 、明らかに望ましくない。なぜならば、車のばね下質量を増加することは、ステ アリングおよびサスペンション設計および制御の双方に関連する車の取り扱いの 問題を発生させるからである。 ヨーロッパ特許第ＥＰ−Ａ−０３３９０２４に示されたブレーキにおいて、ブ レーキ制動力を摩擦部材に加えるねじ装置は、一単位としての構造である。１つ のねじは、摩擦部材の中央にクランプ力を加える。摩擦部材の圧力の中心は、摩 擦部材の中央から偏心しているので、摩擦の中心から偏心した１つの点のローデ ィングオフセットは通常のブレーキトルクに加えて摩擦部材に反作用トルクを発 生する場合がある。反作用トルクおよび正規のブレーキトルクは、ブレーキハウ ジングによって支持されなければならないので、強化すべき摩擦部材に関する支 持または当接場所が必要になる。このように強化を強めることは、上述したよう な結果としての利点を備えてはいるがブレーキ組立体の全体の質量の増大を招く 。 本発明によれば、ブレーキ作動装置によって回転可能なブレーキディスクに接 触するようになっている摩擦部材を有し、ブレーキ作動装置は、電気モータと、 このモータの動作に応答して摩擦部材に軸線方向のブレーキ作動力を加えるよう になっている伝達装置とを備えた車の電気作動ディスクブレーキ組立体において 、前記伝達装置は、円周方向に間隔を置いた場所で摩擦部材に作用することを特 徴とする電気作動ディスクブレーキ組立体を提供する。 これは、摩擦部材／ディスク境界面に均一な荷重を生じ、それによって反作用 トルクの大きさを低減する。 好ましくは、伝達装置は、一対の円周方向に間隔を置いたねじ装置を備え、こ のねじ装置は、軸線方向の力を摩擦部材に摩擦力を加えるために電気モータによ って同時に回転可能であり、この電気モータは、共通の歯車列を通ってねじ装置 に作用する。 これは、軸線方向に制限されてはいるが、円周方向にある空隙における設置を 容易にするために軸線方向に特にコンパクトな組立体を提供する。 好ましくは、歯車列は、駆動入力を提供するモータがほぼブレーキの重心に配 置されるように一組の減速平歯車を有する。 好ましくは、歯車列は、１つのモータ軸を有する１つの入力駆動部材から多数 の出力駆動部材に分かれるように配置されている。 １つの構成において、前記モータからの駆動力は前記モータの一端から引き出 される。 別の例としては、前記モータの両端は、所定数の駆動部材の出力に必要な少な くとも１つの入力を提供するように配置されている。 歯車列は、摩擦部材の後面に隣接して配置されている。 別の例として、歯車列は、摩擦部材から離れた所定の位置に配置されるように なっている。歯車列がブレーキ面から離れているので、列を形成する歯車輪がか なり低い温度を受けるという利点を有する。その結果として、それらは合成プラ スティック材料から構成されており、それによってブレーキ組立体の全体重量を 低減する。さらに、移動センサは、ねじの移動を指示する信号を提供するため少 なくとも１つのねじ装置に作動的に接続されており、これは、摩擦部材の摩耗を 支持する信号を提供するように使用される。 本発明の実施例を添付図面において示す。 第１図は、電気作動ブレーキの平面図である。 第２図は、第１図のブレーキの歯車列の構成図である。 第３図は、移動センサを組み込んだ他の電気作動ブレーキの第１図と同様の図 面である。 第４図は、他の電気作動ブレーキの平面図である。 第５図は、第４図のブレーキの側面図である。 添付図面の第１図に示す電気作動ブレーキにおいて、金属鋳造または鍛造の形 態の静止ブレーキ支持体１は、車の車輪と共に回転可能なディスク２の一方の面 に隣接した固定部分へ取付点によって取り付けられる。支持体１は、電気モータ ３の取付部を有し、電気モータ３はハウジング内に配置されるとともに歯車列６ を介して一対のねじ装置４，５を有するトランスミッション装置を駆動する。ね じ装置４，５は、モータ３の両端で円周方向に間隔を置いており、圧力プレート ８の円周方向に間隔を置いた位置で協慟し、摩擦部材９に作用する。摩擦部材９ はディスク２に係合している摩擦材料のライニング１１を支持するために剛性の バッキングプレート１０を有する。 ねじ装置は、両側にあり、各ねじ装置４，５は、ナット１３と螺合する支柱を 画定する回転不可能なボールねじ１２を有する。支柱１２は、圧力プレート８に 係合するためその内端と、エンドカバー１４で受けられるその外端とでナット１ ３から突出している。ナット１３は、ブレーキに回転可能に取り付けられ、支持 体１３の環状凹部１６に受けられる回転可能なスラスト軸受に対してその外端で 当接している。 第２図に詳細に示されている歯車列６は、モータ３によって駆動される出力軸 ２１に取り付けられる歯車輪２０を有する。歯車輪２０は、モータ３のハウジン グから前方に突出している支柱軸２４，２５によって支持された一対のアイドラ 歯車輪２２，２３とかみ合う。歯車輪２２，２３より小さい直径の一対の歯車輪 ２６，２７は、軸２４，２５に固定されており、ハウジングと歯車輪２２，２３ との間に配置されている。歯車輪２６，２７は、各ナット１３の周縁方向に間隔 を置いた歯２８，２９のリングとかみ合っている。 電気モータ３の動作は、作動中に歯車輪２０を回転させ、歯車２２，２６，２ ３，２７を介して同時にナット１３を反対方向に回転させる。 ねじ装置４，５は、両側にあるので、一方向へのモータ３の回転は、支柱を一 方向に移動させ、ブレーキをかけるべきときに摩擦パッド１１を押して一方向に 移動させ、ブレーキをかけた後、モータ３が他方向に回転することによって、ブ レーキを解放する。 ブレーキをかけるときに、摩擦部材９への反作用は、ナット１３および軸受１ ５を通じて支持体１に伝達される。 歯車列６はほぼ平坦かまたは小さい輪郭を有するので、電気モータ３は、ブレ ーキ組立体のほぼ中心に配置することができる。これは、車のブレーキの取り付 け点から大きく離れた距離に垂下した大きな質量のないコンパクトな組立体を提 供する。 上述したブレーキは、ブレーキ作動力を第２の摩擦部材に伝達するように相対 的に軸線方向に移動できるように支持体上に取り付けられるキャリパまたはクラ ンピングによってディスクの他方の面に第２の摩擦部材が押されるようになって いるスライディングキャリパタイプである。このような公知のブレーキはドイツ 特許ＧＢ−Ａ−１３８１７０９に示されている。 添付図面の第３図に示すブレーキにおいて、モータ３、ねじ装置４，５および 歯車列６の位置は、逆方向についている。図示するように、歯車列６は、ディス ク２から離れたモータ３の端部に配置されている。歯車列６はブレーキ面から離 れているので、歯車輪は相当の低温で作動する。これは所望ならば歯車輪を合成 プラスティック材料から製造することを可能にし、したがって、これは、組立体 の全体重量を低減することができる。 移動センサ４０は、軸線方向へのねじの運動を示す信号を提供し、摩擦ライニ ング１１の摩耗を示すためにねじ装置５の支柱１４と協慟するようにするために 支持体１に組み込むことができる。 第３図のブレーキの構成および動作は、第１図および第２の構成および動作と 同様であり、対応する部品には対応する参照数字が付されている。 添付図面の第４図および第５図に示すブレーキにおいて、キャリパまたはクラ ンプ部材を画定するクラウン部材５０が支持体１およびモータ３の上部に取り付 けられている。クラウン部材５０は公知の構造でブレーキ組立体の両端に配置さ れた円周方向に間隔を置いて配置され密封されたガイドピン５１によって支持体 １２で軸線方向に摺動可能に案内される。 ブレーキが作動されるとき、支持体５０はブレーキ作動力を摩擦部材としての 第２の摩擦部材５２に伝達するように軸線方向に移動するようになっており、同 時に摩擦部材９は、上述したように電気モータ３の動作によってディスクに接触 する。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年８月１９日 【補正内容】 請求の範囲 １．ブレーキ作動装置によって回転可能なブレーキディスク２に接触するよう になっている摩擦部材９を有し、前記ブレーキ作動装置は、電気モータ３と、こ のモータ３の動作に応答して摩擦部材９に軸線方向のブレーキ作動力を加えるよ うになっている伝遅装置とを備え、この伝達装置は、円周方向に間隔を置いた場 所で前記摩擦部材９に作用し、軸線方向の力を前記摩擦部材９に加えるように電 気モータによって同時に回転可能な円周方向に間隔を置いた一対のねじ装置を有 する車の電気作動ディスクブレーキ組立体において、前記電気モータ３が前記摩 擦部材９の後面に隣接するように配置された共通の歯車列を介して前記ねじ装置 ４，５に作用することを特徴とする電気作動ディスクブレーキ組立体。 ２．前記歯車列は、一組の減速平歯車を有する請求項１に記載の電気作動ディ スクブレーキ組立体。 ３．駆動入力を提供する電気モータ３は、ブレーキの質量のほぼ中心に配置さ れている請求項１または２に記載の電気作動ディスクブレーキ組立体。 ４．前記歯車列は、１つのモータ軸を有する１つの入力駆動部材から多数の出 力駆動部材に分かれる請求項１ないし３のいずれかに記載の電気作動ディスクブ レーキ組立体。 ５．前記モータからの駆動入力は、モータの一端から抽出される請求項１ない し４のいずれかに記載の電気作動ディスクブレーキ。 ６．前記モータの両端は、所定数の出力駆動部材に必要とされる少なくとも１ つの入力を提供する請求項１ないし５のいずれかに記載の電気作動ディスクブレ ーキ。 ７．前記歯車は、合成プラスティック材料から製造される請求項１ないし６の いずれかに記載の電気作動ディスクブレーキ。 ８．移動センサは、ねじの動きを指示する信号を提供するために少なくとも１ つのねじ装置に作動的に接続されている請求項１ないし７に記載の電気作動ディ スクブレーキ。 ９．前記信号は、摩擦部材９の摩耗を示す信号を生成する請求項８に記載の電 気作動ディスクブレーキ。 本発明によれば、ブレーキ作動装置によって回転可能なブレーキディスクにか けられるようになっている摩擦部材を有し、ブレーキ作動装置は、電気モータと 、このモータの動作に応答して摩擦部材に軸線方向のブレーキ作動力を加えるよ うになっている伝達装置とを備え、この伝達装置は、円周方向に間隔を置いた場 所で摩擦部材に作用し、軸線方向の力を摩擦部材に加えるように電気モータによ って同時に回転可能な円周方向に間隔を置いた一対のねじ装置を有する車の電気 作動ディスクブレーキ組立体において、電気モータが摩擦部材の後面に隣接する ように配置された共通の歯車列を通してねじ装置に作用することを特徴とする電 気作動ディスクブレーキ紹立体を提供する。 これは、摩擦部材／ディスク境界面に均一な荷重を生じ、それによって反作用 トルクの大きさを低減する。 好ましくは、伝達装置は、一対の円周方向に間隔を置いたねじ装置を備え、こ のねじ装置は、軸線方向の力を摩擦部材に加えるために電気モータによって同時 に回転可能であり、この電気モータは、共通の歯車列を通ってねじ装置に作用す る。 これは、軸線方向に制限されてはいるが、円周方向にある空隙における設置を 容易にするために軸線方向に特にコンパクトな組立体を提供する。 好ましくは、歯車列は、入力駆動を提供する電気モータがブレーキの質量のほ ぼ中心に配置されるように一組の減速平歯車を有する。 好ましくは、歯車列は、１つのモータ軸を有する１つの入力駆動部材から多数 の出力駆動部材に分かれるように配置される。 １つの構成において、モータからの駆動入力は、モータの一端から抽出される 。 別の例として他の構成において、モータの両端は、所定数の出力駆動部材に必 要とされる少なくとも１つの入力を提供する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ブレーキ作動装置によって回転可能なブレーキディスク２にかけられるよ うになっている摩擦部材９を有し、前記ブレーキ作動装置は、電気モータ３と、 このモータ３の動作に応答して摩擦部材９に軸線方向のブレーキ作動力を加える ようになっている伝達装置を備えた車の電気作動ディスクブレーキ組立体におい て、前記伝達装置は、円周方向に間隔を置いた場所で前記摩擦部材９に作用する ことを特徴とする電気作動ディスクブレーキ組立体。 ２．伝達装置は、一対の円周方向に間隔を置いたねじ装置４，５を備え、この ねじ装置は、軸線方向の力を摩擦部材９に摩擦力を加えるために電気モータによ って同時に回転可能であり、この電気モータ３は、共通の歯車列６を介して前記 ねじ装置４，５に作用する請求項１に記載の電気作動ディスクブレーキ組立体。 ３．前記歯車列は、一組の減速平歯車を有する請求項２に記載の電気作動ディ スクブレーキ組立体。 ４．駆動入力を提供する電気モータ３はブレーキの質量のほぼ中心に配置され ている請求項１ないし３のいずれか１項に記載の電気作動ディスクブレーキ組立 体。 ５．前記歯車列は、１つのモータ軸を有する１つの入力駆動部材から多数の出 力駆動部材に分かれるように配置されている請求項２ないし４のいずれか１項に 記載の電気作動ディスクブレーキ組立体。 ６．前記モータからの駆動力は前記モータの一端から引き出される請求項１な いし５のいずれか１項に記載の電気作動ディスクブレーキ組立体。 ７．前記モータの両端は、所定数の駆動部材の出力に必要な少なくとも１つの 入力を提供するように配置されている請求項１ないし６のいずれか１項に記載の 電気作動ディスクブレーキ組立体。 ８．前記歯車列６は、摩擦部材９の後面に隣接して配置されている請求項２な いし７のいずれか１項に記載の電気作動ディスクブレーキ組立体。 ９．前記歯車列６は、摩擦部材９から離れた所定の位置に配置されるようにな っている請求項２ないし７のいずれか１項に記載の電気作動ディスクブレーキ組 立体。 １０．前記歯車は、合成プラスティック材料から製造されている請求項２ない し９のいずれか１項に記載の電気作動ディスクブレーキ組立体。 １１．移動センサは、ねじの運動を支持する信号を提供する少なくとも１つの ねじ装置に作動可能に接続されている請求項２ないし９のいずれか１項に記載の 電気作動ディスクブレーキ組立体。 １２．前記信号は、摩擦部材９の摩耗を指示する信号を提供するようになって いる請求項１１に記載の電気作動ディスクブレーキ組立体。