JPH09507559A - 特に重車両用のディスクブレーキのパッド押しつけ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 このパッド押しつけ装置は、ブレーキパッドをブレーキディスクに当てるためにプランジャ軸心（Ｃ）の方向に変位できる少なくとも一つのプランジャ（３０）と、横軸心（Ｂ）を中心として回転できる少なくとも一つの偏心輪（２４）とを備えている。ロール体（２８）が、前記プランジャ（３０）に作動力を伝達するために偏心輪（２４）に支承されている。調節体（７０）が、前記横軸心（Ｂ）に対して或る角度で伸びている調節軸心（Ｄ）の回りに、ライニングの摩耗を補整するために回転できる。ピン（７６）が前記偏心輪（２４）に固定されており、前記調節体（７０）と協働して、ライニングの摩耗を補整する調節を行うために、トルクを伝達する。該ピン（７６）は、安全機構（７６、９８）の一部を形成し、この安全機構により、前記ロール体（２８）が前記偏心輪（２４）に関して前記横軸心（Ｂ）の方向に誤って動くのが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】 特に重車両用の ディスクブレーキのパッド押しつけ装置 本発明は、特に重車両用のディスクブレーキのパッド押しつけ装置(Zuspannvo rrichtung)であって、 −ブレーキパッドをブレーキディスクに当てるためにプランジャ軸心の方向に変 位できる少なくとも一つのプランジャと、 −横軸心(Querachse)を中心として回転できる少なくとも一つの偏心輪と、 −前記プランジャに作動力を伝達するために該偏心輪に支承されたロール体と、 −前記横軸心に対して或る角度で伸びている調節軸心の回りに、ライニングの摩 耗を補整するために回転できる少なくとも一つの調節体と、 −前記偏心輪に固定されライニングの摩耗を補整する調節を行うために前記調節 体と、トルクを伝達して協働するピンとを備えた、車両用ディスクブレーキのパ ッド押しつけ装置に関する。 この種の装置は、ドイツ国特許出願公開明細書 DE 42 12 406 A1から公知であ る。 本発明の一つの目的は、上記種類の装置によって、当該偏心輪及び該偏心輪と 協働する構造要素の特に簡単で且つ信頼性の高い組み立てを可能にすることであ る。 本発明によれば、前記ピンが、安全機構(Sicherungsvorrichtung)の一部を形 成し、この安全機構により、前記ロール体が前記偏心輪に関して前記横軸心の方 向に誤って動くのが防止されることで、上記の目的が達成される。このため、該 ピンは、偏心輪と調節体との間の非平行伝動機構(Winkeltrieb)の一部を形成す るというその従来の機能に加えて、保持部材として機能するという更なる機能を 有し、このことは、全体の構造を簡単にする。 有利な変形例は、従属項である請求項２及び３から明らかである。 もう一つの態様によれば、本発明は、特に重車両用のディスクブレーキのパッ ド押しつけ装置であって、 −ブレーキパッドをブレーキ・ディスクに当てるためにプランジャ軸心の方向に 変位できる少なくとも一つのプランジャと、 −前記プランジャを変位させる少なくとも一つの偏心輪を有し、かつ、横軸心を 中心として回転できる回転体と、 −前記横軸心に対して或る角度で伸びている調節軸心の回りに、ライニングの摩 耗を補整するために回転できる少なくとも一つの調節体とを備え、 −前記二つの体の一方が、トルクを伝達するために前記体のもう一方の凹所内に 伸びているピンを支承している、車両用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置 に関する。 上述の種類の非平行伝動機構を有するパッド押しつけ装置はDE-A-42 04 307か ら公知であり、その装置においては、半径方向に突出した二本のピンが回転体に 固定されており、また、駆動レバーが調節体に配置されていて、該調節体の外形 は、三つの歯と二つの歯溝とを有する歯車部分と同様である。該歯溝のそれぞれ には、それぞれ前記回転体に固定された前記二本のピンの一方が係合する。この ようにして、前記調節体は、非平行伝動機構について古代から公知である、或る 種の歯車(Triebstockverzahnung)により前記回転体に接続されている。この歯車 には、現代の歯と比べて、ピンと歯との点接触があるだけなので、摩耗を生じさ せる高い表面圧力が発生するという欠点がある。しかしながら、この摩耗は、上 記の種類の非平行伝動機構においては特に望ましくない。この摩耗が、調節が為 される箇所である、ブレーキ作動の遊び(Bremslueftspiel)が時間の経過と共に 益々、大きくなる原因となるからである。 非平行伝動機構を備える上記種類に属する、DE-A-40 20 485から公知のパッド 押しつけ装置についても、同様に上記のことが妥当する。該装置においては、回 転体を越えて半径方向に伸びているピンが該回転体に保持されて、該ピンが該回 転体の軸心に交差する軸心を中心として回動できるようになっている。この場合 にも、レバーが、前記回転体が回転するときに回転すべき調節体に固定されてい て、該レバーは、前記ピンが内部で伸びている凹所を有する。この場合、少なく とも、前記回転体及び前記調節体が特定の位置を占めるときには、前記ピンが前 記の所属凹所の縁部に点的にしか接触しないということは不可避である。 DE-A-40 32 886から公知であり且つ同様に非平行伝動機構を備える上記種類に 属するもう一つのパッド押しつけ装置においては、回転体に固定されたピンは球 状頭部を有しており、該球状頭部は、調節体に取り付けられたレバーによってフ ォーク状に抱持されている。しかしながら、最も有利な場合としてピンとレバー とが線接触できるのは、該レバーに関する該ピンの中心位置の領域の中のみに限 られる。 より有利な接触状態が、DE-U-92 08 699から公知であるパッド押しつけ装置で 実現されており、この場合にも、ブレーキを作用させるために第一の軸心を中心 として回転できる回転体が、ライニングの摩耗を補整するために第二の軸心を中 心として回転できる調節体に接続されており、上記二つの軸心は、直角に交差て いる。該二つの体は、該体のそれぞれに設けられたかさ歯車の歯部分を介して直 接、互いに係合している。これら二つのかさ歯車の歯部分は、少なくともすべて の作用位置で一本の接触線に沿って互いに接触する。しかし、この比較的有利な 接触状態は、製造コストが比較的高くつくという犠牲を払わなければならない。 従って、第二の態様によれば、本発明の目的は、ディスクブレーキにおけるラ イニングの摩耗を補整するための調節体を備えたパッド押しつけ装置を、最小の 費用で製造し得るような仕方で実現することである。 上記種類のパッド押しつけ装置から出発して、前記二つの体の一方に固定され たピンに摺動ブロックが回転可能に支持され、該摺動ブロックが、前記二つの体 のもう一方の凹所の断面形状に適合した外形を有し、かつ、前記凹所に沿って摺 動可能に案内されることで本発明の第二の態様による目的が達成される。 有利な変形例が、従属項である請求項５及び６から明らかにされる。 第三の態様によれば、本発明は、特に重車両用のディスクブレーキのパッド押 しつけ装置であって、 −ブレーキパッドをブレーキ・ディスクに当てるためにプランジャ軸心の方向に 変位できる少なくとも一つのプランジャと、 −前記プランジャを変位させる少なくとも一つの偏心輪を有し、かつ、横軸心を 中心として回転できる回転体と、 −該回転体により、調節軸心を中心として回転させられるように構成された少な くとも一つの調節体と、 −ブレーキパッドにおけるライニングの摩耗を補整するために前記調節体により 駆動されるよう構成された調節駆動体と、 −前記調節体と前記調節駆動体との間に配置された摩擦クラッチ(Rutschkupplun g)と、 −該摩擦クラッチによって伝達できるトルクを決定する軸方向力を伝達する押し つけ体とを備えたパッド押しつけ装置に関する。 実際には、上記種類のパッド押しつけ装置については、時々、過度の調節が観 察されて来た。このため、本発明の第三の態様は、簡単な構造的手段によりディ スクブレーキのライニングの摩耗を補整するための調節体を備えたパッド押しつ け装置を、この過度の調節が防止されるような仕方で実現することを目的として いる。 上記型式のパッド押しつけ装置から出発して、第三の態様による本発明の目的 は、前記調節体と前記押しつけ体とが、互いに接触せず望遠鏡式に伸縮可能に嵌 り合い且つ互いに独立に支持されていることで達成される。 有利な変形例は、従属項である請求項８から明らかにされる。 本発明の一つの実施例について、概略図面に関して以下に更に詳細に説明する 。 添付図面において、 図１は、図２の面Ｉ−Ｉにおけるパッド押しつけ装置の側断面図、 図２は、図１におけるII−II縦断面図、 図３は、図１におけるIII−III断面図、 図４は、図３において矢印IVの方向に見た部分図、 図５は、図３の部分拡大図である。 これらの図面には、重トラック及びバスに使用される従来型ディスクブレーキ のパッド押しつけ装置１０が図示されており、該パッド押しつけ装置は、ブレー キディスクの軸心Ａを中心として回転可能であるブレーキディスク（図示せず） に適用される。ブレーキキャリパー（図示せず）の一部を形成するよう構成され 、かつ、ハウジングカバー１４により閉鎖されたハウジング１２を該パッド押し つけ装置１０は備えている。堅固なねじ１６が該ハウジングカバー１４を該ハウ ジング１２に固定し、シート材料で出来たシール１８が、これら二つの部分の間 に配置されている。回転体２０がハウジング１２内に配置されている。ブレーキ ディスク軸心Ａを直角に横断し、従って、ブレーキディスクに関して平行に伸び ている横軸心Ｂを中心として該回転体２０は回転可能である。該回転体２０は、 二つの偏心輪２４の間に中心部分２２を備えており、該偏心輪２２のそれぞれは 、円筒の一部のような形状の、又はカップ状の形状の二つのころ軸受２６により ハウジングカバー１４の内側に組み込まれている。ロール体２８が二つの偏心輪 ２４のそれぞれに半軸受２７により支持されており、該ロール体２８の軸心は横 軸 心Ｂに関して平行に伸びている。 二つのプランジャ３０のそれぞれは、二つの偏心輪２４に割り当てられ、該プ ランジャのそれぞれは、ブレーキディスクの軸心Ａに関して平行に伸び且つ横軸 心Ｂと直角に交差するプランジャ軸心Ｃを有する。これらのプランジャ３０は、 パッド押しつけ装置１０の中心面に関して対称に配置されており、該中心面は、 ブレーキディスクの軸心Ａを含み且つ横軸心Ｂに対して垂直である。これら二つ のプランジャ３０のそれぞれは、スリーブ状のプランジャ部分３２と、ボルト状 のプランジャ部分３４と、キャップ３６とから成っている。それぞれのプランジ ャ軸心Ｃに沿って摺動し且つ該プランジャ軸心Ｃを中心として回転できるように 、これら二つのスリーブ状のプランジャ部分３２のそれぞれは、ハウジング１２ にしまりばめされたスライド軸受３８内に支承されている。プランジャ部分３２ のそれぞれは、内ねじを有しており、該内ねじにより、該プランジャ部分３２は 相手方のボルト状プランジャ部分３４の、適合する外ねじ部分にねじ込まれる。 二つの前記キャップ３６が、相手になるスリーブ状のプランジャ部分３２内にし まりばめされ、該キャップ３６のそれぞれは、上記プランジャ部分３２とは反対 の方向にあって、且つプランジャ軸心Ｃに対して垂直である平面状の前面を有し 、相手になるロール体２８は、該前面上で転動できるように配設されている。大 きい荷重を受けたときでさえも摩耗が生じないようにするため、キャップ３６は 、ロール体２８と同様に高力鋼で出来ており且つ焼入れされている。それぞれの プランジャ軸心Ｃの方向においてプランジャ３０に加わった荷重が、プランジャ 部分３２、３４をお互いに関して相対的に回転させることのないように、プラン ジャ部分３２及び３４を一緒に結合させるねじは、戻り止め型(selbsthemmend) である。 二つのスリーブ状プランジャ部分３２のそれぞれは、上記部分３２に固定され た歯車４０を有し、該歯車４０は、前記プランジャ軸心Ｃに平行な軸心を中心と して回転できるように中央板４４に取り付けられた歯車４２とかみ合う。該中央 板４４は、二つの歯車４０により軸方向に支持され且つ戻しばね４６により荷重 が加えられている。二つのプランジャ３０を前記キャップ３６を介してロール体 ２８と常に接した状態に保つように、該戻しばねは、中央板４４とハウジング１ ２との間にプレテンション状態で取り付けられている。 これら二つのボルト状プランジャ部分３４は、スリーブ状プランジャ部分３２か ら軸方向に突出して該突出領域で著しく拡大した直径を有し、保護板４８により 互いに連結され、このため、回転が防止されている。 図示されたパッド押しつけ装置１０は、プランジャ軸心Ｃに関し平行に配置さ れた調節軸心Ｄを有する調節手段５０を更に備えている。該調節手段５０は、ハ ウジング１２の内側で支承されたピニオン５２を備えており、該ピニオン５２は 、前記二つのプランジャ３０のうちの一方の歯車４０と常にかみ合っている。調 節軸心Ｄを中心として回転し且つ長手方向に摺動可能であるように、リセットシ ャフト５４が、ピニオン５２内、及びハウジングカバー１４内で支承されている 。該リセットシャフト５４は、在内部六角形頭部５６と、在外部六角形頭部５８ とを備えている。通常、該リセットシャフト５４は、コイルばね６０により、図 ２に示された位置に保たれ、この位置において、該在内部六角形頭部５６は、ピ ニオン５２の空所内に受け入れられており、従って、ピニオン５２は、リセット シャフト５４の影響を受けずに回転できる。例えば、ソケットレンチのような工 具を在外部六角形頭部５８に係合させて用いることにより、リセットシャフト５ ４を調節軸心Ｄに沿って動かせ、コイルばね６０の抵抗力に打ち勝って、在内部 六角形頭部５６をピニオン５２の六角形ソケット６２に係合させることができる 。この方法でピニオン５２を回転させることによって、二つのスリーブ状プラン ジャ部分３２を回転させてそれぞれの、図示された開始位置に到達させることが でき、この開始位置の状態において、二つのプランジャ３０は、摩耗したブレ ーキパッドを新品と交換するための条件である、可能な限り最小の長さを有する 。 内側スリーブにより形成された押しつけ体６４が、リセットシャフト５４に支 承されており、また、該押しつけ体６４には、コイルばね６６により、多板クラ ッチとして設計された摩擦クラッチ６８に向けて予め圧力が加えられており、該 コイルばね６６は、ハウジングカバー１４に支持され、且つクラッチ板を相互に 押し合わせている。軸受スリーブ６７が、該スリーブ６７の一部に形成された弾 性的な突出片６７′により、回転や、軸方向変位に対しロックされるような仕方 で、ハウジングカバー１４にロックされた状態にある。スリーブ状の調節体７０ が、回転は許容されるが、軸方向への変位は許されないように軸受スリーブ６７ 内に支承されている。該調節体７０は、前記押しつけ体６４を抱持しているが、 該押しつけ体６４に接触はせず、従って、調節体７０から押しつけ体６４に直接 、トルクは伝達されない。外側スリーブ７２が、前記調節体７０の外周に支持さ れている。一方向クラッチを構成するクラッチスプリング７４が前記調節体７０ と前記外側スリーブ７２とを接続している。これは、回転時、調節体７０が外側 スリーブ７２を一方向にのみ従動させるようにするためである。外側スリーブ７ ２が、多板クラッチ６８の一つおきの板と同時に回転できるように結合している 一方で、その他の板は、ピニオン５２に結合している。このようにして、多板ク ラッチは、コイルばね６６に予め与えられた力に応じて制限されたトルクを外側 スリーブ７２からピニオン５２に伝達することができる。 回転体２０は、以下に説明する非平行伝動機構により調節体７０に接続されて いる。 横軸心Ｂに対して平行に伸びているピン７６が、回転体２０に固定されている 。該ピン７６は、回転体２０のタップ穴７８内にねじ込まれたねじ部分７７を備 えており、該タップ穴７８は、横軸心Ｂに関して平行で且つ該横軸心Ｂから離れ ている。該ピン７６は、該タップ穴７８から突出する円柱状部分７９を更に備え て いる。摺動ブロック８０が前記円柱状部分７９に支持されており、該摺動ブロッ ク８０は、例えば、焼結青銅(Sinterbronze)その他の含油材料(Selbstschmieren des Material）で出来ており、また、ピン７６に関し垂直な円柱の外形を有する 。該円柱は、図１に円形で示されている一方、図２には矩形として示してある。 円柱体の摺動ブロック８０の外形に適合するゆえに、略円弧状の外形をした溝８ ２内を、該摺動ブロック８０は案内される。溝８２の軸心Ｅは、調節装置５０の 調節軸心Ｄに関し平行に伸びている。該溝８２は、調節体７０のフランジ８４に 錐加工又はフライス加工して形成されており、このため、該溝は、その全長にわ たってフランジ８４の外表面域に向けて開放され、ピン７６に対するスペースを 残している。 回転体２０は、その中央部分２２とその二つの偏心輪２４との間に各一つのカ ラー８５を備えており、該カラー８５は、ハウジングカバー１４の突出片８６に よって軸方向に支承されている。終端が二つの脚部８８、８９となる戻しコイル ばね８７が中央部分２２の周りに配置されている。脚部８９は、保持シート要素 ９０にフック止めされており、該保持シート要素９０は、二つのカラー８５の一 方に着座し、また、該脚部８９は、ねじ９１によりハウジングカバー１４に固定 されている。他方の脚部８８は、回転体２０と一体に形成された操作レバー９２ にフック止めされている。操作レバー９２は、空気圧駆動シリンダのプランジャ が係合できる受け面９４を備えている。該駆動シリンダ及びそのプランジャは、 従来の構造のものであり、従って、図示されていない。鼻形の伸長部９６が、前 記プランジャを通し得るようにハウジングカバー１４に形成されている。 図示された実施例において、それぞれ薄板材料を打ち抜いて出来た一つの取り 付け具９８が、ピン７６、又は一般的な機械ねじ９７により回転体２０の両端に 、即ち、その二つの偏心輪２４それぞれの一端面に固定されている。取り付け具 ９８のそれぞれは、それぞれの偏心輪２４に支持されたロール体２８が横軸心Ｂ の 方向に外側に移動するのを防止する。内側へ、即ち、パッド押しつけ装置１０の 中央面に向けてロール体２８が軸方向に動くことは、回転体２０の中央部分２２ により防止されている。 二つの軸受殻体２７が、それぞれ二つの取り付け具９８の一方により及び回転 体２０の中央部分２２により同一の方法で軸方向に変位しないよう守られている 。更に、二つの取り付け具９８のそれぞれは、隣接するころ軸受２６と協働し、 図示した実施例においてはニードルであるそのロール体が、ブレーキの作動後に 操作レバー９２がその休止位置に戻る都度、図３及び図５から明らかなそのそれ ぞれの開始位置へと押されるようにする。この目的のため、取り付け具９８のそ れぞれは、隣接するころ軸受２６に係合する突出片９９を有しており、該突出片 ９９は、ロール体を内部に保持するケージ１００に対する拘束部として機能する 。 図示実施例において、前記二つの偏心輪２４のそれぞれが、軸方向に並べて配 置された二つのころ軸受２６によりハウジングカバー１４において支持されてお り、前記二つの取り付け具９８が、各場合に、上記ころ軸受のうちの、直ぐ隣接 する外側の軸受とのみ協働するので、追加の取り付け具９８′が各偏心輪２４の 、中央部分２２に隣接する、軸方向内端に固定されている。上記追加の取り付け 具９８′には突出片９９′が形成されており、該ころ軸受２６のケージ１００も 又、各ブレーキ操作後にその休止位置に戻るように、前記突出片９９′により該 取り付け具９８′は、その隣のころ軸受２６に係合している。 図示実施例において、二つの取り付け具９８′は、すり割り鋲(Kerbnagel)９ ７′により、所属カラー８５に固定されている。 図面に示された休止位置から開始して、回転体２０が横軸心Ｂを中心として図 ３における時計方向に回転させられたならば、上記部材２０の二つの偏心輪２４ に支持されたロール体２８は、二つのプランジャ３０を図３の右方向に押し、こ のことにより、ボルト状のプランジャ部分３４に支持されたブレーキパッド（図 示せず）は相手方ブレーキディスクに押しつけられる。これと同時に、ピン７６ と、摺動ブロック８０と、調節体７０の凹所８２とにより形成された上記の非平 行伝動機構により、回転体２０の回転は、調節軸心Ｄを中心とする調節体７０の 回転に変換される。該回転は、クラッチスプリング７４により外側スリーブ７２ に伝達される。ブレーキパッドを押しつけたときに打ち勝つべきブレーキ作動の 遊びが、ブレーキライニングの摩耗に起因して一定値を越えたならば、多板クラ ッチ６８が外側スリーブ７２からピニオン５２まで伝達することのできるトルク は、スリーブ状プランジャ部分３２を回転させることによって、二つのプランジ ャ３０のそれぞれの全長を延長させるのに十分であり、このことにより、調節が 為される。 また、多板クラッチ６８により伝達され得るトルクは、摺動ブロック８０に対 する、及び該摺動ブロックを案内する凹所８２に対する荷重をも決定する。これ ら双方の要素が、緊密に嵌まる略完全な円柱状の形態を有するため、これらの要 素は比較的大きい円柱面に亙って互いに接触しているので、両者の間に生じる表 面圧力は僅かである。多板クラッチ６８がプランジャ部分３２、３４の相互にか み合うねじにおける摩擦抵抗を確実に上廻り得るよう比較的大きいトルクを伝達 できるように、多板クラッチを調節したときでさえもこの圧力は小さい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＢＲ，ＪＰ，ＫＲ，ＵＳ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． −ブレーキパッドをブレーキディスクに当てるためにプランジャ軸心（ Ｃ）の方向に変位できる少なくとも一つのプランジャ（３０）と、 −横軸心（Ｂ）を中心として回転できる少なくとも一つの偏心輪（２４）と、 −前記プランジャ（３０）に作動力を伝達するために該偏心輪（２４）に支承さ れたロール体（２８）と、 −前記横軸心（Ｂ）に対して或る角度で伸びている調節軸心（Ｄ）の回りに、ラ イニングの摩耗を補整するために回転できる少なくとも一つの調節体（７０）と 、 −前記偏心輪に固定されライニングの摩耗を補整する調節を行うために前記調節 体（７０）と、トルクを伝達して協働するピン（７６）と を備えた、車両用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置において、 前記ピン（７６）が、安全機構（７６、９８）の一部を形成し、この安全機構 により、前記ロール体（２８）が前記偏心輪（２４）に関して前記横軸心（Ｂ） の方向に誤って動くのが防止されることを特徴とする、車両用ディスクブレーキ のパッド押しつけ装置。 ２． 前記安全機構（７６、９８）が、前記偏心輪（２４）に前記ピン（７６ ）により固定された取り付け支持具（９８）を備えたことを特徴とする請求の範 囲第１項に記載の、車両用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置。 ３． 前記取り付け支持具（９８）が、突出片（９９）を備え、該突出片（９ ９）により、該取り付け支持具（９８）が、前記偏心輪（２４）を支承するカッ プ状ころ軸受（２６）に係合して、回転体（２０）の休止位置において該ころ軸 受（２６）が必ず同様に休止位置を占めるようにしたことを特徴とする請求の範 囲第２項に記載の、車両用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置。 ４． −ブレーキパッドをブレーキ・ディスクに当てるためにプランジャ軸心 （Ｃ）の方向に変位できる少なくとも一つのプランジャ（３０）と、 −前記プランジャ（３０）を変位させる少なくとも一つの偏心輪（２４）を有し 、かつ、横軸心（Ｂ）を中心として回転できる回転体（２０）と、 −前記横軸心（Ｂ）に対して或る角度で伸びている調節軸心（Ｄ）の回りに、ラ イニングの摩耗を補整するために回転できる少なくとも一つの調節体（７０）と を備え、 −前記二つの体（２０、７０）の一方（２０）が、トルクを伝達するために前記 体のもう一方（７０）の凹所（８２）内に伸びているピン（７６）を支承してい る、車両用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置において、 前記二つの体の一方（２０）に固定されたピン（７６）に摺動ブロック（８０ ）が回転可能に支持され、該摺動ブロック（８０）が、前記二つの体のもう一方 （７０）の凹所（８２）の断面形状に適合した外形を有し、かつ、前記凹所（８ ２）に沿って摺動可能に案内されることを特徴とする、車両用ディスクブレーキ のパッド押しつけ装置。 ５． 前記ピン（７６）が、所属部材（２０）の軸心（Ｂ）に関して平行に、 該所属部材（２０）に固定されたことを特徴とする請求の範囲第４項に記載の、 車両用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置。 ６． 前記摺動ブロック（８０）の外形がほぼ円柱形であり、 前記二つの体のもう一方（７０）の溝（８２）が、該体（７０）の軸心（Ｄ） に関して平行に伸びている溝であり且つ円弧状の断面を有することを特徴とする 請求の範囲第４項又は第５項に記載の、車両用ディスクブレーキのパッド押しつ け装置。 ７． −ブレーキパッドをブレーキ・ディスクに当てるためにプランジャ軸心 （Ｃ）の方向に変位できる少なくとも一つのプランジャ（３０）と、 −前記プランジャ（３０）を変位させる少なくとも一つの偏心輪（２４）を有し 、かつ、横軸心（Ｂ）を中心として回転できる回転体（２０）と、 −該回転体（２０）により、調節軸心（Ｄ）を中心として回転させられるように 構成された少なくとも一つの調節体（７０）と、 −ブレーキパッドにおけるライニングの摩耗を補整するために前記調節体（７０ ）により駆動されるよう構成された調節駆動体（４０、５２）と、 −前記調節体（７０）と前記調節駆動体（４０、５２）との間に配置された摩擦 クラッチ（６８）と、 −該摩擦クラッチ（６８）によって伝達できるトルクを決定する軸方向力を伝達 する押しつけ体（６４）と を備えた、車両用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置において、 前記調節体（７０）と前記押しつけ体（６４）とが、互いに接触せず望遠鏡式 に伸縮可能に嵌り合い且つ互いに独立に支持されていることを特徴とする、車両 用ディスクブレーキのパッド押しつけ装置。 ８． 前記調節体（７０）が、ハウジング部分（１４）に支承され、前記押し つけ体（６４）が、前記ハウジング部分（１４）内に支承されたリセットシャフ ト（５４）に、前記調節駆動体（４０、５２）をリセットするために支承されて いることを特徴とする請求の範囲第７項に記載の、車両用ディスクブレーキのパ ッド押しつけ装置。