【発明の詳細な説明】
置換ホスフィン酸化合物およびその医薬としての用途
本発明は置換ホスフィン酸有機化合物またはその塩もしくはエステル、ならび
にその製造法およびその医薬としての用途に関する。
WO94/22843には下記式のホスフィン酸が記載されている:
ただし、式中R1およびR2は共にHであるか、R1およびR2が共にメチルであるか、
あるいはR1およびR2が一緒になって結合する炭素原子と共にシクロペンチルであ
ることを表わす。これらの化合物はGABABアンタゴニストとして作用すると言わ
れている。
顕著に高いGABAB受容体結合親和性を有する化合物は、モルホリン環含有新規
置換ホスフィン酸を製造することで可能となることが現在見出されている。
従って、本発明は下記式で示される置換ホスフィン酸化合物またはその塩もし
くはエステルを提供する。
式中、R1は炭素原子を介して表示した炭素原子に結合する一価の芳香環もしくは
芳香環置換脂肪族基であり、R2は置換もしくは非置換ヒドロカルビル基であり、
RXは水素または置換もしくは非置換ヒドロカルビル基であり、Ryは水素、Ry aま
たはNH−保護基であり、Ry aは置換もしくは非置換ヒドロカルビル基である。
芳香環基としてのR1は炭素数40までのものであって、フェニル、トリル、キ
シリルもしくはナフチル基などのアリール基、またはチエニル、フリル、インド
リルもしくはピリジル基などのヘテロ環状芳香族基である;これらの基は非置換
であるかまたは1またはそれ以上の置換基を有していてもよく、置換基としては
ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシル、機能的に修飾したカ
ルボキシル(エステル化カルボキシル、アミド化カルボキシルおよびシアノを包
含する)、カルボキシ−C1−C8アルキル、機能的に修飾したカルボキシ−C1−C8
アルキル、またはニトロが例示される。
好ましい芳香環基としてのR1は炭素数6ないし15のアリール基であって、一
個所またはそれ以上の位置が置換されていても非置換であってもよく、それらの
置換基としてはハロゲン、カルボキシル、機能的に修飾したカルボキシル、カル
ボキシ−C1−C8アルキル、機能的に修飾したカルボキシ−C1−C8アルキル、また
はニトロが例示される;また、好ましい芳香環基としてのR1は1ないし2ケの窒
素原子を環内に有する5ないし10−員環のヘテロ環状芳香族基である。より好
ましくは、置換または非置換アリール基としてのR1はフェニルであるか、または
表示したモルホリン環に結合している炭素原子から見てメタ位およびパラ位の一
方もしくは双方に置換基を有するフェニルであって、それらの置換基としてはハ
ロゲン、カルボキシル、機能的に修飾したカルボキシル、またはニトロが例示さ
れる。そのような置換フェニル基を例示するとモノ−もしくはジ−置換フェニル
が挙げられ、置換基としてはクロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシル、−COOR3
(式中、R3はハロゲン、ヒドロキシもしくはC1ないしC4アルコキシで置換されて
いてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル
またはオクチルなどのC1ないしC8アルキルを示す)、カルバモイル、N−C1−C4
アルキルカルバモイル(例えば、メチル−またはエチル−カルバモイル)、N,N
−ジ(C1−C4アルキル)カルバモイル(例えば、ジメチル−またはジエチル−カ
ルバモイル)、シアノ、カルボキシ−C1−C4アルキル(例えば、カルボキシメチ
ル)、C1ないしC8アルコキシ−カルボニル−C1−C4アルキル(例えば、メトキシ
−またはエトキシ−カルボニルメチル)、カルバモイル−C1−C4アルキル(例え
ば、カルバモイルメチル)、N−C1−C4アルキルカルバモイル−C1−C4アルキル
(例えば、メチル−またはエチル−カルバモイルメチル)、N,N−ジ(C1−C4ア
ルキル)カルバモイル−C1−C4アルキル(例えば、ジメチル−またはジエチル−
カルバモイルメチル)、シアノ−C1−C4アルキル(例えば、シアノメチル)、ま
たはニトロなどである。より好ましくは、ヘテロ環状芳香族基としてのR1は唯一
の環内ヘテロ原子として窒素原子1ケを有する5ないし10員環のヘテロ環状基
(例えば、ピリジルまたはインドリル)である。
芳香環置換脂肪族基としてのR1は炭素数7ないし40を有するフェニル−低級
アルキル(例えば、ベンジルまたは2−フェニルエチル)、α、α−ジフェニル
−低級アルキル(例えば、ジフェニルメチル)、またはα−ナフチル−低級アル
キル(例えば、ナフチルメチル)などであり、そのいずれの基も非置換であるか
あるいはその一個所ないしそれ以上の位置で置換されていてもよく、その置換位
置はオルト、メタもしくはパラ位であってよく、その置換基は前記芳香環基とし
てのR1について特定した置換基から選択される。好ましい芳香環置換脂肪族基と
してのR1はα−フェニル−C1−C4アルキルであって、非置換であるかあるいはそ
の一個所ないしそれ以上の位置においてハロゲン、カルボキシル、機能的に修飾
したカルボキシルまたはニトロで置換されているものである。
本発明の特に好ましい化合物におけるR1はフェニル、3−ヨードフェニル、3
,4−ジクロロフェニル、3−カルボキシフェニル、3−シアノフェニル、3−
(メトキシカルボニル)フェニル、3−ニトロフェニル、ベンジル、4−ヨード
ベンジル、4−カルボキシベンジル、4−エトキシカルボニルベンジルまたはイ
ンド−ル−3−イルである。
置換もしくは非置換ヒドロカルビル基としてのR2は一般に炭素数1ないし40
からなるものである。それらを例示すれば、アルキル、シクロアルキル、アルケ
ニルまたはアルキニル基あるいは1ケないしそれ以上の置換基を有するアルキル
、シクロアルキルまたはアルケニル基であって、その置換基としては例えば、ハ
ロゲン、ヒドロキシ、C1ないしC8アルコキシ、チオ、C1ないしC8アルキルチオ、
シアノ、アシルアミノ、C3ないしC8シクロアルキル、1ケないしそれ以上の置換
基を有するC3ないしC8シクロアルキル(置換基としては例えば、ヒドロキシ、C1
な
いしC8アルコキシ、チオまたはC1ないしC8アルキルチオ)、C3ないしC8シクロア
ルキル、C6ないしC15アリール、1ケないしそれ以上の置換基を有するC6ないしC15
アリール(置換基としては例えば、ヒドロキシ、C1ないしC8アルコキシ、ハロ
ゲンまたはトリフルオロメチル)、ヘテロアリール、または1ケないしそれ以上
の置換基を有するヘテロアリール(置換基としては例えばハロゲン)である。
脂肪族基のR2しては例えば、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル
、オキソ−低級アルキル、ヒドロキシ−もしくはジヒドロキシ−低級アルキル、
ヒドロキシ−低級アルケニル、モノ−もしくはジ−もしくはポリ−ハロ−低級ア
ルキル、モノ−もしくはジ−もしくはポリ−ハロ−低級アルケニル、モノ−もし
くはジ−もしくはポリ−ハロ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、モノ−もしくは
ジ−もしくはポリ−ハロ(ヒドロキシ)−低級アルケニル、低級アルコキシ−低
級アルキル、ジ−低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ(ヒドロキシ
)−低級アルキル、低級アルコキシ(ハロ)−低級アルキル、低級アルキルチオ
−低級アルキル、およびジ−低級アルキルチオ−低級アルキルが例示できる。
環状脂肪族基のR2としては例えば、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアル
キル、オキサ−、ジオキサ−、チア−およびジチア−シクロアルキルが例示でき
る。
環状脂肪族−脂肪族基のR2としては例えば、シクロアルキル−低級アルキル、
シクロアルケニル−低級アルキル、シクロアルキル(ヒドロキシ)−低級アルキ
ル、および(低級アルキルチオ)シクロアルキル(ヒドロキシ)−低級アルキル
が例示できる。
芳香環置換脂肪族基のR2としては例えば、フェニル−低級アルキル基であって
、この基は非置換体であるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキ
シ、ハロゲンおよび/またはトリフルオロメチルによりモノ−、ジ−もしくはト
リ−置換された基であり、好ましくは上記のごとき置換基を有するα−フェニル
−低級アルキル基または非置換のα、α−ジフェニル−もしくはα−ナフチル−
低級アルキル基である。
ヘテロアリ−ル脂肪族基のR2としては例えば、チエニル−、フリル−もしく
はピリジル−低級アルキル基であって、非置換であるかまたは置換されており、
とりわけハロゲンによりモノ−もしくはジ−置換された基であり、好ましくは非
置換のα−チェニル−、α−フリル−もしくはα−ピリジル−低級アルキルであ
る。
前記および以後の記載において、低級基および低級化合物とは、例えば、炭素
数が7を含む7までのもの、好ましくは、4を含む4までのものと解釈する。
低級アルキル基とは、例えば、C1−C7アルキルであり、好ましくはメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピルまたはブチルなどのC1−C4アルキルであるが、あ
るいはイソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、あるいはペンチル、ヘキシル
またはヘプチル基などのC5−C7アルキル基であってもよい。
低級アルケニルとは、例えば、ビニル、アリルまたは2−ブテニルなどのC2−
C4アルケニルであるが、ペンテニル、ヘキセニルまたはヘプテニル基などのC5−
C7アルケニル基であってもよい。
低級アルキニルとは、例えば、C2−C7アルキニルであり、好ましくはC3−C5ア
ルキニルであってα,β−位よりも高位置に二重結合を有するもの、例えば、2
−プロピニル(プロパルギル)、3−ブチン−1−イル、2−ブチン−1−イル
または3−ペンチン−1−イルである。
オキソ−低級アルキルとは、好ましくはα−位よりも高位置にオキソ基を有す
る、例えば、オキソ−C2−C7アルキル、特に、2−オキソプロピル、2−もしく
は3−オキソブチルまたは3−オキソペンチルなどのオキソ−C3−C6アルキルで
ある。
フェニル−低級アルキルとは、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−
フェニルプロパン−2−イル、あるいは第二順位としての2−フェニルエチル、
2−フェニルプロパン−1−イル、または3−フェニルプロパン−1−イルであ
る。
チエニル−、フリル−またはピリジル−低級アルキルとは、例えば、チエニル
−、フリル−もしくはピリジル−メチル、1−チエニル−、1−フリル−もしく
は1−ピリジル−エチル、2−チエニルー、2−フリル−もしくは2−ピリジル
−プロパン−2−イル、または第二順位としての2−チエニル−、2−フリル−
もしくは2−ピリジル−エチル、2−チエニル−、2−フリル−もしくは2−ピ
リジル−プロパン−1−イル、または3−チエニル−、3−フリル−もしくは3
−ピリジル−プロパン−1−イルである。
ヒドロキシ−低級アルキルとは、好ましくはα−またはβ−位にヒドロキシ基
を有するもので、例えば、1−ヒドロキシエチル、1−もしくは2−ヒドロキシ
プロピル、2−ヒドロキシ−プロパン−2−イル、1−もしくは2−ヒドロキシ
ブチル、1−ヒドロキシイソブチル、または2−ヒドロキシ−3−メチルブチル
などの対応するヒドロキシ−C2−C7アルキルである。
ジヒドロキシ−低級アルキルとは、好ましくは、α、β−位にヒドロキシ基を
有するもので、例えば、1,2−ジヒドロキシプロパン−2−イルなどのα、β
−ジヒドロキシ−C3−C7アルキルである。
ヒドロキシ−低級アルケニルとは、好ましくはα−位にヒドロキシ基を有し、
且つ、α、β−位よりも高位置に二重結合を有するもので、例えば、1−ヒドロ
キシ−2−ブテニルなどの対応するα−ヒドロキシ−C3−C5アルケニルである。
モノ−、ジ−またはポリ−ハロ−低級アルケニルとは、例えば、1−フルオロ
−2−ブテニルなどのモノ−、ジ−またはトリ−フルオロ−C2−C5アルケニルで
ある。
モノ−、ジ−またはポリ−ハロ(ヒドロキシ)−低級アルキルは、好ましくは
α−位にヒドロキシ基を有し、且つ、好ましくはα−位よりも高位置にハロゲン
原子を有するもので、例えば、4,4,4−トリフルオロ−1−ヒドロキシブチ
ルなどの対応するモノ−、ジ−またはトリ−フルオロ−α−ヒドロキシ−C2−C7
アルキルである。
モノ−、ジ−またはポリ−ハロ−低級アルキルとは、例えば、3,3,3−ト
リフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、1−もしくは2−フル
オロブチル、または1,1−ジフルオロブチルなどのモノ−、ジ−またはトリ−
フルオロ−C2−C5アルキルである。
低級アルコキシとは、例えば、C1−C7アルコキシ、好ましくはC1−C4アルコキ
シ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、またはブトキ
シであるが、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、あるいはペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシなどのC5−C7アルコキシ基で
あってもよい。
アシルアミノ−低級アルキルとは、例えば、アセチルアミノプロピルなどのC1
−C4アルキルカルボニルアミノ−C1−C4アルキルまたはベンゾイルアミノメチル
などのC6−C10アリールカルボニルアミノ−C1−C4アルキルである。
シアノ−低級アルキルとは、例えば、シアノメチルまたは2−シアノエチルな
どのシアノ−C1−C4アルキルである。
モノ−、ジ−またはポリ−ハロ(ヒドロキシ)−低級アルケニルとは、好まし
くはα−位にヒドロキシ基を有し、且つ、好ましくはα−位よりも高位置にハロ
ゲン原子を有するもので、例えば、2−フルオロ−1−ヒドロキシ−2−ブテニ
ルなどの対応するモノ−、ジ−またはトリ−フルオロ−α−ヒドロキシ−C2−C5
アルケニルである。
低級アルコキシ−低級アルキルとは、例えば、メトキシ−もしくはエトキシ−
メチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メトキシ−もしくは3
−エトキシ−プロピル、または1−もしくは2−メトキシブチルなどのC1−C4ア
ルコキシ−C1−C4アルキルである。
ジ低級アルコキシ−低級アルキルとは、例えば、ジメトキシメチル、ジプロポ
キシメチル、1,1−もしくは2,2−ジエトキシエチル、ジイソプロポキシメ
チル、ジブトキシメチル、または3,3−ジメトキシプロピルなどのジ−C1−C4
アルコキシ−C1−C4アルキルである。
低級アルコキシ(ヒドロキシ)−低級アルキルとは、例えば、2−ヒドロキシ
−3−メトキシプロパン−2−イルなどのC1−C4アルコキシ−C2−C7−(ヒドロ
キシ)アルキルである。
低級アルコキシ(ハロ)−低級アルキルとは、例えば、2−フルオロ−3−メ
トキシブチルなどのC1−C4アルコキシ−C2−C5−(ハロ)アルキルである。
低級アルキルチオ−低級アルキルとは、例えば、メチルチオ−もしくはエチ
ルチオ−メチル、2−メチルチオエチル、2−エチルチオエチル、3−メチルチ
オ−もしくは3−エチルチオ−プロピル、または1−もしくは2−メチルチオブ
チルなどのC1−C4アルキルチオ−Cl−C4アルキルである。
ジ−低級アルキルチオ−低級アルキルとは、例えば、ジメチルチオメチル、ジ
プロピルチオメチル、1,1−もしくは2,2−ジエチルチオエチル、ジイソプ
ロピルチオメチル、ジブチルチオメチル、または3,3−ジメチルチオプロピル
などのジ−C1−C4アルキルチオ−C1−C4アルキルである。
ハロゲンとは原子番号が53を含む53までのハロゲンであり、例えば、フッ
素、塩素、臭素またはヨウ素である。
シクロアルキルとは、例えば、C3−C8シクロアルキル、特に、C3−C6シクロア
ルキルであって、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ま
たはシクロヘキシルなどである。
ヒドロキシシクロアルキルとは、例えば、1−ヒドロキシシクロプロピル、1
−ヒドロキシシクロブチル、または1−ヒドロキシシクロヘキシルなどのα−ヒ
ドロキシ−C3−C6シクロアルキルである。
オキサ−またはチア−シクロアルキルとは、例えば、オキサ−またはチア−C3
−C8シクロアルキル、とりわけ2−オキサシクロプロピル(オキシラニル)、2
−もしくは3−オキサシクロブチル(オキセタニル)、2−もしくは3−チアシ
クロブチル(チエタニル)、2−もしくは3−オキサシクロペンチル(テトラヒ
ドロフラニル)、2−もしくは3−チアシクロペンチル(チオラニル)、または
2−オキサシクロヘキシル(テトラヒドロピラニル)などのオキサ−またはチア
−C3−C8シクロアルキルである。
ジオキサシクロアルキルとは、例えば、1,3−ジオキソラン−2−イルまた
は1,3−ジオキサン−2−イルなどの1,3−ジオキサ−C3−C8シクロアルキ
ルである。
ジチアシクロアルキルとは、例えば、1,3−ジチオラン−2−イルまたは1
,3−ジチアン−2−イルなどの1,3−ジチア−C3−C8シクロアルキルである
。
シクロアルキル−低級アルキルとは、例えば、C3−C8シクロアルキル−C1−C4
アルキル、とりわけα−(C3−C6シクロアルキル)−C1−C4アルキル(例えば、
シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、またはシ
クロヘキシルメチル)などのC3−C6シクロアルキル−C1−C4アルキルである。
シクロアルケニル−低級アルキルとは、例えば、C3−C8シクロアルケニル−C1
−C4アルキル、とりわけα−(C3−C6シクロアルケニル)−C1−C4アルキル(例
えば、1−シクロペンテニルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シクロ
ペンテニルメチル、1−シクロヘキセニルメチル、2−シクロヘキセニルメチル
、または3−シクロヘキセニルメチル)などのC3−C6シクロアルケニル−C1−C4
アルキルである。
シクロアルキル(ヒドロキシ)−低級アルキルとは、例えば、α−(C3−C6シ
クロアルキル)−α−ヒドロキシ−C1−C4アルキル(例えば、シクロプロピル(
ヒドロキシ)メチル、シクロブチル(ヒドロキシ)メチル、またはシクロヘキシ
ル(ヒドロキシ)メチル)などのC3−C6シクロアルキル−C1−C4(ヒドロキシ)
アルキルである。
(低級アルキルチオシクロアルキル)(ヒドロキシ)−低級アルキルとは、例
えば、(2−メチルチオシクロプロパン−1−イル)ヒドロキシメチルなどの1
−(C1−C4アルキルチオ−C3−C6シクロアルキル)−1−ヒドロキシ−C1−C4ア
ルキルである。
本発明の好ましい化合物において、R2は低級アルキル、低級アルケニル、低級
アルキニル、オキソ−低級アルキル、ヒドロキシ−もしくはジヒドロキシ−低級
アルキル、ヒドロキシ−低級アルケニル、モノ−、ジ−もしくはポリ−ハロ−低
級アルキル、モノ−、ジ−もしくはポリ−ハロ−低級アルケニル、モノ−、ジ−
もしくはポリ−ハロ(ヒドロキシ)−低級アルキル、モノ−、ジ−もしくはポリ
−ハロ(ヒドロキシ)−低級アルケニル、低級アルコキシ−低級アルキル、ジ−
低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ(ヒドロキシ)−低級アルキル
、低級アルコキシ(ハロ)−低級アルキル、低級アルキルチオ−低級アルキル、
ジ−低級アルキルチオ−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、アシルアミノ−
低級アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、オキサ−、ジオキ
サ
−、チア−およびジチア−シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、シ
クロアルケニル−低級アルキル、シクロアルキル(ヒドロキシ)−低級アルキル
、(低級アルキルチオ)シクロアルキル(ヒドロキシ)−低級アルキル、または
モノ−もしくはジ−フェニル−低級アルキル(該基は非置換であるか、あるいは
低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシおよび/またはトリフル
オロメチル、ナフチル−低級アルキルまたは非置換もしくはハロ−置換チエニル
−、フリル−もしくはピリジル−低級アルキルによりモノ−、ジ−もしくはトリ
−置換されている)である。
式Iのより好ましい化合物におけるR2は、C1−C7アルキル(例えば、メチル、
エチル、プロピル、イオソプロピル、ブチル、イソブチル、またはペンチル)、
α、α−ジ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、特に、α、α−ジ−C1−C4ア
ルコキシ−メチルもしくはエチル(例えば、ジメトキシ−もしくはジエトキシ−
メチルまたは1,1−ジエトキシエチル)、シアノ−C1−C4アルキル(例えば、
シアノメチルまたは2−シアノエチル)、アシルアミノ−C1−C5アルキル(例え
ば、アセチルアミノエチル、アセチルアミノプロピル、アセチルアミノペンチル
、またはベンゾイルアミノメチル)、C3−C6シクロアルキル−C1−C4アルキル(
例えば、シクロプロピル−もしくはシクロヘキシル−メチル)、C3−C6シクロア
ルケニル−C1−C4アルキル(例えば、3−シクロヘキセニルメチル)、あるいは
ベンジルなどのフェニル−C1−C4アルキルであり、後者は非置換体であるか、メ
チルなどのC1−C4アルキル、メトキシなどのC1−C4アルコキシ、ヒドロキシによ
り、および/またはフッ素、塩素または臭素などのハロゲンによりモノ−、ジ−
またはトリ−置換されている。
式Iのより好ましい化合物におけるR2は、C1−C5アルキル(例えば、メチル、
エチル、またはブチル)、α、α−ジ−(C1−C4アルコキシ)メチル(例えば、
ジエトキシメチル)、α、α−ジ−(C1−C4アルコキシ)エチル(例えば、1,
1−ジエトキシエチル)、C3−C6シクロアルキル−C1−C4アルキル(例えば、シ
クロプロピルメチルまたはシクロヘキシルメチル)、ベンジル、または4−メト
キシベンジルである。特に好ましい化合物でのR2はシクロヘキシルメチルまたは
4−メトキシベンジルである。
置換または非置換ヒドロカルビル基としてのRxは炭素数40までのものであり
、C1ないしC10アルキル、C2ないしC10アルケニル、C3ないしC8シクロアルキル、
C4ないしC13シクロアルキルアルキル、C6ないしC10アリ−ル、またはC7ないしC1 3
アラルキル基である;これらいずれの基も前記R1特定した置換基から選択され
る1ケもしくはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。好ましいRxは水
素、低級アルキル、C3ないしC6シクロアルキル、C6ないしC8アリール、またはC7
ないしC9アラルキルであり、とりわけ水素またはイソプロピルが好ましい。
置換または非置換ヒドロカルビル基Ry aとしてのRyは炭素数40までのもので
あり、C1ないしC10アルキル、C3ないしC8シクロアルキル、またはC7ないしC13ア
ラルキル基である;これらの基はいずれも非置換であってもよいし、ヒドロキシ
またはC1−C4アルコキシにより置換されていてもよい。NH−保護基としてのRyは
、例えば、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイルもしくはp−ニトロベ
ンゾイルなどのアシル基、またはtert−ブトキシカルボニルもしくはベンジルオ
キシカルボニルなどのアルコキシカルボニルもしくはアラルコキシカルボニル基
である。好ましいRyとしては水素、低級アルキル、C7ないしC9アラルキル、アセ
チル、ベンゾイル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンゾイルオキシカルボニ
ルなどであり、とりわけ水素、メチル、エチル、ベンジル、アセチル、tert−ブ
トキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルが好ましい。
本発明のとりわけ好ましい化合物は、式IにおいてR1がフェニル、3−ヨード
フェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−シアノフェニル、3−(メトキシカ
ルボニル)フェニル、3−カルボキシフェニル、3−ニトロフェニル、ベンジル
、4−ヨードベンジル、4−カルボキシベンジル、4−エトキシカルボニルベン
ジルまたはインドール−3−イルであり、R2がシクロヘキシルメチルまたは4−
メトキシベンジルであり、RXが水素またはイソプロピルであり、Ryが水素、メチ
ルまたはベンジルオキシカルボニルである化合物、およびそれらの塩およびエス
テルである。
式Iの化合物は内部塩の形であってもよく、また、常套の塩形成反応により形
成する酸付加塩および塩基との塩であってもよい。
式Iの化合物の酸付加塩とは、例えば、ハロゲン化水素酸、硫酸またはリン酸
などの適当な鉱酸との製薬的に可能な塩(例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、
硫酸水素塩、またはリン酸塩)または適当な脂肪族もしくは芳香族スルホン酸も
しくはN−置換スルファミン酸との塩(例えば、メタンスルホン酸塩、ベンゼン
スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩またはN−シクロヘキシルスルファミン
酸塩(シクラメート))などである。
式Iの化合物と塩基との塩とは、例えば、製薬的に可能な塩基との塩、例えば
、Ia,Ib,IIaおよびIIb族金属から誘導される無毒性金属塩(例えば、アルカリ
金属塩、とりわけナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土金属塩、とりわけカ
ルシウムまたはマグネシウム塩)、およびアンモニアまたは有機アミンまたは四
級アンモニウム塩基とのアンモニウム塩、例えば、非置換もしくはC−ヒドロキ
シル化脂肪族アミン、とりわけモノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミン
(例えば、メチル−、エチル−またはジエチル−アミン)、モノ−、ジ−もしく
はトリ−(ヒドロキシ−低級アルキル)アミン(例えば、エタノール−、ジエタ
ノール−もしくはトリエタノール−アミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチル
アミンまたは2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン)、またはN−(ヒドロキシ
−低級アルキル)−N,N−ジ−低級アルキルアミンもしくはN−(ポリヒドロキシ
−低級アルキル)−低級アルキルアミン(例えば、2−(ジメチルアミノ)エタ
ノールまたはD-グルカミン)、あるいは四級脂肪族アンモニウム水酸化物(例え
ば、テトラブチルアンモニウム水酸化物)などである。
塩基との塩を形成すると同様、式Iにおけるリンに結合した水酸基はエステル
化されていてもよい。このように、本発明は式Iの化合物がアルコールとのエス
テル形であるものをも包含する;当該アルコールとしてはC1ないしC10アルカノ
ール(そのアルキル基は非置換であっても、また、例えば、ハロゲン、シアノま
たはC1ないしC4アルコキシにより置換されていてもよく、その具体例はメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール
、2−クロロエタノール、2−シアノエタノール、2−エトキシエタノール、ま
た
は2−n−ブトキシエタノールである)、C3ないしC8環状脂肪族アルコール(例
えば、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、シクロヘプタノール、メチルシクロヘキサノール、またはシクロオ
クタノール)、またはC7ないしC13芳香環置換脂肪族アルコール(例えば、ベン
ジルアルコール)などである。
不斉炭素原子が存在する場合、本発明に関わる化合物は異性体混合物の形であ
ってもよく、特に、ラセミ化物の形、あるいは純粋な異性体の形、とりわけ光学
的鏡像体であってもよい。
式Iの化合物の好ましい異性体としてはR1および表示したモルホリン環の2位
に結合した基が互いにトランスの関係にある化合物、すなわち、式IA:
または式IB:
(ただし、式中、R1、R2、RxおよびRyは前記定義のとおりである)
で表わされる化合物である。
式Iの化合物の他の好ましい異性体としてはR1および表示したモルホリン環の
2位に結合した基が互いにシスの関係にある化合物、すなわち、式IC:
または式ID:
(ただし、式中、R1、R2、RxおよびRyは前記定義のとおりである)
で表わされる化合物である。
式Iの特定化合物を例示すると以下のとおりである:
3−{(3R*,6R*)−6−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホスフ
ィノイルメチル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホスフ
ィノイルメチル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−[(3R*,6R*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モルホ
リン−3−イル]安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイルメ
チル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−[(3R*,6R*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イル]安息香酸、
ジエトキシメチル−{(2R*,5R*)−5−[(3−メトキシカルボニル)フェ
ニル]モルホリン−2−イルメチル}ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5R*)−5−フェニルモルホリン−2−イル
メチル]ホスフィン酸、
ジエトキシメチル−[(2R*,5R*)−5−(3−ニトロフェニル)モルホリン
−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5R*)−5−(3−ヨードフェニル)モノレホリン−2−イ
ルメチル]ホスフィン酸、
[(2R*,5R*)−5−(3−シアノフェニル)モルホリン−2−イルメチル]
フェニルメチルホスフィン酸、
5−アセチルアミノペンチル−[(2R*,5R*)−5−(3、4−ジクロロフェ
ニル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5R*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)
モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5R*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−2
−イルメチル]ホスフィン酸、
ベンジル−[(2R*,5R*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−
2−イルメチル]ホスフィン酸、
[(2R*,5R*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イルメ
チル]ピリジン−2−イルメチルホスフィン酸、
[(2R*,5R*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イルメ
チル]ジエトキシメチルホスフィン酸、
[(2R*,5R*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イルメ
チル]−4−メトキシフェニルメチルホスフィン酸、
[(2R*,5R*)−5−ベンジルモルホリン−2−イルメチル]−4−メトキシ
フェニルメチルホスフィン酸、
4−{(3R*,6R*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
4−{(3R*,6R*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホス
フィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
4−[(3R*,6R*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イルメチル]安息香酸、
4−[(3R*,6R*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モルホ
リン−3−イルメチル]安息香酸、
4−{(3R*,6R*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイルメ
チル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5R*)−5−(4−ヨードベンジル)モルホ
リン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
[(2R*,5R*)−5−(4−ヨードベンジル)モルホリン−2−イルメチル]
−4−メトキシフェニルメチルホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−{(2R*,5R*)−5−[(4−エトキシカルボニル)
フェニルメチル]モルホリン−2−イルメチル}ホスフィン酸、
4−[(3R*,6R*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)−N−
メチルモルホリン−3−イルメチル]安息香酸、
4−{(3R*,6R*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]−N-ベンジルオキシカルボニルモルホリン−3−イルメチル}安息香酸
、
3−{(3R*,6R*)−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホスフィノ
イルメチル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイルメ
チル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
3−[(3R*,6R*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)−3−
メチルモルホリン−3−イル]安息香酸、
3−[(3R*,6R*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)−3
−メチルモルホリン−3−イル]安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホスフ
ィノイルメチル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
5−アセチルアミノペンチル−[(2R*,5R*)−5−(6−オキソ−1,6−
ジヒドロピリジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5R*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒド
ロピリジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5R*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3
−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ベンジル−[(2R*,5R*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−
3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
4−メトキシフェニルメチル−[(2R*,5R*)−5−(6−オキソ−1,6−
ジヒドロピリジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ジエトキシメチル−[(2R*,5R*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピ
リジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5R*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒド
ロピリジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
5−アセチルアミノペンチル−[(2R*,5R*)−5−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロピリジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5R*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4
−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ジエトキシメチル−[(2R*,5R*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピ
リジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ベンジル−[(2R*,5R*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−
4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
4−メトキシフェニルメチル−[(2R*,5R*)−5−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロピリジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
2−{(3R*,6R*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−{(3R*,6R*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホスフ
ィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−{(3R*,6R*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイルメ
チル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−{(3R*,6R*)−6−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホスフ
ィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−[(3R*,6R*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モルホ
リン−3−イルメチル]安息香酸、
2−[(3R*,6R*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イルメチル]安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィノ
イルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホスフ
ィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイルメ
チル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−{(3R*,6R*)−6−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホスフ
ィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−[(3R*,6R*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モルホ
リン−3−イルメチル]安息香酸、
3−[(3R*,6R*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イルメチル]安息香酸、
ベンジル−{(2R*,5R*)−5−[4−([1,3,4]オキサジアゾール−
2−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}ホスフィン酸、
ブチル−{(2R*,5R*)−5−[4−(5−トリフルオロメチル−[1,2,
4]オキサジアゾール−3−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}ホ
スフィン酸、
1−(4−{(3R*,6R*)−6−[(4−メトキシベンジル)ヒドロキシホス
フィノイルメチル]モルホリン−3−イル}フェニル)−1H−[1,2,4]
トリアゾール−3−安息香酸、
{(2R*,5R*)−5−[4−(3−アミノ−[1,2,4]オキサジアゾール
−5−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}シクロヘキシルメチルホ
スフィン酸、
{(2R*,5R*)−5−[3−(3−アミノ−[1,2,4]オキサジアゾール
−3−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}シクロヘキシルメチルホ
スフィン酸、
ジエトキシメチル−{(2R*,5R*)−5−[3−(1H−テトラゾール−5−
イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}ホスフィン酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィ
ノイルメチル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−[(3R*,6S*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イル]安息香酸、
{(3R*,6S*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイルメ
チル]モルホリン−3−イル}安息香酸、
3−[(3R*,6S*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モ
ルホリン−3−イル]安息香酸、
ジエトキシメチル−{(2R*,5S*)−5−[(3−メトキシカルボニル)フェ
ニル]モルホリン−2−イルメチル}ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5S*)−5−フェニルモルホリン−2−イ
ルメチル]ホスフィン酸、
ジエトキシメチル−[(2R*,5S*)−5−(3−ニトロフェニル)モルホリ
ン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5S*)−5−(3−ヨードフェニル)モルホリン−2−イ
ルメチル]ホスフィン酸、
[(2R*,5S*)−5−(3−シアノフェニル)モルホリン−2−イルメチル
]フェニルメチルホスフィン酸、
5−アセチノレアミノペンチル−[(2R*,5S*)−5−(3、4−ジクロロ
フェニル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5S*)−5−(3、4−ジクロロフェニル
)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5S*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−
2−イルメチル]ホスフィン酸、
ベンジル−[(2R*,5S*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン
−2−イルメチル]ホスフィン酸、
[(2R*,5S*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イル
メチル]ピリジン−2−イルメチルホスフィン酸、
[(2R*,5S*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イル
メチル]ジエトキシメチルホスフィン酸、
[(2R*,5S*)−5−(3、4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イル
メチル]−4−メトキシ−フェニルメチルホスフィン酸、
[(2R*,5S*)−5−ベンジルモルホリン−2−イルメチル]−4−メトキ
シフェニルメチルホスフィン酸、
4−{(3R*,6S*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィ
ノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
4−{(3R*,6S*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
4−[(3R*,6S*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モ
ルホリン−3−イルメチル]安息香酸、
4−[(3R*,6S*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イルメチル]安息香酸、
4−{(3R*,6S*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5S*)−5−(4−ヨードベンジル)モル
ホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
[(2R*,5S*)−5−(4−ヨードベンジル)モルホリン−2−イルメチル
]−4−メトキシフェニルメチルホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−{(2R*,5S*)−5−[4−(エトキシカルボニル
)フェニルメチル]モルホリン−2−イルメチル}ホスフィン酸、
4−[(3R*,6S*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)−N
−メチルモルホリン−3−イルメチル]安息香酸、
4−{(3R*,6S*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィ
ノイルメチル]−N−ベンジルオキシカルボニルモルホリン−3−イルメチル}
安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
3−[(3R*,6S*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)−3
−メチルモルホリン−3−イル]安息香酸、
3−[(3R*,6S*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)−
3−メチルモルホリン−3−イル]安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィ
ノイルメチル]−3−メチルモルホリン−3−イル}安息香酸、
5−アセチルアミノペンチル−[(2R*,5S*)−5−(6−オキソ−1,6
−ジヒドロピリジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5S*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒ
ドロピリジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5S*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−
3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ベンジル−[(2R*,5S*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン
−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
4−メトキシフェニルメチル−[(2R*,5S*)−5−(6−オキソ−1,6
−ジヒドロピリジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ジエトキシメチル−[(2R*,5S*)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ
ピリジン−3−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
シクロヘキシルメチル−[(2R*,5S*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒ
ドロピリジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
5−アセチルアミノペンチル−[(2R*,5S*)−5−(2−オキソ−1,2
−ジヒドロピリジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−[(2R*,5S*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−
4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ジエトキシメチル−[(2R*,5S*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ
ピリジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ベンジル−[(2R*,5S*)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン
−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
4−メトキシフェニルメチル−[(2R*,5S*)−5−(2−オキソ−1,2
−ジヒドロピリジン−4−イル)モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
2−{(3R*,6S*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィ
ノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−{(3R*,6S*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−{(3R*,6S*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−{(3R*,6S*)−6−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
2−[(3R*,6S*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イルメチル]安息香酸、
2−[(3R*,6S*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モ
ルホリン−3−イルメチル]安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(シクロヘキシルメチル)ヒドロキシホスフィ
ノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(4−メトキシフェニルメチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(ジエトキシメチル)ヒドロキシホスフィノイ
ルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−{(3R*,6S*)−6−[(5−アセチルアミノペンチル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イルメチル}安息香酸、
3−[(3R*,6S*)−6−(ブチルヒドロキシホスフィノイルメチル)モル
ホリン−3−イルメチル]安息香酸、
3−[(3R*,6S*)−6−(ベンジルヒドロキシホスフィノイルメチル)モ
ルホリン−3−イルメチル]安息香酸、
ベンジル−{(2R*,5S*)−5−[4−([1,3,4]オキサジアゾール
−2−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル]ホスフィン酸、
ブチル−{(2R*,5S*)−5−[4−(5−トリフルオロメチル−[1,2
,4]オキサジアゾール−3−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}
ホスフィン酸、
1−(4−{(3R*,6S*)−6−[(4−メトキシベンジル)ヒドロキシホ
スフィノイルメチル]モルホリン−3−イル}フェニル)−1H−[1,2,4
]トリアゾール−3−安息香酸、
{(2R*,5S*)−5−[4−(3−アミノ−[1,2,4]オキサジアゾー
ル−5−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}シクロヘキシルメチル
ホスフィン酸、
{(2R*,5S*)−5−[3−(3−アミノ−[1,2,4]オキサジアゾー
ル−5−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}シクロヘキシルメチル
ホスフィン酸、
ジエトキシメチル−{(2R*,5S*)−5−[3−(1H−テトラゾール−5
−イル)フェニル]モルホリン−2−イルメチル}ホスフィン酸。
式Iの化合物およびその製薬的に可能な塩は有用な薬理作用を有することが判
明した。これらの化合物はGABAB受容体への結合効果を示し、当該受容体に
おいてGABA(γ−アミノ酪酸)のアンタゴニストであることが判明した。そ
のメカニズムは、GABAB受容体での拮抗作用が即時刺激性アミノ酸伝達物質
、すなわち、グルタミン酸およびアスパラギン酸の放出を増加させ、脳内での情
報処理を改善する。このことは、GABABメカニズムに寄与している海馬にお
ける遅発性シナプス後抑制ポテンシャルが該アンタゴニストにより破壊され、そ
の結果、急速な神経インパルス伝達の続発が可能となるという知見とも一致して
いる。
慢性的な抗うつ剤治療および電気ショックがラットの大脳皮質にGABAB受
容体数を増加させることも判明している。受容体理論によると、GABABアン
タゴニストで慢性的に治療すると同様の効果があるはずである。従って、このこ
とと他の理由により、GABABアンタゴニストは抗うつ剤として作用する。
本発明に関わるGABABアンタゴニストはラットの大脳皮質膜上、IC50値
10-7ないし10-10M(mole/L)でGABAB受容体と相互作用する。バクロフ
ェン(baclofen)のようなGABABアゴニストと異なって、これら化合物はラ
ット大脳皮質切片上、アデニル酸シクラーゼに対してのノルアドレナリンによる
刺激を増強することはなく、むしろバクロフェン作用のアンタゴニストとして作
用する。該アンタゴニストはバクロフェンに対して拮抗作用を示すだけでなく、
内因性GABAのアンタゴニストとして独立の作用を有する。
それら卓越したGABABアンタゴニストの性質に鑑みて、本発明の化合物は
GABAB受容体の刺激による特徴的な症状の治療または防止の使用に適してい
る。従って、これらは向精神薬、抗うつ薬、および抗不安薬として例えば、不安
、うつ病、脳不全、“プチマール(小発作)型”てんかん(すなわち、少年期、
青年期における欠神型てんかん、レノックス−ガストー(Lennox-Gastaut)症候
群などの非定型欠神)などの中枢神経系疾患の治療用途、あるいは認識行動の昂
揚を必要とする症状の治療用途、さらにまた、バクロフェンに対する解毒剤とし
ての用途に適している。
式Iの化合物においてRyが水素のものは、式II:
(式中、R4は前記定義のR1であるが、R4はカルボキシルで置換されていない
ものであり、Rxは前記と同意義であるが、カルボキシルで置換されていないも
のとする)
で示される化合物を式III:
(式中、R2は前記と同意義であり、Xは塩素、臭素などのハロゲンであり、R5
はC1ないしC8アルキル、例えば、n−ヘキシル、n−オクチル、好ましくはメチ
ル、エチル、イソプロピルまたはイソブチル、とりわけエチルである)
で示される化合物と塩基の存在下反応せしめて式IV:
(式中、R4およびRxは式IIで定義したと同意義である)
で示される化合物とし、次いで、要すれば1ないしそれ以上の置換反応に付して
、R4および/またはRxにおける置換基の性質を変化させるか、および/またはR4
および/またはRxにおけるエステル置換基を水解反応に付しカルボキシルとす
るか、および/またはエステル基−OR5を−OHに変換することにより製造する
。
アミノ基のモノアルキル化反応、それに続く環化反応を経て進行する式IIおよ
びIIIで示される化合物の反応は、塩基および反応条件を適宜選択することによ
り、一工程処方として実施することができる。アミノ基のジアルキル化から生じ
る錯綜を避けるために、好ましくは、反応を二段階で行う。第一段階では、弱塩
基、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(D
BU)などの障害性アミンを溶媒(好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの炭化水素)に溶解した式IIおよびIIIの化合物の混合物に、温度70ない
し110℃でゆっくりと加えると、式V:
(式中、R2,R4,R5およびRxは前記と同意義である)
で示される新規な中間体を生成する。この中間体を、次いで、中間体の形成反応
で採用した条件よりも過酷な条件下に塩基で処理する、例えば、同様の塩基でよ
り高い温度で処理するか、あるいは好ましくは、水素化アルカリ金属などのより
強力な塩基で10ないし50℃の温度で処理する。中間体を塩基で処理するには
、溶媒、好ましくはトルエン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素中で実施する
。
式Vで示される中間化合物それ自体も医薬として、例えば、GABAB受容体
の刺激作用によって特徴づけられる症状の治療または防止に使用することができ
る;特に、脱エステル型、すなわち、アルキルとしてのR5が水素に置き換わっ
ているもの、あるいはR4および/またはRxがカルボン酸エステル基である場合
、それをカルボキシル基に変換したものが好ましい。従って、本発明は式VA:
(式中、R1,R2およびRxは前記と同意義である)
で示される新規化合物またはその塩もしくはエステルをも包含する。
式IまたはIVの化合物において、Rxおよび/またはR1またはR4がそれぞれア
リールまたはヘテロアリール環上にシアノ置換基を有するものである化合物は、
式IまたはIVおいて、Rxおよび/またはR1またはR4がそれぞれアリールまたは
ヘテロアリール環上にハロゲン置換基を有するものである化合物とシアン化アル
カリ金属との反応により製造することができる。該ハロゲン置換基を有する化合
物は、式IまたはIVにおいて、Rxおよび/またはR1またはR4がそれぞれアリー
ルまたはヘテロアリール環上にアミノ基を有するものである化合物をジアゾ化し
、ついでアルカリ金属ハロゲン化物と反応せしめることにより製造することがで
きる。該アミノ基を有する化合物は、式IまたはIVにおいて、Rxおよび/または
R1またはR4がそれぞれアリールまたはヘテロアリール環上にニトロ基を有する
ものである化合物を還元することにより製造することができる。これら全ての反
応は既知の手法により実施することができる。
式IまたはIVの化合物において、Rxおよび/またはR1またはR4がそれぞれエ
ステル化カルボキシル置換基を有するものである化合物もまた、式IまたはIVで
示される他の化合物からそれぞれ製造することができる。例えば、それらの化合
物は、式IまたはIVにおいて、Rxおよび/またはR1またはR4がそれぞれアリー
ルまたはヘテロアリール環上にハロゲン置換基を有するものである化合物と一酸
化炭素およびアルコールとを、触媒としてのパラジウム複合体の存在下に既知の
手法に従って反応させることにより製造することができる。
式Iの化合物の内、Rxおよび/またはR1がカルボキシル置換基を有するもの
である化合物は、式IまたはIVにおいて、Rxおよび/またはR1またはR4がそれ
ぞれエステル化カルボキシル置換基を有するものである化合物を常套の水解手法
に従って水解することにより製造することができる。
式IVまたはVの化合物において、R4がエステル化されたカルボキシル基を有
する場合、この基は通常の方法で遊離のカルボキシル基に水解することができる
。式IVの化合物においてR4がアリールまたはヘテロアリール環上にニトロ基を
有する場合、この基は順次還元によりアミノとし、アミノのジアゾ化反応と引き
続くアルカリ金属ハロゲン化物との反応によりハロとし、ハロをシアン化アルカ
リ金属と反応させてシアノとし、次いでシアノを水解してカルボキシルとする。
これらの反応は通常の既知の手法により実施することができる。
式IVまたはVの化合物においてエステル基−OR5を−OHに変換するには、
適当な塩基性または酸性試薬、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム
、水酸化リチウムなど)、アルカリ金属ハロゲン化物、特に、アルカリ金属臭化
物またはよう化物(臭化リチウム、よう化ナトリウムなど)、チオ尿素、アルカ
リ金属チォフェノール(チオフェノールナトリウム塩など)、または鉱酸(例え
ば、塩酸)、トリ−低級アルキル−ハロシラン(例えば、トリメチルクロロシラ
ン)などのプロトン酸もしくはルイス酸で処理し、達成する。置換反応は溶媒の
存在または不存在下、要すれば、加熱または冷却し、閉鎖系容器内および/また
は不活性ガス雰囲気下で実施する。
式IVまたはVの化合物における−OR5の−OHへの変換はまた、水解条件下
での酸との処理によっても実施できる;とりわけハロゲン化水素酸などの鉱酸、
例えば、塩酸を希釈または濃縮水溶液の形態で用いる;あるいはトリメチルシリ
ルヨウ化物もしくは臭化物などの有機シリルハロゲン化物で処理し、次いで要す
れば水解することにより行う。反応は、好ましくは昇温下で実施する;例えば、
反応混合物を還流温度に維持し、且つ、適当である場合には有機希釈剤を用い、
閉鎖系容器内および/または不活性ガス雰囲気下で実施する。
式IIの化合物のあるものは市販品として入手可能である;例えば、(R)−お
よび(S)−フェニルグリシノール類などである。式IIの化合物は式R4C(Rx)(NH2
)COOH(式中、R4およびRxは式IIと同意義である)で示されるアミノカルボン
酸を、三フッ化ボロン・ジエチルエーテル複合体などの三フッ化ボロン複合体の
存在下にボラン・ジメチルスルフィドとの反応により還元して製造する。本反応
は既知手法に従い実施すればよい。式IIで示される新規化合物((i)R4はヨ
ードベンジル、特に、4−ヨードベンジルであり、Rxは水素;(ii)R4はフェニ
ル、Rxはイソプロピル)はこの方法で製造することができる。
式IIにおいてR4がニトロで置換された化合物は、式R4C(Rx)(NH2)COOH(式中、
R4はニトロ化による以外未置換である)からR4にニトロ基を導入するこにより
製造できる;その際、生成物中のアミノ基は、例えば、ジ−tert−ブチルジ炭酸
エステルとの反応によりtert−ブチルカルバメート基を形成するなどして保護ア
ミノ基に変換し、保護生成物中のカルボキシル基を例えば、メチルエステルへの
変換などによりエステル化し、次いで、該エステル基を水素化ホウ素アルカリ金
属などの適当な還元剤で処理して−CH2OHに還元し、最終的にアミノ保護基を酸
で脱離して遊離のアミノ基を再生する。これらの反応は既知の処方またはその簡
単な改良法により実施する。式IIにおいてR4がニトロフェニルである既知化合
物はこのような反応結果により製造することができる。
式IIの化合物はストレッカー(Strecker)合成法によっても製造することがで
きる;この合成法においては式R4C(=O)Rx(式中、R4およびRxは前記と同意義
である)で示されるアルデヒドまたはケトンを式R6NH2(式中、R6は水素または
炭素数1ないし8のアルキル基であり、該アルキル基はC6ないしC10アリール
基により置換されていてもよく、該アリール基は未置換であっても、また例えば
、ヒドロキシまたはC1ないしC4アルコキシにより置換されていてもよい)およ
びシアン化アルカリ金属と反応させ、式VI:
(式中、R4,R6およびRxは前記と同意義である)
で示される化合物とし、式VIの化合物を式R7OH(R7は炭素数1ないし10の
アルキル基、例えば、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチルまたはデ
シル、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルまたはn−ブチルなどのC1ない
しC4アルキル、とりわけメチルまたはエチル)で示されるアルコールと酸の存
在下に反応せしめ、式VII:
(式中、R4,R6,R7およびRxは前記と同意義である)
で示される化合物とし、R6が水素以外のものであるときはそれを式VIIの化合物
から、例えば、既知の処方で除去するが、この際、R6が置換基を有してもよい
ベンジル基である場合、酢酸などの有機酸の存在下に接触還元して、式VIII:
(式中、R4,R7およびRxは前記と同意義である)
で示される化合物の有機酸との塩とし、式VIIIの化合物をtert−ブチルジカルボ
ネートなどのアミノ保護基と反応させて該アミノ基を保護されたアミノ基に変換
し、該保護化合物中のエステル基COOR7を水素化ホウ素アルカリ金属などの適当
な還元剤との反応により還元して−CH2OHとし、最後に保護基を除去して遊
離のアミノ基を形成させる。この一連の反応は既知の処方またはその簡単な改良
法により実施できる。R4がカルボン酸エステル基によって置換されている場合
には、形成された保護アミノ基の保護基は,R4中のエステル基は残したまま該
エステル基−COOR7が−CH2OHに還元し得るようなものである一方、次い
で、例えば非水系媒体中での反応により、R4中のエステル基は残したまま除去し
得るような、例えば、tert−ブチルカルバメートなどの基であるべきである。
上述のストレッカー合成法の改良法においては、式VIの化合物を、例えば常法
により酸水解に付すと、当該シアノ基がカルボキシル基に変る;次いで生成した
アミノカルボン酸を式IIの化合物に還元するが、この反応は三フッ化ホウ素・ジ
エチルエーテル複合体などの三フッ化ホウ素複合体の存在下にボラン・ジメチル
スルフィドを用い、例えば、既知処方に従って実施する。
式II,VI,VIIIまたはVIIIにおいてR4が3−メトキシカルボニルフェニルで
ある化合物は前記反応手順により、式R4C(=O)Rxで示されるアルデヒドまたは
ケトンから製造されるが、それら化合物はそれ自体新規であると信じ得る。式II
またはVIIIにおいてR4が3,4−ジクロロフェニルであり、且つ、R7がC1−
C10アルキルである化合物もまた、新規であると信じ得る。
式IIにおいてR4が前記定義のごとき一価の芳香環基であり、Rxが非置換また
はヒドロカルビル基である化合物は新規であると信じ得るが、ただし、式IIの化
合物の内、R4がフェニルであり、且つ、Rxがメチル、クロロメチル、エチル、
−(CH2)3SCH3、アリルまたはメチロールである化合物、また、式IIの化合物にお
いてRxがアミノメチルであり、且つ、R4がフェニル、p−ヒドロキシフェニル
またはp−メトキシフェニルである化合物、また、式IIの化合物においてRxが
メチロールであり、且つ、R4が4−デシルフェニルまたは5−[(7−クロロ
−4−キノリニル)アミノ]−2−ヒドロキシフェニルである化合物、また、式
IIの化合物においてR4が4−メトキシフェニルであり、且つ、Rxがエチルであ
る化合物、さらに、式IIの化合物においてR4が2,4−ジクロロフェニルであ
り、且つ、RxがN−トリアゾリルメチルである化合物は除くものとする。
式IIにおいてR4が前記定義のごとき一価の芳香環置換脂肪族基であり、Rxが
非置換または前記定義のごとくメチロール以外のヒドロカルビル基である化合物
は新規であると信じ得るが、ただし、式IIの化合物においてRxがメチルであり
、且つ、R4がベンジル、4−クロロベンジル、3,4−ジクロロベンジル、3
,4−ジメトキシベンジル、2−フェニルエチル、1,3−ベンゾジオキソール
−5−メチル、3−フェニル−1−アミノプロピル、α−ヒドロキシベンジル、
α−ヒドロキシ−α−メチルベンジル、またはα−ヒドロキシ−α−メチル−4
−ニトロベンジルである化合物は除くものとし、さらに、式IIの化合物において
R4がベンジルであり、且つ、Rxがアリルまたは−CH2CH2SCH3である化合物は除
くものとする。
式IIにおいてR4がヨードベンジル、特に、4−ヨードベンジルであり、且つ
、Rxが水素であるか、または前記定義のごとき置換もしくは非置換のヒドロカ
ルビル基である化合物は新規であると信じ得る。
式IIIの化合物は、R2がメチルで、且つ、R5がエチルである場合を除き、新
規であると信じ得る;特に、R2がシクロヘキシルメチルなどのシクロアルキル
アルキルである化合物は、式IX:
で示される化合物と式X:
(式中、R2,R5およびXは前記と同意義である)
で示される化合物とを、アミド・ビス(トリアルキルシリル)誘導体などのシリ
ル化剤の存在下に反応させることにより製造する;該アミド・ビス(トリアルキ
ルシリル)誘導体は式IXの化合物と反応してP(III)シリル化合物を形成し、そ
れが次いで式Xの化合物と反応する。この反応は0ないし50℃の温度で実施す
る;また、反応は溶媒中で行うのが好ましく、溶媒としては、例えば、トルエン
などの炭化水素、ジクロロメタンなどのハロ炭化水素を用いる。
式IXで示されるエステルは、式XI:
(式中、R5は前記と同意義であり、QはP−H保護基である)
で示される保護ホスフィン酸エステルと、式XII:
R2Z XII
(式中、R2は前記と同意義であり、Zは脱離基部分である)
で示される化合物とを反応させ、式XIII:
で示される化合物とし、次いで式XIIIの化合物における保護基Qを水素と置換す
る。脱離基部分Zは例えば、ハロゲン原子または有機スルホン酸基である。好ま
しいZとしては塩素、臭素、ヨウ素、またはメタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸基などである。式XIおよびXII
で示される化合物間の反応および式XIIIの化合物についての脱保護反応は既知の
手法、例えば、EP0569333に記載の方法に従って実施すればよい。
式XIで示される保護ホスフィン酸エステルは既知の方法、例えば、US493
3478に記載の方法に従い製造すればよい。式XIIの化合物は市販品として入
手可能であり、また、既知の手法で製造してもよい。
式Xの化合物は市販品として入手可能であるか、または既知の方法で製造する
ことのできるジハロアルケン類である。
式IにおいてRyがRy aである化合物は、Ryが水素である式Iの化合物と式Ry a
Z(式中、Ry aおよびZは前記と同意義である)で示される化合物とを反応させ
るか、または式Ry bCHO(式中、Ry bは水素または前記定義のRy aである)で示さ
れるアルデヒドを還元的アルキル化反応により製造することができる;その際の
還元剤はイミンをアミンに還元する例えば、水素化シアノホウ素ナトリウムであ
る。このような反応は通常の手法に従い実施する。
式IにおいてRyがNH−保護基である化合物は、式IにおいてRyが水素であ
る化合物と所望の保護基導入に使用する既知試薬との反応により製造することが
できる。例えば、保護基がアシル基である場合、式IにおいてRyが水素である
化合物をハロゲン化アシルまたは無水カルボン酸、例えば、塩化アセチル、無水
酢酸、または塩化ベンゾイルなどと、例えば、既知手法に従い反応させればよい
。保護基がアルコキシカルボニルまたはアラルコキシカルボニル基である場合に
は、式IにおいてRyが水素である化合物をハロゲン化・アルコキシカルボニル
もしくはアラルコキシカルボニルまたはアルキルもしくはアラルキル・ジカルボ
ネート、例えば、ベンジルクロロフォルメートまたはジ−tert−ブチルジカルボ
ネートと、例えば、既知手法に従い反応させればよい。
一般に、式IにおいてRyがRy aまたはNH−保護基である化合物は、式Iに
おいてRyが水素である化合物の製造についての前述の方法にしたがって製造す
ればよい;この際には、式IIの化合物を式IIA:
(式中、R4およびRxは式IIの定義と同意義であり、RyはRy aまたはNH−保
護基である)
で示される化合物に置き換え、式IIAの化合物と式IIIとの反応を塩基の存在下に
行うと直接、式IVA:
(式中、R4およびRxは式IIの定義と同意義であり、R2およびR5は前記と同意
義であり、Ryは前記定義のRy aであるかまたはNH−保護基である)
で示される化合物を生成する。この反応は溶媒中、例えば、ベンゼン、トルエン
またはキシレンなどの通常の炭化水素中で実施する;また、この反応は一般に式
IIおよびIIIの化合物の反応で採用した条件よりも過酷な条件下に実施するが、
例えば、塩基として水素化ナトリウムを用い、10℃ないし70℃の温度で実施
する。この反応に次いで要すれば、R4および/またはRxの置換基の性質を変化
させるために1またはそれ以上の置換反応を実施してもよいし、および/または
R4および/またはRxのエステル置換基を水解してカルボキシルとするか、およ
び/またはエステル基−OR5を−OHに変換してもよい。
式Iで示される化合物はまた、式XIV:
で示される化合物の表示した一級水酸基を、前記定義の脱離基Zに変換するため
の反応に付し、それによって環化反応を進行せしめ、式XV:
(式中、R2,R4,R5,RxおよびRyは前記と同意義である)
で示される化合物を生成せしめ、要すれば、NH−保護基としてのRyを水素と
置き換えるか、および/またはR4および/またはRxの置換基の性質を変化させる
ために1またはそれ以上の置換反応を実施してもよいし、および/またはR4およ
び/またはRxのエステル置換基を水解してカルボキシルとするか、および/また
はエステル基−OR5を−OHに変換してもよい。
式XIVで示される化合物中の一級水酸基をZに変換するには既知の処方に従っ
て行えばよい。例えば、Zがヨウ素である場合、その変換は式XIVの化合物をト
リフェニルホスフィン、イミダゾールおよびヨウ素と、アセトニトリルまたはテ
トラヒドロフランなどの溶媒中0℃ないし50℃で反応させる;Zがトリフルオ
ロメタンスルホン酸基である場合には、その変換は式XIVの化合物を無水トリフ
ルオロメタンスルホン酸とピリジン中−100℃ないし50℃で反応させる。
NH−保護基としてのRyを水素と置き換えるにはNH−保護基を除去するた
めの既知の方法に従って行えばよい。例えば、Ryがアセチルまたはベンゾイル
などのアシル基である場合、水素との置換反応は塩酸水との反応により実施する
が、Ryがトリフルオロアセチルである場合には、水素との置換反応は炭酸カリ
ウム水溶液との反応により実施すればよい。
式XVの化合物に対して引き続き行う他の任意の反応は、式IVの化合物の対応す
る反応について前記したと同様に実施すればよい。
式XIVの化合物はそれ自体新規であると信じ得るが、これら化合物は式IIの化
合物と式XVI:
(式中、R2,R5およびZは前記と同意義である)
で示される化合物とを障害性塩基の存在下に反応させ、式XVII:
(式中、R2,R4,R5およびRxは前記と同意義である)
で示される化合物とし、次いで、例えば、前記したと同様の既知処方に従って窒
素に結合した表示の水素を前記定義のNH−保護基Ryと置き換える。式IIおよ
びXVIで示される化合物間の反応は、例えば、20ないし100℃の温度で、好
ましくはアルコールなどの有機溶媒、特にエタノール中で実施する。障害性塩基
とは、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンまたは1
,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのジアザビシクロ
化合物、または好ましくは、ジシクロヘキジル(エチル)アミンあるいは、とり
わけジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンなどである。
式XVIで示される化合物はジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J
.Med.Chem.)、1995、38、3313に記載の処方に従って製造すること
ができる。
式XIVおよびXVIIで示される化合物はそれ自体医薬として有用である;例えば
、GABAB受容体の刺激により特徴づけられる症状の治療または防止に有用で
あり、特に、脱エステル化型のもの、すなわち、アルキルとしてのR5が水素で
置き換わっていて、且つ、R4および/またはRxのいずれのカルボン酸エステル
基も、例えば、既知の処方に従ってカルボキシル基に変換したものが有用である
。従って、本発明は式XVIII:
(ただし、式中、R1,R2,RxおよびRyは前記と同意義である)
で示される新規化合物またはその塩もしくはエステルを包含する。
塩として得られる本発明化合物は、それ自体既知の方法、例えば、塩基または
酸での処理により遊離の化合物に変換可能である;該塩基とはアルカリ金属水酸
化物、金属炭酸塩またはアンモニア、あるいは前記塩形成塩基の同種のもである
;該酸とは鉱酸、例えば、塩酸、あるいは前記塩形成酸の同種のもである。
本発明の塩はそれ自体既知の方法で本発明の他種塩に変換することができる;
例えば、酸付加塩は適当な溶媒中、同種酸のナトリウム、バリウムもしくは銀塩
などの適当な金属塩で処理することにより変換することができる;なお、形成さ
れる無機塩は不溶性なので、反応平衡状態から排除される;塩基の塩は一旦遊離
の酸とした後に再度塩に変換することにより変換することができる。
塩を含む式Iの化合物はまた水和物の形で得てもよいし、結晶化に用いた溶媒
を包含していてもよい。
遊離の形にある新規化合物とその塩の形にある新規化合物の間の密接な関係に
よって、前記のあるいは後記する遊離の化合物およびその塩もまた、それが適正
であり、状況が許容するならば、それぞれ対応する塩および遊離の化合物になり
得ると理解される。
式Iの化合物およびその製造法における中間体に向けて、ジアステレオ異性体
混合物およびラセミ混合物は、その構成物間の物理化学的差異に基づいて、既知
の方法、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶法により純粋なジ
アステレオ異性体およびラセミ化合物にそれぞれ分離することができる。
生成したラセミ化合物は既知方法により光学鏡像体に分割することができる;
例えば、光学活性溶媒からの再結晶によって、微生物を用いることによって、あ
るいは生成したジアステレオ異性体混合物またはラセミ混合物を光学活性補助化
合物と反応させることによって実施する;例えば、式Iの化合物が含んでいる酸
性、塩基性もしくは機能的に改変し得る基に応じて、光学的に活性な酸、塩基、
または光学活性アルコールと反応させ、ジアステレオ異性体塩の混合物または機
能的誘導体(例えば、エステル)に誘導し、それをジアステレオ異性体に分離し
、
そこから所望の鏡像体を常法に従い遊離にする。この目的に適した塩基、酸、ア
ルコールとしては、例えば、光学活性アルカロイド塩基(例えば、ストリキニー
ネ、シンコニン、ブルシンなど)、D−もしくはL−(1−フェニル)エチルア
ミン、3−ピペコリン、エフェドリン、アンフェタミン、および合成によって入
手できる同種の塩基、光学活性カルボン酸もしくはスルホン酸(例えば、キナ酸
、D−もしくはL−酒石酸、D−もしくはL−ジ−o−トルイル酒石酸、D−も
しくはL−リンゴ酸、D−もしくはL−マンデル酸、D−もしくはL−カンファ
ースルホン酸など)、あるいは光学活性アルコール(例えば、ボルネオール、D
−もしくはL−(1−フェニル)エタノールなど)である。
式I,VAまたはXVIIIで示される化合物は、診断薬用途の目的でアイソトープ
、特に、11C,14C,2H,3Hまたは125Iで標識してもよい。
式I,VAまたはXVIIIで示される化合物は、例えば、治療上有効量の活性成分
から成る製剤組成物の形態で使用することができる;この際、適正であれば、腸
内投与、例えば、経口もしくは非経口投与に適した製薬的に可能な担体を共に使
用するが、該担体は固形もしくは液体の、有機もしくは無機担体である。例えば
、錠剤またはゼラチンカプセルは希釈剤および/または潤滑剤と共に活性成分を
含有するが、該希釈剤とは例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース
、マンニトール、ソルビトール、セルロースなどであり、該潤滑剤とは例えば、
シリカ、タルク、ステアリン酸もしくはその塩(例えば、ステアリン酸マグネシ
ウムもしくはカルシウム)および/またはポリエチレングリコールである。錠剤
はまた結合剤を含有してもよい;該結合剤としては、ケイ酸マグネシウムアルミ
ニウム、でん粉(例えば、とうもろこし、麦、米またはクズウコンでん粉など)
、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース・
ナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンである;また、必要であれば、
崩壊剤、例えば、でん粉、寒天、アルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン
酸ナトリウム)などを含んでいてもよいし、および/または沸騰性混合物、また
は吸収剤、着色剤、矯味剤および甘味剤を含んでいてもよい。式Iの化合物は非
経口投与可能な組成物の形態で、あるいは注入液剤の形態で使用できる。そのよ
う
な溶液は、好ましくは等張溶液もしくは懸濁液であり、例えば、それが凍結乾燥
組成物であって、活性成分そのものから成るもの、あるいはマンニトールなどの
担体を含有するものである場合には、用時調製することができる。製剤組成物は
殺菌処理してもよく、および/または付形剤、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤
および/または懸濁剤、溶解剤、浸透圧調整用塩および/またはバッファーから成
るものであってよい。本発明製剤組成物は、所望により他の医薬活性物質を含ん
でいてもよいが、その場合、それ自体公知の方法、例えば、常套の混合工程、造
粒工程、仕上げ工程、溶解工程または凍乾工程により製造できる;該製剤組成物
における活性成分含量は約0.1%ないし100%、特に、約1%ないし約50%
であり、凍結乾燥品の場合には約100%までである。
本発明はまた、式I,VAまたはXVIIIで示される化合物またはその塩もしくは
エステルの、好ましくはそれらの製剤組成物の形態での用途に関する。
その投与量は種々の要因、例えば、投与方法、種、年齢および/または個体の
症状に応じて決まる。毎日投与すべきときの投与量は、経口投与の場合で、約1
ないし約50mg/kg,とりわけ5ないし約25mg/kgであり、体重約70kgの温
血動物の場合、好ましくは約70mgないし3500mg、とりわけ約350な
いし約1750mgを、便宜的には2ないし6回に、例えば、3または4回の投
与量に分割してもよい。
本発明は従って温血動物、特にヒトにおいてGABAB受容体の刺激によって
特徴づけられる症状を治療または防止する方法を包含し、その方法は式I,VAま
たはXVIIIで示される化合物またはその塩もしくはエステルを温血動物に投与す
ることから成る。
以下の実施例により本発明を説明する。
実施例に使用する化合物Dは以下のように製造する。以下の式において、Bo
cはtert−ブトキシカルボニルを意味する。
フェニルグリシン(42g)を濃硫酸(210ml)に溶かし、この溶液を0
℃に冷却する。発煙硝酸(15.5ml)をこの冷却溶液に30分を要して滴下し、
混合物を0℃でさらに30分間、次いで室温で18時間攪拌する。得られた溶液
を1Lの氷上に注ぎ、10M水酸化ナトリウム水約875mlを注意深く加えて
pH7に調整する;その間、溶液の温度は20℃以下に保つ。得られる混合物を
室温で3時間攪拌し、生成する沈殿を濾取する。この沈殿を3度水洗し、水1L
から再結晶すると3−ニトロフェニルグリシン、mp.165−6℃、を得る。
3−ニトロフェニルグリシン(5g)をメタノール200mlとトリエチルア
ミン(200ml)の混合物に加え、その混合物を室温で10分間激しく攪拌す
る。ジ−tert−ブチルジカルボネート(11.13g)を加え、反応混合物を2時間加
熱還流する。得られる溶液を室温に冷却し、減圧下に濃縮乾燥すると濃橙黄色残
留物を得る。この残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー[シリカゲル、CH2C
l2(95%),CH3OH(2.5%),CH3COOH(2.5%)]により精製すると化合物Aを橙黄色発
泡体として得る。
13C nmr(100MHz;CDCl3):δ(ppm)27.9(q),58.2(d),82.6(s),122.4(s),
122.4(d),123.0(d),129.5(d),133.0(d),140.4(s),148.2(s),156.8(s),17
2.1(s).
化合物A(14.54g)およびp−トルエンスルホン酸(1.87g)をメタノール
(200ml)に溶かし、室温で24時間攪拌する。酢酸エチルおよび飽和NaHC
O3水溶液を加え、有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下に蒸
発する。得られる生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー[シリカゲル、ヘキ
サン:酢酸エチル(2:1)]により精製すると化合物Bを黄色固形物として得
る。mpt=86℃。
分析値:C14H18N2O6としての計算値:C,54.19;H,5.85;N,9.03%.実験
値:C,54.32;H,6.00;N,8.93%.
水素化ホウ素ナトリウム(2.33g)を無水エタノール(30ml)に溶かし、
これを化合物B(9.57g)を無水エタノール(120ml)に溶かした攪拌溶液
に室温で加える。反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いで過剰の水素化ホウ
素ナトリウムを氷酢酸添加により分解する。溶媒を減圧下に除去し、残留物を酢
酸エチル(3x50ml)中で粉砕する。酢酸エチル層を合し、濃縮乾燥し、残
留物をトルエン(3x50ml)にて共沸処理する。得られる残留物をフラッシ
ュ・クロマトグラフィー[シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)]によ
り精製すると化合物Cを得る。m.p.100℃。
分析値:C13H18N2O5としての計算値:C,55.31;H,6.43;N,9.92%.実験
値:C,55.25;H,6.63;N,9.76%.
化合物C(5g)を入れ、0℃に冷却したフラスコにトリフルオロ酢酸(60
ml)を加える。得られる溶液を0℃で20分間攪拌し、次いで室温まで暖め、
さらに3時間攪拌する。溶媒を減圧下に除去し、残留物をイオン交換クロマトグ
ラフィー(ダウエックス50WX2−200(H+型)樹脂、溶離液:3%水酸
化アンモニウム水溶液)で精製すると化合物Dを淡褐色発泡物として得る。
分析値:C8H10N2O3としての計算値:C,52.74;H,5.53;N,15.38%.実験
値:C,53.12;H,5.75;N,15.07%.13
C nmr(100MHz;CDCl3):δ(ppm)58.0(d),68.2(t),122.8(d),123.1(d)
,130.4(d),134.5(d),146.3(s),149.6(s).
実施例に使用する化合物Gは以下のように製造する。
シアン化ナトリウム(4.9g、0.1M)および塩化アンモニウム(5.88g、0.11
M)を水(20ml)中室温で攪拌する。これに、3,4−ジクロロベンズアル
デヒド(17.5g、0.1M)をメタノール(30ml)に溶解かした溶液を1分を要
して滴下する。アンモニア水溶液(10ml、比重0.88)を加え、反応混合物を
室温で3時間攪拌する。酢酸エチルを加え、有機層を分取し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過後、蒸発する。残留物を酢酸エチルに溶かし、2N塩酸で繰り返
し抽出する。合体した水層をアンモニア水溶液でpH9に調整し、酢酸エチルで
繰り返し抽出する。合体した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧
下に蒸発すると橙黄色の油状物を得る。これをシリカ上フラッシュ・クロマトグ
ラフィー(溶離液:ヘキサン:酢酸エチル(1:1))にて精製すると化合物G
を得る。m.p.64−65℃。
分析値:C8H6Cl2N2としての計算値:C,47.79;H,3.01;N,13.93%.実験
値:C,47.81;H,2.99;N,13.92%.
実施例に用いる化合物Jを以下のように製造する。
化合物Gの製造について記載したのと実質的に同じ手法を用いて、3−ブロモ
−ベンズアルデヒド(18.5g、0.1M),シアン化ナトリウム(4.9g、0.1M)
、塩化アンモニウム(5.9g、0.11M)およびアンモニア水溶液(10ml、比
重0.88)から成るメタノール/水(30ml/20ml)中混合物を室温で24時
間反応せしめると化合物Hを赤/褐色ロウ状固形物として得る。
13C nmr(100MHz;CDCl3):δ(ppm)46.6(d),120.4(s),122.9(s),125.2(d)
,129.7(d),130.5(d),132.1(d),138.3(s).
化合物H(10.5g、49.8mM)を6M塩酸(200ml)に溶かし、68時間
加熱還流する。上澄液をデカンテーションで回収し、室温に冷却した後、アンモ
ニア水溶液でpH7に調整する。沈殿生成物を濾過回収し、水洗、乾燥する。酢
酸エチル中で粉砕後、乾燥すると化合物Jを褐色固形物として得る。m.p.20
1−204℃(分解)。
13C nmr(100MHz;CD3OD):δ(ppm)56.9(d),124.0(s),128.1(d),132.2(2
xd),134.0(d),136.0(s),170.1(s).
実施例1
3−メトキシカルボニルベンズアルデヒド(1.6g、10.0mM)をメタノール
(10ml)に溶かし、4−メトキシベンジルアミン塩酸塩(1.7g、10.0mM
)およびシアン化ナトリウム(0.490g、10.0mM)を水(10ml)に溶かし
た溶液に加え、混合物を室温で3時間攪拌する。水(20ml)を加え、混合物
をジクロロメタンで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)、蒸発
乾固すると油状物を得る。これを溶離液として20%酢酸エチル/ヘキサンを用
いるシリカゲル・クロマトグラフィーにより精製すると化合物1を得る。
分析値:C18H18N2O3としての計算値:C,69.66;H,5.85;N,9.03%.実験
値:C,69.40;H,5.94;N,8.73%.13
C nmr(100MHz;CDCl3):δ(ppm)50.6(t),52.2(q),52.8(d),55.2(q),11
4.0(d),118.3(s),128.3(d),129.0(d),129.6(d),129.8(s),130.1(d),130.
9(s),131.6(d),135.3(s),159.1(s),166.2(s).
実施例2
化合物1(7g、22.56mM)をメタノール(75ml)に溶かし、0℃に冷
却した後、塩化水素ガスで飽和する。飽和した反応混合物を−20℃で4日間保
存し、次いで減圧下に最初の容量の四分の一まで濃縮する。酢酸エチルと飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離し、水および食塩水で洗浄、硫酸
マグネシウムで乾燥、濾過して、蒸発すると油状物を得る。これをシリカゲル上
のフラッシュ・クロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチル
(1:1)を用い精製すると化合物2を油状物として得る。13
C nmr(100MHz;CDCl3):δ(ppm)50.7(t),52.1(q),52.3(q),55.2(q),6
3.8(d),113.7(d),128.69(d),128.72(d),129.2(d),129.4(d),130.5(s),13
1.2(s),132.0(d),138.5(s),158.7(s),166.7(s),172.9(s).
実施例3
化合物2(8.0g、23.3mM)およびパラジウム黒(2.0g)を氷酢酸(50m
l)とメタノール(50ml)中に加え、その混合物を室温で4時間水素化する
。反応終了を薄層クロマトグラフィー(tlc)によりチェックした後、混合物
を濾過し、濾液を減圧下に蒸発する。残留物をトルエン(3x20ml)で3度
共
沸処理し、溶離液として酢酸エチルを用いるシリカゲル上のフラッシュ・クロマ
トグラフィーにより精製すると化合物3を淡黄色油状物として得る。
分析値:C13H17NO6としての計算値:C,55.12;H,6.05;N,4.94%.実験値
:C,55.46;H,5.99;N,5.05%.13
C nmr(100MHz;CDCl3):δ(ppm)20.8(q),52.1(q),52.5(q),57.9(d),1
27.9(d),128.9(d),129.3(d),130.7(s),131.4(d),139.9(s),166.6(s),173
.5(s),175.9(s).
実施例4
工程1
ジ−tert−ブチル−ジカルボネート(4.5g、20.83mM)をメタノール(10
ml)に溶かし、これを、化合物3(3.1g、10.9mM)およびトリエチレンア
ミン(10ml、71.75mM)をメタノール(40ml)に溶かした溶液に激し
く攪拌しながら加える。次いで、混合物を30分間60℃に加熱し、室温に冷却
後、減圧下蒸発する。残留物をシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィーに付
し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(4:1)を用い精製すると化合物Eを
得る。m.p.88−90℃。
分析値:C16H21NO6としての計算値:C,59.43;H,6.55;N,4.33%.実験値
:C,59.54;H,6.72;N,4.32%.
工程2
化合物E(3.2g、9.9mM)をメタノール50mlに溶かした溶液に、水素化
ホウ素ナトリウム(800mg、21.2mM)を8等分割して30分ごとに加える。
反応終了(tlc)後、残存する水素化ホウ素ナトリウムを氷酢酸で分解し、反
応混合物を減圧下に蒸発すると油状固形物を生じる。この残留物をトルエン(2
x20ml)と共沸処理し、酢酸エチル中で粉砕する。酢酸エチル抽出液を蒸発
すると無色油状物を得る。これをシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィーに
付し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用い精製すると化合物F
を得る。m.p.102−104℃。
分析値:C15H21NO5としての計算値:C,61.01;H,7.17;N,4.74%.実験値
:C,61.11;H,7.23;N,4.70%.
工程3
化合物C(2.2g、7.45mM)をジクロロメタン(25ml)に溶かし、これに
トリフルオロ酢酸(3.0ml、39.17mM)をアルゴン中、室温で攪拌しながら加
える。混合物を室温で5時間攪拌する。反応終了(tlc)後、混合物を加熱せ
ずに減圧蒸発し、残留物をクロロホルム(2x20ml)で共沸処理する。高真
空下で乾燥後、残留物を、水を溶離液とするイオン交換クロマトグラフィー、ア
ンバーリストA21(Amberlyst A21)により精製すると化合物4を無色油状物
として得る。
分析値:C10H13NO3・1/2H2Oとしての計算値:C,58.8;H,6.91;N,6.86%
.
実験値:C,58.98;H,6.73;N,6.53%.13
C nmr(100MHz;CD3OD):δ(ppm)52.6(q),58.1(d),67.4(t),129.1(d),
129.8(2xd),131.6(s),132.9(d),142.4(s),168.2(s).
実施例5
化合物G(1.4g、5.98mM)をメタノール(20ml)に溶かし、これを0
℃に冷却した後、塩化水素ガスで飽和する。飽和した反応混合物を−20℃で2
日間保存する。溶媒を減圧下に留去し、残留物をメタノール(3x20ml)と
共沸処理する。残留物を酢酸エチルに懸濁し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、水および食塩水で連続して洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
、濾過し、減圧下蒸発すると油状物を得る。これをシリカ上のフラッシュ・クロ
マトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用い精
製すると化合物5を得る。
分析値:C9H9Cl2NOとしての計算値:C,46.18;H,3.88;N,5.98%.実験値
:C,46.12;H,3.85;N,6.09%.13
C nmr(100MHz;CDCl3):δ(ppm)52.5(q),57.5(d),126.2(d),128.9(d),
130.8(d),131.9(s),132.6(s),140.2(s),173.4(s).
実施例6
化合物5(6.0g、25.63mM)、ジ−tert−ブチルジカルボネート(11.19g
、51.26mM)およびトリエチルアミン(20ml、143.50mM)を、実施例4
の化合物Eの製造法と実質的に同一の手法で反応させる。粗生成物をシリカ上の
クロマトグラフィーに付し、溶離液として20%酢酸エチル/ヘキサンを用い精
製すると化合物6を油状固形物として得る。m.p.90−92℃。
分析値:C14H17Cl2NO4としての計算値:C,50.32;H,5.13;N,4.19%.実
験値:C,50.55;H,5.16;N,4.08%.
実施例7
化合物6(6.78g、20.28mM)を無水エタノール(100ml)に溶かし、
これに水素化ホウ素ナトリウム(1.15g、30.43mM)を無水エタノール(30
ml)に溶解した溶液を滴下する。反応混合物を室温で6時間攪拌し、次いで、
室温に48時間静置する。溶媒を減圧下に留去し、残留物を、溶離液としてヘキ
サン:酢酸エチル(1:1)を用いるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィ
ーにより精製すると化合物7を白色固形物として得る。m.p.113-114℃。
分析値:C13H17Cl2NO3としての計算値:C,51.00;H,5.60;N,4.57%.実
験値:C,51.21;H,5.69;N,4.43%.
実施例8
化合物Cから化合物Dを製造する方法と実質的に同一の手法により、化合物7
(4.7g、15.35mM)をトリフルオロ酢酸(75ml)と反応させる。粗生成物
をダウエックス50WX2−200(H+型)によるイオン交換クロマトグラフ
ィーに付し、メタノール:水:アンモニア水溶液(50%:47%:3%)で溶
出すると化合物8をクリーム色の固形物として得る。m.p.65−67℃。
分析値:C8H9Cl2NOとしての計算値:C,46.63;H,4.40;N,6.80%.実験値
:C,46.61;H,4.37;N,6.59%.
実施例9
シクロヘキシルメチルホスフィン酸エチル(18.22g)(EP0569333
に記載の方法に従い製造)を乾燥CH2Cl2(100ml)に溶かし、これにビス(
トリメチルシリル)アセトアミド(28.51ml)をアルゴン中で滴下する。この
溶液を室温で1時間攪拌し、次いで、リン酸トリメチル(13.42ml)、さらに
1,3−ジブロモプロペン(シス/トランス異性体の混合物)(9.57ml)を順
次添加する。この溶液を室温で18時間攪拌した後、飽和NaHCO3水溶液(100
ml)に注ぎ入れ、10分間攪拌する。生成物をCH2Cl2(3x50ml)で抽出
し、得られる有機抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥後、濾過する。濾液を
減圧下蒸発し、次いで、過剰のリン酸トリメチルを0.45mmHg、80℃で留去
する。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)に
より精製すると化合物9をシスおよびトランス異性体の混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)51.1および52.2.
実施例10
(R)−2−アミノ−2−フェニルエタノール(0.88g、6.47mM)および化
合物9(1.0g、3.23mM)をトルエン(10ml)に加え、この混合物を加熱
還流する。これに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
(0.48ml、3.23mM)を10分割して30分ごとに加える。反応混合物をさら
に1時間加熱還流し、次いで、室温に一夜放置する。混合物を濾過し、濾液を減
圧下に蒸発すると黄色の油状物を生じる。これを5%メタノール/ジクロロメタ
ン溶離液によるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製すると、
化合物10をリン原子におけるジアステレオ異性体1:1混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)43.49および43.55.
実施例11
(S)−2−アミノ−2−フェニルエタノール(2.66g、19.4mM)、化合物9
(3.0g、9.7mM)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7
−エン(1.40g、9.7mM)をトルエン(30ml)中で、化合物10の製造に
つき記載した手法に従い反応せしめる。粗生成物を5%メタノール/ジクロロメ
タン溶離液によるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製すると
、化合物11をリン原子におけるジアステレオ異性体1:1混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)43.37および43.43
実施例12
化合物4(1.3g、6.66mM)および化合物9(2.06g、6.66mM)をトルエ
ン/THF(25ml、1:1混合物)に溶かした混合物をアルゴン中80℃に
加熱する。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.52g
、9.95mM)をトルエン/THF(15ml、1:1混合物)に溶解した溶液を
5時間を要して加える。この混合物を室温まで冷却し、18時間放置する。この
混合物を濾過し、濾液を減圧下に蒸発すると黄色油状物を生成する。これを5%
メタノール/ジクロロメタン溶離液によるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラ
フィーにより精製すると、化合物12をリン原子におけるジアステレオ異性体1
:1混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)43.53および43.58.
実施例13
化合物12の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物8(2.76
g、13.39mM)および化合物9(4.14g、13.39mM)をトルエン/THF(5
0ml/4ml)に加え、この混合物と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデカ−7−エン(2.03g、13.39mM)をTHF(6ml)に溶かした溶液
とを110℃で反応させると化合物13をリン原子におけるジアステレオ異性体
1:1混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)43.73および43.82.
実施例14
化合物12の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物D(3.19
g、17.50mM)および化合物9(5.41g、17.50mM)をトルエン/THF(5
0ml/4ml)に加え、この混合物と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデカ−7−エン(2.66g、17.5mM)をTHF(6ml)に溶かした溶液と
を110℃で反応させると化合物14をリン原子におけるジアステレオ異性体1
:1混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)43.60および43.66.
実施例15
水素化ナトリウム(0.079g、3.31mM)を乾燥トルエン(10ml)に懸濁
し、0℃で攪拌する。これに化合物10(1.1g、3.01mM)を乾燥トルエン(
20ml)に溶解した溶液を滴下する。反応混合物を室温にもどし、20時間攪
拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液(5ml)を加え、次いで、反応混合物を
酢酸エチルと水に分配する。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合して硫酸マ
グネシウムで乾燥し、濾過、蒸発する。残留物を5%メタノール/ジクロロメタ
ン溶離液によるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、化合
物15をリン原子におけるジアステレオ異性体混合物として得る。
マス・スペクトル(FAB):(m+1)+m/z=366.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.05および54.63.
実施例16
化合物15の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物11(1.
20g、3.28mM)および水素化ナトリウム(0.086g、3.61mM)をトルエン(4
0ml)中で反応させると化合物16をリン原子におけるジアステレオ異性体混
合物として得る。
分析値:C20H32NO3P・0.75H2Oとしての計算値:C,63.39;H,8.91;N,3.70
%.実験値:C,63.39;H,8.75;N,3.70%.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.08および54.65.
実施例17
化合物12(50mg、0.12mM)を乾燥トルエン(0.5ml)に溶かし、室
温で攪拌する。水素化ナトリウム(6.2mg、0.26mM)のトルエン(0.5ml)
懸濁液を一度に加え、反応混合物を室温で3時間攪拌する。反応を氷酢酸により
停止し、生成物を酢酸エチルにより抽出する。合体した有機層を水および食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、蒸発する。残留物を5%メタノー
ル/ジクロロメタン溶離液によるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィーに
より精製すると、化合物17をリン原子におけるジアステレオ異性体混合物とし
て得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.04および54.64.
実施例18
化合物15の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物13(2
.24g、5.15mM)および水素化ナトリウム(0.136g、5.67mM)をトルエン
(80ml)中で反応させるとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化
合物18をリン原子におけるジアステレオ異性体混合物として得る。
分析値:C20H30Cl2NO3P・0.5H2Oとしての計算値:C,54.18;H,7.05;N,3.
16%.実験値:C,54.21;H,7.08;N,3.11%.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)53.80および54.40.
実施例19
化合物15の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物14(5.
38g、13.1mM)および水素化ナトリウム(0.346g、14.41mM)をトルエン(
150ml)中で反応させるとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化
合物19をリン原子におけるジアステレオ異性体混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)53.73および54.33.
実施例20
化合物15(650mg、1.78mM)をジクロロメタン(25ml)に溶かし
、これにブロモトリメチルシラン(0.939ml、7.12mM)をアルゴン中攪拌下
に滴下する。反応混合物を室温で24時間攪拌する。反応をメタノール:水(9
5:5)の混合物添加によって停止する。溶媒を減圧留去すると油状の残留物を
得る。これをダウエックス50WX2−200樹脂(H+型)によるイオン交換
クロマトグラフィーに付し、メタノール:水:アンモニア水溶液(50%:47
%:3%)で溶出精製する。得られる生成物を高真空(<0.05mmHg)下で乾
燥すると化合物20を白色固形物として得る。m.p.>250℃。[α]D=+10.8
°(C=1、CH3OH)。
分析値:C18H28NO3Pとしての計算値:C,64.08;H,8.36;N,4.15%.実験
値:C,63.72;H,8.44;N,4.02%.31
P nmr(162MHz;D2O):δ(ppm)55.22.
実施例21
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物16(6
70mg、1.83mM)とブロモトリメチルシラン(1.1g、7.3mM)をジクロロ
メタン(20ml)中反応させて化合物21を得る。m.p.>250℃。[α]D
=−10.5°(C=1、CH3OH)。
分析値:C18H28NO3Pとしての計算値:C,64.08;H,8.36;N,4.15%.実験
値:C,63.62;H,8.50;N,4.05%.31
P nmr(162MHz;D2O/DCl):δ(ppm)55.36.
実施例22
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物18(0.
979g、2.25mM)とブロモトリメチルシラン(0.89ml、6.76mM)をジクロ
ロメタン(40ml)中反応させて化合物22を得る。m.p.>200℃(分解)
。
分析値:C18H26Cl2NO3P・0.25H2Oとしての計算値:C,52.63;H,6.50;N,3
.41%.実験値:C,52.45;H,6.53;N,3.29%.31
P nmr(202.5MHz;d4−酢酸):δ(ppm)45.45
ナトリウム塩、31P nmr(162MHz;D2O/DCl):δ(ppm)41.89
実施例23
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物19(0.
50g、1.20mM)とブロモトリメチルシラン(0.48ml、3.65mM)をジクロロ
メタン(25ml)中反応させて、トランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセ
ミ化合物23を得る。m.p.128−130℃。
分析値:C18H27N2O5P・H2Oとしての計算値:C,53.99;H,7.30;N,7.00%
.実験値:C,54.23;H,7.25;N,6.93%.31
P nmr(162MHz;CD3OD):δ(ppm)37.64.
実施例24
化合物19(2.98g、7.26mM)および10%パラジウム−活性炭(0.5g)
を無水エタノール(150ml)に加えた混合物を18時間水素化する。混合物
を濾過し、濾液を蒸発する。残留物を10%メタノール/ジクロロメタン溶離液
によるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製すると、トランス
−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物24をリン原子におけるジアステレ
オ異性体混合物として得る。m.p.115−118℃。
分析値:C20H33N2O3P・0.25H2Oとしての計算値:C,62.40;H,8.77;N,7.3
1%.実験値:C,62.52;H,8.88;N,7.18%.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.16および54.72.
実施例25
化合物24(2.43g、6.38mM)を濃塩酸(50ml)に溶かした溶液に粉砕
した氷(15g)を加え、その混合物を0℃に冷却する。亜硝酸ナトリウム(0.
48g、7.02mM)を水(25ml)に溶かした溶液を滴下し、この混合物を0℃
で10分間攪拌する。得られる溶液をヨウ化カリウム(11.13g、67.01mM)の
水(200ml)溶液に滴下する。反応混合物を室温でさらに2・1/2時間攪拌
し、次いで、室温で一夜静置する。酢酸エチルを加え、二相に分離する。水層に
固形の炭酸水素ナトリウムを加えて中和し、酢酸エチルで抽出する。これら酢酸
エチル抽出液を当初の有機層と合し、その有機層を10%水酸化ナトリウム水溶
液で洗浄し、さらに5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄する。有機
層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧下に蒸発する。残留物を10%メ
タノール/酢酸エチル溶離液によるシリカ上のフラッシュ・クロマトグラフィー
により精製すると、トランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物25を
リン原子のジアステレオ異性体混合物として得る。マス・スペクトル(CI/N
H3):(m+1)+m/z=492。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.21および54.77.
実施例26
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物25(0.
1g、0.20mM)とブロモトリメチルシラン(0.427ml、3.20mM)をジクロロ
メタン(10ml)中、室温で78時間反応させる。粗生成物をダウエックス5
0WX2−200樹脂(H+型)によるイオン交換クロマトグラフィーに付し、
メタノール:水:アンモニア水溶液(50%:47%:3%)で溶出精製する。
得られる生成物を高真空(<0.05mmHg)下で乾燥するとトランス−2,5−
ジ置換モルフォリン・ラセミ化合物26を得る。m.p.>230℃(dec)。
分析値:C18H27INO3P・1.2H2Oとしての計算値:C,44.59;H,6.11;N,2.89
%.実験値:C,44.48;H,5.70;N,2.95%.31
P nmr(162MHz;CD3OD/DCl):δ(ppm)53.03.
実施例27
シアン化ナトリウム含侵アルミナ(アルミナ1g当たり5mM NaCN)を
ジャーナル・オルガニック・ケミストリー、1979,44(12),2029に記載のエス・
エル・レーゲン(S.L.Regen)、エス・クイッチ(S.Quici)およびエス・ジ
ェイ・リオウ(S.J.Liaw)の方法に従って製造する。トリス(ジベンジリデン
アセトン)ジパラジウム(O)[0.17g、0.18mM]、シアン化ナトリウム含侵
アルミナ(4.7g)およびトリ(2−フリル)ホスフィン(0.34g、1.45mM)
から成る混合物に、化合物25(0.89g、1.8mM)を乾燥脱ガストルエン(5
0ml)に溶かした溶液を加える。反応混合物を80℃で12時間加熱する。反
応はtlcでモニターし、必要ならば、さらにトリス(ジベンジリデンアセトン
)ジパラジウム(O)[0.17g、0.18mM]およびトリ(2−フリル)ホスフィ
ン(0.34g、1.45mM)を加え、80℃に8時間加熱する。反応終了後、混合物
を濾過し、固形物をエーテルで洗浄する。濾液を合して減圧下に蒸発し、残留物
を10%メタノール/酢酸エチル溶離液によるシリカ上のフラッシュ・クロマト
グラフィーにより精製すると、トランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化
合物27をリン原子におけるジアステレオ異性体混合物として得る。
マス・スペクトル(CI,NH3):(M+1)+m/z=391.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)53.95および54.57.
実施例28
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物27(0.
16g、0.41mM)とブロモトリメチルシラン(0.81ml、6.14mM)をジクロロ
メタン中反応させるとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物28
を得る。
マス・スペクトル(CI,NH3):M+m/z=362.31
P nmr(162MHz;D2O/DCl):δ(ppm)55.31.
実施例29
化合物27(0.09g、0.23mM)、6M塩酸(10ml)およびエタノール(
1ml)から成る混合物を72時間加熱還流する。反応終了(31P nmr)後、溶
媒を減圧留去する。残留物をダウエックス50WX2−200樹脂(H+型)に
よるイオン交換クロマトグラフィーに付し、メタノール:水:アンモニア水溶液
(50%:47%:3%)で溶出精製し、生成物を高減圧下(≦0.05mmHg)
乾燥するとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物29を得る。m.
p.>260℃。31
P nmr(162MHz;D2O):δ(ppm)40.67.
実施例30
化合物17(0.50g、1.18mM),6M塩酸(25ml)および氷酢酸(5m
l)から成る混合物を100℃で16時間加熱する。反応終了(31P nmr)後、
溶媒を減圧下留去する。残留物をダウエックス50WX2−200樹脂(H+型
)によるイオン交換クロマトグラフィーに付し、メタノール:水:アンモニア水
溶液(50%:47%:3%)で溶出精製し、生成物を高減圧下(≦0.05mmH
g)乾燥するとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物29を得る
。
分析値:C19H28NO5P・0.5H2Oとしての計算値:C,58.45;H,7.49;N,3.59
%.実験値:C,58.68;H,7.35;N,3.71%.31
P nmr(162MHz;D2O):δ(ppm)40.71.
実施例31
化合物29(317mg、0.83mM)をメタノール(20ml)に溶かし、こ
の溶液を塩化水素ガスで飽和し、反応混合物を室温で16時間攪拌する。溶媒を
減圧下に留去し、残留物をダウエックス50WX2−200樹脂(H+型)によ
るイオン交換クロマトグラフィーに付し、メタノール:水:アンモニア水溶液(
50%:47%:3%)で溶出精製する。生成物を高減圧下(≦0.05mmHg)
乾燥するとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物30を得る。
分析値:C20H30NO5P・0.25H2Oとしての計算値:C,60.01;H,7.68;N,3.50
%.実験値:C,60.26;H,7.57;N,3.45%.31
P nmr(162MHz;CD3OD):δ(ppm)37.21.
実施例32
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物10(9
0mg、0.246mM)とブロモトリメチルシラン(200μl、1.57mM)をジ
クロロメタン(2ml)中反応させると化合物31を得る。[α]D−38.5°(
C=0.6、CH3OH)。31
P nmr(162MHz;CD3OD):δ(ppm)29.00.
実施例33
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物11(9
0mg、0.246mM)とブロモトリメチルシラン(200μl、1.57mM)をジ
クロロメタン中反応させると化合物32を得る。[α]D+41.3°(C=0.6、CH3
OH)。31
P nmr(162MHz;CD3OD):δ(ppm)28.84.
実施例34
化合物12(100mg、0.24mM)をジクロロメタン(2ml)に溶かし、
これにブロモトリメチルシラン(300μl、2.4mM)をアルゴン気流下に加
え、その混合物を室温で24時間攪拌する。溶媒を減圧下に留去し、残留物をメ
タノール:水(1:1)混合物で共沸処理する。得られる残留物を6M塩酸(5
ml)およびメタノール(0.3ml)の混液に溶かし、混合物を4時間加熱還流
する。溶媒を減圧下留去し、残留物を水で3度共沸処理する。残留物をダウエッ
クス50WX2−200樹脂によるイオン交換クロマトグラフィーに付し、メタ
ノール:水:アンモニア水溶液(50%:47%:3%)で溶出精製すると化合
物33を得る。31
P nmr(162MHz;CD3OD):δ(ppm)29.28.
実施例35
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物13(0.
5g、1.15mM)とブロモトリメチルシラン(0.91ml、6.9mM)をジクロロメ
タン(15ml)中反応させると化合物34を得る。31
P nmr(162MHz;CD3OD):δ(ppm)29.06.
実施例36
化合物20の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物14(9
0mg、0.219mM)とブロモトリメチルシラン(200μl、1.57mM)をジ
クロロメタン(2ml)中反応させると化合物35を得る。31
P nmr(162MHz;CD3OD):δ(ppm)29.57.
実施例37
2−アミノ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸(2.9g、10mM)
およびTHF(10ml)から成る懸濁液に三弗化ホウ素・エチルエーテル複合
体(1.25ml、10mM)を、20分を要して滴下する。混合物を2時間加熱還
流し、次いで、ボラン・ジメチルスルフィド複合体(1.1ml、11mMol)
を、還流下に1時間掛けて滴下する。混合物をさらに5時間加熱還流し、次いで
、室温で15時間攪拌する。
水およびTHF(20ml)の1:1混合物を加え、次いで、5N水酸化ナト
リウム溶液(7.5ml)を加える。反応混合物を7時間加熱還流し、室温に冷却
後、濾過する。濾取物をTHF(2x10ml)で洗浄し、濾液を当初容量の2
5%まで濃縮し、ジクロロメタンで抽出する。合体した有機層を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、濾過、減圧下蒸発すると淡黄色固形物を得る。これをヘキサン:酢
酸エチル(1:2)から再結晶すると化合物36を得る。m.p.105−107
℃。
分析値:C9H12INOとしての計算値:C,39.01;H,4.37;N,5.06%.実験値
:C,38.69;H,4.40;N,4.92%.
実施例38
化合物12の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、トルエン(20
ml)に加えた化合物36(2.40g、8.66mM)および化合物9(2.7g、8.66
mM)の混合物を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
(1.30g、8.66mM)をTHF(10ml)に溶かした溶液と75℃で反応させ
ると化合物37をリン原子におけるジアステレオ異性体の1:1混合物として得
る。31
P nmr(202MHz;CDCl3):δ(ppm)43.69および43.72.
実施例39
水素化ナトリウム(0.105g、4.4mM)と乾燥トルエンから成る懸濁液を、化
合物37(2.0g、4.0mM)を乾燥トルエン(25ml)に溶かした溶液に攪拌
下30秒で分割して加える。混合物を0℃で30分間、次いで、室温で3時間攪
拌する。氷酢酸(1ml)を加え、反応混合物を酢酸エチル(75ml)で希釈
する。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水および食塩水で順次洗浄する。
有機層を合体し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して蒸発する。残留物をフラッ
シュ・クロマトグラフィーに付して20%メタノール/酢酸エチルで溶離精製す
ると、トランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物38およびシス−2
,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物39をそれぞれリン原子のジアステレオ
異性体の1:1混合物として得る。
化合物38:31P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)53.93および54.60
化合物39:31P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.25および54.82ppm.
実施例40
化合物38(180mg、0.356mM)をジクロロメタン(5ml)に溶かし
た溶液にブロモトリメチルシラン(0.20ml、1.52mM)をアルゴン気流下攪拌
しながら滴下する。反応混合物を室温で20時間攪拌する。溶媒を減圧下に留去
し、残留物を水:メタノール1:1(2x0.5ml)で共沸処理する。残留物を
ダウエックス50WX2−200樹脂(H+型)によるイオン交換クロマトグラ
フィーに付し、メタノール/2%水酸化ナトリウム溶液(1:1)で溶出する。
得られる生成物をさらにバイオーゲル(Bio-Gel)P2カラムによるゲル濾過に
付し、水で溶離精製するとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物
40を得る。m.p.>250℃(分解)。
分析値:C19H28INO3P・Na・3H2Oとしての計算値:C,41.20;H,6.10;N,
2.53%.実験値:C,41.42;H,5.40;N,2.42%.31
P nmr(161MHz;D2O):δ(ppm)41.81.
実施例41
化合物38(0.180g、0.36mM)および塩化ビス・トリフェニルホスフィン
パラジウム(II)(0.200g、0.28mM)を無水エタノール(2ml)に加え、こ
の混合物をアルゴンで5分間脱ガス処理する。この混合物を一酸化炭素気流中激
しく攪拌しながら3時間加熱還流する。混合物を室温まで冷却し、溶媒を減圧下
に留去すると油状固形物を生じる。これを酢酸エチル中で粉砕する。合体した酢
酸エチル洗浄液を減圧下に蒸発し、残留物をシリカによるフラッシュ・クロマト
グラフィーに付し、10%メタノール/クロロホルムで溶出精製するとトランス
−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物41をリン原子におけるジアステレ
オ異性体の1:1混合物として得る。31
P nmr(161MHz;CDCl3):δ(ppm)53.93および54.60.
実施例42
化合物41(0.095g、0.21mM)と6M塩酸(4ml)との混合物を20時
間加熱還流する。反応終了(31P nmr)後、溶媒を減圧下留去し、残留物をダウ
エックス50WX2−200樹脂(H+型)によるイオン交換クロマトグラフィ
ーに付し、メタノール/2%水酸化ナトリウム溶液(1:1)で溶出する。得ら
れる生成物をさらにバイオーゲル(Bio-Gel)P2カラムによるゲル濾過に付し
、
水で溶離精製するとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物42を
得る。m.p.>250℃(分解)。
分析値:C20H28NO5P・Na・2H2Oとしての計算値:C,50.52;H,6.79;N,2
.95%.実験値:C,50.53;H,7.40;N,2.96%.31
P nmr(202MHz;D2O):δ(ppm)42.38.
実施例43
酢酸ナトリウム(1.8g、21.4mM),酢酸(1.3ml、22.7mM)および40
%ホルムアルデヒド水溶液(7.0ml、101mM)を水(5ml)に溶解する
ことによりホルムアルデヒドの緩衝化貯蔵溶液を調製する。この貯蔵溶液の一部
(10ml)を化合物29(0.10g、0.262mM)とメタノール(2ml)の混
合物に添加し、この混合物を室温で10分間攪拌する。水素化シアノホウ素ナト
リウム(0.165g、2.62mM)を2分掛けて分割添加する。混合物を室温で24
時間攪拌する。減圧下に溶媒を留去し、残留物をダウエックス50WX2−20
0樹脂(H+型)によるイオン交換クロマトグラフィーに付し、メタノール/2%
水酸化ナトリウム溶液(1:1)で溶出する。得られる生成物をさらにバイオ−
ゲル(Bio-Gel)P2カラムによるゲル濾過に付し、水で溶離精製するとトラン
ス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物43を得る。m.p.>250℃(
分解)。
分析値:C20H28NO5P・2Na・H2Oとしての計算値:C,52.52;H,6.61;N,3
.06%.実験値:C,52.60;H,6.82;N,3.10%.31
P nmr(202MHz;D2O):δ(ppm)41.93.
実施例44
化合物29(0.25g、0.66mM)をジオキサン:水(4ml)の1:1混液に
溶解し、そのpHを0.1M水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整する。混液を激
しく攪拌し、これにベンジルクロロホルメートを15分掛けて滴下する。反応混
合物のpHを0.1Mナトリウム溶液でpH9に調整し、室温で20時間攪拌する
。混合物を当初容量の半量まで減圧下に濃縮し、濃塩酸で酸性とする。混合物を
酢酸エチルで抽出し、合体した有機層を水、次いで、食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥、濾過、蒸発する。残留物をシリカによるフラッシュ・クロマト
グラフィーに付し、酢酸:メタノール:クロロホルム(2%:10%:88%)
で溶出精製する。生成物をさらにダウエックス50WX2−200樹脂(H+型
)によるイオン交換クロマトグラフィーに付し、THF:水(3:1)で溶出精
製する。得られる生成物を1%水酸化ナトリウム溶液(2.5ml)に溶かし、バ
イオ−ゲル(Bio-Gel)P2カラムによるゲル濾過に付し、水で溶離精製すると
トランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物44を得る。m.p.>25
0℃(分解)。
分析値:C27H32NO7P・2Na・3H2Oとしての計算値:C,52.85;H,6.24;N,2.
28%.実験値:C,52.27;H,6.00;N,2.24%.31
P nmr(161MHz;D2O):δ(ppm)41.75.
実施例45
化合物J(70.2g、0.31M)をTHF(350ml)に加えた懸濁液に、三弗
化ホウ素エチルエーテル複合体(75.0ml、0.61M)を、20分を要して滴下す
る。混合物を2時間加熱還流し、次いで、ボラン・ジメチルスルフィド複合体(
57.9ml、0.61M)を還流下に1.5時間掛けて滴下する。混合物をさらに3時間
加熱還流し、室温で18時間静置する。
水およびTHF(350ml)の1:1混合物を加え、次いで、5M水酸化ナ
トリウム溶液(350ml)を加える。反応混合物を5時間加熱還流し、次いで
、室温まで冷却する。2相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。合体した有
機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、減圧下に蒸発すると
褐色油状物を得る。
この残留物を酢酸エチル/ヘキサン中で粉砕し、酢酸エチルから再結晶すると
化合物45を得る。m.p.74−76℃。
分析値:C8H10BrNOとしての計算値:C,44.46;H,4.67;N,6.48%.実験値
:C,44.40;H,4.67;N,6.35%.
実施例46
化合物45(15.0g、69.4mM)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(II)(4.0g、5.70mM)をメタノール(100ml)およびトリエ
チルアミン(25ml)に加えた混合物をアルゴンで5分間脱ガスする。混合物
を一酸化炭素で飽和し、耐圧容器にて30psiまで加圧する。混合物をゆっくり
と100℃まで加熱し、圧力を50psi以下に5時間維持する。混合物を酢酸エ
チル中で粉砕し、濾液を蒸発する。残留物をシリカによるフラッシュ・クロマト
グラフィーに付し、10%ないし20%メタノール/クロロホルムで溶出精製す
ると化合物4を得る。13
C nmr(100MHz;CD3OD):δ(ppm)52.6(q),58.3(d),68.1(t),129.0(d),12
9.5(d),129.7(d),131.5(s),132.9(d),143.6(s),168.4(s).
実施例47
(2R/S)−2−アミノ−2−(1H−インドール−3−イル)エタノール
をジャーナル・メディシナル・ケミストリー、1988,31,1244,に記載のエイ・
エッチ・カッツ(A.H.Katz)らの手法に従い製造する。
化合物12の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、トルエン/TH
F(10ml/15ml)に加えた(2R/S)−2−アミノ−2−(1H−イ
ンドール−3−イル)エタノール(0.39g、2.21mM)および化合物9(0.68g
、2.20mM)の混合物を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7
−エン(0.33g、2.17mM)をトルエン(5ml)に溶かした溶液と75℃で反
応させると化合物46をリン原子におけるジアステレオ異性体の1:1混合物と
して得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)43.25および43.43.
実施例48
水素化ナトリウム(0.014g、0.59mM)を乾燥トルエン(10ml)に懸濁
し、0℃にて攪拌する。化合物46(0.200g、0.49mM)を乾燥トルエン(7
ml)に溶かした溶液をこれに滴下する。反応混合物をゆっくりと室温まで戻し
、4時間攪拌する。氷酢酸を加えて反応を停止し、混合物を濾過、蒸発する。残
留物をシリカによるフラッシュ・クロマトグラフィーに付し、20%メタノール
/酢酸エチルで溶出精製するとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化
合物47をリン原子におけるジアステレオ異性体の混合物として得る。
マス・スペクトル(CI/NH3):(M+1)+m/z=405.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.44および55.32.
実施例49
化合物40の製造法に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物47(0.
115g、0.28mM)とブロモトリメチルシラン(0.15ml、1.13mM)をジクロ
ロメタン(5ml)中室温で3日間反応させるとトランス−2,5−ジ置換モル
ホリン・ラセミ化合物48を得る。13
C nmr(100MHz;D2O)δ(ppm)28.6(t),28.7(t),35.1(d),37.6(t),37.7(
t),37.9(t),38.3(t),41.6(t),53.8(d),54.2(t),74.7(t),75.6(d),114.8
(d),115.6(s),121.3(d),122.3(d),125.0(d),125.4(d),
128.3(s),138.8(s).31
P nmr(202MHz;D2O):δ(ppm)42.6.
実施例50
実施例37に記載したものと実質的に同一の手法に従い、DL−2−アミノ−
3−メチル−2−フェニル酪酸(10.0g、51.8mM),三弗化ホウ素・ジエチル
エーテル複合体(6.4ml、51.8mM)およびボラン・ジメチルスルフィド複合
体(4.9ml、51.8mM)をTHF(50ml)中反応させると化合物49を得
る。
マス・スペクトル(CI/NH3):(M+1)+m/z=180.13
C nmr(100MHz;CDCl3)16.8(q),17.4(q),34.8(d),61.7(s),69.2(t),126.2
(d),126.4(d),127.8(d),144.2(s).
実施例51
実施例12に記載したものと実質的に同一の手法に従い、化合物49(1.07g
、6.0mM)および化合物9(1.86g、6.0mM)をトルエン(20ml)に加え
た混合物を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.1
g、7.2mM)をトルエン(5ml)に溶かした溶液と75℃で反応させると化
合物50をリン原子におけるジアステレオ異性体の1:1混合物として得る。
マス・スペクトル(CI/NH3):(M+1)+m/z=408.31
P nmr(202.5MHz;CDCl3):δ(ppm)44.22および44.25.
実施例52
実施例39に記載したものと実質的に同一の手法に従い、化合物50(200
mg、0.49mM)および水素化ナトリウム(12mg、0.49mM)を乾燥トルエ
ン(3ml)中反応させる。粗生成物をシリカによるフラッシュ・クロマトグラ
フィーに付し、10%メタノール/酢酸エチルで溶出精製すると(2R*,5R*
)モルホリン・ラセミ化合物51および(2R*,5S*)モルホリン・ラセミ化
合物52をそれぞれリン原子におけるジアステレオ異性体の混合物として得る。
化合物51:31P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.3および55.0.
化合物52:31P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)54.2および55.5.
実施例53
実施例40に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物51(40mg、
0.1mM)とブロモトリメチルシラン(0.066ml、0.5mM)を乾燥ジクロロメ
タン(1ml)中で反応させると(2R*,3R*)モルホリン・ラセミ化合物5
3を得る。31
P nmr(202.5MHz;D2O):δ(ppm)42.5.
実施例54
実施例40に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物52(180mg
、0.2mM)とブロモトリメチルシラン(0.132ml、1.0mM)を乾燥ジクロロ
メタン(2ml)中で反応させると(2R*,5S*)モルホリン・ラセミ化合物
54を得る。31
P nmr(202.5MHz;D2O):δ(ppm)42.2.
実施例55
1,1−ジエトキシエチルホスフィン酸エチル(5.25g、25mM)を乾燥T
HF(30ml)に溶かした溶液に0.5Mビス(トリメチルシリル)アミド/トル
エン溶液(50ml、25mM)を冷却下(−70℃)滴下する。混合物を−7
0℃で0.5時間攪拌する。得られる溶液を、4−メトキシベンジルクロリド(3.9
g、25mM)の冷却THF(30ml)溶液に10分を要して滴下する。得ら
れる混合物を−70℃で1時間攪拌し、次いで、室温に戻す。反応混合物を室温
で18時間攪拌する。氷酢酸を加え、反応物を蒸発する。残留物を酢酸エチルと
炭酸水素ナトリウム溶液に分配する。有機層を分取し、水、次いで、食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、蒸発する。残留物をシリカによるフラッ
シュ・クロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/ヘキサン(2:1)で溶出精製
すると化合物55を得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)44.6.
実施例56
化合物55(1.0g、3.03mM)をクロロホルム:エタノール(9:1)混合
物(10ml)に溶かした溶液にクロロトリメチルシラン(3.8ml、30.3mM
)を加え、混合物を室温で18時間攪拌する。該混合物を減圧下に蒸発し、残留
物をクロロホルムで共沸処理する。高真空下で乾燥した後、残留物をシリカによ
るフラッシュ・クロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで溶出精製すると化合物
56を無色油状物として得る。
マス・スペクトル(CI/NH3):(m+NH4)+m/z=232.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)37.3.
実施例57
実施例9に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物56(0.5g、2.33
mM),ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.69ml、2.80mM),リン
酸トリメチル(0.33ml、2.80mM)および1,3−ジブロモプロペン(シス/
トランス異性体混合物)(0.23ml、2.33mM)を乾燥ジクロロメタン(10ml)
中反応させると化合物57をシスおよびトランス異性体の混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)47.2および48.1.
実施例58
実施例12に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物4(0.193g、0.9
9mM)および化合物57(0.330g、0.99mM)をトルエン/THF(10ml
、4:1混合物)に加えた混合物を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデカ−7−エン(0.181g、1.19mM)のトルエン(2ml)溶液と80℃で
反応させると化合物58をリン原子におけるジアステレオ異性体の1:1混合物
として得る。
マス・スペクトル(CI、NH3):(m+1)+m/z=448.31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)39.40および39.49.
実施例59
実施例39に記載したと実質的に同一の手法に従い、化合物58(200mg
、0.45mM)および水素化ナトリウム(10.8mg、0.45mM)とをトルエン(2
ml)中で反応させるとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・ラセミ化合物5
9をリン原子におけるジアステレオ異性体混合物として得る。31
P nmr(162MHz;CDCl3):δ(ppm)50.0および50.8.
実施例60
化合物59(50mg、0.11mM)をジクロロメタン(1ml)に溶かし、こ
れにブロモトリメチルシラン(0.074ml、0.55mM)を加えて室温で24時間
攪拌する。減圧下に溶媒を留去し、残留物をメタノール:水の1:1混合物で共
沸処理する。得られる残留物を6M塩酸(2ml)に溶かし、混合物を4時間加
熱還流する。減圧下に溶媒を留去し、残留物を水と3度共沸処理する。得られる
残留物をダウエックス50WX2−200樹脂(H+型)によるイオン交換クロ
マトグラフィーに付し、メタノール/2%水酸化ナトリウム溶液(1:1)で溶
出精製する。得られる生成物をさらにバイオ−ゲル(Bio-Gel)P2カラムによ
るゲル濾過に付し、水で溶離精製するとトランス−2,5−ジ置換モルホリン・
ラセミ化合物60を得る。31
P nmr(202.5MHz;D2O):δ(ppm)37.4.
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/00 626 A61K 31/00 626N
626C
629 629A
643 643D
31/675 31/675
C07C 213/00 C07C 213/00
213/02 213/02
215/28 215/28
229/36 229/36
229/38 229/38
255/24 255/24
C07F 9/30 C07F 9/30
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AU,BB,BG,CA
,CN,CU,CZ,EE,GE,HU,IL,IS,
JP,KP,KR,LK,LR,LT,LV,MG,M
K,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI
,SK,TR,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 ベネット,スチュアート・ノーマン・ライ
ル
イギリス、エスケイ10・2ジェイエイ、チ
ェシャー、マックルズフィールド、アーバ
ー・クロース11番
(72)発明者 ウィリアムズ,アン・レイチェル・バート
ン
イギリス、ダブリューエイ16・9エイエイ
チ、チェシャー、ナッツフォード、バレ
ー・ウェイ19番