JPH1151208A - スプール弁装置 - Google Patents

スプール弁装置

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JPH1151208A
JPH1151208A JP21200897A JP21200897A JPH1151208A JP H1151208 A JPH1151208 A JP H1151208A JP 21200897 A JP21200897 A JP 21200897A JP 21200897 A JP21200897 A JP 21200897A JP H1151208 A JPH1151208 A JP H1151208A
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JP
Japan
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spool valve
groove
spool
valve
groove part
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JP21200897A
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Inventor
Hideo Shimizu
英男 清水
Masahiro Akioka
雅裕 秋岡
Hiroshi Saegusa
博 三枝
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプール弁から流出する液圧を極力リニアに
立ち上がらせ、しかもそのスプール弁開閉の際に通過液
体がスプール弁自体に及ぼす軸力を低減できるように
し、そのスプール弁に連なる液圧作動機器の制御を容易
且つ高精度で行えるようにする。 【解決手段】 スプール弁Sの溝部2は、ランド部
1 ,L2 の端縁e1 ,e2から該溝部2の底面2b側
に下る側壁部2sが、該底面2bに向かって溝部2の幅
方向中央側へ傾斜するように形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状の溝部を挟ん
で隣接する2つのランド部を少なくとも有するスプール
弁と、そのスプール弁を摺動可能に嵌合支持するスプー
ル孔を有する弁ハウジングとを備え、この弁ハウジング
には、そのスプール孔に開口する少なくとも2つのポー
トが形成され、スプール弁が第1の摺動位置にあるとき
に一方のランド部が前記2つのポート間を遮断し、また
第2の摺動位置にあるときに溝部が前記2つのポート間
を連通させるようにしたスプール弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記スプール弁装置は、そのスプール弁
の摺動に伴うポート相互間の連通・遮断によって油圧等
の液圧の進路切換、調圧等を行うために、車両用自動変
速機、その他の各種機械装置において従来より広く採用
されている(例えば特開平5−209690号公報参
照)。
【0003】ところで従来装置では、図9に例示するよ
うにスプール弁S′の2つのランド部L1 ,L2 間に位
置する溝部02の側壁部02sが、ランド部L1 ,L2
の端縁e1 ,e2 から溝部底面02bに向かって垂直
(スプール軸線に対し直角)に下り、その下端部が曲率
の大きいアールRを介して溝部底面02bに連続するよ
うに形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の溝部
形状では、溝部02の側壁部02sがランド部端縁
1,e2 から溝部底面02bに向かって急激に立ち下
がり、その溝部内面には比較的急角度の屈曲部Rが存在
していて通過液体に対する管路抵抗(即ち溝部形状に起
因した圧力損失係数)が大きい。このため、スプール弁
が両ポート間の連通を開始する際に、弁から流出する油
圧がリニアな立ち上がりを示さず、その油圧により作動
する機器の制御を行いにくい問題がある。例えば、その
スプール弁を油圧式摩擦係合要素(例えば油圧クラッ
チ,ブレーキ等)の作動制御に用いた場合には、その弁
から流出開始する油圧がリニアな立ち上がりを示さない
ので、摩擦係合要素のピストンストローク制御を行いに
くい問題があり、またその摩擦係合要素への供給油圧が
スプール弁部における圧力損失により低下するため、そ
れだけ容量が低下し、摩擦係合要素の摩耗を促進する不
都合がある。
【0005】また上記従来のスプール弁の溝部形状で
は、スプール弁を通して液体が流入し又は流出する際に
その流体力(即ち動圧)の影響でスプール弁自体に軸方
向のスラスト(以下、単に軸力という)が作用し易くな
っており、その軸力が弁開度を操作する際に抵抗となる
ことがあって、開度制御の精度低下(従って液圧の供給
タイミング)の悪化を招く恐れがある。特にソレノイド
(例えばリニアソレノイド,デューティソレノイド等)
によりスプール弁を直接駆動して液圧制御を行っている
ものにおいては、前記軸力に起因して調圧精度の低下を
来たし、またその軸力の影響を受けない程度に上記ソレ
ノイドを大型化し且つ高精度化する必要があってコスト
増となってしまう。
【0006】本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたも
のであり、従来装置の上記問題を簡単な構成で解決する
ことができるスプール弁装置を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1の特徴によれば、環状の溝部を挟んで隣
接する2つのランド部を少なくとも有するスプール弁
と、そのスプール弁を摺動可能に嵌合支持するスプール
孔を有する弁ハウジングとを備え、この弁ハウジングに
は、そのスプール孔に開口する少なくとも2つのポート
が形成され、スプール弁が第1の摺動位置にあるときに
一方のランド部が前記2つのポート間を遮断し、また第
2の摺動位置にあるときに溝部が前記2つのポート間を
連通させるようにしたスプール弁装置において、前記溝
部は、各ランド部の端縁から該溝部の底面側に下る側壁
部が該底面に向かって溝部の幅方向中央側に傾斜するよ
うに形成される。
【0008】この特徴により、溝部の通過液体に対する
管路抵抗(損失係数)が低減されて圧力損失が抑えられ
るため、スプール弁から流出する液圧を極力リニアに立
ち上がらせることができるようになる。しかもスプール
弁を介して液体が流入又は流出する際に溝部内で液体を
スムーズに旋回流動させることができるため、その旋回
流動により、該弁に働く動圧を打ち消し、その動圧の影
響を受けにくくすることができて、スプール弁自体に作
用する軸力の低減が図られる。それらの結果、スプール
弁に連なる液圧作動機器の制御を容易且つ高精度に行え
るようになり、例えばその機器が油圧式摩擦係合要素で
ある場合には、その摩擦係合要素のピストンストローク
制御を容易に行え、制御性が頗る良好となり、その制御
の自由度や精度も高められる。またそのスプール弁をソ
レノイド(例えばリニアソレノイド,デューティソレノ
イド等)により駆動するような場合には、上記軸力の影
響を極力低減してソレノイドの小型化やコスト節減が図
られる。
【0009】また本発明の第2の特徴によれば、前記第
1の特徴に加えて、前記溝部の、スプール弁軸線を通る
断面の形状が、各ランド部の端縁を通る単一の円弧とさ
れる。これにより、その溝部の内面が曲率の一様な断面
円弧状となって、その溝部内面の丸みにより、溝部の通
過液体に対する管路抵抗(損失係数)が一層低減され、
圧力損失が効果的に抑えられるため、スプール弁から流
出する液圧をよりリニアに立ち上がらせることができ
る。しかもスプール弁を介して液体が流入又は流出する
際に溝部内で、その丸みのある滑らかな(曲率の一様な
断面円弧状の)内面に沿って液体を極めてスムーズに旋
回流動させることができて動圧の影響をより受けにくく
することができるため、前記軸力がより効果的に低減さ
れる。それらの結果、スプール弁に連なる液圧作動機器
の制御を一層容易且つ高精度に行えるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付図面
に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説
明する。
【0011】添付図面において、図1は、本発明のスプ
ール弁装置の第1実施例を示す全体縦断面図、図2は第
1実施例のスプール弁の要部縦断面図、図3は、第2実
施例のスプール弁を示す、図2と同様の要部縦断面図、
図4は、スプール弁の開弁時における油圧立ち上がり特
性に及ぼすスプール弁溝部形状の影響を表すグラフ、図
5は、スプール弁に加わる軸力に及ぼすスプール弁溝部
形状の影響を表すグラフ、図6は、第3実施例のスプー
ル弁を示す、図2と同様の要部縦断面図、図7は、第4
実施例のスプール弁を示す、図2と同様の要部縦断面
図、図8は、第5実施例のスプール弁を示す、図2と同
様の要部縦断面図である。
【0012】先ず、図1,2において、スプール弁装置
は、一端が閉塞されたスプール孔1aを有する弁ハウジ
ング1と、そのスプール孔1aに摺動自在に嵌合支持さ
れたスプール弁Sとを備えており、そのスプール弁S
は、環状の溝部2を挟んで隣接する第1及び第2ランド
部L1 ,L2 を外周面に有して有底円筒状に形成され
る。そのスプール弁Sの閉塞された前端部3は、スプー
ル孔1aの閉塞端に対向しており、そのスプール弁Sの
前端部3と、スプール孔1aの内面との間には受圧室4
が画成される。尚、図1においてスプール弁Sは、説明
の便宜上、その上半部と下半部とで摺動位置を変えて表
示しており、その上半部は前進限界位置を、またその下
半部は後退限界位置をそれぞれ示す。
【0013】スプール孔1aの内面には、スプール弁S
の後退限界位置を規定するように該弁Sの後端に係合可
能なサークリップ等よりなるストッパ板5が着脱可能に
固定されており、そのストッパ板5とスプール弁S(図
示例では前端部背面)との間には、該スプール弁Sを受
圧室4側、即ち前進方向に常時付勢する弁ばね6が介装
される。而してスプール弁Sは、受圧室4に信号圧が作
用していない第1の作動状態にある時には、弁ばね6の
付勢力により、スプール孔1a内端に当接する前進限界
位置に保持され、一方、受圧室4に所定圧以上の信号圧
が作用する第2の作動状態にある時には、弁ばね6の付
勢力に抗して前記後退限界位置に保持される。
【0014】また弁ハウジング1には、スプール孔1a
にその軸線方向に間隔をおいて開口する複数(図示例で
は5つ)のポートp1 〜p5 が形成される。これらポー
トのうち中央の第1ポートp1 は、これを油圧源又は油
タンク(何れも図示せず)に選択的に連通させる油供給
装置Aに接続されており、またその第1ポートp1 の両
側の第2及び第3ポートp2 ,p3 は、前記装置Aより
供給された油圧により作動する液圧作動機器としての2
つの油圧クラッチC1 ,C2 にそれぞれ接続される。更
に第4ポートp4 は、第2ポートp2 の外側に有って受
圧室4に常時連通されており、該受圧室4に信号圧を適
時給排するための信号圧給排装置Bに接続される。更に
第5ポートp5 は、第3ポートp3 の外側に有り、スプ
ール弁Sの背面側を大気に開放すべく設けられる。尚、
各ポートp1 〜p5 の、スプール孔1aへの開口部分
は、該孔1aの全周に亘る環状の溝状に形成される。
【0015】第1及び第2ポートp1 ,p2 は、スプー
ル弁Sが後退限界位置にあるときに一方のランド部とし
ての第1ランド部L1 によって相互間が遮断され、また
前進限界位置にあるときに溝部2によって相互間が連通
されるように配置される。この場合は、第1及び第2ポ
ートp1 ,p2 が本発明の2つのポートに相当すると共
に、スプール弁Sの後退限界位置が本発明の第1の摺動
位置に、また前進限界位置が本発明の第2の摺動位置に
それぞれ相当する。
【0016】また第1及び第3ポートp1 ,p3 は、ス
プール弁Sが前進限界位置にあるときに一方のランド部
としての第2ランド部L2 によって相互間が遮断され、
また後退限界位置にあるときに溝部2によって相互間が
連通されるように配置される。この場合は、第1及び第
3ポートp1 ,p3 が本発明の2つのポートに相当する
と共に、スプール弁Sの前進限界位置が本発明の第1の
摺動位置に、また後退限界位置が本発明の第2の摺動位
置にそれぞれ相当する。
【0017】スプール弁Sの溝部2は、各ランド部
1 ,L2 の溝部2側の端縁e1 ,e2から該溝部2の
底面2bに向かって下る一対の側壁部2sを有してお
り、該側壁部2sは、その少なくともランド部端縁
1 ,e2 から下り始める部分(図示例では全部)が底
面2bに向かって溝部2の幅方向中央側に傾斜するよう
に形成される。特に図1,2に示す第1実施例では、溝
部2の、スプール弁軸線を通る断面の形状が、各ランド
部L1 ,L2 の溝部側の端縁e1 ,e2 及び溝部底面2
bの三者を通る、半径rの単一の円弧(劣弧)とされて
いて、溝部2の側壁部2sは底面2bと段差なく滑らか
に連続している。
【0018】また図3に示す第2実施例では、溝部2
の、スプール弁軸線を通る断面の形状が、各ランド部L
1 ,L2 の端縁e1 ,e2 より溝部底面2bに向かって
溝部2の幅方向中央側に傾斜して直線的に(即ち単一の
直線状に)下る一対の側壁部2sと、フラット(即ちス
プール弁軸線と平行)な底面2bとでバケット状に形成
されていて、該側壁部2sは底面2bに段部を介して接
続される。
【0019】図4は、スプール弁Sの開弁時においてス
プール弁Sから流出する作動油の油圧立ち上がり特性に
及ぼすスプール弁溝部形状の影響を表すグラフであっ
て、横軸が時間、縦軸が油圧をそれぞれ表しており、ま
た図5は、スプール弁を介して作動油が油圧クラッチC
1 又はC2 に流入する際にスプール弁Sに加わる軸力に
及ぼすスプール弁溝部形状の影響を表すグラフであっ
て、横軸が弁の通過流量、縦軸が軸力をそれぞれ表して
いる。これらグラフにおいて、○は第1実施例を、△は
第2実施例を、×は従来例をそれぞれ示す。
【0020】図4のグラフから明らかなように第2実施
例は従来例よりも、また第1実施例は第2実施例より
も、それぞれ油圧の立ち上がりがリニアとなっている。
また図5のグラフから明らかなように比較的低流量の場
合は各実施例及び従来例ともスプール弁Sに作用する軸
力が殆ど変わらないが、流量の増加につれて、第2実施
例は従来例よりも、また第1実施例は第2実施例より
も、それぞれ軸力が低減されている。
【0021】このように各実施例においてスプール弁S
の溝部2は、各ランド部L1 ,L2の溝部側の端縁
1 ,e2 から該溝部2の底面2b側に下る側壁部2s
が該底面2bに向かって溝部2の幅方向中央側に傾斜す
るように形成されているため、その溝部2の通過流体に
対する管路抵抗(損失係数)が低減されて圧力損失が抑
えられ、スプール弁Sから流出する油圧の立ち上がりを
極力リニアにすることができる。しかもそのスプール弁
Sを介して油が流入し又は流出する際に溝部2内で油が
スムーズに旋回流動して向きを変えることができるか
ら、その流動油の動圧の影響が極力抑えられてスプール
弁Sに作用する軸力が低減される。
【0022】また特に第1実施例のように溝部2の、ス
プール弁軸線を通る断面の形状が、各ランド部L1 ,L
2 の端縁e1 ,e2 及び溝部底面2bを通る単一の円弧
であれば、溝部2の通過流体に対する管路抵抗(損失係
数)が一層低減されて前記油圧の立ち上がりがよりリニ
アとなり、しかもスプール弁Sを介して油が流入又は流
出する際に溝部2内で油を一層スムーズに旋回流動させ
ることができるため、前記軸力がより効果的に低減され
る。
【0023】ところで前記スプール弁Sは、これを鉄系
又はアルミニウム系合金で機械加工してもよく、また合
成樹脂、例えば線膨張係数が弁ハウジング1の構成材料
(アルミニウム系合金)と略等しく、強度・耐油性・コ
スト等の面で優れた性能を有するポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂(所謂PPS樹脂)で射出成形するようにし
てもよい。
【0024】後者の場合、射出成形の際に溶融樹脂が金
型のスプール弁成形用キャビテイの、溝部2に対応する
くびれ部分を通過する際に、本実施例(特に第1実施
例)のような溝部2の形状(断面が単一の円弧状)であ
れば、溶融樹脂の流れが極めてスムーズとなる。このた
め、キャビテイ内への樹脂充填が十分になされて引巣等
の成形不良が効果的に回避され、その射出成形精度が高
められるので、射出成形のみで必要精度が得られるよう
になり、成形後の機械加工を省略することが可能となっ
てコスト節減が図られ量産性が高められる。しかも成形
の際の圧力損失が小さい金型構造となるので、小型の射
出成形機で対応が可能となり、更に上記キャビティの溝
部対応部分の断面形状が曲率半径の大きい円弧状である
ことから、該部分に沿って流れる溶融樹脂中に強化用繊
維材が含まれていても該部分の摩耗が極力回避され、金
型寿命の向上が期待できる。
【0025】図6には、本発明の第3実施例が示されて
いる。この実施例において溝部2は、スプール弁軸線を
通る断面において、各ランド部L1 ,L2 の端縁e1
2から溝部底面2bに向かって下る一対の側壁部2s
が各々単一の円弧状に形成され、その各側壁部2sの下
端が、フラットな溝部底面2bに段部を介して(又は段
部を介さずに滑らかに)接続される。この実施例におい
ても、溝部2の側壁部2sが、溝部底面2bに向かって
溝部2の幅方向中央側に傾斜するように形成されている
ため、前実施例と同様の作用効果を達成することができ
る。
【0026】以上の第1〜第3実施例において溝部2の
側壁部2sは、その断面が単一の円弧又は直線状に形成
されていて、各ランド部L1 ,L2 の端縁e1 ,e2
溝部底面2bとに渡る側壁部全域において、該端縁
1 ,e2 から底面2bに向かって段差無く漸次小径と
なるように形成されるが、次に説明する第4,第5実施
例では、溝部2の側壁部2sの途中に段部が存在する。
即ち図7に示す第4実施例において溝部2の側壁部2s
は、スプール弁軸線を通る断面が、複数の傾斜した直線
2s1 ,2s2 からなる多段の直線状に形成され、また
図8に示す第5実施例において溝部2の側壁部2sは、
スプール弁軸線を通る断面が、複数の傾斜した直線2s
1 ,2s2 と、それら間を結ぶスプール弁軸線と平行な
直線2s0 とからなる多段の直線状に形成される。而し
てこれら第4及び第5実施例においても、側壁部2sが
基本的に、溝部底面2bに向かって溝部2の幅方向中央
側に傾斜するように形成されているため、前実施例と同
様の作用効果を達成できる。
【0027】以上、本発明の第1〜第5実施例について
説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることな
く、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例え
ば、前記実施例では、スプール弁Sの外周面に溝部を挟
んで2つのランド部L1 ,L 2 を設けたものを示した
が、本発明では、溝部を挟んで3つ以上のランド部を設
けたスプール弁に実施してもよい。また前記実施例で
は、スプール弁Sをその端面に作用する信号圧によって
作動制御するようにしたものを示したが、本発明ではス
プール弁Sを手動で、或いは種々のアクチュエータ、例
えばリニアソレノイド等で作動制御するようにしてもよ
い。
【0028】また前記実施例では、本発明の「側壁部が
溝部底面に向かって溝部の幅方向中央側に傾斜する」も
のとして、その側壁部2sの、スプール弁軸線を通る断
面形状が、単一の円弧であるもの(第1・第3実施
例)、単一の直線であるもの(第2実施例)、並びに複
数の直線よりなる段付きのもの(第4・第5実施例)を
具体的に例示したが、本発明(請求項1)では、これら
実施例の断面形状に限定されず、例えばその側壁部2s
の、スプール弁軸線を通る断面形状が、単一の非円弧の
曲線であるもの、複数の円弧又は非円弧の曲線よりなる
もの、或いは少なくとも1つの曲線と少なくとも1つの
直線とよりなるものであってもよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、スプール弁外周の溝部は、各ランド部の端縁から該
溝部の底面側に下る側壁部が該底面に向かって溝部の幅
方向中央側に傾斜するように形成されるので、その溝部
の通過液体に対する管路抵抗(損失係数)が低減されて
圧力損失が抑えられ、スプール弁から流出する液圧の立
ち上がりを極力リニアにすることができ、しかもそのス
プール弁を介して液体が流入し又は流出する際に溝部内
で通過液体をスムーズに旋回流動させることができて動
圧の影響を極力受けにくくすることができ、その動圧に
因りスプール弁自体に作用する軸力を低減できる。以上
の結果、そのスプール弁から供給される液圧で作動する
機器の制御を容易且つ高精度で行うことができる。
【0030】また特に第2の特徴によれば、前記溝部
の、スプール弁軸線を通る断面の形状が、各ランド部の
端縁を通る単一の円弧とされるので、溝部の通過液体に
対する管路抵抗(損失係数)が一層低減されて、スプー
ル弁から流出する液圧の立ち上がりをよりリニアにする
ことができ、しかもスプール弁を介して液体が流入又は
流出する際に溝部内で通過液体を一層スムーズに旋回流
動させることができて、スプール弁自体に作用する軸力
を効果的に低減できる。更に溝部の断面形状が単一の円
弧であることで、その内面形状を設定し易くなり、溝部
の成形性又は加工性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスプール弁装置の第1実施例を示す全
体縦断面図
【図2】第1実施例のスプール弁の要部縦断面図
【図3】第2実施例のスプール弁を示す、図2と同様の
要部縦断面図
【図4】スプール弁の開弁時における油圧立ち上がり特
性に及ぼすスプール弁溝部形状の影響を表すグラフ
【図5】スプール弁に加わる軸力に及ぼすスプール弁溝
部形状の影響を表すグラフ
【図6】第3実施例のスプール弁を示す、図2と同様の
要部縦断面図
【図7】第4実施例のスプール弁を示す、図2と同様の
要部縦断面図
【図8】第5実施例のスプール弁を示す、図2と同様の
要部縦断面図
【図9】従来例のスプール弁を示す、図2と同様の要部
縦断面図
【符号の説明】
1 ,e2 ・・・ランド部の端縁 L1 ,L2 ・・・ランド部 p1 〜p3 ・・・ポートとしての第1〜第3ポート S・・・・・・・スプール弁 1・・・・・・・弁ハウジング 1a・・・・・・スプール孔 2・・・・・・・溝部 2b・・・・・・溝部の底面 2s・・・・・・側壁部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の溝部(2)を挟んで隣接する2つ
    のランド部(L1 ,L2 )を少なくとも有するスプール
    弁(S)と、そのスプール弁(S)を摺動可能に嵌合支
    持するスプール孔(1a)を有する弁ハウジング(1)
    とを備え、この弁ハウジング(1)には、そのスプール
    孔(1a)に開口する少なくとも2つのポート(p1
    2 ;p1 ,p3 )が形成され、スプール弁(S)が第
    1の摺動位置にあるときに一方のランド部(L1
    2 )が前記2つのポート(p1 ,p2 ;p1 ,p3
    間を遮断し、また第2の摺動位置にあるときに溝部
    (2)が前記2つのポート(p1 ,p2 ;p1 ,p3
    間を連通させるようにしたスプール弁装置において、 前記溝部(2)は、各ランド部(L1 ,L2 )の端縁
    (e1 ,e2 )から該溝部(2)の底面(2b)側に下
    る側壁部(2s)が該底面(2b)に向かって溝部
    (2)の幅方向中央側に傾斜するように形成されたこと
    を特徴とする、スプール弁装置。
  2. 【請求項2】 前記溝部(2)の、スプール弁軸線を通
    る断面の形状が、各ランド部(L1 ,L2 )の端縁(e
    1 ,e2 )を通る単一の円弧とされることを特徴とす
    る、請求項1に記載のスプール弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013155804A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Ckd Corp スプール弁
JP2019501347A (ja) * 2015-12-22 2019-01-17 エッペンドルフ アクチェンゲゼルシャフト 滴下装置及びそれを形成する方法

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