JPH11512078A - 改良された生物学的利用能を有する医薬のプロドラッグ - Google Patents

改良された生物学的利用能を有する医薬のプロドラッグ

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JPH11512078A JP9502180A JP50218097A JPH11512078A JP H11512078 A JPH11512078 A JP H11512078A JP 9502180 A JP9502180 A JP 9502180A JP 50218097 A JP50218097 A JP 50218097A JP H11512078 A JPH11512078 A JP H11512078A
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Abstract

(57)【要約】 親薬剤よりも増大した抗ガン、抗−ウイルス、抗−炎症、抗−増殖活性を有する医薬およびそれらの類似体の脂質プロドラッグ、および脂質プロドラッグの製法。病気を治療するための脂質プロドラッグを含有する組成物および該組成物を用いる病気の治療方法。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された生物学的利用能を有する医薬のプロドラッグ 本発明は、医薬の脂質誘導体に関する。特に、本発明は、医薬の脂質プロドラ ッグ、医薬の経口および/または組織生物学的利用能を改良する方法、およびガ ン、ウイルス感染、炎症病および増殖性病の治療における該脂質プロドラッグの 使用に関する。 経口投与される薬剤は、口腔粘膜を通して、胃の内層を通して、および主とし て小腸および大腸を通して吸収することができる。しかしながら、その吸収速度 は、上皮膜の脂質バリアを通過する薬剤の能力に依存する。例えば、アルコール 、可溶性脂質、非イオン性化合物は胃の粘膜を横切る拡散によって血流に迅速に 吸収される。また、弱酸は胃の内層を通って迅速に吸収される一方、弱塩基は主 として小腸で吸収される。イオン化された薬物、または可溶性脂質、例えば、第 四級アンモニウム化合物およびストレプトマイシンは、消化管ではほとんど吸収 されず、注射によって投与されなければならない。注射された薬剤は、経口投与 される薬剤に課された生物学的利用能に対する胃腸管バリアーに付されないが、 それらもかかわらず、最小限の組織摂取または組織保持が欠如することにより、 しばしば、注射された薬物の生物学的利用能が干渉される。 通常の環境下で、ほとんどがトリグリセリドおよびリン脂質である完全なダイ エット脂質は腸粘膜から容易に吸収されない。リン脂質は腸ではホスファチジル コリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホス ファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールおよびホスファチジン酸として 生理学上存在する。脂質吸収についての正常な生理学的メカニズムは、sn-2アシ ルエステル結合に膵臓酵素ホスホリパーゼA2が加水分解作用することによりsn- 2アシル基が除去されてリン脂質がリゾリン脂質に変換されることを要する。リ ン脂質がリゾリン脂質に変換すると、この種の脂質の腸からの吸収および輸送に 正常なメカニズムがもたらされ、1日当たり数グラムのリン脂質摂取となる。 毒性が低く、より選択的で、かつより効果的なプロドラッグが全てのタイプに 要望され続けている一方、医薬の生物学的利用能は重要な問題として残っている 。 経口吸収、または注射後の身体中での標的組織の細胞膜への浸透が困難なため、 多くの経口薬剤候補が失敗している。標的組織の細胞膜を通過するのが困難なた めおよび/または組織に保持されないため、多くの静脈内、腹腔内、またはその 他注射薬剤候補が失敗している。 例えば、1924年に最初に合成された(Nylen,Chem.Berichte 57:1023)、抗ウ イルス化合物ホスホノアセテートおよびホスホノホルメートは、選択的にウイル ス酵素を阻害する能力を有する。この能力は直ちには証明されなかった。Helgst randら,Science 201:819-821(1978年9月1日)は、ホスホノ酢酸およびホスホ ノギ酸が共に、いくつかのDNAポリメラーゼを阻害し、かついくつかのウイル スDNAポリメラーゼを優先的に阻害することを開示している。ホスホノホルメ ートおよびホスホノアセテートは、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、単 純疱疹ウイルス(HSV)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)の逆転写酵素 を含めた、多くのウイルスのDNAポリメラーゼを選択的に阻害することが現在 知られている。ChripおよびClissold((1991)Drugs 41:104)は、これらの薬剤の 薬理学を総括している。ホスホノアセテートはヒトで使用するには余りにも毒性 であるが、ホスホノホルメート(ホスカビール(Roscavir),アストラ(Astra) )は、HCMV−感染AIDS患者でのヒトへの使用が認可されている。しかし ながら、これは高度に優れてはおらず、長期の静脈投与を要し、腎臓および他の 器官に対して実質的な毒性を有する。Ericksonら,米国特許第4,215,113号;第4 ,339,445号;第4,665,062号;第4,771,041号は、ヘルペスウイルスI型およびII 型並びにサイトメガロウイルスを含めたウイルス感染を治療するのに、ウイルス によって引き起こされたガンを治療するのに、および腫瘍形成ウイルスによって 引き起こされる細胞の形質転換に対抗するのに、選択的薬剤としてホスホノギ酸 を用いることを教示している。 ホスホノ酸類の誘導体化形態およびこれらの化合物を含有する医薬配合物が知 られている。McKennaの米国特許第5,072,032号は、チオホスホノ酸類を開示し; Helgstrandらの米国特許第4,386,081号および第4,591,583号は、アルキル、アル キレン、アルコキシおよび関連環状並びに芳香族基のホスホノギ酸エステルを開 示しており、それらのうちのいくつかはヘルペスウイルスならびにインフルエ ンザウイルスの機能および細胞内増殖を阻害することが知られている。Hostetle rらの米国特許第5,194,654号は、ホスホノ酸類のリン脂質誘導体類、それらのリ ポソームへの一体化並びに選択的抗ウイルスおよび抗レトロウイルス剤としてそ れらを用いることを開示している。投与経路にかかわらず、経口生物学的利用能 および/または細胞摂取および細胞持続性を増強する医薬プロドラッグの化学構 造を同定するのは有用であろう。最適化プロドラッグは標的組織で代謝されて医 薬を放出し、その医薬は標的組織で止まって、直接的に、又は活性形態に変換し た後、意図した作用を発揮するであろう。 本発明は、種々のガン、ウイルス病、自己免疫病、並びに他の炎症および増殖 性病に対して、親化合物よりも所望の活性が実質的に増大した一連のプロドラッ グおよびその類似体を提供する。 第1の態様として、本発明は、下記の式の化合物を提供する。 式中、R1およびR1’は各々独立して、アルキル基が1〜6個の二重結合を有 する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−アル キル基またはS−アルキル基:又はアシル基が1〜6個の二重結合を有する直鎖 もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−アシル基また はS−アシル基であり; XはCH−R2であり; m=0〜6; 各kは独立して0または1であり; 各R2またはR2’は独立して、H、=O、フッ素、塩素、ヨウ素および臭素 よりなるハロゲン基;pが0〜7であるO(CH2pCH3;NH2;アルキル基 が0〜3個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1 〜C8基を有するO−アルキル基またはS−アルキル基:アシル基が0〜3個の 二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C8基を有す るO−アシル基またはS−アシル基;アシル基が0〜3個の二重結合を有する直 鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1〜C8基を有するN−アシル基;アルキ ル基が0〜6個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換の C1〜C24基を有するN−アルキル基またはN−ジアルキル基よりなる群から選 択され; Yは、上記化合物が塩またはその組合せの形態である場合A+であり、各A+が 独立して、H+、Na+、Li+、K+、NH4 +;モノ−、ジ−、トリアルキルアミ ン、およびその他生理学上許容可能なカチオンよりなる群から選択されるアミン からなる群から選択され; n=0、1または2; Lは、式J−(CH2t−Gの連結分子であり、JおよびGが独立してヒドロ キシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、およびアミン基よりなる群から 選択される官能基であり、かつtが1〜24であるか;又はLが存在しない;およ び Dは、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基およびアミノ基よ りなる群から選択される官能基を有する薬剤である。 図1は、1-O−オクタデシル-sn-グリセロ−3-ホスホ−AZTで処理したマウ スの脾臓重量を示す。 図2は、[14C]PFA類似体の経口摂取後24時間での組織分布を示す。 本発明の目的は、親化合物の薬理効果を保持し、改良された経口生物学的利用 能および/または組織生物学的利用能をもたらす医薬の脂質プロドラッグを提供 することにある。予期せぬことに、本発明の化合物は、この種の従前に知られて いるプロドラッグ又は非誘導体化親薬物よりも有利な薬理効果を有することが判 明した。経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下または局所投与後であって、標的 組織における摂取に際して、本発明のプロドラッグは活性医薬に変換され、細胞 内に止まって、予測される作用を発揮する。本発明の構造式は、標的組織摂取、 活性形態への変換、標的細胞における持続性、および予測される作用の発揮の点 から有利である。したがって、本発明の化合物は経口、静脈内、腹腔内、局所、 皮下、筋肉内または吸入によって対象に投与されて、フリーの、すなわち非誘導 体化薬物の使用により哺乳動物の病気を治療することができる。脂質−コンジュ ゲート(conjugate)誘導体プロドラッグと比較して、同一薬剤の脂質−コンジュ ゲートは、後述するように、R2位におけるフリーのヒドロキシル基の欠如によ って優れた経口吸収および組織摂取を示す。 従って、本発明は、種々のガン、ウイルス病、自己免疫病、ならびに他の炎症 性および増殖性病に対して、親化合物よりも所望の活性が実質的に増加した、一 連の改良されたプロドラッグおよびそれらの類似体を提供する。これらの増強さ れた活性は、例えば、実施例35〜37記載のインビトロ罹患性アッセイによる細胞 培養において、並びに実施例38及び図2記載の薬物速度論実験において示すこと ができる。 本発明は、医薬のプロドラッグであって、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮 下または局所投与後に、改良された生物学的利用能の利点を有する化合物を提供 する。経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下または局所投与経路であるかを問わ ず、貧弱な生物学的利用能を有する多数の薬剤が、本発明の脂質誘導体への変換 、特に、C8〜C24アルキル基がエーテル結合によってプロパンジオール部位の 1位に結合する置換もしくは非置換の1-O−アルキル−プロパンジオール−ホス フェート誘導体への変換によって、投与経路に適したものとすることができる。 本発明の化合物の改良された経口生物学的利用能および/または組織摂取は、特 許請求の化合物のR2位におけるフリーのヒドロキシルの欠如に依拠することが わかった。本発明者らは、改良された生物学的利用能に対しては理由を十分に理 解していないが、R2位にフリーのヒドロキシル基がないと、特許請求の化合物 はイン・ビボでは不都合なアルキル/アシル種であって、経口吸収およびイン・ ビボでの組織摂取および保持で効果的でない種に代謝できないと仮定する。さら に、R2のヒドロキシルを欠くプロパンジオール脂質化合物はより疎水性であっ て、細胞膜をより効果的に通過でき、また、細胞毒性がより低い。 特許請求の化合物を製造する特許請求の方法または戦略は、ホスフェート基に 共有結合できる化学基、又はホスフェート基に共有結合できる連結基に共有結合 できる化学基を有するいずれの薬剤にも適用できる。本明細書で開示するように 、利用できるヒドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基またはアミン 基を有する薬剤は、1-O−アルキル−プロパンジオール−3-ホスフェートのホス フェート基に対するか、又は対応する1-O−アシル、1-S−アルキル、および1- S−アシル類似体に対する戦略によって共有結合して薬剤の改良された生物学的 利用能および/または組織生物学的利用能を促進することができる。連結基は、 必要な共有結合特性を有する多官能性分子;例えば、ヒドロキシル化カルボン酸 またはアミノ酸もしくはポリペプチドである。本発明のアルキルプロパンジオー ルのアルキル基は2〜24個の炭素を有する直鎖、分岐鎖または環状の炭化水素鎖 とすることができ、6個までの二重結合を持つ飽和または不飽和とすることがで きる。好ましくは、アルキル基は8〜24個の炭素原子を有する。16〜20個の炭素 原子を有するアルキル基が最も好ましい。上記式Iを考慮すると、特に好ましい ものは、R1がO−オクタデシル基である化合物である。アルキル基はエーテル またはビニルエーテル結合によってプロパンジオール部位に結合する。また、好 ましいものは、R2がO−ベンジル基またはOCH3基である化合物である。他 の態様として、R1はプロパンジオールまたはグリセロールのsn-3位に結合する 一方、ホスフェート、リンカーおよび薬剤部位はsn-1位に結合するのがよい。ま た、脂質部位はラセミ体としてもよい。 本発明のさらにもう1つの態様により、一般構造式(式[II])を有する本発 明の化合物の2-炭素類似体を提供する。 この態様の好ましい化合物は医薬の1-O−オクタデシル−1,2-エタンジオール −2-ホスフェートアダクトである。 本発明の好ましい脂質誘導体は、下記式である。 式中、R1およびR1’は各々独立して、アルキル基が1〜6個の二重結合を 有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−ア ルキル基またはS−アルキル基:又はアシル基が1〜6個の二重結合を有する直 鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−アシル基ま たはS−アシル基であり; XはCH−R2であり; m=0〜6; 各kは独立して0または1であり; 各R2またはR2’は独立して、H、=O、フッ素、塩素、ヨウ素および臭素 よりなるハロゲン基;pが0〜7であるO(CH2pCH3;NH2;アルキル基 が0〜3個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1 〜C8基を有するO−アルキル基またはS−アルキル基:アシル基が0〜3個の 二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C8基を有す るO−アシル基またはS−アシル基;アシル基が0〜3個の二重結合を有する直 鎖または分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C8基を有するN−アシル基;アル キル基が0〜6個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換 のC1〜C24基を有するN−アルキル基またはN−ジアルキル基よりなる群から 選択され; Yは、上記化合物が塩またはその組合せの形態である場合A+であり、各A+が 独立して、H+、Na+、Li+、K+、NH4 +;モノ−、ジ−、トリアルキルアミ ン、およびその他生理学上許容可能なカチオンよりなる群から選択され るアミンからなる群から選択され; n=0、1または2; Lは、式J−(CH2t−Gの連結分子であり、JおよびGが独立してヒドロ キシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、およびアミン基よりなる群から 選択される官能基であり、かつtが1〜24であるか;又はLが存在しない;およ び Dは、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基およびアミノ基よ りなる群から選択される官能基を有する薬剤である。 連結基はヒドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、およびアミノ 基よりなる多官能性基を有するいくつかの分子のいずれであってもよい。リンカ ーとして使用するのに特に適するのは、以下のものである。 (1)nが1〜24、好ましくはnが2または3である一般構造式HO−(CH2)− NH2を有し、活性薬剤部位または化学修飾された薬剤である候補医薬のカルボ キシル基に挿入するのに適したアミンアルコール。1-O−アルキルプロパンジオ ール−3-ホスホエタノールアミンは、アミノアルコールタイプのリンカーを一体 化させる天然のリン脂質であり、1-O−アルキル−プロパンジオール−3-ホスホ エタノールアミンは、本発明の脂質プロドラッグを調製するための利用できるカ ルボキシル基を有する医薬にカップリングさせるのに便宜に用いることができる 。 (2)nが1〜12である一般構造式HO−(CH2n−COOHを有し、活性候補 薬物のアミノ基に挿入するのに適したヒドロキシルアルキルカルボン酸。ヒドロ キシ脂肪酸、ベータ−ヒドロキシ酪酸、およびセリンおよびヒドロキシプロリン のようなヒドロキシアミノ酸のような天然分子も便宜に用いることができる。 最後に、本発明のホスフェート−リンカー−薬剤部位は、ホスホノホルメート 、ホスホノアセテート、チオホスホノホルメートおよびチオホスホノアセテート またはそれらの各カルボキシメチルまたはカルボキシルエステルによって置換す ることができる。 本発明は、医薬の特許請求の構造式および標的組織摂取、活性形態への変換、 標的組織での持続性、および予期された作用の発揮の点で、医薬のフリーの非誘 導体化形態と比較して利点をもたらす使用方法を提供する。特許請求の構造式お よび方法の利点は、改良された有用性、効果、生物学的半減期、細胞膜を通過し ての輸送、すなわち、本明細書に記載するごとき結合に適した化学構造を有する いずれかの薬剤の経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下または局所投与後におけ る生物学的利用能として発現される。本発明の方法は、投与経路を問わず、貧弱 な生物学的利用能の薬剤に適用するのがよい。経口経路によって効果的に投与で きる治療クラスの種々の薬剤の例として、以下のものの1-O−アルキル、1-O− アシル、1-S−アルキル(チオエーテル)、または1-S−アシル(チオエステル )プロパンジオール誘導体が挙げられる。 (a)ヌクレオシド、類似体を有する抗ガン剤、例えば、1-β−D−アラビノフラ ノシルシトシン(以後、シトシンアラビノシドまたはara−C)、9-β−D− アラビノフラノシルアデニン(以後、アデニンアラビノシドまたはara−A) 、5-フルオロウリジン、6-メルカプトプリンリボシド、または2'−アラ−フルオ ロ−2-クロロデオキシアデノシン; (b)抗ウイルスヌクレオシド、特にアシクロビール(acyclovir)、ガンシクロビー ル(ganciclovir)の1-O−アルキル−プロパンジオール−3-ホスフェート誘導体 および来国特許出願第07/373,088号(本明細書に参考として含まれる)に開示し ている抗ウイルスヌクレオシド; (c)D−アミノ酸、L−アミノ酸、またはアミノ酸類似体を有し、かつ約35個ま でのアミノ酸、好ましくは6個未満のアミノ酸を有する、治療ペプチドもしくは ペプチド擬似体(peptidomimetics)、又は酵素阻害剤であるペプチド、又はそれ らの類似体、特に米国特許出願第07/734.434号(本明細書に参考として含まれる )に開示された脂質誘導体。この種の好ましい態様として、デスモプレシン(de smopressin)、n-ムラミルトリペプチド(n-muramyl tripeptide)またはエナル キレン(enalkiren)の1-O−アルキル−プロパンジオール−3-ホスフェート誘導 体が合成され、経口投与される; (d)抗生物質、特にペニシリンG、セファゾリン(cefazolin)、セフタジジム(ce ftazidime)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、またはピペラシリン(piperacil lin)を含めたペニシリン種およびセファロスポリン(cephalosporin)種の抗生物 質; (e)ホスホノ酸化合物、特にホスホノギ酸およびホスホノ酢酸の1-O−アルキル プロパンジオール誘導体、並びに米国特許出願第07/440,898号に開示されている ヌクレオシドホスホネート; (f)喘息および蕁麻疹を含めたアレルギー;レーシュ−ナイハン(Lesch-Nyhan)病 を含めた自己免疫病、制限された血液流またはウイルス病に関連する心臓障害の 治療で使用される5-アミノ(1-ベータ−D−リボフラノシル)イミダゾールカル ボキシアミドまたは1-ベータ−D−リボフラノシル1,2,4-トリアゾール−3-カル ボキシアミド; (g)非ステロイド系抗炎症化合物、特に米国特許出願第07/932,231号に開示され たこれらの化合物の1-O−アルキルリン脂質誘導体。 表1は、治療クラスによる本発明の方法のための好ましい薬剤候補をリストア ップする。 本発明の化合物および関連する薬物の経口投与方法の重要な態様は、1-O−ア ルキル−、1-O−アシル−、1-S−アルキル−、および1-S−アシルプロパンジ オール−3-ホスフェート誘導体が、経口吸収で代謝的変換を要しないということ である。これらの脂質プロドラッグは、このようにして、代謝工程がリゾリン脂 質への予備的変換を要するホスファチジル誘導体とは区別される。さらに、1-O −アルキル誘導体のプロパンジオール部位の1-位のアルキル基は、アルキル基を グリセロール構造と連結するエーテル結合のため、腸リゾホスホリパーゼによっ て分解され得ない。この代謝特徴は消化分解を防止し、膜輸送を受ける他のリゾ リン脂質とともに完全な1-S−アルキル−および1-O−アルキル−プロパンジオ ール−3-ホスフェート薬剤コンジュゲートの腸摂取を容易とする。また、1-O− アシルおよび対応するチオエステル類似体は実質的には吸収され得るが、この特 性が要求される適用ではより好ましくない。 先行技術の1-O−アルキル−グリセロ−ホスホ−薬剤化合物とは対照的に、本 発明の脂質の重要なデザイン特徴は、グリセロールの2位にフリーのヒドロキシ ルがないことである。これにより、小腸を通って迅速な通過に付されず、さらに 細胞内で容易に代謝されて所望の活性薬剤部位を生じ得ない不都合な1-アルキル 、2-アシル−グリセロ−ホスフェート−薬剤代謝の形成が妨げられる。また、本 発明の化合物はより疎水性であって、細胞膜をより容易に通過でき、細胞毒性が より低い。候補薬剤への脂質部位のカップリング 本発明の化合物を、置換もしくは非置換の1-O−プロパンジオール−3-ホスフ ェート、またはその1-O−アシル、1-S−アルキルもしくは1-S−アシル類似体 を薬剤にカップリングさせるか、又は置換もしくは非置換の1-O−アルキルプロ パンジオールまたはその1-O−アシル、1-S−アルキルもしくは1-O−アシル類 似体を薬剤のリン酸化官能基にカップリングさせる合成手法により形成する。 1-O−アルキルプロパンジオール部位、または前記のいずれの類似体、および 薬剤は、プロパンジオール構造の3位のモノ−、ジ−、またはトリホスフェート 基を介して共有結合させることができる。1-O−アルキルプロパンジオールおよ び薬剤を連結基を介して連結させる場合、リンカー分子は、例えば1-O−アルキ ル−プロパンジオール−3-ホスフェートの末端ホスフェートに結合させるのが便 宜でよい。いずれの場合にも、候補薬剤は利用可能な官能基を有する。 典型的には反応を、25℃〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度で、2〜25時間、 好ましくは8〜10時間行う。N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) を適当に分けて、一般に0.5〜3時間、好ましくは0.75〜1.5時間にわたって添加 する。反応混合物を水の添加によって仕上げ処理し、トルエンおよびエタノール を順次添加して共沸させる。得られた粗生成物をイオン交換およびシリカクロマ トグラフイーによって精製して、所望の純度を持つ所望の化合物を得る。 本発明の製法は、液相で行うのが好ましい。塩化トリイソプロピルベンゼンス ルホニル(TIPS)またはN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) の添加に際して、反応混合物を30℃〜60℃の温度に加熱する。TIPSまたはD CCが当量(または化学量論量を超えて)存在することによっては、反応の進行 を阻害しないことに注意されたし。 反応混合物の温度をその沸点まで上昇させることができる。反応熱を、反応容 器の外部冷却によって、又は冷却された還流コンデンザーによって取り除くこと ができる。 反応に適切な溶媒はアミンまたはその誘導体である。好ましい溶媒として、ジ イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンのような第三 級アミン、またはピリジンもしくはピコリンのような複素環アミンが挙げられる 。本発明の1-O−アルキル類似体、例えば1-O−オクタデシル−プロパンジオー ル−3-ホスフェート誘導体、または他の1-O−アシルもしくは1-S−アシルもし くは1-S−アルキル類似体のいずれかを、当分野で知られた合成有機方法のいず れか、例えば実施例2に記載するような1-O−アルキル−プロパンジオールおよ びara−Cモノホスフェートのような薬剤候補のモノホスフェートを縮合する ことによって生成させることができる(化合物IIa)。別のアプローチは、DC CまたはTIPSのような縮合剤の存在下で、1-O−アルキルプロパンジオール −3-ホスフェートを候補薬剤のヒドロキシルに連結させる(実施例5)。 もう1つの方法として、バチルアルコールの2位のヒドロキシル基をベンジル エーテルとして保護しつつ1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ− 3-ホスフェートをara−Cと縮合させた。タキソール−関連化合物の脂質プロブラッグ誘導体 タキソールの脂質誘導体を、実施例13〜16に記載したように、アミノアルコー ルおよびタキソール側鎖のヒドロキシカルボン酸ユニットをホスファチジン酸、 好ましくは1-O−アルキルプロパンジオール−3-ホスフェートに共有結合させる 手法により調製する。側鎖は親油性を増加させるために脂肪族基(CH2nの挿 入によって誘導体化できる。 一般的手法に従い、DCCのごとき縮合剤の存在下で、置換β−アミノ−α− ヒドロキシ−ベンゼンプロパノエートをホスファチジルグリセロールまたは1-O −アルキルもしくは1-O−アシル-2 ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスファチジン 酸に共有結合させて、次式の化合物を得る。 式中、R3は加水分解可能なエステル基、例えば、メチル、エチルまたはピバロ イル; R4はベンゾイル、ピバロイル、アセテート、ペプチド、またはアミノ酸;お よび nは0〜10である。 他の態様として、R1およびR2は、チオエステルまたはチオエーテル結合によ ってグリセロール基に結合される。好ましい態様として、R1はエーテル結合し た1-O−オクタデシルプロパンジオール基であって、R4はベンジルであり、1- O−アルキル−プロパンジオール−3-ホスフェートをβ−(ベンゾイルアミノ) −α−ヒドロベンゼンプロパノエートエステルと縮合させて、タキソール側鎖の 脂質誘導体を形成する。次いで、プロパノエートエステルを加水分解してプロパ ン酸が得られ、これは次式を有するバッカシンIII、または10−デアセチルバッ カシンとカップリングでき、経口的に生物学的に利用できるタキソール化合物を 得る。 本発明の脂質プロドラッグを調製するのに使用する脂肪酸、脂肪アルコール、 グリセリド、およびリン脂質を有する脂質は、商業的供給業者(Avanti Polar Li pids,Inc.,Pelham,Ala;またはGenzyme Corp.,Cambridge,Mass.)から購入す ることができるか、又は公知の方法により合成できる。1-O−オクタデシル-sn- グリセロール(バチルアルコール)はシグマ社(Sigma,St.Louis,MO)から入 手でき、バチルアルコールの2-O−ベンジル誘導体はバケム社(Bachem,Inc. ,Basel,スイス国)から入手できる。本発明のプロドラッグを調製するのに有用 な他のリゾリン脂質はゲンザイム社(Genzyme,Cambridge,Mass.)から入手で きる。これらの脂質と共有結合させる薬剤は医薬製造業者から購入できる。 カップリング反応を進行させるために全ての痕跡量の水を反応体から除去する ことが重要である。従って、真空下、またはP25上の真空下での溶媒留去によ って、脂質をまず凍結乾燥する。また、反応は例えばアルゴンのごとき不活性ガ ス下で行う。 合成反応は、適切な溶媒による薄層クロマトグラフィー(TLC)によって追 跡する。TLCで判断して反応が完了すると、生成物を有機溶媒で抽出し、脂質 分離に適した支持体、例えばケイ酸でのクロマトグラフィーによって精製する。1- O−アルキルプロパンジオール−3-ホスフェートプロドラッグの効果および効 本発明の脂質誘導体プロドラッグ、好ましくは1-O−アルキルプロパンジオー ル−3-ホスフェートプロドラッグは、非誘導体化薬剤と比べて有利な薬理特性を 有する。 本発明の脂質プロドラッグの効果を、イン・ビトロおよびイン・ビボ双方で行 ったテストで示した。1-O−オクタデシル-sn-グリセロ−3-ホスホ-3'-アジド-3 '-デオキシチミジン(AZT)を経口吸収実験で用いた。この化合物はグリセロ ールの1位に18−炭素アルキルエーテルを有し、グリセロールの2位のヒドロキ シルは開放され、3位はホスホジエステル結合によって3'−アジド-3'-デオキシ チミジン(AZT)-5'-モノホスフェートに結合されている。1-O−オクタデシ ル-sn-グリセロ−3-ホスホ−AZTは吸収のためのいずれの変換も要せず、胃腸 管から直接吸収されるようである。グリセロールの1位のエーテル結合により、 それは腸でリゾホスホリパーゼによる脱アシル化には付されない。その代謝は知 られていないが、この化合物が細胞酵素およびホスホジエステラーゼによって代 謝されて、細胞内に3'−アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)又はAZT−M Pを放出すると仮定されている。 実施例16に記載されたイン・ビボ実験は、1-O−アルキル-sn-グリセロ−3-ホ スフェート薬剤誘導体は非誘導体化薬剤と同一の薬理効果を有することを示す。 それは、さらに1-O−オクタデシル−グリセロ−3-ホスフェート誘導体はより便 宜で効果的なAZTの投与を可能とすることを示す。1-O−オクタデシル-sn-グ リセロ−3-ホスフェートAZTを、Rauscherネズミ白血病ウイルス(RLV)に 感染したマウスを治療するフリーのAZTと比較した。RLVはネズミレトロウ イルスであり、RLV感染マウスは、イン・ビボでレトロウイルス誘発病に対す る候補抗AIDS薬物の治療効果を評価するモデル系として有用である。RLV は脾臓細胞に感染し、感染した動物は、大きな巨脾腫を示す。効果的な抗ウイル ス剤は巨脾腫を阻害し、器官重量の減少がウイルス減少と相関する(Ruprecht, R.ら,Nature 323:467-469(1986))。AZTは短い生理学的半減期を有し、AZ T治療の最も効果的な態様は、継続的経口投与である。最適投与に対する密接な 実践的アプローチは飲料水中のAZTの摂取である。感染マウスでの巨脾腫の阻 害によって判断されるように、バチルホスフェート−AZTを1日1回胃管栄養 を行う経口投与は、匹敵する用量と比較して、実質的に連続したフリーのAZT 投与として効果的であることが判明した(図1)。 本発明の脂質組成物は、AZTに結合させた場合、1-O−オクタデシル-sn-グ リセロ−3-ホスフェートと同様であるかまたはそれよりも優れた活性を有すると 予測される。ホスホノ酸の脂質プロドラッグ 本発明の目的は、親化合物の薬理効果を保持するホスホノ酸の脂質プロドラッ グを提供することにある。予期せぬことに、本発明の化合物は、このタイプの従 来知られているプロドラッグよりも有利な薬理効果を有することが判明した。従 って、本発明は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、単純疱疹ウイルス( HSV)、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)に対して親化合物よりも 実質的に抗ウイルス活性が増大したホスホノホルメートおよびホスホノアセテー トの一連の改良されたプロドラッグおよびそれらの類似体を提供する。この増強 された抗ウイルス活性は、例えば、実施例35〜37に記載されたイン・ビトロ罹患 性アッセイによって細胞培養で示すことができる。ホスホノ酸の改良されたプロドラッグの合成 グリセロールのC1、C2およびC3上に種々の置換基を持って合成される化 合物をスキームIに示し、(X)mが(CH−R2mでありm≧1である化合物 についてスキームII及びIIIに同様に概説する。出発物質および生成物の同定 本発明の脂質プロドラッグの調製において種々の脂質部位がカップリングされ るホスホノ酸は以下の頭字語によって示される。 n=0,Z=O(PFA)ホスホノギ酸 n=0、Z=S(PFSA)チオホスホノギ酸 n=0、Z=Se(PFSeA)セレノホスホノギ酸 n=1、Z=O(PAA)ホスホノ酢酸 n=1、Z=S(PASA)チオホスホノ酢酸 n=1、Z=Se(PASeA)セレノホスホノ酢酸 種々の脂質プロドラッグ誘導体は前記のものから誘導された頭字語によってこ こに示され、表I〜IIIの凡例で定義される。 スキームI R1=−(CH2)nCH3、n=7、9、11、13、15、17 Z=Cl、Br、I、−OCH3 R3=−CH3、−CH2CH3および−CH2CH2CH3 a:NaH、DMF、R1−OSO2Me; b:酢酸; c:塩化トリチル、ピリジン; d;NaH、DMF、R2−Br; e:TFA、CH2Cl2; f:Cl2POCOOR3;H2O スキームII 例:ホスホノギ酸類似体=CHOH、m=1、R2=OH、 R1=オクタデシルの合成 i.BnBr、NaH; ii.DMF、H+; iii.NaBH4; iv.ROSO2Me(R=オクタデシル)、NaH; v.H2、Pd/C; vi.DCC、ホスホノギ酸エチル; vii.TFA、CH2Cl2; スキームIII 例:ホスホノギ酸類似体=CHOH、m=2、R2=OH、 R1=オクタデシルの合成 i.MeSSiMe3、ZnI2; ii.BnBr、NaH; iii.CH3OCH2Cl(MOM塩化物)、NaH、THF; iv.AgNO3、Ag2O; v.NaBH4; vi.ROSO2Me、NaH; vii.H2、Pd/C; vii.DCC、ホスホノギ酸エチル; ix.酢酸; x.NaOH、エタノ ール合成手順 上記リストアップした脂質プロドラッグを、実施例28、29および33に記載した 手順に従って調製する。m=0であってYが存在しない化合物の合成に特に関連 する合成フローチャートをスキームIに記載する。m>0であってYが存在する 化合物の化学合成に特に関連するフローチャートをスキームII及びIIIに記載す る。抗ウイルス活性 本発明のホスホノ酸の種々の脂質誘導体の抗ウイルス活性を、実施例35〜37記 載のHCMV、HSV、またはHIV−1に感染したヒト細胞系の培養で測定し た。得られた結果を表I〜IIIに示す。ウイルス感染についてのイン・ビトロ罹 患性テストの予測値はKern,E.R.(1990)Preclinical evaluation of antivi ral agents; In vitro and animal model testing.Galasso,G.ら編,Antivir al Agents and Viral Disease of Man、第3版,Raven Press,NY,87-123頁に よって考察されている。 大いに増大した抗ウイルス活性を示す最も好ましい化合物(表I〜III)はR 1に1-O−アルキル基、およびR2にO−メチル基またはO−ベンジル基または 2,2-ジメトキシ基を有する。 ヒトサイトメガロウイルス感染MRC5ヒト肺線維芽細胞に対する改良された ホスホノ酸プロドラッグの抗ウイルス活性を表IIに示す。ホスホノホルメートの 最も好ましいプロドラッグは抗ウイルス活性の顕著な増大を有する。増大した活 性を持つホスホノホルメートのプロドラッグを製造する従来の試みは、活性の非 常に小さい増大を有する数種の化合物を同定したが、従前に示されているPFA の1.9倍大きい増大した活性を有する化合物を同定していない(Noren,J.O.ら ,J.Med.Chem.26:264-270,1983)。最も活性なPFAプロドラッグ、B−P FA、BB−PFA、MB−PGA、およびODDMOP−PFAは107-、72− 、38−および209-倍の活性増大を示し、これまでに報告されている最も活性なP FA−含有化合物を表す。これらの化合物はグリセロールのR1位に1-O−アル キル基並びにグリセロール又はプロパンのR2としてヒドロキシル、−O−ベン ジルもしくは−O−メチルまたは2,2-ジメトキシ官能基を有する。H、ハロゲン またはアミノをR2に有するプロドラッグもまた高度に活性であり、XをOの代 りにSsまたはSeとする置換基は同様の結果を生じるであろう。 また、改良されたPFAプロドラッグは、単純疱疹ウイルス−1感染ヒト肺線 維芽細胞におけるPFAに対して大いに増大した活性を示す(表III)。MB− PFA、B−PFAおよびBB−PFAはPFAよりも72倍、43倍および34倍活 性であり、これまでに報告されている最も活性なPFA誘導体を表す。活性の順 序は、ヒトサイトメガロウイルスで観察されたものとわずかに異なる。MB−P FAは最も活性な化合物であり、続いてB−PFAおよびBB−PFAである。 同様な結果がイン・ビトロにてヒト免疫不全ウイルス−1感染細胞で得られた( 表IV)。HIV−1に関しては、MB−PFAは最も活性な化合物であり、続い てB−PFAおよびBB−PFAである。この化合物はHIV−感染HT4−6 C細胞におけるPFAの104倍、37倍および9倍活性であり、報告されているP FAの最も活性な抗−HIV誘導体であるMB−PFAは統計的に著しい程度、 B−PFAよりも活性であった。 本発明の選択された化合物の抗ウイルス活性の要約を表VおよびVIに示す。ウイルス病の治療 本明細書で開示する抗ウイルスヌクレオシド類似体およびホスホノ酸の脂質誘 導体は、インフルエンザ、単純疱疹ウイルス(HSV)、ヒトヘルペスウイルス 6、サイトメガロウイルス(CMV)、B型肝炎ウイルス、エプスタイン−バー ルウイルス(EBV)、および帯状水泡ウイルス(VZV)などのウイルスによ つて引き起こされる病気を治療するのに有用である。それらはAIDSおよびそ の他レトロウイルス病の治療にも同様に有用である。 抗ウイルス薬物の脂質誘導体は、例えば、ヒトおよび動物において罹患性ウイ ルス感染を治療するために皮膚、目もしくは粘膜、または身体の内部に局所投与 できる。それらは内部投与、例えば、経口、気管内もしくは他の肺経路、腸内、 直腸、鼻孔内、膣内、舌側、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、または皮 下投与にて導入できる。本医薬製剤は有効成分単独で、又はさらに医薬上価値あ る物質を含有することができる。例えば、本発明の脂質ホスホノ酸プロドラッグ を含む配合物は、例えばウイルスプロテアーゼ阻害剤、または抗ウイルスヌクレ オシド類似体のようなもう1つの抗ウイルス剤をさらに含有することができる。 それらは、医薬上許容可能なされる担体をさらに含有することができる。 抗ウイルス剤の脂質誘導体は、無脂質剤と比較して、長期化した抗ウイルス効 果を有することができる。したがって、それらは、リポソームに取り込まない場 合であっても、医薬として治療利点を供する。これらのホスホノ酸プロドラッグ は単独で、あるいは通常に投与される抗ウイルスヌクレオシドと組み合わて使用 できる。組合せ治療を用いると、薬剤耐性HIV突然変異株が出現する傾向を大 いに低下させることができるので、HIV感染の進行を停止する確率を増加させ るであろう。耐性株の発生の確率に関しては、サイトメガロウイルスまたはヘル ペスウイルス感染を治療するのに、同一の増加が同等に保持される。配合物 抗ウイルスヌクレオシド類似体またはホスホノ酸の脂質誘導体を含む試薬製剤 は、有効成分をほぼ0.1%〜100%、好ましくはほぼ1%〜90%含有させるのに通 常の溶解および凍結乾燥プロセスによって製造される。それらは、配合物を使用 するのに口に合い、快いものとするための効果的な賦形剤、ビヒクル、希釈剤、 フレグランスまたはフレーバーと共にオイントメント、軟膏、膏薬、錠剤、カプ セル剤、散剤またはシロップ剤として調製できる。経口摂取用配合物は錠剤、カ プセル剤、丸剤、粉末化活性剤のアンプル、または油性もしくは水性懸濁剤また は液剤の形態とする。錠剤または他の非液状経口組成物は、ラクトースまたは炭 酸カルシウムのごとき希釈剤:ゼラチンまたはスターチのごとき結合剤;および 口に合う製剤を供するための甘味剤、フレーバー剤、着色剤または保存剤よりな る群から選択される1種以上の剤を含有する、医薬組成物の製造で当分野で知ら れた許容される賦形剤を含めることができる。さらに、かかる経口製剤を公知の 方法によって被覆して、腸管中での崩壊および吸収をさらに遅延させることがで きる。また、該製剤は胆汁塩および界面活性剤を含有することもできる。水性懸 濁剤は、メチルセルロースのごとき懸濁化剤;およびレシチン、リゾレシチンま たは長鎖脂肪アルコールのごとき湿潤剤を含有する、医薬上許容可能な賦形剤と 混合した有効成分を含有することができる。また、該水性懸濁化剤は工業規格に 従って保存剤、着色剤、フレーバー剤および甘味剤を含めることができる。局所 性および局所的適用のための製剤は、グリセロール、ポリエチレングリコール、 脂肪酸のエステル、油脂、およびシリコーンのごとき低級脂肪族アルコール、ポ リグリコールを含んでもよい医薬上適切なビヒクル中にエアロゾルスプレイ、ロ ーション、ゲルおよびオイントメントを含む。製剤は、アスコルビン酸またはト コフェロールのような抗酸化剤、およびp−ヒドロキシ安息香酸エステルのよう な保存剤をさらに含有することができる。非経口製剤は、特に、滅菌または滅菌 した生成物を含有する。注射組成物は、活性化合物および公知の注射担体のいず れかを含んで提供することができる。リポソーム配合物 所望ならば、特許請求の化合物は、限定されるものではないが、HCMV、H SVおよびHIV−1のようなウイルス病を治療するのに使用されるリポソーム を調製する、報告されているいずれかの方法によってリポソームに一体化させる ことができる。本発明は、リポソームに一体化させた前記抗ウイルス誘導体を利 用して、これらの化合物を、リポソーム組成物を摂取するマクロファージ、単球 、他の細胞ならびに組織および器官に向けることができる。本発明のリポソーム 一体化抗ウイルス誘導体を用いて、非経口投与によってHCMV、HSVまたは AIDS患者を治療することができ、マクロファージおよび単球、即ちウイルス 感染の重要な貯蔵庫へ抗ウイルス化合物を送達するのを増強させる。これにより 、修飾ホスホノ酢酸を低用量で効果的に使用することができ、化合物の毒性を低 下させることができる。また、リガンドを一体化させて、リポソームの特異性を さらに集中させることもできる。 記載した誘導体は、リポソーム水溶性抗ウイルス薬剤よりもいくつかのユニー クで新規な利点を有する。まず、それらは、薬物を、脂質に対してかなり高い比 率までリポソーム中に配合させることができる。何故ならば、それらは水性コア 区画に位置するのではなく、リポソーム壁に取り込まれるからである。第2に、 前記親油性抗ウイルス誘導体を含有するリポソームは、貯蔵の間に漏出せず、改 良した製品安定性をもたらす。さらに、これらの組成物は凍結乾燥し、室温で貯 蔵し、使用のために再構築することができ、改良された寿命をもたらす。また、 それらは、活性化合物を著しく廃棄することなく、抗ウイルス化合物をリポソー ム配合物に効果的に一体化させることができる。さらなる利点として、イン・ビ トロ治療で使用される組成物は、投与抗ウイルスプロドラッグを高い比率で意図 した標的に到達させることができる。例えば、この組成物を用いると、腎臓およ び骨によって摂取される量が低下し、それによりホスホノ酸薬剤の毒性副作用が 減少する。ホスホノホルメートの毒性副作用は、リガンドをリポソームに一体化 させることによって、リポソームをそれらが含まれる感染の急性または可能な部 位へ標的化することにより、さらに低下させることができる。リポソーム一体化 脂質−抗ウイルスコンジュゲートは、リポソームを投与するのに利用される公知 の手法のいずれかによって忠者に投与される。リポソームは、緩衝化水性溶液と して、静脈内、腹腔内、筋肉内、硝子体内(intravitreally)または皮下投与で きる。いずれの医薬上許容可能な水性緩衝液または他のビヒクルも、リポソーム 構造または脂質ホスホノ酸類似体の活性を破壊しない限り、利用できる。1つの 適切な水性緩衝液は、pH約7.4の5mMリン酸ナトリウム含有等張ソルビトー ル、または他の生理学的緩衝化塩溶液である。 脂質誘導体の治療上有効量は、いずれかの特別な場合には患者の体重、一般的 健康、代謝、年齢、および薬剤への応答に影響する他の因子に考慮を払わなけれ ばならないことを銘記して、活性な抗ウイルス薬剤に推奨される投与量を参照し て決定される。ヒトを含めた哺乳動物での投与量は、感染の程度および重篤度お よび投与される化合物の活性に応じて変化し得る。抗ウイルス剤のリポソーム脂 質類似体の投与量レベルは抗ウイルス剤それ自体についてのものとほぼ同一であ る。静脈内点滴による慣用的投与による抗ウイルスヌクレオシドおよびホスホノ ホルメートについての投与量レベルはよく確立されている(Lambert,R.ら(198 9)J.Med.Chem.32:367-374; Szoka,F.およびChu,C-J,Antimicrobial Atent s and Chemotherapy 32(6):858-864(1988);Erickssonら,米国特許第4,771,041 号)。フォスカルネット(Foscarnet)はヒトにおけるHCMVの治療では200mg /kg/日にて静脈内点滴によって投与される。 本発明のホスホノ酸プロドラッグは、1日をベースとして経口用量約0.1mg /キログラム〜1000mg/キログラム、より好ましくは約1mg/キログラム〜 約200mg/キログラムで患者に投与される。非経口投与量は経口用量の20〜100 %であるのが適切である。リポソーム調製 合成および精製後、抗ウイルス剤の脂質誘導体をリポソーム、またはその他適 切な担体に配合する。配合は、音波処理および押出のごとき、よく知られたリポ ソーム調製手法に従って行うことができる。リポソーム調製の適切な常法は、限 定れさるものではないが、Banghamら(Banghamら,A.D.,Standish,M.M.およびW atkins,J.C.(965)J.Mol.Biol.23:238-252)Olsonら,(Olson,F.,Hunt ,C.A.,Szoka,F.C.,Vail,W.J.およびPapahadjopoulos,D.(1978)Biochem .Biophys.Acta 557:9-23),Szoka,F.およびPapahadjopoulos,D.(1978)Pr oc.Natl.Acad.Sci.75:4194-4198,Mayhew,E.ら(1984)Biochem.Biophys .Acta 775:169175),Kim,S.ら,(1983)Biochim.Biophys.Acta 728:339-3 48,およびMayerら(1986)Biochim.Biophys.Acta 858:161-168によって記載 されている。 リポソームは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホ スファチジルグリセロール、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、また はホスファチジルイノシトールのごとき卵、植物または動物源のような天然源か らのリン脂質を含めた通常の合成または天然リン脂質リポソーム物質のいずれか と組み合わせて、抗ウイルス剤の脂質誘導体から生産することができる。使用で きる合成リン脂質として、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジオレイルホ スファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンおよびジステアロイ ルホスファチジルコリン、および対応する合成ホスファチジルエタノールアミン およびホスファチジルグリセロールが挙げられるが、これに限定されるものでは ない。当業者に知られているように、コレステロールまたは他のステロール、コ レステロールヘミスクシネート、糖脂質、セレブロシド、脂肪酸、ガングリオシ ド、スフィンゴ脂質、1,2-ビス(オレオイルオキシ)−3-(トリメチルアンモニ オ)プロパン(DOTAP)、N-[1-(2,3-ジオレオイル)プロピル−N,N,N-ト リメチルアンモニウム塩化物(DOTMA)、および他のカチオン性脂質をリポ ソームに配合することができる。リポソームで使用するリン脂質および添加剤の 相対量は、所望であれば変化させることができる。好ましい範囲は、リン脂質の 約60〜90モルパーセントである。コレステロール、コレステロールヘミスクシネ ート、脂肪酸またはカチオン性脂質は0〜50モルパーセントの範囲の量で使用す ることができる。リポソームの脂質層に取り込まれる抗ウイルス剤の量は、約0. 01〜約50モルパーセントの範囲でそれらの脂質の濃度と共に変化させることがで きる。 通常の方法を用い、溶液中に存在するフリーのホスホノ酸のほぼ20〜30%をリ ポソーム中に捕捉することができ;かくして、活性化合物のほぼ70〜80%が廃棄 される。対照的に、脂質ホスホノ酸がリポソームに取り込まれる場合、実質的に すべての抗ウイルス化合物がリポソームに取り込まれ、廃棄される活性化合物は 実質的にない。 前記配合物のリポソームは、モノクローナル抗体または標的に特異的な他のリ ガンドを取込むことによって、それらの意図した標的に対してより特異的とする ことができる。例えば、CD4(T4)受容体に対するモノクローナル抗体は、 Leserman,L.ら(1980)Nature 288:602-604の方法によってリポソームに取り込ま れたホスファチジルエタノールアミン(PE)への結合によってリポソームに取 り込むことができる。脂質誘導体の治療的使用 ヒトを含めた哺乳動物のための1-O−アルキルプロパンジオール−3-ホスフェ ートプロドラッグの投与量は、治療される疾患の程度および重篤度並びに投与さ れる化合物の活性に応じて変化し得る。脂質プロドラッグの投与量は、特別な場 合に適切な投与量を選択する際、患者の体重、一般的健康、代謝、年齢および薬 物に対する応答に影響する他の因子に考慮を払らわなければならないことを銘記 して、活性剤に推奨される投与量を参照して決定することができる。ほとんどの 市販入手可能な治療剤、ならびに臨床的に調査されつつある多くの薬剤について の投与量レベルはよく確立されている。例えば、AZTの投与量は約7〜約21m g/kg/日である。例えば、1-O−オクタデシルプロパンジオール−3-ホスフ ェート−AZTの投与量は約1〜25mg/kg/日、好ましくは約4〜8mg/ kg/日である。 経口摂取のための配合物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末化活性剤のアンプ ル、油性もしくは水性懸濁剤または液剤の形態である。錠剤または他の非液状経 口組成物は、医薬組成物の製造での分野で公知の許容可能な賦形剤、ビヒクル、 希釈剤、フラグランス、またはフレーバーを含み、医薬を使用するのに口に合い または快いものとすることができる。よって、この配合物は、ラクトースまたは 炭酸カルシウムのような希釈剤;ゼラチンまたはスターチのような結合剤;およ び口に合う製剤を供するための甘味剤、フレーバー剤、着色剤または保存剤より なる群から選択される1種以上の剤を含むことができる。さらに、かかる経口製 剤は、公知の技術によって被覆して、腸管中での崩壊および吸収をさらに遅延さ せることができる。 水性懸濁液は、メチルセルロースのような懸濁化剤;及びレシチンまたは長鎖 脂肪アルコールのような湿潤剤を含有する、薬理学上許容可能な賦形剤と混合し た、有効成分を含むことができる。また、水性懸濁化剤は工業規格にしたがって 保存剤、着色剤、フレーバー剤および甘味剤を含むことができる。この製剤は、 アスコルビン酸またはトコフェロールのような抗酸化剤、およびα−ヒドロキシ 安息香酸エステルのような保存剤をさらに含有することができる。 以下の実施例を用いて本発明を説明するが、記載する化学反応は、本発明の脂 質プロドラッグの調製にそれらを一般的に適用する点で開示する。場合によって は、この反応は、本発明の開示した範囲に含まれる各化合物に適用できない。こ れが生じる化合物は当業者によって容易に認識されるであろう。かかる場合にお いて全ての、反応は当業者に知られた慣用的修飾によって、例えば干渉基の適切 な保護によって、別の慣用的試薬によって、あるいは反応条件を日常的修飾に付 して首尾よく行うことができる。また、本明細書に開示する他の反応または他の 常法を本発明の対応する化合物の調製に適用することができるであろう。全ての 調製方法において、全ての出発物質は公知であるか又は公知の出発物質から容易 に調製され;全ての温度は摂氏度で補正なくして記載し;特記しない限り、全て の部およびパーセントは重量による。 当業者ならば、これまでの記載を用いて、本発明を十分に利用できる。以下の 好ましい態様は、従って、単に例示的なものであって、断じて開示につき限定的 なものではない。実験 以下の実験開示において、以下の省略を適用する:eq(当量):M(モル濃 度):mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);N(規定);mol (モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノ モル);kg(キログラム);gm(グラム);μg(マイクログラム);ng (ナノグラム);L(リットル);mL(ミリリットル);μL(マクイロリッ トル);vol(容量);および℃(摂氏度)。 実施例1 カップリング手法で使用される脂質部位の調製: (a)1-O−アルキル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスファチジン酸の合成 : 1-オクタデシル−2-O−ベンジルグリセロール(Bachem,Inc.,Basel,スイス 国)(以後、OBGという)の激しく撹拌した溶液に、ピリジン、トリエチルアミ ンおよびテトラヒドロフラン(THF)の混合物を添加した。純物オキシ塩化リ ン、POCl3を、−5℃〜5℃の間の温度に維持しつつ、滴下した。反応混合 物を4℃の温度で90分間撹拌した。沈殿したトリエチルアミン塩酸塩を濾過し、 残渣をトルエンで少なくとも2回(2×10mL)処理し、減圧下で溶媒を除去し た。メタノール性水酸化アンモニウムを注意深く添加して、得られた油をアンモ ニウム塩に変換した。収率は55%であり、目的化合物は白色ないし淡黄色固体で あった。 (b)1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオールの調製: 水素化ナトリウムのジメチルホルムアミド溶液の存在下、Selaら(1987)Nucl eic Acids Research 15:3124の手法に従って調製した1-O−トリチル−1,3-プロ パンジオールをメタンスルホン酸オクタデシル(NuChek Prep,Inc.)で処理した 。生成物1-O−オクタデシル−3-O−トリチルプロパンジオールを単離し、フラ ッシュクロマトグラフィーによって精製した。トリチル保護基を、トリフルオロ 酢酸のジクロロメタン溶液で処理して除去し、1-O−オクタデシル−1,3-プロパ ンジオールを得た。実施例(a)のものと同一の手法により、この化合物を対応す る3-ホスフートに変換した。 (c)1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシプロパンジオール−3-ホスフェートの 合 成: 2,2-ジメトキシプロパンジオールをCesarottiら(Helv.Chim.Acta 1993,76 ,2344)の手法に従って合成した。 2,2-ジメトキシプロパンジオール(2.0mg、14.7ミリモル)のジメチルホルム アミド(100mL)溶液に水素化ナトリウム(0.7gm、17.6ミリモル)を添加し、混 合物を室温で30分間撹拌した。メタンスルホン酸オクタデシル(5.63gm、16.2 ミリモル)を固体として一度に添加し、混合物を窒素ガスの雰囲気下、室温で一 晩撹拌した。混合物を氷水(100mL)に注ぎ、その際に固体は分離した。固体を 濾過し、乾燥した。次いで、固体を酢酸エチルに溶解し、溶離剤として10%酢酸 エチルのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー に付して純粋な生成物を得た。この生成物を実施例(a)でした手法により3-ホス フェートに変換した。 (d)N−トリチルエタノールアミン エタノールアミン、塩化トリチルおよびピリジンの混合物を15時間還流した。 冷却した反応に水をゆっくりと添加し、濾過によって沈殿を収集した。粗生成物 をエタノールおよび水の1:1混合液から再結晶した。 N−トリチル−O−(1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3- ホスホリル)−エタノールアミン:N−トリチルエタノールアミン、1-O−オク タデシル−O−ベンジル-sn-グリセロールおよび塩化トリイソプロピルベンゼン スルホニルのピリジン溶液の混合物を温度25℃で24時間撹拌した。所望の化合物 を反応混合物から抽出し、当業者によく知られた方法によって脱トリチル化を行 った。 実施例2 1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオールのリン酸化薬物誘導体へのカップ リング I.1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスフェート−アシクロビ ールの合成: ACVモノホスフェートおよび1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオールから の調製: オキシ塩化リン(POCl3)を添加してアシクロビールをリン酸化した。O ℃で1〜2時間後、アシクロビールをエーテルで二塩化ホスホリルとして抽出し た。2N NaOH溶液を二塩化物の水溶液に添加してpHを約9〜10とし、こ の化合物を二ナトリウム形態に変換した。Dowex 50でのクロマトグラフィーによ り、二ナトリウム塩をモノホスフェートアシクロビールに変換した。トリブチル アミン又はトリオクチルアミンのような塩としてのアシクロビールモノホスフェ ートのピリジン溶液を、温度45℃で28時間、バチルアルコール、続いて塩化トリ イソプロピルベンゼンスルホニル(TIPS)で処理した。暗色溶液を水、続い てトルエンで処理し、得られた溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物をイオン交換 クロマトグラフィー、続いてシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望 の化合物をクロロホルム可溶性白色粉末として収率50%、純度>95%として得た 。同様に、1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロパンジオールをモノ ホスフェートアシクロビールとカップリングさせて対応するアシクロビール誘導 体を得た。 II.1-O−オクタデシル−1,2-エタンジオール−2-ホスフェート−ara−Cの 合成 シトシンアラビノシド(ara−C)-5'-モノホスフェート(Sigma,St.Lou is,MO)、1-O−オクタデシル−1,2-エタンジオール、および塩化トリイソプロ ピルベンゼンスルホニル(TIPS)のピリジン溶液を温度45℃で25時間撹拌し た。水を反応混合物に添加し、続いてトルエンを添加し、減圧下で溶媒を除去し た。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して所望の化合物を得た 。 III.1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスフェート−a ra−Cの合成: 1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロール(OBG)を用いてa ra−C−モノホスフェートとカップリングできるIIの調製で説明したように、 OBGで出発して標記化合物を調製できる。 IV.1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロパンジオール−3-ホスフェ ート−ara−Cの調製 ara−C−モノホスフェート、1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3- プロパンジオールおよび塩化トリイソプロピルベンゼンスルホニル(TIPS) のピリジン溶液を温度45℃で25時間撹拌した。水を反応混合物を添加し、続いて トルエンを添加し、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグ ラフィーによって精製して、所望の純度の所望の化合物を得た。 実施例3 モノグリセリドホスホリルエタノールアミンのアミノ基へのフリーのカルボキ シル基を有する薬剤のカップリング セファゾリンの1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール誘導体の調製: 1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスホエタノールアミン(1 ミリモル)およびセファゾリン(1.2ミリモル、3[(5-メチル−1,3-チアジアゾ ール−2-イル)チオ]−8-オキソ−7](1H−テトラゾール−1−イル)アセチ ル]アミノ]5-チア−1-アザビシクロ[4.2.0]オクト−2-エン−2-カルボン酸)を ピリジンに溶解し、続いてN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(3ミリモル、 DCC)を溶解した。反応混合物を10℃で24時間撹拌した。冷水を添加して反応 を停止させ、溶媒を蒸発させ、生成物を分取用薄層クロマトグラフィーによって 精製した。以下の化合物を前記手法を用いて同様に1-O−オクタデシル−1,3-プ ロパンジオール−3-ホスホエタノールアミンにカップリングさせた。 3a:セフタジジム 1-[[7-[[(2-アミノ−4-チアゾリル)[(1-カルボ キシ−1-メチルエチルオキシ)イミノ]アセチル]アミノ]−2-カルボキシ−8- オキソ−5-チア−1-アザビシクロ[4.2.0]オクト−2-エン−3-イル]メチル]ピ リジニウム水酸化物]; 3b:セフトリアキソン {7-[[(2-アミノ−4-チアゾリル)(メトキシイ ミノ)アセチル]アミノ]−8-オキソ−3-[[(1,2,5,6-テトラヒドロ−2-メチ ル−5,6-ジオキソ−1,2,4-トリアジン−3-イル)チオ]メチル]−5-チア−1-ア ザビシクロ[4.2.0]オクト−2-エン−2-カルボン酸};および 3c:ピペラシリン {6-[[[[(4-エチル−2,3-ジオキソ−1-ピペラジニ ル)カルボニル]アミノ]フェニルアセチル]アミノ]−3,3-ジメチル−7-オキ ソ−4-チア−1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2-カルボン酸}。 実施例4 脂肪族鎖リンカーを介するフリーのアミノ基を含む薬剤の1-O−オクタデシル −1,3-プロパンジオール−3-ホスフェートへのカップリング セファゾリンの1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−ホスフェート誘 導体の調製 4a:ヒドロキシカルボン酸リンカー ヒドロキシ酪酸ナトリウム塩(0.5モル、Aldrich)をメタノールに溶解し、乾燥 HClを通してこの酸をメチルエステルに変換した。メタノールを蒸発させ、N, N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)をカップリング剤として用いて 乾燥メチルエステル連結化合物を1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール− 3-ホスフェートにカップリングさせた。0.5Nメタノール性水酸化ナトリウムを 用いて、得られた化合物を塩基−触媒メタノール化し、フリーの酸誘導体を例え ば前記したようにセフタジジムまたはスルファメタジンのメチルエステルのよう なフリーのアミノ基を含む種々の薬剤に再度カップリングさせた。保護エステル 基を塩基処理により薬剤から除去した。 4b:ジヒドロキシリンカー もう1つの態様として、(1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホ スフェートにカップリングさせた後)リンカーのカルボン酸基をアルコール基ま で還元して、フリーの酸部を有するフリーの薬剤にカップリングさせた。 実施例5 1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスホ−Ara−C: 5a:1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスファチジン 酸(1)およびara−Cのピリジン溶液を温度40℃で24時間にわたってTIPS で処理した。水を添加して反応を停止させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。粗生成 物をクロマトグラフィーによって精製して標記化合物を得た。 5b:この化合物の別の調製は、ピリジンを溶媒とし、かつTIPSをカップ リング剤として用い、OBGおよびara−Cモノホスフェートをカップリング させることを含むものであった。精製は標準的手法を用いて行った。 前記方法を用い、以下のヌクレオシド類似体の対応する脂質誘導体を調製する ことができる。 5c:2'−ara−フルオロ−2-クロロデオキシアデノシン 5d:5-フルオロウリジン 5e:6-メルカプトプリンリボシド 5f:3'−チア−ジデオキシシチジン 5g:3'−チア−5-フルオロ−ジデオキシシチジン 5h:ガンシクロビール 5i:アシクロビール 実施例6 1-O−オクタデシル−rac−グリセロ−3-ホスホノ-5'−(3'-アジド-3'-デ オキシ)チミジンの合成: 乾燥1-O−オクタデシル−3-グリセロール(バチルアルコール、250mg)、3 '−アジド-3'-デオキシチミジンモノホスフェートナトリウム塩(0.725mg)およ び塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(TIPS、1.219gm)を 乾燥ピリジン中で混合し、窒素下で一晩撹拌した。クロロホルム(50mL)を添 加し、反応混合物を冷0.2N HClおよび0.2N炭酸水素ナトリウムで2回洗浄 した。ロータリーエバポレーターにて有機相を真空中で除去し、生成物を−20℃ でクロロホルム/アセトン(12:8容量)20mLから結晶化した。化合物の最終 精製は、クロロホルム/メタノール/濃アンモニア/水(70/30/1/1容量) で展開するシリカゲルGの500ミクロン層を用いる分取用薄層クロマトグラフィ ーによって行った。 実施例7 1-O−オクタデシル-sn-グリセロ−3-ホスホノホルメートの合成: 乾燥ピリジン(25mL)中の1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセ ロール(9.9gm、23ミリモル)を乾燥クロロホルム(50mL)中のエトキシカル ボニルホスホジクロリデート(7.0gm、36ミリモル)の氷冷溶液に滴下した。混 合物を室温まで加温し、24時間撹拌した。冷水(5mL)を添加して反応を停止 させ、2時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ、有機相を分離した。 水相をクロロホルム(3×25mL)で抽出し、有機抽出物を合わせた。合わせた 有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム 上で乾燥し、真空中で濃縮して油を得た。溶離剤として10%メタノールのクロロ ホルム溶液を用いるフラッシュクロマトグラフィーによってこの油を精製して1- O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-エチルホスホノホルメート を無色油(6.2mg、46%)として得た。 この油(1.67g)の一部を無水エタノール(100mL)に溶解し、Pd/C(300 mg)を添加し、混合物を64psiで24時間水素化した。触媒を濾過して1-O− オクタデシル-sn-グリセロ−3-エチルホスホノホルメート(1.0gm、71%)を得 た。 エチルホスホノホルメート(1.0gm)の無水エタノール(50mL)溶液に水酸 化ナトリウム水溶液(8mL、1N)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した 。混合物を遠心し、固体を単離した。固体を無水エタノール(3×25mL)で洗 浄し、乾燥してバチルホスホノホルメート(0.7gm)を得た。 実施例8 1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスファチジン酸(および実 施例1の化合物)のペプチドのアミノ基へのカップリング: 実施例1で調製した1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスファ チジン酸(またはいずれかの脂質−ホスフェート部)をクロロホルム/メタノー ル(2:1、v/v;200mL)および冷1N HCl(50mL)に間に分配し た。水性層をクロロホルム:メタノール((2:1)(v/v);100mL)で 再度抽出した。合わせた有機相を蒸発させ、P25上で真空乾燥した。得られた フリーのホスファチジン酸をDMF(2mL)およびピリジン(2mL)の混合 液に溶解し、溶液にフリーのアミノ基(1ミリモル)を有する適切なペプチド、 続いてN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、Aldrich Chemical Co. ,Nilwaukee,WI,MW:206、620mg、3ミリモル)を添加した。反応混合物を 室温で24時間撹拌した。溶媒を蒸発し、精製物を、0〜50%メタノールのクロロ ホルム溶液の直線勾配を用いるシリカゲルカラム(2.5×50cm)上のフラッシュク ロマトグラフィーによって精製した。TLCおよびHPLCによって示された所 望の生成物を含む画分をプールし、蒸発させた。必要であれば、生成物を分取用 HPLCによって、又は結晶化によってさらに精製して1-O−オクタデシル −1,3-プロパンジオール−3-ホスホ−(NH)−ペプチドを得た。いずれの治療 ペプチドも同様にカップリングさせることができる。 実施例9 連結基としてスクシネートを用いる治療ペプチドのアミノ基への1-O−オクタ デシル−2-O−ベンジル−3-ホスホエタノールアミンのカップリング: 1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル−3-ホスファチジン酸およびエタノール アミンのピリジン溶液をN,N’−ジシクロヘキシルアミドで処理し、混合物を 室温で24時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、生成物をクロマトグラフィーによって 精製した。所望の生成物を含む画分をプールし、蒸発させた。1-O−オクタデシ ル−2-O−ベンジル−3-ホスホエタノールアミンを次に無水コハク酸で処理して 1-O−オクタデシル−2-O−3-ホスホエタノールアミンのヘミスクシネートを得 た。ヘミスクシネートのフリーのカルボキシル基を、HIVプロテアーゼ阻害剤 [D−Phe]−D−α−ナフチルアラニン]−ピペコリン酸[α−OH−Le u]−Valアミド(VST7140)またはVST7149のようなペプチド 、またはレニン阻害剤エナルキレン(A64662)のN末端アミノ基にカップ リングさせた。いずれの治療上有用なペプチドも同様にカップリングさせること ができる。 実施例10 ペプチドのヒドロキシ基への1-O−アルキル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ− 3-ホスファチジン酸のカップリング 前記のように調製した1-O−アルキル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホス ファチジン酸(1ミリモル)をDMF(2mL)およびピリジン(2mL)の混 合液に溶解し、この溶液にフリーのヒドロキシル基を有する適切なペプチド(1 ミリモル)を添加した。反応を行い、実施例9に記載したように生成物を単離し た。また、ホスファチジン酸およびペプチドのヒドロキシル基の縮合は、塩化2, 4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(TOS−Cl;Aldrich Chemical C o.,Milwaukee,WI;MW:302.86;758mg、2.5ミリモル)をDCCに代えてカ ップリング剤として用いて行うのが便宜でよかった。 実施例11 フリーのカルボキシル基を含むペプチドの1-O−オクタデシル−1,3-プロパン ジオール−3-ホスホエタノールアミンへのカップリング: 適切なペプチド(1ミリモル)、および1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジ オール−3-ホスホエタノールアミン(ミリモル)をピリジン(5mL)およびD CC(3ミリモル)に溶解し、続いて1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB t:Aldrich Chemical Co.,MW:153;450mg、3ミリモル)を添加した。反 応混合物を室温で24時間撹拌し、生成物を実施例1に記載したようにシリカゲル クロマトグラフィーによって精製し、続いて実施例10に記載したように脱ベンジ ル化した。いずれの治療上有用なペプチドも同様にカップリングさせることがで きる。 実施例12 タキソール側鎖の脂質誘導体の合成: β−(ベンゾイルアミノ)−α−(1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオー ル−3-ホスホ)−ベンゼンプロパノエート、エステル(1)の合成。 ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル溶媒、またはジクロ ロメタンもしくはクロロホルムのようなハロゲン化溶媒中の1-O−オクタデシル −1,3-プロパンジオール−3-ホスフェート(0.5モル)およびβ−(ベンゾイルア ミノ)−α−ヒドロキシベンゼン−プロパノエートエステルの溶液に純物または 溶液のDCCを添加し、4℃の温度で2〜25時間撹拌した。水を反応混合物に添 加し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー に付して所望の化合物を得た。 β−(ベンゾイルアミノ)−α−(1-O−オクタデシル−2-ベンジル-sn-グリ セロ−3-ホスホ)−ベンゼンプロパノエートエステル(2)の合成。 1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスファチジン酸(0.1 モル)およびβ−(ベンゾイルアミノ)−α−ヒドロキシベンゼンプロパノエー トエステルのピリジンまたはクロロホルム溶液を4℃の温度でDCC(0.4モル) の存在下にて6時間撹拌した。水を反応混合物に添加し、内容物をクロロホルム で抽出した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をクロマトグラフイーによって精 製してベンゼンプロパノエートエステルを得た。 実施例13 β−アミノ置換タキソール側鎖の合成: β−アミノ−α−(1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-3-ホスホ)ベン ゼンプロパノエートエステルの合成: 1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスファチジン酸(0.1 モル)およびβ−アミノ−α−ヒドロキシベンゼンプロパノエートエステル(0.1 モル)のクロロホルムまたはピリジン溶液にDCC(0.4モル)を添加し、4℃の温 度で5時間撹拌した。水を反応混合物に添加し、内容物をクロロホルムまたはそ の他のハロゲン化溶媒で抽出した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をクロマト グラフイーによって精製して1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ −3-ホスファチジン酸の置換エタノールアミンを得た。 実施例14 脂質誘導体化タキソール側鎖のプロパノエートエステルの加水分解 β−(ベンゾイルアミノ)−α−(1-O−アルキル−1,3-プロパンジオール− 3-ホスホ)−ベンゼンプロパン酸(3)の合成。 (1)からのプロパノエートエステル(0.1モル)をナトリウムメトキシドのメタノ ール溶液および炭酸ナトリウムのメタノール溶液を用いて温度5℃で4時間加水 分解して所望の化合物を得、これをバッカシンIIIとのカップリングに用意する 。 β−(ベンゾイルアミノ)−α−(1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn- グリセロ−3-ホスホ)−ベンゼンプロパン酸の合成。 2(0.1モル)のメタノール溶液にナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添 加し、得られた溶液を温度5℃で4時間撹拌した。反応混合物を中和し、得られ た溶液を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。カラムクロマトグラフイーによる精 製により、バッカシンIIIまたは10−デアセチルバッカシンとのカップリングに 適する所望の化合物を得た。 実施例15 タキソール側鎖の脂質誘導体のバッカシンへのカップリング: A.ホスホエタノールアミン側鎖の脂質誘導体の10−デアセチルバッカシンIII へのカップリング。 β−(ベンゾイルアミノ)−α−(1-O−アルキル−1,3-プロパンジオール− 3-ホスホ)−ベンゼンプロパン酸(実施例14)(0.1モル)および10−デアセチル バッカシンIII(0.1モル)のクロロホルム溶液にDCC(0.4モル)を添加し、温度2 5℃で7時間撹拌した。水を反応溶液に添加し、内容物をクロロホルムで抽出し た。有機層を分離し、水性相をクロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧 下で濃縮し、粗生成物をクロマトグラフイーによって精製してタキソールの1-O −アルキル−1,3-プロパンジオール−3-ホスホエタノールアミン誘導体を得た。 B.1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル−3-ホスホエタノールアミン側鎖の10 −デアセチルバッカシンIIIへのカップリング。 β−(ベンゾイルアミノ)−α−(1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn- グリセロ−3-ホスホ)ベンゼンプロパン酸(0.1モル)、10−デアセチルバッカシ ンIII(0.1モル)のクロロホルム溶液にDCC(0.4モル)を添加し、室温で10時間 撹拌した。この反応混合物を水に添加し、内容物をクロロホルムで抽出した。有 機層を分離し、水性層をクロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃 縮し、粗生成物をクロマトグラフイーによって精製してタキソールのバチルベン ジルホスホエタノールアミン誘導体を得た。 これまでの合成において、内部標準としてテトラメチルシランを用い、Genera l ElectricQE-300スペクトロメーターでプロトンNMRスペクトルを得た(キ ー:s=シングレット、d=ダブレット、t−トリプレット、q=カルテット、 dd=ダブレットのダブレット、b=ブロード)。UVスペクトルは島津UV-1 60分光光度計で記録した。高速原子衝撃質量スペクトルはMass Spectrometry Se rvice Laboratory,ミネソタ大学によって測定した。元素分析は、Galbraith La boratories,Knoxville,TNおよびSchwarzkopf Microanalytical Laboratory,N Yによって測定した。融点は、Fischer-Johns融点装置で得た。カラムクロマトグ ラフィーは、Merckシリカゲル60(70〜230メッシュ)で得た。RfはHPTLC Merck,Kieselgel 60プレコートプレート、10×10cmで得た。無水ピリジン、 塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(TIPS)、3'−アジド-3'- デオキシチミジン(AZT)および1,3-プロパンジオールはアルドリッチ社(Al drich Chemical Co.,Milwaukee,WI)から購入し、かつ1-O−オクタデシ ル−2-ベンジルグリコールはバケム・バイオサイエンス社(Bachem Bioscience Inc.,フィラデルフィア,PA)から購入した。 実施例16 連続的経口AZT投与と比較した単一用量1-O−オクタデシル-sn-グリセロ− 3-ホスホ−AZTの投与: ラウシャー(Rauscher)白血病ウイルス−感染マウスの治療 第0日に、雌BALB/Cマウスを、ラウシャー白血病ウイルス複合体(RL V)の1×104プラーク形成単位(PFU)で感染させた。第2日に開始し、1 日1回、飲料水中にAZTを供することによって、または1-O−オクタデシル-s n-グリセロ−3-ホスフェート−AZTを胃管投与することによって、図1に示し た感染マウスの群を、約1.0mg/kg/日〜15.0mg/kg/日の用量にて21 日間処理した。接種後第23日に、両処理プロトコルにおけるマウスを犠牲とし、 動物の脾臓重量を測定した。2つのプロトコルにおける各用量レベルにつき、ウ イルス感染の相対レベルを示す、平均脾臓重量を図1の棒グラフで表す。単一経 口投与によって与えた毎日の1-O−オクタデシル-sn-グリセロ−3-ホスフェート −AZTと飲料水中の経口投与によって与えたAZTとは匹敵していた。 前記したことより、1-O−アルキル−1,3-プロパンジオール−3-ホスフェート 誘導体および治療薬剤の実施例1における他の脂質アダクトを置き換えて、経口 経路により、経口ではさもなければ生物学的利用能が低いが、より効果的な薬剤 を送達する同様の結果を得ることができるのは明らかである。本発明は本発明の 化合物におけるいずれか特定の薬剤または治療剤の使用に限定されず;むしろ本 発明の有利な結果は、リンカーでまたはそれがなくても、置換もしくは非置換の プロパンジオール−3-ホスフェートを介してこれらの薬剤に結合した実施例1の 脂質部位の合成に由来することが強調される。よって、特定の薬剤が現在知られ ているか否か、あるいはそれが将来知られるようになるか否かにかかわらず、そ れからの現在考えられる脂質プロドラッグが、当業者に明らかなように、確立さ れた化学技術に基づいているので、これらの化合物はこれまでの開示により広く 使用できる。本合成は適切な構造を有する本質的に全ての薬剤からの化合物の形 成に広く適用可能であり、その効果は本発明の実施で使用される脂質プロドラッ グ形態を調製することによって改良できることが再度強調される。 実施例17 1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスホノ−アシクロビー ルの合成: メタノール中のトリ−n-ブチルアミンでの処理によってアシリロビールモノホ スフェート(1ミリモル)をトリ−n-ブチルアンモニウム塩(TBA)に変換し 、続いて生成物を凍結乾燥した。TBS塩を10mLピリジンとの2回の共蒸発に よって乾燥した。乾燥ピリジン(20mL)中のアシリロビールTBA塩および1- O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロール(1ミリモル)の混合物に塩 化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(3ミリモル)を添加し、その際 に混合物は明黄色に変化した。混合物を室温で48時間撹拌し、メタノール(20m L)を添加してクエンチした。混合物を、溶離溶媒としてジクロロメタン中のメ タノールの増大させる勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィ ーによって精製した。適切な画分をプールし、真空中で濃縮して、標記化合物を 無色アモルファス固体として得た。いずれの医薬上有用なヌクレオシド類似体モ ノホスフェートも実施例で記載したごとくに利用して、対応する1-O−アルキル 、2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスフェート類似体またはその他の類似体を得 ることができる。 実施例18 1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスホ−アシクロビールの合 成: トリ−n-ブチルアミンのメタノール溶液で処理してアシクロビールモノホスフ ェート(1ミリモル)をトリ−n-ブチルアンモニウム塩(TBA)に変換し、続 いて生成物を凍結乾燥した。TBS塩を10mLピリジンとの2回の共蒸発によっ て乾燥した。乾燥アシクロビールTBA塩および1-O−オクタデシル−1,3-プロ パンジオール(1ミリモル)の乾燥ピリジン(20mL)溶液の混合物に塩化2,4, 6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(3ミリモル)を添加し、その際に混合 物は明黄色に変化した。混合物を室温で48時間撹拌し、メタノール(20mL)を 添加してクエンチした。混合物を、溶離溶媒としてジクロロメタン中のメタノー ルの増大させる勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによ って精製した。適切な画分をプールし、真空中で濃縮して、標記化合物を無色ア モルファス固体として得た。いずれの医薬上有用なヌクレオシド類似体モノホス フェートも実施例で記載したごとくに利用して、対応する1-O−アルキル、2-O −メチル-sn-グリセロ−3-ホスフェート類似体を得ることもできる。 実施例19 C末端で結合した1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスホ −エタノールアミン−ペプチド7194(HIVプロテアーゼ阻害剤): N末端にtert−ブチルオキシカルボニル保護基を持つペンタペプチド(t−B OC−L−Phe−[B−D−NAL]−PIP−[a−OH−Leu]−Va l−COOH)(2ミリモル)を1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセ ロ−3-ホスホ−エタノールアミン(2ミリモル)の乾燥ピリジン(50mL)溶液 と混合し、氷−塩浴中で冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(6ミリモ ル)の乾燥ジクロロメタン溶液を撹拌しつつこの混合物に滴下した。得られた混 合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮乾固した 。溶離剤としてクロロルム中でメタノールを増大させる勾配を用いるシリカゲル フラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製して、ペプチジル部のN末端 にt−BOC保護基を持つ標記化合物を得た。ジクロロメタン中の10%トリフル オロ酢酸で処理して保護基を除去した。N末端にtert−ブチルオキシカルボニル 保護基を有するいずれの医薬ペプチド−薬剤も、前述の方法を用い、対応する1- O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスホエタノールアミン類似 体に変換することができる。 実施例20 N末端で結合した1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスホ −L−ペプチド7194(HIVプロテアーゼ阻害剤)(L−O−CH2CH2− COO−): C末端でメチルエステルとしてのペンタペプチド7194(2ミリモル)を3- ヒドロキシプロパン酸(2ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(50mL)溶液と混 合した。混合物を氷−塩浴中で冷却し、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド (2.4ミリモル)を添加した。混合物を0℃で3時間、室温で一晩撹拌した。混合 物を濾過し、濾液を真空中で濃縮乾固した。溶出溶媒としてジクロロメタン中で メタノールを増大させる勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフ ィーに残渣を付して発泡体としての純粋な生成物を得た。 氷−塩浴中で冷却した、この発泡体(1ミリモル)および1-O−オクタデシル −2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスファチジン酸(1ミリモル)の乾燥ピリジ ン(50mL)溶液の混合物にジシクロヘキシルカルボジイミド(3ミリモル)の 乾燥ジクロロメタン溶液を撹拌しつつ滴下した。混合物を室温で一晩撹拌した。 得られた反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮乾固した。溶離剤としてクロ ロホルム中のメタノールを増大させる勾配を用いるシリカゲルフラッシュクロマ トグラフィーによって残渣を精製して、C末端のメチルエステルとして標記化合 物を得た。該エステルをエタノール性水酸化ナトリウムで処理して標記化合物を 得た。同様に、C末端にメチルエステルを有するいずれの医薬ペプチド薬物も、 本実施例の方法を用い、対応する1-O−オクタデシル−2-O-sn-グリセロ−3-ホ スフェート−類似体に変換することができる。 実施例21 1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスホ-5'-オリゴヌクレ オチドの合成の一般的な方法: DNA合成カラム上の固体支持体に結合させ、フリーの5'−ヒドロキシル基を 有する、十分に保護されたオリゴヌクレオチド(1μモル)に、1-O−オクタデ シル−2-O-sn-グリセロ−3-ホスファチジン酸(5μモル)およびジシクロヘキ シルカルボジイミド(5μモル)のピリジン(2mL)溶液の混合物を添加した 。反応を室温で一晩進行させた。 誘導体化オリゴヌクレオチドを持つカラムをピリジン(2mL)およびアセト ニトリル(2mL)で洗浄した。ヨウ素(0.1M、1mL)のテトラヒドロフラン 溶液をカラムに5分間にわたって添加した。アンモニアの添加によって脂質−オ リゴヌクレオチドを固体支持体から離し、55℃でアンモニアで一晩処理して完全 に脱ブロック化した。得られた1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ −3-ホスホ−5'−オリゴヌクレオチドをHPLCによって精製して純粋な化合物 を得た。2〜24塩基を有するオリゴヌクレオチドは、実施例1における脂質−ホ スフェート部のいずれかを用いて、このようにして誘導体化することができる。 実施例22 1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-ホスホ−ガンシクロビー ルの合成: ガンシクロビールモノホスフェート(1ミリモル)をトリ−n−ブチルアミン のメタノール溶液で処理してトリ−t−ブチルアンモニウム塩(TBA)に変換 し、続いて生成物を凍結乾燥した。TBS塩をピリジン10mLとの2回の共蒸発 によって乾燥した。乾燥ピリジン(20mL)中の乾燥ガンシクロビールTBA塩 および1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロール(1ミリモル)の混 合物に塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(3ミリモル)を添加し た。その際に混合物は明黄色に変化した。混合物を室温で48時間撹拌し、メタノ ール(20mL)を添加してクエンチした。混合物を、溶離溶媒としてジクロロメ タン中でメタノールを増大させる勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマ トグラフィーによって精製した。適切な画分をプールし、真空中で濃縮して、標 記化合物を無色アモルファス固体として得た。 実施例23 1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスホ−ガンシクロビールの 合成: ガンシクロビールモノホスフェート(1ミリモル)をトリ−n−ブチルアミン のメタノール溶液で処理してトリ−t−ブチルアンモニウム塩(TBA)に変換 し、続いて生成物を凍結乾燥した。TBS塩をピリジン10mLとの2回の共蒸発 によって乾燥した。乾燥ガンシクロビールTBA塩および1-O−オクタデシル− 1,3-プロパンジオール(1ミリモル)の乾燥ピリジン(20mL)溶液の混合物に 塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(3ミリモル)を添加した。そ の際に混合物は明黄色に変化した。混合物を室温で48時間撹拌し、メタノール( 20mL)を添加してクエンチした。混合物を、溶離溶媒としてジクロロメタン中 のメタノールを増大させる勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラ フィーによって精製した。適切な画分をプールし、真空中で濃縮して、標記化合 物を無色アモルファス固体として得た。 実施例24 1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロパンジオール−3-ホスホノホ ルメート、2ナトリウム塩: 氷−塩浴中で冷却した、1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロパン ジオール(1.92gm、5ミリモル)およびホスホノギ酸エチル(1.19g、5ミリ モル)の乾燥ピリジン(50mL)溶液の混合物にN,N−ジシクロヘキシルカル ボジイミド(3.1g、15ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(20mL)溶液を添加し た。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中 で濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン中で0〜10%メタノールの勾配を用いる フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、目的化合物を得た。同様に、 エチルホスホノ−アセテートを用いた結果、対応する1-O−オクタデシル−2,2- ジメトキシ−1,3-プロパンジオール−3-エチルホスホノアセテートを得た。 1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロパンジオール−3-ホスホノホ ルメート(0.91gm、1.7ミリモル)の無水エタノール(20mL)懸濁液を1N 水酸化ナトリウム(3.8mL)水溶液で処理し、得られた混合物を室温で1.5時間撹 拌した。混合物を遠心し、得られた固体を無水エタノール(20mL)に懸濁させ た。懸濁液を撹拌し、遠心した。固体を乾燥して、アモルファス粉末(0.9gm) として生成物を得た。同様にして、対応するホスホノアセテート誘導体を合成し た。 実施例25 1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロ−3-ホスホノホルメート、 2ナトリウム塩: 1-O−オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロール(1ミリモル)および ホスホノギ酸エチル(1ミリモル)をピリジン(20mL)に溶解した。溶液を氷 −塩浴中で冷却し、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.4ミリモル)のジク ロロメタン溶液を添加した。混合物を0℃で3時間、室温で一晩撹拌した。混合 物を濾過し、濾液を真空中で濃縮乾固した。溶出溶媒としてジクロロメタン中で メタノールを増大させる勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフ ィーに残渣を付して発泡体として純粋な生成物を得た。前記発泡体(2ミリモル )の無水エタノール(20mL)懸濁液を1N水酸化ナトリウム水溶液(4.1mL) で処理し、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を遠心し、得られ た固体を無水エタノール(20mL)に懸濁させた。懸濁液を撹拌し、遠心した。 固体を乾燥して生成物をアモルファス粉末として得た。 実施例26 1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスホノホルメート、2ナト リウム塩: 1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール(1.41gm、4ミリモル)および ホスホノギ酸エチル(1.19gm、5ミリモル)をピリジン(20mL)に溶解した 。溶液を氷−塩浴中で冷却し、ジクロロメタン中のN,N−ジシクロヘキシルカ ルボジイミド(2.4ミリモル)を添加した。混合物を0℃で3時間、室温で一晩撹 拌した。混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮乾固した。溶出溶媒としてジクロ ロメタン中のメタノールを増大される勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュク ロマトグラフィーに残渣を付して、1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール −3-エチルホスホノホルメート(1.15gm、62%)をアモルファス粉末として得 た。 エチルホスホノホルメートエステル(0.8gm、1.72ミリモル)の無水エタノー ル(20mL)懸濁液を1N水酸化ナトリウム水溶液(4.3mL)で処理し、得られ た混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を遠心し、得られた固体を無水エタ ノール(20mL)中に懸濁した。懸濁液を撹拌し、遠心した。固体を乾燥して標 記化合物11(0.64gm、77%)をアモルファス粉末として得た。 実施例27 1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロパンジオール−3-ホスホノ− アシクロビール: 氷−塩浴中で冷却した、1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロパン ジオール(1.92mg、5ミリモル)およびホスホノギ酸エチル(1.5gm、5ミリ モル)の乾燥ピリジン(50mL)溶液にN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(3. 1gm、15ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(20mL)溶液を添加した。得られ た混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固した。ジク ロロメタン中の0〜10%メタノールの勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィ ーに残渣を付して、目的化合物を得た。同様に、ガンシクロビールモノホスフェ ートを使用した結果、対応する1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1,3-プロ パンジオール−3-ホスホ−ガンシクロビールを得た。 実施例28 1-O−アルキル−2-ハロ−プロパン−3-ホスホ−アシクロビールおよび1-O− アルキル2-アミノ-sn-グリセロ−3-ホスホ−ガンシクロビールの合成: 1-O−アルキル−2-ハロ−プロパン−3-ホスホ−アシクロビールの立体制御合 成をスキームIに概説する。適切なアルキルメタンスルホネートで処理すると、 2,3-イソプロピリデン-sn-グリセロールから中間体2を得る。酢酸で処理してイ ソプロピリデン基を除去し、塩化トリチルおよびピリジンでトリチル化して、フ リーの2-ヒドロキシル基を有する化合物3を得る。BoseおよびLal(1973,Tetrah edron Lett.40:3927)の手法に従って、3をn−ハロスクシンイミドおよびトリ フェニルホスフィンで処理して中間体4を得る。ヒドロキシル基をハロゲンで置 き換えて、完全な変換(SN2置換)を進行させ、65〜95%の収率を得る。ジク ロロメタン中のトリフルオロ酢酸でトリチル基を除去して、ハロ化合物5を得る 。5をピリジン中のアシクロビールモノホスフェートおよびジシクロヘキシルカ ルボジイミドと反応させて、目的化合物を得る。 この手法はXがCl、BrおよびIである場合に働くが、XがFである類似体 には若干異なるアプローチが必要である。Kobayashiおよび共同研究者(1968,Ch em.Pharm.Bull 16(9):1784)によって報告されている手法に従い、中間体3を ジフェニルトリフルオロホスホランで処理して、良好な収率でアルコール3がフ ッ素化化合物4に変換される。引き続いてのフルオロ類似体までの工程は前記し たのと同一である。 鋼ボンベ中でスキームIに記載したブロモ中間体4を液体アンモニアで処理し て、2位がアミノ化される。得られた2-アミノ化合物を臭化ベンジルで処理して 、2-アミノ基が保護される。引き続いての工程は、中間体1-O−アルキル−2-ベ ンジルアミノ-sn-グリセロ−3-ホスホ−ガンシクロビールまでをスキームIに記 載したものと同一である。ベンジル保護基をPd/Cで水素化してこの時点で除 去 して目的化合物を得ることができる。 アミノ中間体を塩化アシルで処理して、N−アシル化合物が得られる。また、 ブロモ中間体4をモノまたはジアルキルアミンで処理してモノアルキルアミノお よびジアルキルアミノ誘導体を得る。 前記した手法は容易に入手できる出発物質で行うことができ、該方法はよく記 載されており、当業者は出発物質で必要な修飾およびリストアップした2-アミノ 類似体を合成する方法を認識できるであろう。 実施例29 チオホスホノ酸およびそれらの脂質プロドラッグの合成: トリメチルホスホノギ酸をロウエソン試薬[2,4-ビス(4-メトキシフェニル) −1,3-ジチア−2,4-ジホスフェタン−2,4-スルフィド]と反応させることによっ て、McKenna(米国特許第5,072,032 号)の手法に従ってチオホスホノギ酸を合 成する。また、トリホスホノ酢酸も同様にして合成する。 セレノホスホノギ酸は、Stecおよび共同研究者(1976,Stec,W.J.,Okruszek ,A.およびMichalski,J.,J.Org.Chem 41,233)、およびBuinaら(1979,Bui na,N.A.;Sibgatullina,F.G.;Neureldinor,I.A.,Izv.Akad.Nauksssr.,S er.Khim.10,2362)によって報告されている手法を適用して、トリメチルホス ホノギ酸を元素セレンで処理することによって合成することができる。セレノホ スホノ酢酸も同様にして合成することができる。次いで、オキソ−およびチオ− 類似体についてのものと同一の手法によって、該セレノ酸を対応する脂質プロド ラッグに変換することができる。 幾分修飾して、1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-ホスホノギ酸 の合成と同様にして、1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-チオホス ホノギ酸の合成を行った。ジシクロヘキシルカルボジイミドを用い、1-O−オク タデシル−1,3-プロパンジオールをチオホスホノギ酸エチルエステルにカップリ ングさせた。シリカゲルクロマトグラフイーによる精製後、このエステルの塩基 加水分解によって目的化合物を得た。1-O−オクタデシル−2,2-ジメトキシ−1, 3-プロパンジオール−3-チオホスホノホルメートおよび対応するチオホスホノア セテートの場合のように、1-O−オクタデシル−1,3-プロパンジオール−3-チオ ホスホノ酢酸を同様に合成した。 実施例30 1-O−オクタデシル−1,2-エタンジオール−2-ホスホノホルメートの合成: 氷塩浴中で0℃まで冷却した、カルボエトキシホスホジクロリデート(carbeth oxyphosphodichloridate)(1.6ミリモル)のクロロホルム(25mL)溶液に、1-O −オクタデシルエタンジオール(1ミリモル)のピリジン(15mL)溶液を撹拌 しつつ滴下した。混合物を室温まで加温し、室温で一晩撹拌した。混合物を冷却 し、水を1mL添加した。0℃で2時間撹拌後、混合物を真空濃縮した。残渣の 油を、溶離剤としてクロロホルム:メタノール95:5を用いるフラッシュクロマ トグラフイーに付して、生成物1-O−オクタデシルエタンジオール−2-エチルホ スホノホルメートを得た。 このエチルエステルをエタノールおよび0.1N NaOH(50mL)の1:1 混合液に溶解し、15分間音波処理した。得られた混合物を油浴中で60℃にて2時 間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮乾固した。得られた固体を水 に再懸濁し、冷却し、凍結乾燥して目的化合物を得た。 実施例31 1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-3-ホスホノホルメートの合成: 氷塩浴中で0℃まで冷却した、カルボエトキシホスホジクロリデート(1.6ミリ モル)のクロロホルム(20mL)溶液に、1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn -グリセロール(1.0ミリモル)のピリジン(15mL)溶液を滴下した。混合物を室 温で一晩撹拌した。混合物を冷却し、水を2mL添加し、得られた混合物を室温 で2時間撹拌した。反応混合物を次いで真空濃縮し、残渣を溶離剤としてクロロ ホルム:メタノールを用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付 した。 このエチルエステルをエタノールおよび0.1N NaOHの1:1混合液に溶 解し、15分間音波処理した。混合物を撹拌しつつ60℃で2時間加熱し、濾過し、 濾液を蒸発乾固させた。残渣を25%水性エタノールから再結晶させて純粋な生成 物を得た。 実施例32 X=CH−OH、m=1、R1=オクタデシルであるヌクレオシド類似体種( スキームIIの化合物#8)の合成: −70℃でDMF中のNaHおよび臭化ベンジルで処理して、D−エリトロース 、1(Aldrich Chemical Companyから購入)から選択的に保護された種4-O−ベ ンジル−エリトロース2を得る。この中間体を痕跡量の過塩素酸を含むジメトキ シプロパンおよびアセトンで処理して、2,3-ジ−O−イソプロピリデン−4-O− ベンジルエリトロース3を得る。化合物3を水素化ホウ素ナトリウムで還元して 保護化エリスリトール4を得る。4をオクタデシルメタンスルホネートで処理し て、1-O−オクタデシル−2,3-ジ−O−イソプロピリデン−4-O−ベンジルエリ スリトール5を得る。Pd/Cおよび水素で脱ベンジル化し、続いてヌクレオシ ド類似体モノホスフェートでDCCカップリングして中間体7を得る。CH2C l2中の10%TFAで1を脱ブロッキングし、続いて塩基加水分解して目的化合 物8を得る。 実施例33 R2=H、X=CH−OH、R=オクタデシル、m=2であるヌクレオシド類 似誘導体(スキームIIIの化合物17)の合成 Evansおよび共同研究者(Evans,D.A.,Truesdale,L.K.,Gimm,K.G.,Nesbit t,S.L.,J.Am.Chem.Soc.99,5009,1977)による手法を適用することによっ て、トリメチルシリルメチルメルカプタンで処理して、市販購入可能なD−リボ ース9(Sigma Chemical Co.)からジメチルジチオアセタール10を得る。これは リボースを開環鎖コンホメーションに固定する。保護されたリボースを−70℃に てDMF中で臭化ベンジルで処理して、リボースの5−第一級ヒドロキシル基が 選択的にブロックされ、化合物11を得る。かかる選択的ブロッキングは文献で報 告されている(1987,Yukuzawa,A.,Sato,H.,Masamune,T.,Tetrahedron Let t 28,4043)。1,5誘導体化リボース上の2,3,および4ヒドロキシル基は塩化メト キシメチルで処理して保護して(1972,Stark,G.,Takashi,T.,J.Am.Chem .Soc.94,7827)、十分に保護されたリボース中間体12を得る。 C位のアルデヒドは、中間体12をAgNO3/Ag2Oで処理して再生して(19 77,Corey,e.J.,Shibasaki,M.,Knolle,J.,Sugahara,T.,Tetrahedron Lett.785)化合物13を得る。水素化ホウ素ナトリウムで還元し、続いてオクタ デシルメタンスルホネートでアルキル化して、1-O−オクタデシル−2,3,4-トリ −O−メトキシメチル−5-O−ベンジルリボース15を得る。Pd/Cでの水素化 によってベンジル基を除去し、続いてジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて ヌクレオシド類似体ホスフェートとカップリングさせて、中間体16を得る。酢酸 で処理してメトキシメチル保護基を除去し、目的化合物17を得る。 実施例34 1-S−オクタデシル−1-チオプロパン−3-ホスホ−アシクロビール: 3-メルカプト−1-プロパノール(10.0gm、0.11モル)および乾燥DMF(400 mL)の撹拌混合液に水素化ナトリウム(3.6gm、0.15モル)を添加した。水素発 生が止むと、オクタデシルメタンスルホネート(35.9gm、0.11モル)を添加し た。撹拌を2時間続け、次いで混合物を破砕した氷(500gm)に注いだ。沈殿し た生成物を真空濾過によって収集し、メタノール(100mL)で洗浄し、乾燥して1 -Sオクタデシル−1-チオ−3-プロパノール(24.2g、64%)を得た。 1-S−オクタデシル−1-チオ−3-プロパノール(0.3gm、0.9ミリモル)および アシクロビールモノホスフェート(0.30g、1.0ミリモル)をピリジン(20mL )に溶解し、撹拌した。溶液を氷−塩浴中で冷却し、N,N-ジシクロヘキシルカル ボジイミド(0.56gm、2.7ミリモル)のジクロロメタン(10mL)溶液を添加 した。混合物を0℃で3時間撹拌し、室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾 液を真空乾固した。残渣を、溶出溶媒としてジクロロメタン中でメタノールを増 大させる勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフイーに付し、1- S−オクタデシル−1-チオプロパン−3-ホスホ−アシクロビールを白色固体とし て得た。 実施例35 ヒトサイトロガロウイルス(HCMV)抗ウイルス罹患性アッセイ: 24ウエル培養皿中の密集下MRC−5細胞を、2%FBSおよび抗生物質を含 むMEM培地中、種々の濃度の薬剤で24時間前処理した。培地を取出し、無薬剤 ウエル中、5日以内に3−4+細胞障害効果(CPE)となる希釈にてウイルス を添加した。これを37℃で1時間吸収させ、吸引し、薬剤希釈物で置換した。イ ンキュベーションの5日後、HCMV DNAを、Diagnostic Hybrids,Inc.(A thens,OH)からのCMV抗ウイルス罹患性検査キットを用いる核酸ハイブリダイ ゼーションによって3回定量した。培地を取出し、製造業者の指示に従って細胞 を溶解した。溶解物の吸収後、HybriwixTMフィルターを一晩60℃でハイブリダイ ズさせた。HybriwixTMを73℃で30分間洗浄し、ガンマカウンターで計数した。結 果を、未処理HCMV−感染対照細胞のパーセントとしてHCMV DNAで表 す。 本発明の化合物は全てフリーの薬剤PFAよりも実質的に活性である。MB− PFAおよびBB−PFAは、B−PFAと抗ウイルス活性が同等である一方、 ODDMOP−PFAは実質的により活性である。 実施例36 HSV抗ウイルス罹患性アッセイ 培地を取り出し、20〜24時間以内に無薬剤ウェル中で3−4+CPEとなるよ うな希釈でウイルスを添加することによって、24ウェル培養皿中の密集下MRC −5細胞を接種した。これを37℃で1時間吸収させ、吸引し、2%FBAおよび 抗生物質を含むMEM培地中の種々の濃度の薬剤で置換した。インキュベーショ ンのほぼ24時間後、HSV DNAを、Diagnostic Hybrids,Inc.(Athens,OH) からのHSV抗ウイルス罹患性検査キットを用いる核酸ハイブリダイゼーション によって3回定量した。培地を取出し、製造業者の指示に従って細胞を溶解した 。溶解物の吸収後、HybriwixTMフィルターを一晩60℃でハイブリダイズさせた。 HybriwixTMを73℃で30分間洗浄し、ガンマカウンターで計数した。結果を、未処 理HSV−感染対照細胞のパーセントとして表す。 本発明の全ての化合物はフリーのPFAよりも活性である。 実施例37 HT4−6C細胞におけるHIV−1複製についてのプラーク減少アッセイ HT4−6C細胞およびプラーク減少アッセイ、CD4−発現HeLa細胞、 HT4−6C細胞(Chesebro,B.およびK.Wehrly(1988)J.Virol.62:3779-3 788)はBruce Chesebro,Hamilton,Montから得た。HIV複製に対する抗ウイ ルス化合物の効果を、プラーク減少アッセイによって測定した。略言すると、H T4−6C細胞の単層を24ウエルミクロ希釈プレート中のウェル当たり100〜300 PFUのウイルスで感染させた。種々の濃度の薬剤を培養培地、前記した5%胎 児ウシ血清および抗生物質を含むダルベッコの修飾イーグル培地に添加した。37 ℃で3日後、単層をリン酸緩衝生理食塩水中の10%ホルムアルデヒドで固定し、 0.25%クリスタルバイオレットで染色してウイルスプラークを可視化した(Lard er.B.ら(1989)Science 243:1731-1734)。抗ウイルス活性は、薬剤−処理試料 で測定された対照プラークのパーセントとして評価した。 1 p=0.0373対B−PFA。 2 p=0.0262対B−PFA。 本発明の全ての化合物はPFAよりも活性である。MB−PFAおよびODD MOP−PFAはB−PFAおよびBB−PFAよりも著しく活性である。 実施例38 放射性標識化合物の合成およびマウスにおける薬物動態学実験 A.1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-[14C]−PFAの 合成 エトキシ[14C]カルボニルホスホニックジクロリド(30μCi/μモル)2. 5mCi(0.083ミリモル)のクロロホルム0.5mL溶液を0℃まで冷却した。1-O −オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロール23mg(0.064ミリモル)のO ℃のクロロホルム/ピリジン(2:1)1.5mL溶液を撹拌しつつ添加した。室 温で18時間後、水0.5mLで反応を停止させ、混合物を窒素下で乾燥した。試料 を80:20:1:1(C/M/NH4/W)に溶解し、1gmシリカゲルカラム(7 0〜230メッシュ)に充填し、これを同溶媒で溶出した。1-O−オクタデシル−2- O−メチル-sn-グリセロ−3-PFAのエチルエステルを含む画分をプールし、窒 素下で乾燥した。エチルエステルの半分を、50%エタノール1mLに溶解し、N aOHを25μモル添加することによって脱ブロックした。混合物を乾燥し、50% エタノール1mLに再溶解し、再度窒素下で乾燥した。脱ブロック生成物を80: 20:1:1に溶解し、1gシリカカラムに充填し、80:20:1:1の5mLで洗 浄し、70:58:8:8:の15mLで溶出した。精製した生成物を含む画分をプー ルし、窒素下で乾燥し、C/M/W(2:3:1)に再溶解した。最終収率は7 %であった。特異的活性は30μCi/μモルで維持したと推定される。 B.1-O−オクタデシル-sn-グリセロ−3-[14C]−PFAの合成 エトキシ[14C]カルボニルホスホニックジクロリド(30μCi/μモル)5 mCi(.167ミリモル)のクロロホルム1mL溶液を、0℃で撹拌しつつ、1-O −オクタデシル−2-O−ベンジル-sn-グリセロール87mg(0.2ミリミル)のクロ ロホルム/ピリジン(2:1)1.5mL溶液に添加した。室温で18時間後、反応 を水0.5mLで停止させ、混合物を窒素下で乾燥した。試料をエタノール3.5mL に溶解し、炭素上の10%パラジウムにて60psi水素の水素化容器中に一晩入れ た。炭素上の10%水酸化パラジウムを添加してこのプロセスを反復した。触媒を 除去し、試料を窒素下で乾燥した。試料を80:20:1:1(C/M/NH4/W )に再溶解し、5gmシリカゲルカラム(70〜230メッシュ)に充填し、これを 同溶媒で溶出した。バチル−PFAのエテルエステルを含む最も純粋な画分をプ ールし、窒素下で乾燥した。50%エタノール2mLに溶解し、NaOHを50μモ ル(2.5当量)添加することによって、このエチルエステルの半分を脱ブロックし た。混合物を乾燥し、50%エタノール2mLに再溶解し、再度窒素下で乾燥した 。脱ブロック生成物を80:20:1:1に溶解し、70:58:8:8の20mLで溶出 した。最も純粋な生成物を含む画分をプールし、窒素下で乾燥し、2mLのC/ M/W(2:3:1)に再溶解した。最終収率は2.5%であった。 C.14C−PFA脂質プロドラッグのマウスへの経口投与: 1-O−オクタデシル-sn-グリセロ−3-PFA[14C]及び1-O−オクタデシル −2-O−メチル-sn-グリセロ−3-PFA[14C](30マイクロキュリー/マイク ロモル)を、窒素気流中ジオレオイルホスファチジルコリン/コレステロール/ 薬剤のモル比60/30/10と共に乾燥し、一晩凍結乾燥し、50mM酢酸ナトリウム (pH5.4)を含む等張ソルビトールを添加した。撹拌し、加温した後、容器をHes t Systemカップホーン音波処理機中、最大出力にて1時間音波処理した。得られ たリポソーム調製物を0.2ミクロンフィルターで濾過し、各PFA脂質プロドラ ッグ20mg/kgの用量で経口胃管によってマウスに投与した。24時間後、動物 を堵殺し、組織をすすぎ、摘出し、ブロット乾燥し、秤量し、ホモゲナイズした 。アリコットを計数し、放射能の量を測定した。結果を、組織1g当たりの脂質 プロドラッグPFA[14C]のナノモルで表す。 図2から分かるように、バチル−PFA(1-O−オクタデシル-sn-グリセロ− 3-PFA)を含むリポソームは、肝臓、脾臓、十二指腸および回腸を含めたほと んどの実験組織で低レベルの薬剤を供した。しかしながら、本発明の化合物、メ チルバチル−PFA(1-O−オクタデシル−2-O−メチル-sn-グリセロ−3-PF A)に関しては、驚くべくことに、薬剤レベルは小腸での観察では低く、組織で の薬剤の高いレベルが肝臓、脾臓、肺、脳、腎臓およびリンパ節で観察された。 これは、バチル−PFAが、小腸細胞への摂取後、循環系には十分に送達されな い結果、薬剤の低い組織レベルとなることを示している。逆に、本発明の化合物 メチル−バチル−[14C]−PFAは小腸からより容易にクリアーされ、肝臓、 肺、腎臓、リンパ節、脾臓および脳において薬剤を高レベルで提供する。本発明 で特許請求する他の脂質部位も同様の結果を与えることが予測される。さらに、 脂質に結合した薬物からではなく、図2に示すように小腸摂取および組織浸透を 増強させる脂質部位自体からその利益が発生する。 実施例39 2.2.1細胞におけるACVおよびその−1-O−アルキルグリセロールホスフェ ートまたはプロパンジオールホスフェートコンジュゲートの抗B型肝炎ウイルス 活性および細胞毒性 前記実施例においてKorbaおよびGerin(Antiviral Research 19:55-70,1992) によつて記載されている細胞培養テスト系を用い、ヌクレオシド誘導体を抗−H BV活性につきテストし、そのデータを以下の表Vに示す。 データは、B型肝炎ウイルス複製を50%(EC50)もしくは90%(EC50)減 少させるか、又は細胞生存を50%(CC50)減少させるのに要する薬剤のμM濃 度で表す。選択性指標はCC50/EC50である。省略:n.m−意味がない;A CV−アシクロビール;ODGP−ACV−1-O−オクタデシル-sn-グリセロ− 3-ホスホ−アシクロビール;HDPDP−ACA、1-O−ヘキサデシル−プロパ ンジオール−3-ホスホ−アシクロビール。 1-O−ヘキサデシルプロパンジオール−3-ホスホ−アシクロビールは、ODG P−ACVについての6.8と比較して、EC50が3.0であり、イン・ビトロでのH BV複製を阻害する際にアシクロビール自体よりも著しく活性である。また、こ の化合物の選択性指標は>100である。よって、これらのデータから、HDPD P−ACVがODGP−ACVよりも著しく活性かつ選択性であることがわかる 。 実施例40 HSV−感染MRC−5細胞におけるACVおよびその1-O−アルキルグリセ ロールホスフェートまたはプロパンジオールホスフェートコンジュゲートの抗− HSV活性および細胞毒性 前記実施例36に記載した細胞培養系を用い、アシクロビール誘導体を抗−HS V活性につきテストし、データを表VIにおいて後記表Vに示す。 データは、単純疱疹ウイルス複製を50%(EC50)減少させるのに必要な薬剤 のμM濃度で表す。省略:ACV−アシクロビール;ODGP−ACV−1-O− オクタデシル-sn-グリセロ−3-ホスホ−アシクロビール;HDPDP−ACV、 1-O−ヘキサデシル−プロパンジオール−3-ホスホ−アシクロビール;HSV− 1(wt)単純疱疹ウイルス−1(野生型);DM21 HSV−1(TK−) 、ウイルスチミジンキナーゼを欠くHSV−1のDM21株 HSV−1に対して、HDPDP−ACVはODGP−ACVよりも活性が低 い。しかしながら、チミジンキナーゼを欠くDM21 HSV−1において、プ ロパンジオール化合物はODGP−ACVおよびアシクロビールそれ自体よりも 4倍活性である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/00 635 A61K 31/00 635 31/43 31/43 31/52 601 31/52 601 31/545 31/545 31/70 619 31/70 619 623 623 38/00 C07F 9/40 D C07F 9/40 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ビードル、ジェイムズ アール. アメリカ合衆国 92131 カリフォルニア 州 サンディエゴ ペテンウェル ロード 11723

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記構造式を有する化合物。 (式中、R1およびR1’は各々独立して、アルキル基が1〜6個の二重結合 を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO− アルキル基又はS−アルキル基:又はアシル基が1〜6個の二重結合を有する直 鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−アシル基ま たはS−アシル基であり; XはCH−R2であり; m=0〜6; 各kは独立して0または1であり; 各R2またはR2’は独立して、H、=O、フッ素、塩素、ヨウ素および臭 素よりなるハロゲン基;pが0〜7であるO(CH2pCH3;NH2;アルキル 基が0〜3個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1 〜C8基を有するO−アルキル基またはS−アルキル基:アシル基が0〜3個の 二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C8基を有す るO−アシル基またはS−アシル基;アシル基が0〜3個の二重結合を有する直 鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1〜C8基を有するN−アシル基;アルキ ル基が0〜6個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換の C1〜C24基を有するN−アルキル基またはN−ジアルキル基よりなる群から選 択され; Yは、上記化合物が塩またはその組合せの形態である場合、A+であり、各 A+がH+、Na+、Li+、K+、NH4 +;モノ−、ジ−、トリアルキル アミン、およびその他生理学上許容可能なカチオンよりなる群から選択されるア ミンからなる群から独立して選択され; n=0、1または2; Lは、式J−(CH2t−Gの連結分子であって、JおよびGがヒドロキシ ル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、およびアミン基からなる群から独立 して選択される官能基であり、かつt=1〜24であるか;又はLが存在しない; および Dは、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基およびアミノ基 からなる群から選択される官能基を有する薬剤である。) 2.mが0である請求項1記載の化合物。 3.R1またはR1’がO−アルキル基である請求項1記載の化合物。 4.R1またはR1’がO−オクタデシル基である請求項1記載の化合物。 5.R2またはR2’がO−ベンジル基である請求項1記載の化合物。 6.R2がOCH3基である請求項1記載の化合物。 7.下記構造式を有する化合物。 (式中、R1は、アルキル基が1〜6個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐 鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−アルキル基またはS−アル キル基;又はアシル基が1〜6個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換 もしくは非置換のC1〜C24基からなるO−アシル基またはS−アシル基であり ; n=0、1または2; Lは、式J−(CH2t−Gの連結分子であって、JおよびGがヒドロキシ ル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基およびアミン基よりなる群から独立し て選択される官能基であり、かつt=1〜24であるか;又はLが存在しな い; Dは、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基およびアミノ基 よりなる群から選択される官能基を有する薬剤であり; Yは、上記化合物が塩またはその組合せの形態である場合A+であり、各A+ が独立して、H+、Na+、Li+、K+、NH4 +;モノ−、ジ−、トリアルキルア ミン、およびその他生理学上許容可能なカチオンからなる群から選択されるアミ ンからなる群から選択される。) 8.下記構造式を有する化合物。 (式中、R1およびR1’は各々独立して、アルキル基が1〜6個の二重結合 を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO− アルキル基またはS−アルキル基:又はアシル基が1〜6個の二重結合を有する 直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−アシル基 またはS−アシル基であり; XはCH−R2であり; m=0〜6; 各kは独立して0または1であり; 各R2又はR2’は独立して、H、=O、フッ素、塩素、ヨウ素および臭素 からなるハロゲン基;pが0〜6であるO(CH2pCH3;NH2;アルキル基 が0〜3個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1 〜C8基を有するO−アルキル基またはS−アルキル基:アシル基が0〜3個の 二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C8基を有す るO−アシル基またはS−アシル基;アシル基が0〜3個の二重結合を有する直 鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1〜C8基を有する N−アシル基;アルキル基が0〜6個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の 置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するN−アルキル基またはN−ジアルキ ル基よりなる群から選択され; n=0または1; Z=S、OまたはSe; Yは、上記化合物が塩またはその組合せの形態である場合A+であり、各A+ が独立して、H+、Na+、Li+、K+、NH4 +;モノ−、ジ−、トリアルキルア ミン、およびその他生理学上許容可能なカチオンからなる群から選択されるアミ ンからなる群から選択される。) 9.抗ウイルス治療における同時、順次または別々の使用のための、抗ウイルス ヌクレオシド類似体、ウイルスプロテアーゼ阻害剤またはその他抗ウイルス剤と 共に、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の化合物を含む組成物。 10.請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の化合物からその一部が形成された リポソーム。 11.前記請求項のいずれか1項記載の化合物または身体中でそれらに変換可能な 生理学的機能性塩、エステルもしくはその他誘導体を含有する医薬組成物。 12.ホ乳動物に請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の化合物を有効量投与す ることを有する、ホ乳動物においてウイルスまたはレトロウイルス感染を治療す る方法。 13.投与経路が経口、静脈内、皮下、局所、腹腔内または筋肉内である請求項12 記載の方法。 14.抗ウイルスヌクレオシド類似体、ウイルスプロテアーゼ阻害剤またはその他 抗ウイルス剤を共に投与することをさらに有する請求項13記載の方法。 15.ホ乳動物に請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の化合物を有効量投与す ることを有する、ホ乳動物において病気を治療する方法。 16.経口、静脈内、筋肉内、皮下、非経口または局所投与経路を介してホ乳動物 で利用できないか又はあまり利用できない薬剤を該投与経路を介して生物学的に 利用可能な形態に変換する方法であって、 (a)1-O−アルキル-sn-グリセロール−3-ホスフェートおよび1-O−アシル-sn - グリセロール−3-ホスフェートからなる群から選択される脂質種であるが、その R2位がフリーのヒドロキシル基を欠く脂質種を、該脂質種のホスフェート基を 介してか又は多官能性リンカー分子を介して直接、前記薬剤の官能基に共有結合 させて薬剤の脂質誘導体を形成し; (b)工程(a)の結合反応混合物から薬剤の脂質誘導体を回収し;次いで、 (c)経口、静脈内、筋肉内、皮下、非経口または局所投与に適した治療配合物 に該薬剤の脂質誘導体を配合することを有する、上記方法。 17.脂質誘導体が薬剤の1-O-アルキル−プロパンジオール−3-ホスフェート誘導 体であって、該脂質誘導体が下記式を有する請求項16記載の方法。 (式中、R1およびR1’は各々独立して、アルキル基が1〜6個の二重結合 を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO− アルキル基またはS−アルキル基:又はアシル基が1〜6個の二重結合を有する 直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C24基を有するO−アシル基 またはS−アシル基であり; XはCH−R2であり; m=0〜6; 各kは独立して0または1であり; 各R2またはR2’は独立して、H、=O、フッ素、塩素、ヨウ素および臭 素よりなるハロゲン群;pが0〜6であるO(CH2pCH3;NH2;アルキル 基が0〜3個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1 〜C8基を有するO−アルキル基またはS−アルキル基:アシル基が0〜3個の 二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換のC1 〜C8基を有するO−アシル基またはS−アシル基;アシル基が0〜3個の二重 結合を有する直鎖または分岐鎖の置換もしくは非置換のC1〜C8基を有するN− アシル基;アルキル基が0〜6個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の置換 もしくは非置換のC1〜C24基を有するN−アルキル基またはN−ジルキル基よ りなる群から選択され; Yは、上記化合物が塩またはその組合せの形態である場合A+であり、各A+ が独立して、H+、Na+、Li+、K+、NH4 +;モノ−、ジ−、トリアルキルア ミン、およびその他生理学上許容可能なカチオンからなる群から選択されるアミ ンからなる群から選択され; n=0、1または2; Lは、式J−(CH2t−Gの連結分子であって、JおよびGが独立してヒ ドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基およびアミン基よりなる群か ら選択される官能基であり、かつtが1〜24であるか;又はLが存在しない;お よび Dは、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、カルボキシル基およびアミノ基 よりなる群から選択される官能基を有する薬剤である。) 18.薬剤が共有結合に利用できるカルボキシル基、ヒドロキシル基、またはアミ ノ基を有する抗ガンヌクレオシドである請求項16記載の方法。 19.Dが治療ペプチド、またはその3〜35個のアミノ酸残基もしくはその類似体 を有するペプチド擬似体である請求項16記載の方法。 20.薬剤がペニシリンおよびセファロスポリン種の抗生物質からなる群から選択 される請求項16記載の方法。 21.薬剤が3'−アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)である請求項16記載の方 法。 22.薬剤がアシクロビールである請求項16記載の方法。 23.薬剤がガンシクロビールである請求項16記載の方法。 24.薬剤がB−D−(-)-ジアミノプリンジオキソランである請求項16記載の方法 。
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