JPH11511985A - プラスミド安定化 - Google Patents

プラスミド安定化

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JPH11511985A JP9510994A JP51099497A JPH11511985A JP H11511985 A JPH11511985 A JP H11511985A JP 9510994 A JP9510994 A JP 9510994A JP 51099497 A JP51099497 A JP 51099497A JP H11511985 A JPH11511985 A JP H11511985A
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Abstract

(57)【要約】 遺伝子治療および組換えタンパク質の産生に有用なプラスミドの維持のためのリプレッサー滴定の新規な系を利用する系が記載される。この系は、トランスで発現されるリプレッサーによる結合に感受性のオペレーター、リプレッサーをコードする第1の染色体遺伝子、およびオペレーターに機能的に結合しかつ細胞増殖に必須の第2の染色体遺伝子を含むプラスミドを含む形質転換された宿主細胞を利用し、ここで、このプラスミドは、必須遺伝子を発現させ、それにより細胞増殖を可能にするように、リプレッサーを滴定するために充分な数で細胞内に存在する。

Description

【発明の詳細な説明】 プラスミド安定化 発明の分野 本発明は、一般に、プラスミドの安定な維持に関し、そして特に、遺伝子治療 において有用な遺伝子を含むプラスミドに関する。 発明の背景 プラスミドの安定な維持(特に、高コピー数における)は、遺伝子治療におけ る使用のための治療的遺伝子を有するDNAの調製のために重要である。しかし、 宿主細胞中に保有される染色体外DNAは、本来細胞培養において不安定である。 なぜなら、プラスミドを含有する培養細胞は、通常、プラスミドを含まない分離 体(segregant)細胞に比較して、増大した代謝負担を有するからである。プラ スミド安定性を維持し、そして代謝負担を減少させる努力において、優性選択マ ーカーを含むように操作されたプラスミドが、慣例的に使用されている。細菌ま たは酵母宿主株のスケールアップ発酵の間、選択薬剤の存在はプラスミドの消失 、ならびにプラスミドDNAの複製および維持の努力を負担していない細胞の過剰 増殖を防止する。 抗生物質耐性遺伝子(例えば、アンピシリン、カナマイシンまたはテトラサイ クリンのような抗生物質に対する耐性をコードする)は、分子生物学クローニン グおよび組換えタンパク質またはプラスミドDNAの生産のための発酵手順におい て使用される、最も一般的な優性選択マーカーである。抗生物質の存在下におけ る連続発酵については、選択圧は失われる。なぜなら、培養物の希釈または宿主 細胞による分解によって、抗生物質は経時的に活性を失うからである。それゆえ 、プラスミドを維持するためのより成功する方法のいくつかは、抗生物質選択を 利用せず、むしろアミノ酸を合成し得ない変異体宿主およびこの合成を提供する 遺伝子をプラスミド中に挿入することに依存する。プラスミドを含まない分離体 による培養物の乗っ取り(takeover)を防止するその他の解決法は、毒性産物を コ ードする遺伝子を染色体中に配置し、次いで対応するリプレッサー系をプラスミ ド中に含ませることを含む。プラスミドを含まない細胞は、分離の際に効率的に 死滅される。 しかし、選択圧を有してさえも、プラスミドを含まない細胞は、プラスミドを 有する細胞由来の選択遺伝子の相補する産物の漏れによって、増殖をし続け得る 。さらに、遺伝子治療のために意図されるベクター上の抗生物質耐性マーカー遺 伝子または他の優性選択マーカー遺伝子の使用は、標的哺乳動物細胞または宿主 哺乳動物生物におけるそれらの遺伝子の発現に関連する潜在的な問題を引き起こ した。標的哺乳動物細胞におけるそれらの遺伝子の発現は、哺乳動物におけるそ の破壊および/または遺伝子産物に対する抗原性応答へ導き得る。抗生物質に対 する重篤な免疫応答の可能な誘導(例えば、アナフィラキシーショック)を伴う 、培養物におけるプラスミド選択のために使用された抗生物質での最終産物の汚 染に関する懸念もまた存在する。抗生物質耐性細菌遺伝子の広範な使用はまた、 最終的に、全体としての細菌集団へのその移入を生じる。それゆえ、プラスミド が有する遺伝子の存在も抗生物質選択も必要としないプラスミド維持の方法につ いての必要性が存在する。 発明の要旨 本発明は、プラスミドが有する優性選択マーカーの使用を必要とせず、リプレ ッサー滴定(titration)の系を利用するプラスミド維持系を見出したことに基 づく。 本発明は、トランスに発現されるリプレッサーによる結合に感受性のオペレー ターを含むプラスミド、リプレッサーをコードする第1の染色体遺伝子、および オペレーターと機能的に結合しており、そして細胞増殖に必須な第2の染色体遺 伝子を含む形質転換された宿主細胞を包含する。ここで、プラスミドは細胞中に リプレッサーを滴定するに十分な数で存在し、その結果必須遺伝子が発現され、 それにより細胞増殖を可能にする。 オペレーター配列および結合する遺伝子に関して本明細書中で使用される「機 能的に結合した」または「作動可能に結合した」は、オペレーターが遺伝子にシ スに連結されており、その結果遺伝子の発現がリプレッサーのオペレーターへの 結合に際しての抑制に感受性であることを意味する。 用語オペレーターが、リプレッサーが結合して、結合されたプロモーターから の転写を防止する任意の核酸配列を定義するために使用されることは、当業者に より理解される。プラスミドのオペレーターが、染色体遺伝子の転写を抑制する リプレッサーを結合するために必要な最小の配列からなる必要のみがあるという 点で、プラスミド上に存在するオペレーター配列は、染色体上のオペレーター配 列と同一である配列である必要はない。変異されたオペレーター配列(例えば、 対応するリプレッサーに対する増加したまたは減少した親和性を生じる、挿入、 欠失、または置換された1つ以上のヌクレオチドを有する配列)もまた本発明に 従って有用であることもまた理解される。 本明細書中で使用される「細胞増殖」は、培養培地中の経時的な細胞数の増加 をいい、そしてまた細胞数は経時的に増加しないが、むしろ生存細胞数は経時的 に減少しない場合の細胞生存をいう。 好ましくは、リプレッサー遺伝子は、E.coli lacリプレッサー、λリプレッ サー、E.coli trpリプレッサー、E.coli galRリプレッサー、E.coli araCリ プレッサー、E.coli ArgRNVリプレッサー(Burkeら(1994)Mol.Microbiol.,13 ,609-618)およびE.coli Tetリプレッサーの1つをコードする。上記のように 、各リプレッサーは、染色体中およびプラスミド上の両方に存在するトランスに 結合するオペレーター配列とトランスに作動可能である。本発明は、1つの染色 体リプレッサー遺伝子が変異されるかまたは欠失されるようになる場合にプラス ミドの安定性を確実にするためには、宿主染色体上の1つ以上のリプレッサー遺 伝子(例えば、1つ、2つ、または3つのリプレッサー遺伝子)の存在を意図す る。 それゆえ、好ましいオペレーター配列は、lacオペレーター、λオペレーター 、trpオペレーター、galオペレーター、araオペレーター、Argオペレーターおよ びTetオペレーターを含む。所望であれば、対応するプロモーターが、そのオペ レーターと機能的に結合され得る。 宿主細胞は、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞および昆虫細胞)、植物細胞、 菌類(例えば、酵母)ならびに細菌を含む任意の細胞であり得る。 好ましい実施態様において、宿主細胞は、グラム陰性または陽性のいずれかで あり得る細菌細胞(例えば、E.coli、Salmonella,Bacillus、Streptomycesお よびLactobacillus)である。 宿主細胞が真核生物細胞である場合、LacおよびTetリプレッサーおよびその対 応するオペレーターが好ましく使用される。酵母、タマホコリカビ(dictiostel ium)、植物細胞およびタバコ植物を含む真核生物細胞における遺伝子発現を調 節するためのLacおよびTetリプレッサーの使用は、Gossenら((1994)Current Op inions in Biotechnology,5,516-520)に記載されている。 オペレーターと機能的に結合している1つより多い異なる必須染色体遺伝子が 、細胞染色体中に存在して(ここで、必須遺伝子はオペレーターに連結されてお り、そしてそれゆえリプレッサーによる抑制に対して感受性である)、1つの染 色体オペレーターにおけるリプレッサー感受性の消失に対して予防し得る。本発 明の1つの好ましい実施態様において、リプレッサータンパク質をコードする遺 伝子が染色体中の異なる位置において2つまたは3つのコピーが存在して、1つ の染色体位置におけるリプレッサー発現の消失に対して予防する。 宿主染色体上に配置される好ましい必須遺伝子は、以下のカテゴリー内に分け られる遺伝子を含むがそれらに限定されない:細胞壁前駆体のような細胞代謝物 の生合成に関連する産物をコードする遺伝子、その産物が炭素代謝に関与する遺 伝子、抗生物質耐性をコードする遺伝子、および高分子の生合成または調節をコ ードする遺伝子(例えば、DNAおよび/またはRNA合成ならびに複製機能のために 必須な遺伝子)。 好ましくは、プラスミドは、宿主細胞当たり約20コピーのプラスミド、または 宿主細胞当たり約200コピー程のプラスミドの複製を可能にする複製起点を含む 。このようなプラスミドの例は、pBR322、ならびにVieiraおよびMessing(1982 ,Gene,19(3),259-268)ならびにYanisch-Perronら(1985,Gene,33(1),103 -119)に記載のようなpUCシリーズのプラスミド(本明細書においてpUCという) を含むが、それらに限定されない。 プラスミドが、目的の遺伝子の挿入のためのクローニング部位を含むことが好 ましい。 本発明の1つの特に好ましい実施態様において、プラスミドは、目的の遺伝子 をさらに含む。好ましくは、目的の遺伝子は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)細 胞において発現可能である。そのような遺伝子の例は当該分野において公知であ り、そして本明細書中に開示される。所望であれば、目的の遺伝子は、宿主株に おいて発現されない。宿主株が細菌である場合、これは、目的の遺伝子に細菌プ ロモーターを含ませないことにより達成され得る。さらに、所望であれば、目的 の遺伝子は、プラスミドのオペレーター配列に結合され得、その結果この遺伝子 の発現がプラスミドで形質転換された宿主細胞の増殖に際して抑制される。これ らは、宿主細胞に対する、コードされる目的のタンパク質の生産の、代謝負担を 軽減させるように作用する。あるいは、目的の遺伝子の発現が所望される場合( 例えば、コードされるタンパク質を生産および単離することが所望される場合) 、細胞増殖に際して目的の遺伝子の発現を抑制するようにオペレーターが配置さ れる必要はなく、そして目的の遺伝子の発現は、宿主細胞中で活性なプロモータ ーにより駆動され得る。 本発明はまた、プラスミドが宿主細胞におけるその複製および維持のために必 要な配列のみを含む、上記の宿主細胞を包含する。すなわち、プラスミドは本質 的に、トランスに発現されるリプレッサーによる結合に感受性であるオペレータ ー、複製起点、および目的の遺伝子の挿入のためのクローニング部位からなる。 本発明はまた、上記の最小プラスミド(すなわち、トランスで発現されるリプ レッサーによって結合されやすいオペレーター、複製起点、および目的の遺伝子 の挿入のためのクローニング部位から本質的になる)を包含する。本明細書で使 用する「から本質的になる」は、プラスミドが、宿主株においてプラスミドを維 持するために必要な配列、および治療的遺伝子の挿入のためのクローニング部位 のみを含むことを意味する。すなわち、プラスミドは、宿主細胞での生存に不要 な配列を含まない。本明細書で使用する「複製起点」は、1細胞あたり所定のコ ピー数でプラスミドを維持するのに必要なプラスミド上の配列をいう。 好ましくは、この最小プラスミドは約1000bp長である。より好ましくは、この 最小プラスミドは、約2Kb長であり、ここで、プラスミドに含まれる、オペレー ター配列、複製起点、およびクローニング部位以外のDNAは、非コードDNAである 。 この最小プラスミドが、標的細胞内での発現のための制御配列と作動可能に会 合している目的の遺伝子をさらに含むことは、特に好ましい。好ましくは、標的 細胞は哺乳動物細胞であり、より好ましくはヒト細胞である。 この最小プラスミドは、細菌の配列のような最小の外来DNA配列のみを含むと いう顕著な利点を有し、従って、例えば、プラスミドが遺伝子治療のためのベク ターとして意図される場合の、哺乳動物細胞株への外来DNA配列の導入に関連す る問題が顕著に減少する。従って、本発明によって回避される問題には、哺乳動 物標的細胞における、細菌または酵母の遺伝子のようなプラスミド由来の遺伝子 の発現が含まれる。この発現によって、標的細胞または哺乳動物宿主それ自体の 破壊が導かれるか、または外来DNAまたはこのような配列にコードされる産物に 対する免疫応答の発達が導かれる。 本発明はまた、プラスミドを宿主細胞内で維持する方法を包含し、本方法は、 上記の形質転換された細胞を、細胞が増殖するのに十分な時間および条件下で、 培養する工程を包含する。 本発明はまた、プラスミドDNAを生成する方法を包含し、本方法は、上記の形 質転換された細胞を、細胞が増殖するのに十分な時間および条件下で培養する工 程、および培養した細胞からプラスミドDNAを単離する工程を包含する。 本発明はまた、組換えタンパク質を産生する方法を包含し、本方法は、上記の 形質転換された宿主細胞を、組換えタンパク質を産生するのに十分な時間および 条件下で培養する工程を包含する。好ましくは、本方法は、組換えタンパク質を 単離する工程をさらに包含する。好ましくは、組換えタンパク質は、ヒトに対し て治療的に有益なタンパク質である。 本明細書中に記載するリプレッサー滴定系を使用する組換えタンパク質の産生 は、プラスミド上のコード領域のみが組換えタンパク質をコードする遺伝子であ るという点で、宿主細胞での代謝負荷を減少させる。従って、宿主細胞は、組換 えタンパク質以外のプラスミドコードタンパク質の産生を支持する必要はない。 さらに、本明細書中に記載されるリプレッサー滴定系により、抗生物質の非存在 下での組換えタンパク質の産生が可能になり、従って、培養物における抗生物質 の活性の喪失に起因するプラスミド選択の喪失が避けられる。さらに、単離され た組換えタンパク質には、抗生物質が混入しない。 本明細書中に記載するリプレッサー滴定系は、プラスミドコード優性選択マー カー(例えば、抗生物質耐性のためのマーカー)を用いることなく、中程度のコピ ー数または高コピー数でのプラスミドの安定な維持を可能にし、そしてトランス 作用リプレッサー/オペレーター系を支持し得る任意の宿主と共に使用され得る 。本発明の1つの利点は、プラスミド保有細胞の抗生物質選択以外によるプラス ミド維持の信頼性である。すなわち、抗生物質の活性の喪失に起因する、発酵の 間の選択圧力の喪失が無い。本明細書中に記載するように、プラスミドに優性選 択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)が存在しないことはまた、標的哺乳動 物細胞におけるこれらの遺伝子の発現に関連する非常に深刻な問題を避けるとい う点で、有利である。従って、本発明はまた、遺伝子療法を意図する産物に、遺 伝子治療ベクターの選択のために使用する抗生物質が混入することを避ける。さ らに、本発明は、このような抗生物質に対する重篤な免疫応答(例えば、アナフ ィラキシーショック)の潜在的な誘導を避ける。 本明細書中に記載するプラスミド安定系の1つの顕著な利点は、抗生物質耐性 をコードする細菌の遺伝子の広範囲の使用を避けることであり、この使用により 、全体として細菌集団におけるこのような遺伝子の移入が促進される傾向がある 。 本発明の他の特性および利点は、以下の好ましい実施態様の説明および請求の 範囲から明らかである。 図面の簡単な説明 図1は、本発明のプラスミドで形質転換した宿主細胞の概略図である; 図2は、本発明の最小プラスミドの概略図である; 図3は、唯一の炭素供給源としてラクトースまたはグルコースを含む最小培地 での、pUC18で形質転換していない、および形質転換したE.coli株Hfr3000 YA69 4の増殖を示す。A)Hfr 3000 YA694(Min/Gluc/B1)、B)Hfr 3000 YA694(Min/Lac/B 1)、C)Hfr 3000 YA694-pUC18(Min/Gluc/B1/Ap)、D)Hfr 3000 YA694-pUC18(Min/L ac/B1/Ap); 図4は、アンピシリンおよびグルコースを含有する最小培地で増殖させ、次い でa)ラクトースおよびアンピシリン、b)ラクトース、c)グルコースを含む最小培 地中に接種した細胞のプラスミドDNAを示す;ここで、トラック1 λHindIII標 準、トラック2 EcoRI制限接種プラスミドDNA、トラック3〜6 それぞれ、約 15、36、55、および72細胞世代の増殖の後に単離したEcoRI制限プラスミドDNA; 図5は、カナマイシンの存在下でのJC7623 lacZ-kanの活性化可能増殖を示す ; 図6は、カナマイシンの存在下でのDH1 lacZ-kanの活性化可能増殖を示す; 図7は、ジアミノピメレートの非存在下でのJC7623 dapD-kan lacZ-dapDの活 性化可能増殖を示す。 説明 本発明は、以下の制限しない実施例によって例証される。ここで、以下の材料 および方法が用いられる。本明細書中以下で援用される各参考文献の全開示は、 参考として本明細書中に援用される。 本発明は、新規なリプレッサー滴定(図1)の系を使用する、宿主細胞における プラスミドの生成および維持を改善するための、形質転換した宿主細胞、プラス ミド、および方法に基づく。本発明によって生成されたプラスミドDNAは、遺伝 子治療において有用である。プラスミドそれ自体は、図2に示すように、特定の 最小の配列からなり得、そして目的の治療的遺伝子を保有し得る。新規なリプレ ッサー滴定系は以下のように働く。 図1および2に示す系は、配列16(すなわち、オペレーター)に結合しているプ ラスミド由来のリプレッサータンパク質を用いて形質転換した宿主細胞10、およ びリプレッサータンパク質12をコードする遺伝子の宿主染色体コピーを利用する 。別の染色体遺伝子14は、その産物は宿主細胞の増殖または生存に必須であり、 リプレッサータンパク質に結合しているオペレーター16に作動可能に会合してい る(すなわち、オペレーター16の制御下に位置している)。プラスミド15の非存在 下では、染色体オペレーターへのリプレッサーの結合によって必須遺伝子の発現 が妨げられ、そして細胞は、インデューサーの存在下でしか増殖し得ない。続い て リプレッサータンパク質の結合部位を含むプラスミドを導入することによって、 染色体オペレーターから離れるリプレッサータンパク質の滴定が生じ、従って、 必須遺伝子の発現が可能になる。従って、インデューサーの非存在下では、プラ スミドを含有する細胞のみが増殖する。これは、プラスミド上のオペレーター配 列の存在によってプラスミドがリプレッサーを滴定することが可能になり、従っ て、そうでなければ染色体オペレーターに結合するために利用し得るリプレッサ ー分子を除去するからである。プラスミドオペレーター配列によるリプレッサー の滴定は、必須染色体遺伝子の発現、およびプラスミドを含む細胞のみの増殖を 可能にする。宿主株が、リプレッサーが高コピー数で合成されるように操作され ると、プラスミドは高コピー数でさえ維持される。 図2に示すように、プラスミド15は、オペレーター16に結合する配列、および 複製起点18、およびクローニング部位20を含むことのみが必要である。 本発明に有用なリプレッサー/オペレーター系 本発明は、任意のトランス作用リプレッサー/オペレーター系と共に使用され 得る。例えば、本明細書中に記載されるリプレッサー滴定系は、そのDNA結合配 列に対して十分な親和性を有する任意のリプレッサーを含み得、その結果、必須 染色体遺伝子の発現を妨げ得るが、また、プラスミド由来DNA結合配列によって 滴定され得る。 リプレッサーによる抑制を受けやすい必須染色体遺伝子は、リプレッサーに結 合しているオペレーター/プロモーターの制御下に置かれているという点で抑制 を受けやすくなるか、または、リプレッサー結合配列(すなわち、オペレーター) は、リプレッサーに結合されたときに転写を妨げ得るが、天然のプロモーターの 、結合しているリプレッサーの非存在下で必須遺伝子の転写を開始する能力を破 壊しない様式で、必須遺伝子の天然のプロモーターに挿入されているかまたはこ れに会合している。 1つより多い異なる必須遺伝子(例えば、2つまたは3つの遺伝子)が染色体 に存在し得、各遺伝子はオペレーター配列に機能的に連結され、従ってリプレッ サーによる抑制に対して感受性である。染色体における(好ましくは、染色体の 異なる位置における)異なるリプレッサー感受性必須遺伝子の存在は、変異また は欠失によるプラスミド安定性の喪失の可能性を減じて、必須染色体遺伝子の抑 制の喪失をもたらす。 リプレッサーは、染色体遺伝子によってコードされる。本発明によると、1つ 以上(好ましくは、1つ、2つまたは3つ)のコピーの染色体リプレッサー遺伝 子が、宿主細胞に存在する。染色体リプレッサー遺伝子は、改変されていない天 然に生じた遺伝子であり得るか、または染色体リプレッサー遺伝子は、その対応 するオペレーターに結合する強さに関して高いかまたは低い親和性のリプレッサ ー分子を与える遺伝的変異を含み得る。このような変異は先行技術分野に公知で あり、例えば、lacリプレッサーのそのオペレターに対する親和性が単一のアミ ノ酸変化によって増強され得る(Betz、(1986)Gene、42、283-292、およびKhour yら、(1991)J.Mol.Biol.、219、623-634を参照のこと)。あるいは、より多いか もしくはより少ないコピーのオペレーター結合部位がプラスミド中に導入され得 るか、または、より多いかもしくはより少ないコピーのリプレッサー遺伝子が染 色体上、またはプラスミドで実施される他の実施態様中に導入され得る。 あるいは、プロモーター、エンハンサーなどのようなリプレッサー遺伝子の発 現を開始する配列は、多数もしくは少数のリプレッサー分子が細胞中に作製され るように、変異され得るか、または遺伝子操作され得る。例えば、lacIリプレッ サーのコピー数は、lacIq変異の導入によって増加され得る(Carlos(1978)Nat ure 274、762-765を参照のこと)。細胞中に存在するリプレッサー分子の数は、 対応するオペレーター配列を有するプラスミドのコピー数に関連する。本発明の リプレッサー滴定系によれば、宿主細胞中に存在するリプレッサー濃度は、プラ スミドの非存在下では、目的の必須遺伝子は発現されないが、しかしプラスミド の存在下では、リプレッサーが必須遺伝子から離れて滴定されるような濃度であ る。1コピーより多い(例えば、2または3コピー)リプレッサーが染色体中に 存在する場合、細胞中で作製されるリプレッサータンパク質の量は、1つの遺伝 子の存在に比例して増加する;この増加は、対応するプラスミドの複製起点を選 択する際、および細胞中に存在する染色体のオペレーター/必須遺伝子の数を選 択する際に考慮される。 オペレーターの強さおよびリプレッサーの親和性は、異なるコピー数のプラス ミドとともに使用するための系を作製するために改変され得る。例えば、lacオ ペロンの抑制程度は、最適に配置された、補助的な理想的lacオペレーター(す なわち、増強されたリプレッサー親和性を有するlacオペレーター)の導入、ま たはプロモーター内での理想的オペレーターの導入によって増強され得る(Mull erら、(1996)Mol.Biol.、257、21-29、およびLewisら、(1996)Science 271、124 7-1254)。あるいは、オペレーターの強さは、非理想的オペレーターの導入、オ ペレーターの非最適配置、または補助的オペレータの除去によって低減され得る (Mullerら、(1996)Mol.Biol.、257、21-29、およびOehlerら、(1990)EMBOJ.21 9、973-979)。例えば、lacリプレッサーのそのオペレーターに対する親和性は 、単一のアミノ酸変化によって増強され得る(Betz、(1986)Gene、42、283-292 )。 本発明によって有用なリプレッサー系は、以下を含むが、これに限定されない 。E.coli lacリプレッサーは:「ラクトースオペロン」、J.Beckwith、Escheric hia coli and Salmonella typhimurium、J.L.Ingrahamら編、1987 Amer.Soc.Mic ro.、1444-1452頁、およびDicksonら、1975、Science 187:27-35に記載される。 lacオペロンは以下のように調節される。非誘導条件下(例えば、グルコースで の増殖)では、LacIはlacオペロンのオペレーターに結合し、そしてβ-ガラクト シダーゼ(LacZ)、ラクトースペルミアーゼ(LacY)、およびトランスアセチラ ーゼ(LacA)の転写を妨害する。誘導条件下(例えば、ラクトースでの増殖また は代謝不可能なアナログであるIPTGの添加)では、リプレッサーはもはやオペレ ーターに結合せず、そして転写は生じない。オペロンの発現は、β-ガラクトシ ダーゼについてのアッセイによって容易に検出される。本発明によって有用な他 のリプレッサー系は、上記のlacリプレッサー系、および真核生物細胞中の遺伝 子活性の調節に使用されるtetリプレッサー系(Gossenら、(1994)Current Opini ons in Biotechnology、5、516-520)を含む。tetリプレッサー系は、酵母、タ マホコリカビ(dictiostelium)、植物細胞、およびタバコ植物に使用されてき た。本発明によって有用なさらなるリプレッサー系は、ArgRNVリプレッサー系( Burk eら、(1994)Mol.Microbiol.13、609-618)である。ArgRリプレッサーは通常、 アルギニンの存在下で、そのオペレーターにのみ結合する。しかし、変異ArgRNV リプレッサーは、アルギニンの非存在下でオペレーターに結合し、そしてアルギ ニンの存在下で結合したままであり、そしてトランス優性(transdominant)効果 を有する。2つの対称的なArgボックスを有する理想化されたArgR結合部位(オ ペレーター)は、目的のプラスミド中に操作され得て、発現がArgR結合部位によ って制御される必須遺伝子から離れて、ArgRNVの滴定を可能にする。 特定の改変が、所定のプロトコルに系を適合させるために供される、本明細書 中で記載されるリプレッサー滴定系に作製され得ることを、当業者は理解する。 例えば、増殖培地がオペレーターの抑制を可能にするというよりもむしろ誘導す る成分を含有し、そして増殖の間は誘導条件が望ましくない場合に、オペレータ ーまたはリプレッサー変異体は、誘導を克服し、そして抑制を可能にするために 使用され得る。変異リプレッサーの1例は、lacリプレッサーのLacI変異体であ る。LacI変異体は、もはやインデューサーに結合する能力を有しない。LacI変異 体の例は、例えばLacIS変異体(Beyreuthe、1978、Cold Spring Harbor Laborat ory、CSH、NY)、およびAsp276--〉Asn274のような他の変異体(Changら、1994 、Biochem.22:3607-3616)を含む。野生型リプレッサーをインデューサーに対 して非感受性の変異リプレッサーで置換することによって、リプレッサーは増殖 の間にオペレーターに結合し得、そしてプラスミドは、通常ではリプレッサーを 誘導する条件下でさえ宿主細胞中に維持される。 E.coli trpリプレッサーはまた、本発明により有用である(「トリプトファン オペロン」、YanofskyおよびCrawford、Escherichia coli and Salmonella typh imurium、J.L.Ingrahamら編、1987、Amer.Soc.Micro.、1453-1472頁を参照のこ と)。trpリプレッサーは、約50コピー/細胞で存在し、そしてリプレッサー結 合のインデューサーとしての、発酵培地中のトリプトファンの存在を必要とする 。E.coli galRリプレッサーはまた、本発明により有用である(「ガラクトース オペロン」、S.Adhya、Escherichia coli and Salmonella typhimurium、J.L.In grahamら編、1987、Amer.Soc.Micro.、1503-1512頁を参照のこと)。E.coli ara Cリプレッサーはまた、本発明により有用である(「L-アラビノースオペロン」 、 R.Schlief、Escherichia coli and Salmonella typhimurium、J.L.Ingrahamら編 、1987、Amer.Soc.Micro.、1473-1481頁;Dunnら、1984、Proc.Nat.Aca.Sci.81;5 017-5020を参照のこと)。araCリプレッサーは、アラビノースの存在下で増加し た結合親和性を有する。最後に、λリプレッサーはまた、本発明により有用であ る(λファージへの導入、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubel ら編、1994、第III節、第1.9部;Hochschildら、1986、Cell 47(5);807-816を参 照のこと)。 本発明による有用なプラスミド 本発明は、宿主細胞1個あたり、少なくとも10、好ましくは少なくとも20〜10 0、および最も好ましくは少なくとも200〜500コピーのプラスミドの複製を可能 にする、プラスミドの複製起点に有利に利用され得る。中程度(すなわち、20〜 50)から高い(すなわち、200〜500)プラスミドコピー数の複製を可能にする複 製起点は、中程度から高いプラスミドコピー数がリプレッサー分子を容易に滴定 し得る点で特に有用である。もちろん、所望であれば、細胞1個あたり1000〜20 00コピーもの高いコピー数を有するプラスミドもまた使用され得る。 低いコピー数(すなわち、10コピー以下)を有するプラスミドは、コピー数の 増加をもたらすための変異後、本発明に従って最も有利に使用される(J.Scott 、1984、Microbial Reviews 48:1-23)。頻繁に使用される複製起点の中でも、p BR322(20コピー/細胞)は、本発明に従って有用であり、そしてpUC(200コピ ー/細胞)が好ましい。好ましいわけではないが、本発明に従って有用である他 のプラスミドは、複製のためにプラスミドにコードされるタンパク質の存在を必 要とするプラスミド(例えばpT181、FII、およびFI複製起点)である。 E.coliおよびS.typhimuriumにおいて本発明に従って有用である複製起点の例 は、以下を含むがこれらに限定されない:pMB1(細胞1個あたり25コピー以上、 Bolivarら、1977、Gene 2:95-113)、ColE1(細胞1個あたり15コピー以上、Kah nら、1979、Methods Enzymol.68:268-280)、p15A(細胞1個あたり約15コピー 、Changら、1978、J.Bacteriol.134:1141-1156);pSC101(細胞1個あたり約6 コピー、Stokerら、1982、Gene 18:335-341);R6K(細胞1個あたり15コピー未 満、 Kahnら、1979、上記);R1(温度依存性の複製起点、Uhlinら、1983、Gene 22:2 55-265);λ dv(Jacksonら、1972、Proc.Nat.Aca.Sci.69:2904-2909)。Stap hylococcusにおいて有用な複製起点の例は、pT181である(細胞1個あたり約20 コピー、J.Scott,1984、Microbial Reviews 48:1-23)。上記の複製起点の中で も、pMB1、p15A、ColE1が好ましい。なぜなら、これらの起点は、プラスミドに コードされるタンパク質を複製のために必要としないからである。 本発明により有用な宿主細胞。 本発明は、宿主細胞において中〜高コピー数で維持され得るプラスミドが存在 する場合、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞および昆虫細胞)、植物細胞、菌類 (例えば、酵母)、およびほとんどの細菌株(例えば、グラム陽性細菌株および グラム陰性細菌株)を含む全ての細胞型に適用可能である。 本発明により有用なグラム陰性細菌には、E.coliおよびSalmonella(例えば、 S.typhimurium)が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明により有用なグラム陽性種には、高コピー数のプラスミドが既に存在す る、Bacillus、Streptomyces、Lactobacillus、およびLactococcusが挙げられる が、これらに限定されない。Lactococcusにおいて本発明により有用なプラスミ ドの例は、pNZ2123およびpIL253(Simonら,Biochimie 70:559,1988)である。 ラクトコッカスのラクトースオペロンは、異種タンパク質の発現を制御するため に用いられてきた(Wellsら,1993,Mol.Microbiol.8(6): 1155-1162)。この オペロンは、T7ポリメラーゼの発現を制御するために、lacRリプレッサー(Van Rooigenら,J.Biol.Chem.265:18499-18503,1993)を利用する。T7ポリメラー ゼは次いで、異種タンパク質の発現を制御する。Bacillusにおいて本発明により 有用なプラスミドの例は、pC194、pUB110、およびpT181である。 Bacillus(例えば、B.subtilis)において、λリプレッサーは、異種タンパク 質の発現を制御するために用いられてきた。λリプレッサーは、sak42Dプロモー ターの制御下に置かれた。このプロモーターは、B.subtilisにおいて効率的に転 写され得る(Breitlingら,1990,Gene93(1):35-40)。 酵母は、高コピー数のプラスミドが酵母中で維持されるので、本発明により有 用である。このようなプラスミドの例は、1細胞あたり約100コピーまでのコピ ー数を有する(自律複製性配列(ARS)に基づく)YRpプラスミド、および1細胞 あたり50〜100コピー数を有する(2ミクロン環に基づく)YEpプラスミドが挙げ られる。(Sikorski,「Saccharomyces cerevisiaeの染色体外クローニングベク ター」,Plasmids,A Practical Approach,K.G.Hardy編,IRL Press,1993; およびYeast Cloning Vectors and Genes,第II章,13.4部,Current Protocols in Molecular Biology,Ausubelら編,1994を参照のこと)。酵母は、E.coliの lacZ遺伝子を発現し得る。その結果、本発明によれば、必須な酵母遺伝子(例え ば、ura3またはleu2)、酵母におけるプラスミドの維持のために用いられてきた 遺伝子の発現を制御するためにlacリプレッサー滴定系を使用することが意図さ れる(Gunge,1983,Ann.Rev.Micro.37:253-276)。 本発明により有用な必須遺伝子。 本発明は、プラスミドの安定的な維持のために、多くの異なる必須の染色体宿 主遺伝子と一緒に用いられ得る。これらの必須遺伝子は、以下のカテゴリーを包 含するが、これらに限定されない:例えば、細胞代謝の生合成に関連する産物を コードする遺伝子、その産物が炭素代謝に関連する遺伝子、抗生物質耐性をコー ドする遺伝子、および高分子の生合成または調節をコードする遺伝子(例えば、 DNAおよび/またはRNAの合成および複製機能に必須の遺伝子)。 1.細胞構造の成分の合成に関連する産物をコードする必須遺伝子。 細胞成分の供給(特に細胞壁前駆体の供給)に関与する酵素をコードする特定 の遺伝子はまた、宿主細胞の増殖に必須であり、そして本発明により有用である 。例えば、細菌細胞壁は、meso-ジアミノピメリン酸(DAP)を含み、そしてこの 成分が合成できないと、細胞溶解が生じる。asd遺伝子(アスパラギン酸β-セミ アルデヒドデヒドロゲナーゼ)またはdapD遺伝子(スクシニルジアミノピメリン 酸アミノトランスフェラーゼ)が欠失した変異は、プラスミド上にこの遺伝子の 完全なコピーを有するプラスミドの維持のために用いられ得ることが実証されて いる。(Nakayamaら,Bio/technology 6:693-697,1988; DeGryse,米国特許第5 ,198,343号)。DAP生合成経路における多くの他の遺伝子、すなわち、dapA、dap B、 dapC、およびdapEの遺伝子もまた用いられ得る。dapAおよびdapBはクローン化お よび配列決定され、そしてdapBは単一のシストロンとして入手可能である(Rich audら,J.Bacteriol.166:297-300,1986; Bouvierら,J.Biol.Chem.259:14829 -14834,1984)。他の細胞壁成分の合成(例えば、D-アラニン生合成)に関与す る遺伝子もまた、本発明により有用である(Walsh,1989,J.Biol.Chem.264(5) :2393-2396)。D-アラニンのための成分をコードするDNA配列は、抗生物質を用 いることなくプラスミドの安定化のために用いられた(EP 85/309020を参照のこ と)。 本発明は、このような遺伝子と一緒のリプレッサー滴定の使用を意図する。目 的の遺伝子は、次に宿主がこの遺伝子の産物を必要とするように、最初に宿主株 から欠失される(Winansら,1985,J.Bact.161(3):1219-1221; Jasinら,1984 ,J.Bact.159(2):783-786)。次いで、この遺伝子のコピーが従来のクローニン グ技術を用いて構築され、その結果、その発現は、選択されたリプレッサータン パク質を結合するプロモーター/オペレーターにより指揮される。次いで、この 構築物は、リプレッサータンパク質を合成する宿主株の染色体に導入される(Wi nansら,1985,J.Bact.161(3):1219-1221; Jasinら,1984,J.Bact.159(2):78 3-786)。リプレッサー結合配列を含有するプラスミドでの株の形質転換は、必 須遺伝子の発現を可能にする生合成遺伝子とは別のリプレッサーの滴定をもたら す。 2.細胞増殖に必須の遺伝子。 本発明のリプレッサー滴定方法は、炭素源の利用に関連する遺伝子とともに用 いられ得る。特に、この方法は、ラクトースオペロンとともに、そして本明細書 中に記載されるような唯一の炭素源としてのラクトースの利用とともに用いられ 得る。他の改変は、当業者には明らかである。もはやインデューサー(アロラク トース)に結合し得ず、そして正常な誘導条件下でlacオペレーターに結合し続 けるlacリプレッサーの変異体が存在する。これらはlacIS変異体により類型化さ れる;しかし、インデューサーに結合する能力を有さないが、他の全ての機能に おいて正常である他の変異が存在する(Changら,Biochem.33: 3607-3616(1994 ))。これらの変異を有する株は、lacオペロンの遺伝子を発現し得ず、それゆ え、唯一の炭素源としてのラクトースにより増殖し得ない。野生型lacオペレー ター配列を含有する高コピー数プラスミドでのこのような株の形質転換は、lac オペロンとは別にリプレッサーを滴定し、そしてラクトースでの増殖を可能にす る。 グルタミンシンセターゼは、真核生物細胞(例えば、NSO骨髄腫細胞株)にと って必須遺伝子であり(Bebbingtonら,(1992)Bio/Technology 10,169-175)、 そして好ましくは、宿主細胞が真核生物細胞である場合に使用される。 3.核酸の合成をコードする遺伝子。 本発明はまた、宿主細胞のDNAおよび/またはRNAの合成または複製のタンパク 質をコードする必須遺伝子と一緒に用いられ得る。E.coliおよびSalmonellaのよ うな細菌におけるこれらの必須機能に関するこのような遺伝子の例は、McMacken ら(Escherichia coli and Salmonella typhimurium,Cellular and Molecular Biology,Neidhardtら編,Amer.Soc.Micro.,Wash.D.C.,1987,564-612頁)に おいて提供され、そして以下の遺伝子が挙げられるがこれらに限定されない:dn aA、dnaB、dnaC、ssb、dnaG、polC(dnaE)、dnaQ(mutD)、dnaN、dnaZX、gryA、gr yB、polA、lig、dnaT、rpoA、rpoB、rpoC、およびrpoD。 4.抗生物質耐性をコードする遺伝子。 本発明はまた、抗生物質耐性と一緒に用いられ得る。耐性遺伝子は、その発現 が、所望のリプレッサータンパク質を結合するプロモーター/オペレーターの制 御下にあるように構築される。次いで、この構築物は、宿主株の染色体中に挿入 される。リプレッサー結合配列を含有するプラスミドでのこの株の形質転換は、 抗生物質耐性遺伝子からのリプレッサーを滴定し、そしてこの抗生物質の存在下 での発現、従って増殖を可能にする。抗生物質耐性遺伝子は、大規模な発酵プロ セスにおいて用いられた抗生物質からプラスミド産物を精製するために注意を払 わなければならないが、本発明の実施者が宿主の必須遺伝子として抗生物質耐性 を選択し得るような有用な選択マーカーである。 実施例Iでは、実験においてlacリプレッサー/オペレーター系を用いて本発 明を適用する。この実験は、染色体遺伝子とは別のリプレッサーを滴定するため のプラスミド性の配列の能力を実証する。実施例I E.coli DH1株(Hanahan,J.Molec.Biol.166:557-580,1983)は、ラクトース リプレッサータンパク質(LacI)による制御に供されるインタクトなラクトース オペロンを有する。LacIは、1細胞あたり10〜20コピーで存在し、そして高い親 和性(kd 1×10-14)で結合する。 E.coli DH1を、pUC18tet(アンピシリンおよびテトラサイクリンの耐性遺伝子 を含有する、1細胞あたり約100〜200コピーで存在するpUC18に基づくプラスミ ド)で形質転換した。pUC18tetは、lacオペレーター/プロモーターを含有する が、リプレッサータンパク質をコードするLacI遺伝子を含有しない。プラスミド はまた、pUCの複製起点および治療遺伝子の挿入のためのポリリンカー(または マルチクローニング部位)を含有する。プラスミドにコードされるアンピシリン およびテトラサイクリン耐性は、リプレッサー滴定のために必要ではなく、そし て抗生物質耐性を含有しないプラスミドは、本発明によれば好ましく、そしてpU C18tetと容易に置き換えられ得る。 DH1およびDH1::pUC18tetを、炭素源としてラクトース(10mM)またはグルコー ス(10mM)を有し、必要に応じてアンピシリン(50μg/ml)を補充したM9最少塩 培地上で増殖させた。細胞を対数増殖の間に回収し、そしてβ-ガラクトシダー ゼ活性についてアッセイした(Miller,1972,Experiments in Molecular Genet ics,Cold Spring Harbor Laboratory,CSH,NY)。表1に示すように、匹敵す るβ-ガラクトシダーゼ活性が、グルコースで増殖させたDH1:pUC18tetおよびラ クトースで増殖させたDH1:pUC18tetで観察される。一方、グルコース上で増殖 させたDH1では、ラクトースと比較して非常に低い活性が見られる。従って、プ ラスミドの存在は、lacオペロンとは別のlacリプレッサーを滴定し、β-ガラク トシダーゼの発現を可能にする。 結果は、3つの独立した実験の結果であり、そして単位として、そして各実験 のラクトースにより増殖されたDH1について得られた値の割合として示される。実施例II リプレッサー滴定の証明 E.coli Hfr 3000 YA 694株(CGSC 6378)lacI694,relA1,spoT1,thi-1,λを、EMB 寒天上にプレーティングし、そして一晩増殖させて、その株がラクトースを発酵 し得ず、そしてlacIS遺伝子型を有する(すなわち、誘導物質非感受性であるリ プレッサーをコードする)ことを示すピンク色のコロニーを得た(Wisonら、(196 4)J.Mol.Biol,8:582)。単一のコロニーを増殖させ、そして形質転換についてコ ンピテントにした。次いで、この株を、pUC18(lacオペレーターを含む、上述) で形質転換し、そしてアンピシリンを含むEMB寒天上にプレーティングした。得 られたコロニーは、lacSリプレッサーがβ-ガラクトシダーゼ遺伝子の発現を可 能にするlacオペロンから離れて滴定された結果として、ラクトースが発酵され たことを示す黒色であった。単一のコロニーは、5mlのLBアンピシリンに接種し 、そして対数中期(mid log)まで増殖させ、そしてβ-ガラクトシダーゼ活性を 発現することを示した。 pUC18による形質転換および非形質転換のE.coli Hfr 3000 YA694株を、適用可 能な場合アンピシリンを補充した、唯一の炭素供給源としてラクトースまたはグ ルコースを含む最小培地上にプレーティングした。pUC18の導入はラクトース上 で増殖する能力をもたらすことを図3において示し得る。実施例III リプレッサー滴定によるプラスミド維持の証明 pUC18を含むE.coli YA694株を、グルコース(0.1g/l)、アンピシリン(50μg/ml )およびチアミン(0.5mg/l)を補充した5mlのM9最小培地に接種し、そして37℃で 14時間増殖させた。次いで、0.5mlのこの培養物を、以下のものに別々に接種し た: (1)グルコースを補充した100mlのM9培地 (2)ラクトースを補充した100mlのM9培地 (3)ラクトースおよびアンピシリンを補充した100mlのM9培地 次いで、この培養物を37℃で約8時間増殖させた。OD600測定を、増殖期間を 通じて行った。2つのODユニットを増殖期間の終わりに取り出し、採集し、そし て凍結した。次いで、0.5mlの各培養物を、100mlの新鮮なそれぞれの培地に接種 し、そしてさらに14時間増殖させた。次いで、手順を繰り返して、約72世代の増 殖を達成し、サンプルを適切な時点で採取した。 次いで、プラスミドDNAを採集された細胞から単離し、EcoRIで消化し、そして ゲル電気泳動により分析した。結果は、約72世代の増殖後、プラスミドは、グル コースのみで増殖させた細胞よりラクトースのみで増殖した細胞において、高い 比収量で存在することを示した(図4)。このことは、ラクトースを代謝するβ ガラクトシダーゼの産生に増殖を依存させることにより、βガラクトシダーゼ遺 伝子の発現を可能にするプラスミドが選択的に維持されることを証明する。実施例IV 代替的なリプレッサーの証明 リプレッサー滴定系において使用され得るリプレッサーとして作用する変異リ プレッサーArgRNVの能力を調査した。ArgRの遺伝子操作された変異体であるArgR NV(Burkeら、1994,Mol.Microbiol.13(4),609-618)は、アルギニンの非存在下で さえ、アルギニン生合成遺伝子のプロモーター内のそのDNA結合部位に結合した ままである。マルチコピープラスミド上のArgRNV遺伝子でのE.coli DS997株およ びDS998株の形質転換により、最小培地において増殖を妨げることが示された(Bu rkeら、1994,Mol.Microbiol.138(4),609-618)。従って、リプレッサーは、トラ ンス優性を示す。この実験を、高コピー数プラスミド(pSelect,Promega)上にコ ードされたArgRNVで形質転換されたE.coli DH1を用いて繰り返し、続く最小培地 上の増殖は、アルギニンの存在下のみで生じた。これは、このリプレッサーの能 力がリプレッサー滴定系において使用されることを証明する。 ArgRNV遺伝子はDH1の染色体に配置され得、そして最小培地における増殖を妨 げる能力を調べた。アルギニン生合成遺伝子またはArgオペレーターに機能的に 結合した必須遺伝予から離れてArgRNVを滴定するために、ArgR結合部位を含むプ ラスミドの能力を調査し得る。実施例V lacZカナマイシン融合の生成 lacオペレーター/プロモーターの制御下での必須遺伝子のモデルとして使用さ れたlacZ遺伝子およびカナマイシン遺伝子のN末端領域のインフレーム融合を、 以下の様式において構築した(カナマイシン遺伝子は、任意の必須遺伝子により 置換され得る)。カナマイシンカセットを、XhoIおよびPstIでの消化によりpUC4 K(Pharmacia Biotech)から取り除き、これをSalIおよびPstIで消化したpUC18に 連結した。これは、カナマイシン耐性の発現はlacオペレータープロモーターの 制御下にあるように、lacZ遺伝子とカナマイシン遺伝子との機能的なインフレー ム融合を生成した。 lac/カナマイシン構築物をHaeIIでの消化によって単離し、平滑化し、そしてS tyIで消化して平滑化したpN1に連結した。pN1は、dif遺伝子座の周りの5.5kbのE .coli染色体DNAを含むpUC18ベースのプラスミドである(Leslieら、1995,EMBO J. ,14,1561-1570)。pN1のdif遺伝子座へのlac/カナマイシンの挿入は、最終的に所 望のE.coli宿主の染色体への構築物の組換えを可能にする。得られたプラスミド をSalIで線状化し、そしてこれを用いてE.coli JC7623(Winansら、1985,J.Bact. ,161(3),1219-1221)を形質転換し、そしてカナマイシン+IPTGプレート上で選択 した。カナマイシン耐性コロニーを、カナマイシン存在下の増殖のIPTG誘導性( 図5)、プラスミドの消失、およびサザン分析による染色体中への構築物の挿入 について試験した。 次いで、構築物を、P1形質導入によりJC7623の染色体からDH1の染色体に移し た。得られたDH1 lac/kan株を、サザン分析によりdif遺伝子座内の構築物の存在 についておよびカナマイシン耐性の誘導性について分析した(図6)。pUC18Tet 内のDH1 lacZ-kanのトランスフェクションは、IPTGの非存在下でのカナマイシン における増殖をもたらした。これは、カナマイシン耐性遺伝子のリプレッサーの 滴定を証明する。従って、カナマイシンの存在下におけるプラスミドの維持につ いての宿主細胞の適合性を証明する。 次いで、DH1 lac/kan株を、lacオペレーターを所有する多数のプラスミド(pUC 18、pUC18Tet、およびこれらに由来するより大きなプラスミド)を用いて形質転 換し、そして以下について試験した: 1.非誘導条件下でのカナマイシン(60μg/ml)を含む培地上での増殖; 2.リプレッサー滴定系によるバッチ増殖の間のプラスミドの維持。 lac/カナマイシン構築物から離れたlacリプレッサーの滴定を証明し、そして バッチ増殖の間のプラスミドの維持もまた証明した。実施例VI lacオペレーター/プロモーターの制御下で必須遺伝子を提供するために、E. coli DH1 dapD株のdir遺伝子座へのLacZdapD融合構築物の構築および挿入を行う 。 LacZdapD融合の構築 EcoRI部位を操作されているプライマー(5' -GTGCCCGAATTCCAATTGGCG-3'、5'- CGGCGTGAATTCATCGCTCATCCC-3')を用いて、dapD遺伝子をPCRによってDH1からク ローン化した。PCR産物をEcoRIで消化し、そしてEcoRI消化したpUC18に連結した 。得られたプラスミド(pUC18dapD)を用いてE.coli AT982株(dapD4、thil、r elA1、λ-、spoT1)を形質転換し、そしてこのプラスミドはdapD変異を相補する ことを示し、このことはdapD遺伝子がクローニングされていることを示す。次い で、pUC18のlacZ遺伝子とdapD遺伝子との融合物を、pUC18dapDおよび以下のオリ ゴヌクレオチドを用いてPCRにより作製した: 5'-CAATGCAGAATTCACAGAACATTA-3'、および 5'-CGGCGTGAATTCATCGCTCATCCC-3'。 EcoRIでの消化、およびEcoRIで消化したpUC18への連結により、lacZとdapD遺伝 子との間にインフレーム融合物を作製した。この構築物(pUC18dapD2)は、形質 転換後のAT982の増殖の回復により、再び機能的になることが示された。 lac/dapD融合物をHaeIIフラグメントとして単離し、平滑化し、そしてSty1で 消化して平滑化したpN1に連結した。このプラスミド(pN1 dap D2)は、AT982株 のdapD変異を相補した。 当業者に明らかなように、改変は、例えば、種々のコントロール配列への改変 を含む構築物を作製し得る。 WT DH1 dapD遺伝子の不活化。 DH1の染色体へのLacZdapD融合物の挿入の前に、最初に、WT遺伝子の発現を不 活化した。dapD遺伝子を、オリゴヌクレオチド: 5'-TCATCGGAATTCCCTGGAGTATCGG-3'および 5'-TGAGCTGAATTCCATCGCCGCGCTG-3'を用いる、dapD遺伝子に対して5'および3'DNA のより大きなフラグメントを用いたPCRにより再クローン化してより効率的な組 換えを可能にした。得られたPCR産物をEcoRIで消化し、そしてPstI部位を欠失さ せたpUC18に連結した。得られたプラスミド(pUC18 dapD3)は、AT982のdapD変 異を相補した。次いで、pUC4K由来のカナマイシンカセットの、dapD遺伝子内に 位置するPstI部位への導入によって、dapD遺伝子を挿入により不活化した。この プラスミド(pUC18dapDkan)はもはやAT982のdapD変異を相補しなかった。この 構築物を、BamHIでの消化により直鎖状にしたpUC18dapDkanでの形質転換により 、E.coli JC7623の染色体に導入した。クローンを、補充のジアミノピメリン酸 の非存在下で増殖し得ないが、カナマイシンの存在下で増殖し得ることについて スクリーニングした。dapD遺伝子内のカナマイシン遺伝子の存在を、サザン分析 によって確認した。次いで、不活化したdapD遺伝子をP1形質導入によりDH1の染 色体に転移させて、DH1 dapDkanを産生させた。 lacZdapD構築物を、ScaIで直鎖状にしたpN1dapD2での形質転換により、JC7623 dapDkanの染色体に導入した。クローンを単離し、次いで、ジアミノピメリン酸 の非存在下における増殖のIPTG誘導性を示した(図7)。 次いで、lac/dapD融合物を、P1形質導入の手段によりDH1dapDkanに導入し、そ してIPTG誘導性増殖についてスクリーニングし、そしてサザン分析によってdif 遺伝子座中のその位置を確認した。 次いで、DH1 dapDkan-lacdapD株をlacオペレーターを有するプラスミド(pUC1 8Tet)で形質転換し、そして以下の特徴を示した: 1.非誘導性条件下で、ジアミノピメリン酸を欠く培地上でのDH1 dapDkan-lacd apD-pUC18Tetの増殖、このことは、lac/dapD構築物とは別のlacリプレッサーの 滴定を示す; 2.プラスミドの保持を、バッチ増殖中に試験し、そしてプラスミドの収量を、 テトラサイクリンの存在下(すなわち、抗生物質耐性遺伝子の手段によりプラス ミドを選択するため)で増殖させた細胞、およびインデューサー(IPTG)の存在 下(すなわち、プラスミドの保持が必要とされない条件)で増殖させた細胞と比 較した。テトラサイクリンの非存在下でのプラスミドの特異的な収量は、テトラ サイクリンの存在下で観察されたプラスミドの収量に匹敵し、従って、このこと は抗生物質の非存在下でのプラスミドの選択的な保持を示す。両方の場合におい て、収量は、インデューサーの存在下で増殖させた細胞よりも顕著により多かっ た。実施例VII 本発明による宿主細胞で安定に保持されるプラスミドDNAを以下のように単離 した。細胞を溶解し、そして当該分野に周知の方法、およびBrinboimら、1979, NAR 7:1513-1523ならびにBirnboim,1983,Methods Enzymol.100:243-255に記 載されるような方法に従って、またはQiagen plasmid mini、maxi、もしくはmeg aキット(Qiagen,Chatsworth,CA)を用いてプラスミドDNAを精製する。プラス ミドDNAの大規模な(例えば、100mg以上)精製については、Hornら、1995,Huma n Gene Therapy 6:565-573を参照のこと。実施例VIII 組換えタンパク質をコードする目的の遺伝子が宿主細胞調節配列(すなわち、 最小限には、宿主細胞中で機能するプロモーター)の制御下でそれが存在するよ うにプラスミド上に所有される場合、組換えタンパク質が細胞増殖中に産生され 得、次いで以下のように、当該分野で公知の方法に従って単離される。E.coli での組換えタンパク質の産生および精製が以下に記載されるように達成される: Das,1990,「E.coli中でのタンパク質の過剰発現:ベクター、宿主およびスト ラテジー」、Methods in Enzymol.182:93-112; Marstonら、1990、「タンパク 質凝集体の可溶化」、Methods in Enzymol.182:264-276; およびThatcherら、1 994、「バイオテクノロジーにおけるタンパク質の折り畳み」、Mechanisms of P rotein Folding、R.H.Pain編、Frontiers in Molecular Biology Series,IRL Press,Oxford University,UK。 E.coli中での、可溶性および/またはペリプラズム(periplasm)の組換えタン パク質の産生および精製は、Hartら、1994、Bio/Technology 11:1113-1117; Sch ein,1989,Bio/Technology 7:1141-1149; およびLavallieら、1993,Bio/Techn olory 11:187-193に記載されるように行われ得る。 S.cerevisiae中での組換えタンパク質の産生および精製は、Romanosら、1992 「酵母中の外来遺伝子発現;概説」、Yeast 8:423-488に記載されるように行わ れ得る。 酵母Phichia pastoris中での組換えタンパク質の産生および精製は、Sreekris hnaら、1989,Biochemistry 28:4117-4125に記載されるように行われ得る。 哺乳動物細胞中での組換えタンパク質の産生および精製は、Reff、1993,Curr .Opin.Biotech.4,573-576、またはCartwright,1994,Animal Cells as Bio reactors,Cambridge Studies in Biotechnology,11,Cambridge Universuty P ressに記載されるように行われ得る。 使用および投与 本発明に従って産生したプラスミドDNAは、プラスミドが治療的遺伝子を含む 場合、遺伝子治療に有用である。治療的遺伝子は、哺乳動物(好ましくはヒト) 細胞においで発現可能であり、そして哺乳動物(好ましくはヒト)に治療的に有 用なRNAまたはポリペプチドをコードする遺伝子である。このような遺伝子の例 は、当該分野で周知であり、そしてβ-グルコセレブロシダーゼ遺伝子、Bruton のチミジンキナーゼ遺伝子、TNFのようなサイトカインコード遺伝子、インター ロイキン1〜12、インターフェロン(α、β、γ)、Fcレセプター、およびT細 胞レセプターが挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、HIVの インヒビターをコードする遺伝子(例えば、天然のタンパク質の競合インヒビタ ーとして作用するTATまたはREV変異体)が挙げられる。プラスミドDNAはまた、 薬剤耐性遺伝子、β-ガラクトシダーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝 子、およびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のようなマ ーカー遺伝子を含み得る。 治療的遺伝子が、欠損遺伝子の置換またはさらなる潜在的に有用な遺伝子の機 能のような生理学的に重要な産物をコードする場合、このようなDNAのインビボ またはエキソビボでの使用は、細胞に長期間遺伝的な改変を付与すること、およ び疾患の処置において有効であることが期待される。 治療的遺伝子を含むプラスミドDNAは、インビボまたはエキソビボ遺伝子治療 のウイルス性または非ウイルス性の様式を用いて投与される。この投与の様式は 、本発明について重要ではなく、そして裸のDNA、遺伝子治療を媒介するレセプ ター(例えば、リポソーム/抗体複合体を用いる)、およびウイルスベクターの 投 与のために遺伝子銃の使用を包含し得る。 例えば、ウイルス疾患または遺伝病を罹患する患者は、インビボまたはエクス ビボ法を介して本発明に従って処置され得る。例えば、インビボ処置において、 本発明のプラスミドDNAは、好ましくは生物学的に適合性の溶液または薬学的に 受容可能な送達ビヒクルで、経口摂取、注射、吸入、または任意の他の多くの方 法によって、患者に投与され得る。投与される投薬量は、患者によって変化する ;「治療的に有効な用量」は、任意のリスクまたは有害な副作用に対して均衡の とれた導入される遺伝物質の機能の増大レベルによって決定される。遺伝子導入 、遺伝子発現のレベル、および/あるいはコードされた産物の存在またはレベル を監視することは、投与される投薬量を選択および調節することを援助する。一 般に、送達ビヒクルを含む組成物は、10ng〜100μg/kg体重の範囲において、好 ましくは100ng〜10μg/kg体重の範囲において単回用量で投与され、それにより 少なくとも1つのコピーの治療遺伝子が各標的細胞に送達される。 エクスビボ処置はまた、本発明の範囲内で意図される。細胞集団は、患者から 取り出されるかまたは別の方法で提供され、本発明による治療遺伝子を含むプラ スミドで形質導入され、その後、患者に再導入され得る。 本発明によるエクスビボ遺伝子導入のために標的された細胞は、治療遺伝子の 送達が所望される任意の細胞(例えば、T細胞、B細胞、およびマクロファージ のような免疫系の細胞、造血細胞、ならびに樹状突起細胞)を含む。確立された 技術を用いて、幹細胞が富化手順(enrichment procedure)の後に遺伝子導入の ために使用され得る。あるいは、分離されていない造血細胞および幹細胞集団は 、本明細書中に記載のDNA取り込み(uptake)に対して感受性にされ得る。 ヒト遺伝病の処置のための2つの代表的なプラスミドを以下に記載する。本発 明によるプラスミドは、X架橋したβ-グロブリネミア(β-globulinemia)を処 置するために使用され得る。このプラスミドは、本明細書中に記載される最小配 列(つまり、細菌宿主細胞または酵母宿主細胞における複製のための複製起点、 オペレーター配列、および治療遺伝子のための挿入部位)を含む。例えば、pUC1 8tetプラスミドは、好ましくは、欠失したtet遺伝子を有する最小プラスミドと して使用される。治療遺伝子は、Brutonのキナーゼ遺伝子(Vetrieら、1993、Na ture 361: 226-233)であり得、そして以下のDNAフラグメントに配置され、これ は、当該分野で周知の手順を共に用いてクローン化される。Brutonのチロシンキ ナーゼヒト遺伝子は、(+33)位でのPvuI部位および(+2126)位でのHindIII部位に よって示された2.1kbフラグメントに位置する。所望ならば、プラスミドはまた 、PCT/GB88/00655に教示されるように、位置独立的な組織特異的遺伝子発現を付 与する配列を含み得る。治療遺伝子はまた、スプライス部位およびポリAテール をコードし得、これは、ヒトβグロビン遺伝子座スプライスの一部およびポリA シグナル;すなわち、エキソン2−IVSII−エキソン3−ポリA配列を含むBamHI −XbaI 2.8kb 3'スプライス/ポリA隣接配列を含み得る。 プラスミドDNAは、本明細書中に記載されるように調製され、そしてMartensso nら、Eur.Jour.Immunol.1987,17: 1499; Okabeら、Eur.Jour.Immunol.19 12,22:37;およびBanerjiら、Cell 33: 729,1983に記載のように、インビボ遺 伝子治療のために患者に直接、またはエクスビボ治療のためにプレB細胞に構築 物を導入すること、およびトランスフェクトしたプレ−B細胞をX架橋したβ− グロブリネミアに罹患した患者に投与することによってX架橋したβ−グロブリ ネミアを処置するために使用され得る。 本発明により調製されたプラスミドDNAはまた、ゴシエ病の処置のために使用 され得る。ゴシエ病は、2つの異なる遺伝子変異の1つに由来する。ゴシエI型 は、CGG--〉CAG変異であり、これは、β−グルコセレブロシダーゼポリペプチド の119位でのArg--〉Gln置換を生じる(Graves,DNA 7: 521,1988)。ゴシエII型 は、CTG--〉CCG変異であり、これは、β−グルコセレブロシダーゼポリペプチド の444位でのLeu--〉Pro置換を生じる(Tsuji,NEJM 316:570,1987)。野生型ポ リペプチドをコードするβ−グルコセレブロシダーゼ遺伝子の存在は、実質的に ゴシエ病を癒すと考えられている。従って、本発明による別の有用なプラスミド は、本明細書中に記載される最小エレメント(すなわち、複製起点、オペレータ ー配列、およびクローニング部位)ならびにHorowitzら、1989,Genomics 4:87- 96に記載のようなリゾチーム遺伝子プロモーターおよびβ−グルコセレブロシダ ーゼトランスジーンを含むプラスミドである。このプラスミドは、以下のように 構築される。 Horowitzらに開示のように、ヒトβ−グルコセレブロシダーゼ遺伝子は、エキ ソン1のBamHI部位からポリアデニル化部位の3’側のEcoRV部位まで伸びる9722 塩基対フラグメントに位置する。このフラグメントは、エキソン2における翻訳 開始とともに、11のエキソンおよび全ての介在配列を有する。位置独立的な遺伝 子発現および組織特異的遺伝子発現を付与する配列は、構築物中に含まれ得、そ してBoniferら、1990,Euro.Mol.Biol.Org.Jour.9;2843に記載されるよう に、pIII.lyx構築物由来の11.8kb XhoI-SacIフラグメントに位置する。 プラスミドDNAは、本明細書中に記載のように調製され、次いで、Immunology and Cell Biology,1993,第71巻、75〜78頁に記載のように、インビボ処置のた めに宿主に直接またはエクスビボ治療のためのマクロファージに、DNAを導入す ることにより、そしてトランスフェクトされたマクロファージをゴシエ病に罹患 した患者に導入することによりゴシエ病を処置するために使用される。ゴシエ病 に罹患した患者における野生型トランスジーンの発現は、罹患状態の治癒をもた らす。 他の実施態様 他の実施態様は、当業者に明らかである。前述の詳細な説明は、明瞭のみのた めに提供され、そして単に例示であることが理解されるべきである。本発明の範 囲は、上記の実施例に制限されないが、以下の請求の範囲により規定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:07) (C12N 1/21 C12R 1:42) (C12N 1/21 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ウィリアムズ,スティーブン ジェライン ト イギリス国 シーダブリュー9 8エルエ イチ チェシャー,デイベナム,ロンドン ロード 609 (72)発明者 ハナック,ジュリアン アレクシス ジョ ン イギリス国 エスケイ11 7イーエフ チ ェシャー,マックレスフィールド,ブレイ クロウ ロード 138

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.形質転換された宿主細胞であって、 リプレッサーによる結合に感受性のオペレーターを含むプラスミド、 該リプレッサーをコードする第1の染色体遺伝子、および 該オペレーターに機能的に結合しており、そして細胞増殖に必須な第2の染色体 遺伝子を含み、 ここで、該プラスミドは、該細胞中に該リプレッサーを滴定するのに充分な数で 存在し、その結果該必須な遺伝子が発現され、これにより細胞増殖を可能にする 、形質転換された宿主細胞。 2.前記リプレッサーが、E.coli lacリプレッサー、γリプレッサー、E.coli trpリプレッサー、E.coli galRリプレッサー、E.coli araCリプレッサー、E .coli tetリプレッサー、およびE.coli ArgRNVリプレッサーからなるの群から 選択される、請求項1に記載の宿主細胞。 3.前記宿主細胞が、哺乳動物細胞または昆虫細胞のような動物細胞、植物細胞 、酵母細胞のような菌類あるいは細菌細胞である、請求項1または2に記載の宿 主細胞。 4.前記細胞が細菌細胞である、請求項1または2に記載の宿主細胞。 5.前記細胞がグラム陰性細菌細胞である、請求項4に記載の宿主細胞。 6.前記細胞がE.coliである、請求項5に記載の宿主細胞。 7.前記細胞がSalmonellaである、請求項5に記載の宿主細胞。 8.前記細胞がグラム陽性細菌細胞である、請求項4に記載の宿主細胞。 9.前記細胞がBacillusである、請求項8に記載の宿主細胞。 10.前記細胞が酵母細胞である、請求項1または2に記載の宿主細胞。 11.前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項1または2に記載の宿主細胞。 12.前記プラスミドが、宿主細胞あたり該プラスミドの約10〜50コピーの複製 を可能にする複製起点を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の宿主細胞。 13.前記プラスミドが、宿主細胞あたり該プラスミドの約100〜200コピーの複 製を可能にする複製起点を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の宿主細 胞。 14.前記プラスミドがpBR322である、請求項12に記載の宿主細胞。 15.前記プラスミドがpUCである、請求項13に記載の宿主細胞。 16.前記プラスミドが、目的の遺伝子の挿入のためのクローニング部位を含む 、前記請求項のいずれか1項に記載の宿主細胞。 17.前記プラスミドが、哺乳動物細胞における発現のための制御配列に作動可 能に結合した目的の遺伝子をさらに含む、請求項16に記載の宿主細胞。 18.前記プラスミドが、本質的に、リプレッサーによる結合に感受性のオペレ ーター、複製起点、および目的の遺伝子の挿入のためのクローニング部位からな る、前記請求項のいずれか1項に記載の宿主細胞。 19.前記プラスミドが、約1000bpの長さである、請求項18に記載の宿主細胞 。 20.宿主細胞中のプラスミドを維持する方法であって、以下の工程: 請求項1〜19のいずれか1項に記載の形質転換細胞を、該細胞が増殖し得る のに充分な時間および条件下で培養する工程、 を包含する、方法。 21.プラスミドDNAを産生する方法であって、以下の工程: 請求項1〜19のいずれか1項に記載の形質転換細胞を、該細胞が増殖し得る のに充分な時間および条件下で培養する工程、ならびに プラスミドDNAを該培養細胞から単離する工程、 を包含する、方法。 22.組換えタンパク質を産生する方法であって、以下の工程: 請求項17〜19のいずれか1項に記載の形質転換細胞を、該細胞が増殖し得 るのに充分な時間および条件下で培養する工程、ならびに 該組換えタンパク質を該培養細胞から単離する工程、 を包含する、方法。
JP51099497A 1995-09-08 1996-09-06 プラスミド安定化 Expired - Lifetime JP3416888B2 (ja)

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GB9518395.0 1995-09-08
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