JPH11511495A - 重合反応器用汚染防止塗布剤 - Google Patents

重合反応器用汚染防止塗布剤

Info

Publication number
JPH11511495A
JPH11511495A JP9510081A JP51008197A JPH11511495A JP H11511495 A JPH11511495 A JP H11511495A JP 9510081 A JP9510081 A JP 9510081A JP 51008197 A JP51008197 A JP 51008197A JP H11511495 A JPH11511495 A JP H11511495A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization reactor
coating composition
antifouling coating
reactor according
antifouling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9510081A
Other languages
English (en)
Inventor
カルリン,フランチェスコ
サッティン,マリオ
Original Assignee
シー.アイ.アール.エス.エス.ピー.エー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シー.アイ.アール.エス.エス.ピー.エー. filed Critical シー.アイ.アール.エス.エス.ピー.エー.
Publication of JPH11511495A publication Critical patent/JPH11511495A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/002Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts
    • C08F2/004Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts by a prior coating on the reactor walls
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C313/00Sulfinic acids; Sulfenic acids; Halides, esters or anhydrides thereof; Amides of sulfinic or sulfenic acids, i.e. compounds having singly-bound oxygen atoms of sulfinic or sulfenic groups replaced by nitrogen atoms, not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C313/08Sulfenic acids; Derivatives thereof
    • C07C313/10Sulfenic acids; Esters thereof
    • C07C313/12Sulfenic acids; Esters thereof having sulfur atoms of sulfenic groups bound to acyclic carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C309/00Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
    • C07C309/01Sulfonic acids
    • C07C309/02Sulfonic acids having sulfo groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C309/03Sulfonic acids having sulfo groups bound to acyclic carbon atoms of an acyclic saturated carbon skeleton
    • C07C309/07Sulfonic acids having sulfo groups bound to acyclic carbon atoms of an acyclic saturated carbon skeleton containing oxygen atoms bound to the carbon skeleton
    • C07C309/08Sulfonic acids having sulfo groups bound to acyclic carbon atoms of an acyclic saturated carbon skeleton containing oxygen atoms bound to the carbon skeleton containing hydroxy groups bound to the carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C309/00Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
    • C07C309/01Sulfonic acids
    • C07C309/02Sulfonic acids having sulfo groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C309/24Sulfonic acids having sulfo groups bound to acyclic carbon atoms of a carbon skeleton containing six-membered aromatic rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C313/00Sulfinic acids; Sulfenic acids; Halides, esters or anhydrides thereof; Amides of sulfinic or sulfenic acids, i.e. compounds having singly-bound oxygen atoms of sulfinic or sulfenic groups replaced by nitrogen atoms, not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C313/02Sulfinic acids; Derivatives thereof
    • C07C313/04Sulfinic acids; Esters thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 構造(I)による1の位置と2、3、4の位置の1つあるいはそれ以上の位置に、ラジカル(OH)を有するナフテン構造型の重合反応器の内壁に塗布する生態学的な汚染防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】 重合反応器用汚染防止塗布剤 [発明の技術分野] 本発明は、重合反応器用汚染防止塗布剤に関するものである。 ポリマーを得る工程は重合反応器として知られる反応器中で行われることが知 られている。 また、重合反応中、顕著な量の物質が反応器壁や配管に重合付着物となり、熱 交換を妨げ配管や弁などを詰まらせる汚染層を形成することが知られている。 この理由により、20年以上に亘り汚染防止剤が反応器壁や配管に重合する付 着物を防ぐために用いられてきた。 本発明はこれら汚染防止剤に関するものである。 [従来技術] 種々の汚染防止剤の使用にかかわらず、付着物の生成による問題は未だに存在 し、つぎの主な欠点を有する。 ・付着物を除去するために相当なメンテナンス作業を要し、生産の中断を結果と して生じ、反応器を開けることによって多量のガス状のモノマーが大気中に放出 され、深刻な環境汚染をもたらす。 ・重合製品への汚れた断片(非常に濃い色)の混入による最終製品の汚染は、品 質の低下及びユーザーの苦情をもたらす。 ・付着物を廃棄物として排出することにより非常に深刻な環境問題を生ずる。 ・表層から剥離した小片は青みを帯びた色か黒色に近い暗褐色であり、得られた ポリマーを黒点の形態で汚染し、最終製品の外観を悪化させる。 従来の技術では、汚染防止剤の使用は、懸濁水溶液中でのポリ塩化ビニルの製 造に大きな注意を払われて改良されてきた。 汚染防止剤として用いられる種々の物質の中で、興味深いものがポリアリルフ ェノールとホルムアルデヒドの縮合により得られた。 この目的のために、つぎを参照した。 ・米国特許第3669946号(アメリカへ1970年8月31日出願、197 2年6月13日開示)は、例えば、ナフテン染料、ホルムアルデヒド、アルファ ナフチルアミン、ニグロシンなどの極性有機化合物を用いる一般的な考えを教示 している。 ・米国特許第3825434号は1974年6月27日に公開されたが、それは 汚染防止剤がフェノールとホルムアルデヒドの縮合により得られることを述べて いる。 この汚染防止剤が反応器壁の付着を防止するにはあまり効果的ではないことが 明らかにされており、それはホルムアルデヒドとフェノールの縮合物が格子形状 を有するためと思われる。 ・欧州特許第0052421号は、フェノールが1−ナフトール(アルファーナ フトール)に置き変わったことで前記のものとは異なる汚染防止剤を得るための プロセスを述べており、1−ナフトールは、環の2、4の位置は共に置換されず 、環の3の位置は置換されないかまたは強くない求電子の置換体を有している。 ・フランス特許公開第2535325号(東洋ソーダ)1984年5月4日 −SO3Naラジカルを用いた塩化ビニルの非水溶性重合のプロセスを開示し ている。 この製品は濃い色の溶液を与え明らかにこのプロセスには受入れ難いものであ り、結果的に汚い色になる。さらに、この製品は反応器の内面への接着力が弱く 、ポリ塩化ビニルのモノマーにより簡単に取り除かれてしまう。 ・欧州特許公開第0096319号(信越化学)1983年12月21日 エチレンの不飽和モノマーの重合においてスケール付着物を防止する方法を開 示している。この方法は、予め反応器壁を水溶性コーティング剤で被覆するもの であり、コーティング剤はスルホン酸型またはカルボン酸型のアルカリ金属塩ま たはアンモニウム塩の有機染料と、無機物の水溶性のコロイド状の分散からなり 、そしてつぎに被覆した表面を乾燥する。 この溶液は前記のものと同じ欠点を有する。 ・欧州特許公開第0091965号(信越化学)1983年10月26日 ビニルモノマーの重合中のポリマースケールの付着物を防止するプロセスを開 示しており、水溶性コーティング溶液はスルホン酸型染料またはカルボン酸型染 料のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、あるいは有機スルホン酸またはカル ボン酸を含有し、それは一つの分子に少なくとも2つの共役二重結合と、特定の 割合でポリビニルアルコールを有し、重合反応を進めるために反応器壁はpHが 7を超えないように保たれる。 この溶液は前記のものと同じ欠点を有し、さらに、反応器内壁の重合反応中の クラスト片生成を防止する効果はなく、食料品と接触する製品、例えばミネラル 水用プラスチックボトルには適当ではない。 ・米国特許第4142033号(D.WITENHAFER)1979年2月2 7日 重合反応器内壁を2層コーティングする反転重合技術によるビニル樹脂を製造 する反転重合プロセスを開示し、ここでは、1つかそれ以上の−SO3Hまたは −SO3Naラジカルの両方または一方の化学構造を含む第一のコーティングに 染料を用いることが示されている。 この製品は濃い色をしており、運転者にPVCを医療分野や食料品分野で使用 するためには不適当な技術を採用することを余儀なくし、前記のものと同様な欠 点を有し、さらに65℃−75℃の間でのPVCの重合反応温度でうまく実施す ることができない。 これら汚染防止剤は暗褐色か黒に近い青色である。そのうえ、これらの製品の いくつかは高温の重合反応温度では非常に効果が低く、また別のものは重合反応 器中の空気に含まれる酸素に触れると効果がなくなり容易に不可逆的に劣化する ことが分かっている。 本発明の目的は、上記の欠点を回避し、除去することである。 [発明の詳細な説明] 第一の目的は、重合反応中またはリンス洗浄中に反応器壁から剥離したPVC のクラスト小片が最終製品を汚染しないようにし汚れをなくすために、従来の濃 い色の汚染防止剤を無色にすることである。 1958年8月19日に公開された米国特許第2848436号はホルムアル デヒドと無色のアルケニルフェノールをヒドロ亜硫酸ナトリウムを用いて縮合し て得られた化合物の合成法をクレームしているが、この特許に記載された技術を 考慮して、脱色された汚染防止剤を合成するために同様の原理を利用することが 考えられた。 しかしながら、従来の汚染防止剤は最大限の格子へ縮合されていたので、弱い 脱色しか生じないために前述の技術を利用することはできず、色は濃紺から深緑 色になり、特に、大量の塩が沈殿し、それは反応が起こらないことを示していた 。 最初の肯定的な結果を得るために、格子の程度がさほど大きくなく、ヒドロ亜 硫酸ナトリウムとの反応が起こるような、特定の温度条件、時間条件のもとで製 品を得ることが必要だった。 特に、ホルムアルデヒドとアルファナフトールの縮合から得られた製品は最も 改良の余地を有するものであることが分かった。 しかしながら、ホルムアルデヒドの特別な激しい反応性が反応と反応時間のコ ントロールを困難にするために、結果は一定にはならなかった。 ホルムアルデヒドを用いることによるこの決定的な欠点である、制御不可能な 不可逆的格子の原因に対して、下記のタイプの試薬の溶液を探すことも考えられ た。 a−ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩 b−ヒドロキシメタンスルホン酸のナトリウム塩 c−別個に合成されたヒドロ亜硫酸ナトリウムとホルムアルデヒドの反応生成物 この後で実施例で述べるように、脱酸素下、特定の時間、温度条件下にて、硫 黄の誘導体を用いて反応を行うことによって、求めていた脱色された結果が得ら れた。 これらのpH12.5のアルカリ水溶液は完全に透明で薄い黄色をしており、 酸素の存在下で青くなり、酸素がなくなると溶液本来の色に急速に変化した。 この現象は多数のサンプルでも再現性がある。 工業用反応器で行われた実施例で述べる重合テストにおいて、脱色された(無 色または透明の)汚れていない汚染防止剤が、ポリビニルアルコールに予め加え られると、剥離に対して非常に高い耐性を示し非常に高い汚染防止の特性を有す る薄いフィルムを反応器壁に形成した。 つぎに行われた分析から、この新しい製品は従来の汚染防止剤と比較して完全 に新しい分子構造を有し、反応器内で重合される物質の付着に対して極めて高い 耐性を有することが分かった。そして、反応器壁から剥離せず、長時間持続し、 磨り減るのが遅く、さらには、反応器壁には非常に薄い層しか必要とされないの で使用量は少なくて済む。 この驚くべき効果の理由が調べられ、この驚くべき発見を理由付けることので きる唯一の要因は、大量に硫黄が存在することであり、硫黄は脱色の機能を説明 するだけでなく、ゴムにおいてよく知られているように、高分子の結合剤や、得 られた分子の強い安定剤として作用し、ナフテン基の自由な位置に位置して、そ れを安定化し強力な忌避剤に変える。 この製品はそれゆえ単に脱色性を有するだけでなく、新規で適切な汚れがこび りつかない性質を有し、このように当初の目的と比較すれば、また特に、塩化ビ ニル、スチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、アクリル酸、ポリアセテート 、多くのそれらの共重合体の今日の重合プロセスが原因となり依然として存在し ている重大で深刻な環境問題を考慮にいれるとすれば、これは非常に大きな革新 であると考えることができる。 この問題を解決するための研究に巨額な投資がされてきたにもかかわらず、今 まで満足する結果は得られていなかった。 本発明の重要性を示すために、発明者らは、小さい実験室やパイロット反応器 でのテストは既知の理由(攪拌の違い、表面積−体積比の違いと特に反応器内壁 への不均一な塗布の違い)により良い実験例とはならないことを知っているので 、この興味深い発見の活用に関心のある著名な化学会社との共同研究により、工 業生産用反応器にて長期間にわたり新しい汚染しない汚染防止剤をテストする機 会を得た。 [新規汚染防止剤の構造] その後の分析から、クレームされているように、汚染防止剤の主要な汚染防止 効果はナフテン構造のラジカルに硫黄が含まれていることによることが判明した 。 問題は新しい汚染防止剤により解決し、その汚染防止剤は重合反応器の内壁に 保護膜として塗布され、それは次の構造式の1から8の位置にラジカルを有する ナフテン型の芳香環分子を含むものである。 ここで、少なくとも一つのラジカルにつき一つの硫黄原子(S)を含む。 汚染防止剤中にはかなりの量の硫黄が存在し、その試薬は不純物ではない硫黄 の存在により特徴付けられる。それゆえ、その含有量は重量にして0.25%以 上、好ましくは0.85%以上でなければならず、最良のパーセンテージは9. 3%である。 都合のよいことに、硫黄の構造はラジカルから酸素(O)に結合することがで きる。 さらに、ラジカルはnが2または3のSOnを有するという特徴がある。 最良の溶液中でラジカルはnが2または3のSOnNa基を有するという特徴 がある。 テストと分光学的な測定、生成物の分析により、最も大きな活性は、ナフテン 構造に、ナトリウムの存在下で塩化されたスルホンラジカル、スルフィンラジカ ルを加えることで得られることが確かめられ、化学式はナフテン構造の2、3あ るいは4の位置の単一ラジカルとして実質上−CH2SOnNa、あるいは2つの ナフテン構造に結合するなら−CH(SOnNa)である。 この特色は、クレームされているように、本発明で確認され、液体の汚染防止 剤で脱酸素下で完全に透明で無色で酸素の存在下で段々と濃い色になり脱酸素下 で放置すると無色に戻るという結果を示し、この発明の見通しとして汚染防止剤 として非常に高い効果を示す結果となった。 汚染防止剤中には異なる分子が共存する。 A.第1の型の分子、単純な構造 ここでnは2または3。 B.第2の型の分子、単純な構造: ここでnは2または3。 C.第3の型の分子、単純な構造: ここでnは2または3。 D.第4の型の分子、複雑な構造、2つのナフテン構造を結合する: ここでnは2または3。 E.第5の型の分子、より複雑な構造、2つのナフテン構造または反応中間体を 結合する: ここでnは2または3。 F.第6の型の分子、さらに複雑な反応中間体: ここでnは2または3。 新規な汚染防止剤はこのようにこれらの分子が同時に存在することにより特徴 付けられ、反応条件によりいずれかが主成分になる。 [新規汚染防止剤の組成] 本発明で言及した汚染防止剤は、ナフテン(芳香環)構造、例えばアルファナ フトール型の構造を有する生成物と、実験式CH3NaO3Sと下記の構造式を有 するヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩を反応させることで得られる 。 ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩は、アルファナフトールとの重 量比1から1.5で、10から50%の水溶液中で、40℃と100℃の間の温 度にて、窒素雰囲気中で、アルカリ条件下(pH11−13)にて反応し、本発 明の新規汚染防止剤を生成する。 このように縮合された汚染防止剤の溶液は少し着色した透明な外観をしており 、空気(酸素)中にある時間放置すると僅かに酸化され青っぽい色になるが、酸 素 との接触を絶つと生成物は黒色から本来の少し着色した透明な外観に戻る。 この物理的振る舞いは完全に新しい生成物が合成されたことを示しており、そ れはこの物理的現象が見られなかった以前の技術のものとは構造的に異なってい る。 種々の仮説が生成物の構造的性質について立てられたが、この可逆性の理由を 完全に解明することはできず、この現象は縮合におけるクレームされたスルフィ ンラジカルまたはスルホンラジカルの存在に関係するものと考えられている。生 じる反応は実際次の通りである。 この特徴はさらに新しい汚染防止剤を以前の技術で得られたものから区別して いる。 結果として得られた縮合物の構造は、前に示したように、それぞれのラジカル に硫黄原子(S)を含むだけでなく、生成した分子の高い反応性や不安定さにお いて非常に特徴的で革新的である。 [その他の合成可能な方法] 汚染防止剤はヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩をヒドロキシメタ ンスルホン酸のナトリウム塩に置き換えても合成することができる。 さらに複雑で経費のかかる方法では、ホルムアルデヒドをヒドロ亜硫酸ナトリ ウムと反応させ、つぎに、得られた生成物をナフテン化合物、例えばアルファナ フトールと反応させる。 反応はおそらくつぎのように起こるものと思われる。 ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩はアルファナフトールあるいは アルファナフトールのナトリウム塩と反応し、カルボカチオン あるいはその異性体 を生成し、最終的に前記A、B、C、D、E及びFの構造となる。 [塗布テスト] 汚染防止剤は脱酸素下、反応器壁に塗布され、いったん乾燥し、従来の汚染防 止剤が黒に近い濃紺であるのに対し、薄い黄褐色をしている。 透明な外観を維持する目的のみならず、その効果を維持するために、液体の汚 染防止剤は密閉容器に保存される。 最良の保存状態は、容器を不活性ガス、好ましくは窒素ガスで加圧することで ある。 最良の容器はガラス製、さらに良いのは、容器が環境を汚染せず完全にリサイ クルできる、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のものである。 容器の最も簡単な形状は、炭酸ミネラル水に普通に用いられるものである。 このように不変の状態に保たれた汚染防止剤は、やや黄色または乳白色がかっ た薄い色をしており、反応器壁への塗布テストにおいて、この汚染防止剤は壁に 薄い層を形成するように塗布されるが、その層は、前述したように薄い黄褐色に なる。 反応器壁への塗布は、脱酸素下、高温の水蒸気とともにスプレーすることで行 われる。 温度が高いほど、壁のコーティングの接着力が大きくなる。 今まで、塗布テストは、約1リットルの小さい実験用反応器でのみ行われてき た。 この小さい反応器での結果は、少量の汚染防止剤しか使用しないにもかかわら ず、常によい結果となった。これは、コーティングの厚さは常に同じであるが、 コーティングの体積/厚さの比は実験用の反応器と生産用の反応器では著しく異 なる、という単純な理由による。 実際、生産用の反応器は100、000リットルかそれ以上の容積であるもの と思われる。 反応器壁に塗布されたコーティングは、実質、常に厚さが一定であり、十分の 一ミリ程度である。 ゆえに、全く異なった体積の反応器、本発明で述べた例では1対100、00 0の体積比、に同じ厚さのコーティングをしたときの結果は、同一であると考え ることができないことは疑う余地がない。 この理由によりテストは以下に述べるように生産用反応器で直接行われた。 1000回の充填を超えるサイクルを稼働する136m3の反応器をきれいに 保つためには、約6リットルの水溶液が、実施例1で述べる通りに合成されて一 回の充填毎にスプレーされることが必要であると計算された。 6リットルの5%活性素溶液には汚染防止剤300グラムのみが含まれ、その うち30グラムのみが反応器の内部をコーティングする保護層を形成し、一方、 残りの270グラムは蒸気スプレーの後に縮合物排出口に回収されることを考え ると、本発明の汚染防止剤の量は、45、000kgのモノマーが充填されるこ とと比較すると、非常に少ないものと思われる。 実際、生成したポリマーに触れる汚染防止剤が極少量であるおかげで、現在の 分析手法では、ポリマーやポリマーの最終製品中に痕跡量の汚染防止剤すらも検 出することができない。 このことは、食料品用容器や医療用容器を製造するためのポリマーの製造にこ の汚染防止剤を用いることの認可を厚生省に申請するために行われた種々の分析 テストによって確認された。 この新汚染防止剤の作用は2つの異なる段階で生じることが更に観測され、よ り正確には、 ・塗布の第一の期間、100から400回の充填の範囲では、必要な汚染防止剤 の量は例に示したとおりである。 このようにして、反応器壁の微細孔に噛み合って更なる付着をも助長していた 従来のポリマーや他の汚染防止剤は完全に取り除かれた。 ・第二及び最終の塗布サイクルでは、反応器壁の微細孔がすでに塞がれて本発明 の汚染防止剤の微少量により十分に保護されるために、必要とされる汚染防止剤 の量は半分あるいは1/4まで減る。 反応器の内側は、不連続な運転(1日2.5回充填)で四か月後には、薄い黄 褐色をしており、痕跡量のポリマーさえも付着せず、特に、ガス状のモノマー相 が触れる上部(還流凝縮器、安全弁、配管)は完全にきれいで洗浄を全く必要と しなかった。 この汚染防止剤の使用量が徐々に減少することによって、従来の技術と比較し て、さらなる廃棄物を排出することなく、得られたポリマーの懸濁水を回収する ために反応器のリンス液をタンクに送ることを可能にし、ゆえに、完全に効果的 に、特に安価に、この分野の専門家に「クローズド マンホール」として知られ る技術の重合反応器の充填、抜出し技術を可能にするものである。 ヒドロキシ メタンスルフィン酸のナトリウム塩は、ヒドロ亜硫酸のモル数についての過剰量 を用いても合成することができ、この生成物を用いても類似の改善された効果( 効果は大きく減少)を有する縮合物が得られる。 [合成と塗布の実施例] 実施例1[汚染防止剤の合成] 20から40rpmまで速度を可変できるアンカー型攪拌機が備えられた80 00リットルのステンレス鋼製反応器に、1200kgの水、180kgの30 %NaOH水、270kgのアルファナフトールをそれぞれ厳格な窒素気流下で 充填する。 温度を90℃にし、2時間で190kgの31.5重量%のヒドロキシメタン スルフィンナトリウム水溶液を加える。 その溶液を90℃で12時間置いた後に190kgの30%NaOH水を加え る。 反応が終了すると、完全に透明な黄色の水溶液が得られるが、そこへ800k gの4%ポリビニルアルコール水溶液を加えると、20℃で45cPの粘度を有 し、加水分解度は99%OHを超えるものとなる。 得られた反応物を冷やした後、水で最終的な固形物の濃度が5%に等しくなる まで希釈する。 このようにして得られた溶液を窒素気流下で1.5リットルのPETボトルに 移す。 このように、ボトルを工業生産用反応器での汚染防止テストに用いる準備がで きた。 A.この汚染防止剤の水溶液を実験室で分析したところ、次のような結果が得ら れた。 A1.120℃で3時間熱した後の固形物の濃度:5% A2.pH=12.3 A3.20℃での比重:1.028 A4.[室温での空気との接触による汚染防止剤の可逆性] ・1.5リットルのPETボトルを開け、5秒間空気の流れを導く。 ・ボトルを閉め、1分間攪拌をかける。 ・溶液の色は薄い黄色から濃い青に変化する。 ・ボトルは、5分後にその内部が真空になり、溶液の色は約60分後に再び濃い 青から薄い黄色に変化する。 このテストはこの汚染防止剤は供給された全ての酸素を吸収し、それでもなお 活性を保っていることを示している。 B.[乾燥した汚染防止剤の分析] 窒素雰囲気下、60℃で溶液の水を蒸発させると、やや黄色がかった粉末状の 無色の汚染防止剤が得られ、それを種々の分析にかける。 B1.[元素分析] この汚染防止剤の元素分析は、Carlo Erba インストルメント E A1108型を用いて炭素、水素、窒素、硫黄について行い、ナトリウムの検出 については原子吸光分析(AAS)の手法で行い、次の結果を得た。 ・炭素:55.6% ・水素:3.84% ・窒素:<0.10% ・酸素:15.86% ・硫黄:8.8% ・ナトリウム:15.8% B2.[分光測定器分析] この汚染防止剤を分析するために、赤外分光測定器を用いたが、KBr中に重 量にして0.1%の汚染防止剤を含むペレットを準備した。 使用した機器はPerkin−Elmer FT−IR 7200型である。 スペクトルは汚染防止剤の構造の説明のところで推定した原子団に特徴的な吸 収を示し、特に、970cm-1、640cm-1、500cm-1に吸収を示した。 実施例2:[大きい工業用反応器でのポリ塩化ビニル懸濁液(PVC−S)の重 合テスト] 実施例1で述べたように合成された、新しい汚染防止剤の具体的な効果を確か めるために、体積が136m3の大きい反応器を選んだ。この反応器はPVC− Sの扱いにくい種類であるK−57の生産に用いられるものであり、このK−5 7は低分子量で、ゆえにミネラル水や医療用品等に用いられるボトルや容器の生 産(射出成形や吹き込み成形)に適している。 何年かの間、汚染防止剤は、本発明のイントロダクションで述べた既知の技術 により生産され、この反応器で使用されており、ゆえに長年にわたり、生産にお いてそれぞれのバッチについて下記のパラメーターの最適化が行われてきた。 a・高圧(>200bar)の水で反応器を洗浄する。 b・溶液の約200リットルの汚染防止剤を塗布する。 c・有毒な溶媒の蒸気の外部への放出を伴いながら反応器壁を加熱する。 d・反応器をリンス洗浄し、重合反応に備えて充填する。 充填の処方は下記の通りである。 ・VCM:45、000kg ・H2O:60、750kg ・加水分解度が72%OHであり、4%水溶液の粘度が7cPである、部分的に 加水分解されたポリビニルアルコール型の第一の沈殿防止剤:27.0kg ・加水分解度が55%OHである、部分的に加水分解されたポリビニルアルコー ル型の第二の沈殿防止剤:27.0kg ・過酸化ラウロイル型触媒:22.5kg ・反応温度:70℃ 反応器には上部に還流凝縮器が備えられ、12インチの配管で反応器につなが ている。 攪拌機は2つのブレークウォーターで基部を形成し、攪拌の3つのレベルを有 する。 転化率が約85%(設計圧力0.7−1bar)の後、反応器を脱気し懸濁マ スを回収タンクへ移送する。 移送の途中で、スラリーを目の荒さが直径5mm以上の大きい濾過器で濾過す る。 このPVC−Sの特定の扱いにくい種類についての、反応器の洗浄とスケール 回収における統計的なデータは、次の通りである。 1−移送濾過器でのスケール回収:約80kg/バッチであり、それぞれの重合 反応バッチ後に剥離する濃い茶黒色の残渣の層により汚れている。 2−20バッチ(充填)後のマンホールの開放時に、反応器はつぎの問題点を有 する。 a)還流凝縮器は下部の冷却筒の壁に明らかな付着物があり、内壁に付着物の形 成が始まっている。 b)反応器と凝縮器を結ぶ配管に厚さ4mmの非常に堅い付着物がある。 c)反応器の内壁は幾分きれいではあるが、水面部分、すなわち反応中の液相と 気相の界面に顕著な付着物がある。 d)3つの攪拌段階に対応して攪拌軸に大量の付着物の層があり、重さは約90 kgである。 e)側面の水面部分が維持される複数部分に対応して他の付着物の塊がある。 f)安全弁と吹き出し板は相当に詰まり、洗浄または取換えを要する。 これら付着物を取り除き、反応器を重合の通常の状態に戻すために、莫大な量 の労力が必要とされ、産業上の生産ロスが記録された。 生態学的見地から、ユーザーは使用された汚染防止剤で汚染された大量の劣化 したPVCの付着物を処理しなければならない。 このような寸法、規定の方法、生産サイクルの反応器に、蒸気スプレーシステ ムが実施例1で述べたように合成された汚染防止剤のために設けられた。 処置は次の方法で行われた。 ・実施例1で述べたように合成された6リットルの汚染しない汚染防止剤の水溶 液は、15リットルのステンレス鋼製の樽に充填され、15barの圧力の窒素 で加圧された。 ・約8barの圧力での蒸気は反応器の頭部に繋がっている2インチの配管を通 じて移される。 ・蒸気流入の30秒後、以前に樽に入れられていた溶液が同じ配管に導かれる。 このようにして、たった1秒の間に、汚染防止剤の水溶液は、反応器の内側と 反応器に繋がっている全ての部分にスプレーされる。 ・塗布の間、反応器の内壁は通常の重合反応温度(約70℃±8℃)に保たれる 。 ・この新しい汚染防止剤の主要な特性の一つ、すなわちpHが11より低いと凝 固する特質を活用することによって、充填された汚染防止剤の90%は凝固し、 凝縮した蒸気とともに凝結され、ゆえに全く汚染を生じさせることなく、反応器 から取り除いたり復旧するために取り付けたりすることができる。 ・抜き出しの間、重合反応工程開始前の反応器のリンス洗浄には200リットル の水だけが必要である。このリンス液でさえ前記母液とともに処理され回収利用 される。 ・この塗布の後、反応器内壁は薄い茶色の非常に薄い均一なかき傷に強いフィル ムを有する明るいステンレス鋼として現れる。 充填後毎にこの塗布技術を用いることによって、50回の充填毎の定期点検の みで1000回に達する連続した充填を行うことが可能である。 得られたデータは下記の通りである。 a)スラリー移送濾過器で回収されるスケール(それぞれのバッチの後): ・10kgで、非常に薄い色をしており、汚染の痕跡さえ見られない。 b)50バッチ後(最初の点検): ・還流凝縮器、接続配管は完全にきれいである。 ・攪拌機とブレークウォーターは完全にきれいであり、連結ボルトにPVCの極 少の痕跡(数グラム)がある。 ・反応器の内部は完全にきれいであり、水面部分に少しばかりの付着物があるの みである。 c)洗浄することなく、反応器は閉められたままさらに250バッチが行われ、 反応器の熱交換容量を調べる。熱交換容量は反応器壁の付着物の影響に最も敏感 な要素であるためである。 250バッチ後、点検で分かったのはAで述べた問題が僅かに悪くなっている ことのみであり、ゆえに期間は決めずに続行することになった。 1000バッチ後、テストを中断して内部の全ての部品を調べ上げることにし た。 少量の付着物が攪拌機とその攪拌翼にあったが取り除かれ、熱電対は洗浄され 、驚くべきことに、反応器の上部、吹き出し板、逃がし弁、充填配管、還流凝縮 器、などは完全にきれいであり、全く介入を必要としないことがわかった。 この新しい汚染防止剤について付け加えなければならないことは、洗浄には高 圧の水で十分であることであり、この困難で危険な洗浄作業を行うために反応器 の内部に入る専門の作業者のチームを必要としない。 これらの結果は、その汚染防止剤は、同じプラントの別の同様な反応器に用い られる標準的な汚染防止剤よりも少なくとも20倍良いものとするものであるが 、その結果により、この新しい汚染しない汚染防止剤(実施例1から得たような )は明確にこのプラントで嘆かれていた環境上、生産上の問題を解決したものと 結論づけることができる。 実施例3:[アクリロスチレンブタジエン(ABS)ラテックスの重合テスト] ステンレス鋼製であり、加熱用ジャケット、2つのブレークウォーターとイン ペラー型の攪拌機を備えた28m3の生産用反応器において、ABS共重合体の 生産に用いられる基本的なラテックスを生産するために、アクリロニトリル、ス チレン、ブタジエンの乳濁液での重合反応が行われる。 通常利用されている充填の処方は次の通りである。 ・反応器の充填:80% ・水の充填:65% ・ブタジエンの充填:24.5% ・スチレンの充填:7% ・アクリロニトリルの充填:3.5% ・触媒:過硫酸塩 ・乳化剤:樹脂の石鹸 ・反応温度:70−90℃ 通常、予防的な汚染防止処置をしていないので、反応器の内部(壁、攪拌機、 ブレークウォーター)に強固なポリマー付着物が形成されるために、たった約8 回の重合反応の充填後に生産周期が中断されなければならない。 この付着物は反応物とジャケットの間の熱交換を減少させ、重合反応温度をコ ントロールできなくする。 ゆえにこの付着物を除去するために、トルエンで100℃で18時間、反応器 を洗浄しなければならない。 この重合反応工程において、実施例1により製造された新しい汚染防止剤が実 験されたが、ここではすでに実施例2で述べたように1.5リットルの汚染防止 剤が塗布された。 充填後毎にこの塗布技術を用いることで、15回の充填毎に定期点検するのみ で、50回の連続した充填が可能になった。 得られた結果は以下のとおりである。 ・15回充填後:付着物の生成はなし。 ・30回充填後:反応器内壁の数箇所のみに局在する小さい付着物が生成。 ・45回充填後:反応器と水面部分の数箇所により強固な付着物があるものの、 通常の反応器の作業手順を行うには及ばなかった。 ・50回充填後:通常の手順により反応器を洗浄した。 さらに、汚染防止剤の塗布が最終製品の品質特性に全く影響を及ぼさないこと が分かった。 実施例4:[高衝撃ポリスチレン懸濁液での重合テスト] ステンレス鋼製であり、加熱用ジャケット、2つのブレークウォーターとイン ペラー型の攪拌機を備えた45m3の生産用反応器において、HIPS 高衝撃 (耐衝撃)ポリスチレン懸濁液の重合反応が行われた。 通常利用されている充填の処方は次の通りである。 ・反応器の充填:32トン ・水/スチレン+ポリブタジエンの比:0.8:1.0 ・ポリビニル型の懸濁剤:0.15% ・ポリマーの組成:90%スチレン/10%ポリブタジエン ・重合反応温度:120−160℃ 通常、予防的な汚染防止処置をしていないので、特にサージタンクの上部、攪 拌機の軸、ブレークウォーターに局在した強固なポリマー付着物が形成されるた めに、約40回の重合反応の充填後に生産周期が中断されなければならない。 この付着物は反応物とジャケットの間の熱交換を減少させ、重合反応温度をコ ントロールできなくするだけでなく、攪拌の効果をも落とし、ゆえに懸濁液の安 定性をも落とす。 ゆえにこの付着物を除去するために、溶媒(トルエンまたはエチルベンゾール )で100℃で20時間、反応器を洗浄しなければならない。 この重合反応工程において、実施例1により製造された新しい汚染防止剤が実 験されたが、ここではすでに実施例2で述べたように2.5リットルの汚染防止 剤が塗布された。充填後毎にこの塗布技術を用いることで、同じ時間間隔、同じ 充填回数で、溶媒で洗浄する必要のある内部の付着物は全く見られなかった。 ゆえに、150回の充填が行われるまでに反応器を洗浄する必要がなかった。 さらに、汚染防止剤を塗布することによって、最終製品の品質特性が全く変化 しないことが分かった。 実施例5:[スチレンとジエチルベンゾールの懸濁液での重合テスト] ステンレス鋼製であり、加熱用ジャケット、2つのブレークウォーターとイン ペラー型の攪拌機を備えた10m3の生産用反応器において、イオン交換樹脂を 生産するために、スチレンとジエチルベンゾールの懸濁液の重合反応が行われた 。 通常利用されている充填の処方は次の通りである。 ・反応器の充填:85% ・水/モノマーの比:重量で1.0:1.0 ・触媒:有機過酸化物 ・乳化剤:セルロース化合物 ・モノマーの組成:50%スチレン/50%ジエチルベンゼン ・重合反応温度:65−85℃ 通常、予防的な汚染防止処置をしていないので、反応器の内部(壁、攪拌機、 ブレークウォーター)に強固なポリマー付着物が形成されるために、約6−7回 の重合反応の充填後に生産周期が中断されなければならない。 この付着物は反応物とジャケットの間の熱交換を減少させ、重合反応温度をコ ントロールできなくし攪拌の流体力学的条件を加減できなくする。 ゆえにこの付着物を除去するために、トルエンで100℃で10時間、反応器 を洗浄しなければならない。 この重合反応工程において、実施例1により製造された新しい汚染防止剤が実 験されたが、ここではすでに実施例2で述べたように1.0リットルの汚染防止 剤が塗布された。 充填後毎にこの塗布技術を用いることで、少なくとも50回の連続した充填の 生産周期において付着物の生成は見られず、最終製品の品質に影響を及ぼすこと はなかった。 実験の最後に、汚染防止処置を行わずに通常の生産を行ったところ、即座に付 着物の生成が見られた。 実施例6:[α−メチルスチレン(α−SAN)の重合テスト] ステンレス鋼製であり、加熱用ジャケット、2つのブレークウォーターとイン ペラー型の攪拌機を備えた25m3の生産用反応器において、α−SANを製造 するために、α−メチルスチレン懸濁液の重合反応が行われた。 通常利用されている充填の処方は次の通りである。 ・反応器の充填:80% ・水の充填:74% ・α−メチルスチレンの充填:26% ・触媒:一般のヒドロペルオキシド ・乳化剤:樹脂の石鹸 ・反応温度:70−90℃ 通常、予防的な汚染防止処置をしていないので、特に攪拌機の軸、ブレークウ ォーターに局在する強固なポリマー付着物が形成されるために、約20回の重合 反応の充填後に生産周期が中断されなければならない。 これらの付着物は攪拌の流体力学的条件を変化させ、ゆえに生産は中断されな ければならず、反応器はトルエンで洗浄される。 この重合反応工程において、実施例1により製造された新しい汚染防止剤が実 験されたが、ここではすでに実施例2で述べたように1.5リットルの汚染防止 剤が塗布された。 充填後毎にこの塗布技術を用いることで、同じ時間間隔、同じ充填回数で、溶 媒で洗浄する必要のある内部の付着物は全く見られなかった。 さらに、汚染防止剤の塗布が最終製品の品質特性に全く影響を及ぼさないこと が分かった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の配置の1から8に位置するラジカルを有する芳香族構造のナフテン分 子を含む、重合反応器の内壁の保護被覆剤として塗布される汚染防止剤に於て、 少なくとも1つのラジカルと、少なくとも1つの硫黄原子(S)とからなり、こ こで該汚染防止剤は重量において0.25%を超える硫黄を含み、ここで硫黄原 子を含む前記ラジカルは以下の構造の2、3及び4の位置の少なくとも1つを占 め、 ここでR(S)は2、3、または4の位置のいずれかまたは前記位置の複数の位 置に於ける硫黄原子(S)を含むラジカルを表し、ここで前記ラジカルは少なく とも1つのナトリウム原子または他の塩を形成するアルカリ金属を有し、 −R(S,O,Na) 前記ラジカルにメチレン基(CH2)が存在し、前記ラジカルは下記の構造をと ることを特徴とし、 −CH2SOnNa nは2または3であり、ここで、該構造の特徴は、酸素の非存在下で透明な澄ん だ色の外観を呈し、酸素の存在下では青みを帯びた色または濃い色に変化し、酸 素との接触を絶つと本来の外観に戻る、ように調合され特定されたことを特徴と する重合反応器用汚染防止塗布剤。 2.前記汚染防止塗布剤は、前記ラジカルに結合基(CH)が存在し、前記ラジ カルは下記の構造をとり、 前記ラジカルは2つの同一の向かい合ったナフテン芳香族を結合し、ここでnは 2または3であることを特徴とする請求項1記載の重合反応器用汚染防止塗布剤 。 3.前記汚染防止塗布剤は、ナフテン構造がラジカル(OH)を下記の構造によ る1の位置に有し、 2、3または4の位置は少なくとも1つの硫黄原子を含むラジカルによって占め られることが可能であり、2または4の位置は2つの同一の向かい合ったナフテ ン構造の間の介在結合架橋を構成することが可能であることを特徴とする請求項 1または2記載の重合反応器用汚染防止塗布剤。 4.前記汚染防止塗布剤は、下記の構造を有する分子を少なくとも1つ有し、こ こでnは2または3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載 の重合反応器用汚染防止塗布剤。 5.前記汚染防止塗布剤は、下記の構造を有する分子を少なくとも1つ有し、こ こでnは2または3であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載 の重合反応器用汚染防止塗布剤。 6.前記汚染防止塗布剤は、下記の構造を有する分子を少なくとも1つ有し、こ こでnは2または3であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載 の重合反応器用汚染防止塗布剤。 7.前記汚染防止塗布剤は、下記の構造を有する分子を少なくとも1つ有し、こ こでnは2または3であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載 の重合反応器用汚染防止塗布剤。 8.前記汚染防止塗布剤は、下記の構造を有する分子を少なくとも1つ有し、こ こでnは2または3であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載 の重合反応器用汚染防止塗布剤。 9.前記汚染防止塗布剤が、ヒドロ亜硫酸塩を含むことを特徴とする請求項1乃 至8のいずれか1項記載の重合反応器用汚染防止塗布剤。 10.前記汚染防止塗布剤が、ヒドロ亜硫酸ナトリウムを含むことを特徴とする 請求項1乃至9のいずれか1項記載の重合反応器用汚染防止塗布剤。 11.前記汚染防止塗布剤が、重亜硫酸塩を含むことを特徴とする請求項1乃至 10のいずれか1項記載の重合反応器用汚染防止塗布剤。 12.前記汚染防止塗布剤が、重亜硫酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求 項1乃至11のいずれか1項記載の重合反応器用汚染防止塗布剤。 13.前記汚染防止剤が、酸素不浸透性の密閉容器に入れられることを特徴とす る請求項1乃至12のいずれか1項記載の重合反応器用汚染防止塗布剤。 14.前記汚染防止塗布剤が、不活性ガスで加圧された容器に入れられることを 特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項記載の重合反応器用汚染防止塗布剤 。15.前記汚染防止塗布剤が、窒素で加圧された容器に入れられることを特徴 とする請求項1乃至14のいずれか1項記載の重合反応器用汚染防止塗布剤。 16.前記汚染防止塗布剤が、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製容 器に入れられることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の重合反 応器用汚染防止塗布剤。 17.前記汚染防止塗布剤が、ポリエチレンテレフタレート樹脂製の瓶に入れら れることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項記載の重合反応器用汚染 防止塗布剤。
JP9510081A 1995-08-29 1996-08-09 重合反応器用汚染防止塗布剤 Pending JPH11511495A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT95UD000165A IT1281413B1 (it) 1995-08-29 1995-08-29 Anticrosta ecologico per rivestire i reattori di polimerizzazione
IT95A000165 1995-12-22
PCT/IT1996/000161 WO1997008210A1 (en) 1995-08-29 1996-08-09 Non polluting antifouling material for coating polymerization vessels

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11511495A true JPH11511495A (ja) 1999-10-05

Family

ID=11421901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9510081A Pending JPH11511495A (ja) 1995-08-29 1996-08-09 重合反応器用汚染防止塗布剤

Country Status (14)

Country Link
EP (1) EP0847404B1 (ja)
JP (1) JPH11511495A (ja)
KR (1) KR19990044285A (ja)
CN (1) CN1195355A (ja)
AT (1) ATE180262T1 (ja)
AU (1) AU709274B2 (ja)
BR (1) BR9610096A (ja)
CA (1) CA2230780A1 (ja)
DE (1) DE69602536D1 (ja)
HU (1) HUP9900141A3 (ja)
IT (1) IT1281413B1 (ja)
NO (1) NO980712L (ja)
PL (1) PL325232A1 (ja)
WO (1) WO1997008210A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104011149A (zh) * 2011-10-12 2014-08-27 英尼奥斯欧洲股份公司 添加剂、包含它的组合物及其用途

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999052574A1 (en) 1998-04-10 1999-10-21 Massachusetts Institute Of Technology Biopolymers resistant coatings
JP3974882B2 (ja) 2003-08-07 2007-09-12 信越化学工業株式会社 重合体スケール付着防止剤
EP1514878B1 (en) * 2003-09-05 2012-05-02 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Polymer scale preventive agent
ITUD20100097A1 (it) * 2010-05-20 2011-11-21 Alchemia Italia Srl "procedimento di preparazione di un agente anti-incrostante per reattori di pvc e agente anti-incrostante per reattori di pvc cosi' ottenuto"
DE102015202580A1 (de) 2015-02-12 2016-08-18 Wacker Chemie Ag Verfahren zur Polymerisation von ethylenisch ungesättigten Monomeren

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GR64894B (en) * 1977-01-25 1980-06-07 Shinetsu Chemical Co Method for the polymerization of a vinyl menomer
US4142033A (en) * 1978-05-15 1979-02-27 The B. F. Goodrich Company Inversion polymerization process for producing vinyl resins
JPS5869203A (ja) * 1981-10-20 1983-04-25 Shin Etsu Chem Co Ltd ビニル系単量体の重合方法
JPS58210902A (ja) * 1982-05-31 1983-12-08 Shin Etsu Chem Co Ltd ビニル系単量体の重合方法
FR2535325B1 (fr) * 1982-10-27 1987-10-30 Toyo Soda Mfg Co Ltd Procede de polymerisation non aqueuse du chlorure de vinyle

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104011149A (zh) * 2011-10-12 2014-08-27 英尼奥斯欧洲股份公司 添加剂、包含它的组合物及其用途
JP2014534300A (ja) * 2011-10-12 2014-12-18 イネオス ユーロープ アクチェンゲゼルシャフト 添加剤、それを含む組成物及びその使用
CN104011149B (zh) * 2011-10-12 2017-05-24 英尼奥斯欧洲股份公司 添加剂、包含它的组合物及其用途

Also Published As

Publication number Publication date
NO980712L (no) 1998-04-07
AU709274B2 (en) 1999-08-26
WO1997008210A1 (en) 1997-03-06
ATE180262T1 (de) 1999-06-15
DE69602536D1 (de) 1999-06-24
KR19990044285A (ko) 1999-06-25
PL325232A1 (en) 1998-07-06
MX9801710A (es) 1998-05-31
NO980712D0 (no) 1998-02-20
EP0847404A1 (en) 1998-06-17
HUP9900141A3 (en) 1999-12-28
ITUD950165A1 (it) 1997-03-01
AU6668596A (en) 1997-03-19
ITUD950165A0 (it) 1995-08-29
CN1195355A (zh) 1998-10-07
EP0847404B1 (en) 1999-05-19
HUP9900141A2 (hu) 1999-05-28
BR9610096A (pt) 1999-07-27
IT1281413B1 (it) 1998-02-18
CA2230780A1 (en) 1997-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4255470A (en) Process for preventing polymer buildup in a polymerization reactor
EP0008799B1 (en) Process for coating reactors using steam application
EP0020541A1 (en) COATING POLYMERIZATION REACTORS WITH OLIGOMER COATS DERIVED FROM THE REACTION PRODUCTS OF SUBSTITUTED PHENOLES.
JPH11511495A (ja) 重合反応器用汚染防止塗布剤
US4267291A (en) Process for coating reactors using organic compound vapor application
AU710457B2 (en) Anti scale agents for polymerization reactors
CA2219665C (en) Anti-scaling agent for coating of polymerization reactors
KR840001084B1 (ko) 반응기에서 중합체의 누적을 제거하는 방법
JP3603309B2 (ja) 重合反応器に塗布するスケール付着防止剤とその製造方法
EP0000166A1 (en) Internally coated reaction vessel for use in olefinic polymerization
US6080332A (en) Procedure for the anti-scaler production for coating the polymerizing reactor and respective resultant product
MXPA98001710A (en) Antiputrefaciente material non-pollutant to cover recipients of polimerizac
JPH0138544B2 (ja)
AU541568B2 (en) **
JPS5827708A (ja) 塩化ビニルの懸濁重合に使用の内部コ−テツド反応容器
JPH0134241B2 (ja)
GB2117272A (en) Method of treating a polymerisation reactor
NO158543B (no) Fremgangsmaate og polymerisasjonsreaksjonsbeholder for polymerisering av etylenisk umettede monomerer.
AU6330280A (en) **
Nettleton et al. Cleaning Emulsion Polymerization Equipment Fouled by Synthetic Rubber Latex
JPH057402B2 (ja)
AU6336280A (en) Coating