JPH11510165A - 環状ペプチド抗真菌薬 - Google Patents

環状ペプチド抗真菌薬

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JPH11510165A
JPH11510165A JP9507687A JP50768797A JPH11510165A JP H11510165 A JPH11510165 A JP H11510165A JP 9507687 A JP9507687 A JP 9507687A JP 50768797 A JP50768797 A JP 50768797A JP H11510165 A JPH11510165 A JP H11510165A
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ロドリゲス,マイケル・ジェイ
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Eli Lilly and Co
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Abstract

(57)【要約】 式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を使用する、医薬製剤及び真菌及び寄生生物の活性を阻止するための方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 環状ペプチド抗真菌薬 本発明は、抗真菌薬として有用であり、改善された安定性と水溶性とを有する 、抗真菌剤として有用な半合成環状ペプチド化合物に関する。特に、本発明は、 環状ペプチドのエキノカンジンクラスの誘導体、及び真菌感染の処置のための方 法、及び該方法に有用な製剤に関する。 本発明によって提供される化合物は、様々な微生物を培養することによって産 生される環状ペプチドから誘導された半合成化合物である。エキノカンジンB( A30912A)、アクレアシン、ムルンドカンジン、スポリオフンジン、及び S31794/F1を含む数多くの環状ペプチドが当技術分野において知られて いる。 一般に、これらの環状ペプチドは、コアアミノ酸の1つにおいてアシル化され たアミノ基を有している環状ヘキサペプチドコア(又は核)として構造上特徴づ けることができる。このアミノ基は、核の側鎖を形成している脂肪酸基で典型的 にはアシル化されている。例えば、エキノカンジンBはリノレオイル側鎖を有し 、アクレアシンはパルミトイル側鎖を有している。 脂肪酸側鎖を環状ペプチドコアから脱離してアミノ核(例えば、以下の、R2 が水素である式(I)の化合物)を得ることができる。次いで、このアミノ基を 再アシル化して、本願において特許請求される半合成化合物を得ることができる 。 数多くの抗真菌薬を得るために、エキノカンジンB核は、ある特定の非天然側 鎖部分によりアシル化されてきた(Debono,米国特許第4,293,489号を参 照されたい)。このような抗真菌薬の1つに、シロフンジンがあり、これはRz1 及びRz2がそれぞれ−CHOHCH3であり、Rz3がメチルであり、Rx1が水素 であり、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がヒドロキシであり、R2がp− (オクチルオキシ)ベンゾイルである式(I)の化合物によって示される。 本発明は、式(I) [式中、Rz1は、水素、−CH2OH、−CHOHCH3又は−CHOHCH2C( O)NH2であり; Rz2は、水素、−CH2OH又は−CHOHCH3であり; Rz3は、水素又はメチルであり; Rx1は、水素、ヒドロキシ又はO−Rx1'であり; Rx1'は、C1−C6アルキル、ベンジル、−(CH2)2Si(CH3)3、−CH2C H=CH2、−CH2CHOHCH2OH、−(CH2)aCOOH、−(CH2)bNRw 1w2、−(CH2)cPORw3w4又は−[(CH2)2O]d−(C1−C6)アルキルで あり; a、b及びcは、独立に1、2、3、4、5又は6であり; RwI及びRw2は、独立に水素、C1−C6アルキル、又はRw1及びRw2が一緒に なって−CH2(CH2)eCH2−を形成し; Rw3及びRw4は、独立にヒドロキシ又はC1−C6アルコキシであり; dは1又は2であり; eは、1、2、又は3であり; Rx2、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4は、独立にヒドロキシ又は水素であり; R0は、ヒドロキシ、−OP(O)(OH)2又は式 であり; R1は、C1−C6アルキル、フェニル、p−ハロ−フェニル、p−ニトロフェニ ル、ベンジル、p−ハロ−ベンジル又はp−ニトロ−ベンジルであり; R2は、 であり; R3は、 であり; R3a、R3b、R3c及びR3dは、独立に水素、C1−C12アルキル、C2−C12ア ルキニル、C1−C12アルコキシ、C1−C12アルキルチオ、ハロ、−O−(CH2 )m−[O−(CH2)np−O−(C1−C12アルキル)又は−O−(CH2)q−X− R4であり; mは、2、3又は4であり; nは、2、3又は4であり; pは、0又は1であり; qは、2、3又は4であり; Xは、ピロリジノ、ピペリジノ又はピペラジノであり; R4は水素、C1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、ベンジル又はC3 −C12シクロアルキルメチルであり; 但し、Rz1及びRz2の少なくとも1つが水素でなければならない] で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。 さらに、本発明の化合物を利用する、医薬製剤、真菌活性を阻止するための方 法、及び真菌感染の処置のための方法も提供される。 本明細書において使用される、「C1−C12アルキル」なる語は、1〜12の 炭素原子を有する、直鎖の又は分岐鎖のアルキル鎖を意味する。典型的なC1− C12アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec −ブチル、t−ブチル、ペンチル、5−メチルペンチル、ヘキシル、ヘプチル3 ,3−ジメチルヘプチル、オクチル、2−メチル−オクチル、ノニル、デシル、 ウンデシル、ドデシルなどが含まれる。「C1−C12アルキル」は、その定義の 中に、「C1−C6アルキル」なる語を包含する。 「ハロ」なる語は、クロロ、フルオロ、ブロモ又はヨードを意味する。 「C2−C12アルキニル」なる語は、2〜12の炭素原子を有する直鎖又は分 岐鎖のアルキニル鎖を意味する。典型的なアルキニル基には、エチニル、1−プ ロピン−1−イル、1−プロピン−2−イル、1−ブチン−1−イル、1−ブチ ン−3−イル、1−ペンチン−3−イル、4−ペンチン−2−イル、1−ヘキシ ン−3−イル、3−ヘキシン−1−イル、5−メチル−3−ヘキシン−1−イル 、5−オクチン−1−イル、7−オクチン1−イル、4−デシン−1−イル、6 −デシン−1−イルなどが含まれる。 「C1−C12アルキルチオ」なる語は、硫黄原子に結合した1〜12の炭素原 子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル鎖を意味する。典型的なC1−C12アルキ ルチオ基には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブ チルチオ、3−メチル−ヘプチルチオ、オクチルチオ、5,5−ジメチル−ヘキ シルチオなどが含まれる。 「C1−C12アルコキシ」なる語は、酸素原子に結合した1〜12の炭素原子 を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル鎖を意味する。典型的なC1−C12アルコキ シ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、ペン トキシ、5−メチル−ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ 、ドデシルオキシなどが含まれる。「C1−C12アルコキシ」なる語は、その定 義の中に、「C1−C6アルコキシ」なる語を包含する。 「C3−C12シクロアルキル」なる語は、3〜12の炭素原子を有する飽和炭 化水素環構造を意味する。典型的なC3−C12シクロアルキル基には、シクロプ ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル、 シクロオクチルなどが含まれる。「C3−C12シクロアルキルメチル」なる語は 、メチレン基に結合したC3−C12シクロアルキルを意味する。 本明細書中で使用される「アミノ保護基」なる語は、その化合物における他の 官能基を反応させる間、アミノ基を防御又は保護するために通常使用されるアミ ノ基の置換基を意味する。このようなアミノ保護基の例には、ホルミル、トリチ ル、フタルイミド、トリクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨ ードアセチル基、又はベンジルオキシカルボニル、4−フェニルベンジルオキシ カルボニル、2−メチルベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ シカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオ キシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオ キシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、、4−ブロモベ ンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベ ンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシ カルボニル、2−(4−キセニル)イソプロポキシカルボニル、1,1−ジフェ ニルエタ−1−イルオキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロパ−1−イルオ キシカルボニル、2−フェニルプロパ−2−イルオキシカルボニル、2−(p− トルイル)−プロパ−2−イルオキシカルボニル、シクロペンタニルオキシカル ボニル、1−メチルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキ シカルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシク ロヘキサニルオキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)−エトキシカ ルボニル、2−(メチルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニル ホスフィノ)−エトキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル(“FM OC”)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボ ニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エニルオキシカルボニル、 5−ベンズイソキサリルメトキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカ ルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロ ポキシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、4−(デシルオキシ) ベンジルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオ キシカルボニルなどのウレタンタイプの防御基;ベンゾイルメチルスルホニル、 2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィンオキシドなどのアミノ 保護基が含まれる。使用するアミノ保護基の種類は、誘導されたアミノ基が、中 間体分子の他の部位におけるその後の反応の条件に対して安定であって、他のア ミノ保護基を含む分子の残りの部分を開裂させることなく適切な時点で選択的に 脱離し得る限り、厳密なものではない。好ましいアミノ保護基は、t−ブトキシ カルボニル(t−BOC)、アリルオキシカルボニル及びベンジルオキシカルボ ニル(CbZ)である。前記の用語が意味する基のさらなる例は、J.W.Barton ,“Protective Groups in Organic Chemistry”,J.G.W.McOmie編,Plenum P ress,ニューヨーク,ニューヨーク州(1973年),第2章、及びT.W.Gree ne,“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,ニュー ヨーク,ニューヨーク州(1981年),第7章に記載されている。 「ヒドロキシ保護基」なる語は、化合物の他の機能的基において反応が行われ ている間、ヒドロキシ機能性を防御又は保護するために通常使用されるヒドロキ シ基の置換基を意味する。このようなヒドロキシ保護基の例には、テトラヒドロ ピラニル、2−メトキシプロパ−2−イル、1−エトキシエタ−1−イル、メト キシメチル、β−メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、t−ブチル、t −アミール、トリチル、4−メトキシトリチル、4,4'−ジメトキシトリチル、 4,4',4''−トリメトキシトリチル、ベンジル、アリル、トリメチルシリル、 トリメチルシリルエチル、(t−ブチル)ジメチルシリル、及び2,2,2−トリ クロロエトキシカルボニルなどが含まれる。ヒドロキシ保護基の種類は、誘導さ れたヒドロキシ基が、後の反応の条件に対して安定であり、分子の残りの部分を 分解することなく適切な時点で脱離することができる限り、厳密なものではない 。好ましいヒドロキシ保護基は、トリメチルシリルエチルである。ヒドロキシ保 護基のさらなる例は、T.W.Greene,“Protective Groups in Organic Synthes is”,John Wiley and Sons,New York,N.Y.,(第2版,1991),第2及び第 3章に記載されている。「保護されたヒドロキシ」なる語は、上記のヒドロキシ 保護基にの1つに結合したヒドロキシ基を意味する。 「阻止」なる語、即ち真菌活性を阻止する方法には、成育又は付随する特徴及 び真菌の存在に由来する結果を、止めること、遅らせること又は予防的に妨げる こと又は防止することを包含する。 「接触」なる語、即ち本発明の化合物を真菌と接触させることには、本発明の 化合物と真菌との、結合又は接合、又は外見上の接触又は相互の接触を含む。し かし、この語は、例えば阻止の機構による、過程に対する更なる限定をなんら意 味するものではなく、本方法は本発明の精神を包含するために定義されるもので あり、本発明の精神は、本化合物の作用及び本化合物の固有の抗真菌特性により 真菌活性を阻害することであり、言い換えれば、特許請求される方法において使 用される化合物が、このような阻止の原因となる薬であるということである。 本明細書に使用される「薬学的に許容し得る塩」なる語は、生物に対して実質 的に無毒である、上記式で示される化合物の塩を意味する。典型的な薬学的に許 容し得る塩には、本発明化合物と無機若しくは有機の酸又は無機塩基との反応に よって製造される塩が含まれる。このような塩は酸付加塩及び塩基付加塩として 知られている。 酸付加塩を形成するために通常使用される酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化 水素酸、硫酸、リン酸などの無機の酸、及び有機の酸、例えばp−トルエンスル ホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、 コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などである。このような薬学的に許容し得 る塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン 酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロリ ド、ブロミド、ヨージド、アセテート、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル 酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、馬尿酸塩、プロピオ ル酸塩。シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、 フマル酸塩、リンゴ酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、 安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒド ロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレン スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、ク エン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン スルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタ レン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などである。好ましい薬学的に許容し得 る酸付加塩は、塩酸及び臭化水素等の無機の酸、及びマレイン酸及びメタンスル ホン酸等の有機の酸と共に形成される付加塩である。 塩基付加塩には、無機の塩基、例えばアンモニウム又はアルカリ又はアルカリ 土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などから誘導された付加塩が含まれる 。即ち、本発明の塩の製造において有用な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化 カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト リウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが含まれる 。カリウム及びナトリウム塩の形態は特に好ましい。 本発明のいずれかの塩の一部を形成する特定の対イオンは、その塩が全体とし て薬学的に許容し得る限り、そして、その対イオンが全体としてその塩に対して 望ましくない性質に寄与しない限り、厳密な性質のものではない。 本発明の好ましい化合物は、式中、Rz1が、水素、−CH2OH、又は−CH OHCH3である、式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩で ある。 これらの化合物のうち、より好ましいのは、 式中: Rz1及びRz2が、独立に水素又は−CHOHCH3であり、 Rz3がメチルであり、 Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、 Rx1が水素、ヒドロキシ又はO−Rx1'であり、 Rx1'が、メチル、ベンジル、−CH2CHOHCH2OH、−CH2COOH、 −(CH2)2NRw1w2又は−(CH2)2PORw3w4であり、 Rw1及びRw2が、独立に水素又はメチルであり、 Rw3及びRw4が、独立に水素又はメトキシであり、 R0が、ヒドロキシ又は式 であり、 R1がメチルである式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩 である。 これらの好ましい化合物のうち、さらに好ましいのは、 式中: Rz1及びRz2が両方とも水素であり、 Rx1が水素であり、 Rx2が水素であり、 R3であり、 R3c及びR3dが独立に水素、C1−C12アルキル、C2−C12アルキニル、C1 −C12アルコキシ又は−O−(CH2)2−O−(C1−C12アルキル)である式(I )で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩である。 これらの化合物のうち、最も好ましい化合物は、 式中: R3である式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩である。 式(I)で示される化合物は、以下の反応式Iにしたがって製造することがで きる。 反応式I 式中、Rnatは、天然環状ペプチド側鎖であり、 R'は、水素、メチル又は−CH2C(O)NH2であり、 R''は、水素又はメチルであり、 Rz1、Rz2、Rz3、Rx1、Rx1'、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4、R0及びR2 は、前記と同意義である。 上記反応式Iは、上記の反応A〜Cを行うことにより達成される。反応が完結 したら、中間体化合物を、当技術分野においてよく知られている手法により単離 することができる。例えば、化合物を結晶化又は沈殿させた後に濾過により集め るか、又は反応溶媒を抽出、蒸発又は傾斜により除くことができる。所望ならば 、この中間体化合物を、結晶化又は沈殿又はシリカゲル、アルミナなどの固体支 持体上でのクロマトグラフィー等の慣用技術により、反応式の次の工程を行う前 にさらに精製してもよい。 反応IAでは、式(IA)の天然環状ペプチドを、当技術分野において知られ ている手法を用いて脱アシル化し、式(IB)のアミノ核を得る。この反応は、 天然環状ペプチドをデアシラーゼ酵素にさらすことによる酵素的脱アシル化を用 いて典型的に行う。このデアシラーゼ酵素は、微生物 Actinoplanes utahensis から得ることができ、実質的に本明細書の一部を構成する米国特許第4,293, 482号及び同第4,304,716号に記載の通りに使用することができる。デ アシラーゼ酵素はまた、Pseudomonas 種から得ることもできる。脱アシル化は、Actinoplanes utahensis 若しくは Pseudomonas の全細胞又はその粗製の若しく は精製した酵素を用いるか、又はその酵素の固定化された形態を用いて達成する ことができる。欧州特許出願第0 460 882号(1991年12月11日) を参照されたい。出発物質として使用し得る天然環状ペプチドの例には、アクレ アシン(パルミトイル側鎖)、テトラヒドロエキノカンジンB(ステアロイル側 鎖)、ムルンドカンジン(分岐したC15側鎖)L−671、329(C16分岐側 鎖)、S31794/F1(テトラデカノイル側鎖)、スポリオフンジン(C15 分岐側鎖)、FR901379(パルミトイル側鎖)などが含まれる。好ましい 天然環状ペプチドは、エキノカンジンB(式中R'、R''及びRz3はそれぞれメ チルであり、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0はそれぞれヒドロキ シであり、R2はリノレオイルである式(IA)で示される化合物)である。 反応IBでは、式(IB)のアミノ核を当技術分野において知られている手法 を用いて再アシル化し、上記で定義したR2がアシル基である式(IC)で示さ れる化合物を得る。 例えば、アミノ核は、適当に置換されたアシルハライドとの反応により、好ま しくはトリエチルアミンなどの第3級アミンのような酸スカベンジャーの存在下 で、アシル化することができる。反応は、約−20℃〜約25℃の温度にて典型 的に行う。この反応のための典型的な溶媒には、ジオキサン又はジメチルホルム アミドのような極性非プロトン性溶媒が含まれる。溶媒の選択は、用いる溶媒が 進行中の反応に対して不活性であり、反応物が、所望の反応を起すに十分に溶解 されている限り、厳密なものではない。 アミノ核はまた、適当な置換されたカルボン酸との反応により、カップリング 剤の存在下で、アシル化することもできる。典型的なカップリング剤には、ジシ クロヘキシルカルボジイミド(DCC)N,N'−カルボニルジ−イミダゾール、 ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−C 1)、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EE DQ)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキ サフルオロホスフェート(PyBOP)などが含まれる。 さらに、アミノ核を、カルボン酸の活性化されたエステル、例えば、式R2− COOHで示されるカルボン酸とp−ニトロフェニル、2,4,5−トリクロロフ ェニル、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT・H2O)、ベンタフ ルオロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド等のエステルによりアシル化 することができる。好ましいアシル化部分は、カルボン酸R2−COOHの活性 なエステル、例えば2,4,5−トリクロロフェニルエステルやベンゾトリアゾー ルエステルである。この反応は、典型的には、1〜65時間、約0℃〜約30℃ の温度にて、非プロトン溶媒中で行う。この反応は、約15℃〜約30℃の温度 で行った場合、通常、約24〜48時間後に完結する。この反応のための典型的 な溶媒は、テトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミド又はこのような溶媒の 混合物である。アミノ核は、通常、活性化されたエステルに対し等モル又は僅か に過剰のアミノ核の割合で使用する。 反応ICでは、β−ヒドロキシ基の1つ又は両方を、式(IC)で示される化 合物から選択的に脱離して式(I)で示される化合物を得る。具体的には、式( IC)で示される化合物を非プロトン溶媒中、約50℃〜100℃の間で、少な くとも5当量(好ましくは少なくとも10当量)の、トリメチルアミン−N−オ キシド、トリエチルアミン−N−オキシド、トリメチルアミン−N−オキシド水 和物及びトリエチルアミン−N−オキシド水和物からなる群から選択されるレト ロアルドール促進剤の存在下に加熱する。反応は、一般に、密閉した管内でか又 は水冷却器を取り付けた丸底フラスコ中で、約3〜72時間行う。反応は、好ま しくは約70℃〜約100℃の温度、好ましくは約70℃で行う。典型的な非プ ロトン溶媒には、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル 、ジメチルスルホキシド等が含まれる。好ましい溶媒はアセトニトリルである。 好ましいレトロアルドール促進剤は、トリメチルアミン−N−オキシド及びトリ メチルアミン−N−オキシド水和物である。最も好ましいレトロアルドール促進 剤は、トリメチルアミン−N−オキシド水和物である。この反応は、好ましくは 式 (IC)で示される化合物のアミナールヒドロキシ(Rx1)を保護した後に行う 。ヒドロキシ保護基は、当技術分野で公知の方法を用いて、β−ヒドロキシ基の 脱離後に脱離し得る。 「アルドール」なる語は、ヒドロキシル及びカルボニル官能基が以下に示すよ うに隣接する炭素原子に存在している、アルコールでもありアルデヒド又はケト ンでもある分子を示す。したがって、本明細書で用いる「β−ヒドロキシ基」な る語は、以下の一般式: [式中、R1及びR2は、独立に水素又はメチルであり、 R3及びR4は、それらが結合している原子と一緒になって環状ペプチドを形成 する] で示されるβ−炭素上に存在する、β−炭素とヒドロキシ官能基の両方を含むア ルコール部分を意味する。 式中でRx1が−O−Rx1'である化合物は、式中でRx1がヒドロキシである対 応する化合物と適当に置換したアルコールにより、酸の存在下、式中Rx1が−O −Rx1'(Rx1'はC1−C6アルキル、ベンジル、−(CH2)2Si(CH3)3、−C H2CH=CH2、−(CH2)aCOOH、−(CH2)bNRw1w2、−(CH2)cPO Rw3w4又は−[(CH2)2O]d−(C1−C6アルキル)である)である式(I )で示される化合物を得ることによって製造し得る。式中でRx1が−O−Rx1' である化合物は、好ましくはβ−ヒドロキシ基の脱離後に製造する。反応は、極 性非プロトン性溶媒中、例えばジオキサン又はジメチルスルホキシド中で、約0 ℃〜約35℃の温度にて、好ましくは室温で典型的に行う。溶媒の選択は、用い る溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応物が、所望の反応を起すに十 分 に溶解されている限り、厳密なものではない。好ましい酸には、p−トルエンス ルホン酸、塩酸及びショウノウスルホン酸が含まれる。 Rx1'が−(CH2bNRw1w2(Rw1及びRw2は水素である)である化合物 を、Rx1が−(CH2bNHRa(Raはアミノ保護基である)である保護された 化合物を経て製造することができる。得られた保護された化合物を、当技術分野 において知られている方法により脱保護する。 Rx1'が−CH2CHOHCH2OHである化合物は、Rx1'が−CH2CH=C H2である式(I)の化合物を四酸化オスミウムにより、触媒の存在下約0℃〜 約40℃の範囲の温度にて約1〜24時間、有機/水性溶媒混合物例えばジオキ サン/水の中でヒドロキシル化することにより、製造することができる。適当な 触媒には、N−メチルモルホリン N−オキシド(NMO)などが含まれる。こ の反応での使用に適当な典型的な溶媒には、ジメチルホルムアミド、テトラヒド ロフラン、酢酸エチル、ジオキサン又はこれら溶媒の混合物が含まれる。溶媒の 選択は、用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応物が、所望の反 応を起すに十分に溶解されている限り、厳密なものではない。反応は、好ましく は約20℃〜約30℃の範囲の温度で約18〜24時間行う。 R0がヒドロキシである化合物は、適当に置換されたアルキル、フェニル又は ベンジルホスフェートとの反応によりホスホリル化して、R0が−O−P(O) OH−OR1(R1はC1−C6アルキル又はフェニル又はベンジルである)である 化合物を得るか、又は適当に置換されたアルキル、フェニル又はベンジルホスホ ン酸との反応によりホスホリル化してR0が−O−P(O)OH−R1(R1はC1 −C6アルキル、フェニル又はベンジルである)である化合物を得ることにより 、R0が式−OP(O)OH−OR1又は−OP(O)OH−R1で示される基で ある式(I)の化合物を得ることができる。この反応は、好ましくはβ−ヒドロ キシ基の脱離後に行う。ホスホン酸の活性化された形態、例えばホスホン酸ハラ イドとして、好ましくはホスホン酸クロリドを使用する。反応は、リチウムトリ メチルシラノレート(LiOTMS)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミ ド(LHMDS)、ピリジンなどの塩基の存在下で行う。反応は、約−30℃〜 約 0℃の温度にて、テトラヒドロフランやジメチルホルムアミド等の非プロトン性 溶媒中、1時間以内で典型的に行う。これらの条件下で行うと、反応は、通常、 約15分以内に完了する。ホスフェート又はホスホネート反応物は、通常、等モ ルないし僅かに過剰の塩基の存在下、アミノ核に対し等モルの割合から約1モル 過剰で使用する。保護されていないアミナール(aminal)ヒドロキシ基によるア ミノ核のホスホリル化は、低めの温度、例えば約−30℃〜約−15℃で典型的 に行う。 別法として、Rx1がヒドロキシである化合物は、ヒドロキシ部分をヒドロキシ 保護基により当技術分野において知られている手法を用いて保護した後にホスホ リル化することができる。例えば、この化合物と適当なヒドロキシ保護基とを、 触媒の存在下、約0℃〜約40℃の範囲の温度にて、約1〜5時間、不活性な相 互溶媒中で混合することにより、反応を典型的に行う。ヒドロキシ保護基は、通 常、化合物に対してだいたい等モルの割合から約100モル過剰の範囲の量、好 ましくはモル大過剰で使用する。適当な触媒には、p−トルエンスルホン酸、シ ョウノウスルホン酸(CSA)、塩酸、スルホン酸、トリフルオロ酢酸などの強 酸が含まれる。この反応に使用するために適当な典型的な溶媒には、ジオキサン 等の有機溶媒が含まれる。溶媒の選択は、用いる溶媒が進行中の反応に対して不 活性であり、反応物が、所望の反応を起すに十分に可溶化されている限り、厳密 なものではない。反応は、好ましくは約20℃〜約30℃の範囲の温度で約2〜 4時間行う。次いで、保護された化合物を上記のようにホスホリル化する。次い で、ヒドロキシ保護基を、当技術分野において知られている方法にしたがって脱 離して所望のホスホリル化された化合物を得る。例えば、不活性な相互有機溶媒 、例えば塩化メチレン中でのLewis酸との反応により保護基を脱離することがで きる。Lewis酸の例には、トリメチルシリルブロミド、三フッ化ホウ素エーテラ ートなどが含まれる。反応は、典型的には約0℃〜約40℃の温度、好ましくは 約20〜約30℃の温度で行う。好ましいLewis酸は、三フッ化ホウ素エーテラ ートである。 ベンジリック(benzylic)及びアミナールヒドロキシ基(それぞれRx2及びRx1 )を脱離することによってジデオキシ化合物を製造する。非ジデオキシ化合物 を、−5℃〜70℃の間の温度にて、適当な溶媒中で、強酸と還元剤に付するこ とにより、ヒドロキシ基を脱離する。典型的な強酸には、トリクロロ酢酸、トリ フルオロ酢酸又は三フッ化ホウ素エーテラートが含まれる。好ましい強酸は、ト リフルオロ酢酸である。典型的な還元剤には、ナトリウムシアノボロハイドレー ト又はトリエチルシランが含まれる。好ましい還元剤は、トリエチルシランであ る。適当な溶媒には、塩化メチレン、クロロホルム又は酢酸、好ましくは塩化メ チレンが含まれる。強酸は、基質1molあたり2〜80molの量で存在させ、還元 剤は基質1molあたり2〜80molの量で存在させる。この反応過程によって、ア ミナール及びベンジリックヒドロキシ基が選択的に脱離する。 本発明の化合物を製造するために使用する環状ペプチドは、既知の微生物の発 酵により製造することができる。例えば、R'、R''及びRz3がメチルであり、 Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれヒドロキシである式( IB)の環状ペプチド(A−30912Aに対応する環状核)を、本明細書の一 部を構成するAbbottら,米国特許第4,293,482号に詳述されている方法を 用いて製造することができる。R'、R''及びRz3がメチルであり、Rx1がヒド ロキシであり、Rx2が水素であり、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれ ヒドロキシである式(IB)の環状ペプチド(A−30912Bに対応する環状 核)は、本明細書の一部を構成するAbbottら,米国特許第4,293,763号に 詳述されている手法を用いて製造することができる。アクレアシンは、本明細書 の一部を構成するミズノら,米国特許第3,978,210号に詳述されている 手法を用いて製造することができる。R'が−CH2C(O)NH2であり、R''が メチルであり、Rz3が水素であり、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0 がそれぞれヒドロキシである式(IB)の環状ペプチドは、本明細書の一部を 構成するChenら,米国特許第5,198,421号に詳述されている手法を用いて 環状ペプチドを脱アシル化することにより製造することができる。 R2−COOH前駆酸は式(IB)で示されるアミノ核をアシル化するために 使用されるが、これは市販で入手可能か又は当技術分野において知られている方 法にしたがって製造することができる。例えば、適当に置換されたフェニルボロ ン酸又はビフェニルボロン酸反応剤とp−ハロ安息香酸反応剤とを、テトラキス (トリフェニルホスフィン)パラジウムなどの触媒と炭酸カリウムなどの無機塩 基の存在下、トルエンなどの不活性な相互有機溶媒中で、約20℃〜反応混合物 の還流温度にて反応させて、式(I)の化合物を製造するために使用する対応す るビフェニルカルボン酸及びテルフェニルカルボン酸を得る。反応は、典型的に は、等モルの割合のボロン酸反応剤及びp−安息香酸反応剤又はボロン酸反応剤 に対してややモル過剰のp−安息香酸と、1〜2モル過剰の無機塩基とにより行 う。反応は、トルエン中、還流温度で行った場合、一般に約4〜約10時間後に 完了する。 ボロン酸反応剤は、適当に置換されたハロフェニル又はハロビフェニル反応剤 と2当量のトリイソプロピルボレートとを、アルキルリチウム例えばsec−ブチ ルリチウムの存在下、テトラヒドロフランなどの不活性な相互溶媒中で反応させ ることによって得ることができる。アルキルリチウムは、典型的にはハロフェニ ル又はハロビフェニル反応剤に対してややモル過剰で使用する。アルキルリチウ ムは、典型的には低温(<−70℃)で滴加することにより溶媒と混合し、トリ イソプロピルボレートを添加する前に約30分間撹拌する。反応は、典型的には 、最初に約−100℃〜−50℃の温度にて、好ましくは約−75℃〜約−85 ℃の温度にて、30分間〜2時間反応させた後、室温に加温してさらに1〜3時 間反応させる。反応は一般に数分間〜4時間で完了する。反応が実質的に完了し たら、ボロン酸部分を酸を添加することにより形成する。好ましい酸は、1N 塩酸溶液である。 アセチレン部分を有するカルボン酸R2−COOHは、適当に置換されたアセ チレン反応剤を、式: [式中Lは、ブロモ、ヨード、メタンスルホネート、トルエンスルホネート、ト リフルオロメタンスルホネートなどの適当な脱離基である] で示される適当に置換されたフェニル又はビフェニル反応剤と、触媒の存在下で 、好ましくは酸スカベンジャーの存在下で、アセトニトリルなどの不活性な相互 溶媒中で反応させることにより製造する。酸スカベンジャーの例には、トリエチ ルアミン及びピリジンが含まれ、好ましくはトリエチルアミンである。好ましい 触媒は、塩化パラジウム(II)、トリフェニルホスフィン及びヨウ化銅(I) から系中で形成される。反応は30分間〜21時間、だいたい室温から反応混合 物の還流温度までの温度にて典型的に行う。反応は、還流温度で行った場合、通 常、約2〜約6時間後に完結する。 別法として、式 で示される適当に置換されたフェニル反応剤は、適当に置換されたアセチレン反 応剤と、前記の通り反応させて、例えば式 で示される化合物を得、これをフェニルボロン酸反応剤と前記の通りにカップリ ングすることができる。 以下の製造例及び実施例は、本発明化合物の合成方法をさらに説明するもので ある。融点、プロトン核磁気共鳴スペクトル、質量分析スペクトル、赤外線スペ クトル、紫外線スペクトル、元素分析、高速液体クロマトグラフィー、及び薄層 クロマトグラフィーなる語は、それぞれ、「m.p.」、「NMR」、「MS」、 「IR」、「UV」、「質量分析」、「HPLC」及び「TLC」と略す。さら に、IRスペクトルについて記載した吸収最大は、目的とする吸収最大のみを記 載したものであり、観察された吸収最大すべてを記載しているのではない。 実施例1 R'、R''及びRz3がそれぞれメチルであり、Rx1及びRx2がそれぞれヒドロキ シであり、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、R0がヒド ロキシであり、R2 である、式(IC)で示される化合物の製造 以下の表3に示したN−アシル環状ペプチド誘導体は、A30912A核(R '、R''及びRz3がそれぞれメチルであり、Rx1及びRx2がそれぞれヒドロキシ であり、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、R0がヒドロ キシである式(IB)で示される化合物)348.1g(60.2mmol)と[[(4 ''−ペンチルオキシ)−1,1':4',1''−テルフェニル]−4−カルボン酸の 2,4,5−トリクロロフェノールエステル26.0g(48.2mmol)とを、ジメ チルホルムアミド8.5L中に溶解することによって製造した。得られた反応混 合物を室温で約48時間撹拌した後、溶媒を真空留去して残留物を得た。この残 留物をエーテル中でスラリーとし、濾過により集め、塩化メチレンで洗浄した後 、メタノール中又は1:1(v/v)アセトニトリル/水混合物中に溶解した。 得られた溶液を逆相HPLC(C18;溶出液:0.5%一塩基リン酸アンモニ ウム(w/v)を含有する20〜40%アセトニトリル水溶液;20mL/分; 230nm)に付す。未反応のA30912A核を除いた後、所望の生成物をア セトニトリル水溶液の溶出液をカラムから溶出した。所望の生成物を含む画分を 一緒にした後、真空下で体積を減じて乾燥し、所望のアシル化された核を得た。 収量:18g MS(FAB)1140.5103(M+1B.R'、R''及びRz3がそれぞれメチルであり、Rx1及びRx2がそれぞれ水素 であり、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、R0がヒドロ キシであり、R2 である、式(IC)で示される化合物の製造 塩化メチレン250mL中の実施例1Aで製造した化合物5g(4.4mmol)と トリフルオロ酢酸17mLの混合物に、トリエチルシラン35mLを加えた。HP LC(C18、溶出液:55%アセトニトリル;2mL/分;280nm;RT(出 発物質)=4.19分:RT(生成物)=6.40分)により反応が実質的に完了 したことが示されたら、反応混合物を減圧濃縮して固体を得た。この固体を50 %アセトン水溶液100mL中でスラリーとし、次いでこの混合物のpHを約7に 調整することにより溶解させた。得られた溶液を大容量(約1L)の水に注いで 白色固体の沈殿を得た。この固体をガラス濾過板漏斗により濾過して単離し、ジ エチルエーテルで洗浄した後、55℃で真空乾燥して標題の化合物3.718g を得た。漏斗をメタノールで洗浄して残留している固体を集め、これを真空乾燥 してさらに標題の化合物0.154gを得た。 収率:3.872g(79%) MS(FAB):m/e 1108.7(M) HPLC(溶出液:55%アセトニトリル;2mL/分;280nm):RT=6. 43分C.Rz1及びRz2がそれぞれ水素であり、Rz3がメチルであり、Rx1及びRx2 それぞれ水素であり、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、 0がヒドロキシであり、R2 である、式(I)で示される化合物の製造 実施例1Bで製造した化合物をアセトニトリルとジメチルホルムアミドの1: 1混合物中に溶解した。この溶液にTNO水和物(1.6g,14.3mmol)を一 度に全部加えた。反応混合物を100℃に48時間加熱した後、この混合物を室 温に冷却し、最初の体積の約2分の1に濃縮した。粗製の残留物を酢酸で溶解し 、逆相調製用HPLCにより精製して最終生成物150mgを得た(52%)。 高速原子衝撃質量分析により確認されたように、TNO水和物は2個のスレオニ ン残基をグリシン残基に変換し、ホモチロシンには影響を及ぼさなかった。高速 原子衝撃質量分析により化学式C5465713で示される生成物の分子量を確 認 した。計算値−1020.1;実測値−1020.8(M+H)。 実施例2 z1及びRz2がそれぞれ水素であり、Rz3がメチルであり、Rx1及びRx2がそれ ぞれ水素であり、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、R0 がヒドロキシであり、R2 である、式(I)で示される化合物の製造(別法) 実施例1Bで製造した化合物をアセトニトリルとジメチルホルムアミドの1: 1混合物20mLに溶解した。この溶液にトリメチルアミンN−オキシド二水和 物(2.51g,22.6mmol)を一度に全部加えた。反応混合物を密閉した管内 で100℃に24時間加熱した後、この混合物を室温に冷却し、減圧下で最初の 体積の2分の1に濃縮した。粗製の残留物を濾過により単離した後、冷却したジ メチルホルムアミドで洗浄した。得られた濾液を真空乾燥して残留物を得た。こ の残留物を逆相HPLC(3×40×10ラジアルカラム、溶出液:水中の50 %アセトニトリル、60mL/分、280nm)を用いて精製し、最終生成物33 0mg(72%)を得た。高速原子衝撃質量分析により、化学式C5465713 で示される生成物の分子量を確認した。計算値−1020.1;実測値−102 0.4(M+H)。 式(I)で示される化合物は抗真菌活性を示す。例えば、式(I)で示される 化合物は、Candida spp.例えば、C.albicans、C.parapsilosis、C.krusei、 C.glabrata 又は C.tropcicalis、C.lusitaniae;Torulopus spp.例えば T. glabrata;Aspergillus spp.例えば A.fumigatus;Histoplasma spp.例えばH .capsulatum;Cyptococcus spp.例えば C.neoformans;Blastomyces spp.例 えば B.dermatitidis;Fusarium spp.、Trichophyton spp.、Psudallescheria boydil、Coccidioides immitis、Sporothrix schenckii などを含む様々な感染 性真菌の成育を阻止する。 試験化合物の抗真菌活性は、標準寒天希釈試験又はディスク拡散試験を用いて 化合物の最小阻止濃度(MIC)を得ることによりイン・ビトロで測定する。次 に化合物をイン・ビボ(マウス中)で試験して、全身性真菌感染の抑制に関する 試験化合物の有効投与量を決定する。 したがって、実施例1Cで製造した化合物をC.albicansに対する抗真菌活性 について試験した。C.albicansに対するこの化合物の最小阻止濃度(MIC) は0.312(μg/mL)であった。 さらに、実施例1Cで製造した化合物の有効量を、全身性真菌感染(C.albic ans)の抑制についてイン・ビボ(マウス)で試験した。この化合物のED50は 2.5より大であった。 式(I)の化合物は、イン・ビトロ及びイン・ビボで活性であり、全身性の真 菌感染又は真菌皮膚感染のいずれかと対抗することにおいて有用なものである。 したがって、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を真菌 に接触させることを含んでなる、真菌活性を阻止する方法を提供する。好ましい 方法には、Candida albicans 又は Aspergillus fumigatis活性を阻止すること が含まれる。本発明はさらに、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容 し得る塩を、その処置を必要とする宿主に投与することを含んでなる、真菌感染 を処置する方法を提供する。好ましい方法には、Candida albicans又はAspergil lus fumigatis感染を処置することが含まれる。 抗真菌活性に関して、「有効量」なる語は、真菌活性を阻止することが可能な 本発明の化合物の量を意味する。投与する量は、感染の性質と重さ、宿主の年齢 と一般的な健康状態及び抗真菌剤に対する宿主の耐性などの因子に大きく依存す る。特定の投与レジメは、同様にこのような因子に大きく従い、日用量を1回で 投与するか又は1日に複数回の投与で投与し得る。この投与レジメは、約2−3 日から2−3週間又はそれ以上続ける。典型的な日用量(1回又は複数回で投与 )は、約0.01mg/kg〜約100mg/kg体重の、本発明の活性化合物の投 与量レベルを含有する。好ましい日用量は、通常、約0.1mg/kgから約60 mg/kgであり、約2.5mg/kgから約40mg/kgが理想的である。 本発明はまた、本発明の抗真菌化合物を投与するのに有用な医薬組成物も提供 する。したがって、本発明はまた、1又はそれ以上の薬学的に許容し得る担体、 希釈剤又は添加剤と請求項1記載の化合物とを含有する医薬製剤も提供する。こ のような製剤中の活性成分は、製剤の0.1重量%〜99.9重量%、より一般的 には約10重量%〜約30重量%をなす。「薬学上許容し得る」は、担体、希釈 剤又は添加剤が製剤の他の成分と適合し、その受容者に対して有害でないことを 意味する。 式(I)の化合物は、例えば筋肉内、皮下若しくは腹腔内注射を用いて非経口 的に投与するか、経鼻又は経口的手段で投与し得る。これらの投与方法に加えて 、式(I)の化合物を、皮膚感染に対して局所的に塗布してもよい。 非経口投与に関し、製剤は、式(I)の化合物及びその生理学的に許容し得る 希釈剤、例えば脱イオン水、生理食塩水、5%デキストロース及び他の一般に使 用される希釈剤を含んでなる。本製剤は、可溶化剤、例えばポリエチレングリコ ール又はポリプロピレングリコール又は他の公知の可溶化剤を含むことができる 。このような製剤は、乾燥粉末又は凍結乾燥粉末の形態で抗真菌剤及び添加剤を 含有する滅菌バイアルとして製造することができる。使用する前に、生理学的に 許容し得る希釈剤を加えて、シリンジにより抜き取った溶液を患者に投与する。 本発明の医薬製剤は、公知で容易に入手可能な成分を使用する公知の手順によ り製造する。本発明の組成物の製造において、活性成分は、通常、担体と混合さ れるか又は担体によって希釈されるか、あるいはカプセル、サシェ、紙若しくは 他の容器の形態であってよい担体中に包まれる。担体が希釈剤として働く場合、 この担体は、活性成分のためのビヒクル、添加剤又は媒体として作用する、固体 、半固体又は液体物質であってよい。したがって、本製剤は、錠剤、丸剤、散剤 、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロ ップ剤、エアロゾル剤(固体としての、あるいは液体媒体中の)、例えば10重 量%以下の活性化合物を含有する軟膏、軟質若しくは硬質ゼラチンカプセル、坐 剤、滅菌注射用液剤、及び滅菌包装散剤の剤型にすることができる。 経口投与に関しては、抗真菌化合物をゼラチンカプセル内に充填するか又は錠 剤に形成する。このような錠剤はまた、結合剤、崩壊剤、又は投与量に対して適 当な大きさの錠剤を製造するために適当な他の適当な添加剤と、式(I)の特定 の抗真菌化合物を含むこともできる。小児向け及び老人向けの使用に関しては、 抗真菌化合物を、矯味液体懸濁剤、溶液剤又はエマルジョンに調剤することがで きる。好ましい経口製剤は、リノール酸、クレモホールRH−60及び水、好ま しくはリノール酸8%、クレノホールRH−60 5%、滅菌水87%の量(容 量)、及び約2.5から約40mg/mLの量の式(I)の化合物である。 局所使用に関して、抗真菌化合物を、皮膚表面への塗布のために乾燥粉末とも に調剤することができ、又は可溶化水性液体又は非水性液体例えばアルコール又 はグリコールを含んでなる液体製剤に調剤することができる。 以下の製剤例は、単なる説明であって、本発明の範囲の限定をなんら意図する ものではない。「活性成分」なる語は、式(I)の化合物又はその薬学上許容し 得る塩を意味する。 製剤1 以下の成分を用いて硬質ゼラチンカプセル剤を製造する: 量(mg/カプセル) 活性成分 250 乾燥デンプン 200 ステアリン酸マグネシウム 10 合計 460mg 製剤2 以下の成分を用いて錠剤を製造する: 量(mg/錠剤) 活性成分 250 微晶性セルロース 400 二酸化ケイ素(ヒューム) 10 ステアリン酸 5 合計 665mg 成分を混合して圧縮し、各重量665mgの錠剤を形成する。 製剤3 以下の成分を含むエアロゾル液剤を製造する: 重量 活性成分 0.25 エタノール 25.75 プロペラント22 (クロロジフルオロメタン) 74.00 合計 100.00 活性化合物をエタノールと混合し、この混合物を一部のプロペラント22に加 え、−30℃に冷却して充填装置に移す。次いで、必要量をステンレススチール 製の容器に入れて残りのプロペラントで希釈する。次にバルブユニットをこの容 器に取り付ける。 製剤4 活性成分60mgをそれぞれ含有する錠剤を、以下の様に製造する: 活性成分 60mg デンプン 45mg 微晶性セルロース 35mg ポリビニルピロリドン (10%水溶液として) 4mg ナトリウムカルボキシメチルデンプン 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1mg 合 計 150mg 活性成分、デンプン及びセルロースをNo.45メッシュU.S.シーブに通し、 十分に混合する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を、得られた粉末と混合し た後、混合物をNo.14メッシュU.S.シーブに通す。得られた顆粒を50℃で 乾燥し、No.18メッシュU.S.シーブに通す。あらかじめNo.60メッシュU .S.シーブに通したナトリウムカルボキシメチルデンプン、ステアリン酸マグネ シウム、及びタルクを顆粒に加え、混合した後、打錠機で圧縮して、各重量15 0mgの錠剤を得る。 製剤5 活性成分80mgをそれぞれ含有するカプセル剤を、以下の様に製造する: 活性成分 80mg デンプン 59mg 微晶性セルロース 59mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 合 計 200mg 活性成分、セルロース、デンプン及びステアリン酸マグネシウムを混合し、N o.45メッシュU.S.シーブに通し、200mgの量で硬質ゼラチンカプセル中 に充填する。 製剤6 活性成分225mgをそれぞれ含有する坐剤を、以下の様に製造する: 活性成分 225mg 飽和脂肪酸グリセリド 2,000mg 合計 2,225mg 活性成分をNo.60メッシュU.S.シーブに通して、あらかじめ必要最小限の 加熱で融解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いでこの混合物を公称容量 2gの坐剤用の型に入れ、冷却する。 製剤7 用量5mLあたり、活性成分50mgをそれぞれ含有する懸濁剤を、以下の様に 製造する: 活性成分 50mg ナトリウムカルボキシメチルセルロース 50mg シロップ 1.25mL 安息香酸溶液 0.10mL 香料 q.v. 着色料 q.v. 精製水を加えて5mLとする 活性成分をNo.45メッシュU.S.シーブに通し、ナトリウムカルボキシメチ ルセルロース及びシロップと混合してなめらかなペーストにする。安息香酸溶液 、 香料、及び着色料を少量の水で希釈し、撹拌しながら加える。次いで、水を加え て必要な体積にする。 製剤8 静脈内製剤を以下のように製造する: 活性成分 100mg 等張生理食塩水 1,000mL 上記成分の溶液を、通常、1mL/分の速度で患者に静脈内投与する。 本発明はさらに、ニューモシスティス肺炎にかかりやすい宿主におけるニュー モシスティス肺炎の発症を処置又は防止する方法であって有効量の式(I)の化 合物又はその薬学上許容し得る塩をその処置を必要とする宿主に投与することを 含んでなる方法を提供する。式(I)の化合物は、生物 Pneumocystis carinii によって引き起こされる感染の発症を防止するために予防的に使用することがで き、又は Pneumocystis cariniiに感染した宿主を処置するために使用すること ができる。式(I)の化合物を、例えば筋肉内、静脈内若しくは腹腔内注射を用 いて非経口的に、又は経口で又は肺の気道中に直接吸入することによって投与し 得る。好ましい投与形態は、式(I)の化合物のエアロゾルスプレー製剤の吸入 である。 抗寄生生物活性に関して、「有効量」なる語は、寄生生物活性を阻止すること が可能な本発明化合物の量を意味する。式(I)の化合物の有効量は、約3mg /kg〜約100mg/kg(患者体重)である。投与する量は、処置レジメを通 じて、日用量を1回で、又は複数の投与で例えば1日に2、3又は4回で投与す ることができる。1回に投与する量、薬物送達の経路、投与の頻度、及び治療の 期間は、感染の強度と範囲、患者の年齢と一般的な健康状態、治療に対する患者 の応答及びどの程度患者が薬物に耐えられるかなどの因子に大きく依存する。A IDS患者におけるニューモシスティス肺炎感染は、その感染の性質のため、非 常に治りにくいことが知られている。例えば、重度の、進行した感染において、 感染物によって気道の内腔表面は詰まり、広範な寄生生物の発育が肺組織におい て起こる。したがって、進行した感染にかかっている患者は、より多くの投与量 とより長い期間を必要とする。対照的に、重篤な感染にかかっておらず、ニュー モシスティス肺炎にかかりやすい免疫不全患者は、より少ない量での、そしてよ り少ない頻度での予防的投与で処置することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 1/08 C07K 1/113 1/113 A61K 37/02 (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T D,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,UG ),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BB,BG, BR,BY,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,S G,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG ,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: [式中、Rz1は、水素、−CH2OH、−CHOHCH3又は−CHOHCH2C( O)NH2であり; Rz2は、水素、−CH2OH又は−CHOHCH3であり; Rz3は、水素又はメチルであり; Rx1は、水素、ヒドロキシ又はO−Rx1'であり; Rx1'は、C1−C6アルキル、ベンジル、−(CH2)2Si(CH3)3、−CH2C H=CH2、−CH2CHOHCH2OH、−(CH2)aCOOH、−(CH2)bNRw 1w2、−(CH2)cPORw3w4又は−[(CH2)2O]d−(C1−C6)アルキルで あり; a、b及びcは、独立に1、2、3、4、5又は6であり; Rw1及びRw2は、独立に水素、C1−C6アルキル、又はRw1及びRw2が一緒に なって−CH2(CH2)eCH2−を形成し; Rw3及びRw4は、独立にヒドロキシ又はC1−C6アルコキシであり; dは1又は2であり; eは、1、2、又は3であり; Rx2、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4は、独立にヒドロキシ又は水素であり; R0は、ヒドロキシ、−OP(O)(OH)2又は式 であり; R1は、C1−C6アルキル、フェニル、p−ハロ−フェニル、p−ニトロフェニ ル、ベンジル、p-ハロ−ベンジル又はp−ニトロ−ベンジルであり; R2は、 であり; R3は、 であり; R3a、R3b、R3c及びR3dは、独立に水素、C1−C12アルキル、C2−C12ア ルキニル、C1−C12アルコキシ、C1−C12アルキルチオ、ハロ、−O−(CH2 )m−[O−(CH2)np−O−(C1−C12アルキル)又は−O−(CH2)q−X− R4であり; mは、2、3又は4であり; nは、2、3又は4であり; pは、0又は1であり; qは、2、3又は4であり; Xは、ピロリジノ、ピペリジノ又はピペラジノであり; R4は水素、C1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、ベンジル又はC3 −C12シクロアルキルメチルであり; 但し、Rz1及びRz2の少なくとも1つが水素でなければならない] で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 2.式中、Rz1が水素、−CH2OH、又は−CHOHCH3である、請求項1に 記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 3.式中、 Rz1及びRz2が、独立に水素又は−CHOHCH3であり、 Rz3がメチルであり、 Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、 Rx1が水素、ヒドロキシ又はO−Rx1'であり、 Rx1'が、メチル、ベンジル、−CH2CHOHCH2OH、−CH2COOH、 −(CH2)2NRw1w2又は−(CH2)2PORw3w4であり、 Rw1及びRw2が、独立に水素又はメチルであり、 Rw3及びRw4が、独立に水素又はメトキシであり、 R0が、ヒドロキシ又は式 であり、 R1がメチルである、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩 。 4.式中、 Rz1及びRz2が両方とも水素であり、 Rx1が水素であり、 Rx2が水素であり、 R3であり、 R3c及びR3dが、独立に水素、C1−C12アルキル、C2−C12アルキニル、C1 −C12アルコキシ又は−O−(CH2)2−O−(C1−C12アルキル)である、 請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 5.式中、 R3である、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 6.請求項1〜5のいずれかに記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容 し得る塩を、そのための1又はそれ以上の薬学的に許容し得る担体、希釈剤又は 添加剤とともに含有する医薬製剤。 7.医薬として使用するための、請求項1〜5のいずれかに記載の式(I)の化 合物又はその薬学的に許容し得る塩。 8.式(IC): [式中、R'、R''、Rz3、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0は請求 項1と同意義である] で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を、非プロトン溶媒中、50℃ 〜100℃の間に、トリメチルアミン−N−オキシド、トリエチルアミン−N− オキシド、トリメチルアミン−N−オキシド水和物、トリエチルアミン−N−オ キシド水和物からなる群から選択される少なくとも5当量のレトロアルドール促 進剤の存在下で加熱すること、及び 場合により、次いで式(I)の化合物をその薬学的に許容し得る塩に変換する ことを含んでなる、請求項1〜5のいずれかに記載の式(I)で示される化合物 又はその薬学的に許容し得る塩の製造方法。
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