JPH11505846A - 環状ペプチド抗真菌薬 - Google Patents

環状ペプチド抗真菌薬

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JPH11505846A
JPH11505846A JP8535784A JP53578496A JPH11505846A JP H11505846 A JPH11505846 A JP H11505846A JP 8535784 A JP8535784 A JP 8535784A JP 53578496 A JP53578496 A JP 53578496A JP H11505846 A JPH11505846 A JP H11505846A
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ラグランデュール,リサ・エム・エイチ
ロドリゲス,マイケル・ジェイ
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Abstract

(57)【要約】 式(I)[式中、R'、R''、R'''、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0は前記と同意義であり;R2は(II)又は(III)であり;R3は(IV)又は(V)であり;R3aはC1−C6アルキル又はC1−C6アルコキシであり;R3b及びR3cは独立にフェニル又はナフチルであり;R3dはC1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ又は−O−(CH2m−[O−(CH2np−O−(C1−C12アルキル)であり、mは2、3又は4であり、nは2、3又は4であり、は0又は1である]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を使用する医薬製剤及び真菌及び寄生生物活性を阻止する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 環状ペプチド抗真菌薬 本発明は、抗真菌薬及び抗寄生生物薬として有用であり、改善された安定性と 水溶性とを有する、抗真菌剤として有用な半合成環状ペプチド化合物に関する。 特に、本発明は、環状ペプチドのエキノカンジンクラスの誘導体、及び真菌類及 び寄生生物感染の処置のための方法、及び該方法に有用な製剤に関する。 本発明によって提供される化合物は、様々な微生物を培養することによって産 生される環状ペプチドから誘導された半合成化合物である。エキノカンジンB( A30912A)、アクレアシン、ムルンドカンジン、スポリオフンジン、L− 671、329及びS31794/F1を含む数多くの環状ペプチドが当技術分 野において知られている。 一般に、これらの環状ペプチドは、コアアミノ酸の1つにおいてアシル化され たアミノ基を有している環状ヘキサペプチドコア(又は核)として構造上特徴づ けることができる。このアミノ基は、核の側鎖を形成している脂肪酸基で典型的 にはアシル化されている。例えば、エキノカンジンBはリノレオイル側鎖を有し 、アクレアシンはパルミトイル側鎖を有している。 脂肪酸側鎖を環状ペプチドコアから脱離してアミノ核(例えば、以下の、R2 が水素である式(I)の化合物)を得ることができる。次いで、このアミノ基を 再アシル化して、本願において特許請求される半合成化合物を得ることができる 。 数多くの抗真菌剤を得るために、エキノカンジンB核は、ある特定の非天然側 鎖部分によりアシル化されてきた(Debono,米国特許第4,293,489号を 参照されたい)。このような抗真菌剤の1つに、シロフンジンがあり、これはR '、R''、R'''がメチルであり、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0 がヒドロキシであり、R2がp−(オクチルオキシ)ベンゾイルである式(IA) の化合物によって示される。 本発明は、式(I) [式中、R’は、水素、メチル、又は−CH2C(O)NH2であり; R''及びR'''は、独立にメチル又は水素であり; Rx1は、水素、ヒドロキシ又は−O−Rであり; Rは、C1−C6アルキル、ベンジル、−(CH2)2Si(CH3)3、−CH2CHO HCH2OH、−CH2CH=CH2、−(CH2)aCOOH、−(CH2)bNRz1z 2 、−(CH2)cPORz3z4又は−[(CH2)2O]d−(C1−C6)アルキルであり ; a、b及びcは、独立に1、2、3、4、5又は6であり; Rz1及びRz2は、独立に水素、C1−C6アルキル、又はRz1及びRz2が一緒に なって−CH2(CH2)cCH2−を形成し; Rz3及びRz4は、独立にヒドロキシ又はC1−C6アルコキシであり; dは1又は2であり; eは、1、2、又は3であり; Rx2、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4は、独立にヒドロキシ又は水素であり; R0は、ヒドロキシ、−OP(O)(OH)2又は式 1は、C1−C6アルキル、フェニル、p−ハロ−フェニル、p−ニトロフェニ ル、ベンジル、p−ハロ−ベンジル又はp−ニトロ−ベンジルであり; R2は、 3は、 3aはC1−C6アルキル又はC1−C6アルコキシであり; R3b及びR3cは、独立にフェニル又はナフチルであり; R3dはC1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ又は−O−(CH2m−[O −(CH2np−O−(C1−C12アルキル)であり; mは、2、3又は4であり; nは、2、3又は4であり; pは、0又は1である] で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。 さらに、本発明の化合物を利用する、医薬製剤、寄生生物又は真菌活性を阻止 するための方法、及び真菌又は寄生生物感染の処置のための方法も提供される。 本明細書において使用される、「C1−C12アルキル」なる語は、1〜12の 炭素原子を有する、直鎖の又は分岐鎖のアルキル鎖を意味する。典型的なC1− C12アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec −ブチル、t−ブチル、ペンチル、5−メチルペンチル、ヘキシル、ヘプチル3 ,3−ジメチルヘプチル、オクチル、2−メチル−オクチル、ノニル、デシル、 ウンデシル、ドデシルなどが含まれる。「C1−C12アルキル」は、その定義の 中に、「C1−C6アルキル」及び「C1−C4アルキル」なる語を包含する。 「ハロ」なる語は、クロロ、フルオロ、ブロモ又はヨードを意味する。 「C1−C12アルキルチオ」なる語は、硫黄原子に結合した1〜12の炭素原 子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル鎖を意味する。典型的なC1−C12アルキ ルチオ基には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブ チルチオ、3−メチル−ヘプチルチオ、オクチルチオ、5,5−ジメチル−ヘキ シルチオなどが含まれる。 「C1−C12アルコキシ」なる語は、酸素原子に結合した1〜12の炭素原子 を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル鎖を意味する。典型的なC1−C12アルコキ シ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、ペン トキシ、5−メチル−ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ 、ドデシルオキシなどが含まれる。「C1−C12アルコキシ」なる語は、その定 義の中に、「C1−C6アルコキシ」及び「C1−C4アルコキシ」なる語を包含す る。 「ヒドロキシ保護基」なる語は、化合物の他の機能的基において反応が行われ ている間、ヒドロキシ機能性を防御又は保護するために通常使用されるヒドロキ シ基の置換基を意味する。このようなヒドロキシ保護基の例には、テトラヒドロ ピラニル、2−メトキシプロパ−2−イル、1−エトキシエタ−1−イル、メト キシメチル、β−メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、t−ブチル、t −アミール、トリチル、4−メトキシトリチル、4,4'−ジメトキシトリチル、 4,4',4''−トリメトキシトリチル、ベンジル、アリル、トリメチルシリル、 トリメチルシリルエチル、(t−ブチル)ジメチルシリル、及び2,2,2−トリ クロロエトキシカルボニルなどが含まれる。ヒドロキシ保護基の種類は、誘導さ れたヒドロキシ基が、後の反応の条件に対して安定であり、分子の残りの部分を 分解することなく適切な時点で脱離することができる限り、厳密なものではない 。好ましいヒドロキシ保護基は、トリメチルシリルエチルである。ヒドロキシ保 護基のさらなる例は、T.W.Greene,“Protective Groups in Organic Synthes is”,John Wiley and Sons,New York,N.Y.,(第2版,1991),第2及び第 3章に記載されている。「保護されたヒドロキシ」なる語は、上記のヒドロキシ 保護基にの1つに結合したヒドロキシ基を意味する。 本明細書において使用される「アミノ保護基」なる語は、化合物における他の 機能的基を反応させている間、アミノ機能性を防御又は保護するために通常使用 されるアミノ基の置換基を意味する。このようなアミノ保護基の例には、ホルミ ル、トリチル、フタルイミド、トリクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモア セチル、ヨードアセチル基、又はウレタンタイプの防御基、例えばベンジルオキ シカルボニル、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオ キシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジ ルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジ ルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロ ベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモ ベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノ ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、2−(4−キセニル)イ ソプロポキシカルボニル、1,1−ジフェニルエタ−1−イルオキシカルボニル 、1,1−ジフェニルプロパ−1−イルオキシカルボニル、2−フェニルプロパ −2−イルオキシカルボニル、2−(p−トルイル)−プロパ−2−イルオキシ カルボニル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1−メチルシクロペンタニル オ キシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシ カルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロ ヘキサニルオキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)−エトキシカル ボニル、2−(メチルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホ スフィノ)−エトキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル(“FMO C”)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニ ル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エニルオキシカルボニル、5 −ベンズイソキサリルメトキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカル ボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロポ キシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベ ンジルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキ シカルボニルなど、ベンゾイルメチルスルホニル、2−ニトロフェニルスルフェ ニル、ジフェニルホスフィンオキシドなどのアミノ保護基が含まれる。使用する アミノ保護基の種類は、誘導されたアミノ基が、中間体分子の他の位置での後の 反応の条件に対して安定であり、他のアミノ保護基を含んでいる分子の残りの部 分を分解することなく適切な時点で選択的に脱離することができる限り、厳密な ものではない。好ましいアミノ保護基は、t−ブトキシカルボニル(t−Boc )、アリルオキシカルボニル及びベンジルオキシカルボニル(CbZ)である。 上記の語が意味する基の更なる例は、J.W.Barton,“Protective Groups in O rganic Chemistry”,J.G.W.McOmie編,Plenum Press,New York,N.Y.,19 73,第2章及びT.W.Greene,“Protective Groups in Organic Synthesis”,J ohn Wiley and Sons,New York,N.Y.,1981,第7章に記載されている。 「阻止」なる語、即ち寄生生物又は真菌活性を阻止する方法には、成育又は付 随する特徴及び寄生生物又は真菌の存在に由来する結果を、止めること、遅らせ ること又は予防的に妨げること又は防止することを包含する。 「接触」なる語、即ち本発明の化合物を寄生生物又は真菌と接触させることに は、本発明の化合物と寄生生物又は真菌との、結合又は接合、又は外見上の接触 又は相互の接触を含む。しかし、この語は、例えば阻止の機構による、過程に対 する更なる限定をなんら意味するものではなく、本方法は本発明の精神を包含す るために定義されるものであり、本発明の精神は、本化合物の作用及び本化合物 の固有の抗寄生生物及び抗真菌特性により、寄生生物又は真菌活性を阻害するこ とであり、言い換えれば、特許請求される方法において使用される化合物が、こ のような阻止の原因となる薬であるということである。 本明細書に使用される「薬学的に許容し得る塩」なる語は、生物に対して実質 的に無毒である、上記式で示される化合物の塩を意味する。典型的な薬学的に許 容し得る塩には、本発明化合物と無機若しくは有機の酸又は無機塩基との反応に よって製造される塩が含まれる。このような塩は酸付加塩及び塩基付加塩として 知られている。 酸付加塩を形成するために通常使用される酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化 水素酸、硫酸、リン酸などの無機の酸、及び有機の酸、例えばp−トルエンスル ホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、 コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などである。このような薬学的に許容し得 る塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン 酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロリ ド、ブロミド、ヨージド、アセテート、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル 酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、馬尿酸塩、プロピオ ル酸塩。シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、 フマル酸塩、リンゴ酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、 安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒド ロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレン スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、ク エン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン スルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタ レン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などである。好ましい薬学的に許容し得 る酸付加塩は、塩酸及び臭化水素等の無機の酸、及びマレイン酸及びメタンスル ホン酸等の有機の酸と共に形成される付加塩である。 塩基付加塩には、無機の塩基、例えばアンモニウム又はアルカリ又はアルカリ 土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などから誘導された付加塩が含まれる 。即ち、本発明の塩の製造において有用な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化 カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト リウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが含まれる 。カリウム及びナトリウム塩の形態は特に好ましい。 本発明のいずれかの塩の一部を形成する特定の対イオンは、その塩が全体とし て薬学的に許容し得る限り、そして、その対イオンが全体としてその塩に対して 望ましくない性質に寄与しない限り、厳密な性質のものではない。 本発明の好ましい化合物は式中、 R'、R''及びR'''は、それぞれメチルであり; Ry1、Ry2、Ry3及びRy4は、それぞれヒドロキシであり; Rx1は、水素、ヒドロキシ又は−O−Rであり; Rは、メチル、ベンジル、−CH2CHOHCH2OH、−(CH2)bNRz1z2 又は−(CH2)2PORz3z4であり; bは、2、3、4、5又は6であり; Rz1及びRz2は、独立に水素、又はC1−C4アルキルであり; Rz3及びRz4は、独立にヒドロキシ又はメトキシであり; Rx2は、水素又はヒドロキシであり; R0は、ヒドロキシ又は式: 1は、メチルである、 式(I)で示される化合物である。 これら好ましい化合物のうち、より好ましくは、式中、 3aは、メチル又はメトキシであり;そして R3b及びR3cは、それぞれフェニルである、式(I)で示される化合物又はそ の薬学的に許容し得る塩である。 これらより好ましい化合物のうち、特に好ましくは、式中、 3dは、C1−C12アルコキシ又は−O−(CH2m−[O−(CH2np− O−(C1−C12アルキル)であり; mは2であり; nは2であり;そして pは0又は1である、式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る 塩である。 好ましい化合物のうち、最も好ましくは、式中、 Rx1はヒドロキシであり、Rx2はヒドロキシであり、R0はヒドロキシであり 、そして、R3aはメチルである化合物;及び Rx1はヒドロキシであり、Rx2はヒドロキシであり、R0はヒドロキシであり 、そして、R3dは−O−(CH22−O−(t−ブチル)である化合物、又はそ の薬学的に許容し得る塩である。 式(I)で示される化合物は、以下の反応式Iにしたがって製造することがで きる。 式中、Rnatは、天然環状ペプチド側鎖であり; R'、R''、R'''、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4、R0及びR2は、前 記と同意義である。 上記反応式Iは、上記の反応A及びBを行うことにより達成される。反応が完 結したら、中間体化合物を、当技術分野においてよく知られている手法により単 離することができる。例えば、化合物を結晶化又は沈殿させた後に濾過により集 めるか、又は反応溶媒を抽出、蒸発又は傾斜により除くことができる。所望なら ば、この中間体化合物を、結晶化又は沈殿又はシリカゲル、アルミナなどの固体 支持体上でのクロマトグラフィー等の慣用技術により、反応式の次の工程を行う 前にさらに精製してもよい。 反応IAでは、式(IA)の天然環状ペプチドを、当技術分野において知られ ている手法を用いて脱アシル化し、式(IB)のアミノ核を得る。この反応は、 天然環状ペプチドをデアシラーゼ酵素にさらすことによる酵素的脱アシル化を用 いて典型的に行う。このデアシラーゼ酵素は、微生物 Actinoplanes utahensis から得ることができ、実質的に本明細書の一部を構成する米国特許第4,293, 482号及び同第4,304,716号に記載の通りに使用することができる。デ アシラーゼ酵素はまた、Pseudomonas 種から得ることもできる。脱アシル化は、 Actinoplanes utahensis 若しくは Pseudomonas の全細胞又はその粗製の若し くは精製した酵素を用いるか、又はその酵素の固定化された形態を用いて達成す ることができる。欧州特許出願第0 460 882号(1991年12月11日 )を参照されたい。出発物質として使用し得る天然環状ペプチドの例には、アク レアシン(パルミトイル側鎖)、テトラヒドロエキノカンジンB(ステアロイル 側鎖)、ムルンドカンジン(分岐したC15側鎖)L−671、329(C16分岐 側鎖)、S31794/F1(テトラデカノイル側鎖)、スポリオフンジン(C15 分岐側鎖)、FR901379(パルミトイル側鎖)などが含まれる。好まし い天然環状ペプチドは、エキノカンジンB(式中R'、R''及びR'''はそれぞれ メチルであり、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0はそれぞれヒドロ キシであり、R2はリノレオイルである式(IA)で示される化合物)である。 反応IBでは、式(IB)のアミノ核を当技術分野において知られている手法 を用いて再アシル化し、上記で定義したR2がアシル基である式(I)で示され る化合物を得る。 例えば、アミノ核は、適当に置換されたアシルハライドとの反応により、好ま しくはトリエチルアミンなどの第3級アミンのような酸スカベンジャーの存在下 で、アシル化することができる。反応は、約−20℃〜約25℃の温度にて典型 的に行う。この反応のための典型的な溶媒には、ジオキサン又はジメチルホルム アミドのような極性非プロトン性溶媒が含まれる。溶媒の選択は、用いる溶媒が 進行中の反応に対して不活性であり、反応物が、所望の反応を起すに十分に溶解 されている限り、厳密なものではない。 アミノ核はまた、適当な置換されたカルボン酸との反応により、カップリング 剤の存在下で、アシル化することもできる。典型的なカップリング剤には、ジシ クロヘキシルカルボジイミド(DCC)N,N’−カルボニルジ−イミダゾール 、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP− C1)、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(E EDQ)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)などが含まれる。 さらに、アミノ核を、カルボン酸の活性化されたエステル、例えば、式R2− COOHで示されるカルボン酸とp−ニトロフェニル、2,4,5−トリクロロフ ェニル、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT・H2O)、ペンタフ ルオロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド等のエステルによりアシル化 することができる。好ましいアシル化部分は、カルボン酸R2−COOHの活性 なエステル、例えば2,4,5−トリクロロフェニルエステルやベンゾトリアゾー ルエステルである。この反応は、典型的には、1〜65時間、約0℃〜約30℃ の温度にて、非プロトン溶媒中で行う。この反応は、約15℃〜約30℃の温度 で行った場合、通常、約24〜48時間後に完結する。この反応のための典型的 な溶媒は、テトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミド又はこのような溶媒の 混合物である。アミノ核は、通常、活性化されたエステルに対し等モル又は僅か に過剰のアミノ核の割合で使用する。 Rx1がヒドロキシである式(I)で示される化合物は、適当に置換されたアル コールと、酸の存在下で反応させて、Rx1が−O−R(RはC1−C6アルキル、 ベンジル、−(CH2)2Si(CH3)3)、−CH2CH=CH2、−(CH2)aCOOH 、−(CH2)bNRz1z2、−(CH2)cPORz3z4又は−[(CH2)2O]d−(C1 −C6)アルキルである式(I)の化合物を得ることができる。反応は、極性非 プロトン性溶媒中、例えばジオキサン又はジメチルスルホキシド中で、約0℃〜 約35℃の温度にて、好ましくは室温で典型的に行う。溶媒の選択は、用いる溶 媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応物が、所望の反応を起すに十分に 溶解されている限り、厳密なものではない。好ましい酸には、p−トルエンスル ホン酸、塩酸及びショウノウスルホン酸が含まれる。 Rx1が−(CH2bNRz1z2(Rz1及びRz2は水素である)である式(I) で示される化合物を、Rx1が−(CH2bNHRa(Raはアミノ保護基である) である保護された化合物を経て製造することができる。次に生成した保護された 化合物を、当技術分野において知られている手法により脱保護する。 Rx1が−CH2CHOHCH2OHである式(I)の化合物は、Rx1が−CH2 CH=CH2である式(I)の化合物を四酸化オスミウムにより、触媒の存在下 約0℃〜約40℃の範囲の温度にて約1〜24時間、有機/水性溶媒混合物例え ばジオキサン/水の中でヒドロキシル化することにより、製造することができる 。適当な触媒には、N−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)などが含まれ る。この反応での使用に適当な典型的な溶媒には、ジメチルホルムアミド、テト ラヒドロフラン、アセトン及びジオキサンが含まれる。溶媒の選択は、用いる溶 媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応物が、所望の反応を起すに十分に 溶解されている限り、厳密なものではない。反応は、好ましくは約20℃〜約3 0℃の範囲の温度で約18〜24時間行う。 R0がヒドロキシである式(I)の化合物は、適当に置換されたアルキル又は フェニルホスフェートとの反応によりホスホリル化して、R0が−O−P(O) OH−R1(R1はC1−C6アルコキシ又はフェノキシである)である式(I)の 化合物を得るか、又は適当に置換されたアルキル又はフェニルホスホン酸との反 応によりホスホリル化してR0が−O−P(O)OH−R1(R1はC1−C6アル キルである)である式(I)の化合物を得るか、又は適当に置換されたフェニル 又はベンジル部分との反応によりホスホリル化してR0が式−OP(O)OH− R1で示される基である式(I)の化合物を得ることができる。ホスホン酸の活 性化された形態、例えばホスホン酸ハライドとして、好ましくはホスホン酸クロ リドを使用する。反応は、リチウムトリメチルシラノレート(LiOTMS)、 リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)、ピリジンなどの塩基 の存在下で行う。反応は、約−30℃〜約0℃の温度にて、テトラヒドロフラン やジメチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒中、1時間以内で典型的に行う。 これらの条件下で行うと、反応は、通常、約15分以内に完了する。ホスフェー ト又はホスホネート反応物は、通常、等モルないし僅かに過剰の塩基の存在下、 アミノ核に対し等モルの割合から約1モル過剰で使用する。保護されていないア ミナール(aminal)ヒドロキシ基によるアミノ核のホスホリル化は、低めの温度 、例えば約−30℃〜約−15℃で典型的に行う。 別法として、式(I)の化合物のアミナールヒドロキシ部分を、当技術分野に おいて知られている手法を用いてヒドロキシ保護基で場合により保護する。例え ば、式(I)の化合物と適当なヒドロキシ保護基とを、触媒の存在下、約0℃〜 約40℃の範囲の温度にて、約1〜5時間、不活性な相互溶媒中で混合すること により、反応を典型的に行う。ヒドロキシ保護基は、通常、式(I)の化合物に 対してだいたい等モルの割合から約100モル過剰の範囲の量、好ましくはモル 大過剰で使用する。適当な触媒には、p−トルエンスルホン酸、ショウノウスル ホン酸(CSA)、塩酸、スルホン酸、トリフルオロ酢酸などの強酸が含まれる 。この反応に使用するために適当な典型的な溶媒には、ジオキサン等の有機溶媒 が含まれる。溶媒の選択は、用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、 反応物が、所望の反応を起すに十分に可溶化されている限り、厳密なものではな い。反応は、好ましくは約20℃〜約30℃の範囲の温度で約2〜4時間行う。 次いで、保護された式(I)の化合物を上記のようにホスホリル化する。次いで 、ヒドロキシ保護基を、当技術分野において知られている手法にしたがって脱離 してホスホリル化された式(I)の化合物を得る。例えば、不活性な相互有機溶 媒、例えば塩化メチレン中でのLewis酸との反応により保護基を脱離することが できる。Lewis酸の例には、トリメチルシリルブロミド、三フッ化ホウ素エーテ ラートなどが含まれる。反応は、典型的には約0℃〜約40℃の温度、好ましく は約20〜約30℃の温度で行う。好ましいLewis酸は、三フッ化ホウ素エーテ ラートである。 ベンジリック(benzylic)及びアミナールヒドロキシ基(それぞれRx2及びRx1 )を脱離することによって、式(I)のジデオキシ化合物を製造する。式(I )の非ジデオキシ化合物(式中R2が水素又はアシルである)を、−5℃〜70 ℃の間の温度にて、適当な溶媒中で、強酸と還元剤に付することにより、ヒドロ キシ基を脱離する。典型的な強酸には、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸又は 三フッ化ホウ素エーテラートが含まれる。好ましい強酸は、トリフルオロ酢酸で ある。典型的な還元剤には、ナトリウムシアノボロハイドレート又はトリエチル シランが含まれる。好ましい還元剤は、トリエチルシランである。適当な溶媒に は、塩化メチレン、クロロホルム又は酢酸、好ましくは塩化メチレンが含まれる 。強酸は、基質1molあたり2〜80molの量で存在させ、還元剤は基質1molあ たり2〜80molの量で存在させる。この反応過程によって、アミナール及びベ ンジ リックヒドロキシ基が選択的に脱離する。 本発明の化合物を製造するために使用する環状ペプチドは、既知の微生物の発 酵により製造することができる。例えば、R'、R''及びR'''がメチルであり、 Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれヒドロキシである式( IB)の環状ペプチド(A−30912Aに対応する環状核)を、本明細書の一 部を構成するAbbottら,米国特許第4,293,482号に詳述されている手法を 用いて製造することができる。R'、R''及びR'''がメチルであり、Rx1がヒド ロキシであり、Rx2が水素であり、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれ ヒドロキシである式(IB)の環状ペプチド(A−30912Bに対応する環状 核)は、本明細書の一部を構成するAbbottら,米国特許第4,293,763号に 詳述されている手法を用いて製造することができる。アクレアシンは、本明細書 の一部を構成するミズノら,米国特許第3,978,210号に詳述されている 手法を用いて製造することができる。R'が−CH2C(O)NH2であり、R''が メチルであり、R'''が水素であり、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及び R0がそれぞれヒドロキシである式(IB)の環状ペプチドは、本明細書の一部 を構成するChenら,米国特許第5,198,421号に詳述されている手法を用い て環状ペプチドを脱アシル化することにより製造することができる。 R2−COOH前駆酸は、適当に置換されたアセチレン反応物を、式: [式中Lは、ブロモ、ヨード、トリフルオロメタンスルホネートなどの適当な離 脱基である] で示される化合物と、触媒(ある1つの)又は触媒(複数の)の存在下で、好ま しくは酸スカベンジャーの存在下で、アセトニトリルなどの不活性な相互溶媒中 で反応させることにより製造する。酸スカベンジャーの例には、トリエチルアミ ン及びピリジンが含まれ、好ましくはトリエチルアミンである。好ましい触媒は 、塩化パラジウム(II)、トリフェニルホスフィン及びヨウ化銅(I)から系 中で形成される。反応は30分間〜21時間、だいたい室温から反応混合物の還 流温度までの温度にて典型的に行う。反応は、還流温度で行った場合、通常、約 2〜約6時間後に完結する。 得られたメチルエステルを、当技術分野において知られている手法を用いて加 水分解し、対応するカルボン酸を得、これを活性化されたエステル、好ましくは 2,4,5−トリクロロフェニルエステルに変換し、環状ペプチド核を上記のよう にアシル化するためにこれを用いる。例えば、メチルエステルは、アルコール系 溶媒、好ましくはメタノール中で過剰の水酸化ナトリウム溶液と共に還流し、例 えば塩酸溶液を添加して反応混合物を酸性化することにより、加水分解すること ができる。カルボン酸は、塩化メチレン等の不活性な相互溶媒中で、2,4,5− トリクロロフェノールとN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等 のカップリング剤と混合することにより、これを2,4,5−トリクロロフェニル エステルに変換することができる。 以下の製造例及び実施例は、本発明化合物の合成方法をさらに説明するもので ある。融点、プロトン核磁気共鳴スペクトル、質量分析スペクトル、赤外線スペ クトル、紫外線スペクトル、元素分析、高速液体クロマトグラフィー、及び薄層 クロマトグラフィーなる語は、それぞれ、「m.p.」、「NMR」、「MS」、 「IR」、「UV」、「質量分析」、「HPLC」及び「TLC」と略す。さら に、IRスペクトルについて記載した吸収最大は、目的とする吸収最大のみを記 載したものであり、観察された吸収最大すべてを記載しているのではない。 製造例1 A.2,2−ジフェニル−プロパノール テトラヒドロフラン100mL中の水素化リチウムアルミニウム4.3g(11 4mmol)の冷却混合物(0℃)に、2,2−ジフェニルプロパン酸10.74g( 47mmol)を少しずつ加えた。得られた反応混合物を室温に加温した。薄層クロ マトグラフィー(TLC)が示す通りに、反応が実質的に完了したら、反応混合 物 をおよそ10mLの水、8mLの1N 水酸化ナトリウム及びジエチルエーテルで 希釈し、0℃で90分間撹拌した。次いで反応混合物をセライト上に注ぎ、ジエ チルエーテルで洗浄し、ヘキサン中の5〜20%酢酸エチルのグラジェント溶出 液を用いて溶出した。所望の化合物を含む画分を集め、減圧濃縮して9.38g の物質を得た。収率93%。 B.2,2−ジフェニルプロパルデヒド 塩化メチレン50mL中の製造例1Aの標題化合物4.56g(21mmol)の溶 液を、塩化メチレン中のセライトとピリジニウムクロロクロメートの冷却混合物 (1:1 w/w)(0℃)に加えた。得られた反応混合物を0℃でおよそ2時 間反応させ、次いで室温に加温し、さらに2時間反応させた。反応混合物をジエ チルエーテルで希釈し、エーテルで湿らせたシリカパッド上に注いだ。所望の生 成物をヘキサン中の20%酢酸エチルの溶出液を用いて溶出した。所望の化合物 を含む画分を集め、減圧濃縮して黄色の油状物を得た。この油状物を逆相HPL C(溶出液:80%水性アセトニトリル、254nm)を用いて所望の化合物3 .75gを得た。 収率83%。 C.1−ブロモ−3,3−ジフェニル−ブタ−1−エン テトラヒドロフラン40mL中の(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウム ブロミド6.22g(14mmol)の冷却(−78℃)した無水懸濁液に、カリウ ムt−ブトキシド1.6g(14mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物をお よそ20分間撹拌すると、この間に混合物は明黄色になった。次いで、この混合 物に、無水テトラヒドロフラン中の製造例IBの標題化合物2g(9.5mmol) を加え、得られた混合物をおよそ5時間反応させた。ヨウ化メチルを加えた後、 反応混合物を室温までゆっくりと加温し、次いでジエチルエーテル中に注いだ。 生じた層を分離し、有機層を水とブラインで順次洗浄した後、減圧濃縮して残留 物を得た。この残留物をジエチルエーテルに再溶解し、さらにヨウ化メチル及び 水を加えた。得られた層を分離し、有機部分をブラインで洗浄した後、減圧濃縮 して粗製物を得た。この物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液 :ヘキサン中の5%酢酸エチル)を用いて精製し、所望の化合物1.31gを得 た。 収率48%。 D.3,3−ジフェニル−ブタ−1−イン 無水テトラヒドロフラン100mL中の製造例1Cの標題化合物1.31g(4 .6mmol)の冷却した(−78℃)の溶液に、メチルリチウム4.9mL(6.8mm ol)を滴加した。得られた反応混合物をおよそ15分間反応させ、次いで0℃ま で加温して、さらに2.75時間反応させた。次いで、水をゆっくりと加えるこ とにより反応をクエンチした。得られた混合物をジエチルエーテルで希釈し、生 じた層を分離して有機部分を水とブラインで順次洗浄し、硫酸マグネシウム上で 乾燥し、濾過した後、減圧濃縮して粗製物を得た。この物質をフラッシュクロマ トグラフィー(シリカ、溶出液:ヘキサン中の5%酢酸エチル)、次いで逆相H PLC(溶出液:80%水性アセトニトリル、254nm)を用いて精製し、所 望の化合物0.255gを得た。 収率27%。 無水アセトニトリル7.9mL中の製造例1Dの標題化合物0.255g(1.2 mmol)の溶液に、製造例5Aの標題化合物0.455g(1.2mmol)、トリエチ ルアミン0.250g(2.5mmol)、塩化パラジウム(II)10.96mg(0 .06mmol)、トリフェニルホスフィン32.4mg(0.12mmol)、ヨウ化銅( I)5.9mgを順次に加えた。得られた反応混合物をおよそ21時間還流した後 、室温まで冷却すると非常に粘稠な沈殿が生じた。この混合物を2分の1の体積 まで濃縮し、濾過した。沈殿をアセトニトリルで洗浄して光沢のある灰色の固体 0.284gを得、これをそれ以上精製することなく使用した。 収率56%。 ジオキサン40mL中の製造例1Eの標題化合物0.328g(0.79mmol) の溶液に2N 水酸化ナトリウム溶液2mLを加えた。得られた反応混合物をおよ そ14.5時間還流した。反応混合物を室温に冷却した後、1N 塩溶溶液4mL を加え、得られた混合物を室温で2.5時間撹拌した。次いで得られた混合物を 減圧濃縮し、ジエチルエーテルに注いだ。得られた層を分離し、有機層を水とブ ラインで順次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後に減圧濃縮して 所望の化合物0.463gを得、これをさらに精製することなく使用した。 収率146%(湿重量で)。 無水塩化メチレン100mL中に製造例1Fの化合物0.463g(1.2mmol )を含む懸濁液に、2,4,5−トリクロロフェノール0.227g(1.2mmol) 及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)0.237g(1.28mmol)を 加えた。得られた反応混合物を室温で一晩反応させた。TLCにより示される通 り、反応が実質的に完了したら反応混合物を減圧濃縮し、次いでジエチルエーテ ルと混合すると微細な白色結晶が生じる。これらの結晶を乾燥させて所望の化合 物195mgを得る。 収率34%。 製造例2 A.1−トリメチルシリル−2,2−ジフェニル−3−メトキシ−プロパ−1− イン 無水テトラヒドロフラン300mL中のトリメチルシリル−アセチレン10.4 g(106mmol)の冷却した(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム66mL (106mmol)を加えた。得られた混合物をおよそ15分間撹拌した後、ベンゾ フェノン4.8g(318mmol)を加え、得られた混合物をおよそ45分間反応 させ、次いで0℃に加温して、さらに2時間反応させた。得られた溶液に、ヨウ 化メチル19.8mL(318mmol)を加えた。反応混合物をおよそ2時間反応さ せた後、ヨウ化メチルをさらに50mL加え、得られた混合物を冷蔵庫に一晩置 いた。反応混合物をジエチルエーテルと氷の混合物に注いだ。生じた層を分離し 、有機層を水(2回)とブライン(2回)で順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾 燥し、濾過し、減圧濃縮して所望の化合物を得、これをそれ以上精製することな く使用した。 B.2,2−ジフェニル−3−メトキシ−プロパ−1−イン メタノール400mL中の製造例2Aの標題化合物の冷却した(0℃)溶液に 、炭酸カリウムの過剰量を加えた。得られた反応混合物をおよそ1時間反応させ 、次いで室温まで加温し、さらに1.25時間反応させた。TLC(ヘキサン中 の5%酢酸エチル)により示される通り、反応が実質的に完了したら、反応混合 物をジエチルエーテルと氷の混合物に注いだ。生じた層を分離し、有機層を水( 3回)とブライン(2回)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過し、 減圧濃縮して黄色の油状物を得、これをさらに精製することなく使用した。 所望の標題化合物を、無水アセトニトリル29mL中の、製造例2Bの標題化 合物1.0g(4.5mmol)、製造例5Aの標題化合物1.62g(4.5mmol)、 トリエチルアミン0.91g(9.0mmol)、塩化パラジウム(II)0.039 9g(0.22mmol)、トリフェニルホスフィン0.188g(0.44mmol)、 ヨウ化銅(I)0.021g(0.1mmol)を用いて実質的に製造例1Eに詳述し た手順にしたがって製造した。 収量:0.97g(50%) 所望の標題化合物を、ジオキサン150mL中の、製造例2Cの標題化合物0. 97g、2N 水酸化ナトリウム4.4mLを用いて、実質的に製造例1Fに詳述 した手順にしたがって製造した。TLCにより示されるように、反応が完了した ら、この反応物と1N 塩酸溶液8.8mLとを混合した。 収量:0.87g(93%) 所望の標題化合物を、無水塩化メチレン50mL中の、製造例2Dの化合物0. 87g(2mmol)、2,4,5−トリクロロフェノール0.411g(2mmol)及 びジシクロヘキシルカルボジイミド0.429g(2mmol)を用いて、実質的に 製造例1Gに詳述した手順にしたがって製造した。 収量:1.21g(97%) 製造例3 A.O−(トルイルスルホニル)−2−ブトキシ−エタノール 無水ピリジン中の2−ブトキシ−エタノール118.18g(1mol)の冷却( 0℃)溶液にトルエンスルホニルクロリド190.66g(1mol)を加えた。得 られた反応混合物を、0℃でおよそ1時間反応させ、次いで室温でおよそ2時間 反応させた。TLCに示されるとおり、反応が実質的に完了したら、この反応混 合物を減圧濃縮して残留物を得た。この残留物をジエチルエーテルと1N 塩酸 水溶液の間に分配し、有機相を2N 水酸化ナトリウム溶液、1N 塩酸溶液、水 及びブラインで順次洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧濃 縮して薄い金色の油状物200.39gを得た。 収量:73.6% MS(FD):273(M) B.2−(2−(2−t−ブトキシ)−エチル)−6−ブロモ−ナフタレン アセトニトリル130mL中の、6−ブロモ−2−ナフトール10.00g(4 4.83mmol)、製造例3Aの化合物12.210g(44.829mmol)及び顆 粒状炭酸カリウム12.392g(89.66mmol)を含む混合物を一晩還流した 。TLCに示されるとおり、反応が実質的に完了したら、反応混合物を室温に冷 却し、減圧濃縮して残留物を得た。この残留物を酢酸エチル中に再溶解し、1N 塩酸溶液、水、2N 水酸化ナトリウム溶液、水及びブラインで順次洗浄し、次 いで硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して灰白色の固体13.14g を得た。 収率:90.7% MS(FD):322,324(M) アセトニトリル100mL中に、製造例3Bの化合物13.00g(40.2 19mmol)、トリメチルシリル−アセチレン5.68mL(40.219mmol)、 及びトリメチルアミン11.211mL(80.437mmol)を含む溶液に、塩化 パラジウム(II)357mg(2.01mmol)、トリフェニルホスフィン1.0 55g(4.022mmol)及びヨウ化銅(I)169mg(0.885mmol)を窒 素下で加えた。得られた反応混合物を約3時間還流した。TLCによって示され るように反応が実質的に終了したら、反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮して 残留物をを得た。この残留物をヘキサン中に再溶解し、得られた混合物を音波処 理して沈殿を形成させた。この沈殿を濾過により単離して、薄い褐色の固体7. 33gを得た。 収率:54% MS(FD):340(M) 2:3メタノール/塩化メチレン混合物250mL中の製造例3Cの化合物7. 3g(0.021mol)の溶液に、顆粒状炭酸カリウム20g(0.15mol)を加 えた。得られた反応混合物を室温で約5時間反応させた。TLCによって示され るように反応が実質的に終了したら、反応混合物を濾過して固体物質を除き、次 いで真空乾燥し、黒色固体5.98gを得た。 収率:定量的 MS(FD):268(M) 製造例4 アセトニトリル50mL中の2−(O−トリフルオロメチルスルホニル)−6 −カルボメトキシナフタレン1.868g(5.590mmol)、製造例3Dの化合 物1.500g(5.590mmol)、及び無水トリエチルアミン1.56mL(11 .179mmol)を含む混合物に塩化パラジウム(II)50mg(0.279mmol )、トリフェニルホスフィン147mg(0.559mmol)及びヨウ化銅(I)2 4mg(0.126mmol)を窒素下で加えた。得られた反応混合物を還流温度にて 約30分間反応させた。TLCによって示されるように反応が実質的に終了した ら、反応混合物を室温に冷却し、次いで濾過し、暗褐色の固体を得た。この固体 をアセトニトリルで洗浄し、真空乾燥して所望の化合物1.82gを得た。 収率:72% MS(FD):452(M) 4:1テトラヒドロフラン/水混合物100mL中の製造例4Aの化合物1.7 5g(3.87mmol)の溶液に、水酸化リチウム370mg(15.5mmol)を加 えた。得られた反応混合物を室温で約19時間反応させた。TLCによって示さ れるように反応が実質的に終了したら、1N 塩酸水溶液を加えた後に水を加え て酸性化し、沈殿を形成させた。この沈殿を濾過により単離した後、真空乾燥し て灰色の固体1.25gを得た。 収率:74% MS(FD):438(M) 無水塩化メチレン100mL中に、製造例4Bの化合物1.00g(2.28mmo l)、2,4,5−トリクロロフェノール0.450g(2.28mmol)及びジシク ロヘキシルカルボジイミド(DCC)0.470g(2.28mmol)を含む溶液を 室温で一晩反応させた。TLCによって示されるように反応が実質的に終了した ら、反応混合物を濾過した。濾液を減圧濃縮して残留物を得た。この残留物をジ エチルエーテル/ペンタン混合物を用いて結晶化した後、真空乾燥して緑色の固 体を得た。 収率:83% MS(FD):626、618(M) 製造例5 A.1−カルボメトキシ−4'−トリフルオロメチルスルホネートビフェニル 無水ピリジン150mL中の1−カルボメトキシ−4'−ヒドロキシビフェニル 16.00g(70.10mmol)及びトリフリックアンハイドライド[(CF3S O22O]20.00mL(70.89mmol)を用いて、実質的に製造例3Aに詳 述の手順にしたがって所望の化合物を製造した。粗製物を塩化メチレンに溶解し 、水、1N塩酸溶液、水及びブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し 、濾過した後、真空乾燥して黄色の固体21.92gを得た。 収率:86.8% MS(FD):360(M) 窒素下で、アセトニトリル50mL中の、製造例3Dの化合物1.50g(5. 59mmol)、製造例5Aの化合物2.014g(5.590mmol)、トリエチルア ミン1.56mL(11.2mmol)、塩化パラジウム(II)0.050g(0.2 79mmol)、トリフェニルホスフィン0.147g(0.559mmol)及びヨウ化 銅(I)0.023g(0.123mmol)を用いて、実質的に製造例4Aに詳述の 手順にしたがって所望の化合物を製造した。 収量:黒色化合物1.404g(52%) MS(FD):478(M) 1:4水/テトラヒドロフラン混合物100mL中の、製造例5Bの化合物1. 300g(2.716mmol)、水酸化リチウム260mg(10.86mmol)を用 いて、実質的に製造例4Bに詳述の手順にしたがって所望の化合物を製造した。 収量:1.159g(92%) MS(FD):465(MH+ 無水塩化メチレン200mL中の、製造例5Bの化合物1.00g(2.15mmo l)、2,4,5−トリクロロフェノール0.425g(2.15mmol)及びDCC 0.444g(2.15mmol)を用いて、実質的に製造例4Cに詳述の手順にした がって所望の化合物を製造した。 収量:1.125g(81%) MS(FD):644(M) 実施例1 R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1がヒドロキシであり、Rx2 y1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれヒドロキシであり、 2 である式(I)で示される化合物の製造 ジメチルホルムアミド25mL中の、製造例1Gの化合物の2,4,5−トリク ロロフェノール活性化されたエステル195mg(0.34mmol)を含む溶液に( A−30912A)核(R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1がヒ ドロキシであり、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4がそれぞれヒドロキシであり、 R0がヒドロキシである式(IB)の化合物)214mg(0.27mmol)を窒素 下で加えた。室温で約5.5日間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮して残留物 を得た。この残留物をジエチルエーテル中でスラリーとし、音波処理した後、濾 過により単離して白色の固体を得た。この固体を塩化メチレンで洗浄すると、ろ う状物が形成した。このろう状物をHPLC(溶出液:7:7.8:0.2の塩化 レン/メタノール/水)を用いて精製した。所望の化合物を含む画分を集め、減 圧濃縮して所望の化合物132mgを得た。 収率:42% MS(FAB)(C6372716): 計算値: 1182.5034(MH+); 実測値: 1182.5013 実施例2 R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1がヒドロキシであり、Rx2 y1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれヒドロキシであり、 2 である式(I)で示される化合物の製造 ジメチルホルムアミド100mL中の、製造例2Eの化合物の2,4,5−トリ クロロフェノール活性化されたエステル1.21g(2.02mmol)を含む溶液に (A−30912A)核(R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1が ヒドロキシであり、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであ り、R0がヒドロキシである式(IB)の化合物)1.29g(1.6mmol)を加 えた。室温で約3日間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮して残留物を得た。こ の残留物をジエチルエーテル中でスラリーとした後、濾過により単離して淡黄色 の固体を得た。この固体を塩化メチレン/メタノール混合物10〜20mLで溶 解した後、HPLC(SiO2;溶出液:10%水性アセトニトリル;1mL/分 ;280nm)を用いて精製した。所望の化合物を含む画分を集め、減圧濃縮し て所望の化合物1.25gを得た。 収率:52% MS(FAB)(C6372717): 計算値: 1198.4985(MH+); 実測値: 1198.4984 実施例3 A.R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、R y4及びR0がそれぞれヒドロキシであり、Rx1がプロパ−2−エニルであり、 2 である式(I)で示される化合物の製造 無水ジオキサン10mL中に実施例2の化合物100mg(0.0834mmol) 及び3−ヒドロキシプロペン567μL(8.34mmol)を含む無水溶液に、p− トルエンスルホン酸約2mgを加えた。TLCにより示されるように、反応が実 質的に完了したら、飽和炭酸水素ナトリウム溶液約1mLを反応混合物に加え、 得られた混合物を約1時間撹拌した後、減圧濃縮して固体を得た。この固体を水 に懸濁し、濾過し、水で洗浄した。次いで、この固体をメタノールを用いて漏斗 から取り出し、得られた混合物を逆相調製用HPLC(溶出液:60%水性アセ トニトリル、75mL/分;290nm)を用いて精製し、所望の標題化合物を得 、 これをさらに精製することなく使用した。B.R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、R y4及びR0がそれぞれヒドロキシであり、Rx1が2,3−ジヒドロキシプロピルで あり、 2 である式(I)で示される化合物の製造 ジオキサン及び水の1:1混合物中の実施例3Aの化合物の溶液に、4−メチ ルモルホリン 4−オキシド一水和物(NMO)を加えた後、四酸化オスミウム を加えた。18〜20時間撹拌した後、メタ硫酸水素ナトリウムを加え、得られ た混合物を約3.5時間反応させた。得られた混合物から液体を傾斜した後、減 圧濃縮して残留物を得た。この残留物を、メタノール中に再溶解した後、ガラス 濾過板付き漏斗(fritted glass funnel)で濾過した。濾液を減圧濃縮し、メタ ノール/アセトニトリル溶液中に再溶解した後、や逆相調製用HPLC(溶出液 :50%水性アセトニトリル、75mL/分;290nm)を用いて精製し、所望 の標題化合物を得た。 MS(FAB)(C6677719Li): 計算値: 1278.5434; 実測値: 1278.5475 実施例4 R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1がヒドロキシであり、Rx2 y1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれヒドロキシであり、 2 である式(I)で示される化合物の製造 無水ジメチルホルムアミド200mL中の、(A−30912A)核(R'、R ''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1がヒドロキシであり、Rx2、Ry1、 Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、R0がヒドロキシである式( IB)の化合物)1.42g(1.78mmol)の溶液に、製造例4Cの化合物1. 10g(1.78mmol)を加えた。TLCにより示されるように、反応が実質的 に完了したら、反応混合物を減圧濃縮して残留物を得た。この残留物をジエチル エーテル中で粉砕し、濾過により単離して灰色の固体を得た。この固体をメタノ ール混合物50mL中に再溶解した。得られた溶液を水225mLで希釈した後、 酢酸を加えてpH4に酸性化すると沈殿が形成した。この固体を濾過により単離 し、アセトン中に懸濁した後、濾過して残存する固体を除いた。濾液をジオキサ ン/水混合物から凍結乾燥して、褐色固体853mgを得た。これは、HPLC (溶出液:1%トリフルオロ酢酸を含む50%水性アセトニトリル、1mL/分 ;230nm;RT=5.97分)を用いて純度96%であることが分かった。 収率:39% MS(FAB)(C6376718): 計算値: 1218.5247; 実測値: 1218.5327 実施例5 R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1がヒドロキシであり、Rx2 y1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0がそれぞれヒドロキシであり、 2 である式(I)で示される化合物の製造 所望の化合物は、ジメチルホルムアミド200mL中の、(A−30912A )核(R'、R''及びR'''がそれぞれメチルであり、Rx1がヒドロキシであり、 Rx2、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4がそれぞれヒドロキシであり、R0がヒドロキ シである式(IB)の化合物)1.126g(1.412mmol)及び製造例5Dの 化合物1.00g(1.55mmol)を用いて、約3日間反応させること以外は実質 的 に実施例4に詳述の手順にしたがって製造し、綿状の黄色の固体を得た。これは 、HPLC(C18;溶出液:0.1%トリフルオロ酢酸を含む50%水性アセ トニトリル、2mL/分;230nm;RT=8.48分)を用いて純度91.7% であると決定された。 収量:950mg(54%) MS(FAB)(C6578718) 計算値: 1244.5403; 実測値: 1244.5357 式(I)で示される化合物は、抗真菌及び抗寄生生物活性を示す。例えば、式 (I)で示される化合物は、Candida spp.例えば、C.albicans、C.parapsilo sis、C.krusei、C.glabrata 又は C.tropcicalis、C.lusitaniae;Torulopu s spp.例えば T.glabrata;Aspergillus spp.例えば A.fumigatus;Histopl asma spp.例えば H.capsulatum;Cyptococcus spp.例えば C.neoformans;B lastomyces spp.例えば B.dermatitidis;Fusarium spp.、Trichophy ton sp p.、Psudallescheria boydil、Coccidioides immitis、Sporothrix schenckii などを含む様々な感染性真菌の成育を阻止する。 試験化合物の抗真菌活性は、標準寒天希釈試験又はディスク拡散試験を用いて 化合物の最小阻止濃度(MIC)を得ることによりイン・ビトロで測定した。次 に化合物をイン・ビボ(マウス中)で試験して、全身性真菌感染の抑制に関する 試験化合物の有効投与量を決定した。 したがって、以下の化合物を C.albicansに対する抗真菌活性について試験し た。 さらに、全身性真菌感染(C.albicans)の抑制について、以下の化合物の有 効投与量をイン・ビボ(マウス)で試験した。 本発明の化合物はまた、免疫抑制された個人における日和見感染の主な原因と なる、ある種の生物の成育を阻止する。例えば、本発明の化合物は、AIDS及 び他の免疫無防備状態の患者におけるニューモシスティス肺炎(PCP)の原因 である生物である Pneumocystis cariniiの成育を阻止する。式(I)の化合物 によって阻止される他の原生動物には、Plasmodium spp.、Leishmania spp.、Tr ypanosoma spp.、Cryptosporidium spp.、Isospora spp.、Cyclospora spp.、Tr ichomonas spp.、Microsporidiosis spp.などが含まれる。 式(I)の化合物は、イン・ビトロ及びイン・ビボで活性であり、全身性の真 菌感染又は真菌皮膚感染のいずれかと対抗することにおいて有用なものである。 したがって、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を真菌 に接触させることを含んでなる、真菌活性を阻止する方法を提供する。好ましい 方法には、Candida albicans 又は Aspergillus fumigatis活性を阻止すること が含まれる。本発明はさらに、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容 し得る塩を、その処置を必要とする宿主に投与することを含んでなる、真菌感染 を処置する方法を提供する。好ましい方法には、Candida albicans又はAspergil lus fumigatis感染を処置することが含まれる。 抗真菌活性に関して、「有効量」なる語は、真菌活性を阻止することが可能な 本発明の化合物の量を意味する。投与する量は、感染の性質と重さ、宿主の年齢 と一般的な健康状態及び抗真菌剤に対する宿主の耐性などの因子に大きく依存す る。特定の投与レジメは、同様にこのような因子に大きく従い、日用量を1回で 投与するか又は1日に複数回の投与で投与し得る。この投与レジメは、約2−3 日から2−3週間又はそれ以上続ける。典型的な日用量(1回又は複数回で投与 )は、約0.01mg/kg〜約100mg/kg体重の、本発明の活性化合物の投 与量レベルを含有する。好ましい日用量は、通常、約0.1mg/kgから約60 mg/kgであり、約2.5mg/kgから約40mg/kgが理想的である。 本発明はまた、本発明の抗真菌化合物を投与するのに有用な医薬組成物も提供 する。したがって、本発明はまた、1又はそれ以上の薬学的に許容し得る担体、 希釈剤又は添加剤と請求項1記載の化合物とを含有する医薬製剤も提供する。こ のような製剤中の活性成分は、製剤の0.1重量%〜99.9重量%、より一般的 には約10重量%〜約30重量%をなす。「薬学上許容し得る」は、担体、希釈 剤又は添加剤が製剤の他の成分と適合し、その受容者に対して有害でないことを 意味する。 式(I)の化合物は、例えば筋肉内、皮下若しくは腹腔内注射を用いて非経口 的に投与するか、経鼻又は経口的手段で投与し得る。これらの投与方法に加えて 、式(I)の化合物を、皮膚感染に対して局所的に塗布してもよい。 非経口投与に関し、製剤は、式(I)の化合物及びその生理学的に許容し得る 希釈剤、例えば脱イオン水、生理食塩水、5%デキストロース及び他の一般に使 用される希釈剤を含んでなる。本製剤は、可溶化剤、例えばポリエチレングリコ ール又はポリプロピレングリコール又は他の公知の可溶化剤を含むことができる 。このような製剤は、乾燥粉末又は凍結乾燥粉末の形態で抗真菌剤及び添加剤を 含有する滅菌バイアルとして製造することができる。使用する前に、生理学的に 許容し得る希釈剤を加えて、シリンジにより抜き取った溶液を患者に投与する。 本発明の医薬製剤は、公知で容易に入手可能な成分を使用する公知の手順によ り製造する。本発明の組成物の製造において、活性成分は、通常、担体と混合さ れるか又は担体によって希釈されるか、あるいはカプセル、サシェ、紙若しくは 他の容器の形態であってよい担体中に包まれる。担体が希釈剤として働く場合、 この担体は、活性成分のためのビヒクル、添加剤又は媒体として作用する、固体 、 半固体又は液体物質であってよい。したがって、本製剤は、錠剤、丸剤、散剤、 トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロッ プ剤、エアロゾル剤(固体としての、あるいは液体媒体中の)、例えば10重量 %以下の活性化合物を含有する軟膏、軟質若しくは硬質ゼラチンカプセル、坐剤 、滅菌注射用液剤、及び滅菌包装散剤の剤型にすることができる。 経口投与に関しては、抗真菌化合物をゼラチンカプセル内に充填するか又は錠 剤に形成する。このような錠剤はまた、結合剤、崩壊剤、又は投与量に対して適 当な大きさの錠剤を製造するために適当な他の適当な添加剤と、式(I)の特定 の抗真菌化合物を含むこともできる。小児向け及び老人向けの使用に関しては、 抗真菌化合物を、矯味液体懸濁剤、溶液剤又はエマルジョンに調剤することがで きる。好ましい経口製剤は、リノール酸、クレモホールRH−60及び水、好ま しくはリノール酸8%、クレノホールRH−60 5%、滅菌水87%の量(容 量)、及び約2.5から約40mg/mLの量の式(I)の化合物である。 局所使用に関して、抗真菌化合物を、皮膚表面への塗布のために乾燥粉末とも に調剤することができ、又は可溶化水性液体又は非水性液体例えばアルコール又 はグリコールを含んでなる液体製剤に調剤することができる。 以下の製剤例は、単なる説明であって、本発明の範囲の限定をなんら意図する ものではない。「活性成分」なる語は、式(I)の化合物又はその薬学上許容し 得る塩を意味する。 製剤1 以下の成分を用いて硬質ゼラチンカプセル剤を製造する: 量(mg/カプセル) 活性成分 250 乾燥デンプン 200 ステアリン酸マグネシウム 10 合計 460mg 製剤2 以下の成分を用いて錠剤を製造する: 量(mg/錠剤) 活性成分 250 微晶性セルロース 400 二酸化ケイ素(ヒューム) 10 ステアリン酸 5 合計 665mg 成分を混合して圧縮し、各重量665mgの錠剤を形成する。 製剤3 以下の成分を含むエアロゾル液剤を製造する: 重量 活性成分 0.25 エタノール 25.75 プロペラント22 (クロロジフルオロメタン) 74.00 合計 100.00 活性化合物をエタノールと混合し、この混合物を一部のプロペラント22に加 え、−30℃に冷却して充填装置に移す。次いで、必要量をステンレススチール 製の容器に入れて残りのプロペラントで希釈する。次にバルブユニットをこの容 器に取り付ける。 製剤4 活性成分60mgをそれぞれ含有する錠剤を、以下の様に製造する: 活性成分 60mg デンプン 45mg 微晶性セルロース 35mg ポリビニルピロリドン (10%水溶液として) 4mg ナトリウムカルボキシメチルデンプン 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1mg 合 計 150mg 活性成分、デンプン及びセルロースをNo.45メッシュU.S.シーブに通し、 十分に混合する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を、得られた粉末と混合し た後、混合物をNo.14メッシュU.S.シーブに通す。得られた顆粒を50℃で 乾燥し、No.18メッシュU.S.シーブに通す。あらかじめNo.60メッシュU .S.シーブに通したナトリウムカルボキシメチルデンプン、ステアリン酸マグネ シウム、及びタルクを顆粒に加え、混合した後、打錠機で圧縮して、各重量15 0mgの錠剤を得る。 製剤5 活性成分80mgをそれぞれ含有するカプセル剤を、以下の様に製造する: 活性成分 80mg デンプン 59mg 微晶性セルロース 59mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 合 計 200mg 活性成分、セルロース、デンプン及びステアリン酸マグネシウムを混合し、N o.45メッシュU.S.シーブに通し、200mgの量で硬質ゼラチンカプセル中 に充填する。 製剤6 活性成分225mgをそれぞれ含有する坐剤を、以下の様に製造する: 活性成分 225mg 飽和脂肪酸グリセリド 2,000mg 合計 2,225mg 活性成分をNo.60メッシュU.S.シーブに通して、あらかじめ必要最小限の 加熱で融解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いでこの混合物を公称容量 2gの坐剤用の型に入れ、冷却する。 製剤7 用量5mLあたり、活性成分50mgをそれぞれ含有する懸濁剤を、以下の様に 製造する: 活性成分 50mg ナトリウムカルボキシメチルセルロース 50mg シロップ 1.25mL 安息香酸溶液 0.10mL 香料 q.v. 着色料 q.v. 精製水を加えて5mLとする 活性成分をNo.45メッシュU.S.シーブに通し、ナトリウムカルボキシメチ ルセルロース及びシロップと混合してなめらかなペーストにする。安息香酸溶液 、香料、及び着色料を少量の水で希釈し、撹拌しながら加える。次いで、水を加 えて必要な体積にする。 製剤8 静脈内製剤を以下のように製造する: 活性成分 100mg 等張生理食塩水 1,000mL 上記成分の溶液を、通常、1mL/分の速度で患者に静脈内投与する。 本発明はさらに、ニューモシスティス肺炎にかかりやすい宿主におけるニュー モシスティス肺炎の発症を処置又は防止する方法であって有効量の式(I)の化 合物又はその薬学上許容し得る塩をその処置を必要とする宿主に投与することを 含んでなる方法を提供する。式(I)の化合物は、生物 Pneumocystis carinii によって引き起こされる感染の発症を防止するために予防的に使用することがで き、又は Pneumocystis cariniiに感染した宿主を処置するために使用すること かできる。式(I)の化合物を、例えば筋肉内、静脈内若しくは腹腔内注射を用 いて非経口的に、又は経口で又は肺の気道中に直接吸入することによって投与し 得る。好ましい投与形態は、式(I)の化合物のエアロゾルスプレー製剤の吸入 である。 抗寄生生物活性に関して、「有効量」なる語は、寄生生物活性を阻止すること が可能な本発明化合物の量を意味する。式(I)の化合物の有効量は、約3mg /kg〜約100mg/kg(患者体重)である。投与する量は、処置レジメを通 じて、日用量を1回で、又は複数の投与で例えば1日に2、3又は4回で投与す ることができる。1回に投与する量、薬物送達の経路、投与の頻度、及び治療の 期間は、感染の強度と範囲、患者の年齢と一般的な健康状態、治療に対する患者 の応答及びどの程度患者が薬物に耐えられるかなどの因子に大きく依存する。A IDS患者におけるニューモシスティス肺炎感染は、その感染の性質のため、非 常に治りにくいことが知られている。例えば、重度の、進行した感染において、 感染物によって気道の内腔表面は詰まり、広範な寄生生物の発育が肺組織におい て起こる。したがって、進行した感染にかかっている患者は、より多くの投与量 とより長い期間を必要とする。対照的に、重篤な感染にかかっておらず、ニュー モシスティス肺炎にかかりやすい免疫不全患者は、より少ない量での、そしてよ り少ない頻度での予防的投与で処置することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T D,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,UG ),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BB,BG, BR,BY,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LV,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN (72)発明者 ズウェイフェル,マーク・ジェイ アメリカ合衆国46214インディアナ州 イ ンディアナポリス、ヒグドン・コート7519 番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: [式中、R’は、水素、メチル、又は−CH2C(O)NH2であり; R''及びR'''は、独立にメチル又は水素であり; Rx1は、水素、ヒドロキシ又は−O−Rであり; Rは、C1−C6アルキル、ベンジル、−(CH2)2Si(CH3)3、−CH2CHO HCH2OH、−CH2CH=CH2、−(CH2)aCOOH、−(CH2)bNRz1z 2 、−(CH2)cPORz3z4又は−[(CH2)2O]d−(C1−C6)アルキルであり ; a、b及びcは、独立に1、2、3、4、5又は6であり; Rz1及びRz2は、独立に水素、C1−C6アルキル、又はRz1及びRz2が一緒に なって−CH2(CH2)eCH2−を形成し; Rz3及びRz4は、独立にヒドロキシ又はC1−C6アルコキシであり; dは1又は2であり; eは、1、2、又は3であり; Rx2、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4は、独立に水素又はヒドロキシであり; R0は、ヒドロキシ、−OP(O)(OH)2又は式: で示される基であり; R1は、C1−C6アルキル、フェニル、p−ハロ−フェニル、p−ニトロフェニ ル、ベンジル、p−ハロ−ベンジル又はp−ニトロ−ベンジルであり; R2は、 であり; R3は、 であり; R3aはC1−C6アルキル又はC1−C6アルコキシであり; R3b及びR3cは、独立にフェニル又はナフチルであり; R3dはC1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ又は−O−(CH2)m−[O −(CH2np−O−(C1−C12アルキル)であり; mは、2、3又は4であり; nは、2、3又は4であり;そして pは、0又は1である] で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 2.式中、 R'、R''及びR'''は、それぞれメチルであり; Ry1、Ry2、Ry3及びRy4は、それぞれヒドロキシであり; Rx1は、水素、ヒドロキシ又は−O−Rであり; Rは、メチル、ベンジル、−CH2CHOHCH2OH、−(CH2)bNRz1z2 又は−(CH2)2PORz3z4であり; bは、2、3、4、5又は6であり; Rz1及びRz2は、独立に水素、又はC1−C4アルキルであり; Rz3及びRz4は、独立にヒドロキシ又はメトキシであり; Rx2は、水素又はヒドロキシであり; R0は、ヒドロキシ又は式: で示される基であり; R1は、メチルである、請求項1の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 3.式中、 R2は、 であり; R3は、 であり; R3aは、メチル又はメトキシであり;そして R3b及びR3cは、それぞれフェニルである、請求項2の化合物又はその薬学的 に許容し得る塩。 4.式中、 R2は、 であり; R3は、 であり; R3dは、C1−C12アルコキシ又は−O−(CH2m−[O−(CH2np− O−(C1−C12アルキル)であり; mは2であり; nは2であり;そして pは0又は1である、請求項2の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 5.式中、 Rx1はヒドロキシであり; Rx2はヒドロキシであり; R0はヒドロキシであり;そして R3aはメチルである、請求項3の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。 6.式中、 Rx1はヒドロキシであり; Rx2はヒドロキシであり; R0はヒドロキシであり;そして R3dは−O−(CH22−O−(t−ブチル)である、請求項4の化合物又は その薬学的に許容し得る塩。 7.請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容 し得る塩を、そのための1又はそれ以上の薬学的に許容し得る担体、希釈剤又は 添加剤とともに含有する医薬製剤。 8.医薬として使用するための、請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化 合物又はその薬学的に許容し得る塩。 9.式(IB): [式中、R'、R''、R'''、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4及びR0は請 求項1と同意義である] で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩をアシル化することを含んでな る、請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容し 得る塩の製造方法。
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