JPH11510063A - アルドラーゼ触媒抗体 - Google Patents

アルドラーゼ触媒抗体

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JPH11510063A JP9522263A JP52226397A JPH11510063A JP H11510063 A JPH11510063 A JP H11510063A JP 9522263 A JP9522263 A JP 9522263A JP 52226397 A JP52226397 A JP 52226397A JP H11510063 A JPH11510063 A JP H11510063A
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Abstract

(57)【要約】 アルドール反応を触媒する抗体は、安定なビニローグアミド、即ち、共有結合抗体/ハプテン複合体の形成による抗体の結合ポケットのリシン(Lys)残基を共有結合でトラップする反応性化合物を免疫することにより作成される。得られた触媒抗体は、クラスIアルドラーゼ天然酵素によって用いられる触媒をミミックする触媒機構を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】 アルドラーゼ触媒抗体発明の分野 : 本発明は、アルドラーゼ活性をもつ触媒抗体に関する。更に詳細には、本発明 は、アルドラーゼ活性をもつ触媒抗体であって、かかる触媒抗体に対して自殺基 質活性をもつβ−ジケトンハプテンを有する免疫複合体によって作成される前記 触媒抗体に関する。背景 アルドール付加反応は、2反応分子を結合すること及び新しい炭素−炭素結合 を有する生成物を生じることを含む可逆反応である。反応成分は各々カルボニル 基、即ち、アルデヒドか又はケトンを含む。反応中、反応成分の一方はカルボニ ル基に最も近い炭素原子からプロトンを失い、よって求核基になる。次に、第1 反応成分の求核基炭素が第2反応成分のカルボニル基を攻撃する。この縮合反応 の逆も起こり、炭素−炭素結合の開裂及び1分子の2成分への解離を含む。アル ドール付加反応は、解糖系において重要であり、アルドラーゼ酵素によって触媒 される。アルドール付加反応は、また、炭素−炭素結合の形成と解離についての 有機化学の基礎である。有機化学においては、該反応は塩基によって触媒される 。 2種類の機械論的アルドラーゼ酵素、即ち、クラスI及びクラスIIアルドラー ゼの進展があった。(W.J.Rutter,Fed.Proc.Amer.Soc.Exp.Biol.(1964): vol.23,p 1248.) クラスIアルドラーゼは、活性部位のLysのε−アミノ基 を用いて基質の1種とシッフ塩基を生成し、アルドールドナーとして基質を活性 化する。 クラスIアルドラーゼの機構を図1に示す。反応は、二分子反応であり、共有 結合触媒によって多数の中間体を介して進行する。電子シンクとして作用するイ ミニウムイオン又はシッフ塩基が生じ、Cαからのプロトンの引き抜きと続いて のエナミンの生成のための活性化エネルギー(Ea)を低下させる。エナミンは 、炭素求核剤又はアルドールドナーとして作用し、アルデヒド親電子剤、アルド ー ルアクセプターと反応して新しいC−C結合を形成する。次に、シッフ塩基が加 水分解され、生成物が遊離する。機構の実質は、新生炭素求核剤であるエナミン の生成である。 クラスIIアルドラーゼは、基質のカルボニル酸素に配位することによるエノレ ート形成を促進する金属酵素である。金属を含むアルドール反応の遷移状態のモ デルも開示された。(H.E.Zimmerman ら,J.Am.Chem.Soc.(1957): vol.79, p 1920.) しかしながら、クラスIIアルドラーゼの機構は、依然として確認され ている。 多くの酵素がアルドール縮合を触媒する。これらの酵素の機構は、十分に確認 されている。(C.Y.Lai ら,Science(1974): vol.183,p 1204; A.J.Morris ら,Biochemistry(1994)vol.33,p 12291.) しかしながら、アルドラーゼ 酵素は、比較的限られた範囲の基質を受容する。(C.-H.Wongら,Enzymes in S ynthetic Organic Cemistry (Permagon,Oxford,1994); M.D.Bednarski,Compre hensive Organic Synthesis, B.M.Trost,Ed.(Pergamon,Oxford,1991),vol 2,pp.455-473; C.F.Barbas III ら,J.Am.Chem.Soc.(1990):vol 112,p 2013; H.J.M.Gijsenら,J.Am.Chem.Soc.(1995): vol.117,p 2947; C.-H .Wongら,J.Am.Chem.Soc.(1995): vol.117,p.3333; L.Chen ら,J.Am .Chem.Soc(1992): vol.114,p 741.) 天然アルドラーゼ酵素はアルドールア クセプターに対しては広範囲の特異性を示すが、アルドールドナーは通常天然基 質に制限される。所望の基質特異性が所望のアルドール付加反応を触媒する程度 まで生じる場合には、有機合成の当該技術は非常に有益である。 新しい炭素−炭素結合を形成する有機化学において、非酵素塩基触媒アルドー ル付加反応が広く用いられている。また、アルドールの立体化学を制御するため に様々な有効試薬が開発された。しかしながら、これらの試薬は、化学量論的で あり、予め生成したエノレート及び広範な保護基化学を必要とする。(C.H.Hea thcock,Aldrichim.Acta(1990): vol.23,p 99; C.H.Heathcock,Science(19 81): vol.214,p 395; D.A.Evans,Science(1988): vol.240,p 420; S.Mas amuneら,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.(1985): vol.24,p 1; D.A.Evansら ,Top.Stereochem.(1982): vol.13,p 1; C.H.Heathcocket ら,Comprehensive Organic Synthesis, B.M.Trost,Ed.(Pergamon,Oxford,1991 ),vol.2,pp.133-319(1991); I.Paterson,Pure & Appl.Chem.(1992),vol .64,1821.)最近、向山交差カップリングアルドールを含む予め生成したエノレ ートを用いる触媒アルドール反応が開発された。(S.Kobayashi ら,Tetrahedro n(1993): vol.49,p 1761; K.Furutaら,J.Am.Chem.Soc.(1991): vol.113 ,p 1041; T.Bach,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.(1994):vol.33,p 417及び その中の参考文献; E.M.Carreiraら,J.Am.Chem.Soc.(1995): vol.117,p 3649.) いくつかの反応についての複雑な中間体の問題は、通常不活性な抗原よりむし ろ相対的に反応性の化合物を用いて動物に免疫するか又は抗体誘導方法が結合部 位において実際の化学反応を含むようなライブラリーから抗体を選択することに より解決される。(C.F.Barbas IIIら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991):vo l.88,p 7978(1991); K.D.Jandaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994):vol .191,p 2532.)次に、抗体を誘導するために用いられる抗原と化学反応性を共 有する基質と抗体が相互作用する場合にはその同じ反応が触媒機構の一部となる 。 有機化学の主な目標の1つは、反応機構の理解を用いて新しい触媒を設計する ことである。これは、高エネルギーや複雑な構造を有する中間体に取組まなけれ ばならないのでたいてい容易なことではない。抗体触媒は、化学反応の律速遷移 状態と相互作用し、よってエネルギーを低下させかつ反応速度を上げるように実 験者によってプログラムされる点でこの問題に1つの潜在的な解決を与える。(R .A.Lernerら,Science(1991): vol.252,p 659.)しかしながら、ここでさえ 触媒をプログラムする実験者の能力は詳細な反応機構よりはむしろ遷移状態の全 体的な態様に制限される。従って、反応座標に沿って生じる高エネルギー充足率 、立体電子構造、及び幾何構造を扱うことがきるが、多数の複雑な反応中間体の 組織化は依然として困難である。 アルドラーゼに効率を与える反応機構を用いるが基質の範囲及び抗体と有効な 立体化学特異性を利用する反応機構を用いる抗体誘導方法が求められている。化 学と生物学において最も基本的なC−C結合形成反応であるとも言えるアルドー ル縮合によって炭素−炭素結合を形成する問題に対して化学と酵素の簡便な方法 の最良の特徴を融合する戦略が求められている。要約 本発明は、アルドール反応を触媒する抗体の作成に関する。触媒抗体は、安定 なビニローグアミド、即ち、共有結合抗体/ハプテン複合体の生成による抗体の 結合ポケットのリシン(Lys)残基を共有結合でトラップする反応性化合物を免疫 することにより作成される。クラスIアルドラーゼ天然酵素によって用いられる 触媒機構をミミックするこれらの触媒抗体の触媒機構が開示される。 共有結合抗体/ハプテン複合体を形成するために用いられる同様の反応機構が アルドール反応を触媒するために用いられる。触媒作用中、抗体は Lysのε−ア ミノ基を用いてケトン基質とエナミンを生成し、次に、新生炭素求核剤としてこ のエナミンを用いて新しい炭素−炭素結合を形成する。本明細書に開示される触 媒抗体は、幅広い基質特異性及びクラム・フェルキン方向とアンチクラム・フェ ルキン方向双方の反応のジアステレオ面の選択性を制御する能力を特徴とする。 更に詳細には、本発明の態様は、脂肪族ケトンドナーとアルデヒドアクセプタ ー間のアルドール付加反応を触媒する抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子 に関する。これらの抗体は、ε−アミノ基を有するリシンをもっていることを特 徴とする。更に、1,3−ジケトンハプテンと触媒抗体のリシンのε−アミノ基間 の複合体の形成によって1,3−ジケトンハプテンによる阻害を受けることを特徴 とする。複合体の実質は、安定な共有結合ビニローグアミド、複合エナミン又は シッフ塩基とすることができる。好適実施態様においては、抗体分子はクラム・ フェルキン方向とアンチクラム・フェルキン方向双方のアルドール付加反応のジ アステレオ面の選択性を制御する。好ましい脂肪族ケトンドナーとしては、下記 構造によって表される化合物が含まれる。 好ましいアルデヒドアクセプターとしては、下記構造によって表される化合物が 含まれる。 本発明の他の態様においては、ATCC受託番号 HB12005を有するハイブリドーマ 38C2又はATCC受託番号 HB12004を有するハイブリドーマ 33F12によって分泌され る請求項1記載の分子に関する。 本発明の別の態様は、培養液中で培養する場合にアルドール付加反応を触媒す る上記で示したモノクローナル抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子を産生 する細胞に関する。好適実施態様においては、細胞は培養液中にモノクローナル 抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子を分泌するタイプである。ハイブリド ーマ細胞、即ち、ATCC受託番号 HB12005を有するハイブリドーマ38C2のハイブリ ドーマ細胞及びATCC受託番号 HB12004を有するハイブリドーマ 33F12のハイブリ ドーマ細胞が好適実施態様である。 本発明の態様は、更に、脂肪族ケトンドナーとアルデヒドアクセプター間のア ルドール付加反応を触媒する方法に関する。該方法は、請求項1記載の抗体分子 又は抗体結合部位部分を含む分子の触媒的に有効な量と、脂肪族ケトンドナーと 前記アルデヒドアクセプターとを水性培養液中で混合して反応混合液をつくるこ とにより開始する。反応混合液をつくった後、抗体分子又は抗体結合部位部分を 含む分子が脂肪族ケトンドナーとアルデヒドアクセプター間のアルドール付加反 応を触媒するのに十分な時間維持される。上記合成法の好適方法においては、抗 体分子又はその抗体結合部位部分を含む分子はATCC受託番号 HB12005を有するハ イブリドーマ38C2又はATCC受託番号 HB12004を有するハイブリドーマ 33F12によ って分泌される。 本発明の代替的方法は、脂肪族ケトンドナー、アルデヒドアクセプター、及び モノクローナル抗体又はモノクローナル抗体のパラトープ含有部分の触媒的に有 効な量をpH約6〜10の水性培養液中で混合して反応混合液を形成することに よりアルドール付加反応を行う方法に関する。モノクローナル抗体又はそのパラ トープ含有部分は、脂肪族ケトンドナーと反応してエナミン中間体を形成するε −アミノ基を有するリシンを含むタイプを有する。反応混合液を形成した後、エ ナミン中間体がアルデヒドアクセプターと反応してアルドール付加生成物を生成 するのに十分な時間生物学的な反応条件下で維持される。 本発明の他の態様は、培養液中で培養する場合に脂肪族ドナーとアルデヒドア クセプター間のアルドール付加反応を触媒する抗体分子又は抗体結合部位部分を 含む分子を産生する細胞の調製方法に関する。該方法は、1,3−ジケトンハプテ ンを含む免疫原を動物に免疫することにより開始する。次に、動物を、ハプテン リガンドと免疫反応する抗体を分泌するのに十分な時間維持する。次に、抗体分 子又は抗体結合部位部分を含む分子をコード化する遺伝子を、動物を維持し免疫 した抗体産生細胞からホスト細胞へ移入してハイブリッド細胞を形成する。ハイ ブリッドホスト細胞は、少なくとも2種の供給源からの遺伝子を含有する。形成 したハイブリッドハイブリッド細胞は、2つの特性をもっている。即ち、(i) 培養した場合に、移入された遺伝子から抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分 子を産生し、(ii)ほぼ無制限に培養される。次に、抗体分子又は抗体結合部位 部分を含む分子を産生するのに十分な時間ハイブリッド細胞を適切な培養液中で 培養する。次に、培養したハイブリッド細胞から抗体分子又は抗体結合部位部分 を含む分子を回収する。次に、得られた抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分 子についてアルドール付加反応に対する触媒活性をスクリーニングする。最後に 、脂肪族ドナーとアルデヒドアクセプター間のアルドール付加反応を触媒する抗 体分子又は抗体結合部位部分を含む分子を産生する同定したハイブリッド細胞の クローンを増殖する。好ましいハイブリッド細胞は、ハイブリドーマ細胞である 。図面の簡単な説明: 図1は、アルドール付加反応を触媒するクラスIアルドラーゼの一般機構を示 すスキームである(Laiら,Science 183,1204(1974); Morrisら,Biochemistry3 3,12291(1994); Rutterら,Fed.Proc.Amer.Soc.Exp.Biol.23,1248(1964 ))(Enz,酵素; B,塩基)。 図2は、1,3−ジケトンハプテン5を用いて抗体(Ab)結合ポケットの Lys残 基の実質的なε−アミノ基をトラップする機構を示すスキームである。安定な共 有結合ビニローグアミド(下方右側の図)の生成は、λ=316で検出される(εは 吸光係数 = 15000)。R = ρ(HOOC(CH2)3CONH)C6H4-. 図3は、1,3−ジケトンハプテン構造が化学トラップとエントロピートラップ の要素を含むことを示すスキームである。ハプテン5で誘導された結合ポケット は、アクセプター上のアルドールドナーの攻撃に適度なヒースコック角の達成を 妨げない。適当な攻撃形は、エナミン面とアルデヒド面双方の単純な回転によっ て得られる。 図4は、ハプテン5の合成を示す図である。工程は次の通りである。(a)LDA [2当量(eq)],THF,40℃,1時間;(b)4-ニトロベンジルブロミド,ヘキサメチ (ii)グルタル無水物,CH2CH2,収率 74%. 図5は、ビニローグアミド中間体(下方右側の構造;図2)の生成のための抗 体スクリーニングを示すグラフである。ハプテン5,5eqを、PBSバッファー (pH = 7.5)中各抗体の20mM溶液にマイクロタイタープレート方式で加えた。アル ドラーゼ触媒活性をもつ抗体は316nmでビニローグアミドの典型的な吸収最大 値を示した(上方ラインに示した例)が、不活性な抗体はいずれも示さなかった (下方ラインに示した例)。20個の中から2個の抗体がビニローグアミド中間 体(下方右側の構造;図2)を生成し、引き続き触媒することが求められた。こ の効率の良い方法は、多数の抗体の迅速なスクリーニングを与える。 図6(A)は、ビニローグアミド中間体(下方右側の構造;図2)の吸光係数 の定量を示すグラフである。所定の濃度(100mM)のハプテン5を表示した濃 度の抗体 33F12に加えた。抗体エナミン複合体は、2mM程度の抗体濃度で容易に 検出される。図6(B)は、抗体 38C2 の活性部位がアセチルアセトンで滴定さ れたことを示すグラフである。抗体濃度(20 mM)は一定とした。アセチルアセト ン(0〜4.5eq)を加え、316nmの吸収を測定した。2つのラインの交点は、抗体 38C2に対するアセチルアセトンの1.9の比率に対応し、抗体の両方の結合部位が エナミン付加物(下方右側の構造;図2)を形成することが示される。 図7は、順相HPLCキラル支持体カラムによる(6+7)とアセトンとの30%変換後 の抗体触媒反応の生成物分布を示す図である。 図8は、1.5%触媒の存在下に36時間にわたってモニターされるアルデヒド( 6+7)とアセトンのアルドール付加反応を示す図である。触媒は、複数のターンオ ーバー(〜2ターンオーバー/時間)を示し、ほとんど生成物阻害を示さなかっ た。レトロアルドール反応を最少にする過剰量のアセトン(5% v/v)の存在下に9 0%変換が得られた。完全な物質収支(上方ライン)は、脱離又は重合のような 副反応がその時間で起こらなかったことを示している。従って、抗体触媒アルド ール反応は、C−C結合形成の例外的な緩和な方法である。 図9は、抗体38C2の基質特異性を示す表である。各反応の速度論パラメーター kcatとKmをアルデヒド(12又は6+7)について計算した。アルドールドナー(ア セトン、2-ブタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン及びアセトアルデヒド)を各 実験において5% v/vの濃度で固定した。生成物 15/16と 18/19を各々94:4と 73: 27の比で生成した。 図10は、ヘック反応(Jeffreyら,J.Chem.Comm.1984,1287)を用いるp-ヨー ドアニリンからアルデヒド(6+7)と12の合成を示すスキームである。アルドール 付加の生成混合物は、化合物(6+7)と12からNaOH、水及びアセトンを用いて得ら れた。 図11は、ハプテン5、アルデヒド12及びアセトンから誘導された抗体38C2と33 F12 を用いて化合物13/14,pH = 7.02を得るアルドール反応の速度論を示す図で ある。Kcat= 4.0 10-3[min-1]; KM= 5.8[μM]. 図12は、ハプテン5、アルデヒド12及びアセトンから誘導された抗体38C2と33 F12 を用いて化合物 13/14を得るアルドール速度論とレトロアルドール速度論を 示す図である。前方向矢印: アルドール反応,pH = 7.44: Kcat= 6.7 10-3[mi n-1]; KM= 17[μM]; 逆方向矢印: レトロアルドール反応,pH = 7.22:Kcat= 4.4 10-3[min-1]; KM= 54[μM]. 図13は、ハプテン5から誘導された抗体38C2と 33F12及び生成物 13/14を用い てアルデヒド12とアセトンを生成するレトログレードアルドール反応速度論を示 すスキームである。手順は次の通りである。0.2 mM EDTA 、100 mMトリス、4.5m g酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、0.43 mg NADH及び4 mMb-ヒドロキシケトン 4を含む溶液、100 ml,pH = 7.22 をマイクロタイタープレートの4個のウェル に導入した。抗体38C2と33F12(100 ml,34.6 mM,トリスバッファー,pH = 7.2 2)を2個の異なるウェルに加え、残りのウェルに100 mlバッファーを加え、ブ ランクとした。340 nmの紫外線吸光度を24時間15分毎に測定した。触媒反応から ブランクの吸光度を引き、ε= 6220 M-1 cm-1を用いて速度を求めた。レトログ レードアルドール反応,PH = 7.22: Kcat= 3.7 10-3[min-1]; KM= 46[μM].詳細な説明 : 抗体の活性部位の必要な Lys残基を双方でトラップするハプテン、実質的なエ ナミン中間体を生成する抗体を誘導するハプテン、及び二分子反応に固有のエン トロピー障壁を克服する2つの基質の適切な結合部位を誘導するハプテンが設計 される。シンプルな1,3−ジケトンハプテン5は、図2に示されるように、ケミ カルトラップとエントロピートラップ双方の要素を与える。水中では、図示され たハプテンのケト形はエノール形より3:1の比で優先する。(M.Moriyasuら ,J.Chem.Soc.Perkin Trans.II(1986): p 515.)ハプテンが抗体と相互作用 する場合に予想されるアルドール付加の反応座標と反応機構は、いくつかの共通 中間体を共有する。両者の場合において、脱水してカチオンイミニウムを得、こ れがエナミンに互変異性化する4面体のカルビノールアミン中間体が生じる。ハ プテン反応機構に従って誘導された抗体がアルドール反応の反応座標に沿って類 似の遷移状態とカチオン中間体を安定化することが予想された。1,3−ジケトン ハプテンと抗体との反応の推進力は、ハプテンとリシンのε−アミノ基間の安定 な共有結合ビニローグアミド又は複合エナミンの形成である。エノンのウッドワ ード法則を用いる計算からビニローグアミドがその同定を可能にする適切な紫外 線スペクトル領域に吸収最大値をもつことが示された。λmax= 318 nm(E.Prets ch ら,Tables of Spectral Data for Structure Determination of Organic Compounds, (Springer-Verlag,Berlin,ed.2,1989),p.U20.)この タイプの化合物の安定性とスペクトル特性は、ウェステイマーと共同研究者らに よるアセトアセテートデカルボキシラーゼの研究で以前に言及された。(W.Tag akiら,Biochemistry(1968): vol.7,p 905.)我々は、ジケトンケミカルトラ ップにおいて第2基質(アルドールアクセプター)の取込みによるエントロピー 優位を予想した。エントロピー効果は、天然酵素の速度加速に対して108〜1011 だけ生じ得ることができることが示されている。(M.I.Pageら,Proc.Natl.Ac ad.Sci.U.S.A.(1971):vol.68,p 1678.) 開示された反応の好ましい例は、アセトンの3-フェニルプロピオンアルデヒド 誘導体へのアルドール付加である。第2基質は、ハプテンの3-フェニルプロピオ ノニル部分によって示される。ジケトンハプテンにおける2つの基質の束縛によ り、アルデヒドについてのエナミンの攻撃のヒースコック角がC−C結合形成の 律速遷移状態において最も外の90°までねじられる基質複合体が存在する。( E.P.Lodgeら,J.Am.Chem.Soc.(1987): vol.109,3353.)これは、図3に 示されるようにエナミン面とアルデヒド面双方の回転が適度なヒースコック角を 与えなければならないことから予想されず触媒反応において主な障害でないこと も証明された。 本明細書に開示される本発明の中心概念は、共有結合反応機構を用いる触媒が 反応性化合物を免疫することにより誘導されることである。本明細書に示される 本原理の例は、シッフ塩基又はエナミン機構が含まれるがこれに限定されない。 本方法は、達成されるべき化学が非共有結合相互作用の協奏によってでも容易に 達成されるものの範囲を超える場合には特に有効である。実施例化合物3の合成(図4) 化合物3:CaH2上で蒸留したジイソプロピルアミン(1.43 ml,2.1 eq)を乾燥THF (80 ml)に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、ヘキサン中 1.6 Mブチルリチウ ム(6.4 ml,2.1 eq)を徐々に加えた。LDA(リチウムジイソプロピルアミド)の無 色溶液を0℃で30分間維持し、ヘキサメチルホスホルアミド(0.8 ml,0.9 eq)を 加えた。乾燥THF(20 ml)に溶解した新たに蒸留した2,4-ペンタンジオン(0.5 ml, 1.0 eq; Aldrich)を徐々に加えた。混合液を40℃まで1時間加熱した。ジアニオ ンの黄色溶液を -78℃に冷却し、乾燥THF(20 ml)に溶解した4-ニトロベンジルブ ロミド(20 ml)を徐々に加えた。温度を -40℃まで徐々に(〜20分)上げた(TLC 対照: AcOEt/石油エーテル 1:3)。反応液をCH2Cl2と NH4Cl飽和溶液(100 ml)の 氷冷混合液に注入した。層分離した後、水相をCH2Cl2で再抽出した。合わせた有 機相を MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発した。残留物をカラムクロマトグラフィー(S iO2,230-400メッシュ,AcOEt/石油エーテル 1:3)で精製して3(544 mg,48%)を 黄色固形物として得、これをAcOEt/石油エーテル 1:3から再結晶した。1H NMR(C DCl3,300 MHZ): エノール形 d 8.12 - 8.19(m,2H),7.33 - 7.41(m,2H),5.4 7(s,1H),3.05(t,J = 7.5,2H),2.65(t,J = 7.5,2H),2.08(s,3H); 13C N MR(CDCl3,125 MHZ): エノール形 d 192.7,190.3,148.5,129.2,123.7,100. 1,39.2,30.9,24.5; 部分ケト形 d 146.5,57.7,44.2,28.9; IR(ニート)nmax 3078,2928,2853,1706,1600,1516,1343,1108,854 cm-1; MS m/z(相 対強度)236(M + H+,100); C12H13NO4(235.239).ジケトンハプテンの合成(図4) 化合物5:ジケトン3(100 mg,0.43 ミリモル)をEtOH(10 ml)に溶解した。10 % Pd/C(45 mg,0.1 eq)を加え、混合液を強くかきまぜて45分間水素添加した(TL C: CH2Cl2/Et2O 1:3)。スラリーをセライトでろ過し、CH2Cl2(〜50 ml)で洗浄し 、MgSO4で乾燥した。溶媒を蒸発して粗アミン4を得、これをCH2Cl2(15 ml)に再 溶解した。この溶液を0℃まで冷却し、グルタル無水物(53 mg,1.1 eq)を加え た。混合液を室温で1.5時間攪拌した(TLC: CH2Cl2/Et2O 1:3)。この溶液を0.2 N NaOHで抽出した。水相を2 N HCl でpH = 1.0まで酸性にし、AcOEt(15 ml) で3回抽出した。合わせた有機相を MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発して5(100 mg,7 4%)を白色固形物として得た。1H NMR(CDCl3,500 MHZ): エノール形 d 8.08(s ,1H),7.39 - 7.42(m,2H),7.06 - 7.10(m,2H),5.47(s,1H),2.86(t,J = 8.1,2H),2.54(t,J = 8.1,2H),2.39 - 2.44(m,4H),2.03(s,3H),1.98 - 2.04(m,2H); ケト形 d 8.13(s,1H),7.39 - 7.42(m,2H),7.06 - 7.10(m,2 H),3.56(s,2H),2.78 - 2.85(m,4H),2.39 - 2.44(m,4H),2.19(s,3H),1. 94 - 1.98(m,2H); 13C NMR(CDCl3,125 MHZ):エノール形 d 193.3,191.3,178 .0,171.3,136.7,135.9,128.7,120.3,100.1,36.9,36.0,33.0,30.8,24 .8,20.6; 部分ケト形 d 57.8,45.1,32.9,28.7,19.6; IR(KBr)nmax3325 ,3113,3044,2935,1696,1658,1602,1531,1413,1311,918,830,683 cm-1 ; MS m/z(相対強度)320(M + H+,92); C17H21NO5(319.357).注: ジケトン 5の約 83%が CHCl3中でケト形である。ハプテンのキャリヤタンパク質へのカップリング ハプテン5を、一般に用いられる担体タンパク質キーホールリンペットヘモシア ニンにHarlowら,Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Labo ratory,1988,79に指定された条件に従ってカップリングした。ハイブリドーマ細胞系からの抗体の生産 129 GIX+マウス(Scripps Research Institute)を免疫した後、5に対するハイ ブリドーマ産生抗体20個を G.Kohlerら,Nature 256,495(1975)に記載される 標準法で得た。次に、各細胞系からの抗体を硫酸アンモニウム沈降、アニオン交 換、及び V.E.Gouverneurら,Science 262,204(1993)に記載されるプロテイ ンGアフィニティークロマトグラフィーで精製した。20個の抗体を単離した。抗体のスクリーニング(図5) 20 mM 抗体を100 mMのジケトンハプテン5とインキュベートすることにより、全 20個の抗体について図2に示される提案した安定なビニローグアミドの生成能を マイクロタイタープレート分析においてスクリーニングした(図5)。2つの抗体3 8C2と 33F12が、図2に示される提案したビニローグアミドに特有の316 nmにお いて強い吸収最大値を示し、318 nmのタンパク質の存在しないときの吸収最大計 算値に近似した(図5)。5をリシンと同じ条件下でインキュベートすることによ り吸光度の上昇は生じなかった。吸光係数の定量(図6A) 抗体の吸光度を引いた後の抗体−エナミン複合体の吸光係数は15000 cm-1M-1で あり(図6A)、アセトピルベートと酵素アセトアセテートデカルボキシラーゼと の反応の測定値,19000 cm-1M-1に近似した。(W.Tagakiら,Biochemistry(1968 ): vol.7,p 905.)アセチルアセトンを用いた滴定による抗体/エナミン複合体の化学量論の定量( 図6B) 抗体が合成反応においてアセトンによりエナミンを生成することが予想されるこ とから、ビニローグアミド発色団の測定はハプテンのアルドールアクセプター( ベンジル)部分に依存しないものでなければならない。我々は、最少のジケトン が発色団を生じると予想されるアセチルアセトンを試験した。両方の抗体がこの 化合物と反応し、予想した吸光度スペクトルを生じた。抗体/エナミン複合体の 化学量論を求めるために、Tagakiら,Biochemistry 7,905,1968 の条件に従っ て抗体のアセチルアセトンによる滴定を行った。エナミンを生じる反応が不可逆 的であることを前提とすると、滴定の化学量論は抗体活性部位の濃度に対応しな ければならない。滴定は抗体に対するアセチルアセトンの比率1.9を示し、抗体 の2つの同じ抗原結合部位の各々がビニローグアミド付加物を形成することを意 味する(図6B)。ビニローグアミドの生成の触媒作用は、抗体とハプテンの混合 の際に実質的に完結しかつこの反応の速度の定量がストップトフローキネティク ス実験を必要とするのに十分迅速であった。抗体の存在下アルデヒドにアルドールドナーを付加してβ−ヒドロキシケトンを 生成する(図9) 抗体38C2と 33F12についてアルドールドナー(アセトン、2-ブタノン、3-ペンタ ノン及び2-ペンタノン)のアルデヒド6、7及び12への付加の触媒能を分析した (図9)。典型的な手順は次の通りである。0.2 mM EDTA 、100 mMトリス及び約 5% v/v(ドナー容量/溶媒容量)のアルドールドナー濃度を有する 100μl のpH 7.5 バッファー溶液をマイクロタイタープレートのn個に導入した。抗体38C2と 33F12(100 μl,34 μM,トリスバッファー,pH=7.5)を別個のウェルに加えた。 残りのウェルには100 mlのバッファーのみ加え、ブランクとした。340 nmの紫外 線吸光度を24時間15分毎に測定した。ブランクの吸光度を触媒反応から引き、ε = 6220 M-1cm-1を用いて速度を求めた。抗体38C2と 33F12は、同じkcat= 4.53 10-3min-1であった。これはHPLC測定と十分に相関する。β−ヒドロキシケトン の消費と生成を次のように逆相高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)でモニター した。RP-C18カラム(MICROSORB-MV,0.45 cm/22 cm)を75/25; H2O(0.1%トリフル オロ酢酸)/H2O:アセトニトリル 1:1,1.5 ml/分の均一なプログラムで用い、25 4 nmでモニターした。アルデヒド12とアルドール生成物(13,14)の保持時間は、 各々6.35分及び8.78分である。速度論実験についてはケトン濃度を5% v/vに固定 し、アルドール付加反応の実験では12又は 6+7の濃度を30〜 200μM に変動させ た。アニオン交換カラムを用いた追加の精製工程後にも抗体を分析し、同じ結果 であった。レトロアルドール反応の分析(図13) 両者の抗体は、ミカエリス・メンテン速度論によるアルドール付加の触媒作用 を示した。レトロアルドール反応においてβ−ヒドロキシケトン4からアセトン とアルデヒド3を生成するこれら2抗体の能力を、アルコールデヒドロゲナーゼ とβ−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、還元形(NADH)によるカップリン グ酵素分析において340 nmのUV吸光度の低下を追跡することによりモニターした 。典型的な手順は次の通りである。0.2 mM EDTA 、100 mMトリス、4.5 mg酵母ア ルコールデヒドロゲナーゼ、0.43 mg NADH及び4 mMβ−ヒドロキシケトン(13,14 )を含む溶液、100 ml、pH = 7.5をマイクロタイタープレートの4ウェルに導入 した。抗体38C2と 33F12(100 ml,34.6 mM,トリスバッファー,pH = 7.5)を2 つの別個のウェルに加えた。残りのウェルには100 mlのバッファーのみ加え、ブ ランクとした。340 nmの紫外線吸光度を24時間15分毎に測定した。ブランクの吸 光度を触媒反応から引き、ε = 6220 M-1cm-1を用いて速度を求めた。抗体38C2 と33F12 は、同じkcat= 4.53 10-3min-1であった。これはHPLC測定と十分に相 関する。アルデヒド12の生成を、アルコールデヒドロゲナーゼによる続いての還 元及びNADHの消費によってモニターした。レトロアルドール反応をHPLCによって 実験し、同じ結果を得た。抗体38C2についてのミカエリス定数KMと触媒速度定数 kcat値は、各々 54 μM と4.4 ×10-3 min-1であった。残りの18個の抗体は、合 成及びレトロ合成アルドール反応を触媒するのに不安定であり、重要な中間体を 生成したもののみ活性であることが示された(図13)。アルドール反応に対する基質阻害 エナミン中間体を含むアルドール反応を阻害するハプテン5とアセチルアセト ンの能力を確認した。3当量のハプテン5か又はアセチルアセトンを供給した場 合、アルドール付加又はレトロアルドール分析の前に触媒活性が完全に阻害され 、1,3-ジケトンとエナミン中間体とのトラッピングが Lysε−アミノ基を含む触 媒作用を妨げることが示された。トラッピング分析におけるハプテン及び触媒分 析におけるアセトンとのエナミン生成が同じ Lys残基に依存することを確かめる ために、アセトンとインキュベートした抗体を NaBH4で処理した。アセトンと抗 体中の Lysε−アミノ基との反応において生成したイミン中間体を NaBH4で還元 すると、必要なアミンの不可逆イソプロピル化が生じた(Changら,Science 183 ,1204(1974); A.J.Morrisら Biochemistry 33,12291(1994))。処理後、ジケ トンによるビニローグアミドの生成能において抗体は完全に失活した。これらの 実験から、1,3-ジケトンハプテンで誘導された反応機構と残留物は触媒反応にお いて回復したものと同じであることが証明される。抗体アルドラーゼは、広範囲 の至適pH6〜10を示し、クラスI天然アルドラーゼで見られるものに近似した。アルドールドナーの効率 抗体は、アルドールドナー基質としてアセトン、フルオロアセトン、クロロアセ トン、2-ブタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン及びジヒドロキシアセトンを受 容する。2-ブタノン及び2-ペンタノンとの反応においては、抗体は最も置換され たエナミンの優先的生成によってアルドール付加の位置選択性の制御を示す。こ れらの基質との触媒作用の相対効率は、ペンタノンに対するアセトン系の kcat/ KMで反映するように1/42倍向上する(図9,エントリー1,3又は5)。抗体は、ドナー としてアセトアルデヒドを受容せず、アルドール付加がアルドールドナーとして のケトンによることが証明される。我々が単離した2つの触媒は、ドナーとして アセトン又は脂肪族ケトン及びアクセプターとして3-フェニルプロピオンアルデ ヒド誘導体によるアルドール付加に対する点で制限される。3- フェニルプロピオンアルデヒドアクセプター(6+7)とアルドール反応してβ− ケトン生成物を生じる(9,10) 分枝鎖の3-フェニルプロピオンアルデヒアクセプター(6+7)(図9,エントリー1)と アセトンとの反応は、最も効率が良く、ほとんど生成物阻害を示さなかった(図8 )。実際に、1%未満の触媒が比較的短い時間で基質の高変換を得るのに十分で ある。反応は、消費した各モルのアルデヒドがβ−ヒドロキシケトン生成物(9,1 0)(図8及び9)に変換されるので所望のアルドール生成物のみ生じる。この反応 については、抗体分析に用いられる同じ条件下でpH = 7.5の触媒しないバックグ ラウンド反応速度、kuncat= 2.28×10-7 M-1min-1が求められた(Reymondら,Te trahedron Lett.36,2575(1995))。これにより、抗体仲介触媒の効率を求める ことができる。両抗体、38C2と 33F12の(kcat/ KM)/ kuncatは〜109 である 。触媒の効率は、大部分が高有効モル濃度、kcat/kuncat〉105 Mとして反映され る抗体触媒反応でのエントロピー利点によるものである。抗体アルドラーゼの触 媒効率(kcat/ KM)は最も実験された酵素フルクトース−1,6−ビスホスフェート アルドラーゼより〜1/4000倍速くなるだけである(Changら,Science 183,1204( 1974); Tolanら,Biochemistry 33,12291(1994))。図9、エントリー1に示さ れた反応の抗体38C2の触媒効率は、酵素2−デオキシロボース−5−ホスフェー トアルドラーゼによる触媒で得られたものより64倍大きい。アルドール生成物の生成物分布 (6+7)とアセトンとの抗体触媒反応の生成物分布を確認した。キラル支持体の順 相HPLCカラムで 30%変換した後に生成物分布を求めた(図7)。抗体は共に、この 基質の C-2の立体化学に無関係に(6+7)のリフェースへのジアステレオ選択付加 を触媒する。4個のジアステレオマーが均一プログラム 7/1; ヘキサン/エタノ ール,1 ml/分,254 nmによるDAICELキラルパックOJカラム上で分離した。4個 の異性体の保持時間は、19.74(4R,5R)、23.32(4R,5S)、25.15(4S,5R)及び 27.91(4S,5S)であった。相対配置は以前に求められている[RP-C18カラム(MIC ROSORB-MV,0.45 cm×22 cm)を 77/23; H2O(0.1%トリフルオロ酢酸)/H2O:アセト ニトリル 1:1,1.5 ml/分で用い、254 nmでモニターした]。アルデヒド(6+7) とβ−ヒドロキシケトン(13,14)の保持時間は、各々 19.20分と 21.92分である 。 絶対配置は、触媒が2−デオキシロボース−5−ホスフェートアルドラーゼ(DER A)である実験から演繹した。DERAは、 C-4の(S)配置をもつアルドール生成物の みを生じる(C.-H.Wong & G.M.Whitesides,Enzymes,Synthetic Organic Chem istry(Permagon,Oxford,1994)。DERAによって生じたアルドール生成物は、(4S ,5R)-(化合物9)(92%ジアステレオマー過剰,de)と(4S,5R)-(化合物10)(>95%de)の 1:4.5混合物からなる。この特定の形質転換の速度論パラメーターはkcat = 4.5 ×10-2min-1及びKm = 3400 mMであった。アルドール反応は、(S)-(6)について はクラム・フェルキン方法により(4S,5S)-9 生成物を生じ、(R)-(7)については アンチクラム・フェルキン方法により(4S,5R)-10生成物を生じる。抗体は同様の 化学収率でこれらの生成物を生じ、アルドール付加においてラセミ体アルデヒド の速度論分割を示さなかった。2つの抗体は、アセトンの求核基抗体−エナミン に相対する抗体の結合ポケットにおいて(6+7)に配向させる触媒の能力を反映す る反応のジアステレオ面の選択性の制御能で区別する。この区別を示す結合は、 また、抗体における(6+7)のKMの差に反映される(図9)。化合物20の合成(図10) 化合物20: 1.0当量の4-ヨードアニリン(Aldrich)を0.10モル塩化メチレンに懸 濁し、0℃に冷却した。次に、1.1当量の酢酸無水物と 1.1当量のトリエチルア ミンを加え、混合液を0℃で2時間攪拌した。tlcでモニターされた反応が完了 すると、混合液を塩化アンモニウム、水の連続飽和溶液洗浄液で急冷し、硫酸マ グネシウムで乾燥した。化合物を蒸発し、フラッシュカラムクロマトグラフィー で精製して化合物20を全収率 81%で得た。化合物(6+7)の合成(図10) 化合物 6+7: Jeffreyら,J.Chem.Soc.Chem.Comm.,1287(1984)から変更し たヘック反応を用いる手順: 1.0当量の化合物20を窒素下25〜30℃で0.10モルの ジメチルホルムアミドに懸濁した。次に、1.1当量の重炭酸ナトリウム、1.1当量 の2−メチル−2−プロペン−1−オール(Aldrich)及び2モル% PdCl2を加え、 混合液を12時間攪拌した。tlcでモニターされるように反応が完了すると、混合 液を酢酸エチルで希釈し、塩化アンモニウム、水の連続飽和溶液洗浄で急冷し、 硫酸マグネシウムで乾燥した。化合物を蒸発し、フラッシュカラムクロマトグラ フィーで精製して化合物 6+7を全収率 81%で得た。化合物(12)の合成(図10) 化合物12: Jeffreyら,J.Chem.Soc.Chem.Comm.,1287(1984)から変更した ヘック反応を用いる手順: 1.0当量の化合物20を窒素下25〜30℃で0.10モルのジ メチルホルムアミドに懸濁した。次に、1.1当量の重炭酸ナトリウム、1.1当量の アリルアルコール(Aldrich)及び2モル% PdCl2を加え、混合液を12時間攪拌した 。tlcでモニターされるように反応が完了すると、混合液を酢酸エチルで希釈し 、塩化アンモニウム、水の連続飽和溶液洗浄で急冷し、硫酸マグネシウムで乾燥 した。化合物を蒸発し、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して化合物 12を全収率 81%で得た。化合物の合成(8-11: 13,14 - 図10) 典型的には、50〜100 mgのアルデヒド、1mlのケトン、4mlの H2O及び10mlの NaOH飽和溶液を1時間振盪した。生成物を分離し、分取用逆相HPLCで精製した。触媒特異性の確認 : 天然酵素はアルドールアクセプターに対して広範囲な特異性を示すが、アルド ールドナーは一般的には天然基質に制限される。合成において天然酵素の適用を 最も制限する態様は、基質の範囲のかなり不十分な受容である。対照的に、本明 細書に開示されるアルドラーゼ抗体のドナー基質の特異性は、天然酵素と比べて 非常に向上する。例えば、抗体触媒を実験したケトン(図9)の中でアセトンだけ が天然酵素の基質である。対照的に、抗体アルドラーゼは様々なアルドールドナ ーとアクセプターを用いることができる。抗体は、アルドールドナー基質として アセトン、フルオロアセトン、クロロアセトン、2-ブタノン、3-ペンタノン、2- ペンタノン及びジヒドロキシアセトンを受容する。2-ブタノン及び2-ペンタノン との反応においては、抗体は最も置換されたエナミンの優先的生成によりアルド ール付加の位置選択性の制御を示す。これらの基質との触媒の相対効率は、ペン タノンに対するアセトン系において kcat/KMで反映するように1/42倍向上する( 図9)。抗体がドナーとしてアセトアルデヒドを受容しないことにより、アルドー ル付加がアルドールドナーとしてのケトンによることが証明される。大体におい て、ジケトンハプテンはハプテン5の2つのケト位置のいずれかで反応する抗体 を誘導しなければならず、よってどちらかの方向でアルドール付加する触媒を生 成する(図9)。我々が単離した2つの触媒は、ドナーとしてアセトン又は脂肪族 ケトン及びアクセプターとして3-フェニルプロピオンアルデヒド誘導体によるア ルドール付加に対する点で制限される。付加抗体のスクリーニングは、3-フェニ ルプロパノン誘導体がアルドールドナーとして許容されかつ脂肪族アルデヒドが 図9に示されるようにアクセプターとして働く反応の触媒を示さなければならな い。ハイブリドーマの寄託 : ATCC受託番号 HB12005を有するハイブリドーマ 38C2(JW 38C2)及びATCC受託番 号 HB12004を有するハイブリドーマ 33F12(JW 33F12)の寄託は、ブダペスト条約 に従ってなされ、寄託期間は寄託機関での寄託日から30年間又は本出願から達す る米国特許の実施しうる存続期間のいずれか長いほうでなければなならない。寄 託機関で生育不能になる細胞系は、補充されなければならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ラーナ リチャード エイ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92037 ラジョラ イースト ローズラン ド ドライヴ 7750 (72)発明者 ワーグナー ユルゲン スイス ツェーハー 4054 バーゼル ホ ルーストラッセ 29

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.脂肪族ケトンドナーとアルデヒドアクセプター間のアルドール付加反応を触 媒する抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子であって、ε−アミノ基を有す るリシンをもち、1,3−ジケトンハプテンと前記触媒抗体のリシンのε−アミノ 基間の複合体の形成によって1,3−ジケトンハプテンによる阻害を受け、前記複 合体が安定な共有結合ビニローグアミド、複合エナミン及びシッフ塩基からなる 群より選ばれることを特徴とする、前記抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分 子。 2.クラム・フェルキン方向及びアンチクラム・フェルキン方向のアルドール付 加反応のジアステレオ面の選択性を制御する、請求項1記載の抗体分子又は抗体 結合部位部分を含む分子。 3.前記脂肪族ケトンドナーが下記構造によって表される群より選ばれる、請求 項1記載の抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子。 4.前記アルデヒドアクセプターが下記構造によって表される群より選ばれる、 請求項1記載の抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子。 5.ATCC受託番号 HB12005を有するハイブリドーマ38C2によって分泌される、請 求項1記載の分子。 6.ATCC受託番号 HB12004を有するハイブリドーマ 33F12によって分泌される、 請求項1記載の分子。 7.培養液中で培養した場合、脂肪族ケトンドナーとアルデヒドアクセプター間 のアルドール付加反応を触媒し、かつε−アミノ基を有するリシンをもち、1,3 −ジケトンハプテンと前記触媒抗体のリシンのε−アミノ基間の複合体の形成に よって1,3−ジケトンハプテンによる阻害を受け、前記複合体が安定な共有結合 ビニローグアミド、複合エナミン及びシッフ塩基からなる群より選ばれることを 特徴とする前記抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子を産生する細胞。 8.該培養液中に前記モノクローナル抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子 を更に分泌する、請求項7記載の細胞。 9.ハイブリドーマ細胞である、請求項8記載の細胞。 10.ATCC受託番号 HB12005を有するハイブリドーマ38C2である、請求項9記載の ハイブリドーマ細胞。 11.ATCC受託番号 HB12004を有するハイブリドーマ 33F12である、請求項9記載 のハイブリドーマ細胞。 12.脂肪族ケトンドナーとアルデヒドアクセプター間のアルドール付加反応を触 媒する方法であって、 工程A:請求項1記載のモノクローナル抗体分子又は抗体結合部位部分を含む 分子の触媒的に有効な量と、前記脂肪族ケトンドナーと前記アルデヒドアクセプ ターとを水性培養液中で混合して反応混合液を形成する工程;及び 工程B:前記工程Aの前記反応混合液を、前記抗体分子又は抗体結合部位部分 を含む分子が前記脂肪族ケトンドナーと前記アルデヒドアクセプター間の前記ア ルドール付加反応を触媒するのに十分な時間維持する工程 を含む、前記方法。 13.前記抗体分子又はその抗体結合部位部分を含む分子がATCC受託番号 HB12005 を有するハイブリドーマ38C2によって分泌される、請求項12記載の方法。 14.前記抗体分子又はその抗体結合部位部分を含む分子がATCC受託番号 HB12004 を有するハイブリドーマ 33F12によって分泌される、請求項12記載の方法。 15.アルドール付加反応を行う方法であって、 工程A:脂肪族ケトンドナー、アルデヒドアクセプター、及び該脂肪族ケトン ドナーと反応するε−アミノ基を有するリシンを含むモノクローナル抗体又は前 記モノクローナル抗体のパラトープ含有部分の触媒的に有効な量を混合すること により反応混合液を形成してエナミン中間体を形成する工程;及び 工程B:前記反応混合液を生物学的反応条件下で前記工程Aのエナミン中間体 が該アルデヒドアクセプターと反応するのに十分な時間維持してアルドール付加 生成物を形成する工程 を含む、前記方法。 16.培養液中で培養した場合、脂肪族ドナーとアルデヒドアクセプター間のアル ドール付加反応を触媒する抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子を産生する 細胞の調製方法であって、 工程A:1,3−ジケトンハプテンを含む免疫原を動物に免疫する工程; 工程B:前記動物が前記ハプテンリガンドと免疫反応する抗体を分泌するのに 十分な時間前記動物を維持する工程; 工程C:前記工程(B)の前記維持し免疫した動物の抗体産生細胞からの抗体 分子又は抗体結合部位部分を含む分子をコード化する遺伝子をホスト細胞に移入 して少なくとも2種の供給源から遺伝子を含むハイブリッド細胞を形成し、形成 したハイブリッド細胞が、(i)培養した場合に前記移入した遺伝子から抗体分 子又は抗体結合部位部分を含む分子を産生しかつ(ii)ほぼ無制限に培養される 工程; 工程D:該ハイブリッド細胞を適切な培養液中で該ハイブリッド細胞が抗体分 子又は抗体結合部位部分を含む分子を産生するのに十分な時間培養する工程; 工程E:該培養したハイブリッド細胞から抗体分子又は抗体結合部位部分を含 む分子を回収する工程; 工程F:該アルドール付加反応を触媒する得られた抗体分子又は抗体結合部位 部分を含む分子をスクリーニングする工程;及び 工程G:該脂肪族ドナーと該アルデヒドアクセプター間のアルドール付加反応 を触媒する抗体分子又は抗体結合部位部分を含む分子を産生する前記同定ハイ ブリッド細胞のクローンを増殖する工程 を含む、前記方法。 17.前記工程Cで形成された細胞がハイブリドーマ細胞である、請求項12記載の 方法。
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