【発明の詳細な説明】
車体と装備品との改良された付着
本発明は、乗り物への装飾部品、例えば自動車の車体用のサイドモールディン
グおよび外部オーナメント並びにトラックトレーラーのアルミニウム外板、の改
良された付着に関する。より詳細には、本発明は、以前にはアクリル接着剤と封
止用フォームとの組み合わせでしか達成されなかった十分な接着能力、高温およ
び低温での好適な物理的性質、応力緩和特性並びに他の機能特性を有するように
特別に設計されたポリウレタンフォームにより、このような装飾部品を接着する
ことに関する。
ポリウレタンフォームシーラントは、伝統的に100%のジオール含有率を有す
るポリオール先駆物質、またはジオール、トリオールおよび含有率が1%未満の
モノオールの混合物を使用して調製されてきた。このポリオール材料は、イソシ
アネート先駆物質と反応して、さまざまなポリウレタンを生ずる。”Optimizing
Properties of Urethane Sealants,”Adhesives & Sealants Industry, June/J
uly 1994,pp.38-42を参照されたい。このようなポリウレタンシーラントは本質
的に粘着性または剥離抵抗をまったく有しておらず、装飾部品を乗り物に接着す
るのには有用ではない。
さまざまなタイプのポリウレタン接着剤がよく知られており、典型的な組成物
は、米国特許第3,779,794号、第4,624,996号、第4,625,012号、第5,102,714号、
および第5,227,409号において開示されている。しかしながら、これらの製品は
、良好な接着力および自動車への装飾部品の取付に使用するのに望ましい他の物
理的性質を示すこともあるけれども、完全に好適な応力緩和能力および低温
特性をも有すると認められているものはまったく無い。ポリウレタン接着剤のこ
れらの問題を克服しようとして、接着剤とフォームとの組み合わせが提案されて
きた。例えばEP-A-0,601,582号は、感圧接着剤と組み合わせてフォームエラスト
マー基材を使用して、粗い表面への接着性を高めることを教示している。
商業的に入手可能な現行の接着剤とフォームとの組み合わせは、改良された応
力緩和能力を有するけれども、その市場の需要を満たすだけの接着力、多様な表
面上での剥離強さ、低温における劣化に対する耐性、伸びなどを十分に兼備して
はいなかった。これらの欠点は、自動車産業に存在している要求の厳しい系にお
いて特に顕著である。その産業においては、塗装された鋼製のまたは繊維強化プ
ラスチック複合材料製の乗り物の表面、および乏しい湿潤特性を有する熱可塑性
プラスチック、例えばオレフィンおよびポリ塩化ビニルから製造された装飾用装
備品が幅広く使用されている。
結果として、今日の自動車部品の付着のほとんどが、その乗り物およびその装
飾用装備品または部品に接着剤が接触するように、フォームストリップの両側を
高価なアクリル感圧接着剤層でコートすることによって行われている。自動車、
トラック、ボート、トレーラー、列車、および他の乗り物の製造の単純化および
そのコストの削減に対する要望が進行しているという観点から、研究開発は改良
された接着剤系を探求し続けている。本発明は、そうした進行中の研究の結果で
ある。
本発明は乗り物への装飾部品の接着方法を提供し、その方法は、
(a)約20〜55lbs/ft3の密度を有するポリウレタンフォームからなる感圧接
着剤を、その装飾部品の内面に適用すること、
(b)そのポリウレタンフォームにより形成される接着層によって、その乗り
物に、その装飾部品を接着すること、
という工程を含んでおり、その装飾部品と乗り物との間の接着層が、そのポリウ
レタンフォーム以外のいかなる接着剤も実質的に含んでおらず、その接着層が少
なくとも2lbs/インチのASTM D-1000-87法による剥離試験強さを有する。
本発明のポリウレタンフォームは、
(a)約3重量%を超えるモノオール分子含有率、2未満の官能価、約3,000
〜5,000の官能分子量、および25℃で約700〜1,500センチポアズの粘度を有する
、実質的に線状のポリエーテルポリオール、100部、
(b)約40〜50重量%の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、約15〜25
重量%の2,2-および2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、約10〜20重量%の
それらのジフェニルメタンジイソシアネートのオリゴマー、および約2重量%未
満のフェニルイソシアネートを含んでおり、約25〜30重量%のイソシアネート分
子含有率、25℃で約100〜200mPaの粘度、および約140〜170の当量を有する改質
ポリイソシアネート、12〜18部、
(c)熱的なウレタン触媒、0.1〜1部、
(d)シリコーン界面活性剤、1〜5部、並びに、
(e)発泡剤、8〜15部、
の反応混合物を含んでおり、その発泡剤により、その混合物中に十分なガスを導
入し、20〜55lbs/ft3の密度を得る。
上記ウレタンフォームは、1〜5部の連鎖延長剤、0.03〜3部の顔料、および
0.1〜1部のエポキシ安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の構成成分
をも含んでいてもよい。好ましいとされる態様においては、上記ウレタン触媒は
有機スズ触媒であり、その連鎖延長剤はジアルキレングリコールであり、そのエ
ポキシ安定剤はビスフェノールA/エピクロロヒドリンである。
上記装飾部品が陽極処理アルミニウム面を含んでおり、その陽極処理アルミニ
ウム面に上記ポリウレタンフォームが接着されている場合、その乗り物と装飾部
品との間の接着層は、感圧接着剤または下塗剤を使用することなく、少なくとも
6lbs/インチのASTM D-1000-87法による剥離試験強さを有する。
上記装飾部品が、熱可塑性オレフィンポリマーからなるか、または上記ポリウ
レタンフォームで湿潤させるのが困難な場合は、本発明の方法は、中間層組成物
、例えばアクリル接着剤、もしくはアクリルポリマー下塗剤、もしくはアクリル
ポリマー/ヒドロキシ基を末端に有するポリ塩化ビニルの下塗剤ブレンド、もし
くはシランカップリング剤を、そのポリウレタンフォームと乗り物との間に添加
し、その乗り物と装飾部品との間に、少なくとも6lbs/インチの剥離試験強さを
有する接着層を提供する工程をさらに包含している。しかしながら、本発明のポ
リウレタンフォームと組み合わせるのに必要とされる接着剤の量は、先行技術の
組み合わせに必要とされる量よりも約10〜60%少ない。
本発明において使用するポリウレタンフォームは、ヒドロキシ基を末端に有す
るポリウレタンプレポリマー、改質ポリイソシアネート、ウレタン触媒、界面活
性剤、並びに任意に連鎖延長剤、エポキシ安定剤、および顔料を含んでいる反応
混合物の反応生成物であって、ガラス微小泡もしくは他の発泡剤の存在下で、ま
たはそのポリウレタン生成物中に泡を生じさせる方法で、それらの構成成分を反
応させる。
好ましいとされる特徴においては、本発明はヒドロキシ基を末端に有するポリ
ウレタンプレポリマーを利用する。そのプレポリマーは、高い、すなわち約3重
量%を超えるモノオール分子含有率、2未満の官能価、並びに好ましくは、約3,
000〜5,000の分子量、お
よび25℃で約1,200〜1,800センチポアズの粘度を有する、実質的に線状のポリエ
ーテルポリオールから調製される。好適なポリエーテルポリオールは、Multrano
l 9111という商品名で、Bayer,Inc.により販売されている。そのポリオールは
、少量の改質ポリイソシアネートと反応して、そのプレポリマーを生ずる。
上記改質ポリイソシアネートは、イソシアネート混合物、例えば約40〜50重量
%の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、約15〜25重量%の2,2-お
よび2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、約10〜20重量%のこれらのMDIの
高級オリゴマー、および約2重量%未満のフェニルイソシアネートを含んでおり
、約25〜30重量%のイソシアネート分子(NCO)含有率、25℃で約100〜200mPaの
粘度、および約140〜170の当量を有するものであるのが好ましい。当業者は、他
のイソシアネート、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)もしくはさまざま
なイソシアネートを末端に有するプレポリマーも使用することができるというこ
とがわかるであろう。
上記ウレタン触媒は、熱的なまたは他の遅効性のウレタン触媒(すなわち熱に
より活性化される)、好ましくはスズ触媒、より好ましくは有機スズ、例えば有
機溶媒(例えばフタル酸ジオクチル、またはポリグリコール、またはさまざまな
ポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリオール)に溶解されていても
よい二オクタン酸第一スズである。本明細書中では、ウレタンとは、その主鎖の
構造がセグメント化されていることを特徴とするエラストマー生成物を表す。そ
れらの2つのセグメントは、硬質および軟質セグメントと呼ばれる。軟質セグメ
ントは上記高分子量ポリオールから形成されており、高い可撓性と低いガラス転
移温度とを特徴とする。連鎖延長剤から形成されている硬質セグメントは、その
エラストマーに引張強さおよび靭性を添える。
とりわけ上記ポリオールが公称で二官能価である場合には、上記連鎖延長剤物
質は少量だけ使用される。本明細書中で使用されているように、「連鎖延長剤」
は、分子あたりに約2〜4個の活性ハロゲン含有基、および約30〜500、好まし
くは約50〜100の当量を有する化合物を包含している。その官能価が約2.2を超え
、その化合物が好ましいとされる当量を有する場合に、より良好な粘着性が維持
される。連鎖延長剤の好ましいとされる量は、重量法で、本明細書中で説明され
ているポリオールプレポリマー100部に対して約1〜5部である。その連鎖延長
剤はジアルキレングリコール、例えばジプロピレングリコールであるのが好まし
い。
硬化の前または硬化の間に、上記ポリウレタン反応混合物を泡立てなければな
らない。適切なフォーム密度、引張強さ、伸び、および接着特性を維持するのに
、当該分野において既知のあらゆる方法を使用することができる。物理的手段、
例えば、その組成物の泡立てを使用してもよい。ガス、例えば空気、窒素、二酸
化炭素、または何か他の不活性ガスを、その反応混合物中にホイップして、ガス
のセルを生じさせる。化学的な膨張剤を使用してもよい。好適な膨張剤は、上記
ポリウレタンフォームの製造において遭遇する反応条件または硬化条件下でガス
を発生させる低沸点アルカン、ハロゲン化アルカン、アゾ膨張剤、および他の物
質、例えば水を包含している。
上記フォームは、ガラス微小泡をさらに含んでいて、フォームを発生させるの
が好ましく、それらの微小泡の直径は1〜150マイクロメートル、もっとも好ま
しくは15〜30マイクロメートルの範囲に及ぶ。
上記界面活性剤は、シリコーン界面活性剤であるのが好ましい。上記のさまざ
まな成分の良好な湿潤性および剥離紙上への良好なコ
ーティング特性を確実なものとする、あらゆる界面活性剤を使用することができ
る。界面活性剤の量は、重量法で、上記ポリオールプレポリマー100部に対して
約0.5〜1部であるのが好ましい。機械的手段を使用して上記組成物を泡立てる
場合は、界面活性剤含有率を2〜3倍に増やす。
上記接着剤は、顔料(任意)を含んで、特定の用途に望ましい色に上記フォー
ムを彩色していてもよい。顔料の例は、カーボンブラック、TiO2二酸化チタ
ン、およびFe2O3酸化鉄を包含している。
上記フォームは、それを熱劣化に対して安定化させるエポキシ安定剤をも有す
る。本明細書中で有用なエポキシ安定剤は、エポキシ化大豆油およびビスフェノ
ールA/エピクロロヒドリンを包含しており、重量法で、ポリオールプレポリマ
ー100部に対して約0.1〜1部で使用することができる。
接着剤およびポリウレタンフォームに使用することが既知のもののような他の
任意の構成成分は、そのポリウレタンフォームの引張強さ、伸び、熱安定性およ
び機械的応力安定性、並びに接着特性が、それらの使用によって損なわれない場
合には利用してもよい。
上記ポリウレタンフォームは、上記構成成分を混合し、その混合物を基材に適
用し、そこで、それを硬化させてポリウレタンフォームとすることによって形成
させてもよい。その反応混合物は、ドクターブレード、または、その基材上に層
を形成させるためのあらゆる好都合な方法で適用することができる。硬化は、加
熱によって行われるのが好ましいけれども、他のあらゆる好都合な方法よるもの
であってもよい。加熱は、実質的にすべてのイソシアネートを利用するのに十分
な時間、例えば約90℃〜200℃において、約2時間に及んで行い、その硬化の完
了は、遊離イソシアネート基の測定によ
り監視することができる。
上記方法の初めにポリオールプレポリマーが生じない場合には、上記反応混合
物の硬化前の粘度が低すぎて、従来の製造方法によっては剥離紙上では取り扱う
ことができない。万一、低粘度反応混合物がそのプレポリマーを含んでいない場
合には、そのポリウレタンフォームは、剥離紙上で硬化させて、そのフォームの
シートまたはストリップを得るのではなく、例えば剥離紙で裏打ちした金型中で
硬化させることができる。
従って、本発明の感圧ポリウレタンフォーム接着剤は、従来のウレタン技術を
使用して、特定の構成成分から製造することができるけれども、好ましいとされ
る手順には、まず上記ポリオールと上記改質ポリイソシアネートの一部とを、上
記ポリウレタン触媒の存在下で、室温において、攪拌下、数時間、好ましくは3
〜5時間にわたって反応させて、それらのプレポリマーを形成させ、約8,000〜1
5,000センチポアズの粘度を有しており、ヒドロキシ基を末端に有するプレポリ
マーとすることが必要である。そのプレポリマーを形成させるには、100部の高
級モノオールポリオールを、約2〜3部の上記改質ポリイソシアネートと反応さ
せる。その後、67.5部のそのプレポリマーを、約32.5部の高級モノオールポリオ
ール、12〜16部の追加の改質ポリイソシアネート、約8〜15部のガラス微小泡、
約1〜5部の連鎖延長剤、約3部以下の顔料、約0.1〜2部の界面活性剤、およ
び約0.l〜1部のエポキシ安定剤と併せ、均一に混合する。その均一な混合物を
、次に剥離紙上に希望する厚み、一般に0.4〜3mmにコートし、熱、例えば350°
F(176.7℃)で約3分間、に付して硬化させる。
1種またはそれ以上の接着剤層をコートしなければならない従来のフォーム貼
付テープとは異なり、本発明の方法は、そのフォーム
基材を自動車部品の表面に直接接着することを可能にする。このことによる利点
は低コストおよび改良された効率である。
本明細書中で使用するフォームは、類似および非類似材料の両方を接着/貼付
可能な感圧接着剤である。一般に、好適な材料は自動車部品用に通常使用される
、あらゆる金属またはプラスチック材料を包含している。このような材料は、ア
ルミニウム、ステンレス鋼、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性オレフィン(TPO
)およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)を包含しており、好
ましいとされる材料は、陽極処理アルミニウムまたは下塗りされたPVCもしくはT
POを包含している。
上記フォームは、高い、好ましくは約500%よりも高い、より好ましくは約700
%よりも高い伸びを示す。それらのフォームは、低い、好ましくは約30〜120psi
の、より好ましくは40〜80psiの引張強さを有する。それらのフォームは、約20
〜55ポンド毎立方フィートの、好ましくは約25〜45ポンド毎立方フィートの媒体
密度を有する。そのフォームのさまざまな基材に対する接着能力は、標準的な試
験、例えばASTM D-100-87法による180°剥離試験によって測定することができる
。そのフォームは、陽極処理アルミニウムに対して、少なくとも約6.0ポンド毎
インチ幅、好ましくは少なくとも約7.0ポンド毎インチ幅の180°剥離強さを示す
。
さらに、190°F(87.8℃)における死荷重剪断試験を行うことにより測定さ
れるものと同様の、高温における接着性は、72時間を超え、好ましくは96時間を
超える。その死荷重剪断試験は、感圧フォームの25mm×25mm片を接着した2枚の
25mm×75mm×0.4mmのアルミニウム片からなる試験片に1キログラムの重りを取
り付けることによって行う。
低温応力下、上記フォームは、-22°F(-30℃)の温度におい
て、Ford Motor Companyの低温ねじり要求ESBM3G89C2を満たす。
一般に、ほとんどの用途には不必要であるけれども、上記フォームの片側また
は両側に、従来のアクリル感圧接着剤の層を添加することによって、接着性を強
化してもよい。このような第2の接着剤層を有し、その第2の接着剤層を介して
ステンレス鋼に接着されているフォームは、少なくとも7.0ポンド毎インチ幅、
好ましくは少なくとも10.0ポンド毎インチ幅の180°剥離強さを示すであろう。
今ここに、以下の実施例に関して、本発明を説明する。これらの実施例は実例
としての目的のみのためのものであり、本発明を制限するものと考えるべきでは
ないということが理解される。
以下の実施例において、4,000のMWを有するポリプロピレンジオール(Multrol
9111 polyol)および2.3〜2.4のNCO官能価を有する高分子イソシアネート(Mondus
E-448)は、Pennsylvania州PittsburghのBayer,Inc.,Polymer Divisionから得
た。これらの物質を、4時間にわたって、またはフォームテープ剥離紙への適用
に好適な粘度(すなわち8,000〜12,000)が達成されるまで、攪拌下で、室温に
おいて、スズ触媒(New Jersey州ParsippanyのTyloから得られるT-190)と反応
させた。このプレポリマーを、次に、その他の構成成分と混合し、以下に説明さ
れているように硬化させた。実施例1
その接着剤フォームは、以下の組成を有していた。
a.Minnesota州 Minneapolisの3M Company
上記フォームを、好適な剥離ライナー上に1.2mmの厚みにコートし、350°F(
177℃)において3分間にわたって硬化させた。得られた生成物は、50psiの引張
強さおよび800%の伸びを有するポリウレタンフォームからなる感圧接着剤のシ
ートであった。
上記フォームを、陽極処理アルミニウムのエンブレム(emblem)の裏に取り付け
、続いてトラクタートレーラーのアルミニウム外板に取り付けた。24時間後、そ
のエンブレムを取り外すのに、25ポンドを超える力が必要であった。実施例2
実施例1のフォームを、陽極処理アルミニウムで裏打ちしたPVCモールディン
グに取り付け、続いてトラクタートレーラーのアルミニウム外板に接着した。24
時間後、そのモールディングの端部の接着性を失わせるのに、15ポンドの力が必
要であった。実施例3
実施例1のフォームを、New York州 Granvilleの Norton Perfor
mance Plasticsから得られるアクリルポリマーとヒドロキシ基を末端に有するポ
リ塩化ビニルとのブレンドであるTite-R-BondTM4070下塗剤で下塗りしたPVCモー
ルディングに取り付けた。そのモールディングを、続いてトラクタートレーラー
のアルミニウム外板に接着した。24時間後、そのモールディングの端部の接着性
を失わせるのに、15ポンドの力が必要であった。実施例4
実施例1のフォームの片側を、従来のアクリル感圧接着剤(H&N Chemical Com
panyから得られるPolytac 414)でコートした。その非アクリル側を、陽極処理
アルミニウムで裏打ちしたPVCモールディングに取り付けた。続いて、そのアク
リル側を、従来の自動車用塗料で塗装した板金パネルに接着して、自動車のドア
に取り付けられているモールディングをシミュレートした。24時間後、そのモー
ルディングの端部の接着性を失わせるのに、20ポンドの力が必要であった。実施例5
以下の組成を有する接着性フォームを調製した。
上記フォームを、好適な剥離ライナー上に1.2mmの厚みにコート
し、350°F(177℃)において3分間にわたって硬化させた。得られた生成物は
、35psiの引張強さおよび1000%の伸びを有するポリウレタンフォームからなる
感圧接着剤のシートであった。
上記フォームを、下塗りしたTPOモールディングの裏に取り付け、続いて、従
来の自動車用塗料で塗装した板金パネルに接着した。そのパネル上のモールディ
ングを、次に
・-30℃で8時間
・80℃で8時間
・室温で8時間
からなる環境サイクルに5回付した。
上記サイクル後、上記塗装パネルへの上記モールディングの接着不良はまった
く見られなかった。実施例6
上記ポリウレタンフォームおよび対照物質について、ASTM D-1000-87法による
180°剥離試験を行った。結果を以下に示す。
これらの剥離試験において、本発明のポリウレタンフォームは、
塗剤または接着剤を使用することなく、少なくとも2lbs/インチの剥離強さを
有していた。本発明のフォームに、単層のアクリル接着剤を組み合わせると、そ
の剥離強さは、アクリル接着剤と組み合わせた従来のポリウレタンフォームより
も57%も増大した。この改
良は、その従来のフォームの方に、16.6重量%のアクリル接着剤を追加して使用
したにもかかわらず観察された。従来のポリウレタンフォームは、0lbs/インチ
の剥離強さを特徴とする。
PVC装飾部品については、本発明のポリウレタンフォームは、PVC下塗剤といっ
しょにすると、優れた剥離試験結果を与えた。
【手続補正書】
【提出日】1998年11月20日
【補正内容】
明細書
車体と装備品との改良された付着
本発明は、乗り物への装飾部品、例えば自動車の車体用のサイドモールディン
グおよび外部オーナメント並びにトラックトレーラーのアルミニウム外板、の改
良された付着に関する。より詳細には、本発明は、以前にはアクリル接着剤と封
止用フォームとの組み合わせでしか達成されなかった十分な接着能力、高温およ
び低温での好適な物理的性質、応力緩和特性並びに他の機能特性を有するように
特別に設計されたポリウレタンフォームにより、このような装飾部品を接着する
ことに関する。
ポリウレタンフォームシーラントは、伝統的に100%のジオール含有率を有す
るポリオール先駆物質、またはジオール、トリオールおよび含有率が1%未満の
モノオールの混合物を使用して調製されてきた。このポリオール材料は、イソシ
アネート先駆物質と反応して、さまざまなポリウレタンを生ずる。"Optimiz1ng
Properties of Urethane Sealants,"Adhesives & Sealants Industry, June/Jul
y 1994,pp.38-42を参照されたい。このようなポリウレタンシーラントは本質的
に粘着性または剥離抵抗をまったく有しておらず、装飾部品を乗り物に接着する
のには有用ではない。
さまざまなタイプのポリウレタン接着剤がよく知られており、典型的な組成物
は、米国特許第3,779,794号、第4,624,996号、第4,625,012号、第5,102,714号、
および第5,227,409号において開示されている。しかしながら、これらの製品は
、良好な接着力および自動車への装飾部品の取付に使用するのに望ましい他の物
理的性質を示すこともあるけれども、完全に好適な応力緩和能力および低温特性
をも有すると認められているものはまったく無い。ポリウレタン接着剤のこれら
の問題を克服しようとして、接着剤とフォームとの組み合わせが提案されてきた
。例えばEP-A-0,601,582号は、感圧接着剤と組み合わせてフォームエラストマー
基材を使用して、粗い表面への接着性を高めることを教示している。
商業的に入手可能な現行の接着剤とフォームとの組み合わせは、改良された応
力緩和能力を有するけれども、その市場の需要を満たすだけの接着力、多様な表
面上での剥離強さ、低温における劣化に対する耐性、伸びなどを十分に兼備して
はいなかった。これらの欠点は、自動車産業に存在している要求の厳しい系にお
いて特に顕著である。その産業においては、塗装された鋼製のまたは繊維強化プ
ラスチック複合材料製の乗り物の表面、および乏しい湿潤特性を有する熱可塑性
プラスチック、例えばオレフィンおよびポリ塩化ビニルから製造された装飾用装
備品が幅広く使用されている。
結果として、今日の自動車部品の付着のほとんどが、その乗り物およびその装
飾用装備品または部品に接着剤が接触するように、フォームストリップの両側を
高価なアクリル感圧接着剤層でコートすることによって行われている。自動車、
トラック、ボート、トレーラー、列車、および他の乗り物の製造の単純化および
そのコストの削減に対する要望が進行しているという観点から、研究開発は改良
された接着剤系を探求し続けている。本発明は、そうした進行中の研究の結果で
ある。
本発明は乗り物への装飾部品の接着方法を提供し、その方法は、
(a)324〜890Kg/m3(20〜55lbs/ft3)の密度を有するポリウレタンフォーム
からなる感圧接着剤を、その装飾部品の内面に適用すること、
(b)そのポリウレタンフォームにより形成される接着層によって、その乗り
物に、その装飾部品を接着すること、
という工程を含んでおり、その装飾部品と乗り物との間の接着層が、そのポリウ
レタンフォーム以外のいかなる接着剤もまったく含んでいない場合に、少なくと
も0.357Kg/cm(2lbs/インチ)のASTM D-1000-87法による剥離試験強さを有する
。
本発明のポリウレタンフォームは、
(a)3重量%を超えるモノオール分子含有率、2未満の官能価、3,000〜5,0
00の官能分子量、および25℃で700〜1,500センチポアズの粘度を有する、実質的
に線状のポリエーテルポリオール、100部、
(b)40〜50重量%の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、15〜25重量
%の2,2-および2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、10〜20重量%のそれら
のジフェニルメタンジイソシアネートのオリゴマー、および2重量%未満のフェ
ニルイソシアネートを含んでおり、25〜30重量%のイソシアネート分子含有率、
25℃で100〜200mPaの粘度、および140〜170の当量を有する改質ポリイソシアネ
ート、12〜18部、
(c)熱的なウレタン触媒、0.1〜1部、
(d)シリコーン界面活性剤、1〜5部、並びに、
(e)発泡剤、8〜15部、
の反応混合物を含んでおり、その発泡剤により、その混合物中に十分なガスを導
入し、324〜890Kg/m3(20〜55lbs/ft3)の密度を得る。
上記ウレタンフォームは、1〜5部の連鎖延長剤、0.03〜3部の顔料、および
0.1〜1部のエポキシ安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の構成成分
をも含んでいてもよい。好ましいとされる態様においては、上記ウレタン触媒は
有機スズ触媒であり、その連鎖延長剤はジアルキレングリコールであり、そのエ
ポキシ安定剤はビスフェノールA/エピクロロヒドリンである。
上記装飾部品が陽極処理アルミニウム面を含んでおり、その陽極処理アルミニ
ウム面に上記ポリウレタンフォームが接着されている場合、その乗り物と装飾部
品との間の接着層は、感圧接着剤または下塗剤を使用することなく、少なくとも
1.07Kg/cm(6lbs/インチ)のASTM D-1000-87法による剥離試験強さを有する。
上記装飾部品が、熱可塑性オレフィンポリマーからなるか、または上記ポリウ
レタンフォームで湿潤させるのが困難な場合は、本発明の方法は、中間層組成物
、例えばアクリル接着剤、もしくはアクリルポリマー下塗剤、もしくはアクリル
ポリマー/ヒドロキシ基を末端に有するポリ塩化ビニルの下塗剤ブレンド、もし
くはシランカップリング剤を、そのポリウレタンフォームと乗り物との間に添加
し、その乗り物と装飾部品との間に、少なくとも1.07Kg/cm(6lbs/インチ)の
剥離試験強さを有する接着層を提供する工程をさらに包含している。しかしなが
ら、本発明のポリウレタンフォームと組み合わせるのに必要とされる接着剤の量
は、先行技術の組み合わせに必要とされる量よりも10〜60%少ない。
本発明において使用するポリウレタンフォームは、ヒドロキシ基を末端に有す
るポリウレタンプレポリマー、改質ポリイソシアネート、ウレタン触媒、界面活
性剤、並びに任意に連鎖延長剤、エポキシ安定剤、および顔料を含んでいる反応
混合物の反応生成物であって、ガラス微小泡もしくは他の発泡剤の存在下で、ま
たはそのポリウレタン生成物中に泡を生じさせる方法で、それらの構成成分を反
応させる。
好ましいとされる特徴においては、本発明はヒドロキシ基を末端に有するポリ
ウレタンプレポリマーを利用する。そのプレポリマーは、高い、すなわち3重量
%を超えるモノオール分子含有率、2未満の官能価、並びに好ましくは、3,000
〜5,000の分子量、および25℃で1,200〜1,800センチポアズの粘度を有する、実
質的に線状のポリエーテルポリオールから調製される。好適なポリエーテルポリ
オールは、Multranol 9111という商品名で、Bayer,Inc.により販売されている
。そのポリオールは、少量の改質ポリイソシアネートと反応して、そのプレポリ
マーを生ずる。
上記改質ポリイソシアネートは、イソシアネート混合物、例えば40〜50重量%
の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、15〜25重量%の2,2-および2,
4-ジフェニルメタンジイソシアネート、10〜20重量%のこれらのMDIの高級オリ
ゴマー、および2重量%未満のフェニルイソシアネートを含んでおり、25〜30%
のイソシアネート分子(NCO)含有率、25℃で100〜200mPaの粘度、および140〜170
の当量を有するものであるのが好ましい。当業者は、他のイソシアネート、例え
ばトルエンジイソシアネート(TDI)もしくはさまざまなイソシアネートを末端に
有するプレポリマーも使用することができるということがわかるであろう。
上記ウレタン触媒は、熱的なまたは他の遅効性のウレタン触媒(すなわち熱に
より活性化される)、好ましくはスズ触媒、より好ましくは有機スズ、例えば有
機溶媒(例えばフタル酸ジオクチル、またはポリグリコール、またはさまざまな
ポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリオール)に溶解されていても
よい二オクタン酸第一スズである。本明細書中では、ウレタンとは、その主鎖の
構造がセグメント化されていることを特徴とするエラストマー生成物を表す。そ
れらの2つのセグメントは、硬質および軟質セグメントと呼ばれる。軟質セグメ
ントは上記高分子量ポリオールから形成されており、高い可撓性と低いガラス転
移温度とを特徴とする。連鎖延長剤から形成されている硬質セグメントは、その
エラストマーに引張強さおよび靭性を添える。
とりわけ上記ポリオールが公称で二官能価である場合には、上記連鎖延長剤物
質は少量だけ使用される。本明細書中で使用されているように、「連鎖延長剤」
は、分子あたりに2〜4個の活性ハロゲン含有基、および30〜500、好ましくは5
0〜100の当量を有する化合物を包含している。その官能価が2.2を超え、その化
合物が好ましいとされる当量を有する場合に、より良好な粘着性が維持される。
連鎖延長剤の好ましいとされる量は、重量法で、本明細書中で説明されているポ
リオールプレポリマー100部に対して1〜5部である。その連鎖延長剤はジアル
キレングリコール、例えばジプロピレングリコールであるのが好ましい。
硬化の前または硬化の間に、上記ポリウレタン反応混合物を泡立てなければな
らない。適切なフォーム密度、引張強さ、伸び、および接着特性を維持するのに
、当該分野において既知のあらゆる方法を使用することができる。物理的手段、
例えば、その組成物の泡立てを使用してもよい。ガス、例えば空気、窒素、二酸
化炭素、または何か他の不活性ガスを、その反応混合物中にホイップして、ガス
のセルを生じさせる。化学的な膨張剤を使用してもよい。好適な膨張剤は、上記
ポリウレタンフォームの製造において遭遇する反応条件または硬化条件下でガス
を発生させる低沸点アルカン、ハロゲン化アルカン、アゾ膨張剤、および他の物
質、例えば水を包含している。
上記フォームは、ガラス微小泡をさらに含んでいて、フォームを発生させるの
が好ましく、それらの微小泡の直径は1〜150マイクロメートル、もっとも好ま
しくは15〜30マイクロメートルの範囲に及ぶ。
上記界面活性剤は、シリコーン界面活性剤であるのが好ましい。上記のさまざ
まな成分の良好な湿潤性および剥離紙上への良好なコーティング特性を確実なも
のとする、あらゆる界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の量は、重
量法で、上記ポリオールプレポリマー100部に対して0.5〜1部であるのが好まし
い。機械的手段を使用して上記組成物を泡立てる場合は、界面活性剤含有率を2
〜3倍に増やす。
上記接着剤は、顔料(任意)を含んで、特定の用途に望ましい色に上記フォー
ムを彩色していてもよい。顔料の例は、カーボンブラック、TiO2二酸化チタ
ン、およびFe2O3酸化鉄を包含している。
上記フォームは、それを熱劣化に対して安定化させるエポキシ安定剤をも有す
る。本明細書中で有用なエポキシ安定剤は、エポキシ化大豆油およびビスフェノ
ールA/エピクロロヒドリンを包含しており、重量法で、ポリオールプレポリマ
ー100部に対して0.1〜1部で使用することができる。
接着剤およびポリウレタンフォームに使用することが既知のもののような他の
任意の構成成分は、そのポリウレタンフォームの引張強さ、伸び、熱安定性およ
び機械的応力安定性、並びに接着特性が、それらの使用によって損なわれない場
合には利用してもよい。
上記ポリウレタンフォームは、上記構成成分を混合し、その混合物を基材に適
用し、そこで、それを硬化させてポリウレタンフォームとすることによって形成
させてもよい。その反応混合物は、ドクターブレード、または、その基材上に層
を形成させるためのあらゆる好都合な方法で適用することができる。硬化は、加
熱によって行われるのが好ましいけれども、他のあらゆる好都合な方法よるもの
であってもよい。加熱は、実質的にすべてのイソシアネートを利用するのに十分
な時間、例えば90℃〜200℃において、2時間に及んで行い、その硬化の完了は
、遊離イソシアネート基の測定により監視することができる。
上記方法の初めにポリオールプレポリマーが生じない場合には、上記反応混合
物の硬化前の粘度が低すぎて、従来の製造方法によっては剥離紙上では取り扱う
ことができない。万一、低粘度反応混合物がそのプレポリマーを含んでいない場
合には、そのポリウレタンフォームは、剥離紙上で硬化させて、そのフォームの
シートまたはストリップを得るのではなく、例えば剥離紙で裏打ちした金型中で
硬化させることができる。
従って、本発明の感圧ポリウレタンフォーム接着剤は、従来のウレタン技術を
使用して、特定の構成成分から製造することができるけれども、好ましいとされ
る手順には、まず上記ポリオールと上記改質ポリイソシアネートの一部とを、上
記ポリウレタン触媒の存在下で、室温において、攪拌下、数時間、好ましくは3
〜5時間にわたって反応させて、それらのプレポリマーを形成させ、8,000〜15
,000センチポアズの粘度を有しており、ヒドロキシ基を末端に有するプレポリマ
ーとすることが必要である。そのプレポリマーを形成させるには、100部の高級
モノオールポリオールを、2〜3部の上記改質ポリイソシアネートと反応させる
。その後、67.5部のそのプレポリマーを、32.5部の高級モノオールポリオール、
12〜16部の追加の改質ポリイソシアネート、8〜15部のガラス微小泡、1〜5部
の連鎖延長剤、3部以下の顔料、0.1〜2部の界面活性剤、および0.1〜1部のエ
ポキシ安定剤と併せ、均一に混合する。その均一な混合物を、次に剥離紙上に希
望する厚み、一般に0.4〜3mmにコートし、熱、例えば350°F(176.7℃)で3
分間、に付して硬化させる。
1種またはそれ以上の接着剤層をコートしなければならない従来のフォーム貼
付テープとは異なり、本発明の方法は、そのフォーム基材を自動車部品の表面に
直接接着することを可能にする。このことによる利点は低コストおよび改良され
た効率である。
本明細書中で使用するフォームは、類似および非類似材料の両方を接着/貼付
可能な感圧接着剤である。一般に、好適な材料は自動車部品用に通常使用される
、あらゆる金属またはプラスチック材料を包含している。このような材料は、ア
ルミニウム、ステンレス鋼、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性オレフィン(TPO)お
よびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)を包含しており、好ましい
とされる材料は、陽極処理アルミニウムまたは下塗りされたPVCもしくはTPOを包
含している。
上記フォームは、高い、好ましくは500%よりも高い、より好ましくは700%よ
りも高い伸びを示す。それらのフォームは、低い、好ましくは30〜120psiの、よ
り好ましくは40〜80psiの引張強さを有する。それらのフォームは、20〜55ポン
ド毎立方フィートの、好ましくは25〜45ポンド毎立方フィートの媒体密度を有す
る。そのフォームのさまざまな基材に対する接着能力は、標準的な試験、例えば
ASTM D-100-87法による180°剥離試験によって測定することができる。そのフォ
ームは、陽極処理アルミニウムに対して、少なくとも1.07Kg/cm(6.0ポンド毎イ
ンチ)幅、好ましくは少なくとも1.25Kg/cm(7.0ポンド毎インチ)幅の180°剥
離強さを示す。
さらに、190°F(87.8℃)における死荷重剪断試験を行うことにより測定さ
れるものと同様の、高温における接着性は、72時間を超え、好ましくは96時間を
超える。その死荷重剪断試験は、感圧フォームの25mm×25mm片を接着した2枚の
25mm×75mm×0.4mmのアルミニウム片からなる試験片に1キログラムの重りを取
り付けることによって行う。
低温応力下、上記フォームは、-22°F(-30℃)の温度において、Ford Motor
Companyの低温ねじり要求ESBM3G89C2を満たす。
一般に、ほとんどの用途には不必要であるけれども、上記フォームの片側また
は両側に、従来のアクリル感圧接着剤の層を添加することによって、接着性を強
化してもよい。このような第2の接着剤層を有し、その第2の接着剤層を介して
ステンレス鋼に接着されているフォームは、少なくとも1.25Kg/cm(7.0ポンド毎
インチ)幅、好ましくは少なくとも1.78Kg/cm(10.0ポンド毎インチ)幅の180
°剥離強さを示すであろう。
今ここに、以下の実施例に関して、本発明を説明する。これらの実施例は実例
としての目的のみのためのものであり、本発明を制限するものと考えるべきでは
ないということが理解される。
以下の実施例において、4,000のMWを有するポリプロピレンジオール(Multrol
9111 polyol)および2.3〜2.4のNC0官能価を有する高分子イソシアネート(Mondus
E-448)は、Pennsylvania州PittsburghのBayer,Inc.,Polymer Divisionから得
た。これらの物質を、4時間にわたって、またはフォームテープ剥離紙への適用
に好適な粘度(すなわち8,000〜12,000)が達成されるまで、攪拌下で、室温に
おいて、スズ触媒(New Jersey州ParsippanyのTyloから得られるT-190)と反応
させた。このプレポリマーを、次に、その他の構成成分と混合し、以下に説明さ
れているように硬化させた。実施例1
その接着剤フォームは、以下の組成を有していた。
a.Minnesota州 Minneapolisの3M Company
上記フォームを、好適な剥離ライナー上に1.2mmの厚みにコートし、350°F(
177℃)において3分間にわたって硬化させた。得られた生成物は、3.5Kg/cm2(
50psi)の引張強さおよび800%の伸びを有するポリウレタンフォームからなる感
圧接着剤のシートであった。
上記フォームを、陽極処理アルミニウムのエンブレム(emblem)の裏に取り付け
、続いてトラクタートレーラーのアルミニウム外板に取り付けた。24時間後、そ
のエンブレムを取り外すのに、11.34Kg(25ポンド)を超える力が必要であった
。実施例2
実施例1のフォームを、陽極処理アルミニウムで裏打ちしたPVCモールディン
グに取り付け、続いてトラクタートレーラーのアルミニウム外板に接着した。24
時間後、そのモールディングの端部の接着性を失わせるのに、6.8Kg(15ポンド
)の力が必要であった。実施例3
実施例1のフォームを、New York州 GranvilleのNorton Performance Plastic
sから得られるアクリルポリマーとヒドロキシ基を末端に有するポリ塩化ビニル
とのブレンドであるTite-R-BondTM4070下塗剤で下塗りしたPVCモールディングに
取り付けた。そのモールディングを、続いてトラクタートレーラーのアルミニウ
ム外板に接着した。24時間後、そのモールディングの端部の接着性を失わせる
のに、6.8Kg(15ポンド)の力が必要であった。実施例4
実施例1のフォームの片側を、従来のアクリル感圧接着剤(H&N Chemical Com
panyから得られる Polytac 414)でコートした。その非アクリル側を、陽極処理
アルミニウムで裏打ちしたPVCモールディングに取り付けた。続いて、そのアク
リル側を、従来の自動車用塗料で塗装した板金パネルに接着して、自動車のドア
に取り付けられているモールディングをシミュレートした。24時間後、そのモー
ルディングの端部の接着性を失わせるのに、9.07Kg(20ポンド)の力が必要であ
った。実施例5
以下の組成を有する接着性フォームを調製した。
上記フォームを、好適な剥離ライナー上に1.2mmの厚みにコートし、350°F(
177℃)において3分間にわたって硬化させた。得られた生成物は、24.6Kg/cm2
(35psi)の引張強さおよび1000%の伸びを有するポリウレタンフォームからな
る感圧接着剤のシートであった。
上記フォームを、下塗りしたTPOモールディングの裏に取り付け、続いて、従
来の自動車用塗料で塗装した板金パネルに接着した。そのパネル上のモールディ
ングを、次に
・-30℃で8時間
・80℃で8時間
・室温で8時間
からなる環境サイクルに5回付した。
上記サイクル後、上記塗装パネルへの上記モールディングの接着不良はまった
く見られなかった。実施例6
上記ポリウレタンフォームおよび対照物質について、ASTM D-1000-87法による
180°剥離試験を行った。結果を以下に示す。
これらの剥離試験において、本発明のポリウレタンフォームは、下塗剤または
接着剤を使用することなく、少なくとも0.357Kg/cm(2lbs/インチ)の剥離強さ
を有していた。本発明のフォームに、単層のアクリル接着剤を組み合わせると、
その剥離強さは、アクリル接着剤と組み合わせた従来のポリウレタンフォームよ
りも57%も増大した。この改良は、その従来のフォームの方に、16.6重量%のア
クリル接着剤を追加して使用したにもかかわらず観察された。従来のポリウレタ
ンフォームは、0Kg/cm(0lbs/インチ)の剥離強さを特徴とする。
PVC装飾部品については、本発明のポリウレタンフォームは、PVC下塗剤といっ
しょにすると、優れた剥離試験結果を与えた。
請求の範囲
1.乗り物への装飾部品の接着方法であって、
(a) 324 〜890Kg/m3(20〜55lbs/ft3)の密度を有するポリウレタンフォー
ムからなる感圧接着剤を、その装飾部品の内面に適用すること、
(b)そのポリウレタンフォームにより形成される接着層によって、その乗り
物に、その装飾部品を接着すること、
という工程を含んでおり、
その装飾部品と乗り物との間の接着層が、そのポリウレタンフォーム以外のい
かなる接着剤もまったく含んでいない場合に、少なくとも0.357Kg/cm (2lbs/イ ンチ)
のASTM D-1000-87法による剥離試験強さを有する方法。
2.上記ウレタンフォームが、
(a)3重量%を超えるモノオール分子含有率、2未満の官能価、3,000〜5,0
00の分子量、および25℃で700〜1,500センチポアズの粘度を有する実質的に線状
のポリエーテルポリオール、
(b)40〜50重量%の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、15〜25重量
%の2,2-および2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、10〜20重量%のそれら
のジフェニルメタンジイソシアネートのオリゴマー、および2重量%未満のフェ
ニルイソシアネートを含んでおり、25〜30重量%のイソシアネート分子含有率、
25℃で100〜200mPaの粘度、および140〜170の当量を有する改質ポリイソシアネ
ート、
(c)熱的なウレタン触媒、
(d)シリコーン界面活性剤、並びに、任意に
(e)発泡剤、
を含んでおり、その発泡剤により、(a)、(b)、(c)、(d)および(e
)を含んでいる混合物中に十分なガスを導入し、324 〜890Kg/m3(20〜55lbs/ft3 )
の硬化ウレタンフォーム密度を得る、請求項1に記載の方法。
3.上記装飾部品が陽極処理アルミニウム面を含んでおり、その陽極処理アル
ミニウム面に上記ポリウレタンフォームが接着され、その乗り物と装飾部品との
間の接着層が少なくとも1.07Kg/cm (6lbs/インチ)のASTM D-1000-87法による
剥離試験強さを有する、請求項1に記載の方法。
4.アクリル接着剤、アクリルポリマー下塗剤、およびアクリルポリマー/ヒ
ドロキシ基を末端に有するポリ塩化ビニル、およびシランカップリング剤からな
る群より選ばれる中間層組成物を、上記ポリウレタンフォームと乗り物との間に
添加し、その乗り物と装飾部品との間に、少なくとも1.07Kg/cm (6lbs/インチ )
の剥離試験強さを有する接着層を提供する工程をさらに含んでいる、請求項1
に記載の方法。
5.ポリウレタンフォームからなる感圧接着剤であって、そのウレタンフォー
ムが、
(a)3重量%を超えるモノオール分子含有率、2未満の官能価、3,000〜5,0
00の分子量、および25℃で700〜1,500センチポアズの粘度を有する、実質的に線
状のポリエーテルポリオール、100部、
(b)40〜50重量%の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、15〜25重量
%の2,2-および2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、10〜20重量%のそれら
のジフェニルメタンジイソシアネートのオリゴマー、および2重量%未満のフェ
ニルイソシアネートを含んでおり、25〜30重量%のイソシアネート分子含有率、
25℃で100〜200mPaの粘度、および140〜170の当量を有する改質ポリイソシアネ
ート、12〜18部、
(c)熱的なウレタン触媒、0.01〜1部、
(d)シリコーン界面活性剤、1〜5部、並びに、
(e)発泡剤、8〜15部、
の混合物を含んでおり、その発泡剤により、その混合物中に十分なガスを導入し
、その硬化ウレタンフォームを324 〜890Kg/m3(20〜55lbs/ft3)の密度とする接
着剤。