JPH11506700A - 半導体製造過程で生じる洗浄排水の処理方法 - Google Patents
半導体製造過程で生じる洗浄排水の処理方法Info
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- JPH11506700A JPH11506700A JP9524703A JP52470397A JPH11506700A JP H11506700 A JPH11506700 A JP H11506700A JP 9524703 A JP9524703 A JP 9524703A JP 52470397 A JP52470397 A JP 52470397A JP H11506700 A JPH11506700 A JP H11506700A
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- C02F1/28—Treatment of water, waste water, or sewage by sorption
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- C02F1/285—Treatment of water, waste water, or sewage by sorption using synthetic organic sorbents
Abstract
(57)【要約】
半導体製造過程で生じる洗浄排水の中に存在する親水性有機汚染物質と過酸化水素を、吸着処理を用いて除去する。この吸着処理においては、炭素含有量が少なくとも重量比85%で、炭素/水素原子比が1.5:1ないし20:1であるマクロな網状のスルホン化したビニル芳香族ポリマーの熱分解生成物による吸着を用いる。この熱分解生成物は疎水性の表面を有しているにもかかわらず、これら汚染物質に対する相当高い吸着性を有し、通常の活性炭に比して、際立ってより高い除去率を有する。
Description
【発明の詳細な説明】
発明の名称
半導体製造過程で生じる洗浄排水の処理方法
技術分野
半導体製造過程で生じる洗浄排水から、吸着処理を用いて、親水性の有機汚染
物質を取り除く方法に関する。
集積回路(チップ)の製造過程において、ある種の処理がなされた後で、とり
わけエッチング処理の後で、ウエハーを極めて純度の高い水で洗浄して、種々の
化学物質を洗い流さなければならない。この洗浄排水は大量に生じるのであるが
、無機および有機物質を含んでいるため、洗浄排水を直接に超純水生成リサイク
ルの中に取りこむことができない。他方、洗浄排水をリサイクルするにも、半導
体製造過程で生じる有機物質が大きな障害となる。というのも、超純水リサイク
ルとしてのTPC(全体有機炭素含有量)は5ppb以下であることが要求され
、逆浸透圧法、混合層フィルタ法、揮発除去法、紫外線放射および超濾過法のよ
うな従来式の処理方法では、概して十分にこれらの有機汚染物質が除去されない
ためである。
一般の半導体洗浄排水は無機および有機物質を含んでおり、例えば、フッ化物
、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、およびアンモニウムイオン、過酸化水素
、イソプロパノール、アセトン、Nメチルピロリドン、水酸化テトラメチルアン
モニウム、メタノール、エタノール、ブタノール、酢酸、硫酸化ジメチル、酢酸
プロピレングリコールメチルエーテルなどがある。主な構成要素としては、一般
に、イソプロパノール、アセトン、Nメチルピロリドン、フッ酸、塩酸、硫酸、
リン酸、過酸化水素、アンモニア、フッ化アンモニウム、水酸化テトラメチルア
ンモニウムのようなものである。洗浄排水は一般に、10ないし2000μ秒/
cm
の電気伝導度、および0.1ないし20ppmのTOC値を有し得る。pHは、
一般に2ないし9で、通常は7以下である。
コストおよび環境保護を根拠に、そして水不足を根拠に、全体的な不純物含有
量が概して通常の水道水のもの以下である洗浄排水を、半導体製造過程において
再度利用できるよう処理することが望ましい。
洗浄排水処理は、現在のところ、イオン交換プロセス、逆浸透圧プロセス、活
性炭への吸着プロセス、生物学的プロセスおよび超濾過プロセスを利用すること
によって行われている。例えば、自由な無機酸および有機酸は、弱塩基性基ある
いは強塩基性基の陰イオン交換樹脂によって定期的に除去される。さらに、逆浸
透圧装置が、超純水装置の補給水処理システムにおいて、現在すでにいくつかの
ケースで採用されており、この逆浸透圧装置は、現存のイオン交換処理過程と共
に、一般に有用であり、無機および有機の両方の酸、塩基および塩を十分な程度
に取り除くことができる。ところが、過酸化水素や親水性の有機化合物、例えば
、イソプロパノール、アセトン、Nメチルピロリドン、メタノール、エタノール
、ブタノール、硫酸化ジメチルなどは、通常、逆浸透圧処理過程を経ても50な
いし70%程度しか除去されず、これは必要とされるTOC値の5ppbには程
遠いものである。原則としては、活性炭処理によって、これらの化合物の濃度を
さらに低くすることができるが、このような手法を用いても、満足できる除去を
実現するのは、しばしば不可能、あるいは極めて困難である。
以上のように、既知のプロセスは欠点を有しているため、数多くの純粋化手法
を組み合わせなければならず、それでも、特に高濃度の有機汚染物質が含まれて
いるような場合は、満足すべき結果が得られず、加えて・あるいは、生物が付着
することにより、生物処理過程または活性炭による濾過過程の後方過程に悪影響
を及ぼす。
これに対し、米国特許第4,040,990号、日本特開昭62−197308
号、米国特許第4,839,331号、欧州特許公開0604110号、欧州特許
公開0623557号によれば、例えば、炭質の吸着材を開示しており、この吸
着材は合成ポリマーを熱分解することによって生成されるが、活性炭と比較して
、
より多くの疎水性の表面を有し、よって疎水性の有機化合物、特に炭化水素それ
もハロゲン化した炭化水素を、活性炭に比してより効果的に吸着する。このよう
な製品が、例えばアンバーソーブ(ロームとハーズ社、フィラデルフィア、アメ
リカ合衆国)というブランド名で、商業的に利用可能である。
欧州特許公開0285321号によればさらに、橋架け構造ポリマーの熱分解
による生成物を吸着材として提案しており、この吸着材は、水道水の中や、純水
の中にも、例えば保存の結果生じる発熱物質として存在し得る細菌性エンドトキ
シン(リボ多糖体)を除去するためのものである。適当な橋架け構造ポリマーは
、例えば、スチレンジビニルベンゼン共重合体であり、必要であれば、スルホン
化またはクロロメチル化し、その後にアミノ化してイオン交換樹脂を形成しても
よい。欧州特許公開0285321号がさらに開示するように、貯蔵水が後続の
濾過過程に至る前にこの熱分解生成物と接触させるので、この手法は高純水が生
成され貯蔵される水処理過程においても利用できる。しかしこの場合、高純水を
生成するためのもとになる水は水道水であり、この吸着過程は、貯蔵された高純
水に存在する発熱物質を除去するためだけのものである。
驚くべきことに発明者らは、マクロな網状のスルホン化したビニル芳香族ポリ
マーの熱分解生成物が、疎水性の表面構造を有しながらも、半導体製造過程で生
じる洗浄排水の中に存在する親水性有機汚染物質と過酸化水素を吸着するのに、
明らかに活性炭素よりも効果的であることを確認した。さらに、上記熱分解生成
物から吸着した汚染物質を脱着するのに際して、活性炭素に吸着した場合と比し
て、はるかに容易に脱着可能であることも確認された。
従って本発明は、15℃の水に少なくとも重量比10%で、含まれる親水性有
機汚染物質を除去するプロセス、および・または、半導体製造過程で生じる洗浄
排水から過酸化水素を除去するプロセスに関する。これらのプロセスは吸着を利
用するものであるが、この吸着は、炭素含有量が少なくとも重量比85%で、炭
素/水素原子比が1.5:1ないし20:1であるマクロな網状のスルホン化し
たビニル芳香族ポリマーの熱分解生成物からなる濾過層中を、上記排水が通過す
ることを特徴としている。
本発明のプロセスによれば、相当により良い除去率が実現されるだけではなく
、この熱分解生成物の吸着容量が、通常の活性炭より極めて高いということが確
認された。例えば、支柱方向の高さ(濾過層の層厚)が60cmのものを用いた
場合、この吸着処理過程を1回行うだけでも、90%をはるかに超える除去率が
達成され、概して、驚くべき数字である。というのも、とりわけ、疎水性熱分解
生成物により親水性化合物を吸着させた場合、あまりよい吸着性を期待できず、
洗浄排水中に汚染物質が数ppmだけ残る。したがって、本発明の処理方法によ
れば、もし必要なら2以上の吸着処理過程を連続して行い、そして・あるいは、
より好適には既存の補給水処理プロセスと組み合わせることによって、必要なT
OC値である5ppb以下を容易に実現することができる。さらに、本発明で用
いられる熱分解生成物は、活性炭が通常再生できないのとは異なり、容易再生で
きるという利点を有する。
本発明の趣旨に従えば、「親水性有機汚染物質」という表現によって、非イオ
ン化有機化合物を意味し、この非イオン化有機化合物は、半導体製造過程で生じ
る洗浄排水の中に存在し、15℃の水に少なくとも10%重量比で混和し、さら
にこの非イオン化有機化合物は、半導体製造過程で用いられるような溶媒、例え
ば、イソプロパノール、アセトン、Nメチルピロリドン、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、酢酸、硫酸化ジメチル、酢酸プロピレングリコールエーテルで
、その中でも特に、イソプロパノール、アセトン、およびNメチルピロリドンの
ような20℃では液体の化合物を意味する。
また、本発明の趣旨における「ビニル芳香族ポリマー」という表現は、ビニル
芳香族の単量体(モノマー)を重合化して得られた重合体(ポリマー)を意味す
る。
「マクロな網状の」という表現は、本発明の趣旨において、問題のポリマーが
少なくとも25nmの半径の空孔を数多く有するものと解釈すべきである。
本発明で用いられる熱分解生成物の炭素含有量は、好適には、重量比で少なく
とも85%以上で、その炭素/水素原子比は、1.5対1ないし20対1、好適
には2対1ないし10対1である。それらは、例えば、米国特許第4,040,9
90号、米国特許第4,839,331号および日本特開昭62−197308号
に記載されているように、マクロな網状のスルホン化したビニル芳香族ポリマー
から温度下降制御による既知の手法で生成することができる。
適切な原料ポリマーは、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベ
ンゼン、ビニルキシレン、ビニルピリジンといった単体エチレンのような不飽和
単量体、および、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、
ジビニルピリジンといった複合エチレンのような不飽和単量体のホモポリマーお
よびその共重合体である。しかし一般には、単体エチレンおよび複合エチレンの
ような不飽和ポリマーから共重合体を得るのが好適である。中でも、スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体が望ましく、さらにスチレンの重量比が75ないし9
0%で、ジビニルベンゼンの重量比が25ないし10%であるものがよい。
重合化は、例えば、米国特許第4,040,990号、米国特許第4,839,3
31号に記載されたように、既知の手法で実現することができる。好適には、米
国特許第4,224,415号に記載された懸濁重合による手法が望ましい。
ポリマーのスルホン化は、同様に既知の手法、例えば、高温状態にある濃硫酸
、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロスルホン酸により実現することができる。適切
な条件は、例えば、米国特許第2,366,007号、米国特許第2,500,14
9号、米国特許第4,224,415号、および米国特許第4,839,331号に
より公知である。
スルホン化したポリマーの熱分解は、例えば、米国特許第4,040,990号
および米国特許第4,839,331号で開示されているように、ポリマーを不活
性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、そして・またはアルゴン)の雰囲気
中で、およそ300ないし1200℃、好適にはおよそ400ないし800℃の
温度で、0.3時間ないし2時間、加熱処理を行うことにより実現できる。好適
ならば、不活性ガスと共に、二酸化炭素、酸素、水蒸気のような活性ガスを混入
することができ、また、後処理として、活性ガス雰囲気中でおよそ300ないし
1200℃で熱処理することもできる。しかし、活性ガスと共に処理されなかっ
た熱分解生成物は、親水性有機汚染物質に対して一般に良好な吸着性を示した。
ポリマーが熱分解処理される間に、ポリマーに既存する空孔に加えて、ポリマ
ーミクロポアが形成され、このミクロポアのほとんどが熱分解によって得られる
。IUPACによる空孔の大きさに関する定義によれば、熱分解生成物において
、半径が25nm以上であるマクロポア、半径1ないし25nmであるメゾポア
、および半径が1nm以下であるミクロポアとに分別することができ、吸着の殆
どが、おそらくミクロポアによってなされるのに対し、他方、メゾポアとマクロ
ポアはミクロポアに移動するのを助長する。
本発明による吸着プロセスにおいては、マクロポアの空孔体積が特定の値、す
なわち少なくとも約0.1ml/g、とりわけ約0.13ml/gを有し(例え
ば、0.20ないし0.25ml/g)、メゾポアの空孔体積が特定の値、すな
わち少なくとも約0.1ml/g、とりわけ約0.12ml/gを有している(
例えば、0.13ないし0.20ml/g)熱分解生成物を利用することが好適
である。さらに、一般に、ミクロポアの空孔体積が特定の値、少なくとも約0.
1ml/g、とりわけ好適には、少なくとも約0.20ml/gである(例えば
、0.20ないし0.40ml/g)熱分解生成物を用いることが望ましい。上
述した各空孔体積は、マイクロメリティックス社製の2400−空孔計測器で窒
素吸着した際の等温線から得られた数字である。しかし、上述の空孔体積は決定
的なものではなく、より空孔体積が小さい熱分解生成物でも原理的には適当であ
る。
我々は、さらに驚くべきことに、疎水性の相当高い熱分解生成物の、半導体製
造過程で生じる洗浄排水に存在する親水性有機汚染物質に対する吸着率が、明ら
かに、熱分解生成物の表面疎水性の増加につれて、さらに増加するということを
確認した。事実として、この熱分解生成物は、室温(24℃)、相対湿度94%
で、本発明によるプロセスにおいて、熱分解生成物1グラムあたり300mg以
下の水分を吸着することができ、これはとりわけ、親水性有機汚染物質を吸着す
るのに適切であることを証明するものであり、最良の結果は、熱分解生成物1グ
ラムあたり200mg以下を吸着することができる。他方、過酸化水素の吸着に
関して、疎水性のより低い熱分解生成物がより適切である傾向にある。観測結果
が示すところによれば、室温(24℃)で相対湿度94%にある熱分解生成物が
、
1グラムあたり、少なくとも200mg、たとえば200ないし400mg、好
適には200ないし300mgの水分を吸着することができ、この熱分解生成物
は、一般に、1グラムあたり200mg以下の水分を吸着できる熱分解生成物よ
り適切である。
親水性有機汚染物質と過酸化水素を除去することが、好適には、2つの熱分解
生成物を用いることによって可能となり、その一方の熱分解生成物は、1グラム
当たり少なくとも200mgの水分を、他方は200mg以下の水分を吸着する
ことができるものである。その方法は、2つの熱分解生成物を混合した濾過層に
洗浄排水を通すか、あるいは各々の熱分解生成物が入った濾過層に順不同で連続
して通すことで実現できる。
熱分解生成物は、化学的に、温度的におよび物理的に極めて安定している。一
般に、これらの熱分解性生物は、約100ないし2000m2/gの範囲にある
特定の表面積を有し、通常約500ないし1200m2/gのものが利用でき、
一例として、この形状はおよそ球面粒子であり、粒子の平均の大きさは、例えば
、約0.2ないし1.5mmであり、好適には約0.3ないし1.0mmである
。適当な熱分解生成物が、アンバーソーブ348F、アンバーソーブ572、ア
ンバーソーブ575、アンバーソーブ563、およびアンバーソーブ564(ロ
ームとハーズ社製、フィラデルフィア、アメリカ合衆国)という名称で商業的に
利用可能であり、これらのすべてが親水性有機汚染物質と過酸化水素の吸着に対
して適当である。しかし好適には、アンバーソーブ563、および・またはアン
バーソーブ564が親水性有機汚染物質の吸着のために利用され、アンバーソー
ブ572、および・またはアンバーソーブ575が過酸化水素を吸着するのに利
用される。
本発明のプロセスは、吸着プロセスの従来の方法に従って実行することができ
、熱分解生成物の濾過層は、好適には、吸着フィルターまたは柱状のものの中に
配置され、吸着フィルターまたは柱は、上流または下流方向の流れ処理を行うこ
とができる。一般に、濾過層の高さは少なくとも約30cm、例えば、およそ約
60ないし150cmが推奨される。濾過層の高さを増やせば、除去率を改善す
る
ことは原理的に可能であるが、この場合、一般に2つまたはそれ以上の熱分解生
成物による濾過層を順に接続する方がより好都合である。熱分解生成物による濾
過層の下流部分で、好適には弱塩基性基の陰イオン交換器を設けてもよい。
未使用の熱分解生成物を用いる場合、熱分解生成物を水和させるために、イオ
ン消去された水を数日間に亙って通過させてから、実際に利用開始することが賢
明である。好適には、まず熱水を濾過層に通過させた後、室温での処理を実行す
るとよい。
熱分解生成物が消耗した場合、または除去率が特定値、例えば、90%以下に
落ち込んだ場合、洗浄排水の供給を中断し、熱分解生成物を同方向または逆方向
の流れの中で再生し、そして再利用する必要がある。好適には、約100ないし
250℃の温度を有する水蒸気を熱分解生成物に通過させることによって、効果
的に再生処理が実行される。一般に、濾過層の体積のおよそ12倍より少ない水
蒸気(凝縮したもので測定)で、吸着した汚染物質を十分に除去することができ
る。
流速に関し、例えば、除去処理中においては、1時間で濾過層の体積のおよそ
5倍から40倍の洗浄排水を、再生処理中においては、1時間で濾過層体積のお
よそ0.1ないし2倍の水蒸気(凝縮したもので測定)を通過させるとよい。
熱分解生成物の再生処理中に洗浄排水の汚染物質の除去処理を中断させないよ
うにするため、好適には、2つないし3つの熱分解生成物の濾過層を用意してお
き、1つまたは2つの濾過層が所定時間において除去処理している間、他方を再
生処理することができる。
本発明による吸着プロセスが、次の実施例でより詳細に説明される。実施例1
円柱の直径が40cmで円柱の高さが1.5mである、透明ポリ(塩化ビニル
)からなる4本の円柱に、吸着材が各々濾過層の高さである60cmまで装填さ
れ(濾過層体積BV=0.751)、一例として、この吸着材は1つずつ対照的
な目的を有し、例えば、(A)アンバーライトXAD(ロームとハーズ社)、
(B)活性炭BD(シェビロン社)、そして本発明に係る(C)アンバーソーブ
572(ロームとハーズ社)と(D)アンバーソーブ563(ロームとハーズ社
)が装填された。円柱内を水和させるために、未使用の吸着剤の中にイオン消去
された水を毎時11の流速で7日間流した。この後に、日中においては、約10
ないし20ppmの過酸化水素を含み、TOC含有値が5.2ないし6.5pp
mで重量比が1対1のアセトンとイソプロパノールを含む水を、温度20ないし
22℃、流速5BV/時間で円柱内に流し、流れ出た水の中に含まれるTOC値
と過酸化水素含有量が測定された。夜間においては、水の供給をその都度、中断
した。除去率が90%以下に達するまでの、注入される水の中のTOC値と実験
結果による吸着容量と共に、過酸化水素の除去率(%)(H2O2の減少率(%)
)を表1に示す。注入される水のTOC値を基準として、吸着の割合を示すTO
C除去率を、供給された水の体積と濾過層体積との比に対してプロットしたのが
図1である。その結果が示すように、本発明を用いた熱分解生成物を用いると、
極めて高いTOC除去率が得られ、また高い吸着容量を有する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.半導体製造過程で生じる洗浄排水から、15℃の水に少なくとも重量比10 %で混和する親水性有機汚染物質、および・または、過酸化水素を、吸着処理に よって除去するプロセスであって、炭素含有量が少なくとも重量比85%で、炭 素/水素原子比が1.5:1ないし20:1であるマクロな網状のスルホン化し たビニル芳香族ポリマーの熱分解生成物からなる濾過層中を、上記洗浄排水が通 過することを特徴とするプロセス。 2.半径が25nm以上で固有の空孔体積が少なくとも0.1ml/gであるマ クロポアと、半径が1ないし25nmで固有の空孔体積が少なくとも0.1ml /gであるメゾポアとを有する熱分解生成物を用いることを特徴とする請求項第 1項に記載のプロセス。 3.半径が25nm以上で固有の空孔体積が0.13ml/gであるマクロポア と、半径が1ないし25nmで固有の空孔体積が0.12ml/gであるメゾポ アとを有する熱分解生成物を用いることを特徴とする請求項第1項および第2項 に記載のプロセス。 4.半径が1nm以下で固有の空孔体積が少なくとも0.1ml/gであるミク ロポアを有する熱分解生成物を用いることを特徴とする請求項第1項ないし第3 項のいずれかに記載のプロセス。 5.半径が1nm以下で固有の空孔体積が少なくとも0.2ml/gであるミク ロポアを有する熱分解生成物を用いることを特徴とする請求項第1項ないし第4 項のいずれかに記載のプロセス。 6.炭素/水素原子比が2:1ないし10:1である熱分解生成物を用いること を特徴とする請求項第1項ないし第5項のいずれかに記載のプロセス。 7.室温で相対湿度94%の空気から、1グラムあたり300mg以下の水分を 吸着することができる熱分解生成物を用いることを特徴とする請求項第1項ない し第6項のいずれかに記載のプロセス。 8.親水性有機汚染物質を除去するために、室温で相対湿度94%の空気から、 1グラムあたり200mg以下の水分を吸着することができる熱分解生成物を用 いることを特徴とする請求項第1項ないし第7項のいずれかに記載のプロセス。 9.過酸化水素を除去するために、室温で相対湿度94%の空気から、1グラム あたり少なくとも200mgの水分を吸着することができる熱分解生成物を用い ることを特徴とする請求項第1項ないし第8項のいずれかに記載のプロセス。 10.スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の熱分解生成物を用いることを特徴 とする請求項第1項ないし第9項のいずれかに記載のプロセス。 11.スチレン/ジビニルベンゼンの重量比が75−90:10−25であるス チレン−ジビニルベンゼン共重合体の熱分解生成物を用いることを特徴とする請 求項第1項ないし第10項のいずれかに記載のプロセス。 12.粒子の平均の大きさが0.2ないし1.5mmである熱分解生成物を用い ることを特徴とする請求項第1項ないし第11項のいずれかに記載のプロセス。 13.熱分解生成物を再生するために、洗浄排水の供給を中断して、100ない し250℃の温度を有する水蒸気を、熱分解生成物の濾過層に通過させることを 特徴とする請求項第1項ないし第12項のいずれかに記載のプロセス。
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