JPH11506038A - 凝固剤を含有する吸収性製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、通気性バックシートを有し、凝固剤を含有する吸収性製品に関する。該吸収性製品は使用者の衣類をびしょぬれにするのを減少することが示される。

Description

【発明の詳細な説明】 凝固剤を含有する吸収性製品 発明の分野 本発明は、使用者の衣服がびしょぬれになるのを減少させることが示される通 気性バックシートを有する薄い吸収性製品に関する。 本発明の背景 吸収性製品の分野、特に生理用品の開発の根底にある主な消費者のニーズは、 高度な保護と苦痛のないレベルの両方をもたらす製品の供給である。 吸収性製品の快適さを改善する１つの非常に望まれる手段は、いわゆる「通気 性バックシート(breathable backsheets)」の使用である。通気性バックシート は、典型的には、例えばＵＳ４５９１５２３に開示されているような、好ましく は一定方向に液体を輸送する微孔性フィルム又は開口形成フィルムを具備しうる 。両タイプの通気性バックシートは、上記の透過が可能で、周囲環境とガス交換 が可能である。従って、これはコアに保持された液体の一部の蒸発が可能であり 、吸収性製品内で空気の循環が増加する。これは、特に長期間にわたる使用の間 に、多くの着衣者が経験するじめじめした感覚を減少させるので特に有益である 。明らかに、開口が大きくなるに従い、バックシートの通気性は大きくなる。 しかし、吸収性製品での通気性バックシートの使用に付随する主要な欠点は、 一般にびしょぬれになるといわれる、使用者の衣服への漏れの可能性が増加する ことである。このような漏れはまた、通気性バックシートの開口のサイズに比例 して増加する。原則として、通気性バックシートは、ガスの状態で物質の移動を 可能にするのみであるが、押し出し、拡散及び毛管作用のような物理的メカニズ ムがなお起こり、バックシートを通して吸収コアから使用者の衣服へ液体の移動 を起こす。特に、これらのメカニズムは、製品が、運動中に、大量の排出物の導 入に対して、又は長期間に渡って使用される場合、より顕著となる。従って、吸 収性製品に通気性バックシートを組み込むことは、快適さの観点からは非常に望 ましいが、これらは、 特に圧力を加えた条件下で保護に関して受け入れがたい不十分なレベルを生じる 。 吸収性製品にこのような通気性バックシートを組み込むことによる、使用者の 衣服をびしょびしょに濡らす問題は、当分野で認識されている。しかし、この問 題を解決する試みは、主に、ＵＳ４３４１２１６に例示されたような複数層のバ ックシートの使用である。同様に、未公開の欧州特許出願第９４２０３２２８は 、ガス透過性で、疎水性のポリマー繊維織物の外層、及び一定方向に液体を輸送 する開口形成フィルムを含有する内層を具備した使い捨て吸収性製品用の通気性 バックシートを開示する。また、未公開欧州特許出願第９４２０３２３０は、コ ア領域を越えて互いに接触しない少なくとも２つの通気層よりなる通気性バック シートを具備した通気性吸収性製品を開示する。 上記解決の何れも、バックシートのびしょぬれになる問題に十分に対処してい ない。更に、上記の解決は、追加の層が存在することにより、製品の全体の厚み の増加をもたらす。従って、これらの解決は、いわゆる薄い製品への取り込みに は応用することができない。しかし、薄い製品は、特に快適さの観点から使用者 に非常に望まれている。更に、通気性バックシートの存在によるびしょぬれにな る問題は、これらの薄いタイプの製品で使用する場合に更に目立つ。 結果として、通気性バックシートの使用により快適さが改善され、所望の保護 のレベルを維持した厚さに減少され、びしょぬれになるのを減少させた吸収性製 品を提供する必要性が存在する。 通気性バックシートが、厚さを減少させた衛生ナプキンに使用でき、その結果 、吸収性製品内に凝固剤を使用することにより高いレベルの保護及び快適さの両 方を有する製品を提供できることが今回見いだされた。 使い捨て製品に含まれるヒトの排出物を凝固させる種々の化合物を使用するこ とは、当分野で開示されている。例えば、ＵＳ４３８１７８４には衛生ナプキン での血液ゲル化剤の使用が開示されている。同様に、ＵＳ３３２９１４５には、 蛋白質様物質を凝固するペクチン及び酸を混合物として含む薄層繊維物質を含有 した液体制御エレメントを具備する衛生ナプキンが開示されている。同様に、Ｕ Ｓ４０２６２９１には、ヒト身体の体液を脱臭し、殺菌し、凝固するためのコン パクトな製品の吸収コアに、窒素を含有するカチオン化したセルロース繊維を使 用すること が開示されている。この製品はまた、体液が製品の後ろ側に浸透するのを防止す るための耐水性インナー要素を具備する。血液凝固用に生理用品の繊維に取り込 まれたカルボキシメチルアルギネート（ＣＭＡ）及びアルギニン酸塩の使用が、 ＵＳ５０８０６５７に開示されている。 しかし、吸収性製品への血液凝固剤の使用に関する上記従来技術の何れも、び しょぬれになることを減少させるために通気性バックシートと組み合わせてこれ らを適用することを想起させない。 本発明の概要 本発明は、液体透過性トップシート、吸収コア及び通気性バックシートを具備 する使い捨て吸収性製品であって、前記コアが前記トップシートと前記バックシ ートの中間物であるものに関する。 本発明の詳細な説明 本発明は、衛生ナプキン、ベビー用おむつ、失禁用製品及びパンティーライナ ーのような吸収性使い捨て製品に関する。典型的には、このような製品は、液体 透過性トップシート、バックシート及び前記トップシートと前記バックシートの 中間にある吸収性コアを具備する。本発明の吸収性製品の本質的な特徴は、通気 性バックシートであって、これを通して空気と蒸気の循環が可能なものが存在す ることである。このようなバックシートは、該吸収性製品に凝固剤を組み込むこ とにより使用者の衣服を有意にびしょぬれにすることなく吸収性製品に取り込ま れる得ることが今回見いだされた。 凝固剤 従って、本発明によれば、該吸収性製品は、本質的特徴として凝固剤を含有す る。本明細書中で使用される凝固剤の語は、半固体粒子を結合させ、集塊させ、 又は半固体粒子の粘度を増加させ、凝塊、クロット又は塊体を形成する能力を示 す物質をいう。生理用品では、これは原則的に、月経血中に存在する蛋白質様物 質、即ち血液細胞及び血漿蛋白質である。従って、本出願では、凝固剤は、月経 分泌物の蛋白 質様成分と反応する蛋白質反応性化学物質である。有効なものとするためには、 凝固剤を、吸収性製品が使用され、該製品が除去され、必要であれば取り替えら れる前の代表的な期間に月経分泌物に含まれる蛋白質と作用しなければならない 。この期間は、使用者の習慣に依存して変化し、使用されるパッドのタイプ、月 経分泌物の流れる割合、及び温度のような種々の変数に依存するであろう。典型 的には、凝固剤は、効力的であるべき、即ち少なくとも５分で、好ましくは少な くとも２分後、最も好ましくは月経分泌物と接触した後直ちに凝固が開始される べきである。 蛋白質の凝固に加えて、吸収性製品内の本発明の凝固剤の更なる利点は、凝塊 の実際の形成及び存在が、排出物の他の非蛋白質様成分の動きを妨げる働きもす ることである。従って、結果として、凝固剤は、月経分泌物及び存在しうる尿の ような他の液体の全ての成分の動きを妨げる。 本発明の吸収性製品に使用するための凝固剤は、水溶性又は水不溶性でありう る。本発明で使用するための適切な凝固剤には、アルミニウム若しくはクロムア ンモニウムジスルフェート、又はアルミニウム若しくはクロムカリウムジスルフ ェート、塩化鉄のような鉄塩、ジカルボン酸無水物及びポリカチオンが含まれる 。また、凝固剤として適切なものには、ペクチンと、ホスホタングステン酸、タ ンニン酸及びスルホサリチル酸から選択される酸の混合剤のような、化合物の組 合せがある。また、窒素を含有するカチオン化されたセルロース繊維、及び少な くともタンニン酸、アルミニウムアンモニウムジスルフェート、塩化第二鉄、ポ リエチレンオキシド、ポリアクリル酸ソーダ及びカルボキシメチルセルロースよ りなる、化合物の混合物が適切である。カルボキシメチルアルギネート（ＣＭＡ ）及びアルギン酸塩の組合せも本発明で使用することができる。好ましくは、凝 固剤は、アルミニウム若しくはクロムアンモニウムスルフェート又はアルミニウ ム若しくはクロムカリウムジスルフェート、及びこれらの混合物である。本発明 の使用に適した有効な凝固剤は、後に本明細書で開示するドリップ試験（Ｄrip test）を使用して決定されうる。 本発明で使用する凝固剤の量は、製品自身のタイプ、使用される凝固剤のタイ プ、吸収性製品内のその位置に依存するであろう。しかし、典型的には、衛生ナ プキンに使用される場合、凝固剤は０．１ｇから１．５ｇ、好ましくは０．２ｇ から１ｇより好ましくは０．２５ｇから０．７５ｇのレベルで使用される。 凝固剤はまた、吸収性製品内の何れの位置に配置されてもよい。同様に、凝固 剤はまた、吸収性製品の全体にわたって一定に分散されても、若しくは分配され てもよく、吸収性製品の特定の領域に分散されても、特定の層全体にわたって分 散されても、又は製品の特定の層の特定の領域に分散されてもよい。従って、凝 固剤は、吸収性コア、バックシート又はこれらの何れかの層、又はこれらの層の 何れかの組合せにの内に分配されうる。吸収性コアが複数の層を含有する本発明 に従った態様では、凝固剤は、好ましくはバックシートに隣接したコアの層に配 置される。 凝固剤は、当分野で周知の何れかの手段によって吸収性製品に分配される。典 型的には、凝固剤は、吸収性製品又はこれらのそれぞれの層に顆粒又は微粉末の 形態で放出又は分配される。さもなければ、凝固剤は、所望の位置で凝固剤をス プレー、コーディング、又は塗布できるように溶媒と組み合わせることができる 。この他には、凝固剤を、層内に、この層自身を製造する間に取り込ませうる。 バックシート 本発明に従った吸収性製品は、必須成分として通気性バックシートを具備する 。該バックシートは、主に、吸収構造体に吸収され、含まれているものが押し出 され、アンダーパンツ、パンツ、パジャマ及び下着のような吸収性製品に接触す る製品をぬらすのを防止する。しかし、更に、本発明のバックシートは、これを 通して蒸気、好ましくは蒸気と空気の両方を移動でき、従って、バックシートの 中と外で空気の循環を可能にする。 本発明によれば、通気性バックシートは、少なくとも１つのガス透過性層を具 備する。適切なガス透過性層は、二次元平面のミクロ及び微孔性フィルム、肉眼 で見うるように広がったフィルム及び開口形成フィルムを包含する。本発明によ れば、前記層中の開口は、何れの配置であってもよいが、好ましくは球状又は扁 長形状である。該開口は、大きさが変化していてもよい。好ましい態様では、該 開口は、層の全表面にわたって均一に分布していることが好ましいが、表面の特 定の領域のみ開口を有する層も考慮される。 本発明で使用される二次元平面フィルムは、５マイクロメータから２００マイ クロメータの平均直径を持つ開口を有する。典型的には、本発明での使用に適し た二 次元平面微孔性フィルムは、１５０マイクロメータから５マイクロメータ、好ま しくは１２０マイクロメータから５マイクロメータ、最も好ましくは９０マイク ロメータから５マイクロメータの平均直径を持つ開口を有する。典型的な二次元 平面微孔性フィルムは、２００マイクロメータから９０マイクロメータの平均直 径を持つ開口を有する。本発明の使用に適した肉眼で見うるように広がったフィ ルム及び開口形成フィルムは、典型的には、７５マイクロメータから５００マイ クロメータの直径を持つ開口を有する。バックシートが肉眼で見うるように広が ったフィルム又は開口形成フィルムを具備する本発明に従った態様では、該バッ クシートは典型的には、バックシートの全表面積の５％以上、好ましくは１０％ から３５％の開口領域を有する。 バックシートの適切な二次元平面層は、当分野で公知の何れの材料からも製造 されうるが、通常利用可能なポリマー物質から製造されることが好ましい。適切 な物質は、いわゆる通気性の衣類に適用するための当分野で周知の、例えばゴル テックス（Ｇortex）（ＴＭ）又はシンパテックス（Ｓympatex）（ＴＭ）タイプ の物質である。他の適切な物質には、ミネソタ・ミニング・アンド・マニュファ クチャリング・カンパニー（Ｍinnesota Ｍining and Ｍanufacturing Ｃompany ）、セントポール、ミネソタ、ＵＳＡのＸＭＰ−１００１が包含される。本明細 書中で使用される二次元平面層の語は、１ｍｍ以下、好ましくは０．５ｍｍ以下 の深さを有する層であって、開口が、これらの長さに沿って均一な平均直径を有 し、該層の平面の外側にはみ出ていないものをいう。本発明でバックシートとし て使用するための開口性材料は、ＥＰＯ２９３４８２及びその引用文献に開示さ れているような、当分野で公知の何れかの方法を用いて提供されうる。加えて、 この方法で製造される開口の大きさは、バックシート層の面を横切る（即ち、こ の層を引き伸ばす）力を加えることにより増加させうる。 適切な開口形成フィルムには、不連続な開口を有するフィルムが包含され、該 開口は、層の衣服に向いた表面に水平な面を越えてコアに向けて広がり、これに よって突起が形成される。この突起は、これらの終端に位置したオリフィスを有 する。好ましくは、前記突起は、ＵＳ３，９２９，１３５に開示されたのと同様 な漏斗形状である。該面内に位置した開口及び突起自身の終端に位置したオリフ ィスは、突 起の端部でのオリフィスの断面の大きさ又は領域が、層の衣服に面した表面内に 位置した開口の断面積の大きさ又は領域よりも小さい場合には、円形であっても 、円形でなくてもよい。好ましくは、前記のあらかじめ開口が形成されたフィル ムは、これらが少なくとも実質的に、完全でなくても、コアに向けて一方向に液 体を輸送するような、一方向性である。本発明の使用に適した肉眼でみうるよう に広がったフィルムには、例えばＵＳ４６３７８１９及びＵＳ４５９１５２３に 開示されているようなフィルムが包含される。 本発明によれば、バックシートは前記ガス透過性層に加えて、追加のバックシ ート層を具備する。前記追加の層は、バックシートの前記ガス透過性層の何れか の側に配置されうる。該追加の層は、繊維層のような何れかの材料、好ましくは これらがバックシートのガス透過性を減少しないようなものでありうる。 バックシートは、典型的には、吸収構造体の全体に渡って広がり、サイドフラ ップ、サイドラッピングエレメント又はウィングに広がり、これらの一部又は全 てを形成しうる。 本発明によれば、吸収性製品は、衛生ナプキン及びパンティーライナーの構成 物として有益に使用されうる。しかし、本発明の吸収性製品は、包帯及び外傷用 医薬材料及び失禁用製品としての利用も見いだされうる。従って、使い捨て製品 は、これらの意図した使用に関連した製品に典型的なこれらの特徴の全て及び一 部を有しうる。先に説明した構成要素に加え、典型的には、これらは、トップシ ート及び吸収コアを具備する。 吸収コア 本発明によれば、吸収コアには、以下の構成要素が含有される：（ａ）任意の 第一液体分配層、好ましくは任意の第二液体分配層を伴うもの；（ｂ）液体保持 層；（ｃ）該保持層の下に位置する任意の繊維（「ダスティング（dusting）」 層；及び（ｄ）他の任意の構成要素。本発明によれば、吸収コアは、予想される 最終用途に依存した何れかの厚さを有しうる。吸収性製品が、衛生ナプキン又は パンティーライナーである本発明の好ましい態様では、該コアは、１５ｍｍから １ｍｍ、好ましくは１０ｍｍから１ｍｍ、最も好ましくは７ｍｍから１ｍｍの厚 さを有しうる。 ａ第一／第二液体分配層 本発明に従った吸収コアの任意の構成要素の１つは、第一液体分配層及び第二 液体分配層である。典型的には、第一分配層は、トップシートの下に位置し、こ れと液体が連通する。トップシートは、保持層に最大の分布をさせるために、捕 捉された液体をこの第一分配層に移動する。第一分配層を介した液体の移動は、 厚さだけでなく、吸収製品の長さ及び幅に沿っても起こる。任意でもあるが、好 ましい第二分配層は、典型的には、第一分配層の下に位置し、これと液体が連通 する。この第二分配層の目的は、第一分配層からの液体を容易に捕捉し、下に位 置する保持層に迅速にこれを移動することにある。これは、下に位置する保持層 の液体収容力を十分に利用するのを助ける。液体分配層は、このような分配層に 対して代表的な何れかの材料から構成されうる。 ｂ液体保持層 第一及び第二分配層と液体が連通するように配置され、典型的にはこれらの下 に位置するのは、液体保持層である。この液体保持層は、何れかの通常の吸収材 料又はこれらの組合せを具備しうる。これは、好ましくは、適切な担体と組み合 わせた「ヒドロゲル」、「超吸収体」、「ヒドロコロイド」物質と通常称される 吸収性ゲル化剤を含有する。 吸収性ゲル化物質は、大量の水性体液を吸収することができ、更に、適度な圧 力下でこのように吸収された液体を保持することができる。吸収性ゲル化物質は 、適切な担体中に均一に又は不均一に分散されうる。適切な担体はまた、これら がそれ自身吸収剤である場合には、単独で使用されうる。 本発明の使用に適した吸収性ゲル化剤は、ほとんどの場合、実質的に水不溶性 で、わずかに架橋され、部分的に中和されたポリマーゲル化剤を包含するであろ う。この物質は、水と接触した際にヒドロゲルを形成する。このようなポリマー 物質は、当分野で周知の、重合可能な不飽和の酸を含有するモノマーから調製さ れうる。 適切な担体には、フラッフ（fluff）及び／又はティシューの形態の、天然の 修飾された繊維又は合成繊維、特に修飾又は未修飾のセルロース繊維のような吸 収性構 造体で従来から使用されている物質が含まれる。適切な担体は、吸収性ゲル化材 物質共に使用されうるが、これらはまた、単独で又は組み合わせて使用されうる 。最も好ましいのは、衛生ナプキン及びパンティーライナーに関連するティシュ ー又はティシュー積層体である。 本発明に従って作成される吸収性構造体の一態様には、自身にティシューを折 り畳むことによって形成される二層ティシュー積層体が包含される。これらの層 は、例えば、接着剤により、又は機械的なインターロックにより、又は水素架橋 結合によりお互いに結合されうる。吸収性ゲル化剤又は他の任意の物質が該層間 に含有されうる。 硬化セルロース繊維（stiffened cellulose fibers）のような修飾セルロース 繊維も使用しうる。合成繊維も使用でき、これらにはセルロースアセテート、ポ リビニルフルオライド、ポリビニリデンクロライド、アクリリックス（オルロン （Ｏrlon）のようなもの）、ポリビニルアセテート、不溶性ポリビニルアルコー ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド（ナイロンのようなもの）、ポ リエステル、二成分繊維、三成分繊維、これらの混合物等で作成されたものが含 まれる。好ましくは、繊維表面は親水性であるが、又は親水性となるように処理 される。保持層には、パーライト（Ｐerlite）、珪藻土、バーミキュライト等の ようなフィラー物質も、液体保持力を改善するために含有されうる。 吸収性ゲル化物質が担体中に不均一に分散される場合であっても、保持層は局 所的には均一でありうる。即ち、保持層の範囲内の一方又は幾つかの方向に分布 勾配を有する。不均一な分布は、部分的に又は完全に吸収性ゲル化物質を封じ込 める担体の積層体にもあてはまる。 ｃ任意の繊維（「ダスティング」）層 本発明に従った吸収コアに含めるための任意の構成要素は、保持層に隣接する 繊維層、典型的には保持層の下に位置する繊維層である。この下に位置する繊維 層は、典型的には、これが吸収コアの製造の間に該保持層に吸収性ゲル化物質を 沈積させる基質を提供するので、「ダスティング」と称される。実際に、吸収性 ゲル化物質が、繊維、シート又はストリップのようなマクロ構造体の形態である これらの例で は、この繊維状「ダスティング」層を含む必要はない。しかし、この「ダスティ ング」層は、パッドの長さに沿って液体を迅速に逃がすような幾つかの追加の液 体取り扱い能を提供する。 ｄ吸収構造体の他の任意構成要素 本発明に従った吸収コアには吸収性ウェブに通常存在する他の任意構成要素が 含まれる。例えば、補強用スクリムが、吸収コアのそれぞれの層内、又はそれぞ れの層間に配置されうる。このような補強用スクリムは、液体の輸送に対して界 面でバリアが形成されないように配置されるべきである。熱的接着の結果として 通常生じる構造的な完全性が与えられる場合、補強用スクリムは、熱的に接着さ れた吸収構造体には通常要求されない。 本発明に従った吸収コアに含まれ、好ましくは、第一及び第二液体分配層に近 接して又は仕切として設けられる他の成分は、臭気制御剤である。他の臭気制御 剤、特に適したゼオライト又はクレイ物質でコートされるか、又はこれらに加え られた活性炭が、吸収構造体に任意に取り込まれる。これらの構成要素は、何れ かの所望の形態で取り込まれうるが、しばしば、別々の粒子として含まれる。 トップシート トップシートは、単層でも、複数の層より構成されていてもよい。好ましい態 様では、トップシートは、トップシートの使用者に面した表面を提供する第一の 層、及び第一の層と吸収構造体／コアの間の第二の層を具備する。 トップシートは、全体として、従って各層個々に、着衣者の皮膚に対して柔軟 であり（compliant）、ソフトな感触で、非刺激性であることが必要である。こ れはまた、一次元又は二次元的に引き伸ばすことができる弾性特性を有する。本 発明によれば、トップシートは、この目的に利用でき、不織り布、フィルム、又 はこれらの組合せのような当分野で公知の何れかの材料から形成されうる。本発 明の好ましい態様では、トップシートの少なくとも１層が、疎水性の液体透過可 能な開口性ポリマーフィルムを含有する。好ましくは、上層は、例えばＵＳ３９ ２９１３５、ＵＳ４１５１２４０、ＵＳ４３１９８６８、ＵＳ４３２４４２６、 ＵＳ４３４３３１ ４、及びＵＳ４５９１５２３に開示されている、着衣者に面した表面から吸収構 造体へ液体の移動を促進する開口を有するフィルムにより提供される。 典型的には、トップシートは、吸収構造体の全体に渡って広がっており、好ま しいサイドフラップ、サイドラッピングエレメント又はウィングに広がり、その 一部または全部を形成しうる。 本発明によれば、吸収性製品は、当業者に周知の何れかの手段によって、トッ プシート、バックシート及び吸収コアのような種々のエレメントを結合すること により構築される。例えば、バックシート及び／又はトップシートは、接着剤の 単一連続層、接着剤のパターン化された層、又は接着剤の分離した線、渦巻き線 又はスポットの何れかの配列によって、吸収コアと又はお互いに接着されうる。 この他には、エレメントは熱接着、圧着、超音波接着、力学的機械接着、又は当 分野で公知の何れかの他の適した接合手段及びこれらの組合せで接合されうる。 例 本発明の代表的な例を以下に示す。各例では、プロクター・アンド・ギャンブ ルＧｍｂＨ、シュバルツバッハ／ドイツから利用可能な「オールウェイス・ウルト ラ・ノーマル（Ａlways Ｕlra Ｎormal）」の名称で製造される衛生ナプキンであ って、通常の製造方法に従って製造され、次いで以下に説明するように修飾され たものが得られる。 例１：参考 この例では、通気性バックシートは、低密度ＰＥ（製造コードＸ−１５２２で 、トレデガー・フィルム・プロダクツ（Ｔredegar Ｆilm Ｐroducts）、ＵＳＡ により供給される。）で作成された単一方向性（一方向性）円錐型開口フィルム （ＣＰＴ）で構成され、標準の空気気流式ティシュー及び吸収性ゲル化物質から 構成される吸収コアと接触して配置される。バックシートの衣類に面した表面は 、不織り布積層体｛ＭＤ２００５の商品名でドイツのコロビン（Ｃorovin）Ｇｍ ｂＨにより製造された１４ＭＢ／１４ＳＢ｝で構成される。この不織り布積層体 は、１４ｇｍ²のスパンボンド及び１４ｇｍ²のメルトブロウン（meltblown）で 構成される。追加の 処理又は修飾は、一切加えなかった。 例２： 追加の層を、吸収コアティシュー｛ワルキソフト・デンマーク（Ｗalkisoft Ｄenmark）（物質コード：メトマル・コトカ（Ｍetmar Ｋotka））により供給さ れる。｝の衣類に面した表面と、開口を設けた単一方向性フィルムバックシート （製造コードＸ−１５２２で、トレデガー・フィルム・プロダクツ（Ｔredegar Ｆilm Ｐroducts）、ＵＳＡにより供給される。）との間に挿入した以外、例１ の構造体と同一である。この層は、標準の１８ｇｓｍの湿流式ティシュー(「サン マルコー ＮＢＣ−１９９３」の製造名で、サンマルコs.r.l.イタリーにより供 給される。)であって、約３ｇｍ²の乾燥坪量追加レベルまで、アルミニウムカリ ウムジスルフェート（ＣＡＳ７７８４−２４−９）のｐＨ^〜４に維持された溶液 で処理されたものである。 例３： 吸収コアティシュー｛ワルキソフト・デンマーク（Ｗalkisoft Ｄenmark）（ 物質コード：メトマル・コトカ（Ｍetmar Ｋotka））により供給される。｝の衣 類に面した表面を約５０ｇｍ²の乾燥坪量追加レベルまで、アルミニウムカリウ ムジスルフェート（ＣＡＳ７７８４−２４−９）のｐＨ^〜４に維持された溶液で 処理した以外、例１と同一の構造体である。 例４： 低密度ＰＥバックシートで作成された単一方向性（一方向性）円錐型開口フィ ルム（ＣＰＴ）を、二次元平面の穿孔を設けたＰＥフィルム（製造コードＰＦ１ ０で製造されたパンテックスＳ．ｐ．Ａ．スルモナ／イタリー（Ｐantex Ｓ.p. Ａ.Ｓulmona/Ｉtaly）により供給される。）で置き換えた以外、例２と同一の構 造体である。例２のように、吸収コアティシュー｛ワルキソフト・デンマーク（ Ｗalkisoft Ｄenmark）（物質コード：メトマル・コトカ（Ｍetmar Ｋotka）） により供給される。｝の衣類に面した表面を約５０ｇｍ²の乾燥坪量追加レベル まで、アルミニウ ムカリウムジスルフェート（ＣＡＳ７７８４−２４−９）のｐＨ^〜４に維持され た溶液で処理した。 例５：（参考） 開口を設けた単一方向性フィルム及び不織り布層で構成された通気性バックシ ートを、微孔性フィルム｛製造コード エグザイア（Ｅxxaire）ＸＢＦ−１００ Ｗでエクソン・ケミカル・カンパニー（Ｅxxon Ｃhemical Ｃompany）により供 給される。）に置き換えた以外、例１と同一の構造体である。追加の処理は一切 加えなかった。 例６： 吸収コアティシュー｛ワルキソフト・デンマーク（Ｗalkisoft Ｄenmark）（ 物質コード：メトマル・コトカ（Ｍetmar Ｋotka））により供給される。｝の衣 類に面した表面を約５０ｇｍ²の乾燥坪量追加レベルまで、アルミニウムカリウ ムジスルフェート（ＣＡＳ７７８４−２４−９）のｐＨ^〜４に維持された溶液で 処理した以外、例５と同一の構造体である。 ドリップ保持試験 詳細なドリップ保持試験は、膣及び生理分泌物の透過に対する多孔性層の耐性 を評価するのに使用される。これは、個々のな凝固剤の有効性又は粘着性の簡単 な尺度として使用される。 この試験では、最初には同一である空気気流式ティシューであって、この１つ は凝固又は粘度改変剤で後処理されたものを比較した。この試験は、２つの同一 サンプル（５cm×５cm）の吸収性空気気流式ティシューサンプル｛ワルキソフト ・デンマーク(Ｗalkisoft Ｄenmark)(物質コード:メトマル・コトカ(Ｍetmar Ｋ otka)、６３ｇｓｍ)、により供給される。｝を必要とする。１つのサンプルの底 部表面を引き続きアルミニウムカリウムスルフェート（ＣＡＳ７７８４−２４− ９）の５７％溶液（ｐＨ〜４に維持したもの）で、摂氏９４度の温度においてコ ートし、約５０ｇｓｍの乾燥坪量の処理追加レベルまで約摂氏８０度で乾燥した 。 次に、両ティシューサンプルに溝を付け／保持し、液体／固体懸濁液を濾過／ 分離するのに通常採用されているのと同一の領域において、標準のフィルター漏 斗（ビカサＳ.ｐ.Ａ.バーナレッジオ／イタリー(Ｂicasa Ｓ.p.Ａ.Ｂernareggio /Ｉtaly)からコードＡＸ３１２０で利用可能である。）の６０ｍｍ幅の開口部に 挿入した。分析されるサンプルの上方にある漏斗開口部の上、約３cm の位置に 、液体輸送システムが配置される。室温に保持された脱フィブリン化した羊血液 ｛ユニパス（Ｕnipath）Ｓ．ｐ．Ａ．（ガルバネート ミラネーゼ／イタリー（ Ｇarbagnate Ｍilanese/Ｉtaly）から利用可能。７から８（単位 ｃＳｔＫ）の 範囲の粘度を有する。）の純粋で新鮮な溶液を使用した。漏斗の下には、白色の ブロット紙の小片を配置し、導入により漏斗から滴りうる何れかの血液を捕らえ 、表示するきれいな表面を提供する。 羊血液を、漏斗内のティシューサンプル上に３ml／分の速度、第二の実験では ０．５ml／分の速度（よりゆっくりした凝固剤又は粘着剤を評価することを可能 にする。）で滴らせ、液滴が漏斗の下の、白色のペーパーシート上に現れる瞬間 まで続ける。この滴りが現れる際のサンプルに保持された血液の容積を記録する 。 液体を導入され、液滴が現れない場合、サンプル（filter paper）中の液体の レベルが上昇するので、液体の高さが漏斗中のティシューサンプルの高さを超え ないように（典型的には、約５mlの導入）、液体の導入を停止するべきである。 滴下時点、又は試験の終了時点での保持容積を各輸送速度で記録する。上記の 例では、結果は以下の通りである。 処理サンプル：０．５又は３ml／分の導入速度で、Ｖ_保持＞５ml 未処理サンプル：０．５ml／分の導入速度でＶ_保持＜１．５ml ３ml／分の導入速度でＶ_保持＜１．０ml 凝固又は粘度改変剤は、これらの薬剤が含有されるティシューサンプルが、何 れかの導入速度で未処理サンプルよりも少なくとも１０％高い保持容積を示す場 合に、効果的であると考えられる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｅ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ， ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 モレナ、マルコ イタリア国、アイ―65016 モンテスィル バーノ エスピー．、ビア・ラツィオ ７ ／１ (72)発明者 ベグリオ、パオロ イタリア国、アイ―65125 ペスカラ、ビ ア・ピオンバ 23

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 液体透過性トップシート、吸収コア及び通気性バックシートを具備した 使い捨て吸収性製品であって、前記コアが前記トップシートと前記バックシート の中間に位置し、前記吸収性製品が凝固剤を含有するもの。 ２． 請求の範囲第１項に記載の使い捨て製品であって、０．１ｇから１．５ ｇの前記凝固剤を含有するもの。 ３． 請求の範囲第１項又は第２項の何れか１項に記載の使い捨て製品であっ て、０．２ｇから１．０ｇの前記凝固剤を含有するもの。 ４． 請求の範囲第１項から第３項の何れか１項に記載の使い捨て製品であっ て、前記凝固剤が、アルミニウムカリウムジスルフェート、クロムカリウムジス ルフェート、アルミニウムアンモニウムジスルフェート、クロムアンモニウムジ スルフェート及びこれらの混合物から選択されるもの。 ５． 請求の範囲第１項から第５項の何れか１項に記載の使い捨て製品であっ て、前記通気性バックシートが、開口を設けたポリマーフィルム又は二次元平面 の、開口を設けたフィルムから選択される少なくとも１つの層を具備するもの。 ６． 請求の範囲第５項に記載の使い捨て製品であって、前記層が二次元平面 の、開口を設けた層であり、前記開口が１５０マイクロメータから５マイクロメ ータの平均直径を有するもの。 ７． 請求の範囲第５項に記載の使い捨て吸収性製品であって、前記層が二次 元平面の、開口を設けた層であり、前記開口が９０マイクロメータから２００マ イクロメータの平均直径を有するもの。 ８． 請求の範囲第５項に記載の使い捨て製品であって、前記層が開口を設け たフィルムであり、前記開口が７５マイクロメータから５００マイクロメータの 平均直径を有するもの。 ９． 請求の範囲第１項から第８項の何れか１項に記載の使い捨て製品であっ て、前記通気性バックシートが少なくとも２つの層を具備し、第一の層が開口を 設けた層を具備し、第二の層が繊維層を具備するもの。 １０． 請求の範囲第１項から第９項の何れか１項に記載の使い捨て製品であ っ て、前記製品が衛生ナプキン又はパンティーライナーであるもの。