JPH11512942A - 臭気制御のための多官能的に置換された芳香族キレート化剤を含む吸収製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、改良された臭気制御のための多官能的に置換された芳香族キレート化剤を含む臭気制御システムを備えた吸収製品、特に生理用ナプキンおよびパンティーライナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 臭気制御のための 多官能的に置換された芳香族キレート化剤を含む吸収製品 発明の分野 本発明は、改良された臭気制御効果を提供する吸収製品、特に生理用ナプキン およびパンティーライナーに関する。 発明の背景 吸収製品の主要焦点は、依然として、これら製品が流体を吸収し、保持する能 力であるが、この分野における別の重要な発展領域は、吸収された流体またはそ の分解産物の中に含まれる臭気化合物を制御することである。使用中に吸収製品 内に存在し得る広範な化合物があり、これが悪臭発生という結果に至る。これら 化合物には、脂肪酸、アンモニア、アミン、硫黄含有化合物およびケトンやアル デヒドが含まれる。 当該分野には、悪臭発生の問題に取り組むために、吸収製品に使用される種々 の臭気制御剤の記載が豊富にある。これら臭気制御剤は、典型的には、制御剤が 消そうとする臭気のタイプに従って分類することができる。臭気は、酸性、塩基 性または中性として分類され得る。酸性臭気の制御剤は、ｐＨが７より大きく、 典型的には、無機炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩を含む。塩基性臭気の 制御剤は、ｐＨが７未満で、クエン酸、ホウ酸およびマレイン酸のような化合物 が含まれる。 中性臭気の制御剤は、ｐＨが約７である。例えば、ＥＰＯ ３４８ ９７８、Ｅ ＰＯ ５１０ ６１９、ＷＯ ９１／１２０２９、ＷＯ ９１／１１９７７およびＷ Ｏ ９１／１２０３０に記載されているように、このタイプの化合物例には、活 性炭、クレー、ゼオライト、シリカおよびデンプンが含まれる。 これら臭気制御剤のタイプ全ては、悪臭化合物およびその前駆物質を制御剤で 吸収するメカニズムにより臭気を制御すると信じられている。しかし、臭気の発 生自体が防止できるわけではないため、臭気の検出が完全に除去されるわ けではないので、このようなメカニズムは完全に効果があるわけではない。 ＵＳ ４ ３５６ １９０は、体表面上の不快な産物の生成を阻害するためのポ リカルボン酸化合物およびアミノホスホネートの使用、および月経製品における これら化合物の使用を開示している。 ＥＰＯ ５２４ ５８１は、臭気の原因となる陽イオンと不溶性の複合体を形成 することによる臭気の除去を開示している。適切な化合物には、フッ化物、ホス フェート、オキサレートが含まれる。その組成物は、月経製品、オムツおよび失 禁製品において有用である。 しかし、広範な悪臭化合物にわたって有効な臭気制御を提供する臭気制御剤ま たは臭気制御システムを提供する必要性がなお存在している。特に、臭気化合物 の生成自体を妨げ、好ましくは防止し、かつ残った何れの臭気をも吸収するシス テムを提供する必要性がある。 上記必要性は、多官能的に置換された芳香族キレート化剤を含む臭気制御シス テムの使用により解決され得ることが、驚くべきことに今や見出された。 発明の概要 本発明は、液体透過性トップシート、吸収性コアおよびバックシートを含む使 い捨て吸収製品に関する。当該コアは、中間にある。吸収製品は、多官能的に置 換された芳香族キレート化剤を含む臭気制御システムを備えている。 発明の詳細な説明 本発明によると、吸収製品は、このように、多官能的に置換された芳香族キレ ート化剤を含む臭気制御システムを不可欠な構成要素として備えている。ここで 有用な多官能的に置換された芳香族キレート化剤は、1974年5月21日にコナー（C onnor）らに発行された米国特許第３，８１２，０４４号に開示され、ここに参 照により本明細書の開示内容の一部とした。ここで開示されたキレート化剤のな かで、最適のキレート化剤作用は、官能基が互いに近くに位置しているキレート 化剤、より好ましくは、官能基が芳香核上の隣接する炭素原子に結合しているキ レート化剤で達成されることが見出された。酸の形態にあるこ のタイプの好ましい化合物は、ジヒドロキシジスルホベンゼン、例えば１，２− ジヒドロキシ−３，５−ジスルホベンゼンである。 本発明の吸収製品は、好ましくは５ｇｍ^-2から３００ｇｍ^-2まで、より好まし くは１０ｇｍ^-2から１８０ｇｍ^-2まで、最も好ましくは３５ｇｍ^-2から６５ｇｍ^-2 までの前記臭気制御システムを含んでいる。 臭気制御システムは、多官能的に置換された芳香族キレート化剤に加えて、当 該分野で知られた追加のキレート化剤、例えばアミノカルボキシレートおよびア ミノホスホネートを含み得る。その上、当該システムは、追加の臭気制御剤、例 えばゼオライト、シリカ、活性炭、吸収性ゲル化材料、抗菌剤またはこれらの混 合物を含むことが可能で、これら全ては当業者に知られている。好ましくは、多 官能的に置換された芳香族キレート化剤は、追加の臭気制御剤との組み合わせで 、１：５から５：１まで、好ましくは１：３から３：１までの重量比で存在して いる。 本発明によると、吸収製品に使用可能な臭気制御システムの重量は、吸収製品 の大きさを心に留めている当業者なら容易に決定することができる。例えば、吸 収製品は、０．５ｇから５ｇまで、好ましくは１ｇから３ｇまで、最も好ましく は１．５ｇから２．５ｇまでの前記臭気制御システムを含み得る。 キレート化剤および何れもの任意の臭気制御剤は、当該分野で開示された何れ もの方法、例えば吸収製品のコア上で層にする、または吸収性コアの繊維内に混 合することによって吸収製品に組み込むことが可能である。キレート化剤は、好 ましくは二層のセルロースティッシューの間に組み込まれる。任意に、当該シス テムは、例えば熱溶融接着剤または何れもの適切な結合システムをつかって、二 層のセルロースティッシューの間で結合することができる。 より好ましくは、キレート化剤は、ＷＯ ９４／０１０６９またはイタリア特 許出願番号ＴＯ ９３Ａ ００１０２８の開示に従って、層構造に組み込まれる。 ＴＯ ９３Ａ ００１０２８は、実質的にＷＯ ９４／０１０６９に記載どおりの 層構造を開示しているが、ただし、ＴＯ ９３Ａ ００１０２８が、本発明におけ る任意の構成要素として組み込まれる繊維質層（１２０ｇｍ^-2）の間にある中間 層において、非常に多量の吸収性ゲル化材料を含んでいることを除 く。その中間層は、予め混合した臭気制御剤および本発明のキレート化剤と混合 される熱可塑性材料として、とりわけポリエチレン粉体を含む。その後、ポリエ チレンが溶融し、ラミネート層および構成要素を接着するようにその混合物を加 熱する。繊維質層の間で結合ポイントを形成するブリッジは、ＡＧＭの粒子、並 びに熱可塑性材料の粒子を含む。（ＡＧＭの吸収能は結合により影響を受けない 。）接着剤ラインは、好ましくはラミネートの端にも配置され、ラミネートの端 が固着して、何れもの固定されてない臭気制御材料またはキレート剤がラミネー トから落ちないように保証する。 キレート化剤は、吸収製品内に粉体または顆粒として組み込むことができる。 キレート化剤は、吸収製品全体にわたって、第二のトップシートにおいて、コア の少なくとも一層において均質に分布させることができる。好ましい態様におい て、前記キレート剤は、流体排泄物の少なくとも一部が、前記臭気制御剤より前 に前記キレート化剤と接触するように配置されている。特に、前記キレート化剤 は、臭気制御剤から離れた層に位置する。より好ましくは、キレート化剤は、ト ップシートに面して位置するか、またはトップシート自体の中に位置し、臭気制 御剤は、キレート化剤よりもさらにトップシートから離れて位置する、最も好ま しくは、キレート化剤は、トップシート層の少なくとも一層中に位置し、臭気制 御材料はコア中に位置する。特に、キレート化剤は、吸収製品の流体排泄物の流 入箇所に位置する。 キレート化剤および任意の臭気制御剤は、吸収製品若しくはその層のいずれか 一層の至るところに均質に分布させることができ、または実質的に吸収製品の中 心に、若しくは実質的に吸収製品の端に分布させることもできる。 吸収性コア 本発明によると、吸収性コアは以下の構成要素を含むことができる：（ａ）好 ましくは第二の任意の流体分配層を備えた任意の第一の流体分配層；（ｂ）流体 貯蔵層；（ｃ）貯蔵層の下にある任意の繊維質（「ダスティング」）層；および （ｄ）他の任意の構成要素。本発明によると、吸収性コアは、予定した最終用途 に見合った何れもの厚さをもつことができる。 ａ第一の／第二の流体分配層 本発明による吸収性コアの任意の一構成要素は、第一の流体分配層および第二 の流体分配層である。第一の流体分配層は、典型的にはトップシートの下にあり 、トップシートと流体連通している。トップシートは、獲得した流体を貯蔵層へ の最終的分配のためにこの第一の分配層に移す。第一の分配層を経由した流体の この移送は、その厚みだけでなく、吸収性製品の長さおよび幅方向に沿っても起 こる。さらに任意であるが好ましい第二の分配層は、典型的には第一の分配層の 下にあり、第一の分配層と流体連通している。この第二の分配層の目的は、第一 の分配層から流体を獲得し易くし、その下の貯蔵層に素早く流体を移すことであ る。このことは、その下の貯蔵層の流体収容力を完全に利用することを助ける。 流体分配層は、このような分配層に典型的ないずれの材料をも含むことが可能で ある。特に、繊維質層は、濡れたときでさえ、繊維の間にキャピラリーを保持し 、分配層として有効である。 ｂ流体貯蔵層 流体貯蔵層は、第一または第二の分配層と流体連通し、典型的にはこれら分配 層の下にある。流体貯蔵層は、何れもの通常の吸収性材料またはその組み合わせ を含むことができる。流体貯蔵層は、好ましくは、適切なキャリアと組み合わせ て吸収性ゲル化材料を含む。 適切なキャリアは、吸収性構造に通常利用される材料、例えば、フラフ（毛羽 ）および／またはティッシューの形態の天然、変性または合成繊維、特に変性ま たは非変性セルロース繊維などである。適切なキャリアは、吸収性ゲル化材料と 共に使用することもできるが、単独または組み合わせて使用することも可能であ る。生理用ナプキンおよびパンティライナーの観点からは、ティッシューまたは ティッシューラミネートが最も好ましい。 本発明によりつくられた吸収性構造の一態様は、ティッシューをそれ自体の上 に折りたたむことで形成された二重層のティッシューラミネートを含む多重層を 含み得る。これらの層は、例えば接着剤、または機械的な絡み合い、ま たは水素架橋バンド（結合）により互いに結合することができる。吸収性ゲル化 材料または他の任意の材料は、この層の間に含むことができる。 硬化セルロース繊維のような変性セルロース繊維を使用することもできる。さ らに合成繊維を使用することも可能で、合成繊維には、酢酸アセテート、ポリフ ッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート（例えばオーロン（Orlon ））、ポリ酢酸ビニル、不溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロ ピレン、ポリアミド（例えばナイロン）、ポリエステル、二成分繊維、三成分繊 維、その混合物などからつくられた繊維などがある。好ましくは、繊維表面は親 水性であるか、または親水性であるように処理されている。貯蔵層は、さらに充 填材料、例えば、パーライト（Perlite）、ケイソウ土、バーミキュライト（Ver miculite）などを液体保持力を改良するために含むことができる。 吸収性ゲル化材料がキャリア中に不均質に分散していても、貯蔵層は局部的に 均質となることができ、つまり、貯蔵層の次元の中の一方向または数方向に分布 勾配をもつことができる。不均質な分布は、吸収性ゲル化材料を部分的にまたは 完全に囲むキャリアのラミネートにも適用することができる。 ｃ任意の繊維質（「ダスティング」）層 本発明による吸収性コアに含有するための任意の構成要素は、貯蔵層に隣接し た、典型的には貯蔵層の下にある繊維質層である。下に横たわるこの繊維質層は 、典型的には「ダスティング」層と呼ばれている。何故なら、この層は吸収性コ アの製造の間に貯蔵層に吸収性ゲル化材料を堆積させるための基層を提供するか らである。実際、吸収性ゲル化材料が、繊維、シートまたはストリップのような 巨大構造の形態にある場合に、この繊維質「ダスティング」層を含むことを必要 としない。しかし、この「ダスティング」層は、付加的な流体処理能力、例えば パッドの長さに沿った流体の急速な吸上作用を提供する。 ｄ吸収性構造の他の任意の構成要素 本発明による吸収性コアは、吸収性ウェブに通常存在する他の任意の構成要 素を含むことができる。例えば、補強スクリムは、吸収性コアの各々の層の中に 、または各々の層の間に配置することができる。このような補強スクリムは、流 体移送に界面障壁を形成しないような形態でなければならない。熱結合の結果、 通常存在する構造の一体性が付与されれば、熱結合の吸収性構造に補強スクリム は通常必要とされない。 トップシート 本発明によると、吸収製品は不可欠な構成要素としてトップシートを含んでい る。トップシートは、単一層または多重層を含み得る。好ましい態様において、 トップシートは、トップシートの、使用者に面する表面を提供する第一の層、お よび第一の層と吸収性構造／コアとの間の第二の層を含む。 トップシートは全体として、したがって各層が個々に、従順で、柔軟な感触で 、着用者の肌に刺激のないことが必要である。さらにトップシートは、一または 二方向に引き伸ばすことが可能な伸縮特性をもつことができる。本発明によると 、トップシートは、この目的に有効で当該分野で公知のいずれもの材料、例えば 織布および不織布、およびフィルムから形成することができる。本発明の好まし い態様において、トップシートの少なくとも一つの層、好ましくは上層が、疎水 性で液体透過性の開孔ポリマーフィルムを含む。好ましくは、上層は、着用者に 面する表面から吸収性構造への液体移送を容易にするために付与された開孔部を 有するフィルム材料により提供される。下層が存在する場合は、好ましくは、不 織層、開孔された成形フィルムまたはエアレイドティッシューを含む。 バックシート バックシートは、主として、吸収性構造に吸収され保持された排泄物が吸収製 品と接触する用品、例えばアンダーパンツ、パンツ、パジャマおよび下着を濡ら さないように防ぐ。バックシートは、好ましくは液体(例えばメンスおよび／ま たは尿)不透過性で、好ましくは薄い可塑性フィルムから製造されるが、他の柔 軟な液体不透過性材料を使用することもできる。ここで使用する「柔軟 な」という用語は、従順で、人体の一般的な形状および外形に容易に順応する材 料のことをいう。バックシートは、一または二方向に引き伸ばすことが可能な伸 縮特性をもつことも可能である。 バックシートは典型的には、吸収性構造の全体にわたって広がっており、好ま しいサイドフラップ、サイドラッピング要素またはウィングの一部または全部に 広がって形成することが可能である。 バックシートは、織材料または不織材料、ポリエチレンまたはポリプロピレン の熱可塑性フィルムなどのポリマーフィルム、またはフィルム被覆の不織材料の ような複合材料を含むことができる。好ましくは、バックシートはポリエチレン フィルムである。 典型的なポリエチレンフィルムは、オハイオ州、シンシナチのクロペイ社（Cl opayCorporation）により、名称Ｐ１８−０４０１、およびインディアナ州、テ レホイテのエチル社（Ethyl Corporation）のビスクイーン・デビジョン（Visqu een Division）により、名称ＸＰ−３９３８５で製造されている。バックシート は、好ましくはエンボス加工および／またはマット仕上げされ、布のような外観 が付与される。さらに、バックシートは、吸収性構造から蒸気が漏れることを可 能にし、つまり呼吸可能であるが、排泄物がバックシートを通過することを防い でいる。さらに、幾つかの層、例えばフィルムと不織構造を含む呼吸性可能なバ ックシートを使用することができる。 本発明によると、吸収製品は、生理用ナプキン、パンティーライナー、大人用 失禁製品および赤ちゃんのオムツにおいて実用性を見出すことができる。特に本 発明は、生理用ナプキンおよびパンティーライナーにおける適用が見出される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ａ４１Ｂ 13/02 Ｎ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．液体透過性トップシート、バックシート、および吸収性コアを含む吸収製品 であって、前記コアが前記バックシートと前記トップシートとの間にあり、前記 吸収製品は多官能的に置換された芳香族キレート化剤を含む臭気制御システムを 備えた前記吸収製品。 ２．前記製品が５ｇｍ^-2から３００ｇｍ^-2までの前記多官能的に置換された芳香 族キレート化剤を含む請求項１記載の吸収製品。 ３．前記芳香族キレート化剤が多官能基が互いに近くに位置するものから選択さ れる請求項１または２記載の吸収製品。 ４．前記臭気制御システムがゼオライト、シリカ、活性炭、吸収性ゲル化材料、 またはその混合物から選択された臭気制御剤をさらに含む請求項１ないし３のい ずれか１項記載の吸収製品。 ５．前記芳香族キレート化剤の前記臭気制御剤に対する比が１：５から５：１ま でである請求項４記載の吸収製品。 ６．前記臭気制御剤が前記芳香族キレート化剤より前記トップシートからさらに 離れて位置する請求項４記載の吸収製品。 ７．前記製品が生理用ナプキンまたはパンティーライナーである請求項１〜６の いずれか１項記載の吸収製品。