JP2002508217A - 吸収製品における汚れ隠蔽バックシートの使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色された部品を用いることなく、製品の裏側または衣服に面する面を通して見たときに、吸収体コア内に含まれる吸収された物質を隠蔽すること。 【解決手段】 生理用ナプキンやパンティライナーのような吸収製品に関する。三次元成形膜層を含むバックシートの用途であって、吸収製品の衣服に面する面から見たときに、吸収製品に貯蔵された物質の隠蔽を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、生理用ナプキンやパンティライナーのような吸収製品に関する。特
に、本発明は、衣服に面する製品の表面を通して見たときに、製品内に貯蔵され
た物質を隠蔽するの、吸収製品内のバックシート構成の使用に関する。

【０００２】

【従来の技術】

生理用ナプキン、おむつ、失禁用製品、汗パッドのような吸収製品が、この分
野において知られている。典型的なこれらの製品は、着用者に面する面と衣服に
面する面とを含む。着用者に面する面は、製品に吸収され、貯蔵されるべき、尿
、糞便、女性器分泌物等の、体内からの排出物を受ける。製品が排出物を吸収す
るためには、製品の着用者に面する面が液体透過性である必要がある。

【０００３】 トップシートもまた、この分野で知られており、典型的には、不織布、織布、
または多孔膜材料から選択される。トップシートに布様の外観を与え、比較的柔
らかく、着用者に心地よいものである限り、不織布および織布が望ましい。しか
し、そのようなトップシートが有する問題は、それらがある程度の吸収能力を有
することである。

【０００４】 このように、トップシートは、急速に飽和し、製品の着用者に濡れた感触を与
える。更に、そのような不織布および織布のトップシートはまた、使用により、
急速に、汚れた、不衛生な外観を呈する。更に、吸収された流体は、トップシー
トを通して容易に見とおされ、それはまた消費者から、見苦しく、望ましからぬ
ものと考えられる。

【０００５】 これらの問題を取り除く試みは、主として、界面活性剤やフィラーでトップシ
ートを処理することである。しかし、これらの処理のいずれも、その問題を満足
がいくようには解決していない。或いは、液体排出物をトップシートを通して吸
収体コアに導入することを促進するように設計された、漏斗型の孔を有する、多
孔成形膜のような他のトップシート材料が提案された。これらの型のトップシー
トは、通常、再湿潤の問題を避けられるので、好ましい。しかし、これらの材料
もまた、吸収体コアに含まれる吸収された流体が見える問題を、完全には取り除
いていない。

【０００６】 更に、吸収された流体および物質を隠蔽する問題は、しかし、トップシートま
たは製品の着用者に面する面から又はそれを通して製品を見たときに見える、コ
アに含まれる物質および流体からの汚れに限定されない。事実、この問題は、吸
収流体が容易に見えるバックシートまたは衣服に面する面から又はそれを通して
製品を見たときにも、等しく言える。

【０００７】 典型的には、吸収体コアにおける吸収された流体のこれらの汚れは、製品が下
着から除かれ、廃棄のため折りたたまれるので、例えば生理用ナプキンやパンテ
ィライナーの消費者には、特に目だつ。ここでも、吸収された物質は、下着に密
着しており、不衛生であり、かつ製品の吸収能力が充分に用いられない場合に、
漏れが生ずるので、これらの汚れを見ることに、消費者は、特に不快感を感じる
。

【０００８】 この問題に向けられ、バックシートを通して汚れが容易に見えることを防止す
るように提案された解決法は、バックシートまたは吸収体コアに、単に、着色ま
たは白でない外観を与えることである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】

しかし、着色された吸収製品は、美的観点から、特に、白色製品よりも着色製
品は、多くの消費者にとって使用済みの、不衛生な外観をもつものと考えられ、
望まれないため、受け入れ難い。

【００１０】 それゆえ、着色された部品を用いることなく、製品の裏側または衣服に面する
面を通して見たときに、吸収体コア内に含まれる吸収された物質を隠蔽する必要
性が存在する。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

この問題は、驚くべきことに、吸収製品内に、三次元成形膜層を含むバックシ
ートを組み込み、かつ使用することにより、対処し得ることが見出された。

【００１２】 本発明は、吸収製品、好ましくは呼吸し得る吸収製品における、三次元成形膜
層を含むバックシートの使用に関する。前記製品は、着用者に面する面と、衣服
に面する面とを含む。従って、本発明は、特に、前記吸収製品の前記衣服に面す
る面を通しての汚れの隠蔽を提供するために、前記形成された膜層を用いるもの
である。

【００１３】 本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁用製品、汗パッド、およ
び赤ん坊のおむつのような吸収製品に関する。本発明によると、これらの製品は
、着用者に面する面と、衣服に面する面とを含む。典型的には、そのような製品
は、着用者に面する面を提供する液体透過性トップシートと、衣服に面する面を
提供するバックシートと、前記トップシートとバックシートとの間の吸収体コア
とを含む。本発明は、好ましくは、より一般には、呼吸可能なバックシートと呼
ばれている、湿分蒸気透過性、液体不透過性バックシートを含む製品に関する。

【００１４】 吸収製品はまた、任意の部品またはこの分野でおいて通常の特徴、特にサイド
ラッピング要素、サイドフラップ要素、またはウイングを含むことが出来、同時
に、展延性または弾性の特徴は、吸収製品に含まれ得る。例えば、典型的な生理
用ナプキンまたはパンティライナーは、パンティ補強接着剤を提供するバックシ
ートの衣服に面する面に、接着領域を含む。その接着剤は、製品の使用前には、
剥離紙、ラッパー等により覆われている。

【００１５】 液体を吸収する吸収性品について、生理用ナプキンまたはパンティライナーを
参照して、以下に説明する。しかし、大人のまたは乳幼児のおむつ、失禁用製品
、または汗パッドのような製品は、同様に、本発明から利益を得ることが出来る
。

【００１６】 バックシート 本発明による吸収製品は、基本的特微としてバックシートを含んでいる。バッ
クシートは、主として、吸収体構造に吸収され、含まれている排出物が、下着パ
ンツ、パンツ、パジャマ、および下着のような、吸収製品と接する製品が濡れる
のを防止し、それによって流体移動へのバリアとして作用する。

【００１７】 バックシートは、典型的には、吸収体構造全体に広がり、また、サイドフラッ
プ、サイドラッピング要素、またはウイングの一部またはすべてに広がり、かつ
それらを形成する。液体バリアとして作用することに加えて、本発明のバックシ
ートはまた、少なくとも湿分蒸気、好ましくは蒸気と空気の両方の移動を許容す
るように、そしてバックシートを通るガスの循環を許容するように、好ましくは
呼吸可能である。

【００１８】 驚くべきことに、３次元成形膜層を含むバックシートの使用はまた、吸収製品
内に含まれる物質の隠蔽の意味で望ましい利点をもたらすことが、更に確認され
ている。特に、３次元成形膜層を含むバックシートの使用は、製品を衣服に面す
る面から見たときに、見える汚れを減少させる。

【００１９】 バックシートを通して観察し得るコア内の吸収された流体および物質の量は、
本明細書に記載されている以下のことを用いることにより、容易に定量化され得
る。このテスト方法は、白さおよび赤さによりバックシート構造の隠蔽力を検定
する反射分光光度分析を用いるものである。好ましくは、白さ（Ｌ）パラメータ
ーは、７０を越え、好ましくは７５を越え、最も好ましくは８０を越え、赤さ（
ａ）パラメーターは、好ましくは５未満であり、より好ましくは４未満であり、
最も好ましくは３未満である。

【００２０】 本発明によると、上述した利点を提供するためにバックシートとして使用され
る、適切な、３次元的に形成された膜は、従来、知られているどのような３次元
的に形成された膜でもよい。この形成された膜は、多孔膜または非多孔膜とする
ことが出来る。しかし、多孔膜は、吸収製品に呼吸性を提供する能力のため、特
に好ましい。

【００２１】 何ら理論に基づくものではないが、３次元膜により提供された吸収製品の衣服
に面する面を通しての汚れの隠蔽は、２つの主要な効果による結果により達成さ
れる。第１に、典型的に使用される２次元膜は、わずか約２０〜３０μmの幅を 有し、それによって効果的に透明であり、コアに含まれる物質を容易に見えるよ
うにする。

【００２２】 これに対し、バックシート構造内の３次元膜の使用は、その突出する漏斗の性
質により、約５００μmのコアと衣服に面する面との間の増加した幅を形成し、 そこでは、コアに含まれる物質を検出する人間の目の力はかなり減少する。第２
に、バックシート構造内に２次元膜を含ませることはまた、コア内の吸収された
物質の幾らかが、コアが接触するバックシート材料の表面を汚す結果となる。

【００２３】 このことは、再び、バックシートを通しての吸収された物質の視認性を更に強
調する。しかし、これに対し、本発明の３次元膜の使用は、コアとバックシート
との間の接触表面積を減少させ、その結果、吸収された物質は、バックシートの
表面を汚さない。これらの効果の組合せの結果として、吸収製品の衣服に面する
面を通しての吸収された物質の視認性は減少する。

【００２４】 ここで使用される適切な多孔膜は、その層の衣服に面する面の水平面を越えて
コアに向かって延び、それによって突起を形成する個別の孔を有する膜を含んで
いる。この突起は、その末端に位置するオリフィスを有している。好ましくは、
前記突起は漏斗状で、米国特許第３，９２９，１３５号に記載されたものに類似
している。

【００２５】 平面内に位置する孔と突起の末端に位置するオリフィスそれ自体は、突起の末
端におけるオリフィスの断面寸法が、層の衣服に面する面内に位置する孔の断面
寸法または面積よりも小さいならば、円形または非円形であろう。好ましくは、
前記多孔膜は、もし完全でなければ少なくとも実質的に、コアに向かう１つの方
向の流体の移動を有するように、１方向性である。

【００２６】 ここで使用される、他の適切な成形膜層は、例えば米国特許第４，６３７，８
１９および第４，５９１，５２３号に記載された、巨視的に膨張した膜を含む。

【００２７】 本発明によると、バックシートは、前記３次元的に形成された膜に加えて、追
加の層を含む。適切なバックシート層材料として、この分野で知られた層はとし
て、織布または不織材料、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性膜のよう
なポリマー膜、または膜被覆不織材料のような複合材料がある。好ましくは、バ
ックシートは、約０．０１２ｍｍ（０．５ミル）〜０．０５１ｍｍ（２．０ミル
）の厚さを有するポリエチレン膜である。

【００２８】 例としてのポリエチレン膜は、名称Ｐ１８−０４０１の下で、米国オハイオ州
シンシナティ市のクロペイ（Ｃｌｏｐａｙ）社により、名称ＸＰ−３９３８５の
下で、米国インジアナ州テレハウテのエチル（Ｅｔｈｙｌ）社のビスクイーン（
Ｖｉｓｑｕｅｅｎ）部により製造されている。バックシートは、好ましくは、よ
り布状の外観を提供するように、エンボス加工され、および／またはマット仕上
げされている。

【００２９】 本発明の好ましい態様では、追加の層はまた、湿分蒸気透過性であり、従って
呼吸可能である。適切な湿分蒸気透過性層としては、２次元の平らな、微細気孔
質および巨大気孔質膜、巨視的に膨張した膜、多孔膜および単層膜がある。本発
明によると、前記層内の孔は、任意の形態をとることが出来るが、好ましくは球
状または細長い形であり、また様々な寸法とすることが出来る。孔は、好ましく
は、層の全面に均一に分布しているのがよいが、しかし、所定の領域のみが孔を
有する層も含まれる。

【００３０】 バックシートの適切な２次元気孔質平面層は、従来知られているものから作る
ことが出来るが、好ましくは、一般に入手可能なポリマー物質から製造される。
適切な物質は、いわゆる呼吸可能な布の用途に従来からよく知られている、例え
ばゴレテックス（Ｇｏｒｅｔｅｘ：商標）またはシンパテックス（Ｓｙｍｐａｔ
ｅｘ：商標）である。他の適切な物質として、米国ミネソタ州セントポールの３
Ｍ社のＸＭＰ−１００１、およびエクソンケミカル社により供給されたエクサイ
ヤー（Ｅｘｘａｉｒｅ）ＸＢＦ−１０１Ｗがある。

【００３１】 本明細書で使用する２次元平面層とは、１ｍｍ未満、好ましくは０．５ｍｍ未
満の深さを有する層を言い、そこでは、孔は、その長さに沿って均一な平均径を
有し、それは、層の面から突出していない。本発明においてバックシートとして
用いられる多孔材料は、ＥＰＯ２９３，４８２に記載されているような、従来、
この分野で知られている任意の方法により製造することが出来る。加えて、この
方法により製造された孔の寸法は、バックシート層の面にわたって力を加えるこ
とにより（即ち、層を伸ばすことにより）増加させることが出来る。

【００３２】 適切な単一膜として、米国デュポン社から市販されているＨｙｔｅｌ（商標）
があり、および他の材料として、Ｅｌｓ Ａｔｏｃｈｅｍ（フランス）から市販
されているＰｅｂａｘ（商標）、およびＢＦ Ｇｏｏｄｒｉｃｈ（ベルギー）か
ら市販されているＥｓｔａｎｅ（商標）のような、インデックス９３コングレス
セッション７Ａ「不織布に価値を加える」Ｊ−Ｃ，ＣａｒｄｉｎａｌおよびＹ．
Ｔｒｏｕｉｈｅｔ、デュポン・ド・ネモアスインターナショナルＳ．Ａ．スイス
に記載されているものがある。

【００３３】 ここで用いるための好ましい呼吸可能なバックシートは、高い湿分蒸気交換性
、最も好ましくは、高い湿分蒸気交換性および高い空気交換性の両方を有するも
のである。本発明の特に好ましいバックシートは、３次元多孔膜、および織布ま
たは不織布からなる微細気孔質層または多孔層のような、上述のものから選択さ
れた少なくとも１つの追加の層を含む。最も好ましい呼吸可能なバックシート部
品は、微細気孔質膜および多孔膜を含む。

【００３４】 トップシート 本発明によると、吸収製品は、トップシートを含む。トップシートは、着用者
の皮膚に対し、心地よく、やわらかな感触であり、刺激性でない。トップシート
はまた、トップシートの一部または全体において１方向または２方向に伸ばされ
ることを可能とする弾性特性を有することが出来る。更に、トップシートは、流
体（例えばメンスおよび／または尿）をその厚さを通して透過するのを許容する
流体透過性である。適切なトップシートは、織布または不織布、多孔熱可塑性膜
、多孔プラスチック膜、およびハイドロフォーム熱可塑性膜のようなポリマー材
料、および熱可塑性スクリムのよう広範な材料から製造される。

【００３５】 適切な織布または不織布材料は、天然繊維（例えば、ウールまたはコットン繊
維）、合成繊維（例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレン
繊維のような繊維繊維）、または天然繊維と合成繊維の組合せ、または２成分／
多成分繊維を含み、好ましくは疎水性がよい。

【００３６】 本発明に使用される好ましいトップシートは、高柔軟性不織布トップシート、
および多孔膜トップシートから選択される。体液を透過し、吸収体ではなく、流
体を通過させて戻し、着用者の皮膚を再び濡らすことに対する減少した傾向を有
ので、多孔膜が特に好ましい。このように、身体と接触する成形膜の表面は、乾
燥したままであり、それにより身体の汚れを減少させ、着用者に対しより快適な
感触を与える。

【００３７】 適切な成形膜は、米国特許第３，９２９，１３５号、米国特許第４，３２４，
２４６号、米国特許第４，３４２，３１４号、米国特許第４，４６３，０４５号
、米国特許第５，００６，３９４号に記載されている。特に好ましい微細多孔成
形膜トップシートは、米国特許第４，６０９，５１８号、米国特許第４，６２９
，６４３号に記載されている。本発明の好ましいトップシートは、上記特許の１
つまたはそれ以上に記載され、プロクターアンドギャンブル社により生理用ナプ
キンに対し「ＤＲＩ−ＷＥＡＶＥ］として市販されている成形膜を含む。

【００３８】 液体の通路の不均一な分布を有するが、液体通路を含むトップシートの一部の
みを有するトップシートもまた、本発明に含まれる。典型的には、そのようなト
ップシートは、液体を中央部では透過するが、周辺部では透過しないように配置
された通路を有するものであろう。

【００３９】 成形膜トップシートの着用者に面する面は、身体の表面が親水性でないならば
、より速くトップシートを液体が通過するのを助けるように、親水性とすること
ができる。好ましい態様では、ＰＣＴ公報ＷＯ９３／０９７４１に記載されてい
るように、成形膜トップシートのポリマー物質中に、界面活性剤が含まれる。或
いは、トップシートの身体面は、米国特許第４，９５０，２５４号に記載されて
いるように、それを界面活性剤で処理することにより、親水性とされる。

【００４０】 他のトップシートは、繊維状およびフィルム状構造を含む、いわゆるハイブリ
ッドトップシートである。そのようなハイブリッドトップシートの特に有用な態
様は、 ＰＣＴ公報ＷＯ９３／０９７４４、 ＷＯ９３／１１７２５、またはＷＯ
９３／１７２６に記載されている。

【００４１】 トップシートについては、多層構造または単層構造が含まれる。上述のハイブ
リッドトップシートは、そのような多層デザインであるが、第１および第２のト
ップシートデザインのような多層トップシートもまた考えられる。

【００４２】 トップシートは、典型的には、吸収体構造の全体にわたって、かつ吸収体構造
と共存する領域の外側に延びている。トップシートは広がり、好ましいサイドフ
ラップ、サイドラッピング要素、またはウィングの一部またはすべてを形成する
。

【００４３】 吸収体コア 本発明によると、ここで使用するのに適切な吸収体コアは、任意の吸収体コア
または従来知られたコアシステムから選択することが出来る。ここで用いられて
いる吸収体コアは、主要な機能が流体を吸収し、貯蔵し、分配する、任意の物質
層または多層について言う語である。

【００４４】 本発明によると、吸収体コアは、（ａ）好ましくは第２の任意流体分配層とと
もに、任意の第１の流体分配層、（ｂ）流体貯蔵層、（ｃ）貯蔵層の下の任意の
繊維（ダスティング）層、および（ｄ）他の任意部品を含むことが出来る。

【００４５】 ａ．第１／第２の流体分配層 本発明による吸収体コアの１つの任意部品は、第１の流体分配層および第２の
流体分配層である。第１の流体分配層は、典型的には、トップシートの下にあり
、それと流体連結している。トップシートは、最終的に貯蔵層に分配知るために
、獲得した流体を第１の流体分配層に輸送する。第１の流体分配層を通してのこ
の流体の輸送は、厚さ方向にだけ生ずるのではなく、吸収製品の流さんおよび幅
方向にも生ずる。

【００４６】 任意ではあるが、より好ましい第２の流体分配層は、典型的には、第１の流体
分配層の下にあり、それと流体連結している。この第２の流体分配層の目的は、
第１の流体分配層から流体を獲得し、それを急速にその下の貯蔵層に輸送するこ
とである。このことは、その下の貯蔵層の流体蓄積力を十分に利用するのを助け
る。流体分配層は、そのような分配層のために典型的な任意の物質を含み得る。

【００４７】 ｂ．流体貯蔵層 典型的には、第１の流体分配層および第２の流体分配層の下に位置し、それと
流体連結するのは、流体貯蔵層である。流体貯蔵層は、通常の吸収材料、または
その組合せを含み得る。それは、好ましくは、通常、「ヒドロゲル」、「超吸収
体」、「ヒドロコロイド」材料と呼ばれている吸収体ゲル材料を、適切なキャリ
アとともに含む。

【００４８】 吸収体ゲル材料は、多量の水性体液を吸収することが出来、通常の圧力下で、
そのような吸収された流体を保持し得る。吸収体Ｇル材料は、適切なキャリア内
に均一に、または不均一に分散し得る。適切なキャリアは、それらが吸収体であ
るならば、単独で使用し得る。

【００４９】 ここで用いられる適切なゲル材料は、最もしばしば、実質的に水不溶性であり
、すこし架橋した、部分的に中和された、ポリマーゲル材料を含むであろう。こ
の材料は、水と接触してヒドロゲルを形成する。そのようなポリマー材料は、従
来から知られている、重合可能な、不飽和の、酸含有モノマーから製造すること
が出来る。

【００５０】 適切なキャリアとしては、綿毛またはティッシュの形の、天然、変性、または
合成繊維、特に、変性された、または変性されないセルロース繊維のような吸収
体構造に用いられる材料がある。適切なキャリアは、吸収体ゲル材料とともに用
いることが出来るが、しかし、それらは、単独でまたは組合せて用いることが出
来る。

【００５１】 本発明により製造された吸収体構造の態様は、ティッシュを折り曲げることに
より形成された二重層ティッシュ積層体を含む。これらの層は、例えば、接着剤
により、または機械的連結により、または水素結合により、相互に接合すること
が出来る。吸収体ゲル材料または他の任意の材料は、層間に含まれ得る。

【００５２】 硬化したセルロース繊維のような変性セルロース繊維を用いることが出来る。
合成繊維もまた用いることが出来、セルロースアセテート、ポリビニルフルオラ
イド、ポリビニリデンフルオライド、（Ｏｒｌｏｎのような）アクリル、ポリビ
ニルアセテート、不溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン
、（ナイロンのような）ポリアミド、２成分繊維、３成分繊維、その混合物等が
ある。好ましくは、繊維面は疎水性または疎水性であるように処理される。貯蔵
層はまた、液体の保持を改善するために、パーライト、ケイソウド、バーミキュ
キュライトとすることが出来る。

【００５３】 吸収体ゲル材料がキャリア内に不均一に分散していたとしても、貯蔵層は局部
的に均一であり得るのであり、即ち貯蔵層内に１つまたは幾つかの方向に分布勾
配を有する。不均一分布は、吸収体ゲル材料を部分的にまたは完全に囲むキャリ
アのラミネートについても言うことが出来る。

【００５４】 ｃ．任意繊維質（ダスティング）層 本発明による吸収体コアに含まれる任意部品は、貯蔵層に隣接する、典型的に
は貯蔵層の下にある繊維質層である。吸収体コアの製造中に貯蔵層内の吸収体ゲ
ル材料が堆積される基体を提供するので、この下地繊維質層は、典型的には「ダ
スティング層」について言う語である。吸収体ゲル材料が、繊維、シートまたは
ストリップのようなマクロ構造の形である場合には、この繊維質（ダスティング
）層を含む必要はない。しかし、この「ダスティング」層は、パッドの長さに沿
った急速な流体の吸い上げのような、流体を取り扱う追加の毛細管を提供する。

【００５５】 ｄ．吸収体構造の他の任意部品 本発明による吸収体コアは、通常、吸収体ウエブに存在する他の任意部品を含
み得る。例えば、吸収体コアのそれぞれの層内に、またはそれぞれの層間に、補
強スクリムを位置させることが出来る。そのような補強スクリムは、流体移動へ
の界面バリアを形成しないような構造であるべきである。通常、熱的接合の結果
として生ずる構造の一体性が与えられれば、補強スクリムは、通常、熱的に接合
された吸収体構造には必要ではない。

【００５６】 本発明による吸収体コアに含まれ得るもので、かつ好ましくは第１及び第２の
流体分配層に近接して、またはその一部として提供される他の部品は、臭気制御
剤である。

【００５７】 本発明により作られる好ましい生理用ナプキンまたはパンティライナーは、一
対のサイドラッピング要素または「下着カバー部品」を有している。これらの要
素または部品は、側部の汚れ（即ち、パンティ布のエッジの汚れ）を減少させる
ため、着用者のパンティをカバーし、典型的には通常のフラップまたはウイング
よりも小さい。

【００５８】 製品と一体化しているか、または別々に製造した後、製品に合体するかにかわ
らず、サイドラッピング要素の機能は、縦軸および／または横軸に平行な１つま
たは両方の方向に延長可能とすることにより、更に改善される。その延長可能性
は、サイドラッピング要素のすべてまたは一部のみに設けられ、延長可能とされ
るべき部分にひだを付けることにより、またはリングローリングすることにより
、達成することが出来る。

【００５９】 本発明によると、トップシート、バックシート、および吸収体コア部品は、吸
収製品を提供するために、結合される。典型的には、製品の部品の少なくとも２
つ、好ましくはすべてを結合して、製品を形成する。吸収製品の部品のそれぞれ
は、少なくとも１つの層を含み、着用者に面する面と衣服に面する面とを有する
。典型的には、隣接する衣服に面する面は、隣接する部品または層の着用者に面
する面と共通の界面を形成する。このようにして、トップシートは、吸収体コア
に接合され、コアはバックシートに接合される。加えて、トップシートは、吸収
製品の端部において、バックシートに直接、または間接的に接合されてもよい。

【００６０】 更に、特に生理用ナプキン、パンティライナー、および失禁用製品では、バッ
クシートの衣服に面する面は、製品が着用者の衣服から取り外し可能に接合され
る面を提供する。使用前に、この面は、典型的には保護カバーを備えている。吸
収製品の部品を接合するための従来の手段は、衣服の固定を提供する。 熱接着、圧力接着、機械的接着等を用いることにより、接着剤の連続層、スパイ
ラル状やスポット状のような接着剤のパターン層を用いるような手段を用いるこ
とが出来よう。

【００６１】 テスト方法 バックシートマスッキングテスト−反射分光光度分析 このテストは、以下の使用により、または合成血液を用いたパッドの模擬装着
による、生理用ナプキンのバックシートの隠蔽レベル（赤さ／白さ）を検査する
。

【００６２】 装置 Ｘ−ライト（Ｒｉｔｅ）色度測定モッド（Ｍｏｄ）：９４８／９６８ この装置は、工業規格ＣＩＥ１９７６による、Ｈｕｎｔｅｒ Ｌａｂ（Ｌ、ａ
、ｂ成分）による反射スペクトルを測定する。

【００６３】 手順：隠蔽の実験室シミュレーション １．手動により、色度Ｘ−ライトを検量する。 ２．新しいパッドを、着用者に面する面（トップシート）を上に向けて、実験
室のベンチ上に置く。 ３．パッドの中央に１０ｍｌの合成血液を付与する。 ４．1分後、パッド上に圧力／６０ｇ／平方ｃｍを加える。 ５．重量を除き、着用者に面する面を上に向けてパッドを置き、シリコン紙を
はがす。 ６．Ｘ−ライト装置をバックシート上に置き、Ｈｕｎｔｅｒ（Ｌ、ａ、ｂ値）
を測定する。付与した領域において１０回読み、その平均をとる。 ７．５個の別のパッドにつき、テストを繰り返す。

【００６４】 実施例 プロクターアンドギャンブル社（ドイツ）製の、Ａｌｗａｙｓ Ｕｌｔｒａ
Ｎｏｒｍａｌ（商標）として市販されている、変形生理用ナプキンについて、隠
蔽テストを行った。

【００６５】 実施例１：バックシートは、白のポリエチレン膜である。 実施例２：バックシートは、ピーチのポリエチレン膜である。 実施例３：バックシートは、ピンクのポリエチレン膜である。 実施例４：バックシートは、トレダガー（Ｔｒｅｄａｇａｒ）フィルムプロダ
クト社（オランダ）から、コードＳ２２５ＭＤ２５として市販されている３次元
成形膜と、エクソンケミカル社（米国）からコードＸＢＦ１１２Ｗとして市販さ
れている微細気孔質ポリエチレン膜とからなる二重層構造である。 実施例５：バックシートは、実施例１と同じ、白のポリエチレン膜であり、血
液が付与されておらず、使用されていない。

【００６６】 結果 実施例 白さ（Ｌ） ６８ ６１ ６９ ８９ ９６ 赤さ（ａ） ５．４ ８．２ ５．１ ０．３ ０．０ 本発明の一態様を示す実施例４から明らかなように、実質的に高い白さ（Ｌ）
パラメーターおよび実質的に減少した赤さ（ａ）パラメーターが得られ、これら
は未使用のナプキンと類似の値である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｓ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (71)出願人 ＯＮＥ ＰＲＯＣＴＥＲ ＆ ＧＡＮＢＬ Ｅ ＰＬＡＺＡ，ＣＩＮＣＩＮＮＡＴＩ， ＯＨＩＯ，ＵＮＩＴＥＤ ＳＴＡＴＥＳ ＯＦ ＡＭＥＲＩＣＡ (72)発明者 タンブロ、マウリツィオ イタリア国、アイ − 65100 ペスカー ラ、ビア・エム・ポロ 50 Ｆターム(参考） 4C003 CA01

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸収製品における、三次元成形膜層を含むバックシートの用途であって、前記
   製品は、着用者に面する面と、衣服に面する面とを含み、前記衣服に面する面は
   、前記吸収製品の前記衣服に面する面を通しての汚れの隠蔽を提供するために、
   前記バックシートにより提供される用途。
2. 【請求項２】 前記バックシートは、湿分蒸気透過性であり、液体不透過性である請求項１に
   記載の用途。
3. 【請求項３】 前記３次元成形膜は、多孔成形膜である請求項１に記載の用途。
4. 【請求項４】 前記バックシートは、少なくとも２つの層を含み、前記多孔成形膜および第２
   の層は、多孔成形ポリマー膜、繊維質不織布または繊維質織布の２次元平面多孔
   膜を含む請求項３に記載の用途。
5. 【請求項５】 前記３次元膜は、非多孔膜である請求項１に記載の用途。
6. 【請求項６】 前記多孔成形膜は、７０を超える白さ（Ｌ）パラメーターと、５未満の赤さ（
   ａ）パラメーターを有する請求項１〜５のいずれかの項に記載の用途。
7. 【請求項７】 前記多孔成形膜は、７５を超える白さ（Ｌ）パラメーターと、４未満の赤さ（
   ａ）パラメーターを有する請求項１〜６のいずれかの項に記載の用途。
8. 【請求項８】 前記吸収製品は、更にトップシートおよび吸収体コアを吹く未、前記コアは、
   前記トップシートと前記バックシートとの間に位置し、前記トップシートは、前
   記着用者に面する面を提供する請求項１に記載の用途。
9. 【請求項９】 前記トップシートは、非吸収体トップシート、好ましくは疎水性不織布または
   多孔ポリマー膜である請求項８に記載の用途。
10. 【請求項１０】 前記吸収製品は、生理用ナプキンまたはパンティライナーである請求項１〜９
    のいずれかの項に記載の用途。