JP2002508215A

JP2002508215A - 液体収縮性呼吸性バックシートを有する吸収製品

Info

Publication number: JP2002508215A
Application number: JP2000538644A
Authority: JP
Inventors: コルザーニ、イタロ; チアマイケラ、ファビオ
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 1996-12-03
Filing date: 1997-12-15
Publication date: 2002-03-19
Also published as: DE69610848D1; EP0846454A1; AU5693098A; DE69610848T2; ES2151120T3; ATE197243T1; WO1999030657A1; BR9714911A; CA2313003A1; AU729015B2; CA2313003C; EP0846454B1

Abstract

(57)【要約】本発明は、呼吸性バックシートの組込みにより呼吸性であり、着衣の湿潤浸透を示す傾向が少ない生理用ナプキンおよびパンティライナーの様な吸収製品に関する。バックシートは、ポリビニルアルコールのような不溶性液体収縮性材料を含む少なくとも１つの蒸気透過性開孔層を具備する。流体排出との接触の際に、材料は収縮し、それにより層の開孔の閉鎖を引き起こし、従って、着用者の着衣に対するバックシートを通る液体の通過を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】発明の分野本発明は、液体との接触の際に活性化される吸収製品における使用のための呼
吸性バックシートの提供に関する。

【０００２】発明の背景吸収製品の分野、特に生理用品における開発下にある主たる消費者の必要は、
大きな保護と快適さのレベルの両方を提供する製品の提供である。

【０００３】吸収製品における消費者の快適さの利益を提供するための１つの手段は呼吸性
製品の提供による。呼吸性は、典型的には、吸収製品におけるいわゆる「呼吸性
バックシート」の組込みに集中する。一般的に利用される呼吸性バックシートは
、例えば米国特許第４５９１５２３号において開示される方向性流体移行を有す
る微小多孔性フィルムおよび開孔形成されたフィルムである。それらのタイプの
呼吸性バックシートの両方は、環境との気体交換を可能として蒸気透過性である
。それによりこのことは、コアの中に貯えられている流体の一部の蒸発を可能と
し、吸収製品の中の空気の循環を増加させる。特に長期にわたって開孔形成され
たフィルムまたはフィルム状トップシートの存在と一般的に関連して使用のあい
だに多くの着用者により経験される粘着感を減少させるので後者は特に有益であ
る。これは清浄で乾燥した外観を達成するように設計されたトップシートの結果
である。それらのトップシートは滑らかである傾向があり、それによりトップシ
ートの表面上での流体の蓄積を最小化する。しかしながら、その滑らかな表面の
質感によりそれが皮膚に対して粘着性となる傾向がある時それらの利益は特に暖
かく湿った状態の下で快適さを犠牲にして達成される。

【０００４】しかしながら、吸収製品の中の呼吸性バックシートの使用に伴う主な欠点は、
使用者の着衣に対する濡れ浸透として知られる漏れによる保護レベル性能に対す
る負の影響である。呼吸性バックシートは原理的に気体状態の材料の移行のみを
可能とするけれども、押し出し、拡散、および毛管作用のような物理的機構が更
に起こり、バックシートを通って使用者の着衣に吸収性コアからの流体の移行と
なり得る。特に、もし製品が物理的影響のあいだまたは大きな排出負荷または長
い時間のあいだ利用されるならば、それらの機構はより優勢となる。従って、吸
収製品における呼吸性バックシートの組込みは快適さの観点から極めて望ましい
けれども、バックシートの主な役割はいまだ液体の漏れの防止にあるのでそのよ
うな呼吸性バックシートは製品に満足に組み込まれ得ない。

【０００５】吸収製品におけるそのような呼吸性バックシートの組込みによる使用者の着衣
への濡れ浸透の問題は実際、当該技術において認識されてきた。問題を解決する
ための試みは、米国特許第４３４１２１６号において例示されるような多層バッ
クシートの使用において主に存在してきた。同様に、ＥＰＯ７１０４７１は、気
体透過性、疎水性、ポリマー性繊維性布帛の外層および方向性流体輸送を有する
開孔形成されたフィルムを具備する内層を具備する呼吸性バックシートを開示す
る。バックシート構造は、ある種の具体的な試験条件の下で好ましくは液体輸送
／湿潤浸透を有さない。また、ＥＰＯ７１０４７２は、コア領域にわたって互い
に付着しない少なくとも２つの呼吸性層からなる呼吸性バックシートを開示する
。バックシート構造は好ましくは、ある種の具体的な試験条件の下で液体輸送／
湿潤浸透を有さない。

【０００６】米国特許第４７１３０６８号は、吸収製品のための外側カバーとしての使用の
ための呼吸性布状バリアを開示する。バリアは少なくとも２層を具備し、第１の
層は特定の坪量、繊維直径およびポアサイズを有し、第２の層は特定の厚さを有
するポリビニルアルコールの連続フィルムを具備する。バリアはまた特定の水蒸
気移動速度および不透過性のレベルをも有する。

【０００７】しかしながら、上記提起された解決のどれも、すべての条件の下で呼吸性バッ
クシートの湿潤浸透の問題に対する完全に満足のいく解決を提供し得ていない。
さらに、例示された多層バックシートと関連するもう１つの問題は製品の厚さ全
体の増加および可撓性の減少であり、それらの両方は製品の快適さについて消費
者にとって知覚可能な減少となる。

【０００８】呼吸性バックシートの湿潤浸透の問題に対する別に提起された解決は、液体の
ほとんどまたは全くがバックシートとの接触に至り、それにより湿潤浸透を防止
するような吸収材料の改善に関する。これは、典型的には、製品の中の吸収性材
料の量の増加により達成される。しかしながら、これでは、消費者の快適さの観
点からは極めて望ましくない極端に厚い吸収製品となる。従って、吸収製品は、
要求される保護レベルを有し、さらに呼吸性バックシートの存在によりいくらか
の快適さの利益を維持するけれども、この場合においては製品の寸法の増加と言
う異なる起源から快適さの欠如を被る。

【０００９】加えて、上記解決はまた、断面の堅さの増加として特に明らかな製品の可撓性
の減少ともなる。しかしながら、着用者にとって快適であるために吸収製品は断
面的に可撓性である必要があることもまた良好に確立されている。吸収製品が断
面でより可撓性であればそれは着用者にとってより気付かれないと思われる。従
って、可撓性は、現代の吸収製品のもう１つのきわめて所望される快適さの要求
項目である。

【００１０】ＥＰＯ７０５５８３およびＥＰＯ７０５５８４は、蒸気透過性である縦に可撓
性の吸収製品を提起する。しかしながら、例示された吸収製品は典型的に極めて
薄く、製品の吸収能力または湿潤浸透の問題に対処しない。

【００１１】米国特許第５４４７７７８号は、吸収製品における使用にとって適切な多孔性
不織布液体活性化バリアを開示する。そのバリアは繊維の少なくとも５０％が液
体膨潤性ポリマーから調製される繊維性不織ウエブを含み、そのポリマーは膨潤
性ポリビニルアルコールのように水中で有意に可溶性ではない。水の存在下で、
ポリマーは繊維性不織ウエブを通る液体の通過を実質的に遮蔽するのに十分な程
度まで膨潤する。しかしながら、その特許において与えられるデータからは、液
体の通過は実質的に遮蔽されておらず、従って、不織布の適用において含まれる
膨潤性ポリマーが材料の中のポアを閉じる上で相対的に小さな能力を有すること
が明らかである様にそのウエブは湿潤浸透問題を除去しない。

【００１２】従って、吸収製品における呼吸性バックシートの組込みは保護レベルの減少を
もたらすので、問題をさらに悪化させるであろう製品の厚さの減少および製品の
可撓性の向上のような更なる所望の製品の快適さの修正は吸収製品に組み込まれ
得ない。したがって、吸収製品においてよりすぐれた消費者の快適さを提供する
ために利用可能な手段と許容可能な保護レベルに矛盾が存在する。

【００１３】それゆえ、本発明の目的は、許容可能なレベルの保護を維持しつづける吸収製
品にわたる呼吸性の提供により、よりすぐれた快適さを有する吸収製品を提供す
ることである。

【００１４】この度、不溶性液体収縮性材料を含む少なくとも１層を含む呼吸性バックシー
トを有する製品の提供によりこの目的が達成され得ることが見出された。

【００１５】本発明の利点は、バックシートは、乾燥状態にあるとき、蒸気および好ましく
は蒸気および空気の移動を可能とし、収縮の後その湿潤状態で、液体の移行を防
ぎながら少なくともある程度の蒸気透過性を維持することである。

【００１６】発明の概要本発明は、呼吸性バックシートの組込みにより呼吸性であり、着衣への湿潤浸
透を示す傾向が少ない生理用ナプキンおよびパンティライナーの様な吸収製品に
関する。バックシートは、１０重量％から１００重量％のポリビニルアルコール
のような不溶性液体収縮性材料を含む少なくとも１つの蒸気透過性開孔層を具備
する。液体排出との接触の際に、材料は収縮し、それにより層の開孔の閉鎖を引
き起こし、したがって着用者の着衣へのバックシートを通る液体の通過を防止す
る。

【００１７】発明の詳細な説明本発明による吸収製品は、本質的な部材として呼吸性バックシートを具備する
。バックシートは主に、吸収構造の中に吸収され含有される滲出物がアンダーパ
ンツ、パンツ、パジャマおよび下着の様な吸収製品と接触する製品を濡らすこと
を防止し、それにより流体輸送に対してバリアとして機能する。しかしながら加
えて、乾燥しているとき本発明の呼吸性バックシートは、少なくとも水蒸気およ
び好ましくはそれを通って水蒸気と空気の両方の移行を可能とし、従って、バッ
クシートの中へのおよび外への気体の循環を可能とする。しかしながら加えて、
バックシートはまた、好ましくは濡れた後それを通って水蒸気の移行を可能とし
つづける。バックシートは典型的には吸収構造の全体にわたって伸び、サイドフ
ラップ、サイドラップ要素またはウイングに伸び、その一部または全てを形成し
得る。

【００１８】本発明によれば、呼吸性バックシートは、非水溶性液体収縮性材料の前記バッ
クシートの前記層の１０重量％から１００重量％、好ましくは２５重量％から１
００重量％、より好ましくは５０重量％から１００重量％、最も好ましくは７５
重量％から１００重量％を含む少なくとも１つの層を含む。

【００１９】本発明によれば、液体と接触するとき収縮するいずれの公知の材料もバックシ
ートへの組込みについて適切である。この明細書で用いられるものとして収縮と
言う術語は、少なくとも１つの方向、すなわち、ｘ横方向、ｙ縦方向またはｚ垂
直方向において液体との接触の際に収縮を示す材料または前記方向のいずれかの
組合わせで収縮する材料を称する。

【００２０】本明細書で用いられるものとして液体と言う術語は、尿、経血などを含む体液
のような少なくとも７５重量％の水を含むいずれの流体も称する。本明細書で用
いられるものとして不溶性と言う術語は、所望の機能のために利用され得るよう
に体温で有意に可溶性でない材料を称する。

【００２１】本発明によれば、収縮性材料を含むそれぞれのバックシート層は、少なくとも
ｘ、ｙまたはｚ方向において、好ましくは前記バックシートのｘまたはｙ方向に
おいて収縮するように収縮する、すなわち、バックシートの平面において、より
好ましくは前記バックシートのｘおよびｙ方向の両方において。本明細書で以後
記載される試験方法によれば、前記材料は、前記バックシートの前記層の少なく
とも１つの方向において少なくとも５％、好ましくは少なくとも２５％、最も好
ましくは少なくとも４０％まで収縮する。

【００２２】呼吸性バックシートの中への収縮性材料を含む少なくとも１層の組み込みは、
水蒸気の通過および好ましくはそれを通る水蒸気と空気の両方の通過を可能とす
る。従って、使用の前に、およびバックシートが乾燥しているあいだに、吸収製
品は水蒸気に対して少なくとも透過性である。液体との接触の後に、材料は収縮
し、それによりバックシートの前記層の開孔を閉じる傾向がある。それによりこ
れは、バックシートを通って着用者の着衣への巨視的物体および液体の通過を防
止する。層の収縮の結果として、層、従ってバックシート全体の空気透過性は減
少し、一旦層が濡れるとそれは典型的にはなくなる。しかしながら、本発明の利
点は、水蒸気の通過が液体との接触の際に材料の収縮作用により有意に封鎖され
ず、したがって、空気透過性が減少するあいだにバックシートしたがって吸収製
品がいまだ濡れたときでさえ呼吸性であることである。

【００２３】好ましくは、収縮性材料は、典型的には収縮が材料それ自体においていずれの
化学的または巨視的物理的変化を引き起こさないように収縮の後でさえ層の構造
的一体性が保持されるように収縮のあいだにいずれの化学的または物理的変化も
受けるべきではない。

【００２４】ここでのバックシートとしての使用にとって好ましい呼吸性層は、乾燥してい
るとき大きな蒸気および空気交換を有するものであり、それは、好ましくは、一
旦濡れると空気交換を妨害するけれどもある程度の蒸気透過性を維持する。従っ
て、本発明によれば、収縮性材料を具備するバックシートのそれぞれの層は、乾
燥しているとき、少なくとも５００ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）、好ましくは少な
くとも７００ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）、最も好ましくは少なくとも１０００ｇ
／（ｍ²．２４ｈｒｓ）の蒸気透過性を有する。本発明の好ましい態様によれば
、それぞれの収縮性層はまた、乾燥しているとき少なくとも１０００ｌ／ｍ²／
ｓ、好ましくは少なくとも２０００ｌ／（ｍ²ｓ）、最も好ましくは少なくとも
３０００ｌ／（ｍ²ｓ）の空気透過性を有する。あまり好ましくないが、収縮性
材料を含む前記層が２次元微小多孔性フィルムの形態で存在するとき、乾燥状態
においてこのバックシート層は単に水蒸気透過性である。さらに、それぞれの収
縮性層は、濡れているとき本明細書で以後記載される様に試験方法の下で、５０
ｌ／（ｍ²ｓ）未満、好ましくは３０ｌ／（ｍ²ｓ）未満、より好ましくは１０
ｌ（ｍ²ｓ）未満および最も好ましくは５ｌ／（ｍ²ｓ）を超えない空気透過性
を有する。さらに、それぞれの収縮性層は、試験方法において記載されているよ
うに濡れた後５０ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）を超える、好ましくは１００ｇ／（
ｍ²．２４ｈｒｓ）を超える、より好ましくは２００ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）
を超える、最も好ましくは２５０ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）を超える蒸気透過性
を有する。

【００２５】本発明による呼吸性バックシートを含む吸収製品の着用者の着衣に接触する流
体排出の量すなわちいわゆるしみの着衣湿潤浸透面積は、試験方法の下で本明細
書で以後記載される湿潤浸透試験方法において規定されるものとして、好ましく
は１０００ｍｍ2 未満、より好ましくは１００ｍｍ2 未満、最も好ましくは１０
ｍｍ2 未満であるべきである。

【００２６】本発明によれば、ここでの使用にとって適切な収縮性材料には、少なくとも８
８％、好ましくは少なくとも９５％、最も好ましくは少なくとも９８％の加水分
解レベルを有するポリビニルアルコールのようなポリマーが含まれる。ポリビニ
ルアルコールはポリ酢酸ビニルの加水分解により調製される。ここで用いられる
ものとして加水分解レベルと言う術語は、水酸基による酢酸エステル基の置換の
モルにおけるパーセントを称する。得られるポリビニルアルコールの加水分解レ
ベルが大きいほど得られるポリマーの結晶性が大きい。大きな結晶性がより大き
な収縮となるようにポリビニルアルコールの結晶性は液体と接触するとき収縮す
るポリマーの能力に直接結びつくと思われる。加えて、結晶性およびしたがって
ポリビニルアルコールの収縮する能力は更に、酢酸エステル置換度を化学的に増
加させることによるのみならず、適切な機械的伸長の条件の下でポリマーを加工
処理することによっても向上し得る。典型的には、このことは、繊維および要求
される機械的特性を有する層およびフィルムのような構造へのポリマーの変形の
加工処理のあいだに達成され得る。特に張力（ストレッチング）が繊維またはフ
ィルムの成形のあいだに懸けられる。このプロセスは分子鎖の配向を増加させ、
ポリビニルアルコールの結晶性のレベルを大きく高めると思われる。

【００２７】ポリビニルアルコールの場合は、収縮は、分子レベルで起こる繊維の中のポリ
ビニルアルコールの極めて結晶性の構造の基本的には水である接触液体による部
分的破壊および／または可塑化により引き起こされると思われる。ポリビニルア
ルコールの結晶構造は張力下で形成されるので、残留の、バランスの取れていな
い張力は材料の中に残る。水と接触するとき結晶は可塑化し、弱くなる。結果と
して、内部張力は、材料がその元のあらかじめ伸長された寸法の少なくとも一部
を回復することを可能として弛緩する傾向がある。この様式において材料は収縮
を示すと思われる。

【００２８】本発明によれば、収縮性材料が層の少なくとも１０重量％存在し、前記層の収
縮性がすでに特定された限界の中にとどまるならば、前記層は、他の非収縮性部
材に加えて液体を有する異なるレベルの収縮性を示す収縮性材料の混合物を含み
得る。

【００２９】従って、前記呼吸性バックシートの前記層は更に、非収縮性部材材料の前記層
の９０重量％まで、好ましくは７５重量％まで、より好ましくは５０重量％まで
、および最も好ましくは２５重量％までを含み得る。しかしながら、最も好まし
い態様において、バックシート層は１００％の収縮性材料を含む。ここでの使用
にとって適切な非収縮性部材材料は、天然および合成的の両方で誘導されたもの
であり得る。例えば、収縮性バックシート層が繊維性織布または不織布層である
態様では、前記層はナイロン、ポリエステルおよびコットンのような非収縮性部
材材料を含み得る。それらの材料は、収縮性材料それ自体の繊維の中で根本的に
混合されるか、および／または収縮性材料とともに製織されるか溶融ブローされ
るかまたは押し出しされ得る。収縮性バックシート層が開孔されたフィルムであ
る態様にとって、それらの材料は、例えばグリセロール、グリコール、ポリグリ
コール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミンのような可塑化剤、お
よび安定化剤（抗酸化剤、抗ＵＶ剤）、顔料および鉱物フィラーのようなフィル
ムの他の通常の副次成分のようなポリマー性フィルムの従来の成分であり得る。

【００３０】本発明によれば、呼吸性バックシートは、前記収縮性材料を含む少なくとも１
層を含む。従って、ポリビニルアルコールのような収縮性材料を含む層は、織布
、不織布、２次元微小多孔性フィルム、２次元巨視的多孔性フィルム、巨視的に
拡張されたフィルムまたは開孔形成されたフィルムのようないずれの形態でも存
在し得る。好ましくは、収縮性層は、繊維性織布、または繊維性不織布または２
次元微小多孔性または巨視的多孔性開孔フィルムである。収縮性材料を含む２層
以上を有する本発明によるバックシートはそれゆえ、上記形態のいずれからも選
択され得る。好ましい呼吸性バックシートは、製織層と開孔フィルム層の組合わ
せのような前記収縮性材料を含む層のそのような形態の混合物を具備し得る。従
って、収縮性材料は、何れかの呼吸性バックシート層に組み込まれ得るし、従っ
て、付加的な非収縮性材料バックシート層の下に本明細書で以後記載されるタイ
プの全てを含む。

【００３１】好ましくは、収縮性材料は製織または開孔層に組み込まれる。と言うのは、前
記材料が離間関係にあるその形状では、材料が収縮する能力が高められると思わ
れるからである。

【００３２】本発明の態様によれば、収縮性材料は、繊維性織布または不織布層の製造の前
に繊維に形成される。典型的には、繊維性形態の材料は、５マイクロメートルか
ら３００マイクロメートル、好ましくは１０マイクロメートルから２５０マイク
ロメートル、最も好ましくは５０マイクロメートルから１５０マイクロメートル
の繊維直径を有する。加えて、平均繊維間ポア直径は好ましくは５マイクロメー
トルから３００マイクロメートルである。その繊維は、前記収縮性材料の繊維の
好ましくは少なくとも５０重量％、好ましくは少なくとも７５重量％を含む。

【００３３】前記材料が開孔形成されたフィルムまたは２次元多孔性フィルムに組み込まれ
る態様によれば、平均ポア直径は０．５マイクロメートルから５００マイクロメ
ートルである。

【００３４】本発明によれば、前記バックシートは、前記不溶性液体収縮性材料を含む少な
くとも１層を含む。加えて、前記バックシートは、任意に、収縮性でなく、従っ
て本明細書で定義される収縮性材料を含まない任意の付加層を含み得る。好まし
くは、前記バックシートは少なくとも２層を含み、最も好ましくは前記バックシ
ートは３層からなる。付加的なバックシート層は、ポリマー性織布、不織布、ま
たは２次元平面微小および巨視的多孔性フィルム、巨視的に拡張されたフィルム
および形成されたポリマー性開孔フィルムのような開孔されたフィルムのような
いずれの形態のものでもあり得る。さらに、前記付加層は本明細書で以後記載さ
れるようにいずれの化学的性質のものでも良く、合成または天然由来起源または
それらの混合物から形成され得る。

【００３５】本発明によれば、ここでの呼吸性バックシートとしての使用にとって適切な付
加層は、蒸気透過性、より好ましくは蒸気と空気の両方に透過性である層である
。適切な層は、繊維性織布、繊維性不織布、開孔されたフィルムまたはそれらの
いずれかの混合物または組み合わせであろう。適切な蒸気透過性層には、２次元
平面微小および巨視的多孔性フィルム、巨視的に拡張されたフィルムおよび開孔
形成されたフィルムが含まれる。本発明によれば、前記層における開孔は、いず
れの形状でも良く、しかし好ましくは球形または矩形であり、また寸法が変化し
ても良い。典型的には、開孔は５マイクロメートルから５００マイクロメートル
の平均直径を有する。ここでの使用のための２次元平面多孔性フィルムは、２０
０マイクロメートルから５マイクロメートルの直径を有する開孔を有し得る。２
次元平面微小多孔性層は、１５０マイクロメートルから５マイクロメートル、好
ましくは１２０マイクロマートルから１０マイクロメートル、最も好ましくは９
０マイクロマートルから１５マイクロマートルの平均直径を有する開孔を有する
。２次元平面巨視的多孔性層は、９０マイクロメートルから２００マイクロメー
トルの平均直径を有する開孔を有する。巨視的に拡張されたフィルム層および開
孔形成された層は７５マイクロメートルから５００マイクロメートルの平均直径
を有する開孔を有する。開孔は好ましくは層の全表面にわたって均一に分布する
が、しかしながら、開孔を有する表面のある領域のみを有する層もまた考えられ
る。

【００３６】バックシートの適切な２次元平面層は当該技術において公知のいずれの材料か
らも作られ得るが、しかし、好ましくは通常入手可能なポリマー性材料から作ら
れる。適切な材料は例えば、アメリカ合衆国ミネソタ州セントポールのミネソタ
・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニーのＸＭＰ−１０
０１およびエクソン・ケミカル・カンパニーにより供給されるエグゼア（Ｅｘｘ
ａｉｒｅ）ＸＢＦ−１０１Ｗである。ここで用いられるものとして、２次元平面
層と言う術語は、開孔がその長さに沿って平均均一直径を有し、それが層の平面
から突出しない、１ｍｍ未満、好ましくは０．５ｍｍ未満の深さを有する層を称
する。本発明においてバックシートとしての使用のための開孔された材料は、Ｅ
ＰＯ２９３４８２およびその中の参照において記載されているような当該技術に
おいて公知の方法のいずれかを用いて製造され得る。

【００３７】適切な開孔形成されたフィルムには、コアに向かって層の着衣に面する表面の
水平面を超えて伸びる別々の開孔を有し、それにより突起を形成するフィルムが
含まれる。突起はその終止末端に位置するオリフィスを有する。好ましくは、前
記突起は、米国特許第３，９２９，１３５号において記載されているものと同様
に漏斗形態のものである。突起の末端におけるオリフィスの断面寸法または面積
が層の着衣に面する表面の中に位置する開孔の断面寸法または面積より小さいな
らば、突起それ自体の終止末端に位置する平面およびオリフィスの中に位置する
開孔は円形かまたは非円形であり得る。好ましくは、前記開孔予備形成されたフ
ィルムは、完全ではないまでも、コアに向かって少なくとも実質的に完全に１方
向性流体輸送を有するように１方向性である。

【００３８】ここでの使用にとって適切な巨視的に拡張されたフィルムには、例えば、米国
特許第４６３７８１９号および米国特許第４５９１５２３号において記載されて
いるフィルムが含まれる。

【００３９】好ましくは前記収縮性材料はバックシート層の少なくとも１つに組み込まれる
。バックシート層の１つのみが本発明の収縮性材料を具備するマルチ呼吸性バッ
クシート態様においては、この層は、好ましくは前記層が吸収製品の着衣に面す
る表面を形成しないように吸収性コアに向かって位置するべきである。最も好ま
しくは前記層は、それが吸収製品と直接接触するように位置する。

【００４０】本発明の好ましい態様によれば、バックシートは少なくとも２つの層を具備し
、第１の層は前記収縮性材料を含み、第２の層は、繊維性織布、繊維性不織布、
２次元開孔多孔性フィルムまたは開孔形成されたフィルムを含む非収縮性ポリマ
ー性層を含む。

【００４１】本発明の最も好ましい態様によれば、バックシートは３層からなり、第１の層
は前記不溶性液体収縮性材料を含み、第２の層はポリマー性開孔形成されたフィ
ルムを含み、第３の層はポリマー性繊維性不織布を含む。

【００４２】本発明の好ましい態様によれば、呼吸性バックシートは、好ましくは、乾燥状
態で、収縮性層について本明細書で上記定義されたレベルの空気および水蒸気透
過性の両方を有する。より好ましくは呼吸性バックシートはまた、湿潤状態での
蒸気透過性のレベルにも合致する。

【００４３】本発明によれば、吸収製品はさらにトップシートと吸収性コアを具備する。吸
収性材料またはコアは、所望であればヒドロゲル粒子を含む毛羽の繊維性吸収性
コアかまたはヒドロゲル粒子を含む微粒子材料を有するか有さないラミネートテ
ィッシュであり得る。吸収性コア繊維は、セルロース繊維または吸収性とされた
ポリマー性繊維または非吸収性マトリックス繊維さえ含む当該技術において公知
のもののいずれかであり得る。十分な坪量および吸収性のティッシュもまた本発
明による吸収性コアにおいて用いられ得る。

【００４４】本発明によればトップシートは単層または多層を含み得る。好ましい態様にお
いて、トップシートは、トップシートの使用者に面する表面を提供する第１の層
および第１の層と吸収構造／コアとのあいだの第２の層を具備する。トップシー
トは、吸収される液体が吸収材料に貫通する層を提供する。

【００４５】トップシートは全体として、従って、夫々の層が個々に、柔順であり、柔軟な
感触があり、着用者の皮膚に対して刺激がない必要がある。それはまた、１また
は２方向に伸長することを可能とする弾力特性をも有し得る。典型的には、トッ
プシートは吸収構造の全体にわたって伸び、好ましいサイドフラップ、サイドラ
ップ要素またはウイングに伸び、その一部または全部を形成し得る。本発明によ
れば、トップシートは、不織布、フィルムまたは両方の組合わせのようなこの目
的のために入手可能であり当該技術において公知であるいずれの材料からも形成
され得る。本発明の好ましい態様において、トップシートの少なくとも１つの層
は、疎水性で液体透過性の開孔されたポリマー性フィルムを具備する。好ましく
は、上方層は、例えば、米国特許第３９２９１３５号、米国特許第４１５１２４
０号、米国特許第４３１９８６８号、米国特許第４３２４４２６号、米国特許第
４３４３３１４号および米国特許第４５９１５２３号において詳細に記載されて
いるように吸収構造に向かって着用者に面する表面からの液体輸送を促進するよ
うに提供される開孔を有するフィルム材料により提供される。

【００４６】本発明によれば、吸収製品は、当該技術において周知のいずれかの手段により
トップシート、バックシートおよび吸収性コアのようなさまざまの要素を結合す
ることにより構築される。例えば、バックシートおよび／またはトップシートは
、接着剤の均一連続層、接着剤のパターン化された層、または接着剤の分離した
線、螺旋または点の配列により吸収性コアにまたは互いに結合し得る。代わりに
要素は、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合または当該技術におい
て公知のいずれか他の適切な結合手段およびそれらの組み合わせにより結合し得
る。

【００４７】好ましくは、呼吸性バックシートは、バックシートの蒸気透過性における減少
を最小化および好ましくはなくすように吸収製品の他の要素に結合する。

【００４８】本発明の好ましい態様において、バックシートの収縮性層は、液体との接触に
際に層が自由に収縮することを可能とするために吸収製品の付加的な部材のいず
れか１つに単に部分的に結合し、それによりこのことが所望されないならば製品
の変形を防止する。このことを達成する１つの手段は、例えば、単に１つの点に
おいてまたは１つの線に沿って収縮性材料を含む層を結合させることであり、代
わりに、層は、層の動きが制限される２以上の点においてまたは２本の線に沿っ
て結合し得る。しかしながら、そのような動きの限定は、製品の他の部材に対し
て過剰の層を利用することにより克服され得る。代わりに、別態様において、前
記層は吸収製品のいずれか他の部材に結合しない。

【００４９】好ましくは、呼吸性バックシートに加えて、得られる吸収製品それ自体もまた
呼吸性を示すべきである。従って、吸収製品は、乾燥しているとき、吸収製品蒸
気透過性試験において定義される、好ましくは１００ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）
を超える、好ましくは３００ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）を超える、より好ましく
は５００ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）を超えるおよび最も好ましくは７００ｇ／（
ｍ²．２４ｈｒｓ）を超える蒸気透過性を有する。より好ましくは、吸収製品は
また、乾燥しているとき、吸収製品空気透過性試験において定義される１００ｌ
／（ｍ²ｓ）を超える、好ましくは２５０ｌ／（ｍ²ｓ）を超える、より好まし
くは５００ｌ／（ｍ²ｓ）を超える、最も好ましくは６００ｌ／（ｍ²ｓ）を超
える空気透過性を有する。

【００５０】本発明によれば、吸収製品は、生理用ナプキン、パンティライナー、成人失禁
製品および乳児用おむつとして有用性を見出し得る。本発明は特に生理用ナプキ
ンおよびパンティライナーとして有用性が見出される。従って、本明細書で上記
された部材に加えて、吸収製品はまた、ウイング、サイドフラップ、下着接着手
段、リリースペーパー、ラップ要素、ファスナー手段などのようなその意図され
る用途のコンテキストにおいて製品にとって典型的であるすべての特徴および部
分をも含み得る。

【００５１】例収縮性層例１これは、経糸繊維がＰＶＯＨ繊維ソルブロンＳＨ２８ＤＥＮ−９ＦＩＬで緯糸
繊維がＰＶＯＨ繊維ソルブロンＳＬ７５ＤＥＮ−２０ＦＩＬである１００％ポリ
ビニルアルコール（ＰＶＯＨ）繊維を含む商品名ニチビＧＦ４００（コード４）
の下で日本のニチビ社により供給される織布層である。その層は、４３ｇ／ｍ² の坪量を有する。

【００５２】例２これは、コードネームニチビＧＦＬ４００（コードＳＬ）の下で日本のニチビ
により供給される織布ポリビニルアルコール層であり、ＰＶＯＨ繊維ソルブロン
ＳＬ２８ＤＥＮ−１００ＦＩＬの経糸繊維とＰＶＯＨ繊維ソルブロンＳＬ２８Ｄ
ＥＮ−９６ＦＩＬの緯糸を有する１００％ＰＶＯＨ繊維布帛を含む。その層は、
２８ｇ／ｍ²の坪量を有する。

【００５３】すべてのＰＶＯＨソルブロンＳＬおよびＳＨ繊維は、９８％以上の加水分解レ
ベルを有する９２．５％を超えるポリビニルアルコールを含む。

【００５４】対照：対照は、英国のリンパック（ＬＩＮＰＡＣ）Ｃｏ．により供給されるコードネ
ームアクアフィルム・ホット・ウオーターの下で入手可能な商業的に入手可能な
５０ミクロン非多孔性ポリビニルアルコールフィルムである。

【００５５】生理用ナプキンの例例１：対照１これは本発明による生理用ナプキンの例である。その生理用ナプキンは、改変
されているプロクター＆ギャンブル・ジャーマニーから入手可能なオールウエイ
ズ・ウルトラ生理用ナプキンに基づいている。トップシートは、コードＸ−１５
２２の下でトレデガー（Ｔｒｅｄｅｇａｒ）・フィルム・プロダクツＢ．Ｖ．ホ
ランドから入手可能なＣＰＭ材料である。コア材料は、５５ｇ／ｍ²坪量の２層
の空気載置ティッシュで構成されるティッシュラミネート（２０ｃｍ×６．５ｃ
ｍ）である（供給者コードユニケイ（Ｕｎｉｋａｙ）３０３ＬＦの下でイタリア
のユニケイから入手可能）。２つのティッシュ層のあいだに、ラミネートは５１
ｇ／ｍ²の坪量でＡＧＭ（供給者コード、ダウ９５８９０．１の下でダウ・ケミ
カルズ・ジャーマニーから入手可能）を含む。コアラミネートは、（実験製造コ
ード：ＸＡ０７．００１．００３の下で）イタリアのコルマ（Ｋｏｒｍａ）によ
り製造され供給された。バックシートは２層を含み、第１の層は吸収性ティッシ
ュと接触し、第２の層は着用者の下着と接触する。第１の層は、衝撃抵抗６角形
開口形状を有する低密度および高密度ＰＥの混合物である開孔形成されたフィル
ムバックシート層である（製造コードＡＳ２２５ＨＤ２５の下でトレデガー・フ
ィルム・プロダクツＢ．Ｖ．ホランドにより供給される）。第２のバックシート
層は、２８ｇ／ｍ²の坪量を有する２層からなる不織布ラミネートである（商品
名ＭＤ２００５の下でドイツのコロビン（Ｃｏｒｏｖｉｎ）ＧｍｂＨにより製造
される）。

【００５６】例２：参照２この例は、バックシートが３層を具備する、すなわち、第１の層は吸収性ティ
ッシュと接触し、中間層があり、第３の層は着用者の下着および中間層と接触す
ることを除いて例１と同一である。第１の層は、フィンランドのスオミネン（Ｓ
ｕｏｍｉｎｅｎ）・カンパニーにより製造される疎水性ポリエステルスパンレー
ス不織布（坪量４０ｇ／ｍ²）である。第２の層は開孔形成されたフィルムバッ
クシート層であり、それは、衝撃抵抗６角形開口形状を有する低密度および高密
度ＰＥの混合物である（製造コードＡＳ２２５ＨＤ２５の下でトレデガー・フィ
ルム・プロダクツＢ．Ｖ．ホランドにより供給される）。第３のバックシート層
は２８ｇ／ｍ²の坪量を有する２層からなる不織布ラミネートである（商品名Ｍ
Ｄ２００５の下でドイツのコロビンＧｍｂＨにより製造される）。

【００５７】例３この例は、バックシートが３層を含み、第１の層が吸収性ティッシュと接触し
、中間層があり、第３の層が着用者の下着および中間層と接触することを除いて
参照１と同一である。第１の層は、経糸繊維がＰＶＯＨ繊維ソルブロンＳＨ２８
ＤＥＮ−９ＦＩＬであり、緯糸繊維がＰＶＯＨ繊維ソルブロンＳＬ７５ＤＥＮ
−２０ＦＩＬであり、坪量＝４３ｇ／ｍ²を有する１００％ＰＶＯＨ繊維を含む
コードネームニチビＧＦ４００（コード４）の下で日本のニチビ社により供給さ
れる織布である。中間層は開孔形成されたフィルムバックシート層であり、それ
は衝撃抵抗６角形開口形状を有する低密度および高密度ＰＥの混合物である（製
造コードＡＳ２２５ＨＤ２５の下でトレデガー・フィルム・プロダクツＢ．Ｖ．
ホランドにより供給される）。第３のバックシート層は、２８ｇ／ｍ²の坪量を
有する２層からなる不織布ラミネートである（商品名ＭＤ２００５のもとでドイ
ツのコロビンＧｍｂＨにより製造される）。

【００５８】例４この例は、バックシートの第１の層がコードネームニチビＧＦＬ４００（コー
ドＳＬ）のもとで日本のニチビにより供給されるポリビニルアルコール織布によ
り置換され、それは、ＰＶＯＨ繊維ソルブロンＳＬ２８ＤＥＮ−１００ＦＩＬ
の経糸繊維およびＰＶＯＨ繊維ソルブロンＳＬ２８ＤＥＮ−９６ＦＩＬの緯糸
を有し、２８ｇ／ｍ²の坪量を有する１００％ＰＶＯＨ繊維布帛であることを除
いて例３と同一である。

【００５９】すべての上記例示においてＰＶＯＨ層の初期乾燥寸法は吸収性コアのそれと同
一である。

【００６０】試験方法試験流体の調製ここで用いられる試験液体は、界面活性剤の添加により修正された羊の血であ
る。その流体は、粘性、電気伝導性、表面張力および外観についてヒトの経血と
極めて似ている。典型的な衛生的な実施（およびいくつかの限定された状況では
食事の影響）が付加的な界面活性剤または例えば血液の表面張力を低くし得る脂
肪酸の予想外のレベルを導入し得るストレス状況をよりよく反映するために、界
面活性剤（１％）（ペゴスパース２００ＭＬ、ペゲシス（Ｐｅｇｅｓｉｓ）／Ｕ
ＳＡにより供給される）が羊の血液に導入される。低表面張力の経血は、生理用
ナプキンのような呼吸性吸収製品に対するバックシートを通る湿潤浸透の欠陥に
対する最大の寄与者である。

【００６１】試薬：１）ユニパス（Ｕｎｉｐａｔｈ）Ｓ．ｐ．Ａから入手可能なフィブリン除去さ
れた羊の血液（ガーバグネート・ミラニーズ（ＧａｒｂａｇｎａｔｅＭｉｌａ
ｎｅｓｅ）／イタリア）。

【００６２】２）界面活性剤、ペゴスパース２００ＭＬとしてアメリカ合衆国ペゲシスから
入手可能。

【００６３】第１に、羊の血液の粘度、ｐＨおよび伝導性は、血液特性が通常の経血のそれ
と近い範囲に存在することを保証するように測定されている（参照文献、Ｈ．Ｊ
．Ｂｕｓｓｉｎｇ “ｚｕｒＢｉｏｃｈｅｍｉｅｄｅｓＭｅｎｓｔｒｕａ
ｌｂｌｕｔｅｓ”ＺｂｌＧｙｎａｅｃ，１７９，４５６（１９５７）を参照さ
れたい。）。粘度は７から９（単位ｃＳｔｋ）の範囲内に存在すべきである。ｐ
Ｈは６．９から７．５の範囲内に存在すべきであり、伝導性は１０．５から１３
（単位ｍｍｈｏ）の範囲に存在すべきである。もし粘度が上記特定された範囲内
にないならば、それは用いられるべきではなく、羊の血液の新たなバッチが得ら
れる必要がある。

【００６４】個別の測定のために、典型的には、界面活性剤を有する１００ｍｌの羊の血液
が、１ｍｌの界面活性剤を９９ｍｌの羊の血液（２５℃で維持される）と混合す
ることにより調製される。羊の血液／１％界面活性剤試験流体は、成分が使用の
前に分離しないことを保証するために常に混合されていなければならない。羊の
血液は、供給者からの運送の５日以内に用いられるべきである。試験流体は調製
の４時間以内に用いられるべきである。

【００６５】湿潤浸透試験湿潤浸透は下記のように例示された生理用ナプキンについて測定される。

【００６６】試験用生理用ナプキンは、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）またはガラ
スで作られた平坦な透明試験スタンド上に配置される。試験試料は、バックシー
トがＰＭＭＡ試験スタンドと接触するように配向される。試料上に懸濁されてい
るのは、いずれか所望の量の試験液体を投与することが可能である液体デリバリ
ーシステムである。試験試料とＰＭＭＡスタンドとのあいだに位置するのは、２
枚の吸収性濾紙である（イタリアのカルティエラ・ファビニ（Ｃａｒｔｉｅｒａ
Ｆａｖｉｎｉ）により製造される、タイプ、アソルベンテ・ビアンカ（Ａｓｓ
ｏｒｂｅｎｔｅＢｉａｎｃａ）”Ｎ３０”（ローカルベンダーはディッタ・ブ
ラジオラ（ＤｉｔｔａＢｒａｇｉｏｌａ）Ｓ．ｐ．Ａ、イタリア））。試験流
体は、ビュレットのような検量されたデリバリーシステムを介して試験試料に導
入される。負荷は、試験用生理用ナプキンの中心に１２０秒で１０ｍｌの試験溶
液の均一速度で滴下によりなされる。一旦負荷されると、静止プレートが試料上
に配置され、それは次いで５分間に６０ｇ／ｃｍ²の均一圧力を与えるように錘
を負荷される。次いで錘は除かれ、吸収性濾紙上の湿潤浸透が評価される。

【００６７】湿潤浸透は、５ｃｍ試料長とともに染色された紙の写真を与えるためにビデオ
カメラ（ＤＸＣ−３０００Ｐ、日本のソニーにより製造された）を用いてブロッ
ティングペーパー上の最終的な血液のしみの面積を測定することにより定量され
る。しみの面積は、アメリカ合衆国のバイオスキャン社から入手可能な画像解析
ソフトウエア、オプティマス（Ｏｐｔｉｍａｓ）４．１を用いて電子写真を加工
処理することにより計算される。試験は少なくとも５回反復される。

【００６８】結果生理用ナプキンの例血液のしみの面積、ｍｍ² 最小最大参照１１５１５２３３０参照２１３２０１４２０例３ゼロ３例４ゼロ５結果は、上記試験において規定される使用者の着衣上への湿潤浸透を有効に除
去する本発明による吸収製品の能力の明らかな例証である。

【００６９】吸収製品および個々のバックシート層に対する空気および蒸気透過性試験蒸気透過性試験は、呼吸性吸収製品および個々のバックシート層の蒸気透過特
性を定量するために利用される。

【００７０】方法の基本原理；試験の基本原理は材料または吸収製品の水蒸気通過の程度を定量化することで
ある。適用される試験方法は、標準化された繊維産業に適用される試験方法に基
づき、通常「アップライトカップ試験方法」と称される。この試験は、２４時間
５０％ＲＨで２３℃の温度で維持される安定な温度／湿度実験室において実施さ
れる。

【００７１】装置：１）試料カップ（開放面積＝０．０００５９ｍ²）２）完備した（ｃｏｍｐｌｅｔｅｄ）試料カップに蒸留水を導入するためのシ
リンジ。

【００７２】３）一旦試料が入れられたカップをシールするためのワックス。

【００７３】４）直径＝３０ｍｍの円形試料の調製を促進するための円形パンチ。

【００７４】５）安定な室内条件の実験室（２３℃±０．５℃／ＲＨ＝５０％±１％ＲＨ）６）小数点第４位まで正確な実験室用秤試料調製／測定：この試験は吸収製品または個々のバックシート層に対して実施され得る。代表
的な製品が選択され、試料はパンチを用いて特定の大きさに切断される。サンプ
ルカットは、試料ホルダーに適切に重なる様に、および損傷され得るかまたは切
断操作により望ましくなく伸長し得る材料が、測定が実施されるとき測定中心の
外側に存在することを保証するように十分に大きい。試料は、カップに完全に重
なる様に、試料カップ上にそのように配置される。試料は、製品についているあ
いだに見出されるであろう実験室環境に対して露出している表面が同じであるこ
とを保証するように配向されている。

【００７５】次いで、試料カップの閉鎖リングが試料上に配置され、押し下げられる。この
ことは、過剰な材料が適所に堅く保持され、測定を妨害しないことを保証する。
次いでワックスが、装置の上方部分全体が環境に対して閉ざされることを保証す
るために閉鎖リングの表面全体に適用される。蒸留水（５±０．２５ｍｌ）が微
細な細孔を介して密封された試料カップにシリンジにより導入される。最終的に
、この細孔はシリコーングリースによりシールされる。

【００７６】（試料と水を含む）カップ全体は計量され、その重量は小数点第４位まで記録
される。次いでカップは、ファンにより発生する通気流中に置かれる。試料カッ
プの頂部上の空気流は３±０．３ｍ／ｓｅｃであり、風速計（イタリアのデウタ
（Ｄｅｕｔａ）ＳｐＡ．により供給される「アネモ（Ａｎｅｍｏ）」）により固
定される。試料カップは２４時間通気試験フィールドの中にとどまり、次いで再
計量される。この期間のあいだに、試験試料が十分に呼吸性であるならば、試料
ホルダーの中の液体は試料ホルダーから実験室環境に拡散することが可能である
。このことは、２４時間後の完全な試料カップの再計量について定量され得る試
料ホルダー中の水の重量の減少をもたらす。

【００７７】蒸気透過性値は、１日当たり見積もって、重量損失を試料ホルダーの開放面積
で割って定量される。

【００７８】すなわち、蒸気透過性＝重量損失（ｇ）／（０．０００５９ｍ²／２４ｈｒｓ
）収縮性の層の例蒸気透過性ｇ／（ｍ²／２４ｈｒｓ）例１４７０例２２８０対照４８０上記の結果から、収縮性の層は収縮の後でさえある程度の水蒸気透過性を維持
することが結論され得る。対照材料についての蒸気透過性値は、いずれの開孔も
有さないフィルム層がその親水性の特性により水蒸気に対して有意な透過性をい
まだ維持することを例証する。

【００７９】吸収製品および個々のバックシート層に対する空気透過性試験空気透過性試験は、材料が空気を循環／交換する能力を評価するために利用さ
れる。

【００８０】方法の基本原理試験の基本原理は、空気の通過に対する材料または吸収製品の抵抗を評価する
ことである。この試験は、（２３℃／５０％ＲＨの）標準条件のもとでおよび所
定の圧力の差異のもとで所定の寸法の製品を流通する空気の体積（または量）を
測定する。試験のために利用される装置は、スイスのテックステストＡＧにより
製造されるエア・パーミアビリメーターＦＸ３３００である。

【００８１】１００ｍｍ正方形試料が空気透過性測定のために作られた。乾燥試料について
の測定のために、試料は、１２時間、２３℃で５０％の相対湿度で状態調整され
た。湿潤状態における空気透過性を測定するために、試料は収縮試験の下で記載
されたように濡らされた。過剰の水はブロッティングペーパー上で試料を穏やか
にプレスすることにより除かれ、空気透過性は１０分以内に測定される。

【００８２】１００ｍｍ寸法の正方形試料は製造者により指示されるように装置上に配置さ
れる。アスピレーションポンプが、試料層または構造を通過する空気を吸引する
１２１０ｋＰａの圧力を発生させるように用いられる。装置は、試料と測定ヘッ
ドを含むオリフィスにわたる一定の圧力降下で空気流の体積を測定する。最終的
に、装置は、「ｌ／（ｍ²ｓ）」の単位で空気透過性の値を発生させる。

【００８３】最終製品に対する蒸気および空気透過性測定の場合においては、特にもし、ス
ロットコーターを介して接着剤の不透過性のストライプとして典型的である場合
のように接着剤が適用されるならば、パンティファスナー接着剤（ＰＦＡ）の面
積が結果に影響を与え得る。空気および蒸気透過性の両方の測定は、全製品の典
型である必要がある。代表的な測定を保証するための１つの単純な方法は、一部
ＰＦＡ被覆を有するバックシート試料を評価することである。ここで用いられる
例示された生理用ナプキンにおいては、全バックシート面積は４５％の程度まで
ＰＦＡで覆われている。従って、生理用ナプキン対照１および２同様に例３およ
び４についての蒸気および空気透過性測定は、ＰＦＡ接着剤による４５％表面被
覆を特徴とする試料で実施される。

【００８４】結果収縮性層を含む層および本明細書で上記例示された生理用ナプキンの空気透過
性は試験され、結果は以下に与えられる。

【００８５】収縮性層乾燥ｌ／（ｍ²ｓ）湿潤ｌ／（ｍ²ｓ）例１３２５０５例２９０００３生理用ナプキンの例乾燥ｌ／（ｍ²ｓ）湿潤ｌ／（ｍ²ｓ）対照１６７５６７５対照２５５０５５０例３５３０４４例４５４５３５上記から、本発明の典型である例３および４の空気透過性は濡れの後有意に減
少することが理解され得る。さらに、例３において記載される付加的な生理用ナ
プキンの試験をして、しかしそこでは収縮性層は切れ目のない販売されているポ
リエチレンフィルムにより置換され、それは液体と気体の両方に不透過性である
が、３２の湿潤値を与えた（表中には含まれていない）。従って、完全密封を得
ることの困難により、不透過性層でさえゼロ空気透過性を与えないことが理解さ
れ得る。従って、例３および４について得られた値は、空気不透過性層に有効に
対応する。

【００８６】収縮試験１００ｍｍ正方形の試料が収縮性層から切断され、１２時間２３℃で５０％相
対湿度で状態調整される。試験もまたそれらの条件の下で実施される。試料は、
３７℃で１０ｃｍ³の蒸留水によりピペットを用いて均一に濡らされる。試料寸
法は６０秒後に測定される。収縮パーセントは以下のように表現される。％収縮＝（初期寸法−最終寸法）／（初期寸法）＊１００寸法はｘ，ｙまたはｚ長のいずれかである。

【００８７】収縮性層緯糸での収縮経糸での収縮例１４０％６％例２４０％４０％

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (71)出願人ＯＮＥＰＲＯＣＴＥＲ＆ＧＡＮＢＬＥＰＬＡＺＡ，ＣＩＮＣＩＮＮＡＴＩ，ＯＨＩＯ，ＵＮＩＴＥＤＳＴＡＴＥＳＯＦＡＭＥＲＩＣＡ (72)発明者チアマイケラ、ファビオイタリア国アイ−65126 ペスカーラ、ビア・グエルフィ 29 Ｆターム(参考） 4C003 CA07

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液体透過性トップシート、吸収性コアおよび呼吸性バックシ
ートを具備する吸収製品であって、前記バックシートは、１０％から１００％の
不溶性液体収縮性材料を含む少なくとも１つの層を備えることを特徴とする吸収
製品。
【請求項２】前記バックシートの前記層が収縮試験で定義される１方向に
おいて少なくとも５％の収縮を有する請求項１記載の吸収製品。
【請求項３】前記材料が少なくとも８８％の加水分解レベルを有するポリ
ビニルアルコールである請求項１記載の吸収製品。
【請求項４】前記ポリビニルアルコールが少なくとも９５％の加水分解レ
ベルを有する請求項３記載の吸収製品。
【請求項５】前記バックシートの前記層が、空気透過性試験で定義される
乾燥しているとき少なくとも１０００ｌ／（ｍ²ｓ）の空気透過性を有し、濡れ
ているとき５０ｌ／（ｍ²ｓ）未満の空気透過性を有する請求項１ないし４のい
ずれか１項記載の吸収製品。
【請求項６】前記バックシートの前記層が、濡れているとき蒸気透過性試
験で定義される少なくとも５０ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）の水蒸気透過性を有す
る請求項１ないし５のいずれか１項記載の吸収製品。
【請求項７】前記製品が、湿潤浸透試験において定義される１０００ｍｍ ² 未満のしみの湿潤浸透面積を有する請求項１ないし６のいずれか１項記載の吸
収製品。
【請求項８】前記製品が、湿潤浸透試験において定義される１００ｍｍ² 未満のしみの湿潤浸透面積を有する請求項１ないし７のいずれか１項記載の吸収
製品。
【請求項９】前記製品が、乾燥しているとき、蒸気透過性試験において定
義される少なくとも１００ｇ／（ｍ²．２４ｈｒｓ）の蒸気透過性を有する請求
項１ないし８のいずれか１項記載の吸収製品。
【請求項１０】前記層が、繊維性不織布または繊維性織布または２次元微
小多孔性開孔フィルムまたは２次元巨視的多孔性開孔フィルムを含む請求項１な
いし９のいずれか１項記載の吸収製品。
【請求項１１】前記バックシートが少なくとも２層を具備し、第１の層は
前記収縮性材料を含み、第２の層は、繊維性織布、繊維性不織布、２次元開孔多
孔性フィルムまたはポリマー性開孔形成フィルムを含む非収縮性ポリマー性層を
含む請求項１ないし１０のいずれか１項記載の吸収製品。
【請求項１２】前記バックシートは３層からなり、第１の層は前記不溶性
液体収縮性材料を含み、第２の層はポリマー性開孔形成フィルムを含み、第３の
層はポリマー性繊維性不織布を含む請求項１ないし１１のいずれか１項記載の吸
収製品。
【請求項１３】前記製品が生理用ナプキンまたはパンティライナーである
請求項１ないし１２のいずれか１項記載の吸収製品。